ページ番号1004317 更新日 平成30年3月5日

中国:厳冬と燃料転換によるガス不足で際立つ輸入LNGのピーク調整力、ガス価格改革にも弾み?

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レポートID 1004317
作成日 2013-01-11 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG基礎情報
著者 竹原 美佳
著者直接入力
年度 2012
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2013/1/11 石油調査部:竹原 美佳 中国:厳冬と燃料転換によるガス不足で際立つ輸入LNGのピーク調整力、ガス価格改革にも弾み? ? 中国は天然ガス利用の季節需要差が大きく、地下貯蔵等のピーク調整設備の整備が進んでいないため、冬場の需要期にしばしば天然ガスの不足が発生する。政府は企業に国産ガス・輸入ガスの供給増加を指示。また産業・輸送部門への供給制限により民生への供給確保を図っている。 PetroChinaは北京等北部には国産ガスの増産とトルクメニスタンからのガス輸入増量で対応し、浙江省等東部にはLNGの追加調達で供給強化を図るとしている。13年第1四半期にLNG4億m3(29万トン、4カーゴ程度)を緊急調達し、CNOOCが操業する浙江省寧波LNG受入基地と連携する。 ? 国産・輸入パイプラインガスに比べ、江蘇・浙江など東部沿海地域に建設されたLNG受入基地は柔? 軟性と消費地に近接という利点があり、ピーク調整で威力を発揮している。 ? 政府は2015年までに811億元(約1.1兆円)を投じて天然ガス地下貯蔵庫24箇所(設計貯蔵量257億m3)の整備を進める計画だが、地域の状況に応じたピーク調整を計画している。北部は枯渇ガス田の活用による地下貯蔵整備を進めるが、地下貯蔵の条件が限られる東部沿海地域ではLNG受入基地を活用するとしており、今後東部ではLNG受入基地の増強・新設が進む可能性がある。 ? 北京、湖南、江蘇、海南など一部の地方政府は民生用小売価格を引き上げ、また消費量に応じた数段階の価格制度を導入することにより需要抑制を図ろうとしている。これらの動きは現在広東・広西で実施している市場化に向けた天然ガス試行価格制度拡大につながる可能性がある。2013年中に北京、四川、重慶、江蘇、湖南、海南等で天然ガス試行価格制度が適用される可能性がある。 ? 厳冬による天然ガス不足発生 中国各地がまたも冬場の天然ガス不足に直面している。今年は30年ぶりの厳冬により天然ガスによる集中暖房を行う北部の都市(北京、天津、河北等)などで深刻なガス不足に見舞われている模様である。例えば北京市は12月24日に都市ガスの日間ピークが史上最高の6,257万m3を記録した(2010年冬は設計輸送量4,200万m3に対し5,000万m3を超えたため供給制限に踏み切っていた)。今回は供給制限には至っていないものの、設計輸送量を超えた状態が続いた模様である。 また、甘粛、浙江、江蘇、四川、湖北、湖南等の地域は産業部門の燃料転換が加速したことでガス不足に見舞われた模様である。例えば甘粛省では昨年石油ボイラーから天然ガスボイラーへの転換を行った企業が増加し、天然ガスの不足が深刻な状態と報じられている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 012年12月27日、国家発展改革委員会は「天然ガスの安定供給保障に関する緊急通知」(発改電〈2012〉244号)を発表、PetroChinaなどの企業に対し供給とガス(LNG)輸入の強化を指示した。また産業・輸送用のガス供給削減により民生用のガス確保を図るよう求めた。これにより化学や小型LNGプラント向けの供給は減少あるいは停止した。寧夏、華北、山東等のCNG・LNGステーションはガス供給不足により休業を余儀なくされている。 また、PetroChinaは国内主力ガス田の長慶、新疆タリム、青海でフル生産し供給量を日量1,000万m3増加、北京を含む華北地域に向ける(Sinopecも四川などの国産ガスを増産している)。またPetroChinaはトルクメニスタンからの天然ガスについて2012年の輸入予定量230億m3から5.5億m3増量した。 天然ガス供給強化 ? ? 輸入LNG、ピーク調整で威力を発揮 国産・輸入パイプラインガスに比べ、LNG受入基地は調達が柔軟で消費地に近接していることからピーク調整で威力を発揮している。PetroChinaは2013年第1四半期にLNG4億m3(約29万トン、4カーゴ程度)の緊急調達を行い、CNOOCの浙江省寧波LNG受入基地(2012年9月稼働)と協調し、浙江省Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図:中国の地域別天然ガス(都市ガス)利用状況(2010年) ヨの供給を強化すると表明している。