原油市場他:地政学的リスク要因に絡む石油供給途絶懸念の高まりと景気回復期待で上昇する原油価格
| レポートID | 1004327 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-02-18 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 市場 |
| 著者 | 野神 隆之 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2012 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2013/2/17 石油調査部:野神 隆之 原油市場他:地政学的リスク要因に絡む石油供給途絶懸念の高まりと景気回復期待で上昇する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、製油所での春場のメンテナンス作業シーズン突入に伴い稼働が低下、ガソリンや留出油生産が減少した結果、在庫も減少傾向を示したが、それ以前に在庫が積み上がっていたガソリンは平年幅の上限付近に位置しているのに対し、留出油在庫は平年並みの水準となっている。また、国内生産が堅調である反面、製油所での精製処理量が低下したことにより、同国の原油在庫は増加傾向となり、量的にも平年幅を超過する状態となっている。 ② 2013年1月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州や日本での微減を米国での増加が相殺した結果OECD諸国全体としては増加傾向となり量的にも平年幅を超過している。石油製品については、米国ではガソリンや留出油の在庫が減少したことが影響し石油製品全体でも減少となったものの、12月下旬に米国で「財政の崖」問題回避の動きが政権や議会で出始めたことにより、同国経済とガソリン需要増加の観測が市場で発生したことに加え、複数の製油所の操業が停止するなどしたことから、ガソリン供給途絶懸念が市場で増大した結果、米国のガソリン価格が上昇、欧米間での価格差が拡大したことから、欧州の製油所でのガソリン生産活動が活発化し当該製品在庫が増加したことに加え、欧州域内での軽油価格が高水準であったことで当該製品需要が低迷したことにより中間留分在庫が増加となったことが石油製品全体の在庫水準を押し上げたことが、米国での製品在庫減少を相殺した格好となり、OECD諸国全体の石油製品在庫は増加となったが、量的には依然平年幅の下方付近に位置している。 ③ 2013年1月中旬から2月中旬にかけての原油市場においては、アルジェリアでのイナメナスの天然ガス処理施設に対する武装勢力による襲撃やイスラエルによるシリアに対する空爆といった地政学的リスク要因に対する市場の中東・北アフリカ地域からの石油供給途絶に対する不安感に加え、経済回復を示唆する欧米中の指標類の発表に伴う市場の石油需要に対する楽観的な見方、米国等での春場のメンテナンス作業シーズン到来に伴う製油所の稼働低下とガソリン生産鈍化に対する市場の需給逼迫懸念によるガソリン先物相場の上昇が、原油相場に上方圧力を加えた結果、原油相場はWTIで1月中旬初めの1バレル当たり92~94ドル台から2月中旬には同96~98ドル台へと変動範囲を切り上げた。 ④ 原油市場では、アルジェリアのイナメナスでの武装勢力による天然ガス田関連施設襲撃事件やイスラエルによるシリア空爆を含めた地政学的リスクの高まりが意識されており、中東・北アフリカ地域からの石油供給途絶懸念も増大していることから、当面この面で相場は現状の水準で下支えされると見られる一方で、米国や中国などでの経済回復に対する期待に加え、夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期に向かいつつある中、米国等での製油所における春場のメンテナンス作業シーズン到来に伴う稼働低下によるガソリン生産鈍化と市場での需給逼迫懸念の増大によるガソリン先物相場上昇が、引き続き原油相場に上方圧力を加えていく可能性があると考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2012年11月の米国ガソリン需要(確定値)は前年同月比でほぼ変わらずの日量854万バレルとなったが、2011年11月が同3.2%程度の減少であったこと、そして2010年11月も前年同月比で1.0%程度の減少となっていることを考慮すれば、低位安定といった状況であり、また速報値(日量863万バレル、前年同月比で約1.1%増加)からも下方修正されている(図1参照)。他方、2013年1月の米国ガソリン需要(速報値)は日量838万バレルと前年同月比で2.3%程度の堅調な増加を示している。これは最近の米国での景況感の改善等景気回復の兆しを反映していることによるものと見られるが、市場ではこのような米国ガソリン需要増加が傾向として定着するものなのか、それとも一過性のものなのか、現時点では判断できない状況である。2008年のリーマンショック以降においても、米国のガソリン需要は時折前年同月比で数%の増加を示すことがあったが、実際にはその後発表されたデータは継続的に前年割れとなることにより、むしろ低下傾向を示していたことからすると、今回の同国ガソリン需要の増加もその持続性について今後数ヶ月は様子を見る必要があろう。ただ、そのような需要の増加の一方で、米国では製油所が春場のメンテナンス作業に突入したことにより稼働を引き下げ、原油精製処理量を減少させた(図2参照)ことから、ガソリン生産が低下した(図3参照)結果、当該製品在庫は減少傾向を示したが、1月前半までに在庫が大幅に積み上がっていたこともあり、水準自体は平年幅上限付近に位置している(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 012年11月の米国の留出油需要(確定値)については、日量390万バレルと前年同月比で約5.0%の減少となり、速報値(日量390万バレル、前年同月比5.2%程度の減少)とほぼ同水準であった(図5参照)。