ページ番号1004352 更新日 平成30年2月16日

フローティングLNGへの期待と最近の動向

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レポートID 1004352
作成日 2013-06-04 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術
著者
著者直接入力 永井 一聡
年度 2013
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ページ数
抽出データ 更新日:2013/05/20 調査部:永井 一聡 フローティング LNGへの期待と最近の動向 (各社ホームページ、各種報道、他) ○浮体式洋上天然ガス液化設備(Floating LNG、以下FLNG)に注目が集まっている。 ○Shellが世界初のFLNG(オーストラリアPreludeプロジェクト)に投資決定をして2年、競合他社もFLNGを適用するプロジェクトを続々と立ち上げようとしており、本年4月にはついにExxonMobilがオーストラリアScarboroughガス田の開発プロジェクトにて世界最大のFLNGを計画していることを発表した。 ○FLNGは、いまだ操業の実績はないものの、「洋上で採掘・液化・出荷が可能」「現地建設作業がほぼ不要」「他地点への転用が可能」といった特性から、これまで開発の手をつけにくかった様々な案件でのブレイクスルーになりうるスキームとして考えられている。 ○一方、一体型の洋上構造物であることから、万が一の際の損害額が莫大になるリスクも内在している。 ○このようなFLNGの特性について述べるとともに、様々な背景からFLNGを開発スキームとして計画・検討しているプロジェクトの動向について紹介する。 .はじめに 1フローティング LNG(Floating Liquefied Natural Gas:FLNG)とは、LNG 版FPSO(Floating Production, Strage and Offloading)の通称であり、洋上で天然ガスを精製・液化・貯蔵・積出を行う浮体式の生産設備である。 開発の歴史は意外と古く、1980年代からそのコンセプトが提案されており、これまで実用化に向けた課題について多くの検討がなされてきている。しかしながら、実物の建造はなされておらずオペレーションの実績はいまだない。 技術的な面での机上検討がほぼ成熟を迎え、ようやく2011年5月にShellが世界初のFLNGとなる Preludeプロジェクトの最終投資決定がなされた。こちらについては現在各モジュールの建造に入っていると思われるが、その後他社からもFLNGプロジェクトが相次いで発表され、現在では全世界で10を超えるプロジェクトがFLNGをメインスキームとして計画・検討されている。 米国のシェールガス革命とこれに伴う非在来型ガス由来のLNGプロジェクトに注目が集まる昨今であるが、FLNGについても、これまでストランデッドガス田(Stranded Field:既発見であるが投資採算性などの面から開発が行われていないガス田)とされてきた陸地からの距離が遠い沖合や大水深の洋上ガス田の開発スキームとして非常に大きな期待を集めている。また、開発コストや環境影響のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? ハでも、陸上プラントと比較して遜色はないとされ、地域的な特性とのマッチングによっては大きな優位性を持つと考えられている。 図 FLNG本体イメージ (出所:Technipホームページ) 図 FLNG採掘イメージ (出所:Technipホームページ) .FLNG設備概要と特性 2(1)FLNGの構造 FLNGは船体構造の躯体であり、洋上のサイトに係留(固定)される。 陸上の液化プラントと同様のプロセスから成り、基本的には下記の図のような構成を取る。本体の上部(topside)に前処理設備及び液化設備が配置され、コンデンセートの分離、天然ガスの前処理及び液化が行われる。液化トレインは複数系列配置される場合もある。生産物は、本体内部にあるLNG、LPG、コンデンセートタンクに一時的に貯蔵された後、各運搬船(LNG船、LPG船、油槽船)に適宜積み込まれ、出荷される。ただし、原料ガスの性状によっては、コンデンセート処理設備が縮小可能で、LPGタンクも設置されない(ガス田からのガスがリーンな場合やパイプラインガスを液化する場合など)。コンデンセート処理設備が縮小出来れば、デッキ上の設備構成は非常にシンプルなものとなり、デッキスペースの拡大により安全性向上ないしスペースの有効活用も見込める。 原料ガスは海底ガス田から引き込むことが基本となるが、Excelerate社が北米メキシコ湾で計画しているFLNGのように、陸上パイプラインガスを原料ガスとして引き込むものもある。