ページ番号1004318 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:米国「財政の崖」問題回避を巡る市場の楽観的な見方から上昇するも、その後揉み合う原油価格

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レポートID 1004318
作成日 2013-01-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2012
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2013/1/14 石油調査部:野神 隆之 原油市場他:米国「財政の崖」問題回避を巡る市場の楽観的な見方から上昇するも、その後揉み合う原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、製油所での石油製品生産が比較的堅調であった一方、ガソリンや留出油需要が相対的に低迷した結果、ガソリン在庫は平年幅を超過する程にまで増加、一時平年幅を割り込んでいた留出油在庫も平年並みにまで回復してきている。他方米国メキシコ湾岸製油所の課税対策に伴う当該地域での年末に向けた原油在庫の大幅な取り崩しと見られる動きにより米国全体でも原油在庫は減少したが、それでも平年幅を超過する状況は継続している。 ② 2012年12月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧米に加え、日本においても製油所のメンテナンス作業終了に伴う原油精製処理量の増加により、やはり原油在庫が減少したことから、OECD諸国全体としても減少となったが、例年この時期原油在庫は減少傾向になるため量的には平年幅を超過した水準が維持されている。石油製品については、米国では増加したものの、欧州ではほぼ変わらずとなった一方で、日本では全国的な気温低下の継続に加え年末に向け灯油の出荷が活発化したことに伴い当該在庫が大幅に減少したことにより石油製品全体の在庫水準も低下したため、OECD諸国全体では在庫は微減となり量的には平年幅の下方に位置している。 ③ 2012年12月中旬から2013年1月中旬にかけての原油市場においては、12月中旬から1月初めにかけては米国での「財政の崖」問題の回避に対するオバマ大統領と米議会下院のベイナー議長(共和党)との間での協議の進展に対する市場の期待が増大したこと、及び実際1月1日に当該問題がとりあえずは事実上回避されたことにより米国経済混乱を回避できるとの楽観的な見方が市場で発生したこともあり、原油価格は12月中旬の1バレル当たり87ドル前後が1月初めには93ドル超へと上昇傾向を示した。ただ、その後はこの先米国が政府支出削減や同国債務上限の引き上げ問題に対処しなければならないことや、米国での金融緩和政策を2013年中には縮小させるべきであると委員が認識しているとする米国連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容、米国での経済安定の兆候を示す経済指標類や市場の予想を上回る企業業績、欧州経済回復見通し、中国での輸出額増加の一方消費者物価上昇を示すまちまちな経済指標類などの諸要因に影響され、原油価格は1バレル当たり91~94ドル台で変動しつつも終値ベースでは92~93ドルといった比較的限られた範囲にとどまった。 ④ 原油市場では、米国の債務上限引き上げ及び政府支出削減の問題や、米国金融当局の金融緩和政策縮小の意向が原油相場に下方圧力を加える一方で、欧州経済回復見通しに加え米中での安定した経済指標類や企業業績が上方圧力を加えることから、原油価格は当面限られた範囲内で変動する可能性もあろうが、今後発表される欧米中での経済指標類や企業業績等が多く発表されることにより市場の世界景気回復に対する楽観的な見方が強まれば上昇基調となる余地もあると考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2012年10月の米国のガソリン需要(確定値)は前年同月比で0.6%程度の増加と小規模ながら増加に転じた(図1参照)。この月は下旬に米国北東部にハリケーン「サンディ」が来襲しインフラに影響を与えたこともあり当該地域でのガソリン需要が前年同月比で約7.2%減少したものの、米国メキシコ湾岸でのガソリン需要が同17.8%程度増加となっていることで相殺された格好となった。ただ、当該地域でのガソリン需要は月によって変動が激しく(図2参照、大規模油槽所等への出荷が影響している可能性がある、また2012年10月の場合は前年10月が前年同月比で12.4%と大幅に減少したことへの反動といった側面もある)、また、10%を超過するような大幅な増減が2ヶ月連続することはあっても、それ以上継続するということは過去の統計数値上稀である。さらに、米国ガソリンスタンドのクレジットカードでの支払い記録をもとに算出したガソリン需要では、2012年10月は前年同月比で約2.3%程度の減少と推定されることもあり、出荷段階での増減が必ずしも消費段階での増減と一致していないことが示唆される。このようなことから、10月の米国ガソリン需要の前年同月比での増加の持続可能性はそう高くないと考えざるを得ない。他方、12月は例年米国ではクリスマスに伴う旅行シーズンであることから、ガソリン需要が前月比で増加することが多いが、速報値ベースでは2012年12月は11月に比べてガソリン需要は低下している他、前年同月比でも約2.1%程度の減少を示すなど、同国のガソリン需要が低迷していることが示唆される。このような中、秋場のメンテナンス作業を終了した製油所は原油精製処理量を高水準で維持(図3参照)、結果としてガソリンの生産も保たれた(図4参照)ことから、同国のガソリン在庫は増加傾向となり1月としては平年幅上限付近に位置する量となっている(図5参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 2012年10月の米国の留出油需要(確定値)は前年同月比で4.1%程度の減少と速報値(同8.6%程度の減少)からは上方修正されている(図6参照)が、6月以来5ヶ月連続の前年割れを記録した。内訳をみると軽油が前年同月比で3.0%程度の増加となっている一方で、暖房油需要が同73.3%程度の減少となっており、軽油需要は堅調であるものの、暖房油需要が不振であることが全体の留出油需要の伸びを押し下げている格好となっている。