ページ番号1004336 更新日 平成30年2月16日

ブラジル:11次入札ラウンド、ロイヤルティ配分法案を巡る動向

レポート属性
レポートID 1004336
作成日 2013-03-25 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報探鉱開発
著者
著者直接入力 佐藤 陽介
年度 2012
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2013/3/25 ワシントン事務所:佐藤陽介 ブラジル:11次入札ラウンド、ロイヤルティ配分法案を巡る動向 (基礎情報、探鉱開発) 1.2013年5月、ブラジルでは5年ぶりとなる入札ラウンド(第 11次)の実施が予定されている。本入札は、2011年半ばから原油収入の配分に関する議論のために実施が遅れてきたものである。 2.11次ラウンドの対象鉱区は、合計289鉱区が対象として発表されており、北方及び北東堆積盆地における辺境または成熟地帯となっている。これらは、コンセッション契約の下でオファーされ、参加資格を有する企業がオペレーターとなることが可能である。 3.11次入札の意義はこれまで止まっていた入札が再開されるという一種のシンボル効果と、プレサル入札及びシェール・ガス入札など今後も続く一連の入札シリーズに対する企業の関心テストという点にあろうかと思われる。また、税制改革を始めとする大きな改革を控えたブラジル経済に対する信頼性をアピールする意味でも11次入札は非常に重要であると考えられる。 4.ロイヤルティ配分法案を巡るルセフ大統領と議会とのやりとりは、ルセフ大統領が法案に署名したことで、落ち着きの兆しを見せ始めているが、不利益を被る原油生産州が同法案を最高裁判所に持ちかける構えであり、このことは2013年11月に実施予定されているプレサル入札のスケジュールにも影響するため、引き続き注視が必要である。 .11次入札ラウンドの発表 11月11日、ブラジル・エネルギー政策国家委員会は、ブラジル国家石油庁に対して、第11次となる入札の実施を承認した。この第11次ラウンドは2011年半ばからロイヤルティの配分に関する議論のために実施が遅れてきたものだが、予定通り実施されれば2008年以来の5年ぶりの入札ラウンドの再開となる。(これまで1998年の第0次入札ラウンド以来2008年の第10次入札ラウンドまで毎年実施。) 当初発表の対象鉱区は、Berreirinhas盆地やCeara盆地、Foz do Amazonas盆地におけるオンショア、浅海、大水深の合計172鉱区であったが、その後Foz do Amazonas盆地やTucano盆地などの117鉱区が追加され、合計で289鉱区が対象となっている。これらは、Campos盆地やSantos盆地などの従来の生産地の北方及び北東堆積盆地に位置しており、生産地の“非中央化”が進められるとみられる。なお、2013年11月に入札が予定されているプレサル地域は対象となっていない。(図1、表1参照。) 11次ラウンドでの契約は、コンセッションの下にオファーされ、参加資格を有する企業がオペレーターとなることについて制限はないが、オンショアや大水深など入札対象鉱区の応じた資格取得が求められている。この点、ペトロブラスが最低30%ステークを保持し、オペレーターとなることとなっているプレサル入札とは異なる。なお、プレサル開発については生産分分与契約の下でオファーされることとされてGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ィり、新たなフレームワークが検討されている。 第11次入札は、サイン・ボーナス、最低探鉱計画数、ローカル・コンテンツへのコミットの度から構成される。サイン・ボーナス及び最低探鉱計画数は各鉱区に毎に最低額・数が定められており、入札者はそれ以上の札入れをしなければならない。また、ローカル・コンテンツについては最低/最高パーセンテージが定められている。 現在、入札に向けて様々な説明会や事前提出書類の受付が行われている。国家石油庁発表のスケジュールでは、第11次入札の入札日は2013年5月14日及び15日を予定している。 ブラジル独特の制度として、ローカル・コンテンツ要求がある。これは例えば石油開発プロジェクトなどにおいて、ブラジル産製品・器機を活用することを求める制度であり、本11次入札においても入札の内容を構成する重要な一部となっている。 これについては、入札の実施と平行してローカル・コンテンツの議論もブラジルで盛んとなっている。コンサルタントから聴取したところでは、今後起こりうる可能性として、ローカル・コンテンツの使用目標を超過した場合には、超過分を他の事業にトランスファーするというものや、実際に提案されているものとして、より多く投資をすればより少ない使用目標でよいものとする、という提案がなされている。これは特にオイGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - .ローカル・コンテンツについて 2求Eセクターターやブラジル石油・ガス・バイオ燃料機構などから提案されている。総じて高いローカル・コンテンツ要求に対してできるだけフレキシブルにしようというのが議論の大筋となっているとのことである。 他方でRepetro(オイル・セクターに対する輸入器機等に関する関税制度)の見直しも進行中であり、対象範囲を狭めることで、特に操業コストが増加しているペトロブラスなどに対して、投資コストを低減させ 3月15日、ディルマ・ルセフ大統領は、石油・天然ガス開発から得られるロイヤルティの再配分を定める法案に署名し、本問題については落ち着く兆しを見せ始めている。 