中国の石油・天然ガス対外投資トレンド2012
| レポートID | 1004338 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-03-26 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 企業 |
| 著者 | 竹原 美佳 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2012 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 中国の石油・天然ガス対外投資トレンド2012 更新日:2013/3/22(3/26修正) 石油調査部:竹原 美佳 2012年の中国国有石油企業による対外投資のトレンドは (1)北米非在来型資産の買収、(2) LNG売買契約と上流権益取得のパッケージ、(3)メジャーズ売却資産の購入や提携、(4)地域子会社の買収や買収先を通じた企業(資産)買収、(5)上流権益保有国におけるパイプラインなどの中・下流投資に大別できる。 買収金額や件数でみるとCNOOCのNexen買収を筆頭に北米非在来への進出が他を圧倒した。中国国有石油企業は日本で注目を集める“米国の(シェール)LNG”契約は無く、北米LNG事業への参画はShellや三菱商事の参画するLNG Canadaのみである。中国国有石油企業の北米シェールへの投資は、投資リターンの追求(企業規模拡大)やシェールガス商業開発の実態把握(知見の蓄積)といったビジネスマインドに立って行われていると思われる。“百万Btuあたり1ドル以下”で取得が可能な北米シェールへの投資はリスクもあるが、自国に安定した収益基盤のある中国国有石油企業にとり魅力的な投資対象であろう。LNG売買契約と上流権益取得のパッケージは豪州で積極的に行っている。先日Eniと合意したモザンビーク深海ガス田権益はいずれLNG売買契約と結びつくかもしれない。 この他、SINOPECが買収したAddaxを通じたアフリカ・北海資産の買収は、今後の対外投資の方向性や地域展開を考える上で興味深い動きである。また、中南米や中央アジアなどの上流権益保有国におけるパイプライン投資は中国向けの供給ルート(合理的な販路)開拓につながる動きとして注目している。 2012年の中国国有石油企業が行った対外投資のトレンドは(1)北米非在来型資産の買収、(2) LNG売買契約と上流権益取得のパッケージ、(3)メジャーズ売却資産の購入や提携、(4)地域子会社の買収や買収先を通じた企業(資産)買収、(5)上流権益保有国におけるパイプラインなどの中・下流投資に大別することができる。ここ数年の傾向と大きく変わりはないが、2010年以降続いていた中南米大型資産売却が一服した。またSINOPECによる買収先を通じた企業(資産)買収が新たなトレンドとして浮上した他、上流権益保有国における中国向けの供給を可能とする中・下流投資が勢いづいた感がある(図1)。 2012年に合意した資産・企業買収の件数は約10件で金額は約250億ドルであった。そのうち5件計215億ドルが北米における資産買収であり、CNOOCのNexen買収を筆頭に北米非在来への進出が他を圧倒した。企業別でみると、ここ数年はSINOPECが高額の資産買収を行っていたが、2012年(買収承認は2013年2月)はカナダ企業Nexenの買収151億ドル(負債を含む)でCNOOCが最大となった(Nexen資産は北米外にもあるが、本稿では便宜上件数、金額とも北米として計算)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 カナダのオイルサンド資産買収:良好な投資環境と膨大な資源量が中国企業を魅了 中国国有石油企業は2005年頃カナダのオイルサンド資産買収を行っていた。カナダの重質油を含むGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図2:中国国有石油企業の対外投資のトレンド 1)北米非在来型資産の買収 (図1:国有石油企業3社の資産買収(2012年) 各社プレスリリース等によりJOGMEC作成 アジア・太平洋2件16億ドル7% 北米5件、215億ドル、87% 欧州1件、15億ドル、6% ロシア・中央アジア・南米各1件資産買収10件、246億ドル ホ油埋蔵量は1,740億バレル(うちオイルサンド1,700億バレル)で、サウジアラビアとベネズエラに次ぐ世界第3位である。カナダの2011年の原油生産量は約370万バレル/日であり、カナダ天然資源省によると2012年の同国のオイルサンド生産量は約170万バレル/日である。米EIAのInternational Energy Outlook2011によるとカナダのオイルサンドの生産は2035年には480万b/d(基準ケース)1に増加する見通しである。オイルサンドの生産は諸条件により変動するが、中国国有石油企業のプロジェクトが順調に進展した場合、少なくとも生産全体の1割程度を占めることになると思われる。 2009年以降中国国有石油企業はオイルサンド資産取得に動き出している。