アルゼンチン:石油・ガス生産増に本腰~シェールオイル、シェールガスの探鉱・開発、前進か?~
| レポートID | 1004319 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-01-17 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 探鉱開発非在来型 |
| 著者 | 舩木 弥和子 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2012 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | アルゼンチン:石油・ガス生産増に本腰 ~シェールオイル、シェールガスの探鉱・開発、前進か?~ 更新日:2013/1/11 石油調査部:舩木弥和子 (Platts Oilgram News他) .国有化後のYPFは、Schlumberger等に勤務した経験を持つ44歳のエンジニアGaluccio氏をCEO 1に起用、2013~17年に372億ドルを投じ、生産量を年率6%の割合で増加させる計画を発表した。 2.YPFはNeuquen basin、Vaca Muertaシェール探鉱・開発のパートナーを探すため、複数の石油会社と協議を行っている。12月には、Chevron、BridasとVaca MuertaシェールのLoma de la Lata等主要鉱区での探鉱・開発について交渉することで合意した。YPFはこのほか、Gazprom、Exxon Mobil、Apache、Statoil等とVaca Muertaシェールの探鉱・開発について協議している。YPFの株式を接収されたRepsolは、他の石油会社と協力してVaca Muertaシェールの探鉱・開発を進めようとするYPFのこれら一連の動きに対して法的措置をとるとの意向を表明、YPFやChevronを提訴した。 3.アルゼンチン政府は、YPF国有化後も石油会社に対する管理を強化する一方で、ガス価格を引き上げたり、原油輸出税の徴収額を引き下げたりすることで、石油会社にインセンティブを与え、探鉱・開発への投資を促進し、生産量増加を図ろうとしている。 4.モラレス政権下でとられている資源ナショナリズム政策によりボリビアのガス生産量が伸び悩み、アルゼンチン向けのガス輸出量が減少することを懸念し、アルゼンチンは2008年にLNG輸入を開始したが、ボリビアのガス生産量は増加、2009年以降アルゼンチン向けのガス輸出量も増えている。両国は、ボリビアからアルゼンチンへのガス供給量を2017年までに27.7MMm3/dに増加させることで合意した。ボリビアからのガス輸入量増加により、2012年のLNG輸入は当初予定よりも3~4割削減されることになった。アルゼンチン政府は、LNG輸入増を見込んで、Bahia Blanca等にLNG受入基地の建設を計画していたが、ボリビアからのガス輸入量の増加やLNG輸入はコスト負担が大きいこと、今後数年で国内ガス生産量が増加するとの期待から、建設計画中止を決定した。 5.ガスについては2008年に、石油についても2011年に純輸入国になったアルゼンチンは石油・ガスの生産増につながると考える政策を打ち出しているが、資機材の確保やストライキの多発等、アルゼンチンは他にも多くの課題を抱えている。アルゼンチンのシェールガス、シェールオイルの開発が進展するか否かは、アルゼンチンの石油・ガスの生産量だけでなく、南米のガスフローにも大きな影響を与える可能性があり、今後の動向が注目される。 . YPF、新CEOのもと投資計画を策定 12012年4月にCristina Fernandez de Kirchner大統領が、Repsolから経営権を奪い、アルゼンチン政府の管理下に置くことを決定し、5月に国有化されたYPFの株主総会が6月4日に開催された。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? 博蜻拷?ナは、新CEOにYPFやSchlumbergerに勤務した経験を持つ44歳の石油エンジニアMiguel Galuccio氏が起用され、新しい取締役会メンバー17名が指名された。取締役会メンバーにはYPF国有化を企画したとされるAxel Kicillof経済・財務次官、主要産油州Neuquen、Chubut、Mendoza、Santa Cruz州の代表各1名、その他産油州6州からの代表1名(交代で就任、今回はRio Negro州)、労働組合代表1名が含まれることとなった。アルゼンチン政府によるYPF株式の51%取得は違法だとし訴訟手続きを開始、100億ドルの補償を求めているRepsolも取締役1名を指名した。 