FLNGは主に洋上ガス田を開発する場合のソリューションとして想定されるが、このように陸上プラントの代替として採用するケースでも後述するFLNGの特性により、有利なスキームになりうる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? ^レット係留 ガス処理 液化設備 出荷設備 コントロール室 居住区 コンデンセート タンク LPGタンク LNGタンク ユーティリティー (発電・蒸気) 海面 マニホールド 井戸 井戸 海底 海底生産システム 図 FLNG概略図 (出所:JOGMEC資料) 2)液化プロセス ( FLNGでは、洋上、しかも限られたスペースの中で全てのプロセスを構築するため、液化方式の選定にも考慮しなければならない点がいくつかある。 ①波浪による揺れが液化プロセスに与える影響 ②火災発生時の被害拡大のリスク ③生産物・冷媒等のプロセス流体が漏えいした際の外部環境への影響 結論から言うと、、各プロジェクトの特性(規模、気象、設備全体バランスなど)に合わせて最適な液化方式を採用することになる(実際FLNGの計画を持つ各社ごとに採用する液化プロセスは様々)が、液化プロセスの違いによるFLNGとの兼ね合いは以下のようなものとなる。 冷媒の安全性から言うと不燃性の窒素を用いるN2エキスパンダー方式が最も安全性が高いとされる。また、冷媒がガス体であり、気液二相流を形成しないため、波浪による揺れにも強いとされている。ただし、液化効率は低い。この液化効率を向上させるために、窒素冷媒に臭化リチウム水溶液を用いた吸収式冷凍機を組み合わせたプロセスも開発されている。 Shellは、DMR(Double Mixed Refrigerant)方式をFLNGに採用すると見られている。こちらは混合Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 笏}方式の特徴である高い運転効率を有しながら、C3-MR(propane pre-cooled mixed refrigerant)方式よりも可燃性流体であるプロパンの保有量が少なくてすむため、安全性を高めている。 他には、SMR(Single Mixed Refrigerant)方式の採用を検討しているプロジェクトもあり、こちらは設置機器が少なくプロセスもシンプルであるため、スペースの有効活用やトレインを複数設置すること FLNGからLNG船へLNGの積み出し(ローディング)を行う場合の接続方法は、サイドバイサイド(横付)方式とタンデム(直列付)方式が想定されている。LNGの移送には、ローディングアームもしくはフレキシブルホースが用いられる。 サイドバイサイド方式においては、陸上ターミナルの岸壁に係留する場合と同様、係留索を用いてLNG船をFLNGの船体に固定して係留する。 気象海象条件が厳しい場合は、タンデム方式のほうが安全性が高いとされている。タンデム方式の積み出しは、原油生産におけるFPSOにて実績がある。既存のLNG船がタンデム方式でのLNG移送に適合できるかどうかは今後の課題であるが、船尾にマニフォールドを持たないLNG船(側面にマニフォールドを持つ一般的なLNG船)でもフレキシブルホースを接続できる方法が検討されているが、300m以上の長さのフレキシブルホースが必要となるなど、こちらも課題がある。 で生産能力を高めることができる。 3)FLNGにおけるLNGの積み出し (図 サイドバイサイド方式による積み出し (出所:Shellホームページ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? } タンデム方式による積み出し 図 タンデム方式による積み出し (出所:TechnipLNG17発表資料) (出所:TechnipLNG17発表資料) .プロジェクト開発スキームとしてのFLNG 3(1)FLNGの特性 FLNGは、陸上プラントと比較すると以下のような特性を持ち、開発案件とのマッチングによって非常に有効なスキームとして期待される理由となっている。一方、デメリットやリスクも大きいため、こちらも十分考慮する必要がある。 ・洋上ガス田近傍でLNGを生産できるため、原料ガス輸送用のパイプラインコストを低減できる。 ・船体を造船所等で製造し、ほぼ完成した状態で移動・運搬することができるため、現地建設作業をほとんど必要としない。 ・海上浮体式であり、陸上プラントを建設する場合に比べて設置環境への影響が極めて少ない。(ガス田近郊の沿岸がサンゴ礁等の自然保護区域等でも洋上であれば液化プラントを設置できる可能性がある)。環境アセスメントに係る時間も少なく、建設許可が下りるまでのリードタイムの短縮が期待できる。 ・コンデンセート・LPGの抽出が期待できないリーンなガス田でも、逆に船体上のプロセス・設備がシンプルになり、投資採算性の向上を見込める場合がある。 ・ガス田が枯渇し生産が終了しても、他のガス田・プロジェクトに移動させてそのまま液化プラントとして転用することが可能。 ・洋上浮体式であるため、気象海象の地域特性を考慮する必要がある。 (ただし、大型になればなるほど浮体が安定し波浪への耐性が高くなるため、気象海象が厳しいGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? n域では敢えて船体を大型化するという考え方もある。) ・政情リスクや気象海象のリスクが高まった場合、プラントごと撤退・避難することが可能。 (ただし、下記に示す通り損害を受けた場合の損失が大きいため、そもそも政情が不安定な地域での設置は望ましくないかもしれないが) ・全ての関連設備が一つの構造物(船体)になっているため、災害等により損壊し沈没した場合、全設備を一度に失うリスクがある。また、損害額が高額となるため、保険が適用されない可能性が高い。 ・液化能力を100-200万t/年レベルとする場合、船体プラットフォームはLNG船と同じものを使用可能。従って、LNG船をFLNGに改造・転用することも可能。 上記に述べたような特性から、FLNGを適用することが効果的と思われるプロジェクト案件の例を下2)FLNGの適用が効果的な開発案件 (記に述べてみた。 ①陸上からの距離が遠い洋上ガス田 陸上に液化プラントを建設する場合、ガス田からプラントサイトまでのパイプラインが必要となるが、距離が遠くなるとパイプラインコストが大きくなるためFLNGにコストメリットが生まれる。 ②大水深の洋上ガス田 ①と同じく海底パイプラインコストが増加するため、FLNGにコストメリットが生まれる。 ③中小のガス田 中小のガス田の場合生産期間がそれほど長くなく、液化プラント建設費用の回収が難しくなるが、 FLNGの場合は生産終了後に他地点への移動・転用が可能となる。 ④現地コストが高額な地域のガス田 建設における現地作業が少なくなるため、陸上プラントを建設するための現地コスト(人件費、税金)が高額な地域では、FLNGにコストメリットが生まれる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? vロジェクト 国・地域 オペレータ 液化能力 (MTPA) 状況 Prelude オーストラリア Shell/Inpex 3.6 2011.5 FID完了 2017 スタートアップ Scarborough オーストラリア Exxon/BHP 6.0-7.0 2014-15 FID Browse オーストラリア Woodside/Shell 12*1 2014 FID Sunrise オーストラリア /Timor Leste Woodside/Shell N/A 協議中 Bonaparte オーストラリア GDF/Santos 2.0-3.0 2014 FID オーストラリア PTTEP 2.0 Feed 検討中 Cash Maple /他 ガス田 サラワク州Bintulu沖 マレーシア Petronas サバ州沖 マレーシア Petronas Abadi インドネシア Inpex/Shell Lavaca Bay Tamar アメリカ /テキサス Excelerate 1.2 1.5 2.5 4.4 2012.6 FID完了 2015 スタートアップ 2013 FEED完了予定 2013 FID 2018 スタートアップ キプロスとのLNG基地共同開発を含め検討中 /他 東地中海ガイスラエル Noble Energy N/A ス田 Gulf LNG パプアニューギニア InterOil N/A 協議中 Shtokman ロシア Gazprom N/A タンザニア タンザニア BG N/A *1・・・陸上プラントを想定していたときの液化能力 開発オプションの一つ として検討中 開発オプションの一つ として検討中 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 4.最近のFLNGプロジェクト動向 (1)FLNGを計画中または検討中の主なプロジェクト一覧 2)注目すべきFLNG案件 ①Preludeプロジェクト FLNGを世界で初めて採用したプロジェクトであり、2011年5月に最終投資決定がなされている。Shellがオペレータであり、パートナーにはINPEX、Kogas、台湾のCPC Corp が参画している。 FLNG はTechnip/Samsung Heavy Industries 連合が受注しており、現在各モジュール毎に韓国、マレーシアなどで製造されている。最終的には韓国で組み立てられた後、現地に曳航される予定である。LNG 船は同プロジェクトの全期間25 年間に渡って使用される予定であるが、50 年間の使用に耐えうる設計であり、他のフィールドへの転用も検討されているという。 世界初のFLNGということで注目を集めており、本プロジェクトの成否が今後のFLNG開発に影響を与える可能性もあり、引き続き動向を注視したい。 表 Prelude LNGプロジェクトの概要 設備概要 液化設備設置場所 油ガス田 生産能力 FID(最終投資決定) 操業開始予定 長さ488m×幅74m/排水トン数約60万トン Browse Basin(オーストラリア北西部) 西豪州Broomeの北北東約475km(最も近い陸地から約200km) Prelude油ガス田、Concerto油ガス田(合計可採埋蔵量:3Tcf) LNG:360万トン/年、LPG:40万トン/年、コンデンデート:130万トン/年 2011年5月20日 2017年 図 オーストラリア北西部 (Preludeプロジェクト及びBrowsプロジェクト周辺図) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ②Scarboroughプロジェクト ExxonMobilが50%の権益を持ちオペレータを務めるプロジェクトである(パートナーはBHP Billitonであり、こちらも50%を保有)。 