CNOOCが買収したNexenはアップグレーダーを保有しており、PetroChinaは生産地域から南部Edmontonへの出荷パイプラインやアップグレーダーを含めた投資を計画している。カナダのオイルサンドの主な販売先は米国だが、オイルサンド供給増加とパイプライン等の制約から供給過剰感が高まっている。またオイルサンドの投資回収期間はシェールに比べ長い。しかし、カナダの良好な投資環境と、オイルサンドの膨大な資源量は中国企業にとり魅力的な投資対象の模様である。 1 低油価ケースは310万b/d、高油価ケースは650万b/d Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 プロジェクト名中国企業売り手合意時期ChristinaLake(SAGD)生産中(2.5万b/d)CNOOCMEGEnergy2005年4月株式16.69%(1.2億ドル)NorthernLights(露天掘り)開発保留SINOPECSynenco Energy(現Total)2005年4月株式40%取得(約1.2億ドル)MacKay River(SAGD)開発中(2014年3.5万b/d)PetroChinaAthabasca Oil Corp2009年8月権益60%(17億ドル)Mildred Lake/Aurora North & South(露天掘り)生産中(約40万b/d)SINOPECConocoPhillips2010年6月Syncrude Canada権益9%(46.5億ドル)CNOOCOPTI Canada2011年7月企業買収(21億ドル)SINOPECDaylightEnergy2011年10月企業買収(28億ドル)MacKay River(追加)開発中(2014年3.5万b/d)PetroChinaAthabasca Oil Corp2012年1月権益40%(6.8億ドル)Syncrude(露天掘り)、Long Lake(SAGD)CNOOCNexen2012年7月企業買収(約179億ドル)Grand Rapids(パイプライン共同建設)PetroChinaTransCanada2012年12月\1:中国企業のカナダ・オイルサンド事業への進出 各社ウェブならびにカナダ・アルバータ州「オイルサンド産業の最新動向」により作成 ? PetroChina : Mackey Riverオイルサンド権益追加取得 2012年1月、PetroChinaはオプションを行使し、Athabasca Oil Sands Corp(現Athabasca Oil Corp.)からMackey Riverオイルサンドプロジェクト(SAGD2)の権益40%を6.8億ドルで取得した3。PetroChinaは2010年にAthabasca Oil Sands CorpからMacKay Riverオイルサンドプロジェクトの権益を17億ドルで取得しており、今回の買収で権益を100%取得、同社初のオペレーター案件である。同プロジェクトは2014年に3.5バレル/日の生産開始予定で、15万バレル/日への増産計画がある。 TransCanadaとオイルサンドパイプライン(Grand Rapids Pipeline System (GRPS)建設 2012年10月、PetroChina傘下のPhoenix Energyとカナダ最大のパイプライン事業者TransCanadaはオイルサンドパイプライン“Grand Rapids Pipeline System” (GRPS)の開発について基本的に合意した4。GRPSはアルバータ州Fort McMurrayとEdmonton間約500kmを結び、原油最大90万バレル/日と希釈剤(diluent)33万バレル/日を輸送する。2017年の稼働を目指す。事業費は30億ドルで両者折半出資とする。2013年3月にFSならびに基本設計を完了、詳細設計は今年10月に完成予定である。同パイプライン完成によりPetroChinaがオペレーターを務めるMacKay Riverで生産したオイルサンドをパイプライン集積地のEdmontonまで運ぶことが可能となる。またカナダEnbridge社がEdmontonからカナダ西海岸向けにNorthern Gate Way Pipeline(52万バレル/日)を計画している。現地の反対運動もありパイプラインの完成時期は未定だが、将来は中国企業の生産するオイルサンドが同パイプラインを通じ、中国向けに出荷される可能性はゼロではない。 ? CNOOC:Nexen買収でカナダのオイルサンド事業への投資拡大 CNOOCはNexen買収によりSyncrude Canada の株式7.23%やLong Lakeオイルサンドプロジェクト(SAGD)の権益35%(オペレーター)などを取得した。Long LakeプロジェクトはFort Mcmurray南東 2 地層内回収法 Steam Assisted Gravity Drainage 3 http://www.atha.com/upload/press_release/25/01/january-3-2011-press-release---athabasca-exercises-its-option-to-sell-its-interest-in-the-mackay-river-oil-sands-project.pdf 4 http://www.transcanada.com/6129.html Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2kmに位置し、現在の生産能力は7.2万バレル/日で、時期は未定だが15.2万バレル/日の増強計画がある(認可済み)。