GaluccioCEOは翌5日、生産拡大に向けて2012年は35億ドル、2013~17年の5年間に毎年70億ドルを投じる計画を明らかにした。YPFは、2011年は683坑を掘削したが、この新しい計画によれば2012年はこれまで予定していた600坑に加えて146坑、合計746坑を掘削、2013年は1,019坑(うち、シェールオイル132 坑、シェールガス14 坑)、2017年には1,345坑を掘削する。リグ数も現在の38基から2017年までに70基に増やすとしている。そして、2012年の生産量435,600boe/dを2013年は449,300boe/dに増加させ、その後は2017年まで年率6%の割合で生産量を増加させる計画である。投資資金の大半は自社のキャッシュフローから捻出するが、生産力強化に向けて戦略的なパートナーを募るとしている。GaluccioCEOの発表した計画では、どの油田の生産量を増やすのか、どこで掘削をするのかといった情報は明らかにされなかったため、既存油田の生産が増えることになるとの見方がされている。 さらに、Galuccio CEOは8月23日に、YPFがフロンティアエリア7か所で探鉱を行う計画で、2012~2016年には探鉱井250坑を掘削する予定、8月30日には、同社は2013~17年の投資額を372億ドルに増額する計画で、うち73%を開発、22%を下流、4%を探鉱にあてると発表した。投資額372億ドルの80%はキャッシュフローで、残りは銀行からの借り入れや社債発行で賄うとした。 Repsol YPFは3月以降、州政府からも圧力を受け、コンセッション破棄を通達されていたが、5月には、Santa Cruz州政府がYPFにLos Monos、Cerro Piedra-Cerro Guadal Norte、Los Perales-Las Mesetas、Canadon Vasco、Pico Truncado-El Cordon鉱区を返還するなど、各州政府はYPFに剥奪したコンセッションを返還している。 Galuccio CEOのもと投資計画が策定され、破棄されたコンセッションの返還も進んだことから、YPFは探鉱・開発を進めつつある。YPFは、8月にはGolfo San Jorge BasinのCanadon Yatel、Los Perales-Las esetas、El Guadal-Lomas del Cuyの3鉱区で掘削を行い、Vaca Muertaシェール以外で初めてシェールオイル、シェールガスを確認するなど成果もあがり始めた。 Galuccio CEOについては、YPF内でどの程度の力を持ち、政府のエネルギー政策にどの程度影響力Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? yぼすことができるのか未知数の部分も多いが、Fernandez大統領はGaluccio CEOとの面談後に後述するガス価格引き上げを決定しており、Fernandez大統領に話を聞かせ、動かすことのできる人物である. YPF、Vaca Muertaシェールの探鉱・開発促進のためパートナー探し 2との見方もなされている。 YPFはVaca Muertaシェール探鉱・開発のパートナーを探すため、複数の石油会社と協議を行っている。このうち、ChevronとBridas (Bridas Energy50%、CNOOC50%)との交渉が最も進展している。 Chevronは非在来型油・ガス田発見を目指してアルゼンチンで今後3年間に120坑の坑井を掘削するとしていたが、8月にYPFのパートナーとしてVaca Muertaシェールの開発に参加することを希望しており、YPFと戦略的提携に向け協議中であることを明らかにした。9月14日には、YPFとChevronが Vaca Muertaシェールの開発に関するMOUを締結したとの発表があった。そして、12月19日、YPFとChevronはVaca Muertaシェールの2鉱区の開発について、4か月以内の合意をめざし交渉することを取り決めた。YPFとChevronは、ChevronがVaca Muertaシェールの2鉱区(Loma de la Lata Norte、Loma Campana、総面積290km2)の権益の50%を取得し、10億ドル以上をかけて12か月間にわたって100坑以上の坑井を掘削するパイロットプログラムを実施することを検討している。また、パイロットプログラムの結果にもとづいて、150億ドルを投じ2,000坑を掘削する計画を策定する。両社は生産量の見通しについては触れず、開発コストを低く抑えることに重点を置くとしている。YPFは、Eagle FordやMarcellusシェールで開発を行っているChevronの技術や経験を習得することも期待していると伝えられている。