中国の天然ガスパイプライン整備の現状と計画
| レポートID | 1004357 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-06-21 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-03-05 19:32:42 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 天然ガス・LNG |
| 著者 | 竹原 美佳 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2013 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2013/6/21 調査部:竹原 美佳 中国は2015年に天然ガス消費が現在より1,000億m3程度増加する見通しであり、国内幹線パイプ ?? ? ? ラインやLNG受入基地、天然ガス地下貯蔵などのインフラ整備を急ピッチで進めている。 PetroChinaは天然ガス・パイプライン事業に年1兆円前後を投じ、年4,000kmという信じ難い速度でパイプラインを建設している。中央アジアや新疆など中国西部で生産した天然ガスを上海などの東部や広東、福建など南部の沿海地域に供給するパイプラインの建設ならびにパイプラインの相互接続を図っている。 PetroChinaのパイプライン投資や販売量は年々伸びているが、天然ガス価格統制により、天然ガス・パイプライン事業の利益は減少、2012年には赤字を計上した。 PetroChinaは第3西気東輸パイプライン建設で初めて鉄鋼大手宝鋼との資本提携に踏み切った。安定的な販路確保、投資負担軽減と双方に利点がある。国有異業種企業間の提携は今後も拡大する可能性がある。 ? 中央アジアからの天然ガス供給は現在200億m3/年程度だが、9月に世界有数のトルクメニスタンGalkynysh(南ヨロテン)ガス田1期(250億m3/年)の生産が開始し、今後拡大する可能性がある。 ? ロシアからの天然ガス供給について、2月のCNPCとGazpromの会談や3月の首脳会談においてロシアと中国は天然ガス売買契約(2018年から380億m3/年を30年間)で年内の合意を目指すことを確認した。ロシアは対欧州向けの輸出が減少し、極東向けに販路多様化を進めている。しかしPetroChinaは価格統制で天然ガス事業が赤字という状況の下、ロシアとの大量のガス売買契約に簡単に応じられる状況には見えない。中国は中央アジアでは供給源となるガス田の開発やパイプライン事業に参加しているが、Gazpromは中国に対し供給源となるガス田の開発やパイプライン事業への参加を容認していない。中露は中国国家開発銀行からGazpromへの融資を“先払い”とし、PetroChinaの輸入価格を見かけ上引き下げるスキームについて交渉を行っていると伝えられるが、政治的な力が働けば別だが、企業の角度からは年内に合意する可能性は低いと考えている。 .国内天然ガス消費とパイプライン等インフラの整備状況および計画 1中国は2012年に天然ガスを約1,500億m3 (14.7Bcfd)消費した。現在は天然ガス消費約1,500億m3のうち、7割(約1,100億m3)を国産ガスが供給し、残り3割を輸入LNGと輸入ガスがそれぞれ200億m3供給している。国産ガスの7割は西部(新疆、四川、長慶)で生産しており、パイプラインにより北京、上海、広東などの都市部に供給している(図1)。中国の都市ガス12次五カ年計画による分類および能源統計年鑑によると、2011年には東・南部地域が天然ガスの約5割を消費している。次いで産ガス地域Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 中国の天然ガスパイプライン整備の現状と計画 ワむ西部地区が4割を消費、残り2割は中部と東北地域が消費している。中国の都市ガス12次五カ年計画の分類によると、東・南部地域は北京、天津、河北、上海、江蘇、浙江、福建、山東、広東、海南、西部地域は内モンゴル、広西、重慶、四川、貴州、雲南、チベット、陝西、甘粛、寧夏、青海、新疆、中部地域は山西、安徽、江西、河南、湖南、湖北、東北地域は遼寧、吉林、黒竜江である。 図1:主な幹線パイプラインと輸送能力 中国政府は「エネルギー第12次5ヶ年計画」において2015年のGDP単位当たりのエネルギー消費量を2010年比16%削減し、非化石エネルギー比率を11.4%とする目標を設定している。国家統計局によると2012年のエネルギー消費量は標準炭換算で前年比3.9%増の36.2億トン(以下、tce)であった。現在のペースでエネルギー消費が増加すると2015年時点で目標を超過する可能性があるが、一次エネルギー消費の7割を占める石炭を減らし、再生可能エネルギーやクリーンかつ高効率な天然ガスの利用を拡大し、目標を達成する計画である。