ページ番号1004196 更新日 平成30年2月16日

企業:米国陸上 古くて新しい戦略的エリア

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レポートID 1004196
作成日 2011-11-24 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 企業非在来型
著者
著者直接入力 市原 路子
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 企業:米国陸上 古くて新しい戦略的エリア 更新日:2011/11/22 石油調査部:市原 路子 '各社ホームページ、各種報道他(・シェールガス、シェールオイルの登場によって、多くの企業は投資戦略を見直している。スーパーメジャーによる北米回帰の動きだけでなく、米国外の大手企業による新規参画も新しい動きである。例えば、北米陸上の開発が未経験な英国BG, ノルウェーのStatoilや豪州のBHP Billitonが米国のシェール開発に参画、資産拡充を進めている。 ・これまでも、北米陸上部は出入りが自由なだけでなく、良好な投資条件かつ先端技術のフィールドとして、規模拡大を目指す大手企業にとって長年、投資機会を与えてきた。 ・シェール開発の登場によって古くて新しい戦略的エリアとして再び注目を集めている。 シェールガス、シェールオイル開発が北米で本格化するとともに、北米陸上で操業していなかった大手企業がシェール資産の買い増しを続けている。具体的には、英国のBG社、ノルウェーの国営会社Statoil社、さらに豪州の資源会社BHP Billiton社である。この数年間で大型の企業買収やファームインを複数回に渡り行い、北米陸上の資産を戦略的なポートフォリオに加えている。 これらの企業は北米陸上での開発経験がなく、どちらかというと自国内や沖合開発を中心に上流事業を展開してきたが、2009年頃からBGとStatoilがシェール参画に動き、BHP Billitonが2011年以降に大型投資を決めている。各社の背景は異なるものの、北米シェールを新たなターゲットエリアとして位置付けて企業の埋蔵量追加、生産増が実現するとともに、開発技術の習得、将来的な価値創造にも繋げていく方針である。北米に基盤を置く地元企業やメジャーだけでなく、非米系企業にとっても北米陸上は魅力的なフィールドとしてとらえられている。規模拡大を確実にする上で、米国参画は欠かせない一つのフィールドなのかもしれない。 企業買収により得られるもの バイヤー側 ・資源の獲得 ・規模の拡大 セラー側 ・強力なマネージメント能力 ・長期的視野での資金確保 ・技術/人材の獲得 ・開発の柔軟性 ・オペレーター事業の獲得 ・技術改善と新たなバリューチェーン 長期的な企業価値増大、収益 ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図1.メジャーの生産量に占める米国比率 各社ホームページより作成 1.メジャーにとっての米国陸上 Totalを除き、スーパーメジャーにとって米国は、長年にわたり最重要な開発・生産地で、かつ最大の石油・ガス販売市場であった。2000年代初め、BPやChevronにとって米国の寄与度は40%に達し、陸域のみでも20%~25%を占めていた。 メジャー企業は、1950~70年代の中東等での資源国有化によって欧米諸国などへの他地域進出を余儀なくされたが、中でも米国は各井戸の生産量が小規模であっても、リスク・リターン、カントリーリスク、インフラ充実度など総合的な観点から良好な投資環境が整い、重要な生産地域として位置づけてきた。生産量増大を達成するために米系インディペンデント企業の買収や鉱区取得を繰り返し、米国陸上の資産ポーションを維持・拡充してきた。 しかし、この10年あまり、米国陸域の生産性やポテンシャルが限界に達し'図(、代りに巨額投資を要する大水深やLNG開発などの維持・拡大を指向。欧州メジャーのBPは、2000年初に20%だった米国陸上のシェアが2010年には半減し、Shellもメキシコ湾を除いた米陸域部分の生産シェアは5%まで低下した。 ところが、北米シェールの登場によっていくつかのスーパーメジャー'特に、ExxonMobil, Chevron, Shell(が資産買いに転じた。米国が諸外国に比べて投資環境が優れているだけでなく、技術養成・経験の場としての重要性も加わった。古くて新しい戦略地域として再認識されている。 0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%2001200220032004200520062007200820092010BP(米国全体)BP(本土陸域のみ)ExxonMobil(米国全体)Royal Dutch Shell(米国全体)Chevron(米国全体)Chevron(本土陸域のみ)メジャーの米国生産シェア氓ノ、BG, Statoil, BHP Billitonのシェール参画をご紹介する。 