この月は暖房油が前年同月比で14%程度の減少となっているが、2012年7月1日以降ニューヨーク州で暖房用に使用される留出油の硫黄分を15ppm以下とする(つまりそれは超低硫黄軽油(ULSD:Ultra Low Sulphur Diesel)に当たる)としたことから、いわゆる「暖房油」(硫黄分500ppm超)からULSDへの需要の振替が発生することにより、軽油需要は前年同月比で増加となりやすい状況であるにもかかわらず、2011年11月の軽油需要が前年同月比で4.1%程度の減少となるなど、輸送部門における需要の弱さが示唆される結果となっている。他方、2013年1月の当該需要(速報値)は日量350万バレルと前年同月比で8.5%の減少となっている。この時期米国では全体としては平年を上回る気温ではあったものの月の後半には寒波が来襲し気温が平年を大きく下回るときもあるなど、2012年1月に比べれば相対的に寒冷であった(図6参照)ことから、暖房油需要が前年に比べて大幅に低下したとは考えにくく、むしろ米国での議会や政権が「財政の崖」問題解決に手間取ったことの影響が同国経済及び軽油需要に影響した可能性が考えられる。他方、米国での製油所メンテナンス作業に伴う稼働低下と夏場のガソリン需要期をにらんだ製油所でのガソリン生産重視の姿勢から、留出油生産が落ち込んだ(図7参照)こともあり、米国での留出油在庫は減少、平年並みの在庫量となっている(図8参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 012年11月の米国石油需要(確定値)はガソリンが前年同月とほぼ同水準であった一方で、留出油が前年割れとなっていたことが影響し、日量1,860万バレルと前年同月比で2.5%程度減少した。また、 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 013年1月の当該需要(速報値)は、留出油需要の前年同月比での減少をガソリン需要の増加が相殺した格好となり、日量1,838万バレルと前年同月比でほぼ変わらずとなった(図9参照)。また、製油所での原油精製処理量の低下と国内生産の増加の影響を受け、原油在庫は増加傾向となり、平年幅を超過する水準となっている(図10参照)。なお、原油在庫が平年幅を超過している一方で、ガソリンの在庫が平年幅上限付近、留出油在庫が平年並みの水準にそれぞれ位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン、及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過している(図11及び12参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2013年1月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州や日本での微減を米国での増加が相殺した結果OECD諸国全体としては増加傾向となり量的にも平年幅を超過している(図13参照)。石油製品については、米国ではガソリンや留出油の在庫が減少したことが影響し石油製品全体でも減少となったものの、12月下旬に米国で「財政の崖」問題回避の動きが政権や議会で出始めたことにより、同国経済とガソリン需要増加の観測が市場で発生したことに加え、暴風雨の影響で停電等が発生したことに伴いMotiva EnterprisesのPort Arthur製油所(テキサス州、原油精製処理量日量60万バレル)が操業を停止したことをはじめとして複数の製油所の操業が停止するなどしたことから、ガソリン供給途絶懸念が市場で増大した結果、米国のガソリン価格が上昇、欧米間での価格差が拡大したことから、欧州の製油所でのガソリン生産活動が活発化し当該製品在庫が増加したことに加え、欧州域内での軽油価格が高水準であったことで当該製品需要が低迷したことにより中間留分在庫が増加となったことが石油製品全体の在庫を押し上げたことが、米国での製品在庫減少を相殺した格好とGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? ネり、OECD諸国全体の石油製品在庫は増加となったが、量的には依然平年幅の下方付近に位置している(図14参照)。なお、原油在庫の平年幅を超過する状態が維持される一方で石油製品在庫が平年幅下方付近に位置していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上方付近に位置している(図15参照)。また、1月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は58.8日と12月末の推定在庫日数である58.3日から上昇している。 2013年1月上旬から2月中旬にかけては、シンガポールでのガソリン等の軽質製品在庫は総じて減 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ュ傾向となり、1月9日時点には1,150万バレル余りの在庫量であったものが2月13日には950万バレル程度と2012年12月26日(この時は940万バレル弱)以来の低水準となった。マレーシアのPetronasが保有する製油所(Mekala-1、原油精製処理能力日量10万バレル)が2013年1月に1ヶ月程度のメンテナンス作業を実施することにより当該製油所の操業を停止したことに伴い、当該製品需要と同国へのガソリン輸出が発生した他、2月19~15日の春節の休日を控えてガソリン需要が増加している中国や3月に複数のメンテナンス作業に伴う製油所の操業停止を控えている韓国からシンガポールへの輸出が減少したことが影響したと見られる。このようなことに加え、今後予想されるインド、台湾、米国等での製油所でのメンテナンス作業に伴う操業停止による供給の引き締まり懸念から、ガソリン価格は原油価格に比べて上昇、両者の価格差が拡大する結果となっている。また、ナフサについても、アジアや中東地域での製油所メンテナンス作業に伴う稼働低下に関連した供給減少が発生しており、これが需給逼迫懸念を市場で高めることを通じて当該製品価格を上昇させる格好となっている。 シンガポールでの中間留分在庫については、2月上旬までは概ね1,050~1,150万バレル程度の範囲内で変動していたが、2月13日には前週比で120万バレル減少し950万バレルを割り込んだ。