ただ、11月1日に始まる米国北東部の暖房油需要期を前にして例年10月は暖房油の出荷は堅調に推移するが、2012年7月1日にニューヨーク州で暖房用に使用される留出油の硫黄分を15ppm以下とする(つまりそれは超低硫黄軽油(ULSD:Ultra Low Sulphur Diesel)に当たる)としたこともあり、最近暖房油出荷量は低迷する傾向にある。そして、ニューヨークでの規制強化以前の2007~11年の5年間の10月の暖房油出荷量の平均値は日量44万バレルであるので、仮にこの量と2012年10月の出荷量日量10万バレルとの差分を2012年10月の軽油需要(日量374万バレル)から差し引いて前年と比較ができるように調整すると、その需要は日量340万バレル程度となり、2011年10月の軽油需要(日量363万バレル)から6.2%程度の減少を示す。このように2012年10月の軽油需要の伸びは、暖房油の仕様変更によりその暖房油の振替需要が軽油に加わっていることが影響していると考えられることから、同国の輸送用軽油需要が回復し始めているとは必ずしも言い切れない。他方、2012年12月の同国留出油需要(速報値)は前年同月比で6.2%程度の減少と引き続き減少が継続しており、米国での緩慢な景気回復を反映しているとの指摘もある。他方、過去に平年幅を割り込むほどにまで低下した同国の留出油在庫を反映して留出油と原油との価格差が拡大、冬場の暖房油需要期に向けその後も価格差が維持されたことに加え、秋場のメンテナンス作業が終了し稼働を上昇させた製油所が留出油生産を活発化させた(図7参照)ことから、在庫も増加、2013年1月初め時点では当該在庫量平年並みの水準にまで戻ってきている(図8参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? このように米国ではガソリンや留出油の需要は必ずしも旺盛と言えるわけではないが、同国の石油需要は2012年10月(確定値)で前年同月比0.7%程度の減少、同年12月(速報値)で1.0%程度の増加となっている(図9参照)。これは、NGL(Natural Gas Liquid:天然ガス液)及びLPGの需要の伸びが寄与していることによる。これらは米国での天然ガス生産の副産物であり最近ではシェールガス生産が高h校であることの影響から価格が低下、その結果化学部門での利用が拡大していると見られる(同国では2010年において化学部門向けNGLやLPGの消費が前年比でそれぞれ21.9%、4.5%増加しているが、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 012年にかけてはさらに天然ガスが増産されたことに伴いそれら製品の価格が原油に比べて割安になっていることから需要が喚起されていると見られる)。他方、米国ではメキシコ湾岸で製油所の年末の課税対策(テキサス州やルイジアナ州といった米国の一部の州では年末の石油在庫評価額に対して固定資産税等が課されることから、陸上のタンクに大量の在庫を保有していると課税対象額、そして課税額が多額となるため、精製業者等は必要以上の在庫を保有することを敬遠するとされる)に伴う原油在庫取り崩しと見られる動きが発生したこともあり、12月28日の週には米国全体の原油在庫が前週比で1,112万バレル減少した場面も見られたが、平年幅を超過する水準は維持された(図10参照)。なお、原油在庫が平年幅を超過している一方で、ガソリンの在庫が平年幅上限付近、留出油在庫が平年並みの水準にそれぞれ位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン、及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図11及び12参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2012年12月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国で減少した他欧州でも減少(石油会社が会計上の問題で年末にかけて在庫を使い切ろうとするべく行動することに伴うものであるとの指摘がある)、さらに日本においても製油所のメンテナンス作業終了に伴う原油精製処理量の増加により、やはり原油在庫が減少したことから、欧米日の主要消費国・地域全てで12月は原油在庫が減少したが、例年この時期原油在庫は減少傾向になることから、量的には平年幅を超過した水準は維持されている(図13参照)。石油製品については、米国では増加したものの、欧州ではほぼ変わらずとなった一方で、日本では、製油所での灯油生産は増加したものの、全国的な気温低下の継続に加え年末に向け灯油の出荷が活発化したことから、結果としては当該製品在庫が大幅に減少したため、同国の石油製品全体の在庫水準も低下した。このため、OECD諸国全体の石油製品在庫は微減となり量的には平年幅の下方に位置している(図14参照)。なお、原油在庫の平年幅を超過する状態が維持される一方で石油製品在庫が平年幅下方付近に位置していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅中間付近に位置している(図15参照)。また、12月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は57.9日と11月末の推定在庫日数である58.1日から若干低下している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 2012年12月中旬から2013年1月上旬にかけては、シンガポールでのガソリン等の軽質製品在庫は総じて増加傾向となり、12月19日時点には960万バレル程度の在庫量であったものが1月9日には1,150万バレルを超過するなど2012年2月8日(この時は1,200万バレル超)以来の高水準にまで到達した。マレーシアへのガソリン輸出(Petronasが保有する製油所(Mekala-1、原油精製処理能力日量10万バレル)で11月に原油精製処理装置における不具合に伴い石油製品生産に支障が発生した他、2013年1月から約2~3週間程度メンテナンス作業を実施することにより当該製油所の操業を停止することから、石油製品生産停止に対応するためにガソリン在庫を積み上げる必要が生じたことに伴うものと見られる)は一服した他、インドネシアのPertaminaが1月に入りスポット市場からのガソリン調達を控えていGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 驤齦福ナ、韓国やインド、中国からシンガポールに向けガソリン等の軽質製品が輸出されたことが在庫増加の背景にあると見られる。