ページ番号1004197 更新日 平成30年2月16日

イスラエル・キプロスにおける大規模ガス発見と東地中海地域を取り巻く情勢

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レポートID 1004197
作成日 2011-11-25 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報探鉱開発
著者
著者直接入力 大貫 憲二
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/11/25 石油調査部:大貫 憲二 イスラエル・キプロスにおける大規模ガス発見と東地中海地域を取り巻く情勢 (キプロスMCIT、USGS、 EIA、各種情報 他) ○これまで石油・天然ガスの大規模な発見がなかった東地中海地域において、イスラエルで2009年に Tamar、2010年にLeviathanと、相次いで巨大ガス田が発見された。また、隣接するキプロスでも、過去 の探査をレビューした結果、有望と見られる油-ガス構造が確認され、9月より試掘井の掘削が開始さ れた。これらはいずれも、Levantine堆積盆での発見であり、Levantine堆積盆における油ガスポテンシ ャルの高さが注目されている。 ○相次ぐ巨大ガス田の発見に対し、東地中海諸国では探鉱・開発に関する次の動きが出てきている。 ○一方で、東地中海地域における石油・天然ガス開発には、政治状況の複雑さから次の課題があり、 1)イスラエルのガス輸出政策の策定(2012年第一四半期目標) 2)イスラエルの国内向け天然ガス政策の着実な実施 3)イスラエル・キプロスの巨大ガス田開発とLNG輸出構想(キプロスLNG輸出構想) 4)洋上ライセンスラウンドの実施(2011年:シリア、2012年:キプロス・レバノン) 対応が必要となっている。 1)排他的経済水域(EEZ)の境界画定 近年、比較的友好な関係にある国々により境界問題を画定する動きが見られ、特にキプロスが 積極的に活動している。一方で、全てのEEZを画定することは現実的に難しく、当面、確実に 自国のEEZと言える領域での探鉱・開発が行われていくと思われる。 2)キプロス問題への対応 キプロス領内での油ガスの探鉱・開発において、トルコとの協調が重要であるが、有効な解決 策は見いだせていない。但し、トルコのEU加盟交渉が本格化する場合、変化が生じる可能性 がある。 同地域においては、1)、2)いずれにおいても、トルコが重要な役割を持っている。 ○2012年は、東地中海地域の各国で、探鉱・開発に関する重要なイベントが計画されている。同地域に とって石油・天然ガスの開発を取り巻く環境が大きく変わる節目であり、注目すべき年となるであろう。 イスラエルでは1940年代末以降、石油・天然ガスの探鉱が行われてきたが、これまで大きな油ガス 田の発見がなかった。しかし、2009年にTamarガス田(8.4Tcf)、2010年にLeviathanガス田 (15.9Tcf)と、相次いで巨大ガス田がイスラエル洋上で発見された。また、Leviathanガス田と隣接す るキプロス洋上の鉱区(block12)において、地質調査の結果、巨大な油ガス田の可能性がある構造 .イスラエルにおける巨大ガス田の発見と、キプロスにおける探鉱活動の開始 1Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? ェ発見され、権益を持つアメリカ企業Noble Energy社が、2011年9月より探査試掘活動を開始して おり、東地中海地域がにわかに脚光を浴びている。 Tamar、Leviathan両巨大ガス田はLevantine堆積盆で発見され、キプロス共和国(以下、キプロスと する)のblock12も同堆積盆上にある。この堆積盆はイスラエル、レバノン、シリア、キプロスの洋上 に広がることから、同じ堆積盆上にあるレバノン、シリアも強い関心を持っている。レバノンは洋上ラ イセンスラウンドの準備を進めており、シリアは今年、洋上ライセンスラウンドを実施している。 アメリカ地質調査所(USGS:US Geological Survey)が2010年に発行した報告書によると、Levantine 堆積盆は、全体で採取可能な17億バレルの原油と122Tcfの天然ガスを保有すると見積もられてお り、東地中海の炭化水素資源のポテンシャルに高い関心が集まっている。 