これは、中東地域での製油所メンテナンス作業に伴う稼働低下に際し需給の引き締まり感が市場で発生していることに加え、2月上旬に台湾のFormosaの麦寮(Mailiao)製油所(原油精製能力日量54万バレル)の水素化精製装置が停止した(2月7日に業界筋の話として、当該装置の停止がその2~3日前に発生したことが明らかになっており、装置の復旧までには7~10日程度を要すると見られる旨も併せて伝えられる)ことにより、当該製油所からの石油製品供給が低下したことに伴うものと見られる。このようなことから、シンガポール市場での軽油価格も原油価格に比べて上昇する傾向にある。 重油在庫については1月9日時点では1,800万バレルを割り込む水準であったが、その後増加、1月30日には2,000万バレルを超過したが、2月13日には1,900万バレルを割り込むなど、上下に変動する格好となった。中国での中小製油所(重油を原料としている)からの需要(春節を控えた在庫の積み増し状況に応じて重油需要が増減したと考えられる)や韓国での冬場の電力需要に対応するための発電所からの重油需要の動向がシンガポールでの在庫の変動に影響している。ただ、上下変動はしつつも在庫は1ヶ月前に比べて相対的に増加していることが重油価格を抑制した結果、原油価格との差は縮小し2013年1月中旬から2月中旬にかけての原油市場においては、アルジェリアでのイナメナスの天然ガス処理施設に対する武装勢力による襲撃やイスラエルによるシリアに対する空爆といった地政学的リスク2013年1月中旬から2月中旬にかけての原油市場等の状況 . 2ている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? v因に対する市場の中東・北アフリカ地域からの石油供給途絶に対する不安感に加え、経済回復を示唆する欧米中の指標類の発表に伴う市場の石油需要に対する楽観的な見方、米国等での春場のメンテナンス作業シーズン到来に伴う製油所の稼働低下とガソリン生産鈍化に対する市場の需給逼迫懸念によるガソリン先物相場の上昇が、原油相場に上方圧力を加えた結果、原油相場はWTIで1月中旬初めの1バレル当たり92~94ドル台から2月中旬には同96~98ドル台へと変動範囲を切り上げた(図16参照)。 米国北東部における気温が1月下旬にかけ平年を下回るとの気象予報が発表される中、1月10日以降米国内の複数の製油所が装置不具合等により操業を停止した旨明らかになったことから石油製品需給逼迫懸念が1月14日に市場で発生したことにより米国暖房油先物相場が上昇したこと、加えてスペインの銀行の欧州中央銀行(ECB)からの借入額が3,573億ユーロと前月比で2.1%減少した旨のデータをスペイン中央銀行が1月14日に発表した他、ECBのチーフ・エコノミストであるプラート(Praet)氏が、ユーロ圏の債務危機は最悪期を脱した可能性がそれなりにある旨の見解を同日金融通信社Market News Internationalが報じたことで、欧州債務危機に対する市場の懸念が後退し、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことにより、1月14日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.58ドル上昇し終値は94.14ドルとなった。ただ、1月15日にドイツ連邦統計局から発表された2012年10~12月期の同国国内総生産(GDP)成長率(速報値)が前期比マイナス0.5%となった他2012年全体の伸び率も前年比プラス0.7%と2011年のプラス3.0%から大幅に鈍化したうえ市場の事前予想(同プラス0.8%)を下回ったことに加え、同じくこの日ニューヨーク連邦準備銀行から発表された1月のニューヨーク地区製造業景況感指数(ゼロが製造業拡大と縮小の分岐点)がマイナス7.8と2012年8月以来6ヶ月連続で当該地区の製Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 「業が縮小している旨示唆したうえ市場の事前予想(0.0)を下回ったことから、1月15日の原油価格の終値は1バレル当たり93.28ドルと前日終値比で0.86ドル下落した。しかしながら、1月16日には、この日午前5時頃(現地時間)にアルジェリアのイナメナスガス田(生産量天然ガス日量9億立方フィート、コンデンセート日量6万バレル)の処理施設がイスラム武装勢力により攻撃され外国人が拘束された旨明らかになった(同日フランスのマリへの軍事介入に抗議するアルカイダ関連組織が犯行声明を発表している)ことで中東・北アフリカ諸国からの石油供給途絶懸念が市場で増大したうえ、1月16日に米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)から発表された同国石油統計(1月11日の週分)で原油在庫が市場の事前予想(220~230万バレル程度の増加)に反し95万バレル減少したこと、また翌17日にも、アリジェリアのイナメナスでの施設での武装勢力による人質事件を巡り同国を含めた中東・北アフリカ諸国からの石油供給途絶懸念が市場で引き継がれたうえ、1月17日に米国商務省から発表された12月の米国新築住宅着工件数が年率95.4万戸と2008年6月(この時は同108.4万戸)以来の高水準となった他市場の事前予想(同89.0万戸)を上回ったこと、同じくこの日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(1月12日の週分)が33.5万件と前週比で3.7万件減少、2008年1月18日の週(この時は同31.8万件)以来の低水準になった他市場の事前予想(同36.5万件)を下回ったことにより、原油価格は1月16~17日の2日間併せ終値ベースで1バレル当たり2.21ドル上昇、1月17日の終値は95.49ドルとなった。 