このようなことから、ガソリン価格が原油価格に比べて圧迫される結果となっている。ただ、ナフサは中国の景気回復への期待感が市場で高まっていることに加え同国が旧正月を控えていることから、石油化学産業の活動が活発化するとの観測が、当該製品価格を支持する結果となっており、原油価格に比べて大きく上昇及び下落することなく推移している。 シンガポールでの中間留分在庫については、概ね1,000~1,100万バレルの範囲内で変動しつつ、全体としては若干の増加となっている。これは、韓国で国内需要が低迷した(2012年第一四半期に同国のガソリンや軽油の消費が前年同期比で3.1%増加したこともあり、2012年5月23日に韓国政府は石油需要抑制策を発表、エネルギーに占める石油の割合を現在の40%から2015年までに33%にするべく燃料消費効率を改善するため、韓国国民に公共交通機関利用を促す(クレジットカードによる料金支払いに対して30%の税控除を適用)とともに当初2012年末終了予定であった小型車やハイブリッド車に対する税優遇策を延長、また駐車料金引き上げ実施や政府関係機関職員に対して公共交通機関利用を要請、さらに、電力消費のピーク時である午後2~5時に空調の利用を差し控えるよう奨励する他、エネルギー利用効率化に向けた研究・開発に対して資金的支援を実施するとしたが、これらの政策により2012年後半は同国の石油需要が前年割れしているとされる)一方で、12月後半の平年を上回る気温で欧州の暖房油需要が不振なことから、結果的に韓国からシンガポールに軽油が輸出されたことに伴うものと考えられる。ただ在庫の増加幅は総じて限定的な水準にとどまっていることもあり、シンガポール市場での軽油価格も原油価格に比べて大きく上昇もしくは下落することなく推移している。 重油在庫については12月19日には2,000万バレル程度であったものが1月9日には1,800万バレルを割り込む水準となるなど、毎週減少する結果となった。これは韓国の霊光原子力発電所5号機及び6号機において部品の品質保証書偽造が発覚したことにより11月5日に運転を停止した(1月2日に操業再開)ことから、代替の発電向け重油需要が発生したことに加え、気温が低下したことに伴う発電量増加に合わせた重油調達、そして2013年1月から中国で国内及び輸入重油に対して消費税が課されるようになることから課税前の同国での中小製油所(重油を原料としている)からの駆け込み需要が発生していることや同国の旧正月前の在庫の積み増しが行われているといったことに伴うものと見られる。ただ、船舶輸送が低迷している影響で当該用途向け重油需要が不振である他、相対的に高水準であるアジア市場に向け今後西側諸国等から重油が流入してくるとの観測も根強かったことから、重油価格も原油価格に比べて上昇及び下降のどちらの傾向も示すことなく、一定の範囲で変動する結果となった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? . 2012年12月中旬から2013年1月中旬にかけての原油市場等の状況 2012年12月中旬から2013年1月中旬にかけての原油市場においては、12月中旬から1月初めにかけては米国での「財政の崖」問題の回避に対するオバマ大統領と米議会下院のベイナー議長(共和党)との間での協議の進展に対する市場の期待が増大したこと、及び実際1月1日に当該問題がとりあえずは事実上回避されたことにより米国経済混乱を回避できるとの楽観的な見方が市場で発生したこともあり、原油価格は12月中旬の1バレル当たり87ドル前後が1月初めには93ドル超へと上昇傾向を示した。ただ、その後はこの先米国が政府支出削減や同国債務上限の引き上げ問題に対処しなければならないことや、米国での金融緩和政策を2013年中には縮小させるべきであると委員が認識しているとする米国連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容、米国での経済安定の兆候を示す経済指標類や市場の予想を上回る企業業績、欧州経済回復見通し、中国での輸出額増加の一方消費者物価上昇を示すまちまちな経済指標類などの諸要因に影響され、原油価格は1バレル当たり91~94ドル台で変動しつつも終値ベースでは92~93ドルといった比較的限られた範囲にとどまった(図16参照)。 12月14日に行われたオバマ米大統領とベイナー米議会下院議長との電話会談でベイナー氏が年間100万ドル超の所得層に対する税率引き上げを容認する旨提案したと12月15日に報じられたことで、米国の「財政の崖」問題回避に向けて両党の協議が前進するとの楽観的な見方が市場で発生したことに加え、12月17日にEnterprise Products Partnersがクッシング(オクラホマ州)からヒューストン(テキサス州)に原油を輸送(この時点での輸送能力は日量15万バレル)するSeaway Pipelineの日量40万バレルへの輸送能力増強が2013年1月に完了する旨認めたことで、クッシング(NYMEXのWTI先物契約引き渡し地点)での原油の過剰状態が今後緩和するとの観測が市場で発生したこと、12月18日には、ベイナー米議会下院議長が12月14日にオバマ大統領に示した米国「財政の崖」回避のための提案につき、こGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? フ日(12月18日)に同議長が共和党内の支持を獲得したことで、当該問題に関して事態が進捗しているとの認識が市場で増大した他、12月18日にMotiva EnterprisesのPort Arthur製油所(テキサス州、原油精製処理能力日量32.5万バレル)で前日に火災が発生したことにより原油精製処理装置が減産する旨発表されたことで石油製品需給の引き締まり懸念が市場で発生したことから米国ガソリン及び暖房油先物相場が上昇したこと、翌19日にも、米国での「財政の崖」問題回避のための民主党と共和党との妥協に向けた動きに対する市場の楽観的な見方の流れを引き継いだことに加え、12月19日に米国商務省から発表された11月の住宅建設許可件数が年率89.9万戸と前月比で3.6%増加し2008年7月(このときは同92.1万戸)以来の高水準となった他市場の事前予想(同87.2~87.5万戸)を上回ったこと、12月19日に独公的研究機関Ifo経済研究所から発表された12月のドイツ景況感指数(2005年=100)が 102.4と11月の101.4から上昇した他市場の事前予想(102.0)を上回ったことでユーロが上昇した反面米ドルが下落したことから、原油価格はこの日前日終値比で1バレル当たり1.58ドル上昇した他、12月17~19日の3日間終値ベースで併せて2.78ドル上昇、12月19日の終値は89.51ドルとなった。