しかし、Vaca Muertaシェールの層厚はEagle Fordの2倍以上で圧力が高く、米国での水平坑井の技術をそのまま適用するだけでは不十分であるとの見方もある。 YPFとBridasは12月28日、Bridas がNeuquen basinのBajada de Anelo鉱区(面積201 km2)とBandurria鉱区(面積462.4 km2)にファームインすることについて、60日以内の合意をめざし交渉することを取り決めた。Bridas Energyは従来よりYPFと、非在来型プロジェクトに5億ドルを投資することを協議していた。また、Galuccio CEOは8月に中国の国家発展改革委員会の副主任???氏と中国企業のVaca Muertaシェールの探鉱・開発への参加について検討、12月にはCNOOCがYPFの非在来型プロジェクトに参加する可能性があると語っていた。YPFとBridasは、BridasがBajada de Anelo鉱区の権益の35%、Bandurria鉱区の権益の24.5%を取得し、24か月間に15億ドルを投資し、130坑を掘削することについて検討する。その後、Bridasは両鉱区の開発に5億ドルを提供する可能性があるという。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? ネお、Bridasが株式の40%を保有するPan American Energy(株式の60%はBPが保有)は同じく12月28日、2013-2017年の5年間にアルゼンチンでの天然ガスの探鉱・開発に34億ドルを投資することで政府と合意したことを明らかにした。これにより同社のガス生産量は年率4.3%で増加し、2017年末には4MMm3/dとなる計画である。Fernandez大統領は生産量を増やす企業に対してはガス価格を引き上げる方針を示していたが、Pan American Energyは政府とガス価格を7.50ドル/MMBtuとすることでも合意した。 Fernandez大統領は6月にPutin大統領と会談、GazpromとYPFの技術的な協力関係の可能性について協議した。そして、両社は、9月にLNGプロジェクトとアルゼンチンでの在来型、非在来型ガスの開発で協力することで合意している。 このほか、YPFはExxon Mobil、Apache、Statoil等とVaca Muertaシェールの探鉱・開発について協議している。 Neuquen basin主要鉱区図 (各種資料より作成) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? PFはこのように複数の企業と協議を進めているが、Repsolはアルゼンチン政府によるYPF国有化後一貫して、YPFがこれらの石油会社と協力してVaca Muertaシェールの探鉱・開発を進めようとする動きに対しては法的措置をとるとの意向を表明している。10月には、YPFをスペインの裁判所に提訴し、裁判所にYPFが第3者にVaca Muertaシェールの鉱区権益を与えることをやめるよう命じることを求めた。さらに、11月にはChevronを提訴、Bridasに対しても1月2日、YPFとのVaca Muertaシェールの開発に関する合意は非合法であるため提訴すると通達している。 YPFがパートナーを見つけシェールオイル、シェールガスの探鉱・開発を軌道に乗せようとしている鉱区は同社が2011年11月にシェールオイル、シェールガスの可採埋蔵量が9.27億boeであることを確認したLoma de La Lata Norteエリアとその周辺の鉱区だ。Chevron等が参入することで探鉱・開発が進展することが期待されるが、Repsolが起こした裁判の結果次第では、探鉱・開発が停滞してしまう可能性もある。 3. 生産増のため飴と鞭の政策 アルゼンチン政府は、YPF国有化に続いて、生産量を増加させるため石油産業に対する管理強化政策をとった。しかし、その一方で、ガス価格を引き上げたり、石油輸出税の徴収額を引き下げたりすることで石油会社にインセンティブを与え、探鉱・開発への投資促進を図ろうとしている。 政府は7月27日、Decree 1277/2012を公布した。これによると、アルゼンチン国内で活動する石油会社は毎年9月30日までに政府に年間の投資計画を提出し、承認を得なくてはならない。政府がこの投資計画を承認しない場合、石油会社は投資計画を再検討しなくてはならない。また、提出した投資目標を達成できない企業は罰金を支払うか、コンセッションを取消される。また、石油会社は政府が国家にとって戦略的に重要であるとしたプロジェクトへの投資を優先しなくてはならない。財務省内に炭化水素部門への投資に関する計画の策定と調整を行う委員会が設置され、石油・ガス産業全体について政策、投資目標を設定する。