図 Levantine堆積盆の分布および大規模ガス田の分布(Leviathan・Tamar・block12) 出所:各種情報、USGS、キプロスMCIT Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? } キプロスの洋上鉱区 及びblock12内の有望構造 Leviathan Tamar 表 イスラエル・キプロスにおける巨大ガス田の発見 ガス田 発見年 天然ガス埋蔵量 (確認+推定埋蔵量) オペレーター 権益比率 イスラエル Leviathan 2010年 15.9Tcf Tamar 2009年 8.4Tcf Noble Energy Noble Energy:39.66% Avner Oil & Gas:22.67% Delek Drilling:22.67% Ratio Oil Exploration:15% Noble Energy Noble Energy:36.00% Isramco Negev 2:28.75% Avner Oil & Gas:15.63% Delek Drilling:15.63% Dor Gas Exploration:4% (出所:キプロスMCIT) キプロス Block12 - (2011年:試掘中) - (推定:10.0Tcf) Noble Energy Noble Energy:100.00% (DelekとAvnerが15%ずつ獲得するオプションあり) イスラエルでの相次ぐ巨大ガス田の発見を受け、Levantine堆積盆での探鉱活動が活発化してい る。一方、イスラエル等、資源を確認した国では、これらをどの様に開発するか、関心が高まってい 生産開始 未定 2013年 未定 .イスラエル・キプロスでの巨大ガス田発見に対する東地中海諸国の反応 2る。これらの情勢について、以下にまとめる。 ①イスラエルのガス輸出政策の決定(2012年第一四半期目標) ・相次ぐ巨大ガス田の発見に伴い、イスラエルは2012年第一四半期までにガス輸出政策を決定す る計画であり、2011年9月に輸出政策決定のための委員会を設置した。委員会内には、50年先を Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? ゥ越した、エネルギーセキュリティーを確保したいという意見(National Infrastructure Ministry:国家 インフラ省)と、輸出を推進したいとする意見(財務省)があり、調整が今後行われる。開発企業 (Noble Energy等)は、利益性の高い輸出を進めるため、輸出を許可するよう政府に働きかけてお り、輸出政策の決定が注目される。 ②イスラエルの国内向け天然ガス政策の着実な実施 ・イスラエルでは、天然ガスの唯一の供給源であったMari-B、Noaガス田(洋上ガス田、2000年に発 見され、2004年より生産開始)のうち、Mari-Bからの生産が2014年に終了(枯渇)するとの予測によ り、2009年から、パイプラインによるエジプトからの天然ガス輸入を開始した。 ・2009年にTamar、Dalitガス田が発見されたことを受け、枯渇するMari-Bガス田を補うべくこれらを 開発し、国内向けに供給を行う予定である(2013年供給開始予定)。 ・しかし、2011年初頭のエジプトでのアラブ の春以降、エジプト国内でのパイプライン への襲撃・損傷が相次ぎ、特に2011年7 月の襲撃によりパイプラインが損壊し、7月 から10月まで輸入が完全にストップした。 この間、Mari-Bガス田の増産で凌いだが、 枯渇を早めたとの認識から、エネルギーセ キュリティーの確保を目的に、現在減産が 行われている。 ・将来、豊富な天然ガス資源を元に生産量・ 消費量の増加が見込まれるものの、2012 年から13年については短期的に天然ガス が不足することから、これを補うためFloating LNG基地(FSRU:浮体式貯蔵・再ガス化ユ ニット)の建設(Haderaから約10km洋上) 出所:各種情報を元に作成 を行い、LNGを輸入する(供給能力:2.5 Bcm/年)。2012年下期に建設を開始し、 図 イスラエル向けの天然ガスインフラ 2012年末に供給を開始する(11月に建設企業と合意)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? Bイスラエル・キプロスの巨大ガス田開発とキプロスLNG輸出構想 ・イスラエルではMari-Bガス田の枯渇に伴う国内向け天然ガスの不足を補うため、2009年に発見さ れたTamar及びDalit(0.5Tcf)ガス田の開発を始めており、生産開始は2013年を予定している。 ・一方、Leviathanガス田の開発は現在未定であり、イスラエルは、LNG輸出についてキプロスと、パ イプライン輸出についてギリシャと、事前協議を行っている。 ・キプロスLNG輸出構想 Leviathanガス田は、付近に既存のインフラがなく、イスラエル沿岸から最も離れた地域にある。ま た、イスラエル本土までパイプラインを敷設し、液化基地を建設した場合、液化基地が標的となる 可能性があり、イスラエルでのLNG輸出はセキュリティー上課題がある。一方、Leviathanガス田は キプロスと隣接しており、キプロス側に輸送し液化するメリットは大きい。また、現在キプロス洋上で 試掘が行われているblock12から天然ガスが発見された場合、インフラを共有して開発することが 可能であり、メリットも大きい。2011年11月には イスラエル大統領がキプロスを公式訪問し、同行した Delek Group(Leviathanガス田の権益保有者の一つ) より、Leviathanガス田からキプロスのVasilikosへのパ イプライン敷設が提案された。ただし、実際の決定は ①のイスラエルの天然ガス輸出政策決定後であり、 キプロス政府も、LNG輸出については、イスラエルの ガス輸出政策に則って開発する、としている。 現状、以下の輸出案がある。 図 キプロスLNG輸出計画概要 (出所:各種情報、キプロスMCIT) 表 イスラエルの大規模ガス田からのガス輸出案とその課題 項目 1 キプロスで液化し、輸出(LNG) 2 イスラエルで液化し、輸出(LNG) 3 FLNG上で液化し、輸出(LNG) 4 既存パイプラインを用いてエジプトに輸送 (逆送)、液化し、輸出(LNG) 5 キプロス・ギリシャ経由で輸出 (パイプラインガス) 課題 キプロスのガス田との共同開発が可能 セキュリティーの観点から実現性が低い 新規技術(ShellのPreludeに初導入予定) 既存設備を使用できるメリットはあるが、 昨今のインフラ攻撃により信頼性が低い パイプライン距離が長く(1,000km以上)、 水深も深いことから、経済性が低い Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? Cキプロス・レバノン・シリアにおける洋上ライセンスラウンドの開催 1)キプロス ・キプロスは、2012年に第二回洋上ライセンスラウンドを計画している(2011年末までに、洋上ライセ ンスラウンド開始を発表する準備を行い、2012年1月より関心のある企業との協議を開始する予 定)。当初、2011年に開催予定であったが、block12の探査結果を見極めるため、2012年に開催(延 期)するとした。Noble Enegyは、追加のブロックに入札するであろう、と発表し、メジャー数社を含む 約15の企業も同様に興味を示している、と語っている(2011年10月時点)。 2)レバノン ・レバノンでは、第一回ライセンスラウンドを2012年に予定している(当初、2011年10月~11月に実 施予定)。法体系の整備と鉱区設定を2011年中に終える予定である(2011年6月発表)。 3)シリア ・2011年3月24日より、International Offshore Bid Round2011が開催されており、洋上に3鉱区が設 定されている。当初、9月15日が応札のデッドラインであったが、9月に期限が11月15日に延長 されている。6月時点で、Total(仏)、 Eni(伊)、Royal Dutch Shell(英蘭)を含 む6社が探査データを購入し、その他 4社も興味を示している。 ※2011年初頭のアラブの春以降、民間 人弾圧に対する制裁(石油禁輸措置) を米・EUが発動している。また、EU では、シリアへの新規投資に対しても 制約を設けるか議論されており、ライ センスラウンドに影響する可能性も考 えられる。 図 シリアの洋上鉱区 (出所:各種情報を元に作成) 3.東地中海諸国間における石油・天然ガス開発の課題とその対応 東地中海諸国は、相次ぐ大規模ガスの発見により注目されつつあるが、政治的要因により、全て の開発が容易に進むことは難しいと思われる。政治的要因は大きく2つあり、一つは境界問題(排他 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 的経済水域(以下、EEZとする)の多くが未画定であること)、もう一つはキプロス問題(南のギリシャ 系と北のトルコ系の分断)である。 境界問題については、資源開発の必要性から、比較的友好な関係にある国家間により画定を図 る動きが見られ、特にキプロスが積極的に活動している。