(なおこの日を以てニューヨーク商業取引所(NYMEX)の2013年1月渡しWTI原油先物契約取引は終了となったが2月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり 89.98ドルと前日終値比で1.58ドル上昇している)。また、12月20日においても、この日米国商務省から発表された2012年7~9月の同国国内総生産(GDP)(確定値)が年率3.1%と11月29日に発表された改定値である同2.7%から上方修正され2011年10~12月期(このときは同4.1%)以来の高水準となった他市場の事前予想(同2.8%)を上回ったことに加え、12月20日にフィラデルフィア連邦準備銀行から発表された12月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数(ゼロが製造業拡大と縮小の分岐点)がプラス8.1と11月のマイナス10.7から上昇し2012年4月(このときはプラス8.5)以来の高水準となった他市場の事前予想(マイナス3.0)を上回ったこと、12月20日に全米不動産業協会(NAR)から発表された11月の米国中古住宅販売戸数が年率504万戸と2009年11月(この時は同544万戸)以来の高水準となった他市場の事前予想(同487~490万戸)を上回った一方で、米国の「財政の崖」問題回避のためにベイナー米下院議長が提案した年間100万ドル以下の所得層に対する減税延長を盛り込んだ法案(この時点では12月20日夜に米議会下院で可決される見通しであったが、仮に同法案が可決されてもオバマ政権はそれに対して拒否権を行使する方針である旨12月19日にホワイトハウスが表明していた)が可決された後も、ベイナー氏は問題回避のためにオバマ大統領との協議を継続する方針である旨表明したことで、当該問題が解決に向け引き続き前進していくとの楽観的な見方が市場で発生したことから、米国株式相場が上昇したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり90.13ドルと前日終値比で0.62ドル上昇した。ただ、実際には12月20日夜に米議会下院で決議される予定だったベイナー米議会下院議長提案の同国「財政の崖」問題回避のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? スめの法案は共和党の十分な支持を得られなかったことにより撤回された。このため同問題回避に対する不透明性増大を市場が意識したことに加え、12月21日に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数(1966=100)(確報値)が72.9と12月7日に発表された速報値である74.5から低下し2012年7月以来の低水準となった他市場の事前予想(74.7~75.0)を下回ったことで、この日(12月21日)の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.47ドル下落し終値は88.66ドルとなっている。 12月24日には、米国の「財政の崖」問題に関する不透明性増大の流れを引き継いで原油価格に下方圧力が加わり続けた一方で、12月23日にシリア政府の空軍機が同国中部ハマ県のハルファヤ(Halfaya)の町のパン屋を空爆し数十人が死亡した旨反体制派が明らかにしたことで同国の政情不安を巡る市場の不安感が増大したことが、相場に上方圧力を加えた結果、この日の原油価格の終値は1バレル当たり88.61ドルと前日終値比で0.05ドルの下落にとどまった。翌25日は、米国でのクリスマスの休日に伴いNYMEX原油先物契約の通常取引は実施されなかったが、オバマ米大統領がクリスマス休暇を予定よりも早く切り上げ12月26日夜に休暇先のハワイを出発、27日にはワシントンに到着して同国の「財政の崖」問題解決に向け議会と協議を行う旨12月25~26日に報じられたことで、当該問題解決に向け協議が前進するとの希望が市場で増大したうえ、12月26日に発表された10月のS&Pケースシラー住宅価格指数(米国主要20都市対象)が前年同月比で4.3%の上昇と市場の事前予想(同4.0%上昇)を上回ったこと、12月26日にアラブ首相国連邦(UAE)の国営首長国通信(WAM)が、同国の治安当局がUAE及びサウジアラビアでのテロ行為を計画していたとして武装勢力の構成員を逮捕したと報じたことで、中東情勢の不安定化に対する市場の懸念が増大したこと、また、12月26日に米国北東部で気温が低下し平年割れとなった他今後10日間程度このような平年割れの気温が継続するとの予報が気象予報機関から発表され暖房油需要が増加するとの観測が市場で増大したことにより、米国暖房油先物が上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり2.37ドル上昇し終値は90.98ドルとなった。 他方、12月27日には、この日米民主党のリード米議会上院院内総務が米国は「財政の崖」からの転落に接近しつつある旨の見解を明らかにしたことで当該問題に対する市場の不安感が再燃したうえ、12月27日に米非営利民間調査機関コンファレンス・ボードから発表された12月の同国消費者信頼感指数(1985年=100)が65.1と11月の71.5から低下した他市場の事前予想(70.0)を下回ったこと、12月28日には、この日オバマ米大統領が実施した米議会指導者と会談で、オバマ氏が新たな提案を行わなかった(年収25万ドル以下の所得層に対する減税延長と失業保険給付延長といった従来の提案を繰り返す)ことで、米国「財政の崖」問題の解決を巡る不透明性に対する市場の懸念が増大したことに加え、この日EIAから発表された同国石油統計(12月21日の週分)でガソリン及び留出油在庫が市場の事前予想(ガソリン25~85万バレル程度の増加、留出油35~90万バレル程度の減少)を上回る、もしくは事前予想に反すGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 驕Aそれぞれ、378万バレル、243万バレルの増加となっていたことが判明したことにより、原油価格は12月27~28日の2日間合計で1バレル当たり0.18ドル下落し、12月28日の終値は90.80ドルとなった。 