Axel Kicillof財務副大臣がこの委員会の委員長に就任する。政府はこれにより石油産業への投資は増加し、生産増を図ることができるとしている。 Julio De Vido計画相は8月7日、産油州10州の知事と会談し、石油産業に対する管理強化について産油州政府からも合意を取り付けた。 政府は2001年以降、経済政策の一環としてガス価格を規制しており、既存のガス田から生産されるガスの価格は2.30ドル/MMBtu、新たに生産を開始するガス田で生産されるガスや非在来型ガスの価格にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? ツいては2008年に導入されたGas Plus Programにもとづいて4~5ドル/MMBtuとされていた。Fernandez大統領は8月9日、生産コストをカバーし適切なマージンを得られるように、ガスの井戸元価格を300%引き上げると発表した。Fernandez大統領は具体的な時期について言及しなかったが、11月28日、政府が、YPFが今後新たに生産を開始するガス田で生産されるガスについては価格を7.50ドル/MMBtuとすることを承認したことが明らかになった。政府は、生産量を回復させるため他の企業に対しても同様のガス価格とすると発表した。 また、政府は国内に原油が十分に供給されるように、2002年より原油輸出に対し課税を行ってきた。石油会社はアルゼンチン国内では原油を70~75ドル/bblで販売できるが、原油を輸出する場合には原油輸出税が課されるため最高でも42ドル/bblしか受け取ることができない。そのため、国内需要を上回る量の石油を生産するための投資が減退し、生産量減少を招いた。2013年1月7日、政府は生産量を回復させるために、8日より原油輸出税の徴収額を引き下げ、国際市場で油価が80ドル/bbl以上の場合、企業る可能性があると期待されている。 (BP統計より作成) . ボリビアの天然ガス輸入増加、LNG受入ターミナルの建設中止 4アルゼンチン政府は、ボリビアにモラレス政権が成立し資源ナショナリズム政策がとられたことから、ボリビアからのパイプラインガス輸入量の増加が見込めないと判断し、2008年にLNG輸入を開始した。 しかし、そのボリビアからのガス輸入量が増加し、2012年上半期は13.6MMm3/d、下半期は16.3MMm3/dとなった。輸入量が増加した背景には、ボリビアのガス生産量増加と一時期は30MMm3/d程度であGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? は70ドル/bblを受領できることとなると発表した。アルゼンチンでは石油生産量が減退する一方で、石油消費量が増加しているため、原油輸出量は減少しているものの、Pan American Energy(2012年1~12月230万m3の石油を輸出)、Total、Sinopec等輸出を行っている企業は輸出による利益が増加し、その他の企業の投資意欲にも影響を与えチたボリビアからブラジル向けのガス輸出量が減少したことにあると考えられる。 7月18日には、Fernandez大統領とMorales大統領が、ボリビアが2012年中にアルゼンチンへのガス供給量を19.2MMm3/dに、2017年までに27.7MMm3/dに増加させることで合意した。価格は3か月に一度石油価格にもとづいて見直すこととされた。 なお、2012年第3四半期のボリビアからのガス輸入価格は11.17ドル/MMBtuと史上最高額を記録したが、第4四半期は4~9月の油価下落を反映し3.5%減少し10.78ドル/MMBtuになった。 ボリビアの天然ガス生産量、消費量、輸出量(MMm3/d) 年 生産量 消費量 輸出量 ブラジル向け アルゼンチン向け 2010 41.71 7.64 27.20 4.84 2011 45.07 8.44 27.15 7.45 (出所:YPFB、PIWより作成) アルゼンチンは、2008年5月にBahia BlancaのLNG受入基地の稼働を開始、2011 年5 月にはBuenos Aires 近郊のEscobar のLNG 受入基地の試験操業を開始した。LNG輸入量は2008年0.41Bm3、2009 年0.96Bm3、2010年1.78Bm3、2011年4.38Bm3と年々増加していたが、2012年は冬の寒さが厳しくなく、ボリビアからのパイプラインガス輸入量が増加したため、LNG輸入カーゴ数は、予定していた80~90カーゴから54~56カーゴに減少した模様である。