一方、自国の分裂問題については、有効 な解決策を見い出せていない。 1)排他的経済水域(EEZ)の画定に向けた動き ①キプロス -近隣諸国との積極的なEEZ画定の動きと、トルコ・北キプロスの課題- キプロスは、2003年のエジプトとのEEZ合意・批准を皮切りに、近隣諸国と積極的にEEZの画定作業を行っている。エジプトとは既に画定しており、洋上探鉱に関する協力で合意している。レバノン・イスラエルとは批准はされていないが合意されている。また、シリアとは協議中であるが、洋上探鉱に関する協力で合意をしており、トルコを除き、周辺国とは着実にEEZ画定作業を進めている。資源開発を促進するため、懸案事項の解決を戦略的に進めていると言える。 図 キプロスと周辺諸国のEEZ画定の状況 (出所:各種情報、キプロスMCIT) ? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ナ大の懸案事項は、キプロス島の南北分断とトルコとの関係である。 関係国 エジプト イスラエル レバノン シリア トルコ 表 キプロスと関係国とのEEZ合意・批准状況 EEZ合意・批准状況 2003年合意。両国とも批准。洋上探鉱に関する協力で合意。 2010年合意。イスラエル未批准(キプロス議会承認済) 2007年合意。レバノン未批准(キプロス議会承認済) 協議中。2008年、洋上探鉱に関する協力で合意。 未画定(協議なし) ②イスラエル -レバノン・パレスチナとの関係と、巨大ガス田開発の推進- イスラエルは、洋上の探鉱が進み、巨大ガス田が相次いで発見されている一方で、キプロスを除 き、周辺国とのEEZ画定が進んでいない。特にレバノンとは、EEZに関する協議を行っておらず、 双方が個別に国連にEEZ画定のための申請を行っており、係争地域(主張するEEZが重複する地 域)を抱えている。 イスラエルは現状、パレスチナのガザ地区沖合にある油ガス田の開発は行っておらず(共同開発 提案中)、また、EEZに関するレバノンとの係争地域内に鉱区設定を行わない等、係争を回避する ことで、投資家に魅力ある鉱区設定を行っている。 今後の開発は、EEZが画定するまで、係争範囲となっていない領域(確実にイスラエルのEEZ内 である領域)で開発を推進していくものと思われる。 関係国 キプロス レバノン 表 イスラエルと関係国とのEEZ合意・批准状況 EEZ合意・批准状況 2010年合意。イスラエル未批准(キプロス議会承認済) ・未画定 ・双方が協議なく、個別に国連にEEZ画定申請を提出。 ・現状、キプロス-イスラエル合意(2010年)、キプロス-レバノン 合意(2007年)よりも南西に17kmの地点をレバノンが申請して おり、重複する852km2が係争範囲となっている。 ※Leviathan、Tamarガス田は、係争範囲外である。 未画定 未画定 パレスチナ(ガザ地区) エジプト Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 激oノンが国連に提出したEEZ イスラエルが国連に提出したEEZ 図 イスラエルと周辺国のEEZ画定状況 (出所:各種情報を元に作成) レバノン -イスラエルとの関係- ③ レバノンは、EEZ画定において、キプロスと合意(未批准)、シリアと協議中であり、懸案はイスラエ ルとのEEZ調整である(②イスラエルを参照)。第一回ライセンスラウンドに向けた洋上鉱区の設定 中であり、EEZ係争中の海域が含まれるかどうか、注目されるところである。 関係国 キプロス イスラエル シリア 表 レバノンと関係国とのEEZ合意・批准状況 EEZ合意・批准状況 2007年合意。レバノン未批准(キプロス議会承認済) ・未画定 ・双方が協議なく、個別に国連にEEZ確定申請を提出。 ・現状、キプロス-イスラエル合意(2010年)、キプロス-レバノン 合意(2007年)よりも南西に17kmの地点をレバノンが申請して おり、852km2が係争範囲となっている。 ※Leviathan、Tamarガス田は、係争範囲外である。 協議中 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? Cシリア シリアは、いずれの国ともEEZを確定していない。シリアの洋上鉱区は、今後想定されるEEZに かかるものと想定されており、レバノンとのEEZの協議が課題である。 表 シリアと関係国とのEEZ合意・批准状況 関係国 キプロス レバノン トルコ EEZ合意・批准状況 協議中。2008年、洋上探鉱に関する協力で合意。 協議中 未画定(協議なし) トルコは、国連海洋法条約を批准しておらず、またキプロス問題(3.