また処理能力5.8万バレル/日のアップグレーダーを保有している。Nexenはアップグレーダーの未使用能力を埋めることが課題としており追加坑井を掘削中である。 Nexen買収に先駆け2005年にMEG Energy株式16.69%を約1.2億ドルで買収した。(MEG Energyは2010年にトロントで上場、CNOOC Limitedの2013年3月現在の株式保有比率は14.2%である)。MEG Energyはアルバータ州Christina Lakeオイルサンドプロジェクト(SAGD)のオペレーターであり、現在の生産能力は2.5万バレル/日、現在6万バレル/日への増強を進めている(2013年完工予定)。また、MEG Energyは3期計15万バレル/日の増強計画の政府承認を得ており、順調に進めば2020年までに生産能力は21万バレル/日に増加する。 2011年11月にはOPTI Canadaを約21億ドル(債務を含む)で買収、社名をCNOOC Canada Inc.に改めた。 ? SINOPEC:メジャーズから露天掘り資産を買収 SINOPECは2012年にはカナダのオイルサンドに関する買収は行っていない。SINOPECもCNOOCと同じ2005年にカナダのオイルサンド事業に進出した。2005年4月、Synenco Energy株式40%を約1.2億ドルで買収した。その後Synenco EnergyはTotalが2008年に4.7億ドルで買収した。Synenco Energyの主要資産はアルバータ州Northern Lightsオイルサンドプロジェクト(露天掘り)である。現在TotalとSINOPEC(親会社)傘下で国外事業を主に担っている中国石化集団国際石油勘探開発有限公司(Sinopec International Petroleum Exploration and Production Corporation;以下、SIPC)傘下の Sino Canadaが各50%権益を保有している。同鉱区の技術的に開発可能なビチューメン埋蔵量は10.8億バレルあるが開発は保留状態である。 2010年6月にはConocoPhillipsが保有するSyncrude Canadaの株式9%を46.5億ドルで買収した。Syncrude CanadaはImperial Oil(ExxonMobil)がオペレーターを務める現在Mildred Lake/Aurora North & Southオイルサンドプロジェクト(露天掘り)で現在の生産能力は約40万バレル/日である。さらにAurora Southオイルサンドプロジェクト(露天掘り)の増強計画(2018年までに20万バレル/日)が認可済みである。 2011年10月にはDaylight Energyを28億ドル(負債を含む)で買収した。Daylight Energyはアルバータ州北部やBritish Columbia州東北部に位置する油ガス田資産を保有している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 CNOOC、中国史上最高額のNexen買収はカナダと米国の承認難航で大幅に遅延 2012年7月、CNOOCは約151億ドル(負債を含めると179億ドル)5をカナダ7位の石油・ガス企業Nexenの合併・買収で合意した。Nexenは非在来型資産ではカナダのSyncrude CanadaやLong Lake (SAGD)、Japexがオペレーターを務めるHangingstoneなどのオイルサンド事業権益を保有している。また、Horn RiverおよびCordovaシェール鉱区を保有しており、同シェール事業には日本のInpexと日揮が参加している。北米ではカナダの他米メキシコ湾の大水深鉱区を保有している。北米外では北海Buzzard油田(オペレーター43%、約10万b/d)やナイジェリア大水深Usan油田(OML138の20%、12万b/d)で生産中である。2012年の平均生産量は日量22万バレル(石油換算)で、カナダ外における生産が約7割を占める。株価に61%のプレミアムを付けた提示でありNexen株主は9月に買収を承認した。また国家発展改革委員会(NDRC)ならびに英国の承認は滞りなく進んだが、カナダ政府の承認は当初見込みより遅れた。前述の通り、最大の販売先米国における供給過剰感を受け、カナダ政府はアジア向けに販路多角化を考えており、Harper首相は11年冬にカナダのオイルサンドの中国を含むアジア向けの輸出や中国の同国エネルギー産業への投資を呼びかけていた。またNexenの生産量がカナダの生産量に占める比率は大きくないため、買収は比較的スムーズに進むと思われた。