2013年4月に、ExxonMobilは世界最大となるFLNG計画を発表した。生産能力は5トレインで700万t/年を予定。なお、原料ガス組成はリーンであるためコンデンセートの生産はないとしている。生産期間は25-35年。生産終了後は他ガス田への転用を見込んでいる。 Preludeプロジェクトも同様だが、オーストラリア北西部はサイクロンが発生する地域であり、浮体の大型化は洋上挙動安定性の向上にも寄与している。 表 Scarborough LNGプロジェクトの概要 設備概要 液化設備設置場所 油ガス田 生産能力 FID(最終投資決定) 操業開始予定 長さ495m×幅75m(現状世界最大) CarnarvonBasin(水深900-970m) Scarboroughガス田(可採埋蔵量:8-10Tcf) LNG:700万トン/年 2014-2015年 2020年 Ecmouthの北西220km 図 Scarboroughプロジェクト周辺図 ③Browseプロジェクト Woodside(権益保有31.3%)がオペレータを務める。パートナーは、BP:18%、Shell:27%、MiMi:14.7%、PetroChina:9%。原料ガス田は、オーストラリア北西洋上の Brecknock field、Torosa field、及びCalliance fieldである。当初はJames Price Pointに1200万t/年の生産能力を持つ陸上液化プラント Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 嚼ンする予定で検討を進めていたが、投資額が450億ドル以上とも言われており、Woodsideはこれを断念した。しかしながら、Shellからの提案により、FLNGを代替案として再検討を行うこととなっている。当初計画ではLNGの生産開始は2017年を予定していたが、このような状況であるため現状は未定となっている。 オーストラリアでは現地人件費の高騰が騒がれているが、これが陸上プラントの建設コストを押し上げる要因にもなっており、FLNGスキームの採用によって現地建設コストを削減することができる。もちろん、海底パイプラインコストを削減できるという効果もあるが、FLNGとすることによる投資額の削減効果は100億ドルとも言われている。 本プロジェクトについても、今後の動向を注視していきたい。 ④マレーシア サラワク州沖FLNGプロジェクト Petronasが主導するFLNGプロジェクトであり、2012年6月に最終投資決定がなされ、操業開始はPreludeより早く2015年を予定している。 原料ガス田はSarawak州Bintulu沖のKanowit、Kumang等の小規模ガス田郡であり、それぞれの埋蔵量は0.1-0.3Tcfといったものである。このような小規模のガス田では、BintuluのMLNG液化プラント向けのパイプライン網に接続しようとした場合、事業採算性が取れない。従って、FLNGというスキームを用いて、小規模ガス田郡を順次移動しながら生産していくという手法での開発になると見られる。FLNGの生産能力は、120万t/年が計画されている。 東南アジア地域沖合には、このような小規模ガス田が複数存在し、FLNGはこれらの開発に有効なスキームとなる。 図 マレーシアSarawak州沖合周辺図 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? ④Lavaca Bayプロジェクト Excelerate Energy が進める米国パイプラインガスの液化プロジェクトである。 本プロジェクトは、 アメリカでの最初のFLNGとなるが、陸上バースに係留固定され、原料ガスはアメリカ国内の天然ガスパイプライングリッドから供給される。 Excelerateは船舶型生産設備をFLSO(Floating Liquefaction Storage Offloading vessel)として提唱しており、本プロジェクトでは操業開始時は1隻を陸上に固定、将来的に2隻目を追加し生産能力を増強するとしている。また、このFLSOの生産能力は汎用型においては300万t/年/隻としているが、本プロジェクトのようにパイプラインガスを原料とする場合、原料ガス前処理設備が不要となるため、液化トレインを追加し400万t/年の生産能力になるとしている。 本プロジェクトは、アメリカ国内のシェールガスを海外に輸出するという意味でも非常に興味深いプロジェクトであり、2017年から諸外国に向けて出荷開始される計画となっている。 同社は既に米国エネルギー省からFTA諸国向けに1000万t/年で20年間のLNG輸出許可を得ている。 