ただ、1月18日においては、前日同様アリジェリアのイナメナスの施設での武装勢力による人質事件に伴う市場による中東・北アフリカ諸国からの石油供給途絶懸念の流れを市場が引き継いだ他、1月18日に中国国家統計局から発表された2012年10~12月期の同国GDPが前年同期比で7.9%の成長と同年7~9月期の同7.4%の成長から加速したうえ市場の事前予想(同7.8%成長)を上回ったこと、1月18日に発表されたIEAのオイル・マーケット・レポートで世界石油需要を上方修正したこと、1月18日に米議会下院の指導者が米国連邦政府の債務上限を暫定的に3ヶ月間引き上げる法案を1月23日に下院で通過させる方針である旨明らかにしたことで同国の債務不履行が当面回避できるとの見方が市場で発生したことが、原油価格に上方圧力を加えたものの、同じくこの日(1月18日)に発表された1月のミシガン大学消費者信頼感指数(1966年=100)(速報値)が71.3と2012年12月の72.9から低下し、2011年12月(この時は69.9)以来の低水準となった他市場の事前予想(75.0)を下回ったことが原油相場に下方圧力を加えたことから、1月18日の原油価格の終値は1バレル当たり95.56ドルと前日終値比で0.07ドルの上昇にとどまった。 1月21日は、米国ではキング牧師誕生日に伴う休日によりニューヨーク商業取引所(NYMEX)での原油先物契約に関する通常取引は実施されなかったが、1月21~22日に実施された日本銀行政策決定会合で、日銀が物価上昇目標をそれまでの1%から2%へと引き上げるとともに2014年初以降毎月2兆Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? ~の長期国債と10兆円の国庫短期証券を含む13兆円程度の金融資産の購入を無期限に実施する旨決定したことから日本経済回復と石油需要増加期待が市場で発生した他、1月22日に欧州経済研究センター(ZEW)から発表された1月の独景況感指数(ゼロが景気拡大と縮小の分岐点)が31.5と2010年5月(この時は45.8)以来の高水準となった他市場の事前予想(12.0)を上回ったこと、1月22日に発表された米損害保険大手トラベラーズと米銅生産最大手フリーポート・マクモランの2012年10~12月期の業績が市場の事前予想を上回ったこともあり米国株式相場が上昇したことから、1月22日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.68ドル上昇し、この日の終値は96.24ドルとなった(なお、この日を以てNYMEXの2月渡しWTI原油先物契約取引は終了したが、3月渡し契約のこの日の終値は96.68ドル(前日終値比0.64ドル上昇)であった)。1月23日には、この日国際通貨基金(IMF)から発表された世界経済見通しでIMFが2013年の世界経済成長率を3.5%と2012年10月9日時点での見通しの3.6%から下方修正したうえ、1月23日にSeawayパイプライン(オクラホマ州クッシング~テキサス州フリーポート、1月11日に輸送能力をそれまでの日量15万バレルから同40万バレルへと拡張する工事が完成)の輸送量を日量17.5万バレルへと制限する旨操業者であるEnterprise Products Partnersが通知したことで、クッシングでの原油在庫水準が上昇し需給が緩和するとの懸念が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり95.23ドルと前日終値比で1.01ドル下落した。ただ、1月24日には、この日英大手金融機関HSBCと英金融情報サービス会社マークイットから発表された1月の中国製造業購買担当者指数(PMI)(速報値)(50が製造業拡大と縮小の分岐点)が51.9と2012年12月の51.5(改定値)から上昇したうえ市場の事前予想(51.7)を上回ったことに加え、1月24日に米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(1月19日の週分)が33.0万件と前週から0.5万件減少し2008年1月18日の週(この時は31.8万件)以来の低水準となった他市場の事前予想(35.5万件)を下回ったこと、同じく1月24日に米民間調査機関コンファレンス・ボードから発表された12月の米国景気先行指標総合指数(2004年=100)が前月比で0.5%上昇し市場の事前予想(同0.4%上昇)を上回ったこと、そしてSeawayパイプラインが1週間以内に輸送量を増加させるであろう旨示唆する関係筋からの情報が1月24日に報じられたことで今後クッシングでの原油在庫が減少し需給が引き締まるとの観測が市場で発生したことにより、この日(1月24日)の原油価格は反発、前日終値比で1バレル当たり0.72ドル上昇し終値は95.95ドルとなった。他方、1月25日には、この日米商務省から発表された12月の米国新築住宅販売件数が年率36.9万戸と前月から7.3%減少したうえ市場の事前予想(同38.5万戸)を下回ったことが原油相場に下方圧力を加えた反面、1月25日に独非営利研究機関Ifo経済研究所から発表された1月のドイツ景況感指数(2005年=100)が104.2と12月の102.4から上昇し2012年6月(この時は105.2)以来の高水準となった他市場の事前予想(103.0)を上回ったうえ、1月30日に欧州金融機関278行がECBGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? タ施の3年物資金供給のうち1,372億ユーロを繰り上げ返済する予定である旨1月25日にECBが明らかにし、それが市場の事前予想(840~1,000億ユーロ)を上回っていたことで、欧州金融機関の資金繰りが改善しているとの観測が市場で発生したことから、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことに加え、1月25日に発表された米消費財最大手P&G及び米石油・天然ガスサービス大手ハリバートンの2012年10~12月期業績が市場の事前予想を上回ったことにより米国株式相場が上昇したことが原油相場に上方圧力を加えたことで、この日(1月25日)の原油価格の終値は1バレル当たり95.88ドルと前日終値比で0.07ドルの下落にとどまった。 