しかしカナダ国内において、Nexen保有資産の埋蔵量は決して少なくはない(Nexenが35%を保有するLong Lakeオイルサンドプロジェクトの確認+推定埋蔵量は30.85億バレル(Best estimate contingent resourcesは15.92億バレル)という指摘や、何より資源の輸出が中国をはじめとするアジア企業に支配されるという懸念が高まった。カナダ政府はCNOOCによるNexen買収ならびに同時期に進行していたマレーシア国営石油企業Petronas によるProgress Energyの買収(約59億ドル)についてカナダ投資法(Investment Canada Act)に基づき慎重に審査を実施した。審査期間は10月と11月の二度延長され、12月7日にようやく承認がおりた。そしてカナダ政府は今後国営石油会社による企業買収を原則認めないというガイドラインを制定、一定の線引きを行った。 米国の承認はさらに遅れた。Nexen資産の10%が米国内にあるため、買収には米外国投資委員会(CFIUS)の承認が必要となる。当初は2005年のCNOOCによる米企業Unocal買収時とは異なり、米国の承認はそれほど難航しないと思われた。しかし米議会を中心に中国企業の買収はビジネスではなく中国政府の行為であるという疑念や国家の安全保障を損なうという懸念6が噴出した。米国の承認は当初想 5 2012年合意時点の価格 6 10月に米下院は中国IT企業の華為(Huawei)や中興通詢(ZTE)のネットワーク機器は中国が米国の通信に対するスパイ行為やサイバー攻撃を行うために利用される可能性があるという報告書をまとめた。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 閧謔闥xれ、買収合意から半年後の2013年2月に下りた。Nexen CEOのKevin Reinhart氏は留任、CNOOC Ltd 社長(CEO)の李凡?(Li Fangrong)氏が会長に就任する模様である。 参考:CNOOCの米Unocal買収 CNOOCは2005年に185億ドルを提示しUnocalの買収を試みた。Unocalの石油・ガス資産の6割はアジアにあり、CNOOCの買収の目的はUnocalが保有するインドネシアなどアジアのガス資産による天然ガス事業の拡大であった。しかし中国国有企業の投資は中国政府が行っているものであり、国家安全保障を損なうという米議会の強い反発を受け、最終的にCNOOCは買収を断念し、Unocal資産は米国の石油大手Chevronが取得した。 中国国有石油企業は日本で注目を集める“米国の(シェール)LNG”の売買契約は無く、北米LNG事業への参画はPetroChina のLNG Canada(2012年5月にジョイントベンチャー設立7)1件のみである。LNG CanadaはShellがオペレーター(40%)をつとめ、三菱商事、韓国Kogas、PetroChinaが各20%保有している。液化設備は600万t×2トレインで、最大4トレイン計2,400万t/年への拡張が可能である(輸出 北米シェール資産への投資:百万Btuあたり1ドル以下で取得が可能な北米シェールは魅力的 ?権を取得)。 方、北米シェール事業への投資は2010年以降積極的に行っている。彼らのシェール事業への投 一資について技術を習得するためという見方があるがそうではない。米国と中国は貯留層の深度をはじめとする地質やインフラ等の条件が大きく異なり、単純に技術を模倣すれば開発できるものではない。中 7 http://www.petrochina.com.cn/Ptr/News_and_Bulletin/News_Release/PetroChina_and_International_EGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表2:中国企業の北米LNG事業への進出 国中国企業合意時期対象鉱区カナダPetroChina2005年4月LNGCanada600万t×2トレイン拡張計画あり(+1200万t)輸出権2,400万t/年相驪ニは論文等情報の収集をはじめ、米サービス企業との共同研究8やフィールドにおける実証試験を進めながら中国に適した開発手法を模索中である。 中国の北米シェール事業への投資は主に投資リターンの追求(企業規模拡大)やシェールガス商業開発の実態把握(知見の蓄積)といったビジネスマインドに立って行われていると思われる。百万Btuあたり1ドル以下で取得が可能な北米シェールへの投資はリスクもあるが、自国に安定した収益基盤のある中国国有石油企業にとり魅力的な投資対象であろう。 INOPEC:Devon陸上シェール事業への参加(同社初の北米シェール事業への進出) S2011年12月31日、SINOPECは、22億ドルを投じ、米Devonが米陸上で手掛ける5件(Niobrara、 Mississippian、Utica Ohio、Utica Michigan、Tuscaloosa)のシェールガス・タイトオイル鉱区を共同で開発することについて合意した9。本件はSINOPECにとり初の北米シェール・タイトオイル事業への進出である。22億ドルのうち3割はキャッシュ、残りは将来の掘削費のためのファンドへの拠出である。