2013年はBahia Blancaで47カーゴ、Escobarで33カーゴを受入る予定とされているが、LNG輸入を担当するEnarsaは価格上限を15~16ドル/MMBtuとしそれ以上の入札を拒否したことから、Bahia Blancaの23カーゴ分については契約が未締結の状況だ。 アルゼンチン政府は、引き続きLNG輸入が増加することを見込んで、Bahia Blancaに2つ目のLNG受入基地の建設を計画、また、2011年にカタールと2014年から20年にわたりLNG675MMcf/dを購入することで合意し、新たなLNG受入基地の建設を計画していた。しかし、10月、LNG輸入はコスト負担が大きいことに加え、今後数年で国内ガス生産量が増加するとの期待から、LNG受入基地の建設計画を中止することを決定した。アルゼンチンのLNG輸入価格は16.80ドル/MMBtu程度と高いことや、カタールからLNGを輸入することになれば、QartargasのQ-MaxやQ-Flexはアルゼンチンの既存の港は利用できないので、港湾設備の拡張が必要となることが、建設中止の要因となった模様だ。EnarsaはウルグアイのGas Sayago(国営電力会社UTEとAncapのJV)がモンテビデオに建設予定のLNG受入基地プロジェクトにも参画し、現在アルゼンチンからウルグアイにガスを送っているパイプラインを逆走し、ウルグアイからアルゼンチンにガスを供給することが検討していたが、このプロジェクトからも撤退することを決めている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? PF国有化から始まり、アルゼンチン政府は石油・ガスの生産増につながると考える政策を次々と打ち出している。しかし、Vaca Muertaシェールを開発し、アルゼンチンが生産量を増やすためには、まだ多くの課題がある。 YPFについては、技術者としての長年の経験を有するGaluccio CEOのもと、探鉱・開発を進めつつあるが、YPF自身も同社単独ではVaca Muertaシェールを開発し生産量を増やすことは難しいと理解し、他企業との連携を模索している。しかし、RepsolがYPFやChevron を相手取り訴えを起こしており、今後の動向が注目される。また、他企業が参入することで、資金や技術を導入することは可能となると考えられるが、水平掘削や水圧破砕を行うための資機材をどう確保するかが問題となるだろう。 懸案とされていたガス価格は従来の3倍以上の価格に引き上げられたが、価格引き上げの対象が新規に生産されるガス田で生産されるガスのみであるため、その他のガス田で生産される価格の安いガスとの競争にさらされることになるだろう。 また、アルゼンチンはストライキが多い国である。2012年6月から7月にかけても、同国最大の油田であるChubut州、Cerro Dragon 油田(オペレーターPan American Energy)で賃金引上げ等を求めてストライキが発生した。同油田はアルゼンチンの石油生産量の16%にあたる95,000 b/d、ガス生産量の7.2%にあたる6.5MMcm/dを生産しているが、この生産がほぼ停止状態となった。 アルゼンチンはガスについては2008年に、石油についても2011年に消費量が生産量を上回り、純輸入国になった。特にガスについては、ボリビアの埋蔵量が下方修正され、引き続き供給量が増えるか否かがわからない状況下で、アルゼンチンはシェールガスの開発に賭け、LNG受入基地建設を中止することにした。アルゼンチン一国にガスの供給を依存していたチリとウルグアイはLNG受入基地の建設を進めたり、ライセンスラウンドを実施して探鉱促進を図ったりする等ガス不足に対する備えを強化しており、今後の探鉱・開発の進展次第では、米国EIAにシェールガス資源量が世界第3位とされたアルゼンチンがこれまでとは逆に隣国からガスを輸入することにもなりかねない。このようにアルゼンチンのシェールオイル、シェールガスの開発が進展するか否かで、アルゼンチンの石油・ガスの生産量が大きく変わるだけでなく、南米のガスフローが大きく変わる可能性があり、周辺国の状況と合わせて今後の動向を注目していきたい。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? わりに お?ト南部のガス動向の変化 (各種資料より作成) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? |
| 地域1 | 中南米 |
| 国1 | アルゼンチン |
| 地域2 | |
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| 国10 | 国・地域 | 中南米,アルゼンチン |
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