ページ番号1004342 更新日 平成30年2月16日

着実な生産増を目指すブラジル

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レポートID 1004342
作成日 2013-04-15 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
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年度 2013
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2013/4/12 調査部:舩木弥和子 着実な生産増を目指すブラジル (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas、Business Monitor International他) 1. Petrobrasの新5ヵ年計画は、総投資額が2,367億ドル、ブラジル国内の石油生産目標が2016年250万b/d、2017年275万b/d、2020年420万b/dと、前5ヵ年計画と大差ない内容となった。ただし、探鉱・生産部門向けの投資額は前5か年計画より4%増えて1,475億ドルとされ、探鉱・生産部門重視の傾向が窺われる。 2. 生産量の伸び悩みと需要急増から石油輸入を続けるブラジルであるが、輸入した石油をブラジル国内では購入した価格よりも安い価格で販売しており、その逆ザヤを Petrobrasが負っている。Petrobrasは資金調達のためブラジル国内外の資産売却を進めようとしているが、計画通りには進んでいない。2013年はメインテナンス等により生産増は難しいとされているが、その後プレソルトの油田からの生産が増加していけば、Petrobrasの状況も好転するのか、今後が注目される。 5月14、15日に11堆積盆地の289鉱区を対象に実施される第11次ライセンスラウンドには、ブラジル企業19社、米国企業8社、英国企業6社、日本企業及びカナダ企業各5社等18か国71企業が関心を示している。ロイヤルティ配分法は3月15日に成立したが、産油州が同法は憲法違反であると主張、最高裁判所に同法の撤回を申し立てた。Rio de Janeiro州の申し立てに対して、最高裁はロイヤルティ配分法の差し止め命令を発表しており、今後の動向が注目される。 3. 1.Petrobras新5か年計画 3月15日、Petrobrasは新5ヵ年計画Business and Management Plan (BMP)2013-2017を発表した。 5年間の総投資額は2,367億ドルで、2012年6月に発表したBMP 2012-2016の2,365億ドルとほぼ同水準となっている。このうち、探鉱・生産部門向けの投資額はBMP 2012-2016より4%(57億ドル)増えて1,475億ドルとされた。一方で、他の部門への投資額は、下流部門が648億ドル(前5ヵ年計画より7億ドル減)、ガス・電力部門が99億ドル(同39億ドル減)、配給部門が32億ドル(同4億ドル減)、バイオフュエル部門が29億ドル(同9億ドル減)と削減されることとなった。年々削減される傾向にあった国外への投資額は、BMP 2012-2016の107 億ドルよりさらに大幅に削減され、51億 図1. Petrobras5カ年計画BMP2013-2017投資額内訳ドルとなっている。 (出所:Petrobrasホームページ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - etrobrasは、これまでの5カ年計画でも探鉱・生産部門重視の姿勢を示し、投資額ばかりでなく、総投資額に占める探鉱・生産部門の割合も2010年の5か年計画以降、53%、57%、60%と増加させてきていた。今回のBMP2013-2017では、2020年にかけ生産量を大幅に増加させるための投資 図2.Petrobras5カ年計画投資額推移 であるとし、総投資額の約 (Petrobrasホームページより作成、単位:億ドル) 2/3にあたる62.3%を探鉱・生産部門に投じるとしている。探鉱・生産部門向けの投資額のうち73%は生産開発に、16%は探鉱に、11%はインフラストラクチャー他に投じられる。探鉱投資の30%、生産・開発投資の68%がプレソルトとTransfer of Rights(2010 年に新たに発行した株式と引き換えに政府より権益を取得したサントス盆地プレソルトのFranco 等の鉱区)に向けられる。 図3.探鉱・生産部門への投資額の内訳 図4.探鉱・生産部門への投資額のエリア別内訳 (出所:Petrobrasホームページ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 図5.Petrobras BMP2013-2017生産目標 (出所:Petrobrasホームページ) PetrobrasはBMP2012-2016との継続性を重視した結果、BMP2013-2017の総投資額に大きな変更を加えなかったのと同様に、生産目標についても変更は行わなかったとしている。