2012年5① ShellのGroundbirchシェール鉱区 (北米非在来買収+メジャーとの提携) ShellとPetroChinaは中国や豪州など中国内外のガス事業における提携を盛んに行っている。 2012年1月、Shellのカナダ British Columbia州北部に位置するGroundbirchシェール鉱区権益の20%を10億カナダドルで買収した。ShellによるとGroundbirchの現行生産量は125MMcfdだが1Bcfdへの増産が見込める。PetroChinaは技術移転も今回の契約の重要な要素と指摘している。 月に買収は完了している。 etroChina P nergy_Firms_Launch_LNG_Canada.htm 8 SPE2012においてHalliburtonとPetroChinaは四川Qiongzhusiシェール層の開発ヒストリーについて共同発表“Search for Unconventional Gas in Asia Pacific Region: Chinese Cambrian Age Marine Qiongzhusi Shale Gas Play: Case History, Operation, and Execution”(SPE159227) 9 http://www.sipc.cn/english/News/news/213.shtml Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表3:中国企業の北米シェール事業への進出 各社ウェブ等により作成、買収額は負債や将来の開発費負担を含むことがある ② EncanaのDuvernayシェール(北米非在来資産買収) 2012年12月、カナダ最大の天然ガス生産者EncanaとPetroChinaはEncanaのアルバータ州北西部Duvernayシェールにおける提携で合意した。PetroChinaの100%子会社Phoenix Duvernay GasとEncanaとの間で50:50の合弁契約を締結した10。PetroChinaは21.8億カナダドルでEncanaが保有するDuvernayシェール(未開発エリア)の49.9%を21.8億カナダドル(約1,900億円)で取得した。取引完了時に11.8億カナダドル、残りの10億カナダドルは今後4年間の開発費用の半分に相当する。EncanaによるとDuvernay地域の資源は液体成分が豊富で原始埋蔵量は90億boeの見込みである。 PetroChinaは2011年にEncanaとPetroChinaはカナダBritish Columbia州北東Cutbank Ridgeシェールの開発について54億5000万ドル(約4,600億円)を投じEncanaと50:50のJVを設立し、開発することで一旦合意したが交渉は決裂し、買収は成立しなかった。 10 http://www.encana.com/news-stories/news-releases/details.html?release=726812 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 国対象鉱区中国企業売り手合意米国Eagle FordCNOOCChesapeakeEnergy2010年2月権益33.3%(10.8億ドル)米国NiobraraCNOOCChesapeakeEnergy2011年2月権益33.3%(12.7億ドル)米国Niobrara、Mississippian、Utica Ohio、Utica Michigan、TuscaloosaSinopecDevonEnergy2012年1月権益33.3%(25億ドル)カナダGroundbirchPetroChinaShell2012年1月権益20%(10億ドル)カナダHorn River/CordovaCNOOCNexen2012年7月企業買収(約179億ドル)カナダDuvernayPetroChinaEncana2012年12月権益49.9%(約22億ドル)米国West Texas horizontal WolfcampSinochemPioneer Natural Resources2013年1月権益40%(17億ドル)米国Mississippi Lime unconventional SinopecChesapeakeEnergy2013年2月50%(10.2億ドル)?総送L石油企業はLNG売買契約と上流権益取得のパッケージについて豪州で積極的に行っている。豪州側が上流やジョイントベンチャー権益付与をはじめ柔軟な条件を提示していることがその理由であると思われる。現在の長期契約(約4,500万トン/年)とLNG受入基地建設のペースから、2020年時点の中国のLNG輸入は豪州が過半を占める可能性がある。また、PetroChinaはShellと共同で上流(CBM)企業の買収(2010年Arrow Energy、2011年Bow Energy)を行った。時期は未定だが、現在CBM- LNG事業(1期は400万トン×2トレイン、最大4トレイン1,800万トンの増強計画あり)を共同で進めている。