(2)参照)を抱えているため、シ リア、キプロス等東地中海諸国とのEEZは画定していない。 一方、EU加盟を目指すトルコにとって、加盟条件の一つとして、EUが批准する国連海洋法条約 をトルコも批准する必要があるため、EU加盟を目指す場合課題となってくる。この地域における EEZ画定については、トルコの影響が大きい。 トルコ -国連海洋法条約の批准およびキプロス問題への対応- ⑤表 トルコと関係国(東地中海地域)とのEEZ合意・批准状況 関係国 キプロス シリア 未画定(協議なし) 未画定(協議なし) EEZ合意・批准状況 ⑥まとめ EEZについては、隣接する全ての国々と画定することは困難である反面、未画定であることが全 ての開発を妨げるものではないと思われる。今後は、EEZ画定までの間については、係争地域を 避けて探鉱・開発が進められていくと思われる。 2)キプロス問題と、資源開発におけるキプロスのトルコ・北キプロスに対する対応 (①キプロス問題の経緯(外務省ホームページより) ・キプロスは1960年に英国よりキプロス共和国として独立。ギリシャ系住民とトルコ系住民の間で対 立が激化したため、国連安保理は64年に国連キプロス平和維持隊(UNFICYP)を派遣。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? ・1974年、ギリシャ軍事政権の支持を 得たギリシャ系住民がクーデターを 企図したのを機にトルコ軍がトルコ 系住民の保護を名目に侵攻し、キプ ロス北部約37%を占領した。以降、 キプロスは北部のトルコ軍支配地域 (トルコ系)と南部のキプロス共和国 政府支配地域(ギリシャ系)とに分断 されている ・2004年5月1日、キプロス共和国は 図 キプロス共和国及び北キプロス 南北に分かれたままEUに加盟。北キプロスについては、統治が及ばない地域として、EU法の適 用は統合まで保留。 ②キプロス洋上での資源開発に対する対応 ・トルコは、今回のblock12の掘削に対し、キプロス問題が解決し、統一されるまで、資源の開発を 行うべきではない、と強硬姿勢を取っている。また、今回の掘削では、軍艦で護衛したトルコの調 査船を派遣し、公海上から監視を行う等、強硬な態度を取っている。2007年の第一回ライセンスラ ウンドでも同様の対応を行い、圧力をかけており、各種報道では「地域で緊張が高まっている」と 報道されている。 また、今回のキプロスの動きに対抗し、北キプロスと共同で探鉱を行う協定を締結し、キプロス島 北側沿岸で探鉱作業を開始している。 ・北キプロスは、キプロス島で開発される資源は、キプロス島全体のものである、と声明を出し、キプ ロスを牽制している。 ・一方、キプロスは、資源開発により得られた利益は、島全体のものである、として、北キプロスにも その利益を分配することを提案している。 ・アメリカは本件に対し、平和裏に解決を進めるあらゆる提案を歓迎する、とし、キプロスの提案を支 持している。 ③まとめ ・キプロスの提案は、キプロス、北キプロス両者にとって、メリットのある提案であるが、トルコとの関 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? Wから政治的に受け入れられないことも容易に想定できる。 ・トルコはキプロスを承認していないため、キプロス問題が解決しない限り、キプロスの探鉱に圧力 をかけ続けると思われる。 ・今後、キプロスでは、キプロス問題の解決(北キプロスとの統合)までの間は、トルコとの関係を見 極めつつ探査・開発を進められていく、と考えられる。一方で、トルコからの圧力のない探鉱・開発 環境とするため、キプロス問題の解決に向け、キプロス、トルコ双方が協調していくことが重要であ る。本問題の解決、及びキプロスでの油ガスの探鉱・開発において、トルコの影響は大きい。 .まとめ 4(1)Levantine堆積盆の高い油ガス埋蔵ポテンシャル ここ数年の大規模ガス発見や米国地質調査所の調査結果から、イスラエル・キプロス・レバノン・ シリアの沖合に広がるLevantine堆積盆の油ガス埋蔵のポテンシャルが高い、と言える。一方、 探鉱・開発はこれからの地域であり、今後も大きな油ガス田が発見される可能性がある。 (2)複雑な境界問題を抱える中での油ガス開発 境界問題を抱える中、全ての資源を開発することは非常に難しい状況である。その打開策として、 EEZ問題で係争地域に含まれない(確実に自国のEEZと言える)地域について、開発が進んでい くことが考えられる。