ページ番号1004203 更新日 平成30年2月16日

石油開発におけるナノテク

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レポートID 1004203
作成日 2011-12-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術探鉱開発
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 石油開発におけるナノテク 作成日: 2011/12/14 石油調査部: 伊原 賢 公開可 ナノテクノロジーとは、物質をナノメートル(十億分の一メートル:10-9m)のサイズの領域、すなわち原子や分子のスケールにおいて、自在に制御する技術です。そのような小さな空間に閉じ込められた電子は、微視的世界を支配する量子力学の原理に従って振舞い、マクロな世界ではあり得ないユニークな現(世界石油工学者協会SPE、JOGMEC石油調査部資料ほか) 象を示します。ナノテクの石油開発への適用が始まろうとしています。 1950年代にM. King Hubbertが唱えたピークオイル論は「原油の生産は資源量に制限される」ということでしたが、正しくなかったことが判明しました。長期的には資源は有限だが、短中期的にはそうとも言えないのです。 生産能力の限界に筆者を含む技術者は挑戦しているところです。Hubbertが唱えたピークオイル論は米国48州ではフィットしていましたが、超大水深(例えば、ブラジルのサブソルト)での近年になってからの探鉱成功などが生産能力拡大に寄与している状態を見ると、ピークオイル論では説明に無理が生じます。テキサスA&M大のSteve Holditch教授が提唱した「資源量のトライアングル」は非在来型の油やガスは、地下から取り出しにくいが、その資源量は豊富であることを示しています(図1)。しかし、非在来型の油やガスは、その生産予測も難しいのです。米国発のシェールガス革命も10年前にそのことを予測する者はほとんどいませんでした。 近年、石油開発をめぐる環境の変化には、油価の高値変動、イージーオイル(在来型油田)の減退、新規需要市場の登場、技術者の人材入れ替え、低炭素化、資源ナショナリズムの台頭などが挙げられます。このような環境変化の下では、国営石油会社NOCの支配力と、国際石油会社IOCの力と技術トレンドとの関係は図1のようにまとめられると筆者は考えています。 . はじめに 11/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }1 在来型の油やガスの支配状況がもたらす非在来型資源へのシフト 009年の世界の原油生産は、日量8500万バレルでした。2019年の需要は日量9500万バレルと予想さ 2れています。既存の在来型油田の減退を考えれば、単に日量1000万バレルを積み増せば良いという訳ではなく、日量4500万バレルの新規生産が必要となるでしょう(IEAシナリオに基づく2011年SPE会長Alain Labastie氏談)。この生産能力拡大へのチャレンジへの努力は膨大なものとなります。 生産能力を新規で日量4500万バレル積み増しさせることには、氷海や大水深での石油開発(図2)に加え、非在来型の油やガスの起源や生産技術(図3)をしっかり理解した上で、技術力・投資・人的資源の投入が必須となります。 地下から取り出しにくい非在来型の油やガスを経済合理的に回収する作業コストの低減と効率化を狙って、今「ナノテク」の持つ威力にも関心が集まっています。 2/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 o所: NHKテレビ 視点論点「海底油田の世界的現状」2010年8月23日放映 図2 大水深での石油開発エリア 出所: 奥井明彦、各種資料に基づき作成 図3 非在来型の油とガスの起源と生成イメージ 3/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . ナノテクノロジーとは? ナノテクノロジーとは、物質をナノメートル(十億分の一メートル:10-9m)のサイズの領域、すなわち原子や分子のスケールにおいて、自在に制御する技術です。そのような小さな空間に閉じ込められた電子は、微視的世界を支配する量子力学の原理に従って振舞い、マクロな世界ではあり得ないユニークな現象を示します。そのような現象の根本的な理解と操作、そしてそれをうまく使った応用がナノテク研究のゴールです。物理学、化学、電気工学、化学工学、物質科学、生物工学等の従来の専門領域枠を超えて多分野の研究者が協力し合い、世界的なスケールで日進月歩を続ける非常にダイナミックな最先端研. ナノテクの石油開発への適用 3究分野の一つです。 シェールガスで関心が高まる「水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き」を図4に示します。