2010年1月の天然ガス不足の際はCNOOCの上海洋山LNG受入基地を利用し、ロシアとギリシャからスポット3カーゴ(計18.5万トン)を輸入、華東地域に供給した。当時は8ドル/MMBtu前後(約65億円)で調達できたが、現在スポットは17ドル台で推移しており、企業の負担は軽くないと思われる。しかしパイプラインガスを急に増量することは限界があるが、LNGは必要量の速やかかつ柔軟な調達と払い出しが可能である。幹線パイプラインと逆からガスを押し込み、導管の圧力を維持する効果も期待できることから、季節需要差の大きな中国にとり有効なオプションであると思われる。今後特に東部沿海地域でLNG受入基地の増強が進むと思われる。13年1月にはSinopecが計画する江蘇省連雲港LNG受入基地(初期工事)について政府が承認した。受入能力は300万トン/年(41.4億m3)、16万m3のLNG貯蔵タンク4基、8~27万m3のLNG船接岸可能なバースを備える。 ? 中国の天然ガス安定供給、ピーク調整 天然ガスの第12次五か年計画によると中国は天然ガス安定供給の手段としてパイプライン網の整備の他ピーク調整設備(地下貯蔵庫や中小の液化設備)の整備を進める計画である。2015年までに811億元(約1.1兆円)を投じ24箇所(設計貯蔵量257億m3)の地下貯蔵庫の整備を進める計画である(2011年末現在のワーキングガス(払い出し可能量)はわずか21億 m3)。 政府は地域の特性に応じピーク調整のインフラを整備する計画である。北部(北京、天津、河北、山西、遼寧、黒竜江、山東)は枯渇油ガス田が幹線パイプライン沿いに位置している利点を生かし、枯渇ガス田を活用した地下貯蔵を整備する計画である。 東部沿海地域の上海、江蘇、浙江は江蘇省にある岩塩ドームと江蘇油田の枯渇油ガス田を活用した地下貯蔵庫を整備する計画だが、2015年までは江蘇、浙江等現有のLNG受入基地を活用するとしている。南部の福建、広東、広西、海南についてはLNG受入基地を主体とし中小の液化設備で補う計画であ天然ガス不足を受け、北京、湖南、江蘇、海南など一部の地方政府は民生用小売価格を引き上げ、また消費量に応じた数段階の価格制度を導入することにより需要抑制を図ろうとしている。これらの動きは現在広東・広西で実施している市場化に向けた天然ガス試行価格制度拡大につながる可能性がある。2013年中に北京、四川、重慶、江蘇、湖南、海南等で天然ガス試行価格制度が適用される可能性がある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 市場化に向けた天然ガス価格改革に弾み? ?る。 ?曹ヘ、輸入LNGは調達価格で卸すことが可能だが、国産ガスおよびトルクメニスタン等のパイプラインで輸入するガスについては国産ガス同様生産コストに基づき価格統制されており、卸価格は輸入価格を下回っている。輸入価格との差額は輸入事業者のPetroChinaが負担しており、輸入拡大・安定供給に支障が生じる恐れがあった。そこで中国政府は2011年12月から南部の広東・広西を対象に市場価格化に向けた天然ガス試行価格制度を実施している。国産の天然ガス、輸入パイプラインガス・LNG等様々なガスが向かう上海を基準市場とし、代替燃料である重油とLPGの輸入価格を元に天然ガスの指標価格を作ろうとしている。天然ガス利用促進のため、計算式に欧州同様一定の係数をかけ、石油製品より割安に設定されているが、基本的には石油製品価格に連動している。 新華社China OGP他にもとづき作成 考:天然ガス試行価格制度 参Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表:最近実施された民生小売ガス価格値上げ 北京市民生小売り値上げ11%、0.23元/m3値上げ9.4ドル/MMBtu四川シティゲート価格統一8.1ドル/MMBtu海南(海口)民生小売り値上げ21%、0.55元/m3値上げ12.9ドル/MMBtu湖南(長沙、株洲、湘潭)値上げ+消費量に応じた段階価格制度600m3/年未満:10ドル/MMBtu600m3/年超10ドル/MMBtu+0.55元/m3江蘇(徐州)値上げ+消費量に応じた段階価格制度75m3/月未満:10ドル/MMBtu75~125m3/月:+10%125m3/月超:+20%
地域1 アジア
国1 中国
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,中国
2013/01/11 竹原 美佳
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