元々、本法案はルーラ前大統領の時代に、今後のプレサル開発にあたり、政府による石油資源の管理を強化し、原油収入を社会還元すべく、4つの法案を提案したことに端を発している。当時提案されたのは、プレサル開発への生産分与契約の導入、当該生産分与契約の履行等をモニターする新たな公社(PPSA:Pre-Sal Petroleo SA)の設立、プレサルからの収入を社会還元するためのファンドの設立、ペトロブラスへのプレサル鉱区の贈与と増資などの提案であった。公社設立と権益譲渡の2法案については議会を通過したものの、その他の法案についてはその後上院で一本化され、審議が止まっていた。 変化が起きたのは、2012年に入ってからである。2012年11月、上院はペンディングとなっていた法案を可決、同月末ルセフ大統領は拒否権を発動したが、議会は2013年3月7日に大統領の拒否権を覆す投票を行なっていた。この大統領と議会との間において問題となっていたのは、新たな配分方法が将来の契約だけに適用されるのか、それとも既存の契約も含めて将来の契約を対象とするのかということであった。 ロイヤルティ配分法案の目的は、石油・天然ガス開発から得られるロイヤルティ収入を、エスピリ・サント州やリオ・デ・ジャネイロ州、サンパウロ州などの原油生産州だけではなく、非生産州に対しても等しく配分しようとするものである。法案が成立した場合、上記3州は、今年だけで230億ドルの収入減少となると予測している。連邦政府の収入は2020年までに30%から20%まで減少し、同じ期間における生産州の喪失は26.25%から20%まで減少するとの推計もある。最大の影響を被るのは地方政府であり、2020年までに現在の26.25%から4%までに収入が激減し、逆に非生産州や非生産地方政府では、現在それぞれ7%、1.75%となっているロイヤルティ収入が27%まで激増する。 しかし議論は政府や議会から場所を移して継続される可能性がある。エスピリ・サント州やリオ・デ・ジャネイロ州、サンパウロ州の生産州は、本法律の憲法違反を最高裁判所で争うことを計画している。元々の議論の前提となっているプレサル開発のスケジュールに影響が及ぶことが懸念され、引き続き同法をGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - .ロイヤルティ配分法案を巡る動向 3ようとしている。 11次入札の実施は5年ぶりとなるものであり、その意義はこれまで止まっていた入札が今後再開されるという一種のシンボルとしての意味、プレサル入札及びシェール・ガス入札など今後も続く一連の入札シリーズに対する企業の関心テストという点にあろうかと思われる。また、ブラジルにおける原油生産量、ペトロブラスの生産量は近年停滞しているため、巻き返しを図る上でブラジルにとっても非常に重要な機会となっている。その他にも、税制改革を始めとする大きな改革を控えるブラジルにとって、同国経済に対する信頼性をアピールする意味でも11次入札は非常に重要であると考えられる。表1 第11次入札対象鉱区概要盆地区画探鉱モデル鉱区数BarreirinhasCearaEspirito SantoFoz do AmazonasPara-MaranhaoPotiguarPernambuco-ParaibaReconcavoSBAR-AP1SBAR-AP2SBAR-AP3SCE-AP3SES-T6SES-AP2*SFZA-AP1*SFZA-AP2SFZA-AR1*SFZA-AR2SPAMA-AP1SPAMA-AP2SPOT-AP1SPOT-T3SPOT-T5SPEPB-AP2*SPEPB-AP3*SREC-T1Sergipe-AlagoasSSEAL-T1ParnaibaParnaibaParnaibaTucanoSPN-NSPN-OSPN-SESTUC-S*新開地新開地新開地新開地成熟地新開地新開地新開地新開地新開地新開地新開地新開地成熟地成熟地新開地新開地成熟地成熟地新開地新開地新開地新開地681211669656265110317551625611336*追加鉱区出典:第11入札プロトコル(国家石油庁)より作成対象鉱区合計289 面積(km2)4,614.856,151.772,307.027,388.32178.734,328.406,705.6311,509.7210,737.5315,547.203,846.36769.307,326.2877.16510.552,991.923,299.37474.50733.1617,716.363,049.9139,093.896,455.19探鉱フェーズ(年)探鉱期間888757888888755775566655+35+35+35+23+25+25+35+35+35+35+35+23+23+25+25+23+23+24+24+24+24+23+2(了) 地域保有料(R$/km2/年)483.60322.40214.93644.8034.3993.7562.50322.4093.75322.40214.93214.93214.9334.3934.3931.2521.2534.3934.39107.47107.47107.47125.00 巡る動きが注目される。 .結び 4Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 中南米
国1 ブラジル
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ブラジル
2013/03/25 佐藤 陽介
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。