エネルギー消費が年率4.3%増加するという前提の下、2015年に一次エネルギー消費は40億tce、石油換算で約28億トン(以下、toe)となる。そして天然ガス消費は2015年に一次エネルギー消費の7.5%(約2,500億m3/年)、2020年には同11%(約3,900億m3/年)Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ノ増加する見通しである。中国は国内パイプライン網、LNG受入基地、天然ガス地下貯蔵などのインフラ整備を急ピッチで進めている(表1)。 表1:中国の天然ガス消費、幹線パイプライン総延長、輸入LNG受入能力、地下貯蔵 *過去の実績や着工状況から2015年時点は7万km程度の見通し **着工中基地の状況から、2015年時点は約4,700万t/y(640億m3)程度の見通し ***払い出し可能量 (1) 幹線パイプライン・輸入LNG受入設備の整備計画 国家能源局が2012年12月に公示した天然ガス発展12次五カ年計画1によると、2011~2015年の間に国内幹線パイプラインを4万4,000km新たに建設し、輸送能力を1,500億m3/年に増強する計画である。また輸入LNGは能源(エネルギー)発展12次五カ年計画2によると2015年までに受入能力を5,000万t/年増強する計画である。計画通りに進むと国内の天然ガスパイプライン総延長は2010年の約4万kmから2015年には8万kmに、幹線パイプラインの輸送能力は2010年の約1,000億m3/年から2,500億m3/年に増加する計算となる。ただし過去の着工実績から、実際の整備は7万km程度にとどまると思われる。またLNGの受入能力は2010年の3基地1,240万t/y(170億m3)から6,240万t/y(850億m3) 1 発改能源【2012】3383号、12年10月24日、公示12月3日 2国発【2013】2号、13年1月1日、公示1月23日 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2010年2012年2015年(12次五か年計画)天然ガス消費1,000億m31,400億m3約2,400億m3幹線パイプライン総延長(輸送能力)4万km(1,000億m3)5万km(1,300億m3)約8万4,000km*(2,500億m3)輸入LNG受入能力1,240万t(170億m3)2,300万t(320億m3)6,240万t**(850億m3)天然ガス地下貯蔵(ワーキングガス***)約20億m3-約257億m3ニする計画だが。着工中のLNG受入基地の状況から、2015年時点では4,700万t/y(640億m3)程度となる見通しである。 (2)天然ガス地下貯蔵設備の整備計画 天然ガス地下貯蔵について、2010年末時点は大港貯蔵庫など北京向けの陝京パイプラインのバックアップとして消費の2%程度(2011年のワーキングガス(払い出し可能量)は約21億m3)にとどまっていた。しかし天然ガス発展12次五カ年計画3によると、2011~2015年の間に811億元(約130億ドル)を投じ24か所(ワーキングガス:257億m3)、消費の1割相当の天然ガス地下貯蔵庫を建設する計画である。PetroChinaが地下貯蔵の建設を全面的に担っており、昨年は東北天然ガスパイプラインのバックアップとして遼寧省に枯渇ガス田を利用した地下貯蔵設備を建設した。現在は西気東輸パイプラインのバックアップとして江蘇、重慶、湖北、湖南省などで地下貯蔵を稼働・建設中である。 2.PetroChinaのパイプライン整備計画 (1)PetroChina:年1兆円、4,000kmの建設ペースでパイプライン網を整備 国内天然ガスパイプライン網の整備を主に担うのは最大の石油・天然ガス事業者PetroChinaである。PetroChina年報によると、同社保有の天然ガスパイプライン総延長は2012年末現在約4万995kmで全国の77%を占めている。同社は天然ガス・パイプライン事業に年1兆円前後を投じ、年4,000kmという信じ難い速度でパイプラインを建設している(図2)。 PetroChinaの第12次五か年計画期(2011~2015年)のパイプライン整備計画は中央アジアや新疆など中国西部で生産した天然ガスを上海などの東部や広東、福建など南部の沿海地域に供給する大口径の第2、第3西気東輸パイプライン建設を主軸に、西気東輸パイプラインの東部と西部の中継地点である寧夏中衛から西南部の重慶や貴州を結ぶ連絡線を建設し、貴州や重慶など西南地域のパイプライン網と西気東輸パイプラインの相互接続(ネットワーク化)を図るというものである。 