シェール内のガスの流路は図1に示す様に0.001ミリダルシー(9.87 x 10-19m2)程度しかないため、ガスを動かすために、シェールを水圧破砕し、流路を100万倍程度の数ダルシーにします。 図4 水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き 4/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?ウ破砕と出来た割れ目の支持材(プロッパント:砂粒やセラミック)が、シェールから坑井への流路を如何に確保するかの鍵となる技術であることは言うまでもありません。 高品質なプロッパントと増加する生産レートや総推定生産量との関係を図5にイメージ化しました。 -1. プロッパント 3図5 出所: SPE資料を基に作成 5にイメージ化した流路の拡大について解説したSPE論文は20件以上あります。それを「プロッ 図パントの使用の歴史」として、次に記述したいと思います。 高強度のプロッパントの探求は、Exxon Production Research社のE. Claude Cookによって70年代半ばより始まりました。その結果、焼結ボーキサイトを使った水圧破砕の特許に発展し、セラミック製のプロッパントが生まれました。 75年に樹脂コーティングで強化された砂粒は、水圧破砕後のフローバック水の中の砂を少なくするために導入されました。砂粒を事前に強化された樹脂で包み込むことで、水圧破砕時の砂の割れ目からの流出を防ぎ、流路を確保することが出来たのです。長年にわたって開発・改良されたプロッパントは深く垂直に掘られたガス井での使用に限られていましたが、2003年ごろから2007年にかけて、その使用範囲を水平坑井に施す多段階の水圧破砕(図6)にまで広げ、米国でのガス価は4ドル/MMbtu近辺で下げ止まるまでに、国内ガスの供給能力が急増したのです。 5/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }6 水平坑井と多段階の水圧破砕のイメージ に起きたことはプロッパント製造会社に決定的な変化を与えました。2008年までに幾つかの操業 次会社/オペレーターは、テキサス州の東からルイジアナ州の北に亘って広がるHaynesvilleシェールに対して長い水平区間を持つ水平坑井を掘り、そこに水圧破砕を施すことを試すことになりました。水平坑井を横断するように作られた割れ目は数に限りがあるため、プロッパントの入った割れ目を流れるガスの流速は非常に高くなりました。十分な流路を確保するために、セラミック製の高強度のプロッパント(図5)が使われたのです。 過去に典型的な10,000フィート(3,050メートル)の深さの垂直井では、3段階の水圧破砕が施され、約60万ポンド(272トン)のプロッパントが使われました。傾斜掘りの登場により、水圧破砕を施す坑井内のエリアを増やすことが出来るようになりました。水圧破砕の段数が5倍に増えるとプロッパントの量も約250万ポンド(1,135トン)に増えました。 掘削活動が活発になると、耐熱性も高いセラミック製の高強度のプロッパントが不足気味となり、代わりに、樹脂コーティングで強化された砂粒が必要に応じて使われました。その頃、シェールオイル生産を対象にノースダコタ州のBakken/Three Forks構造に水平坑井が掘られるようになりました。2009年に経済危機からの立ち直りが見えてくると、シェールオイルを開発する際には、プロッパントの強度とそれに伴う流路の確保、さらには生産レート、総推定生産量との関係がコストバランスの見地から検討されるようになったのです(図5)。 コスト面からいっても、水圧破砕の回数は坑井の寿命において1回で済ませたいものです。経済合理性を持った流路の確保が、水圧破砕技術の将来像として大事になります。流路のモニタリングに用い6/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 髟厲ヒ性同位元素は非放射性のトレーサーにとって代わられるでしょう。割れ目内のプロッパントの配置のモニタリングも将来的には必要になります。 プロッパントのコストは、Bakkenシェールの場合、1坑あたりの掘削仕上げコスト約600万ドルの5%に相当するそうです。1坑あたりに使われるプロッパントの量も2000年代前半の30万ポンド(136トン)から現在の20段階以上の水圧破砕を施す水平坑井では、300から500万ポンド(1,362~2,270トン)にまで急増しています。 以上のような背景は、高強度で軽量なナノ構造を持つセラミックをプロパントとして使う動機づけとなるでしょう。 3-2. 多段階の水圧破砕(図6) 多段階の水圧破砕の適用に当たっては、ガスや油の貯留層に接する坑井内に鉄管をセットする「ケーシング仕上げ(Plug and perf)」とセットしない「裸坑仕上げ(Open hole)」との比較が議論されるようになってきました。