1月28日には、この日米国商務省から発表された12月の同国耐久財受注額が前月比で4.6%増加と市場の事前予想(同1.8~2.0%増加)を上回ったうえ、1月28日にHessがPort Reading(ニュージャージー州、精製処理能力日量7万バレル)を2月末までに閉鎖すると発表したことで、米国北東部でのガソリン需給引き締まり懸念が市場で発生したことから、米国ガソリン先物相場が上昇したことに加え、翌29日には、この日独市場調査会社GfKから発表されたドイツの2月の消費者信頼感指数(ゼロが景況感改善と悪化の分岐点)が5.8と1月の5.7から上昇したうえ市場の事前予想(5.7)を上回ったこと、同じく1月29日に発表された11月のS&Pケースシラー住宅価格指数(全米20都市圏)が前年同月比で5.5%の上昇と2006年8月(この時は同5.7%の上昇)以来の大きな増加率を示したこと、1月30日も、この日欧州委員会(EC:European Commission)から発表された1月のユーロ圏景況感指数(1990~2012年平均=100)が89.2と12月の87.8(改定値)から上昇し2012年6月(この時は90.7)以来の高水準となった他市場の事前予想(88.2)を上回ったことによりユーロが上昇したことに加え、1月29~30日に開催された米国連邦公開市場委員会(FOMC)で月額850億ドル相当の資産を購入し続ける旨決定したことで同国での金融緩和政策が継続するとの認識が市場で広がったことから、米ドルが下落したこと、1月30日にAFP通信がイスラエル軍がシリアのレバノン国境付近で空爆を実施したと報じたため、中東地域を巡る地政学的リスクを市場が意識したこと、1月30日にEIAから発表された同国石油統計(1月25日の週分)でガソリン及び留出油在庫が市場の事前予想(ガソリン10万バレル程度の減少~100万バレル程度の増加、留出油50~110万バレル程度の減少)に反する、もしくは上回る、ガソリン96万バレル、留出油232万バレルの、それぞれ減少となっていた旨判明したことにより、原油価格は1月28~30日の3日間で併せて1バレル当たり2.06ドル上昇し、1月30日の終値は97.94ドルとなった。 1月31日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(1月26日の週分)が36.8万件と前週比で3.8万件増加した他市場の事前予想(35.0万件)を上回ったことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり97.49ドル前日終値比で0.45ドル下落したが、2月1日には、この日発表されたミシガン大学消費者信頼感指数(1966年=100)(確定値)が73.8と12月の72.9から上昇した他市場の事前予想(71.5)をGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 繪チたことに加え、同日米国供給管理協会(ISM)から発表された1月の同国製造業景況感指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が53.1と12月の50.2から上昇した他市場の事前予想(50.6~50.7)を上回ったことにより米国株式相場が上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.28ドル上昇し終値は97.77ドルとなった。 ただ、イランの最高指導者ハメネイ師が真剣に協議を行う用意があるなら、米国とイランとの2ヶ国間での協議開催を行う準備がある旨、2月2日にバイデン米副大統領が発言したことで、イランのウラン濃縮活動を巡る西側諸国等との対立激化に対する市場の懸念が後退した(なお、ハメネイ師は2月7日にバイデン氏の提案を拒否している)他、1月31日付のスペイン紙「エルパイス」が、ラホイ首相率いる与党国民党が企業から不正に資金を受領していた旨報じた(同日同首相と国民党は否定している)ことを受け、2月3日に野党である社会労働党が首相に対して辞任を要求した他、イタリアではベルルスコーニ前首相が率いる自由国民が支持率を上昇させつつある(同氏は2月3日に減税を実施するとの公約を発表している)など、それぞれの国の政局の不透明感が増大していることから、両国の国債利回りが上昇したことに伴い、2月4日の外国為替市場でユーロが下落した反面米ドルが上昇したこと、2月4日に米国商務省から発表された同国製造業受注額が前月比1.8%の増加と市場の事前予想(同2.2~2.3%増加)を下回ったことにより、米国株式相場が下落したことで、この日(2月4日)の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.60ドル下落し終値は96.17ドルとなったが、2月5日には、この日マークイットから発表された1月のユーロ圏総合購買担当者指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)(改定値)が48.6と1月24日に発表された速報値(48.2)から上方修正されたうえ2012年3月(この時は49.1)以来の高水準となったことで、当該地域経済に対する楽観的な見方が市場で発生したうえ、同じくこの日ISMから発表された1月の同国非製造業景況感指数(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が55.2と市場の一部事前予想(55.0~55.2)を上回ったこと、2月5日に発表された米大手エンターテイメント会社ディズニーの2012年10~12月期業績が市場の事前予想を上回ったこともあり米国株式相場が上昇したこと、2月5日に発表された1月のユーロ圏総合購買担当者指数が上方修正されたことで、2月7日に予定されるECB理事会では利下げの決定はないとの見方が市場で増大したことにより、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことから、2月5日の原油価格の終値は1バレル当たり96.64ドルと前日終値比で0.47ドル上昇した。また、2月6日には、この日EIAから発表された同国石油統計(2月1日の週分)で原油在庫が前週比262万バレルの増加と市場の事前予想(265~300万程度の増加)ほどには増加しなかったことが原油相場に上方圧力を加えた一方で、スペイン及びイタリアの政局混乱への懸念が市場で再燃したことでユーロが下落した反面米ドルが上昇したことが原油相場に下方圧力を加えたことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり96.62ドルと前日終値比で0.02ドルの下落にとどまった。