表 LavacaBayプロジェクトの概要 設備概要 Excelerateが提唱するFLSO 長さ330m×幅62m(操業開始時は1隻、将来的には2隻へ増強) 液化設備設置場所 原料ガス 生産能力 操業開始予定 Port Lavaca, Texas 南テキサスの天然ガスパイプライン 440万トン/年(増強後は800万t/年) 2018年 図 Lavaca Bayプロジェクトイメージ (出所:Excelerate LNG17発表資料) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 図 Lavaca Bay周辺図 azpromがオペレータを務めるプロジェクトであるが、パートナーのStatoilは当初陸上設備スキームで検討していた本プロジェクトを一度は断念している。しかし、Statoilは、本年4月にFLNGのスキームを代替案としてプロジェクト開発検討に再着手する意向があることを発表した。 Shtokmanのガス田はMurmanskの北東550kmの位置にあり、周辺の水深は340mである。また、北極圏という気象条件の厳しさとも相まって、1988年にガス田が発見されたにも関わらず、その地理的条件の制約から未だ開発されていない。しかしながら、その埋蔵量は、天然ガス3.8Tcm、コンデンセート53.3百万tと見られており、世界最大級を誇る。 Statoilは、FLNGの採用によって投資コストを削減できるとともに、550kmという離岸距離と海底地形が引き起こすコンデンセートの移送に関する問題(気液二相流)を解決できると考えている。また、自身の北極圏の基地操業の経験も活かしつつ、このガス田の開発に活路を見出そうとしている。 図 Shtokman field周辺図 図 StatoilのFLNGコンセプト (出所:Statoil LNG17発表資料) ⑥Gulf LNGプロジェクト InterOil社が主導するパプアニューギニアのガス開発プロジェクトである。なお、パプアニューギニアのLNGプロジェクトは他にExxonMobilが主導するPNG LNGプロジェクトがある。 現状、Gulf LNGプロジェクトは事実上暗礁に乗り上げている状況であるが、当初計画通り進行していれば、世界初のFLNGビジネスとなっていただろう。 しかし、ここで着目したいのはそのビジネスモデルである。 ⑤Shtokmanプロジェクト Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ulf LNG projectは、陸上にあるElk and Antelope 油ガス田の段階的開発の中の一つの事業として位置づけられており、Flex LNG社/Samsumg重工業 がFLNGを用意し、LNG販売の利益の一部を受けとるというビジネススキームであった。FLNGは桟橋に係留固定されて使用され、陸上プラントの建設コストが不要であり、またガス田生産終了後は他地点への転用も可能である。 中小ガス田の開発とLNG市場への新たなプレイヤー参入につながるとも思われたプロジェクトであったが、LNGに関する実績のなさが仇となり、現在はほとんど進捗が見られていない状況となって図 Gulf LNGのイメージ図 (出所:Flex LNGホームページ) 図 パプアニューギニア鉱区と周辺図 いる。 5.まとめ ・これまで投資採算性・技術的困難性から開発されてこなかったガス田(ストランデッドガス田)を含め、洋上ガス田の開発スキームとしてFLNGに大きな期待が集まっている。FLNGを開発オプションとして検討しているものも含めると、現在10以上ものプロジェクトで計画・検討されている。 ・また、その特性から、洋上ガス田ではない案件であっても、陸上ターミナルよりも商業的に有利な開発スキームとして考えられているケースもある。 ・一方、設備が損害(沈没)した場合の損失が莫大になるというリスクも持ち合わせており、現状保険の適用は困難となっている。 ・近年、超大型のFLNGが発表されているが、中小型のFLNG利用によるビジネスモデルにも着目しGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? スい。転用可能という特性を発揮させ、石油メジャーが手を付けない中小規模のガス田開発(洋上とは限らない)が進めば、LNGの供給源の多様化が進展し、LNG価格の低減につながる可能性を秘めている。 ・未だ操業の実績はないものの、技術的な面でも様々な検討がなされており、より具体的な絵姿として描かれつつある。ただし、FLNGからの積み込みを行うLNG船側の対応については、設備面及び運用面での改善とノウハウの蓄積が期待されるところである。 ・今後の天然ガス開発、およびこれに関連する産業(造船・プラント建設等)の流れを変える可能性もあり、その動向は引き続き注視していく必要がある。 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ?
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地域10
国10
国・地域 グローバル
2013/06/04 永井 一聡
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