現状では、坑壁が崩壊しない十分な強度を持つならば、Open holeの方が3つの点で経済合理性が高いのです(12カ月後のガス回収量増、坑井仕上げコスト減、仕上げ日数減:5日→1日)。 水平坑井と水圧破砕の多様性を見てみると、工場生産のようなアプローチが全てに通用するわけではないことが判ってきました。ベストプラクティスを決めるのは難しいのですが、水圧破砕の段数、穿孔(パーフォレーション)手順、プロッパント量、水平部分の長さのデータを数年の作業データから分析すると、水圧破砕の段数が多ければ多いほど、貯留層から採りだせる油やガスの量が増えることが判ってきました。よって、水圧破砕の最大段数は、20から数年で40にまで増えました。多段階の水圧破砕に代表される掘削仕上げの進化は、探鉱開発コストの推移と比較するとイメージできるでしょう。近年、米国ノースダコタ州のBakken構造におけるシェールオイル開発が注目されているのは、その開発技術が日進月歩進歩しているからです(図7)。 7/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }7 米国Bakken構造におけるタイトオイルの開発技術 (掘削仕上げの進化と探鉱開発コストの推移) 際の生産データは、貯留層内の流体の動きをコンピュータでシミュレーションした結果と食い違う 実ことも判ってきました。カナダ・ブリティシュコロンビア州のHorn Riverシェールでは過去数年にわたって、水平部分の長さが4,000フィート(1,219メートル)の水平坑井がケーシング仕上げ(Plug and perf)され、そこに水圧破砕が施されました。水圧破砕の段数も増えました。あるオペレーターは一つの井戸に対して、100段階の水圧破砕を実施したと発表しました。最新の貯留層モデリングによれば、通常の12から18段の水圧破砕であれば、生産開始後10年たっても、フラクチャー間の圧力の減退はないとのことです。100段階もの水圧破砕を実施する際の問題点は、ケーシング仕上げ(Plug and perf)では、水圧破砕を実施するのに40日間も要するということになります。40日間もタイトなシェールガス層がフラクチャリング流体にさらされるということは、ガス層にとって良いことではありません。作業監督上やコスト面からも、ばかげたことに近いと言えるでしょう。 水平部分の長さを長くできることは、貯留層との接触体積を多くとれることからも流体の回収に得策です。掘削技術の進歩により、水平部分の長さは10,000フィート(3,048メートル)を超えられるようになりました。9,300フィート(2,835メートル)もの坑井の水平部分に47段階の水圧破砕を施した記録も生まれました。しかしながら、タイトな貯留層から回収される流体の対象がガスから(流動性の劣る)油に移る中で、施される水圧破砕の段数は現在の倍にすることが求められています。ガスに比べ動きにくい油に対8/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オては、作られたフラクチャーが生産期間中に十分な流路として機能する必要があり、そこに課題が残ります。 Eagle FordやNiobraraといったシェールオイルのエリアを評価する場合に、良好な排油を促すには水圧破砕の段数を増やすことは、必須です。 従来のモデリングでは多段の短いフラクチャーよりも大規模で長いフラクチャーの有効性を予測してきました。しかしながら、多段の短いフラクチャーの方が有効なことは次第に明らかとなってきたのです(2009年Vincent、2010年Rankinほか)。タイトな層に対しては、平面的な広がりを持つフラクチャーは複雑な(蜘蛛の巣や毛細血管のような)構造となり、フラクチャーを層全体に広げることが難しいのです。 水圧破砕では多量の水の使用と水圧破砕後に坑井から戻ってくる水(フローバック)の地表での処理が環境面へ与えるインパクトとして、クローズアップされています。あるオペレーターは水やプロッパントの量を半分にして、水圧破砕の段数を増やす試みを実施しています。その試みの積み重ねが作業コストを低減しつつ、生産量を増やすことにつながっています。 北米のデータでは、ケーシング仕上げ(Plug and perf)では1段で3から4のフラクチャーが出来ています。段数が8だとするとフラクチャーは20から30ほど出来ていることになります。しかし、最近の調査ではそうではないことが判ってきました。坑井内で取得した生産検層データを解釈すると、実際に生産に寄与しているのはその30%に過ぎないことが判明しました(2010年Baihlyほか)。となると、ケーシング仕上げ(Plug and perf)は、コストと水圧破砕に要する時間から考えて、1段後の水圧破砕を区分けするブリッジプラグを現在の数よりも増やすことが、経済的かどうか疑問視されるようになってきました。 そこで裸坑仕上げ(Open hole)において、水圧破砕の段数を増やす作業手順(stage multiplier technologies)が必要になってきたのです。