3 発改能源【2012】3383号、12年10月24日、公示12月3日 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }2:PetroChinaのパイプライン総延長 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 20,00025,00030,00035,00040,00045,0002008年2009年2010年2011年2012年パイプライン総延長(km)901,01687040801,01677440N.AN.A3001,2192,901483001219/10162,90148/401201,0161,161401501,0161,45140PetroChina2013年ミャンマー中国(中国区間)端麗~昆明~貴陽1,727事業者主幹線区間幹線総延長(km)設計輸送能力上段:億m3/年下段:MMcfd稼働開始年パイプ口径上段:mm下段:インチ2010年PetroChina陝京(延伸)秦皇島~遼寧省瀋陽4752010年PetroChina第2西気東輸(コルガス~甘粛省中衛~広東省広州)4,970kmコルガス~中衛2,461km中衛~広州2,517kmコルガス~中衛:2009年末中衛~広州:2011年6月PetroChina大連LNG大連~瀋陽389PetroChina第3西気東輸(コルガス~福州)PetroChina陝京(延伸)(永清~秦皇島)3122009年5,220コルガス~寧夏中衛:2013年末(見込み)中衛~江西吉安:2015年(見込み)吉安~福建福州:2014年(見込み)PetroChina中衛~貴陽1,6132013年(見込み)第2西気東輸は新疆ホルゴスから寧夏中衛を経て広東広州に至る総延長8,704kmのパイプラインである。幹線1本、支線8本で構成され、幹線総延長は4,970km、パイプ口径は1,016~1,219mm、設計圧力10~12MPa、設計輸送能力300億m3/年の高圧・大口径のパイプラインである。西部区間(新疆ホルゴス~寧夏中衛)は2009年末に完成、東部区間(中衛~広東広州)は2011年6月に完成した。上海や香港への支線も建設された。新疆など西部で生産する天然ガスやトルクメニスタンやウズベキスタンから輸入する天然ガスを新疆から上海、広東、香港などに輸送する。 PetroChinaは緊急時のバックアップとして約25億元を投じ江蘇省金壇に岩塩ドームを利用した地下貯蔵を2か所(ワーキングガス:3.9億m3)建設しており、すでに稼働している。 ちなみに審計(会計検査)署によると、第2西気東輸パイプラインの建設では45億元(約60億円)相当の不正行為があった模様である。例えば東部区間で2009年4月に入札を公募せずに上海拓発機電設備有限公司から1万5千セットの熱収縮チューブ(パイプラインの腐食を防ぐ)を調達し、検査測定をせず施工した。このチューブは基準値より強度が低く、パイプラインの腐食・損傷が起きやすいことが判明したが、すでに1万3千セットが施工されていた。工程全体で23項目(5.18億元)について入札を公示せず実施、73項目(39.83億元)が落札者の調整など違法な契約を行っており、工事費が少なくとも8億元(108億円)上乗せとなっているという。上記違法行為による調達が原因かどうかは判らないが2013年に入り、同パイプラインでは2度の事故が発生している。1月には寧夏海原昇圧ステーション第76バルブ室で発火、死傷者は無く、供給に支障は生じなかった模様である。5月には江西~湖南支線で爆発事表2:12次五カ年計画に建設する主な幹線パイプライン 第2西気東輸パイプライン:2012年全線開通 ①第3西気東輸は新疆コルガスから寧夏中衛を経て福建福州に至る総延長7,378kmのパイプラインである。幹線1本、支線8本で構成され、幹線総延長は5,220km、パイプ口径は1,016~1,219mm、設計圧力は10~12MPa、設計輸送能力は300億m3/年の高圧・大口径のパイプラインである。2012年10月に着工した。建設は西部、中部、東部の三区間に分けて行われる。西部区間(新疆コルガス~寧夏中衛)は、2013年末稼働予定である。中部区間(中衛~江西吉安)は2015年稼働予定、東部区間(吉安~福州)は2014年稼働予定である。またパイプラインのバックアップとして岩塩ドームを利用した天然ガス地下貯Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 第3西気東輸パイプライン:建設中 ②故が起き2名が死亡した。 ?設備3箇所(湖北雲応、河南平頂山、江蘇淮安:ワーキングガス計31.1億m3)ならびにピーク調整用の液化プラント(福建福州:貯蔵能力300万t/y)を併せて建設する計画である。 ミャンマー~中国天然ガスパイプラインは2013年6月に完成した。ミャンマーのチャウピューが起点で雲南省瑞麗市の58号国境標識から中国国内に入り、雲南省昆明、貴州省安順経由広西貴港まで総延長2,520km(ミャンマー区間793km、国内1,727km)、設計輸送能力120億m3のパイプラインである。将来的には第2西気東輸パイプライン広西支線と接続する。 