ブラジル国内の石油・NGL生産目標は、2013年が2011年の生産量202.2万b/d±2%、2016年が250万b/d、2017年が275 万b/d、2020年が 420万b/dとされている。Petrobrasによれば、2013年から2015年にかけて11の新生産ユニットが操業を始め、Petrobrasの生産能力は145万b/d増加する。2016年と2017年にはプレソルトとTransfer of Rightsのほとんどのプロジェクトが生産を開始し、生産量は増加、2017年にはプレソルトが総生産量の35%、Transfer of Rightsが7%を生産することになる。天然ガスを含めた生産目標は2016年が300万boe/d、2017年340万boe/d、2020年520万boe/dで、これについてもBMP 2012-2016から変更はなかった。 図6. Petrobras BMP2013-2017生産目標エリア別内訳 (出所:Petrobrasホームページ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - ROEF PROCOP Campos Basinの生産システムの操業効率を改善し、ロスを減らすことで、石油生産目標達成を確実にする。 生産量を増やしコストを削減することで、操業支出を2013 年から 2016年の4年間で320億レアル節約する。 PRODESIN ブラジル国内及び国外の資産を売却する。99億ドルを調達することを計画している。 INFRALOG 2020年までに必要なインフラストラクチャーを確実に調達するため、プロジェクトの計画、モニタリング、経営を統合、シナジー効果等により投資額を削減する。 BMP2013-2017の総投資額の32%を占める坑井のコストを削減する。掘削リグ数を増加させる。 PRC-Poco 表1. Petrobras が実施している5つのプログラム (Petrobrasホームページより作成) なお、Petrobrasは2012年より、5ヵ年計画を実現するために表1に示した5つのプログラムを実施しているが、BMP2013-2017でもこれらのプログラムを継続するとしている。 また、この5か年計画の中でPetrobrasは、2012年1月から2013年2月までの14か月間に53油田(25油田が沖合(うち15油田はプレソルト)、28油田が陸上)が発見され、成功率はブラジル全体で64%、2006年にCampos BasinのAlbacora Leste油田P-50プラットフォームの生産が開始されたことにより、ブラジルは間もなく石油自給を達成できるとみられていた。しかし、既存油田の生産が著しく減退し、プレソルトの新規油田の生産が予定していたほどには増加しないために生産量は伸び悩み、その一方、好調な経済状況を背景に石油需要が急増し、製油所の精製能力も不足している。このような状況から、ブラジルは石油輸入を継続しているが、インフレ対策のためブラジル国内での石油販売価格を急激に引き上げることができないので、2010年末以降国際価格で輸入された石油は、ブラジル国内ではそれよりも安い価格で販売されており、その逆ザヤをPetrobrasが負担している。2012年から2013年にかけては、降水量が少なく、水力発電用貯水池の水量が減少し、発電量を補うためブラジルはLNG輸入量を増加させた。ブラジルのLNG輸入価格は12~18ドル/MMBtuで、PetrobrasはこのLNGの輸入による逆ザヤも負うことになった。Petrobrasの2012年の業績は利益が212億レアルと過去8年で最低になったが、このような状況が主な原因となっている。Petrobrasはガソリンとディーゼルの元売り価格を引き上げることで事態改善を図っているが、投資に振り向けるキャッシュフローを増やすことができていない。 Petrobrasは、また、資金調達のためブラジル国内外の資産売却を計画している。2013年2月にはPetrobrasがアルゼンチンに保有する資産(製油所、パイプライン、SS)を4億ドルで売却することについてアルゼンチン企業Oil Combustiblesと交渉の最終的な段階にあると報じられた。沖縄の南西石油の製油所(精製能力10万b/d)の売却についてもシンガポールの企業と交渉を進めており、シンガポールのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - プレソルト82%であったとしている。 .Petrobras新5か年計画の背景 2驪ニからは6.5億ドルの買収額を提示されていると伝えられている。Petrobrasは3月には、ナイジェリア資産(Agbami鉱区の権益の8%、Akpo プロジェクトの権益の20%、資産価値50億ドル程度)を売却する計画を明らかにした。