11 この他、2013年3月にCNPCはEniからモザンビーク深海ガス田の上流権益を取得(EniのEast Africa子会社株式28.57%を 42.1億ドルで買収することにより、モザンビークArea4権益の20%を間接的に取得12)したが、これはいずれLNG売買契約と結びつくかもしれない。 2)LNG売買契約と上流権益取得のパッケージ ( 図3:中国のLNG国別輸入(2012年実績と2020年見通し) 出所:China LNG Weekly他各種情報にもとづき作成(2020年は長期契約と基地建設状況にもとづく) CNOOC:豪Curtis LNG(追加取得) 2012年10月、CNOOCは19.3億ドルを投じBGと同社ポートフォリオLNGの購入(2015年以降500万t/年×20年)について合意した。同時に豪クイーンズランド州Curtis LNG Train1権益40%の取得な 11 http://www.arrowenergy.com.au/projects/arrow-lng-plant 12 http://www.eni.com/en_IT/media/press-releases/2013/03/2013-03-14-eni-sells-20perc-share-in-mozambique Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 豪州54%マレーシア6%インドネシア5%カタール20%PNG4%Totalポートフォリオ3%スポット9%LNG国別輸入2020年(現在の契約)豪州24%マレーシア13%インドネシア16%カタール34%その他13%LNG国別輸入(2012年)轤ムに上流権益の追加取得で合意した。CNOOCは2010年にBGとCurtis LNGの売買契約( 360万トン×20年)時にトレイン1の権益10%ならびにSurat Basinの上流権益5%を取得しており、今回の追加取得でトレイン1の権益は50%にSurat ・ Bowen Basinの上流権益は25%となった。この他LNG船2隻の建造についても合意した。 PetroChina、BHP Billitonと Browse LNGの権益取得で合意 2012年12月、PertroChinaはBHP Billitonから西豪州Browse LNGに関する保有権益を約16億ドルで買収することで合意した。同時にEast Browseの権益8.33%とWest Browseの権益20%を取得する。Browse LNGはWA州沖合Browse堆積盆内の3ガス田Calliance、Brecknock、Torosaを供給源とし、同州キンバリー地区James Price Pointに液化設備(400万t/年3トレイン計1,200万t/年、最大2,500万tまで拡張可能)を建設する計画である。最終投資決定は2013年上半期の予定でBHPの他、Woodside、Shell、BP、MIMI(三井・三菱)が参加している。PetroChinaにとりBrowseへのアプローチは2回目である。2007年にWoodsideとLNG引取(200~300万t×15~20年)についてkey terms agreement(仮契約)を締結したが、2009年12月31日に失効していた。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 中国企業対象事業売り手合意時期合意事項CNOOCクイーンズランド州Curtis LNG(CBM)BG2010年3月LNG引取(トレイン1から360万t/y×20年)、トレイン1権益取得(10%)、上流権益(Surat Basin)取得(5%)SinopecAustralia Pacific LNG (CBM)ConocoPhillips/Origin2011年3月(11年8月契約)LNG引取(トレイン1から430万t/y×20年)、JV権益15%取得SinopecAustralia Pacific LNG (CBM)ConocoPhillips/Origin2011年12月(12年1月契約)追加取得LNG引取(トレイン2から330万t/y×20年)、JV権益10%取得CNOOC豪クイーンズランド州Curtis LNG(CBM)BG2012年11月追加取得BGポートフォリオLNGから500万t/y×20年トレイン1権益追加取得(→50%)、上流権益追加取得(Surat・Bowen Basin→25%)PetroChina西豪州BrowseLNGBHP 2012年12月JV権益10.2%取得、上流権益(East Browse8.33%とWest Browse20%)を取得メジャーズは資産ポートフォリオの見直しを行い、中核的な事業から外れる資産を積極的に売却し、優良な資産に人材や資金を集中させる戦略を取っており、需要と資金力のある中国をはじめとするアジア企業がその受け皿となっている。 SINOPEC:Totalナイジェリア深海資産の買収 2012年11月、SINOPECはTotalとOML138(Usan油田)権益20%を25億ドルで買収することについて合意した。Usan油田のプラトーは18万b/d、現在9~12万b/dを生産中である。