天然ガスパイプラインは5月末稼働(試運転)予定であったが、ミャンマーの抗議活動などにより遅れている。パイプライン沿線における土地収用(補償)の問題や、ミャンマー政府が得る通過料3,500万ドル/年への不満、さらにミャンマー国内に供給されるガスが産業向けであり、沿線住民への裨益が低いことなどへの不満があるようだ。ミャンマー政府によると5月15日にミャンマー北部(中国国境付近)のシャン(Shan)州ナムカム(Namkham)においてRestoration Council of the Shan StateあるいはShan State Armyがミャンマー国営石油会社Myanmar Oil and Gas Enterprise(MOGE)の施設を襲撃した。CNPC下請けの2名のミャンマー人労働者が殺害され、3名が負傷した模様である。 ミャンマー政府は5月30日にカチン独立機構(Kachin Independence Organization;KIO)と停戦合意を結んだ。全般的な治安についてコントロール可能な状況であると述べている。また、パイプラインのセキュリティ問題については軍、警察、民間のセキュリティ会社による警備を行うと安全性を強調している。 一方、ガスソースとなるミャンマー沖合シュエ(Shwe)ガス田(オペレーターは韓国大宇)は、7月第一週からガス販売を開始する予定である(当初供給量は10MMcfd)。天然ガス価格はタイ向け輸出価格と同様の条件であり、Woodmacの試算(2009年)によると中国国境で約11ドル/MMBtu、これに中国国内1,700kmのタリフが上乗せされると末端の広西到着価格はトルクメニスタンの広州到着価格とほぼ同等となる見通しである。なお広西は天然ガス試行制度地域(後述)への天然ガス卸価格(輸送費を含む)は約12ドル/MMBtuである。 ミャンマー~中国西南(雲南~貴州~重慶)パイプライン:稼働準備中 ③Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図3:ミャンマー~中国向け原油・天然ガスパイプライン ちなみに本パイプラインは原油パイプラインも並走して建設されている。チャウッピューから雲南省昆明、貴州省安順までは天然ガスパイプラインと並走し、その後安順から重慶に向かう総延長2,403km(ミャンマー区間771km、中国区間1,632km)、設計輸送能力44万バレル/日のパイプラインである。2014年稼働予定である。原油パイプラインのミャンマー区間はCNPCによると6月5日時点で94%完成している。原油パイプラインはでサウジアラビアとクウェートの原油を輸送し、雲南省ならびに四川省の製油所で処理する計画である。雲南省の安寧製油所(1,000万t/y)はPetroChina、サウジアラビアAramcoならびに雲天化集団有限公司が共同で建設している。中東原油を受け入れるため、パイプライン起点の島に10万m3タンク12基を建設する。これまでに6基完成しており、7月末までに完成予定である。 ④ 中衛~貴陽連絡線:建設中 PetroChinaは寧夏中衛から貴州貴陽まで総延長1,613km、設計輸送能力150億m3/年のパイプラインを建設する。この連絡線は四川・重慶天然ガスパイプライン網と西気東輸パイプラインを結び、中央アジアや西部等国内新疆の天然ガスを西南市場に供給するためのものである。2011年に着工、2012年にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 J夏中衛~安徽銅梁区間が完成した。銅梁~貴州貴陽区間は2013年稼働予定である。PetroChinaは西南地域のバックアップとして重慶相国寺に天然ガス地下貯蔵設備(ワーキングガス23億m3)を建設しており、2013年中に完成する予定である。 (2)PetroChina:膨張する投資に対し、価格統制により天然ガス・パイプライン事業は伸び悩み PetroChinaは2012年には前年比2割増の116億ドルを天然ガス・パイプライン事業に投じた。2012年には新疆から広東省広州まで幹線総延長4,970km、輸送能力300億m3/年の第2西気東輸パイプラインが全線開通した。2012年の天然ガス販売量は854億m3(トルクメニスタンとウズベキスタンから中央アジアパイプラインにより天然ガス218.5億m3を輸入)である。パイプラインの整備が進み、販売量は伸びているが、天然ガス価格を国産ガスの生産コストベースで低く価格統制している影響(中央アジアから輸入する天然ガス価格は国内の販売価格を上回る)により利益は年々減少し、2012年は天然ガス・パイプライン事業について419億元(約66億ドル)の営業赤字を計上、最終赤字は21.1億元(3.4億ドル)となった4。2013年第1四半期は11億元(1.8億ドル)の利益を計上したが、輸入パイプラインとLNGによる損失は144.5億元(23億ドル)に達しており、状況は好転したとは言えない。