この手順では、同じサイズのボールを複数回、坑井内に落し、坑井内のフラクチャリング流体が通るポートを開けます。一つのボールが使える水圧破砕の段数は2から5段階同時に出来るまでに、作業時間が短くなっています。 このボールは坑井内を移動するのに十分な軽さ、多段階水圧破砕における操作機器の開閉圧に耐える強度を兼ね備えることが求められます。役目を終えると消えてなくなることも作業時間の短縮につながるでしょう(図8)。 9/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }8 多段階の水圧破砕に用いられるボール(環境:塩化カリウム3%、66℃) 左から順に、使用前の径3.5インチ、100時間後径2.9インチ、210時間後径1.5インチ、460時間後 出所: Baker Hughes社 8のアルミニウムの様に見える光沢のない銀色のボールは、「In-Tallic」と呼ばれるナノ物質で、 図マグネシウム、アルミニウム、他の合金から出来ている金属化合物です。従って、条件に応じて強度と分解を併せ持ちます。この種のボール「Buckyball」が週1500個のペースで作られています。このボールは水圧破砕作業や坑内作業を阻害した際の生産ロスを補って余りある価値を持つそうです。 この技術が数年前までは考えられなかった、前述の「100段階の水圧破砕」を現実のものとしたのです。 3-3. 電力ケーブル ユニークな一次元物質であるカーボンナノチューブは銅よりも大きな電気を流し、ダイヤモンドよりも速く熱を伝え、現存するどんな物質よりも強靭です(図9)。また、分子構造を少し変えるだけで絶縁体になったり金属になったりもします。マイクロエレクトロニクスにおいて将来シリコンがナノチューブに置き換わられ、世界中の送電線が銅からナノチューブに変わる可能性もあります。 左からアルミニウム、銅、カーボンナノチューブ(重量6分の1)、カーボンナノチューブ(将来ポテンシャル) 10/11 図9 同じ電力を流すケーブル 出所: Duco社 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 4. ナノテクの石油開発への適用の将来像 新しいカーボン構造の発見により、ナノテクの石油開発への適用は、以下のように色々と議論されるようになってきました。 高強度で軽量なナノ構造を持つセラミック: プロッパントへの適用。 (cid:57) ナノ構造を持つ金属化合物: 操作機器の開閉圧に耐える強度を兼ね備える。役目を終えると消 (cid:57)えてなくなる。流体が通るポートの開閉に用いられるボール。多段階水圧破砕への適用。 (cid:57) カーボンナノチューブを用いたコーティング: 腐食防止(合金への対抗馬)。金属(硝酸塩チタニウム、ニッケルクロム合金)とセラミック(非金属の固体材料)の複合物。難しいのはナノ物質を複合させて「コーティング」の吹きつけに用いられる粉末にすること。発がん物質として知られる6価クロムやタングステンカーバイドの代替。マンドレルやプランジャーへのコーティングを評価試験中。物質表面に通電可能なのでガスハイドレートによる管の閉塞予防、また遮水表面加工にできるため、風車の羽根の凍結防止にも適用可。 (cid:57) カーボンナノチューブを含むポリマーによる通電: ナノチューブの端の間の距離を0.1ナノメートル程度に狭めることがゴール。1.8ナノメートルほど離れると通電しない。海底電力ケーブルへの適用。 (cid:57) ナノ物質により強化されたポリマー: 厳環境下でのシール材への適用。 ナノテクを売る際のチャレンジは残されています。性能が良くなったからと言って、カスタマーは余計に払うとは考えにくいと思います。カスタマーは価格の安いものを常に求めます。商品化までに3年以上と長い評価時間がかかることや、カスタマーは石油会社でなく、石油開発サービス会社かエンジニアリング会社であることも頭に入れなくてはならないでしょう。 以上 参考資料> < ・ 日刊工業新聞 書籍「シェールガス争奪戦」 、2011年9月30日出版、伊原賢 著 ・ JOGMECホームページ 石油・天然ガス資源情報「非在来型の原油や天然ガスの生産にかかる技術トピック」、2009年10月7日、伊原賢 著 ・ 月刊科学雑誌「Newton」2012年1月号、大特集 電力とエネルギー、伊原賢 協力 11/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 北米
国1 米国
地域2 北米
国2 カナダ
地域3 中南米
国3 ブラジル
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 北米,米国北米,カナダ中南米,ブラジル
2011/12/14 伊原 賢
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