12月31日には、この日英大手金融機関HSBCと英金融情報サービス会社マークイットが発表した12月の中国製造業購買担当者指数(PMI)(改定値)(50が製造業拡大と縮小の分岐点)が51.5と12月14日に発表された速報値である50.9から上方修正されたうえ2011年5月以来の高水準に到達したこと、同じくこの日にマコネル(McConnel)米議会下院院内総務(共和党)が米国の「財政の崖」問題解決に向けた合意が非常に近いと述べたと伝えられたことで当該問題に対する楽観的な見方が市場で増大したこと、また、1月1日は米国新年の休日に伴いNYMEX原油先物契約の通常取引は実施されなかったが、この日に米議会上院及び下院が「財政の崖」問題に関して年収45万ドル以下の低・中間所得層の減税継続と強制的な政府支出削減実施の2ヶ月延期を盛り込んだ法案を可決したことで米国が急激な景気後退を回避できるとの見方が市場で増大したうえ、1月2日には米国供給管理協会(ISM)から発表された12月の同国製造業景況感指数(50が製造業拡大と縮小の分岐点)が50.7と11月から上昇した他市場の事前予想(50.3~50.5)を上回ったことから、この日(1月2日)の原油価格の終値は1バレル当たり93.12ドルとは原油価格は12月31日~1月2日で併せて2.32ドル上昇した。ただ、1月1日に米国「財政の崖」問題は事実上回避されたものの、今後2ヶ月以内に政府支出削減や債務上限引き上げに関して米政権や議会との間での議論を完了しなければならないことに対する不安感が1月3日に市場で発生したうえ、1月3日に米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(12月29日の週分)が37.2万件と前週比で1.0万件増加した他市場の事前予想(36.0万件)を上回ったこと、1月3日に明らかになった米国連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(12月11~12日開催分)で、当該FOMCで米国連邦準備制度理事会(FRB)による資産購入に対して委員からその副作用に対する懸念が示されたことにより2013年末より相当前の段階で購入速度を鈍化させるか終結させることが適切であろうとした旨示唆されていたことから、今後当該方策の縮小ないし終了により米国の景気回復が減速するのではないかとの不安感が市場で発生したことで、1月3日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.20ドル下落し、終値は92.92ドルとなった。それでも1月4日は、この日米国労働省から発表された12月の同国非農業部門雇用者数が前月比で15.5万人の増加と市場の事前予想(同15.0~15.2万人増加)を上回った他、同日ISMから発表された12月の同国非製造業景況感指数(50が非製造業拡大と縮小の分岐点)が56.1と11月の54.7から上昇、2012年2月以来の高水準に到達するとともに市場の事前予想(54.1~54.2)を上回ったことにより、米国株式相場が上昇したことで、1月4日の原油価格の終値は1バレル当たり93.09ドルと前日終値比で0.17ドル上昇している。 1月7日には、1月10日開催予定の欧州中央銀行(ECB)理事会で主要政策金利が据え置かれるとGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? マ測が市場で発生したことに加え、1月7日にイタリアのベルルスコーニ前首相が次期首相候補となることを取りやめたことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.10ドル上昇、終値は93.19ドルとなった。そして、この日(1月7日)、Motiva Enterprisesが、米国Port Aurthur製油所の原油精製処理装置に関し1月3日より操業再開に向け作業を実施していたが、小規模の漏出が発生したことにより1月6日に当該作業を中止した旨発表したことで、今後の米国での製油所メンテナンス作業シーズン突入を控えて、石油製品需給逼迫懸念が市場で増大したことに伴い、1月8日の米国ガソリン及び暖房油先物相場が上昇したことがこの日(1月8日)の原油相場に上方圧力を加えた一方、1月9日発表予定のEIAの同国石油統計(1月4日の週分)で原油在庫が増加しているとの観測が市場で発生した他、主要商品インデックスファンドの2013年投資配分変更(ブレントの投資配分比率を引き上げる一方でWTIの投資配分比率を引き下げ)により米国原油先物市場から資金が流出したことが1月8日の原油相場に下方圧力を加えたことから、この日(1月8日)の原油価格の終値は1バレル当たり93.15ドルと前日終値比で0.04ドルの下落にとどまった。また、1月8日夕方に発表された米アルミ大手アルコアの2012年10~12月期決算で売上高が市場の事前予想を上回ったことで、今後発表される予定の米国等の企業業績発表に対する楽観的な見方が市場で増大し、1月9日の米国株式相場が上昇したことが、この日の原油相場に上方圧力を加えた一方で、1月9日にEIAから発表された同国石油統計でガソリン在庫が市場の事前予想(230~260万バレル程度の増加)を上回る、741万バレルの増加となっていた旨判明したことが原油相場に下方圧力を加えた結果、この日の原油価格の終値も1バレル当たり93.10ドルと前日終値比で0.05ドルの小幅下落となった。