2月7日には、この日米Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? 遭J働省から発表された同国新規失業保険申請件数(2月2日の週分)が36.6万件と市場の事前予想(36.0万件)を上回ったことに加え、BPのWhiting製油所(インディアナ州、原油精製処理能力日量41万バレル)のうち、現在改修作業のため操業を停止している原油精製処理装置(能力日量26万バレル)の操業再開が4月半ばから7月にまで延期された旨2月7日に報じられたことで、クッシングでの原油需給緩和状態が長引くとの観測が市場で発生したこと、2月7日にドラギECB総裁がユーロ圏からの輸出等当該地域経済に対する最近のユーロ上昇の影響を注視している旨発言したことで、ECBの利下げ可能性に対しての市場の観測が増大し、ユーロが下落した反面米ドルが上昇したこと、また翌8日には、Phillips 66のWood River製油所(米国イリノイ州、原油精製能力日量29万バレル)で原油精製処理装置2基が2月24日から34日間の予定でメンテナンス作業を実施する旨2月8日に報じられたことで、製油所の稼働低下に伴いクッシングでの原油需給が緩和するとの観測が市場で発生したことにより、原油価格は2月7~8日の2日間で併せて1バレル当たり0.90ドル下落、2月8日の終値は95.72ドルとなった。 2月11日には、この日ECB政策委員会のバイトマン(Weidmann)委員(ドイツ連邦銀行総裁)が、ユーロは過大評価されてないと発言したことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したこと、また、翌12日には、この日OPECから発表された「月刊オイル・マーケット・レポート」で2013年の世界石油需要が上方修正された他同日EIAから発表された「短期エネルギー展望」で2013年及び2014年の世界石油需要が上方修正されたことに加え、2月12日に主要7ヶ国(G7)財務相・中央銀行総裁が自国通貨を安く誘導しない旨合意した他同日ドラギECB総裁が政治家のユーロ相場への介入要請は控えるべき旨発言したことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことから、原油価格は2月11~12日の2日間で併せて1バレル当たり1.79ドル上昇し、2月12日の終値は97.51ドルとなった。2月13日には、この日IEAから発表されたオイル・マーケット・レポートで2013年の世界石油需要が下方修正されたうえ、2月13日にEIAから発表された同国石油統計(2月8日の週分)で米国の原油生産量が日量706.4万バレルと1992年12月8日の週(この時は同709.8万バレル)以来の高水準に到達していた旨判明したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.50ドル下落し終値は97.01ドルとなった。 ただ、2月13日に実施された国際原子力機関(IAEA)とイランとの間での同国核関連施設査察のための協議が合意に至らず、次回協議開催日程も決定しなかった旨、2月14日にIAEAのヘルマン・ナカーツ(Herman Nackaerts)事務次長が明らかにしたことで、イランと西側諸国等との対立の激化を巡る懸念が2月14日の原油市場で増大したこと、2月14日に米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(2月9日の週分)が34.1万件と前週比2.7万件の減少となり、市場の事前予想(36.0万件)を下回ったこと、米国での春場の製油所メンテナンスシーズン到来に伴うガソリン需給逼迫懸念が市場で発生したことにより米国Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? Kソリン先物相場が上昇したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり97.31ドルと前日終値比で0.30ドル上昇したが、2月15日には、この日欧州連合統計局(ユーロスタット:Eurostat)から発表された12月のユーロ圏輸出額が前月比で1.8%の減少と2012年7月以来の減少を示したうえ、2月15日に米国商務省から発表された1月の同国鉱工業生産指数が前月比で0.1%の減少と市場の事前予想(同0.2%増加)を下回ったこと、西側諸国等がイランに対し金や貴金属の貿易を禁ずる制裁の緩和を提案する計画である旨、2月15日にロイター通信社が報じたことで、ウラン濃縮を巡るイランと西側諸国等との対立が緩和するとの観測が市場で発生したことに加え、米小売り大手ウォルマート・ストアーズの2月の売上が非常に悪い始まり方をしている旨示唆していると2月15日にブルームバーグ通信社が報じたことで、米国経済の先行きに関する懸念が市場で発生したことから、2月15日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.45ドル下落し、この日の終値は95.86ドルとなっている。 . 今後の見通し等 原油市場では、アルジェリアのイナメナスでの武装勢力による天然ガス田関連施設襲撃事件やイスラ 3エルによるシリア空爆を含めた地政学的リスクの高まりが意識されており、中東・北アフリカ地域からの石油供給途絶懸念も増大していることから、当面この面で相場は現状の水準で下支えされると見られる一方で、米国や中国などでの経済回復に対する期待に加え、夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期に向かいつつある中、米国等での製油所における春場のメンテナンス作業シーズン到来に伴う稼働低下によるガソリン生産鈍化と市場での需給逼迫懸念の増大によるガソリン先物相場上昇が、引き続き原油相場に上方圧力を加えていく可能性があると考えられる。 地政学的リスクについては、イランにおいては2月13日に実施された国際原子力機関(IAEA)とイランとの間での同国核関連施設査察のための協議が合意に至らず、次回協議開催日程も決定しなかった旨、2月14日にIAEAのヘルマン・ナカーツ事務次長が明らかにしたことで、イランと西側諸国等との対立の激化を巡る懸念が市場で増大する格好となっている。