OML138は利権契約でNNPCが利権ホルダーであり、その他のパートナーはChevron・Exxonが各30%、CNOOCの買収したNexenが20%を保有している。CNOOCとSINOPECを合わせOML138の中国企業保有権益が40%に達することになる。 NPC:Totalと共同でタジキスタン天然ガス探鉱鉱区への参加 (メジャーとの提携+上流権益取得+ Cパイプライン投資構想) 2012年12月、TotalとCNPCはタジキスタンAmu Darya 堆積盆のBokhtar Block (オペレーターはTethys Petroleum)に共同でファームイン、天然ガス共同探鉱に乗り出す。TotalとCNPCはそれぞれ33.3%、取得額は合計6,000万ドルである。Tethysは2008年にBokhtar Blockについて25年のPS契約を締結。Tethys Petroleum によると同鉱区のgross unrisked mean recoverable resourcesは275億boe(ガス114Tcf、oil85億bbl)とのことである。 2013年2月、TotalはタジキスタンのAmu Darya(アムダリヤ)堆積盆で生産した天然ガスについて中国が同国向けパイプラインを建設することを検討していることを明らかにした13。CNPCは本件について明言していないが、中央アジアパイプライン(トルクメニスタン~ウズベキスタン~カザフスタン)に次ぐ中央アジアからの新たな供給につながる可能性があり注目している。中央アジアパイプラインは総延長約2,000km、設計輸送能力400億m3/年、現在約200億m3/年までランプアップ。現在複々線化(1,840km、250億m3/年を進めている。現在の主な供給源はトルクメニスタンのアムダリヤ堆積盆で生産した天然ガ 13 International Oil Dairy2013/2/15 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表4:豪州における最近のLNG売買契約・上流権益取得 (3)メジャーズ売却資産の購入や提携 各種情報にもとづき作成 Xである。 ちなみにCNPCは2011年9月にアフガニスタンで行われた入札でアムダリヤ堆積盆Kashkar(1,723Km2)、Bazarkhami(1,103Km2)、Zamarudsay(1,723Km2)の3鉱区を落札した。2012年12月に原油生産を開始した模様である。14またCNPCはアフリカのチャドやニジェール同様、石油契約と同時に製油所建設についても合意した模様である。アフガニスタンのWatan GroupとJVを組み、北部Sar-e Pul(サリプル)・Faryab( ファリヤーブ)州に製油所を建設する計画を進めている15。 米地質調査所(USGS)は2006年の資源スタディにおいてアフガニスタン北部の未発見資源量を原油16億bbl、天然ガス15.7Tcf、NGL5.62億bbl(Mean値)と評価している。CNPC参加鉱区で商業規模の天然ガスが発見された場合、中国向けのパイプライン建設計画が立ち上がる可能性がある。 4)地域子会社の買収や買収先を通じた企業(資産)買収 (SINOPEC:買収先Addaxを活用し企業買収 図4:中央アジアパイプライン 2012年7月、SINOPECは2009年に買収したAddaxを通じTalisman Energyの英国子会社Talisman 14 中国商務部 15 東西貿易通信社East & West Report2012/1/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 nergy(UK)の49%を15億ドルで買収した16。SINOPECは2009年にスイス企業Addax(設立1994年)を88.19億ドル(約8,000億円)で買収した。その後、Addaxを通じ2011年にはPecten(Shell)のカメルーン資産を買収し、2012年にはTalismanEnergyの英国子会社買収を実施するなど精力的な資産買収を展開している。職員数は約1,000名で、スイスに本部、米ヒューストンに技術サポートセンターを有している。現在ナイジェリア、イラク(クルド地域のTaqTaq油田)、カメルーン、ガボンで操業中であり、生産量は2007年の12万6000バレル/日から2012年には18万8000バレル/日に増加した。 SINOPECは今後SIPCだけでなく、Addaxなど買収先を活用した国際展開を行うのであろうか。SINOPECの今後の対外投資の方向性や地域展開を考える上で興味深い動きである。 中国は最近前述の中央アジアや中南米やなど、上流権益保有国におけるパイプライン投資交渉を進めており、中国向けの供給ルート開拓につながる動きとして注目している。 中国は2012年に中南米から日量約56万バレルの原油を輸入、中国の輸入全体に占める比率は約1割である。中南米地域からの原油輸入はベネズエラ・ブラジルを中心に2004年以降増加傾向にある。中南米の原油は輸送費がかかり経済的とは言えないが、中国は原油輸送の8割以上がマラッカ海峡を経由すること(シーレーン)への懸念が強く、調達ルート多様化の一環として中南米原油への投資や貿易をあえて選好している感があった。