そして、1月10日には、この日中国税関総署から発表された12月の同国輸出額が前年同月比で14.1%増加と市場の事前予想(同4.0~5.0%増加)を上回ったことで同国経済と石油需要の回復に対する期待が市場で増大した他、1月10日未明(現地時間)にイエメンの原油輸出パイプライン(Marib-Ras Isaパイプライン、原油輸送能力日量40万バレルだが最近では日量7万バレル程度を輸送)が武装勢力によって爆破されたことにより当該パイプラインの操業が停止した(1月12日に操業再開)ことに伴う石油供給途絶懸念が市場で発生したこと、1月10日にサウジアラビアの関係筋が12月の同国の原油生産量が日量902.5万バレルと11月の同949万バレルから減少した旨明らかにしたことから世界石油需給の引き締まりに対する不安感が市場で発生したこと、1月10日開催のECB理事会で主要政策金利が満場一致で据え置かれた他、理事会後の記者会見でドラギ総裁が2013年中に欧州経済は徐々に回復していく旨の見解を示すとともに今後の利下げについて示唆しなかったことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことにより、1月10日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.72ドル上昇し終値は93.82ドルとなったものの、1月11日には、この日中国国家統計局から発表された12月の同国消費者物価指数(CPI)が前Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? N同月比で2.5%の上昇と11月の同2.0%上昇から加速し2012年5月以来の高水準となった他市場の事前予想(同2.3%上昇)を上回ったことで、中国政府が景気刺激のための緩和政策を後退させるのではないかとの懸念が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり93.56ドルと前日終値比で0.26ドル下落している。 . 今後の見通し等 原油市場においては、イランやシリアといった地政学的リスク要因については、原油相場の下落を抑 3制するという意味では影響力は依然存在するものの、相場を上昇させる要因として市場で言及される機会は減少しつつある。イランについては引き続き西側諸国との交渉の場は持たれているが、1月12日に国際原子力機関(IAEA)の天野事務局長が1月16日に予定される核兵器開発疑惑に関するイランとの協議に関して必ずしも楽観的であるとは見ていない旨明らかにするなど、今後も紆余曲折を経る展開となりうることが示唆されるが、イランからのさらなる原油輸入の低下に対する不安感やイスラエルとイランとの軍事的衝突に対する緊張に関しては原油市場ではひとまず小康状態となっている。また、シリアについても1月3日に反体制派が北部の主要都市アレッポの国際空港に対する攻撃を開始する一方で、ダマスカスではガソリンスタンドが1月2日にシリア軍機が空爆された(少なくとも30人死亡)他1月3日には自動車に仕掛けられていた爆弾が爆発し11人が死亡するなど混乱は大きくなりつつあるが、シリア情勢の悪化が周辺諸国に明確に波及しつつあるといった状況にも見えないことから、市場ではこれらの出来事についてこれまでの動向の延長上にあるといった捕え方をしており、当該事象に対する懸念が市場で急速に高まりつつある、といった感じではない。このようなことから地政学的リスク要因については、一時的な情勢の変化が原油相場の変動要因となることは考えられるが、イランやシリア情勢が大きく展開するまでは、その影響は限定的になる可能性が高いと思われる。 そのような中、当面原油市場において注目される要因は経済面(加えて幾分需給ファンダメンタルズ面)であろう。まず、米国「財政の崖」の問題がある。これについては1月1日に議会上下院両院で低・中間層減税の延長と強制的な支出削減の2ヶ月の延期について決議したことで、とりあえずは即座に全体的な増税及び支出削減が発動され米国が景気後退に陥るという事態は回避できたことから、1月2日には原油価格は1バレル当たり93.87ドルにまで上昇、2012年9月19日以来の高値に達した。ただ、政府支出削減は2ヶ月延期されただけであり、米国の債務上限引き上げと併せ、これらの問題については依然不透明感が漂ったままとなっている。最終的には債務上限は引き上げられる方向となるであろうが、それまでは、議論が一進一退となる可能性もあり、協議の展開によっては市場での悲観的な見方が増大、原油相場に対して下方圧力を加えてくる可能性は残っている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? ワた、1月3日に明らかになったFOMC(12月11~12日開催分)の議事録でも、委員の中からFRBによる資産購入に対する副作用に関して懸念が表明されたこともあり、2013年末よりもかなり以前の段階で出口を模索する動きが出ている旨示唆したことから、米政府による景気刺激策による支援が縮小する(ことにより米経済回復が持続しにくくなる)といった不安感を市場が抱くようになっているため、今後この面でも原油相場の上昇にとって重石となる恐れがある。 ただ、1月10日に中国税関総署から発表された12月の同国輸出額が前年同月比で14.1%増加と市場の事前予想を上回ったことにより同国経済と石油需要の回復に対する期待が市場で増大していることに加え、1月10日に開催されたECB理事会後の記者会見でドラギ総裁が2013年中に欧州経済は徐々に回復していく旨の見解を示したことから、欧州経済に関する市場の見方も楽観的になっているということを背景として、市場の石油需要に対する心理が改善していることから、この面では原油相場に上方圧力を加わりやすくなっていると考えられる。そのような中で、今後も米国では住宅部門を含めた経済指標類に加え、米国等企業の2012年10~12月期業績も発表される予定である。米国の住宅部門は最近回復の兆しを見せている一方で、安定し始めた2012年第四四半期の米国経済状況を反映した企業業績が発表される確率がそれなりにあるものと考えられる。このような経済指標類や企業業績も原油相場に押し上げる圧力を加えてくる可能性がある。それ以外に注目すべきは1月15日に発表される予定の世界銀行の世界経済見通しであり、最近見られる欧米中での経済安定化の兆候に基づき2013年の世界経済成長率を上方修正するようであれば、市場心理はさらに改善され、原油相場に押し上げる圧力が加わるであろう。また、1月18日には中国で一連の統計(2012年10~12月GDP、12月鉱業生産、小売売上等)が発表される予定である。これらについても、特にGDPが改善しているようだと、中国経済は底打ちしたという自信を市場関係者が強める結果、原油相場が上昇するといった場面が見られることもありうる。 一方で、需給ファンダメンタルズはまだら模様となる可能性がある。