また、2月26日にはウラン濃縮問題を巡ると国連安保理常任理事国5ヶ国及びドイツとイランとの間での協議が実施されるものの、これまでの経緯(協議は実施するものの実りのある結果は残せず)からすると、当該協議の結果に関し市場が事前に容易に楽観的になるという確率も低く、実際に具体的に前向きな結果(もしくは協議中において具体的に楽観的な展開の兆候)が出てきたところで、初めて原油相場にその影響が織り込まれるということになろう。また、シリアにおいても、国内での戦闘は激しさを増していることを示しており、1月30日にイスラエル軍がシリアのレバノン国境付近で空爆を実施した(ヒズボラへの武器供与を防止するとされる)一方で、これに対して1月31日にはシリアのアリ駐レバノン大使が報復を警告している他、2月11日には、シリアとトルコGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? フ緩衝地帯でバスが爆発しトルコ人を含む13人が死亡した他、2月13日には、シリアのアサド政権に対して支援活動をしていたイランの革命防衛隊の司令官が反体制派武装勢力により殺害された旨明らかになるなど、シリアの内戦の影響が再び周辺諸国へと波及する様相を呈し始めた。また、1月16日にアルジェリアのイナメナスでの天然ガス田関連施設がイスラム武装勢力により襲撃されアルジェリア軍との戦闘の結果多数の犠牲者が出たと伝えられる。加えて、リビアにおいても東部の石油都市ベンガジに滞在する英国人に対して1月24日に英外務省が即時退去の警告を通知、エジプトでは石油の重要な輸送路であるスエズ運河沿岸地域を含めた各地で騒乱が発生するなどしている。これに伴い、中東・北アフリカ地域からの石油供給途絶に対する市場の懸念が以前に比べて増大しており、それが原油相場に織り込まれる格好となっている(実際アルジェリアでの人質事件以降原油相場の変動範囲は切り上がっている)。このような中東・北アフリカ諸国情勢の不安定化は急速に落ち着く類のものではないことから、今後もしばらくはそのような状況は続く可能性があると考えられる。 他方、欧州では2012年第四四半期の経済成長が市場の事前予想を下回るほど不振であったものの、米国と中国の景気回復見通しに対する市場の期待感は根強いことから、今後当面発表される経済指標類については、相場上昇を促す指標類は相場で織り込まれやすく、そうでない指標は織り込まれにくい展開になるであろうと予想される。また、今後も米国等企業の業績が発表されるが、その中で市場の事前予想を超過して良好な業績に対しては、株式相場にその結果が反映される他、原油相場もその影響を受けることになろう。原油相場における下振れリスクを挙げるとすれば、2月24~25日に実施される予定のイタリア総選挙で、モンティ現首相陣営が敗北しベルルスコーニ前首相派が勝利すれば、イタリアやスペインの国債利回りが上昇するとともにユーロが下落する反面米ドルが上昇することにより、原油価格が下方圧力を受ける、といった展開はありうるであろう。但し、市場では米国と中国の景気回復期待が根強く、原油価格の下落を原油購入の好機と見て資金が流入しやすいことから、原油相場の下落局面が継続する可能性はそれほど高くはないと思われる。 石油需給ファンダメンタルズ面については、米国やOECD諸国の石油在庫に示されるように、現在必ずしも石油需給が引き締まっているといったことは示唆されていない。しかしながら、米国での景気回復期待が根強い中、同国のガソリン需要が前年比で増加を示していることから、今後米国等での春場のメンテナンス作業シーズン到来に伴う製油所での稼働低下によりガソリン生産が鈍化することにより、当該製品需給の引き締まり観測が市場で発生し、それがガソリン及び原油相場に影響を及ぼすといった展開となる恐れはある。 1月11日に輸送能力拡張工事を完了しクッシングでの原油在庫増加を抑制すると市場から期待されたSeawayパイプラインについては、1月23日に日量17.5万バレルへと輸送能力が制限され、ほぼ拡張Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? H事完了前の能力へと再び低下した。ただパイプライン自体の機能に問題があるわけではなく、顧客の一つであるPhillips 66のSweeny製油所(原油精製能力日量26万バレル)からの原油購入が減少したことにより原油輸送先の一つであるPort Arthur近くのJones Creekターミナルにおいて原油貯蔵量が高水準となったことにより当該ターミナルでの原油受入が困難になったことに伴うものであり、当初は1週間程度で従来の輸送能力に戻ると伝えられたが、1月31日にはパイプライン操業者であるEnterprise Products Patnersが、輸送能力の回復のためにはSeawayパイプラインからECHO貯蔵ターミナル(ヒューストン郊外、当該施設では2013年11月に75万バレル、2014年にはさらに90万バレル分の貯蔵施設が完成する予定であるとしている)へ新たにパイプラインを敷設しなければならず、その完成は2013年第四四半期になる旨明らかにした。このため、当面Seawayパイプラインの輸送能力は日量17.5万バレルで推移すると考えられ、従ってクッシングの原油在庫水準も低下しにくくなることから、ブレントとWTIの価格差が大きく縮小する可能性は低下したものと思われる。 . 世界天然ガス市場の動向 米国では、2011~12年の冬が暖冬となったことに加え国内でのシェールガス生産が高水準であった 4ことにより天然ガス需給が大幅に緩和、2012年4月には価格が百万Btu当たり2ドルを割り込む状況となった(図17参照)。しかしながら、このような天然ガス価格の低下により米国では発電部門においてコスト面で天然ガスが石炭に比べて相対的に競争力を高めた(図18参照)結果、石炭から天然ガスへの燃料転換が発生、夏場の米国の気温上昇に伴う空調機器の稼働活発化による電力消費の増加に伴い天然ガス需要が伸びる(図19参照)一方で、価格がシェールガス開発・生産コストを割り込んだ(場所にもよるが米国でのシェールガスの開発・生産コストは百万Btu当たり概ね4~6ドル程度と言われている)ことから、シェールガス開発のための掘削活動が低迷(図20参照)、その結果同国では天然ガス生産が2011年10月以降概ね日量660億立方フィート前後で伸び悩むことになった(図21参照)。