ページ番号1004383 更新日 平成30年2月16日

欧州における脱石油価格連動に向けた新たな長期ガス売買契約の締結状況

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レポートID 1004383
作成日 2013-09-11 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者
著者直接入力 永井 一聡
年度 2013
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 欧州における脱石油価格連動に向けた 新たな長期ガス売買契約の締結状況 更新日:2013/09/11 調査部:永井 一聡 (各社ホームページ、各種報道、他) ○産ガス国であるイギリスを除いた欧州大陸部では、歴史的に天然ガスは石油製品の代替という位置づけが強く、天然ガス価格は石油製品価格に連動して決まることが一般的であった。また、天然ガス取引は長期契約であることも多く、これらの契約下では天然ガスの取引価格は石油製品価格に連動となっていた。 ○一方、イギリスでは、1980年代からガス市場自由化の動きが進み、市場取引が活発に行われ、NBP(National Balancing Point)というガスハブの概念の導入と共に、市場によって決定される価格での天然ガス取引が確立していった。 ○近年は、大陸部でもガスの市場取引が行われるようになり、取引市場が多数現れてきている。この取引市場では、物理的なガスハブまたは仮想的なガスハブ地点として、主に天然ガスのスポット取引が行われ、市場価格での売買が行われている。 ○一方、天然ガス長期売買契約も多く残っており、石油価格の高騰に伴ってこれら石油製品価格連動方式であるガス価格も高騰し、ガス価格低減に向けた各企業の動きが活発化した。また、天然ガス市場の成長・拡大と共に、石油製品の代替という位置づけは薄れ、石油製品価格に連動して価格を決定する方式の合理性が失われつつある。 ○こうした中、天然ガス(LNG)長期契約における価格決定方式について、脱石油価格連動という動きが強まり、実際に新たな価格体系を持つ契約が締結されてきている。 新たな価格体系とは、主に、①価格決定指標の一部を欧州スポット市場価格に連動させる、②価格決定指標を100%欧州スポット市場価格連動とする、③価格決定指標をアメリカヘンリーハブ価格連動とする、といった3つの方式が導入されてきている。 ○価格体系が多様化することで、売り主間の競争促進による天然ガス価格の低廉化と世界的な市場の統合によるガス価格の収斂化につながる可能性が期待できる。 .はじめに 1 既に広く知られているように、日本と同じく、従来からの欧州大陸部での天然ガス及びLNG取引においては、20~30年間といった長期間の引き取りを前提とした長期売買契約が主であり、その取引価格は石油価格に連動して決定されるという石油連動方式が多かった。 しかしながら、昨今の天然ガス取引市場の拡大や原油価格高騰に伴う天然ガス価格の(不合理とも言える)高騰といった状況を鑑み、天然ガス購入価格見直しの動きと共に、石油価格連動方式の非合理性Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? ェ指摘されている。 実際、拡大する天然ガスおよびLNGの取引市場(この場合スポット市場を指す)においては、市場原理に基づく価格で取引がなされており、スポット取引の数量も年々増加している。一方、長期売買契約については、これまでの価格決定方式を継続したいという売主側の思惑もあり、石油価格連動方式が未だ色濃く残っている。 そのような中、欧州において、脱石油価格連動に向け、新しい価格決定方式を持つ天然ガス(LNG)長期売買契約もいくつか登場してきており、本稿では(情報収集できた範囲でのものに限られるが)それら.欧州における天然ガス価格について 2(1)欧州の天然ガス価格の成り立ち について紹介したい。 歴史的に見ると、欧州における天然ガス価格は、産ガス国であるイギリスと、主に天然ガス輸入国から成る大陸部とで大きく二つに分かれる。 産ガス国であるイギリスでは、1980年代からのガス市場の自由化が始まり、1992年頃からガス取引市場の形成が本格的に行われていた。