しかしPetroChinaは2013年に天然ガス・パイプライン事業に104億ドルの予算(予算総額の18.5%)を計上しており、パイプラインや天然ガス地下貯蔵設備の整備を進める計画である。 4 部門別では精製部門も69億ドルの赤字だが、探鉱開発事業の利益が341億ドルありPetroChina全体の利益は277億ドル Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 -2,00002,0004,0006,0008,00010,00012,00002004006008001,0002010年2011年2012年ガス販売量(億m3)天然ガス・PL事業CAPEX(百万ドル)天然ガス・PL事業利益(百万ドル)億m3百?曹ヘ、輸入LNGは調達価格で販売することが可能だが、国産ガスおよびトルクメニスタン等のパイプラインで輸入するガスについては国産ガス同様生産コストに基づき定められた価格で販売しなければならない。また輸送費(タリフ)についても中央政府が定めている。このため、輸入パイプラインガスを販売すればするほど赤字になってしまう。例えば、西部の長慶で生産する天然ガスはパイプライン起点の卸価格が約6ドル/MMBtuである。これを約1,000kmのパイプラインで北京に輸送すると7ドルとなる。北京市の産業向けの小売価格は8~11.6ドル/MMBtuなので国産ガスであれば利益を上げることが可能だ。しかしトルクメニスタンガスの2013年1-3月の平均輸入価格(新疆国境)は約10.6ドル/MMBtuである。これに輸送費が加算されると北京到着時には大幅な損失となる。差額は輸入事業者のPetroChinaが負担している。政府は差額分について増値税(VAT13%)を減免5しているが、前述の通りPetroChinaの2012年の天然ガス・パイプライン事業の営業赤字は419億元(約66億ドル)に達している。 中国政府は輸入拡大・安定供給のため、2011年12月に市場価格化に向けた天然ガス試行価格制度に踏み切った。エネルギーの輸入依存度が高く、購買力のある南部の広東・広西の2地域を対象としている。 国産の天然ガス、輸入パイプラインガス・LNG等様々なガスが向かう上海を基準市場とし、代替燃料である重油とLPGの輸入価格を元に天然ガスの基準価格を設定する。つまり石油製品価格連動だが、天然ガス利用促進のため、計算式に欧州同様一定の係数をかけ、石油製品より割安に設定している。広東省の卸価格は2011年11月28日から2014年12月31日まで約12.7ドル/MMBtuで固定され、広州市の産業用小売価格は元々15~20ドル/MMBtuと他の都市より高くされており、試行価格導入による消費者への影響は抑えられている。 2013年6月現在、天然ガス試行価格制度は広東と広西の2地域にとどまっている。しかし昨今の天然急増を受け、北京、湖南、江蘇、海南など一部の地方政府は民生用小売価格を引き上げ、また消費量に応じた数段階の価格制度を導入することにより需要抑制を図ろうとしている。これらの動きは天然ガス試行価格制度拡大につながる可能性がある。 5 2011年8月1日付けで中国財政部、海関、国家税務総局が「2011年から2020年の天然ガス輸入ならびに2010年末までの中央アジア天然ガス輸入に係る輸入天然ガスに対し一定比率で増値税を還付する問題に関する通知(財関税 [2011]39号)」を発表。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図4:PetroChinaの天然ガス販売量、天然ガス・パイプライン事業への投資、利益 考:天然ガス価格統制 参Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 トルクメ(新疆)11ドル/MMBtu→広州(5,000km)18ドル/MMBtu広州小売(産業)15~20ドル/MMBtu長慶6ドル/MMBtu →北京(950km)7ドル/MMBtu北京小売(産業)8~12ドル/MMBtu川気東輸(上海)6ドル/MMBtu →上海(1,700km)12ドル/MMBtu上海小売(産業)16ドル/MMBtuLNG(CIF平均)12ドル/MMBtu(広東加重7.5ドル)西気東輸(タリム)3ドル/MMBtu →上海(3,800km)7ドル/MMBtu上海小売(産業)16ドル/MMBtu北京市民生小売り値上げ11%、0.23元/m3値上げ9.4ドル/MMBtu四川シティゲート価格統一8.1ドル/MMBtu海南(海口)民生小売り値上げ21%、0.55元/m3値上げ12.9ドル/MMBtu湖南(長沙、株洲、湘潭)値上げ+消費量に応じた段階価格制度600m3/年未満:10ドル/MMBtu600m3/年超10ドル/MMBtu+0.55元/m3江蘇(徐州)値上げ+消費量に応じた段階価格制度75m3/月未満:10ドル/MMBtu75~125m3/月:+10%125m3/月超:+20%ソなみに5月にPetroChinaが政府にガス価格値上げを迫るために供給制限を行っているという疑惑が中国国内で報じられた。