2.BG:ガス戦略推進の一環として BGは、2009年の6月に米企業のEXCOとJVを結成し、北米でのシェール開発への足がかりを築いている。メキシコ湾沿岸部に近いHaynesville Shale'ルイジアナ、テキサス州(に参画後、JVを通じて北東部のMarcellus'ペンシルベニア州(に活動エリアを広げている。両フィールドから2010年時点の生産量約5万boe/dから今後5年で19万boe/dを目指す。 表1.北米のシェールガス・シェールオイル参画 買収資産 売り手 取得金額 BG'英( Statoil'ノルウェー( Marcellus Shale'2008-( Chesapeake 36億ドル BHP Billiton(豪州) Haynesville Shale'2009-( EXCO Common Re. SW Energy 1億ドル 4億ドル 4億ドル Marcellus Shale'2010-( EXCO 10 億ドル EXCO 2億ドル Eagle Ford'2010-( Talisman 2億ドル Enduring 13億ドル SM Energy 2億ドル Bakken Shale'2011-( Fayatteville Shale'2011-( Brigham Exloration 47億ドル Chesapeake Energy 48億ドル Haynesville Shale'2011-( Eagle Ford'2011-( Petrohawk 152億ドル 2011年 21万boe/d ⇒ 2012年 25万boe/d 2015年 60万boe/d超 BHP Billiton(豪州) 44万boe/d '買収後 推定65万b/d( 豪州、米国'メキシコ湾( 豪州 メキシコ湾 将来的な取得資産生産規模 5万boe/d(2010年) ⇒ 19万boe/d'2020年( 5万boe/d(2011年) ⇒ ?? 表2.各社の規模とコア地域 企業生産量 BG'英( 61.7万boe/d'買収後( Statoil'ノルウェー( 176万boe/d(買収後) 現在の主要生産地 エジプト、英国、カザフ、トリニダード・トバゴ 今後の成長エリア '米国以外( ブラジル 豪州'CBM( 表1.表2ともに各種資料より作成 ノルウェー, メキシコ湾、アゼルバイジャン、ナイジェリア ノルウェー ブラジル アンゴラ aGは、ガス戦略を掲げて上流のガス開発からLNG開発&トレーディング事業を世界的に展開しようとしており、現生産量のうち8割弱がガスである。石油・ガス生産量のうち6割が英国であるものの、すでに英領北海は生産が減退しており、この10年間あまり、国際化を目指してきた。 BGは、1990年代末に参画したブラジル沖合鉱区で大油田を発見し、将来的には同国の石油生産が伸びる見通し'図2(であるが、基本的には、ガスをメインに上流開発に取り組んでいる。現在、北海以外では、トリニダード'BG生産量のうち13%(、エジプト'同23%(のLNG開発やカザフスタン'同16%(からのガス生産がメインである。今後は豪州'CBM-LNG(と米国'シェールガス(の非在来型ガスが中心になる'図2(とみられる。近年、タンザニア'大水深(でもガスを見つけている。 BG社は、米国メキシコ湾岸に位置するLake Charles基地でLNG輸出計画を主体的に推進し、また同エリアのSabine Pass基地からのLNG引き取り契約を締結しており、大西洋でのLNG取引のポートフォリオを拡充している。2008年の金融危機直後、経済が急速に冷え込み、LNGスポット取引が消滅したことでBGは厳しい局面に立たされたが、2011年の日本での原発事故後のガスやLNGへの期待から活力を取り戻しつつある。 ノルウェー国営企業Statoilの生産量は176万boe/d'2011年第3四半期(、う7割をノルウェー国内で生産し、残り3割'51万boe/d(を国外で生産している。100万boe/dは国内のオペレーター事業である。図2.BGの生産見通し BG社ホームページより .Statoil:国内企業から国際企業への転身として 3 ッ社は、スーパーメジャーと同様に、技術的に難しいエリアに戦略的にアプローチしている。しかしながら、これまでは主に国内での海洋開発やLNG開発を活かしてアンゴラやメキシコ湾などの沖合地域に限定していたが、近年ではオイルサンド開発やシェール層開発など新しい分野にも積極的に投資を始めた。今後、ノルウェー以外からの生産量を増やしていくものとみられる。 米国参画にあたっては、2008年に米国のChesapeakeと組んで米北東部のMarcellus Shaleに参画した後、カナダのTalismanと組んでテキサス州のEagle Ford'シェールオイル(にも2010年に参画を決めた。2011年10月には、Bakken Shale'シェールオイル(で活動する地元の中小企業Brigham Exploration'生産規模2.1万boe/d(を47億ドルで買収することに合意した。