そして、1996年にNBP(National Balancing Point)というガスハブの概念が導入され、長期契約の天然ガス調達においても市場価格連動(NBP)によるガス取引が確立されている。 一方、大陸部においては、もともとガスは石油製品の競合燃料であり、消費者はガスと石油の価格優位性のある方を選択していた。従って、欧州大陸部の国々では、石油製品(重油、灯油など)の価格に連動して天然ガスの価格を決定する方式が出来上がっていった。天然ガスは石油製品の代替という位置づけであったことから、石油価格連動によるガス価格決定方式は合理的であったと言える。 これら歴史的に大きく二つに分かれるガス価格体系に加え、近年大陸部でもガス取引市場が登場・拡大してきている。これらのガス取引市場は基本的にスポット取引に使用されている。これらの近年設立された取引市場は、いまだイギリスNBPほどの成熟度とはなっていないのが現状であるが、その取引量は年々増加してきている。 LNGについてもほぼ同様の状況であり、年々スポット取引による調達が増加しているものの、長期契約のLNGは基本的に石油価格連動である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? i2)天然ガス価格引き下げに向けた価格再交渉の動きと石油価格連動方式の見直しの背景 欧州では、近年の原油価格高騰と、2008年のリーマンショックに端を発する景気後退に伴うガス需要減少により、長期売買契約における石油連動のガス価格が高騰し、逆にスポット価格が低下するという状況が発生した。さらに、アメリカシェールガス革命の影響で行き場を失ったカタール産のLNGが市場価格で欧州に流れ込んだこともあり、長期契約のガス価格とスポット市場のガス価格の差が増大した。これにより、長期売買契約を持つ大手ユーティリティ企業の経営に大きな痛手を与えた。 こういった中で、2009年頃から各企業はガス生産者(売主)と価格見直しの再交渉を活発化させていった。この価格見直しにあたっては、あくまでも天然ガス価格の低減が目的であったが、石油価格連動方式の非合理性についても強く認識させられることとなった。つまり、欧州において一つの商品として天然ガスは十分発達した競争的な市場環境(インフラの整備を含む)を持っているにも関わらず、もはや代替という位置づけではない石油製品に連動して価格が決まることに合理性が見いだせないとする意見である。 ただし、こう書いてしまうと、消費者にとって高価格な天然ガス価格をもたらしている石油価格連動が悪のように見えてしまうが、石油価格が安い時代には天然ガス価格も安くなるという面もあり、むしろ、天然ガス買主が望んで石油価格連動を導入していたという可能性も否定できない。 いずれにしろ、商品として市場環境が整備されているもの(天然ガス)については、それそのものの需給(市場)によって価格が決定されるのが自然とする考え方が昨今の中心になってきたと言える。 念のため、天然ガス市場の成り立ちを含め、上記に述べた欧州における天然ガス価格引き下げに向けた価格再交渉の動きと、石油価格連動方式を見直そうとする動きの背景を以下に整理した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? イギリス ベルギー オランダ イタリア フランス ドイツ ドイツ イタリア オーストリア 設立年 1996 2000 2003 2003 2004 2005 2009 2009 2013 表 欧州の主なガスハブ取引市場 ガスハブ取引市場 国 NBP Zeebrugge TTF PSV PEGs CEGH Gaspool NCG MT-Gas i大陸欧州) (イギリス) 環境:天然ガスと石油製品が競合燃料 環境:産ガス国 天然ガス市場の自由化 ↓ 取引市場の設立(1992年頃) ↓ ↓ NBPの導入(1996年) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 市場取引の確立と成熟 ↓ 石油価格連動方式の成立 (天然ガスは長期契約が中心) インフラ整備と市場自由化の進展 ・域内パイプライン網の整備 ・EUによる市場統合と自由化 環境: ・天然ガス産業(市場)の成長・確立 ・他燃料(原子力、石炭、再生可能エネルギー)との競合 ↓ (石油価格連動方式の合理性薄れる) 天然ガス需給緩和 ・リーマンショックによる景気後退(ガス需要減少) ・北米シェールガス革命 原油価格高騰 ⇒ガス価格の高騰 スポット取引市場(パイプライン、LNG)の登場・拡大とこれら天然ガス間の価格差増大 ユーティリティ企業収益悪化 天然ガス価格再交渉の動きが活発化 脱石油価格連動方式に向けた 動きが活発化 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? R.