それでも、原油相場にとっては、押し上げる要因となる可能性のあるものも存在する。一つは1月18日に発表されるIEAのオイル・マーケット・レポートである。中国の輸出増大等や最近の米国での経済や企業業績の安定、欧州経済の安定化見通し等で2013年の世界石油需要を上方修正する可能性もあり、それもまた原油相場に上方圧力を加える可能性があろう。他方で、今後発表される予定のEIAによる米国石油統計では原油在庫が増加していくことも予想され原油相場に下方圧力を加える恐れもあるが、これはもともと米国メキシコ湾岸地域製油所の年末の課税対策に伴う原油在庫取り崩しの反動に伴うものであることを市場関係者も認識していることから、この面では原油相場への影響は限定的となるであろう。他方ガソリンや留出油在庫が積み上がることも石油製品先物相場の下落を通じて原油相場の下落を誘発することも考えられるが、市場の先行き経済見通しが明るくなっていれば、足元の需給が多少緩和していても、将来の需給引き締まり感Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? ェ市場で優先的に意識されることになることから、この面でも原油相場への下方圧力といった面での影響は限られると思われる。 以上を総合すると、原油市場では、米国の債務上限引き上げ及び政府支出削減の問題や、米国金融当局の金融緩和政策縮小の意向が原油相場に下方圧力を加える一方で、欧州経済回復見通しに加え米中での安定した経済指標類や企業業績が上方圧力を加えることから、原油価格は当面限られた範囲内で変動する可能性もあろうが、今後発表される欧米中での経済指標類や企業業績等が数多く発表される(そして、2012年第四四半期の米国経済や景況感が比較的安定していたことなどからすると、そうなる確率はそれなりにはあるものと見られる)ことにより市場の世界景気回復に対する楽観的な見方が強まれば上昇基調となる余地があると考えられる。 また、今後1月下旬半ばにかけ米国北東部では平年を下回る気温となるとの予想が1月11日に米国海洋大気庁(NOAA)から発表されている。このため、米国では暖房油相場が上昇しやすく、それが原油相場に上方圧力を加えてくることも考えられる。既に1月に入っており、冬場の暖房シーズンも徐々に残り期間が少なくなってきているという認識も市場では強まっているとも考えられるが、米国の留出油在庫が平年並みに接近したとはいえ必ずしも潤沢というわけではないので、まだしばらくは米国の気温状況や予報が暖房油先物価格や原油相場に対して影響を及ぼす場面もあると思われる。 一方、1月12日にEnbridgeとEnterprise Products Partnersは米国のSeawayパイプラインの原油輸送能力をそれまでの日量15万バレルから日量40万バレルに拡大させる作業を完了した。これによりNYMEX のWTIの引き渡し地点であるクッシングの在庫減少の期待に伴うWTIとブレントの価格差縮小の観測が市場で強まることも予想される。しかしながら、そう遠くない時期に、米国では春場のメンテナンスシーズン突入により中西部の製油所での原油精製処理量が低下するとともに製油所による原油引取り量が減少することから、引き取られなかった原油がクッシングへ流入、クッシングにおける原油在庫水準が上昇することにより、再度WTI価格に下方圧力が加わる、といった展開も想定される。いずれにしても、当面ブレントとWTIとの価格連動性が相対的に希薄になる可能性があるので注意が必要であろう。また、以上のような状況にもかかわらず、最近では米国中西部でのシェールオイル増産やカナダからのオイルサンド由来の原油の流入増加で、今回のSeawayパイプラインの拡張だけでは、クッシングの原油在庫が顕著に減少しWTIとブレントの価格差が恒常的に縮小するには不十分であり、そのような恒常的価格差縮小は、少なくとも2013年後半に完成するTranceCanadaによるKeystoneパイプライン(クッシング~テキサス州ヒューストン/ポート・アーサー、当初輸送能力70万バレルだが最終的には日量83万バレルにまで拡張する予定)の完成時以降になるであろうと見る向きも市場にはあることにも留意されたい(この他EnbridegeとEnterprise Products Parnersは2014年半ばの操業開始を目指しSeawayパイプラインにGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? タ走する形でパイプラインをさらに1本増設しクッシング~ヒューストン間の原油輸送能力を日量40万バレルから同85万バレルにまで拡張するべく計画している)。 . 米国での原油の流れの変化について 米国ではシェールオイルが増産基調となっており、これが米国全体の原油生産量を押し上げる格好と 4なっている(図17参照)。また、カナダでのオイルサンド由来の原油も増産されており、米国への輸入も増加してきており(図18参照(地域別))、このような動きが米国内外の原油の流れを変えつつある。ここではその変化について考察を加えることとしたい。 EIAが2012年12月5日に発表した「年次エネルギー展望2013年版(早版)」(Annual Energy Outllook 2013 Early Release)によれば、2012年には米国ではシェールオイルが日量200万バレルに達すると推 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? 閧ウれる(図19参照)。これは2012年10月12日にIEAが発表した「中期石油市場報告2012年版」(Midium-Term Oil Market Report 2012)で推定した2012年のシェールオイル生産量日量131万バレルを大きく超過しており、その増産ペースには目覚ましいものがある。そしてその日量200万バレルのシェールオイル生産量のうち3分の1弱(日量約60万バレル)がノースダコタ州のBakken Shale、約6分の1程度がテキサス州Eagle Fordでのものである。このようなこともあり、米国の原油生産量はノースダコタ州を含む中西部、そしてテキサス州を含む米国メキシコ湾岸地域で顕著に増加している(図20参照)。またカナダからのパイプラインは主に米国中西部に向け敷設されていることから、中西部はBakken Shaleでの原油生産に加えカナダからも原油が供給されている。