しかし、米国テキサス州のPESADENA製油所は販売価格が低すぎるとの指摘を受けて、売却を断念、同じく米国メキシコ湾のリース権益売却は難航している。Foster CEOは、資産売却の進展が遅いことについて、同社は国外での資産買収経験は豊富であるが、資産売却の経験は乏しいとその理由を述べている。資産売却目標額は、BMP2012-2016では148億ドルとされていたが、BMP2013-2017では99億ドルに減額されている。 Petrobrasはこれまでの5ヵ年計画ではブラジル国外についても石油、ガスの生産目標を明示していたが、BMP2013-2017にはこの記載がなくなった。さらに、ブラジルでの探鉱・生産以外は、追加プロジェクトは無しともしており、厳しい財務状況下、同社がブラジルの上流部門に集中する方針であること、集中せざるを得ない状況がうかがわれる。 もともとPetrobrasは、毎年更新する5か年計画を計画開始の前年に発表していたが、プレソルトで油田が発見された後は、計画策定に時間を要するようになり、発表時期が計画開始年の中ごろまでずれ込んでいた。今回は、3月と過去数年にない早い時期の発表となったことに加え、投資額や生産目標に大きな変更がなかったことから、生産の伸び悩みや財源の確保に手を焼き苦境に立たされたPetrobrasが、BMP2012-2016にほとんど手を加えずにそのまま発表したのではないかと指摘する向きさえある。 表2.Petrobras5か年計画発表時期 増大する債務返済と設備投資の財源を確保しなくてはならないPetrobrasだが、5年ぶりに実施されるライセンスラウンドに向けてさらに資金を集める必要もある。そのブラジル上流では2013年まではメインテナンス等により生産増は難しいとされるが、プレソルトの油田からの生産が本格的に始まれば、生産量は増加し、収益構造にも変化が生じるとみる向きもある。2013年の1年を乗り切れれば、事態は改善に向.ライセンスラウンド及びロイヤルティ配分法案関連の最近の動向 3かうのだろうか、進展が注目される。 5月14、15日に11堆積盆地の289鉱区を対象に実施が予定される第11次ライセンスラウンドには、ブラジル企業19社、米国企業8社、英国企業6社、日本企業及びカナダ企業各5社等18か国71企業が関心を示している。PQ取得企業の最終リストは15日に発表される予定だが、ANPはすでにこのうちBG、Shell、Total、GDF Suez、Conoco Phillips等30社にライセンスラウンドへの参加を認めた。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - 、上鉱区のみを対象とした前回の第10次ライセンスラウンドではPQ取得企業数は、48社であったのに対し、今回は71社が関心を示しているが、これは2008年以降ライセンスラウンドが行われていなかったことや、対象鉱区に赤道付近の北東部沿岸部が含まれることなどが理由であると考えられる。 2013年11月にはプレソルトのライセンスラウンドが実施される予定であるが、このライセンスラウンドで対象とされるプレソルトの鉱区については全てPetrobrasが権益の30%以上を保有しオペレーターとなることとなっている。それに対し、第11次ライセンスラウンドで公開される鉱区であれば、生産量が伸び悩み、財務的にも厳しいPetrobrasと組む必要がなく、そのために今回の入札に参加しようという企業が多かったのではないかとの見方をする向きもある。 ロイヤルティ配分法については、石油を生産しない州にもより平等にロイヤルティを配分する方式を、今後締結される契約だけでなく、既存のコンセッションにも適用するか否かで、産油州と非産油州が対立を続けている。2013 年3月7日に議会が、産油州に配慮したRouseff大統領の拒否権を覆す投票を行ない、15日にRousseff大統領がこの法案に署名し、法律が成立したが、石油を産出するEspirito Santo、Rio de Janeiro、Sao Pauloの3州は同法が憲法違反であると主張、最高裁判所に同法の撤回を申し立てた。このうちRio de Janeiro州の申し立てに対して、最高裁は18日、ロイヤルティ配分法の差し止め命令を発表した。政府は、ロイヤルティ配分法の行方がライセンスラウンドに影響を与えることはないとしているが、今後の動向が注目される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 -
地域1 中南米
国1 ブラジル
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ブラジル
2013/04/15 舩木 弥和子
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