新たな価格決定方式を持つ長期ガス売買契約の締結状況 上記に述べたような状況の中、天然ガス(LNG)長期契約における価格決定方式について、石油価格連動方式から脱却しようという買主側の動きが強まり、欧州でも実際に新たな価格体系を持つ契約が締結されてきている。これまで締結された契約における新たな価格体系とは主に以下のように3つに分類することができる。 ①価格決定指標の一定割合を欧州スポット市場価格とするもの(残りの割合は石油価格連動) ②価格決定指標を100%欧州スポット市場価格とするもの ③価格決定指標をアメリカヘンリーハブ価格とするもの (1)価格決定指標の一定割合を欧州スポット市場価格とするもの(残りの割合は石油価格連動) このような価格体系は、欧州地域へのパイプラインガス供給における長期ガス売買契約(の一部)において導入されている。欧州へのパイプラインガス供給は、Gazprom(ロシア)およびStatoil(ノルウェー)によるものが約半分を占めているが、これら2社との契約においても石油価格連動方式から市場価格連動方式の導入が進みつつある。 Gazpromとのガス売買契約において、市場価格指標を導入している買主側企業は、ENI(イタリア)、RWE(ドイツ)、E.ON(ドイツ)、GDF Suez(フランス)らがいるが、その契約内容の詳細は明らかにされていない。Gazpromとしては石油価格連動方式を継続したい考えが強く、いずれの場合も数か月~1年(もしくはそれ以上)に渡る長期間の交渉または仲裁裁判を経ての妥結であり、市場価格指標の割合も15~20%程度と言われている。しかし、Gazpromは、価格再交渉への対応において、石油価格連動を維持する姿勢を持ちつつも(市場価格指標を導入しない、または市場価格指標の比率の引き上げに応じない)、多くの場合でその価格フォーミュラ(係数)を引き下げることで実質ガス売買価格の値下げに応じている。これ(石油価格連動への固執)はアジア等の他地域での売買交渉を意識しての姿勢ともとることができる。 Statoilは昨今柔軟な姿勢に転換しつつあり、長期ガス売買契約における市場価格指標の割合を徐々に増やしているとされている。これは欧州における買主側の意向をくみ取り、市場でのシェアを伸ばす戦略でもある。2012年8月には、GDF SuezがStatoilとの長期ガス販売契約における価格交渉を行い、市場価格指標を26%から36%に引き上げた。さらにこの二社は、2013年の7月、市場価格指標の割合が46%という内容での契約締結に合意した。E.ON(ドイツ)とRWE(ドイツ)もStatoilと価格再交Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? ツを行い、市場価格指標の導入に合意している(こちらは市場価格指標の割合は不明)。また、2012年11月には、Wintershal AG(ドイツ)が、スポット市場価格を指標とする10年間のガス売買契約を締結した(こちらに関してもスポット市場価格指標の割合が明らかにされていないが、完全にスポット市場価格指標となっている可能性もある)。Statoilは、米国での販売を含む同社のガス販売ポートフォリオの中で、約50%が現在スポット市場価格に対し指標化されているとしている。 (2)価格決定指標を100%欧州スポット市場価格とするもの 価格決定指標を100%欧州スポット市場とする長期契約は、基本的にはもともと市場取引が確立したイギリスに対しての販売契約である。しかし、2013年6月に、カナダのPieridae Energy がE.ON(ドイツ)と西ヨーロッパの市場価格を指標とするLNGの長期販売契約を締結した。 イギリスについては、もともとガス生産国で、国内でのガス取引は基本的に市場価格取引であったため、天然ガス輸入についても市場価格指標が伝統的であったとされる。Centrica(買主、イギリス)は、Statoil(売主、ノルウェー)とNBP指標の長期ガス売買契約を締結している。