PetroChina周吉平(Zhou Jiping)会長は同月23日にこの噂を否定した。周会長は「一部地域の一部業種で供給不足が見られるのは4月に計画を上回る供給が見られたためである。昨年冬から今年春にかけて大気汚染対策で冬場の操業を停止していた化学肥料、発電、ガス供給などの施設が操業を再開したことで供給がひっ迫した。6月からの夏季と今年冬から来年春にかけての需要期の供給を保障し、年間を通じ安定供給を確保するため4月末から5月末にかけてガス田やパイプラインのメンテナンスと貯蔵施設への供給に注力した。そのため一部地域で一部業種への供給を適度に減らした。供給拡大には一定の時間が必要である。探鉱から生産には一般的に4~5年、パイプライン建設には2~3年が必要である。PetroChinaは供給を年10%増やしているが需要は年に15%増えている。間もなく中央アジアからのパイプライン(C線250億m3/年)が稼働し、国内の四川や新疆タリムのガス供給能力も拡大し、2014年下期には需給矛盾が緩和される」と語った。 3)PetroChina:国内鉄鋼大手との提携によるパイプライン建設 (2012年5月、PetroChinaは第3西気東輸パイプラインについて初めて国内異業種からの出資とJV設立について合意した。鉄鋼大手宝山鋼鉄株式会社(以下、宝鋼)およびその100%子会社華宝有限公司(以下、華宝)、全国社会保障基金理事会(以下、社保基金)、北京国聯能源産業投資基金(以下、産業基金)と期間20年の合弁会社を設立した。資本金は625億元(8,100億円)でPetroChinaが325億元(52%)、宝鋼12.8%(80億元)、華宝3%(20億元)、両基金が32.2%を出資する。事前の商業性調査(FS)によると第3西気東輸パイプラインの総事業費1,160億元(1兆5000億円)に対し納税後の収益率は8%、投資回収期間(建設期間を含む)は12.44年となっている6。 第3西気東輸パイプラインは第2西気東輸同様X80規格の高強度厚肉鋼管を使用する。中国は西気東輸建設時にX70規格の螺旋溶接鋼管を使用、第2西気東輸パイプライン建設時にはX80規格の螺旋溶接鋼管を使用し、いずれも国産化を実現している。供給過剰で生産調整や値下げを余儀なくされている中国の鉄鋼業界にとり、石油業界のパイプライン事業への出資は安定的な販路確保につながる。また 6 http://tv.baosteel.com/ir/pdf/bulletin/600019_20121220_2.pdf Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表:最近実施された民生小売ガス価格値上げ 新華社China OGP他にもとづき作成 etroChinaについてはパイプライン投資の負担を軽減でき、鋼材の安定調達という利点がある。LNG輸送業務においても石油会社と海運会社7との提携がある。このような大手国有企業(異業種間)の提携は今後も拡大するかもしれない。 3.他社のパイプライン投資 Sinopecは2010年稼働の川気東送パイプライン(総延長約1,700km)を通じ、四川の普光ガス田で生産したガスを上海など東部地域に供給している。 CNOOCは海南島沖合の崖城(Yacheng)ガス田から香港向けのパイプライン(総延長約780km)により香港向けに天然ガスを輸出する他、上海沖合で生産したガスをパイプライン(総延長約410km)により上海など東部地域に供給している。SINOPECやCNOOCは天然ガスの販売量を公表していないが、普光ガス田の2012年の生産量は約76億m3、CNOOCの香港向け輸出量は約29億m3であった。 (1)Sinopec新疆~東部・南部向けCTGパイプライン SINOPECは新疆から山東、浙江、広東向けに石炭からメタンを合成したCoal To Gas (CTG)パイプラインを建設する計画である。CTGは昔日本でも利用していた石炭(乾留)ガス(熱量約3,500Kcal/m3)ではなく、石炭化学(メタン化反応によるメタン生成(CO+3H2=CH4+H2O)による合成ガス(SNG)である。中国では石炭由来のメタノール(DME)やオレフィン(MTO)などの石炭化学プロジェクトが盛んだが、CTGは環境への影響が少なく、ガス需要の高まりから政府はこれを奨励する姿勢である。すでに内モンゴル、遼寧撫順、新疆などで複数のCTG開発事業が政府承認を得ている。天然ガス12次五か年計画によると2015年のCTG生産量は150~180億m3/年に達し、国産ガス生産の8~10%に達する見込みである(計画・建設中事業が約600億m3/年という見方もあるが進捗状況等詳細は不明)。ただし製造コストが高く、長距離輸送による採算性について疑問の声も上がっている。 