Brigham Explorationの買収によってStatoil社はBakken Shale開発を進展させ、5年以内に生産規模を現行2万boe/dを6万~10万boe/dまで引き上げたい意向である。 Statoilは、これまでにシェール関連の資産'生産規模 約5.5万boe/d(及びインフラ・人材獲得に総額100億ドルをつぎ込んでいる。 4.BHP Billiton:規模拡大に向けて BHP Billiton は2011年に入ってから大型買収を立て続けに二度行った。Fayetteville Shale'アーカンソー州(へのファームインとPetrowakの企業買収である。総額200億ドルである。11月現在、両案件の買収手続きはすべて完了している。 図3.BHP Billitonの買収前、買収後の生産規模 BHP Billiton ホームページ等より作成 0100200300400500600700買収後買収前BHPBillitonの買収前、買収後の生産規模豪州メキシコ湾その他米州英国アルジェリアパキスタンFayattevillePetrowark米陸上取得分豪州メキシコ湾(千boe/d)HP Billitonの取得シェールは、生産量で合計約21万boe/dに相当し、現行の44万b/dから6割増しの65万b/dに拡大する'図3(。BHP Billitonによれば、米国は、地質条件だけでなく、インフラ整備、開発契約、規制、開発インフラ'リグやサービス産業(の充実度など多くの点において投資環境が良好だと評価する'図4(。BHP Billiton は、これら買収によって、規模拡大とともに世界最大のエネルギー市場'米国(への参画と豪州以外の地域展開の両方を実現できたと自負する。同社にとって米国シェール資産は、2大戦略的エリアの豪州及びメキシコ湾に続く、第3の戦略的エリアになるとみられる。 この買収によりBHP Billitonは、Marathon及びHessクラス'40万boe/d~50万boe/d(から、60万boe/d~80万boe/dのAnadarko、BGやDevonクラスの規模に昇格した。 図4.BHP Billiton社が示す米国の良好な投資環境 BHP Billitonホームページより これら3社だけでなく、他企業も北米のシェールオイル・シェールガス投資を行っている。アジア系では、2010年にインドのReliance IndustryがMarcellusやEagle Ford資産買収に総額34億ドルを投じ、中国のCNOOCも2010年のEagle Ford買収とあわせて同34億ドルの投資決定を行った。カナダ西部への参画の動きも見受けられる'表2(。そのほか、ロシアのLukoilやインドのガス公社GAILもシェール獲得に向けて動いているとの情報である。 \2.2011年の大型シェールガス・シェールオイルM&A'10億ドル以上( ≪米国≫ 時期 買主‐売主 資産 2月 BHP Billiton'豪(- Chesapeake(米) アーカンソー州Fayetteville シェールガス 規模 47億ドル 3月 KNOC'韓(- Anadarko 6月 Marathon- Hilcorp Energy'米( テキサス州 Eagle Fordシェールオイル 15億ドル テキサス州 Eagle Fordシェールオイル 35億ドル 6月 Laredo Petroleum'米(-Broad Oak Energy'米( Mid-ContinentBasin と Permian 6月 ExxonMobil-Phillips ResourcesとそのMarcellusシェール事業者 関連会社(米( 10億ドル ≪企業買収≫ 17億ドル ≪企業買収≫ 7月 BHP Billiton'豪(-Petrohawk(米) テキサス州シェール'Eagle Ford, Haynesville 15万boe/d( 150億ドル ≪企業買収≫ 10月 Statoil'ノルウェー(-Brigham Exploration (米) ノースダコタ州Bakkenシェールオイル 47億ドル ≪企業買収≫ 11月 EV Energy'米(-EnCana'カナダ(他1社 テキサス州Barnettシェールガス 12億ドル 11月 未公表'国際的企業(-Chesapeake'米( オハイオ州Uticaシェールオイル ≪カナダ≫ 時期 買主‐売主 資産 3月 Sasol'南ア(- Talisman'加( シェールガス 24億ドル 規模 10億ドル 6月 Petronas'マレーシア(-Progress'加( シェールガス 11億ドル '西海岸でLNG事業化検討( 10月 Sinopec'中(-Daylight Energy'加( シェールガス含むカナダの油・ガス資産 25億ドル ≪企業買収≫ 出所:各種報道より作成 }4.米国のシェール層分布
地域1 北米
国1 米国
地域2 グローバル
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 北米,米国グローバル
2011/11/24 市原 路子
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