また、Centrica(買主、イギリス)は、2012年9月に、Gazprom(売主、ロシア)とNBP指標の3年間のガス売買契約(パイプラインガス)を締結しているが、これはGazpromにとって「石油価格に指標されないこれまでで最長の供給合意である」としている。さらに、Centricaは、カタールとのLNG長期売買契約においてもNBP指標での価格決定方式で契約を締結している。 一方、Pieridae Energy(売主、カナダ)とE.ON(買主、ドイツ)は、2013年6月、カナダ東海岸Goldboro LNGプロジェクトのLNGを500万トン/年で20年間の長期売買契約を締結した。この取引におけるLNG価格は、イギリスNBP、オランダTTFといった西ヨーロッパ取引市場の価格に指標されるとしている。Goldboro LNG基地は、年間1000万トンの液化能力を持つ予定で、原料となるガスはシェールガスを含むカナダの既存ガスパイプライン網から供給される。 買主 売主 数量 契約期間 供給開始 備考 E.ON Pieridae Energy 500万 トン/年 20年 2020 西ヨーロッパハブ価格(NBP,TTF等)に連動 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? i3)価格決定指標をアメリカヘンリーハブ価格とするもの 価格決定指標をアメリカのヘンリーハブ価格とするガス売買契約は、主に北米大陸で現在計画されているLNGプロジェクトにおいて見受けられる。 これまで、アメリカのCheniere(Sabine Pass LNG)やFreeport LNGがヘンリーハブ価格指標での長期ガス販売契約を締結している。これらのプロジェクトには、LNG価格の多様化・低廉化を狙った日本及びアジアの企業らも数多く参画している。 Cheniereとは、Centrica(イギリス)、BG(イギリス)、Gas Natural Fenosa(スペイン)、Total(フランス)、KOGAS(韓国)、GAIL(インド)がLNG売買に関する契約を締結した。 Freeport LNGとは、BP(イギリス)、大阪ガス・中部電力(日本)が、また、Dominion Cove Point LNGとは、東京ガス・関西電力、GAIL(インド)がLNGを調達することに合意している。 さらに、Cameron LNGプロジェクトについては、三井物産・三菱商事を売り主として、東京電力がLNGを調達することに合意・協議を行っている。 また、関西電力とBPの間でもヘンリーハブ価格を指標としたLNG売買契約が結ばれている。ここで供給されるLNGはBPの原料ポートフォリオから調達されると見られるが、BPが契約した北米プロジェクト(FreePort LNG)からのものになる可能性が高いと見られている。 2013年9月現在、ヘンリーハブ価格は3.5ドル/百万BTU程度であり、この水準であれば、現在の石油価格連動であるLNGの調達価格よりもかなり安い価格で調達できることになる。しかしながら、これらのプロジェクトの供給開始は早くても2015年以降であり、ヘンリーハブ価格が現在と同様に低いという保証はないため、必ずしも現在のLNG調達価格より安くなるとは限らないということに注意が必要である。 ただし、買主にとっては、価格指標の多様化による競争促進と世界市場の連結・統合という意味合いが強く、現在のような北米・アジア・欧州と三地域で分離されたガス市場価格の収束に寄与するであろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? ヮ? Centrica BG Gas Natural Fenosa Total KOGAS GAIL 売主 Cheniere (SabinePass LNG) 数量 契約期間 供給開始 175万トン/年 20年 2018 〃 〃 〃 〃 〃 550万トン/年 20年 2015 350万トン/年 20年 2016 200万トン/年 20年 2018 350万トン/年 20年 2017 350万トン/年 20年 2017 BP Freeport LNG 440万トン/年 20年 2018 大阪ガス 中部電力 東京ガス 関西電力 GAIL 東京電力 〃 440万トン/年 20年 2018 Dominion (Cove Point LNG) 230万トン/年 20年 2017 〃 230万トン/年 20年 2017 三井物産 三菱商事 (Cameron LNG) 80万トン/年 20年 2017 関西電力 BP 50万トン/年 15年 2017 .