このようなことから、同国の天然ガス地下貯蔵量は2012年3月30日の時点では、5年平均貯蔵量を60%程度超過する状況であったが、需要の増加と供給の伸び悩みによりその後需給は引き締まる方向に向かい、2012年11月16日時点では同平均量を4.5%程度超過する程度にまでその余剰幅を縮小させるに至った(図22参照)。勿論それでも5年平均量は超過しており2012~13年の冬場においては再び同平均量の超過度合いを高めつつある(2013年2月8日時点での超過率は16%程度である)ことから需給に逼迫感が生じているというわけではない(従って、米国のLNG輸入量は低迷したままである、図23参照)が、2012~13年の冬は2011~12年の冬に比べれば相対的に気温は総じて低めに推移しており(図24参照)、例えば2012年11月は民生用(つまりその主流は暖房用)天然ガス需要(推定値)が前年同月比で増加しGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? トおり、このような状況を反映し米国の天然ガス価格は冬場の初期には百万Btu当たり4ドルに接近する水準へと上昇した。ただ、天然ガス価格が上昇した結果、一部地域では発電部門において再び天然ガスから石炭への燃料転換が発生した(2012年4月には天然ガスと石炭の発電量の占有率が同一水準となったものの、その後は再び石炭の占有率が回復、天然ガスのそれを超過する状態が続いている、図25参照)ことに加え、2013年1月に入り冬場の暖房シーズンに伴う天然ガス需要期の残り期間も少なくなり始めたことから、徐々に市場では春場以降の不需要期が意識され始めたことが価格に下方圧力を加える格好となっており、2013年2月前半時点では天然ガス価格は百万Btu当たり3ドル台前半で推移している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? 一方欧州では経済減速(2012年のユーロ圏の経済は前年比で0.6%の縮小と市場の事前予想である同0.4%の縮小を上回るものであった)に加え、米国発電部門での天然ガスとの競争で劣勢となった一般炭の米国から欧州への輸出が一時活発化した※こともあり、欧州では発電部門において石炭コストが天然ガス価格に比べて廉価となった結果天然ガスから石炭への燃料転換が発生し(例えば英国では発電量における石炭の占有率が天然ガスのそれと逆転するといった現象が発生している、図26参照)天然ガス需要が前年同月比で減少傾向となった(図27参照)。しかしながら、冬場に向けて欧州ではしばしば平年を下回るほどに気温が低下してきた一方北東アジア諸国等からのLNGに対する需要増加の観測と欧州へのLNG輸入の減少(図28参照)から、当該地域での天然ガス需給引き締まり感が市場で発生したこともあり、2012年8月には百万Btu当たり8ドル程度であった英国天然ガス価格は12月初めには一時11ドルを超過するなど上昇傾向となった。ただ、当該地域での需要不振が根強かったことが供給の低下を相殺した結果、欧州での天然ガス貯蔵量が前年と遜色のない水準で推移している(図29参照)こともあり、英国の天然ガス価格はその後総じて下落傾向を示し、2013年2月前半は概ね10ドル台前半程度で推移している。 ※ただ、2012年後半には米国での石炭需要の減少と価格の低迷により石炭生産が減少(一部の石炭生産業者が減産等を実施しているとの指摘もある、図30参照)したことに伴い、2012年前半には前年同期比で大きく伸びた米国の一般炭輸出は同年後半には落ち着き始めたがそれでも依然2011年は超過する水準となっている(図31参照) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? 齦菇k東アジア地域では、原子力発電所の稼働率が低迷した反面LNG需要が堅調な日本(図32参照、因みに2012年の日本のLNG輸入量は8,731万トンと前年比で878万トン(11.1%)の伸びとなった)において、2012年11月9日には気象庁から発表された1ヶ月予報(11月10日~12月9日)で平年を下回る気温の予報が発表された他、その後も日本では気温が低下傾向となったこともありLNGに対する需要が堅調になるとの観測が市場で発生した他、韓国の霊光(ヨングァン)原子力発電所5号機及び6号機において部品の品質保証書偽造が発覚したことにより2012年11月5日に運転を停止した(2013年1月2日に操業再開)他、11月9日には韓国水力原子力が同発電所3号機の制御棒案内管に亀裂が発見されたことにより補修作業を実施する必要性がある旨示唆したことから、代替の発電向けLNG需要が発生するとの不安感が市場で広がったことから、このような観測や不安感が北東アジア地域におけるLNGスポット価格に上方圧力を加えた。加えて、ブラジルでは渇水から水力発電所の稼働が低迷する一方で、その代替としてガス火力発電を稼働させるために天然ガス需要が発生したことにより、2013年に入って同国はLNGのスポット調達を活発化させており(ブラジルは2013年1月に日量8億立方フィートのLNGを輸入したと推定されるが、これは前月比で70%程度の増加となる)、この結果、ブラジル等の中南米諸国と北東アジア諸国とがスポットLNG調達を巡って競合したことにより、2012年8~10月にはしばしば百万Btu当たり13ドルを割り込んでいた北東アジア地域でのLNGスポット価格は再び上昇傾向となり2013年2月11日時点では百万Btu当たり19ドル台半ばに接近している。なお、欧州ではカタールからのLNG輸入が低下している反面、日本においてはカタールからのLNG輸入が堅調である(図33参照)ことから、カタールは欧州に比べてLNG価格が相対的に高い日本にLNGを輸出しているといったことが窺われる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ? |
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