イスラエルの開発方針(係争地域の開発は行わない、係争地域に鉱区を設定し ない)は、その方向性を示唆していると考えられる。 (3)東地中海地域での油ガス開発におけるトルコの重要性(存在感) トルコと隣接する東地中海諸国にとって、トルコとの協調が重要である。キプロスでの油ガス開発 や、シリアの洋上鉱区設定等、トルコとの政治・境界問題を抱えた状況では、資源開発が難航するこ とも考えられる。 トルコが模索しているEU加盟においては、キプロス問題の解決や国連海洋法条約の批准(EEZ 画定ルールの批准)が要件として挙げられており、EU加盟を進める上で、状況が変化する可能性 もある。トルコの動向は東地中海地域にとって重要な要素である。 (4)2012年、東地中海地域で探鉱・開発に関する重要なイベントが多数開催 2012年は、東地中海諸国各国で、探鉱・開発に関する重要なイベントが計画されており、同地域 にとって注目すべき年となる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ①イスラエル:エネルギー輸出政策の決定(Leviathan、Tamarガス田の開発を左右) ②キプロス:ライセンスラウンドの実施/block12の試掘結果の公表(巨大ガス田発見の可能性) ③レバノン:初の洋上ライセンスラウンドの実施(現在、法制・税制、鉱区設定を整備中) ※シリアは、2011年に洋上ライセンスラウンドを実施 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? ヮQ考:東地中海諸国の天然ガス開発・生産・消費事情> (1)イスラエル ・2004年までは、内陸(死海近く)のZoharガス田が唯一の天然ガス供給源であった(生産量少) ・1999年、BGがパレスチナ海域にGaza Marine油ガス田を、イスラエル-パレスチナを跨ぐ海域に Or油ガス田を発見。また、Noble Energyはイスラエル海域にNoa、Nir、Mari Bガス田を発見。 Noble EnergyのNoa、Nir、Mari Bガス田(イスラエル海域内)は2004年に生産を開始。 ・Mari Bが2014年に枯渇すると想定されるため、2009年、エジプトからパイプライン輸入を開始。 2009年のTamarガス田発見により、枯渇するMari Bに代わり国内への安定供給をすべく、Tamar ガス田の開発を開始。2013年生産開始予定。2012年のガス供給量不足に対応するため、Floating LNG基地(Haderaから約10km洋上、容量2.5Bcm/y)を建設。2012年年末に供給開始予定。 図 シリアの天然ガス生産・使用状況 イスラエルの天然ガス生産・使用状況 図(2)キプロス (出所:EIA) ・天然ガスの生産、消費はない。 ・当初、国内での天然ガス利用に向け、LNG受入基地の建設を計画していたが、Leviathanガス田 の発見と、キプロス水域のblock12の天然ガス資源が有望であることから、LNG受入基地建設計 画は白紙となり、逆にこれらを原料としたLNG液化・出荷基地の建設が検討されている。 (3)レバノン ・天然ガスの生産、消費はない。 (4)シリア ・国内で生産された天然ガスは、2007年まで全て国内で消費(2007年:220Bcf/年) ・2008年より、天然ガス輸入を開始。 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? 02040608010012014019901991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009量,Bcf図イスラエルの天然ガス生産・使用状況生産量,Bcf消費量,Bcf輸入量,Bcf輸出量,Bcf05010015020025030019901991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009量,Bcf図シリアの天然ガス生産・使用状況生産量,Bcf消費量,Bcf輸入量,Bcf輸出量,Bcf
地域1 中東
国1 イスラエル
地域2 欧州
国2 キプロス
地域3
国3
地域4
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地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,イスラエル欧州,キプロス
2011/11/25 大貫 憲二
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