その他の脱石油価格連動方式に向けた動き 4(1)ENI(イタリア)の方針 イタリア炭化水素公社ENI(イタリア)は、2013年3月に、同社の方針として、2016年までに同社の持つ全ての長期売買契約において市場価格(ハブ価格)指標を導入するとしている。 ENIは、主要な調達先であるStatoil(ノルウェー)、GasTerra(オランダ)、Gazprom(ロシア)、Sonatrach(アルジェリア)、リビアと価格再交渉を進めてようとしており、仲裁裁判といった手段も辞さないとしている。(ENIは、自身がガス供給者側という立場も持ち、リビア産ガスの販売において、買主でGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ?るEdison(イタリア)から逆に価格仲裁裁判を起こされたこともある(2011年8月)。この仲裁裁判では、ENI側が2億5000万ユーロの支払いを命じられた。) (2)GDF Suez(フランス)の方針 フランスのGDF Suezは、ガス調達先であるStatoil(ノルウェー)、Gazprom(ロシア)、ENI(イタリア)、Sonatrach(アルジェリア)らと、長期ガス売買契約の内容について協議を行っているとされる。 GDF Suezの方針としては、契約期間をこれまでの長期ではなく、2年以下の短期とするというもので、価格体系も市場価格連動の割合を増やしていくというものである。 (3)Shah Denizガス田プロジェクトの動き Shah Denizガス田は、アゼルバイジャンのカスピ海洋上に位置する巨大ガス田で、現在開発が進められているガス田である。このプロジェクトはBPが主導するコンソーシアムによって開発が行われており、生産開始は2018年を予定している。 このガス田からパイプラインを通じてヨーロッパにガス供給が行われる予定であるが、コンソーシアムは潜在的な買主らに対し、市場価格指標と石油価格指標の組合せによる価格指標での長期売買契 ・市場取引が拡大してきている欧州において、長期ガス売買契約においても、これまで伝統的であった石油価格連動方式からの脱却が進められている。これは、天然ガス市場が発達し、一つのエネルギー源として確立したことを意味しており、原油価格との連動に合理性が失われている(原油以外のエネルギー源との競合が当然のごとく起こっている)。 ・現在欧州で販売されているガスの約半分は、市場価格に指標付けされたものとされる。 ・これまでに締結されている新たな価格体系の契約としては、以下のような価格決定方式が見られる。 ①価格決定指標の一定割合を欧州スポット市場価格とするもの(残りの割合は石油価格連動) ②価格決定指標を100%欧州スポット市場価格とするもの ③価格決定指標をアメリカヘンリーハブ価格とするもの ・アメリカヘンリーハブ価格を指標とするものは現在計画中の北米LNGプロジェクトのものが多い。 約について交渉を行っているとされる。 .まとめ 5Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? ネ上 また、カナダLNGプロジェクトからの供給契約では、西ヨーロッパハブ価格を指標とする長期契約も締結されている。 ・今後長期に渡って、現在と同水準でヘンリーハブ価格が低いという保証はなく、そのリスクに注意が必要である。 ・ただし、価格体系が多様化することで、売り主間の競争を促進することができ、これによって結果としてガス価格の低廉化につながる可能性はある。 ・また、北米ヘンリーハブ価格によるガス売買が欧州やアジアで行われることで、分極化している北米・欧州・アジアの三市場が統合に向かう可能性があり、世界的なガス市場価格の収束につながっていくであろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ?
地域1 欧州
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国・地域 欧州
2013/09/11 永井 一聡
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