Sinopecは2本のCTGパイプライン建設(新疆~広東~浙江間および新疆~山東間)を計画している。このうち新疆~広東~浙江区間については国家発展改革委員会の承認を得ている。主幹線は4,859km(輸送能力300億m3/年)、4本の支線を含む総延長は7,927km(西気東輸と同スケール)。パイプラインの事業費は1,300億元(206億ドル)とされる。Sinopecは供給源について新疆の炭鉱2か所および80億m3/年のCTG製造プラントに700億元(113億ドル)を投じる計画。不足分について他社から 7中国北方液化天然ガス運輸投資有限公司(09年3月設立。中海発展(China Shipping)90%、PetroChina10%、中国東方液化天然ガス運輸投資有限公司(2010年11月設立、中海発展70%、Sinopec30% Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 TGを追加調達する計画である。 なおPetroChinaも第3西気東輸においてトルクメニスタンやウズベキスタンから輸入する天然ガスや新疆など西部国産のガスを輸送するが、CTGも輸送する計画である。第3西気東輸パイプラインでは新疆伊犂地区の7事業で生産するCTG(455億m3/年)を輸送するとしている。 2)CNOOC香港沖深海の茘湾(Liwan)ガス田から広東向けのパイプライン建設を計画 (CNOOCは2006年に加Huskyが香港南方沖合300km、水深約1,500mの深海域で発見した茘湾(Liwan)3-1ガス田の開発を進めており、広東省高欄島の珠海プラント向けに80億m3/年のパイプラインを建設する計画を進めている。茘湾3-1の他、流花(Liuhua)29-1、34-2などの追加発見があり、周辺構造も含めた確認可採埋蔵量は4~6Tcfと中国海洋で最大級である。 2011年5月、伊Saipemが茘湾3-1ガス田の開発事業を受注した。海底生産システム(SPS)、パイプライン2系統(22インチ、79km)などの設置を行う。2013年11月に生産開始予定(プラトー36億m3/年)である。茘湾単体では厳しいのでCNOOCは自社100%保有、浅海の番于(Panyu)ガス田との統合開発を検討している模様である。Panyu34/35ガス田は14年7月末操業予定(プラトー14億m3/年)である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 NG受入基地は6基地が稼働中である。6基地の受入能力は約2,300万t/年(約320億m3/年)だが、2012年の輸入量は1,470万トン(約203億m3)であった。現在10基地計2,920万トン(約400億m3/年)が建設中であり、2015年頃に約5,000万トンの輸入体制が整う見通しだ。既存基地の貯蔵タンク等の増強により受入能力をさらに拡張することが可能である。 図5:中国の主な稼働・建設中LNG受入基地と幹線パイプライン .ガス輸入インフラ整備 4(1)LNG受入基地 (2)輸入パイプライン ? 中央アジアパイプライン 中央アジアからの輸入パイプラインはラインAとBが稼働中で設計輸送能力はA・B合計約400億m3/年である。2012年の輸入量は219億m3でトルクメニスタンに加え、少量だがウズベキスタンからの供給も始まった。現在は月20億m3(年250億m3)の輸出ペースである。現在ラインC(設計輸送能力250億m3/年)の建設を進めている。 トルクメニスタンは2012年に約640億m3 生産し、そのうち6割強を輸出している。輸出の5割(約217億m3)は中国向けで、ロシアとイラン向けがそれぞれ2割(約90億m3)である。 トルクメニスタンが主な供給国で中国と計650億m3 /年の長期契約を締結している。ラインCの供給についてはトルクメニスタンとウズベキスタンからそれぞれ100億m3/年は、残り50億m3/年はカザフスタンから輸入することになっている。 トルクメニスタンの巨大ガス田Galkynysh(旧南ヨロテン)ガス田(1期250億m3/年)が今年9月に生産を開始することで中国向けの供給が大きく伸びる可能性がある。Galkynyshガス田は世界第2位のガス田と言われている。Gaffney , Cline & Associates (GCA)の評価によると原始埋蔵量がLow estimate(P90)で13.1 兆m3(462Tcf)、Best estimateで16.4兆m3(579Tcf)、High Estimate(P10)で21.2兆m3(748Tcf)である。Galkynyshガス田1期生産の250億m3 /年はそのほとんどが中国に向かう見通しである。 中国は中央アジアパイプラインの建設・運営に参加している他、トルクメニスタンでは供給源の開発に参加している。Bagtiyarlyk鉱区では外資企業で唯一PS契約を締結し、天然ガスを生産している。