統計上も米国で主にカナダからの原油を受け入れるのは中西部である。このため、中西部では近年原油供給が急増しており、在庫が増加する傾向にある(図21参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? 中西部で生産された原油が米国のどこに向かっているかを見ると、近年では米国メキシコ湾岸地域に向かう量が増加している(図22参照)一方で、東海岸等へは現時点ではそれほど輸送されていないことが判明する(但し当該統計はパイプライン、タンカー、艀による輸送を示しており、鉄道貨車輸送については把握できていない可能性があることから、実際には小規模ながら中西部から東海岸へは輸送量が増加していると推測される)。中西部から米国メキシコ湾岸への原油輸送についてはパイプライン等のインフラが必ずしも十分に整備されていない結果中西部に原油が滞留しやすい状況が発生している(その影響で、オクラホマ州クッシングでは2013年1月4日には原油在庫が2004年に統計を発表して以来初めて5,000万バレルを超過した、図23参照)ものの、それでも限られたパイプラインや鉄道貨車により米国メキシコ湾岸に原油が輸送されていると考えられる(Bakken Shaleで生産された原油の57%(推定)は鉄道貨車により輸送されているとされる、図24参照)。そして、最近では敷設に時間を要するパイプラインに代わり鉄道貨車で原油を輸送する傾向が強まっており、2012年第三四半期には米国では日量約50万バレルの原油が鉄道貨車により輸送されており、これは2009年の約25倍(同年の輸送量は日量2万バレル強であった)に当たるなど、鉄道による原油輸送は飛躍的に伸びていることが示されている(図25参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? 図24 Bakken Shaleで生産されるシェールオイルの輸送形態(2012年11月暫定値) 出所:North Dakota Pipeline Arthority Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? なお、米国東海岸の製油所でのBakken Shale等の原油の受け入れは限定的であると見られるが、Bakken Shaleで生産される原油は軽質低硫黄原油である(WTIに類似する品質)ので、従来海外からの軽質低硫黄原油を中心に受け入れていた米国東海岸での製油所にとっては輸送問題さえ解決できれば受け入れに抵抗が少ないと考えられる。そして現在このBakken Shaleの原油を鉄道貨車にて東海岸に輸送する構想も存在する。既に鉄道貨車で日量3~4万バレルのBakken Shaleからの原油を調達しているPhillips 66は2013年1月8日にノースダコタの原油日量5万バレルをニュージャージの自社のBayway製油所(精製能力日量23.8万バレル)まで貨車で輸送する5年契約を鉄道施設会社Global Partnerと締結した(本契約は原油の引き取りを希望しなくても支払いを行うという、いわゆる支払い義務(Take or pay)条項が盛り込まれているとされる他、Phillips 66はまた鉄道貨車の調達費用も負担する)。なお、同社は明らかにしていないが、石油市場関係者の間では鉄道による輸送費用は1バレル当たり12~16ドルになると推定している。 他方、中西部から米国メキシコ湾岸地域への原油流入の影響で米国メキシコ湾岸地域の製油所が受け入れる原油に変化が見られる。米国メキシコ湾岸で操業する製油所は施設が高度化されているところが多く、ベネズエラからの重質原油(API比重10度台が中心)を精製処理し軽質製品等を生産するのが主流であるが、併せて他国から中質原油や軽質原油も受け入れている。そして、中西部で生産されるシェールオイルは軽質低硫黄原油であることから国外から調達する軽質原油と直接競合、結果として軽質原油を生産するナイジェリアやアルジェリアといった諸国からの軽質原油輸入量が減少してきている(図26及び27参照)。他方、主に中質及び重質原油を生産するサウジアラビアについては、米国メキシコ湾岸地域での原油輸入については目立った減少は見られない(図28参照、2009年は日量63万バレルと前年比で40%強減少しているが、この時期はまだ中西部から米国メキシコ湾岸地域への原油の移動は顕著ではなかったので、この減少はシェールオイル増産によるものではなく、2008年のリーマンショックGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? ノ伴う世界石油需要減少に合わせた減産の影響と考えた方がよさそうである)。他方、米国メキシコ湾岸の製油所によるアンゴラからの原油の受け入れが減少している(図29参照)。ただ、米国メキシコ湾岸地域の製油所の受け入れるアンゴラ原油は中質(API比重30度前後)であり、ナイジェリアやアルジェリアが供給する原油とは質が異なっている。その一方で、クウェートからの原油輸入が増加傾向を示しているが、このクウェートから供給される原油も中質(API比重30度前後)であり、アンゴラからの輸入減少分をクウェートからの輸入増加分でほぼ補う格好となっている。クウェートは2011年後半に原油生産能力を増強(ブルガン(Burgan)油田での掘削活動活発化とミナ・アル・アマディ(Mina al-Amadi)石油ターミナルの整備した(積出上の障害を除去)によるとされる)後原油生産量を日量25万バレル程度増加させた(図30参照)。さらにクウェートは米国向け原油価格をアンゴラよりも総じて低水準にしているように見受けられる(サウジアラビアは米国向け原油価格をアジア向けのそれに比べて総じて低水準にしているとの指摘があるが、それに倣った動きである可能性もある)ことから、米国メキシコ湾岸では製油所にとってアンゴラ産原油と品質が類似しているうえ価格がより手頃なクウェート産原油を購入するようになったと考えられる。このような事情が近年アフリカ産を含む大西洋圏での原油がアジア諸国に向かうようになった一因とも考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ?
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2013/01/14 野神 隆之
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