しかし最近はこの中南米における権益原油について合理的な販路を5)上流権益保有国におけるパイプラインなどの中・下流投資 (Sinochem:コロンビア中部~太平洋原油パイプライン(基本合意) 構築することにより経済性を高めようとする動きが見られる。 2012年5月、コロンビアEcopetrolとSinochemならびに中国国家開発銀行は、コロンビア中部と太平洋側を結ぶ原油パイプライン建設の可能性についてスタディを行うことで基本合意した。ルートは決定していないが、全長1,400kmで、Arauca 、Norte de SantanderとTumacoを結ぶ。コロンビア原油とベネズエラ原油各30万b/dを輸送する計画で2017~18年完成予定である。 etroChina:Trans-Panama(パナマ横断)パイプラインの買収(交渉中) P 2012後半からPetorChinaはパナマ共和国のTrans-Panama パイプラインの買収についてPetro terminal de Panama (PTP)と交渉を行っている。同交渉にはパナマ外務省やパナマ国営銀行も関与して 16 http://www.talisman-energy.com/operations/other_areas/north-sea/uk.html Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 「る模様である。同パイプラインはパナマを横断し、貯蔵設備や深海港湾設備に接続しており、PetroChinaは買収の理由について国外で生産した原油の経済性(合理的な販路開拓)やセキュリティの向上、ベネズエラからの原油輸入増加を目指すためとしている17。 ? さいごに.~調達の多様化 ~備えあれば憂いなし?~ 最近中国がロシアと原油や天然ガスの増量で合意間近というニュースが話題になった。確かに中国にとりロシアの原油と天然ガスは重要なソースだが、本稿で見てきたように中国国有石油企業はロシア以外の地域においても同時並行で投資を進めている。 中国はシーレーンへの懸念も含め元々供給途絶への危機感が高いが、ここ数年さらに危機感を高める状況が発生している。2011年にはアラブの春でリビアからの供給が2割強(約10万バレル/日)落ち込み(2012年には2010年レベルに回復)、2012年にはスーダンと南スーダンが石油収入の配分や国境を巡り係争となり、両国からの原油供給が前年の5分の1(約20万バレル/日減)にダウンした。これらの事象は中国が調達多様化に向かう原動力の一因となっていると思われる。 中国の調達行動や対外投資全てを経済合理性で説明することには無理があるが、個別のプロジェクトを見ていくとビジネスマインドに立ち、経済合理性を追求しているものが多い。 中国国有石油企業の対外投資は中国政府の指示に基づいて行われているというイメージがあり、それを変えるには時間がかかると思われる。中国国有石油企業は自らの対外投資行為が政治的目的ではなくビジネスマインドに沿ったものであることを辛抱強く説明し、イメージ一掃に努めながら今後も対外投資を拡大していくと思われる。 17 International Oil Dairy 2013/2/25 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }5:中国、石油天然ガス調達の多様化 図6:中国の原油輸入相手国と対前年比増減(2012年、一部抽出) 新華社China OGPにもとづき作成 JOGMEC作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Trans Panama Pipeline(中南米原油)カナダのオイルサンドロシアの原油豪CBM-LNGタジキスタンのガスロシアのガスカナダのLNGミャンマーパイプライン(中東原油)東アフリカのLNG-30-20-100102030万b/d蛯ネ資料: 米エネルギー省 Canada Country Analysis Briefs、International Energy Outlook2011 カナダ・アルバータ州「オイルサンド産業の最新動向」 https://www.albertacanada.com/japan/documents/AOSIQU_Spring_2012-J(1).pdf CNOOC Canada (http://www.cnooccanada.com/) 米USGSアフガニスタン北部石油資源評価:Assessment of Undiscovered Technically Recoverable Conventional Petroleum Resources of Northern Afghanistan http://pubs.usgs.gov/of/2006/1253/of2006-1253.html カナダ太平洋岸LNG開発の現状 (2012年8月JOGMEC石油天然ガス資源情報・市原) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 |
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