また、Galkynyshガス田1期開発事業にはUAEのPetrofac、韓国LGとともに油田開発業務を受注している。また中国国家開発銀行がGalkynyshガス田開発向けに国営Tukmengas向けに81億ドル(2009年6月Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ノ40億ドル、2011年4月に41億ドル)を融資している。トルクメニスタンはカスピ海経由欧州向けのTrans Caspian(East-West)パイプライン計画やパキスタン~アフガニスタン~インド(TAPI)パイプラインによる天然ガスの販路多様化、輸出拡大を検討しているが、いずれのパイプラインも具体化したとはいえない。トルクメニスタンはGalkynyshガス田2期(250億m3/年)の開発準備を進めているが、こちらもその大部分が中国に向かうことになるかもしれない。フル稼働後の中央アジアパイプラインの輸送能力は650億m3/年だが、昇圧ステーションの増設などで輸送能力を2倍程度に増やすことが可能である。 図6:中央アジアパイプライン ? ロシアからのパイプライン ~政府は前向きだが企業は?~ 中国とロシアの天然ガスを巡る交渉は2011年6月に、2015年以降天然ガスの輸出開始で合意(販売量は300億m3/年、輸出期間30年)したが、国境渡し価格で契約には至らなかった。これまでロシアからの輸入は五か年計画には明記されていなかったが、13年1月公示の「エネルギー発展十二次五か年計画に関する通知」において、天然ガスパイプライン建設重点計画にロシアの東線とサハリンからのパイプラインと明記されており、政策的な変化(中国政府の積極性)を感じさせる。 2月のCNPCと露Gazpromの交渉で東ルートでの天然ガス輸入(2018年から380億m3/年の天然ガスを30年間供給すること)について2013年中に最終合意を図ることで合意した。東ルートはヤクーチャ-ハバロフスクパイプラインのブラゴヴェシチェンスクから中国向けの支線を建設し、黒竜江省黒河からGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?総蒼烽ノ供給するものである。2013年3月には王岐山首相とドヴォルコーヴィチ副首相の会談で本件について確認した。200億m3/年の追加供給についても交渉が行われている模様である。 ロシア側の天然ガス供給を巡る状況は大きく変化した。ロシアは米シェールガス革命のあおりを受け欧州向けの輸出が激減し、値下げを余儀なくされている。しかしPetroChinaは中央アジアパイプラインからの天然ガス輸入について輸入価格が国内の卸価格を上回り、天然ガス事業が赤字になっており、中国政府による天然ガス価格改革は全く進んでおらず、ロシアとの大量のガス売買契約に簡単に応じられる状況には見えない。中央アジアの事業は上流(供給ガス田の開発)やパイプライン事業で収益をあげられ、事業全体では利益を出している。しかし、GazpromはCNPCにガスを販売するだけで供給源となる東シベリアのチャヤンダガス田開発やパイプライン事業に参加させる意思はないようだ。また、中央アジアパイプラインは稼働・増設中だが、ロシアからの輸入が具体化した場合、西気東輸パイプラインと同等の大口径の幹線パイプラインを東北地域に建設する必要がある。その代わりロシアと中国は国家開発銀行などによるGazpromへの融資を“先払い”とし、PetroChinaの輸入価格を下げるというスキームについて交渉が行っているようだ 2020年頃の天然ガス需給は国産非在来型ガスの生産を含め不確実性が高いが、国産天然ガスの供給計画や開発の状況から、需要の6割を国産ガスが、4割(1,500億m3程度)を輸入ガスでまかなうことになると思われる。輸入LNGは長期契約と基地建設の状況から5,000万t/y(約700億m3/年)の輸入が可能だ。残り800億m3/年について、中央アジアとの合意量は650~800億m3/年、ミャンマーとの契約量が50億m3/年あり、ロシアから300億m3/年は宙に浮く可能性がある。 両国政府は天然ガスの契約を進めたいと考えているかもしれないが、企業としては国内の天然ガス価格が統制されている状況の下では、供給源の開発(上流)に参加し、既設のパイプラインがある中央アジアからの供給を優先するのが最も経済的な判断であると思われる。企業(PetroChina)や需給の観点からはロシアと急いで30年間もの長期に亘る契約を結ぶ必要があるようには見えず、政治的な力が働けば別だが年内の合意について可能性は低いと考えている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }7:ロシアのパイプライン Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 |
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