米国:コーブ・ポイントLNGプロジェクトの非FTA向け輸出の承認
| レポートID | 1004384 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-09-12 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-03-05 19:32:42 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 天然ガス・LNG基礎情報 |
| 著者 | |
| 著者直接入力 | 佐藤 陽介 |
| 年度 | 2013 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2013/9/12 ワシントン事務所:佐藤陽介 米国:コーブ・ポイントLNGプロジェクトの非FTA向け輸出の承認 ②ガス輸送(LNG)、⑤基礎情報 要旨: ・2013年9月11日、米国がFTA自由貿易協定を締結していない諸国に向けたLNGの輸出に関して、DOE米国エネルギー省は、Dominion Cove Point, LPに条件付きの承認を付与した。この承認は、今年に入ってからの承認としては、Freeport、Lake Charlesに続き3番目、Sabine Passを含めると4番目の非FTA締結国向けの輸出承認となる。 ・承認数量、期間はそれぞれ0.77Bcf/d、20年間となっている。Dominionによる申請では、輸出数量が1.0Bcf/d、期間は25年間となっていた。 ・DOEは、今後の具体的な承認スケジュールは明らかにしていないが、承認オーダーにおいて、今後の審査については、1)ケースバイケースで審査すること、2)12/5のNERAスタディと同時に発表した審査リスト(これについては9/10付でアップデートされている)の順番で審査すること、3)この間市場の状況を監視し公共の利益判断を行う上で評価すること、4)この情報には2013年末に発表される予定のEIAAEOも含まれること、を述べている。 ・今回の承認によりSabine Pass以来の承認済み総輸出数量は6.37Bcf/dとなり、EIA/NERAのスタディで言うところの低輸出シナリオを僅かに上回ることとなった。両スタディにおける分析上の輸出上限12Bcf/dまで依然余裕があるが、次の審査対象のFreeport LNG Expansion, P.L. and FLNG Liquefaction, LLCが申請量通りに承認されれば、1.4Bcf/dが追加され、総輸出量としては7.7Bcf/dとなる。 ・申請数量と承認数量とのギャップ、EIA/NERAのシナリオとの関係を視野に入れれば、承認輸出数量についても今後の動向が注目される。 .はじめに 12013年9月11日、米国がFTA自由貿易協定を締結していない諸国に向けたLNGの輸出に関して、DOE/FE米国エネルギー省化石燃料局は、Dominion Cove Point, LPに条件付きの承認を付与した。この承認は、今年に入ってからの承認としては、Freeport、Lake Charlesに続き3番目、Sabine Passを含めると4番目の非FTA締結国向けの輸出承認となる。今回承認の輸出数量、期間はそれぞれ0.77Bcf/d、20年間となっている。 オーダー1の内容は、今年承認を得た2件のプロジェクトと同様、1)イントロダクション、2)所見と結論のサマリー、3)公共の利益審査基準、4)プロジェクトの概要、5)申請者による公共の利益分析、6)介入の動き、コメント、申請の公告に対する反対、7)LNG輸出スタディ、8)LNG輸出スタディ及びDOE/FEエネルギー省化石燃料局の分析に対するコメント、9)議論と結論、10)規約と条件、11)所見、12)オーダー、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ニいう構成となっている。 なおオーダーに”Conditionally”とあるがこれは、当該プロジェクトの環境審査が進行中であるため、申請が条件付き承認の発行を求めたからであり、環境審査が完了した後にはDOE/FEはこの条件付きオーダーを環境審査の過程で得られた情報に照らし合わせて審査することとしている。 以下2.~5.について、承認オーダーの概略を紹介し、6.にて若干のコメントを付したい。 .申請に関する経緯とプロジェクトの概要 2(1)経緯 2011年10月11日、Dominion Cove Point LNG, LP(DCP)は、DOE/FEに対して、天然ガス法セクション3に基づき、国内で生産されたLNGを船舶により、米国が自由貿易協定を締結していない国に向けて輸出するための長期複数契約承認を得るための申請を行った。DCPは、申請において、輸出数量1.0Bcf/d、輸出期間25年間を求めていた。しかし、その後申請内容を更新した中で、液化容量を5.75mtpa(約0.77Bcf/d。DOE/FE換算。)としてDOE/FEに通知した。 2011年12月8日、DOE/FEは、連邦官報に申請の公告を掲載し、2012年2月6日までに利害関係者からの反対、介入の提議、介入の通知及びコメントの提出を求めた。DOE/FEは、West Virginia State Building及びConstruction Trades Councilから1件(本申請によるプロジェクトが天然ガス価格の上昇、雇用喪失、温室効果ガス排出量の増加、米国エネルギー安全保障の脆弱化をもたらすと主張)、Delaware Riverkeeper及び7つの河川管理団体から1件(提案中のプロジェクトが国際競争力を有しないとして公共の利益基準を満たさないことを主張)、そしてAmerican Public Gas Association(APGA)(EIAの価格スタディを引き合いに出し提案中のプロジェクトは国内ガス価格の上昇をもたらし天然ガスの橋渡し燃料としての役割を損なうと主張)、Sierra Club(提案中のプロジェクトが負の経済的帰結と重大な環境への危害を加えると主張)からそれぞれ1件ずつの反対コメントを受け取った。申請を支持するコメントはなかった。申請の公告に先立ち、Coalition for Responsible Siting of LNG(CRS)(CRSはこの提議においてDOE/FEが本申請を承認すべきかどうかについて特定のポジションを取っていない。)及びShell NA LNG, LLC(Shell LNG)(Shell LNGはこの提議においてDOE/FEが本申請を承認すべきかどうかについて特定のポジションを取っていないが、DCPの保有する施設の容量保持者であることから、本承認により現在DCPから得ているサービスに影響及ばないことを求めた。)からの介入の提議もあった。これらのコメントに対してDCPは、Shell LNGからの提議を除いて全てのコメントに対して反証を行っている。また、DOE/FEはこれらコメントの主張の妥当性を退けた。 (2)プロジェクトの概要 1 http://energy.gov/sites/prod/files/2013/09/f2/Order%203331.pdf - 2 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 CPはメリーランド州ラズビーに主要なビジネス地、バージニア州リッチモンドにオフィスを設けるデラウェア合資会社(Delaware Revised Uniform Limited Partnership Actに基づき設立された有限又は無限責任会社からなる合資会社)であり、Dominion Resources, Inc.の子会社である。 DCPは、Cove Point LNGターミナル及び州間パイプライン網とターミナルを連結する88マイルのパイプラインを所有している。現在のところ、DCPは、パイプラインを通じて供給される国内天然ガスを液化する施設と、ターミナルの貯蔵タンクからLNG船へと荷積みするための施設の設置に関する計画を策定中であり、建設開始は2014年、サービス開始は2017年6月を予定している。Cove Point LNGターミナルは、現在、ガス移送容量1.8Bcf/d、天然ガス貯蔵容量14.6Bcfを有している。 これらの液化プロジェクト完了後、Cove Point LNGターミナルは輸出入の両方を取り扱うことになる。DCPによれば、そのLNG輸出サービスは、天然ガスの供給を行う顧客に対して提供されることになる。 .申請による公共の利益分析 3 DCPは、提案中のLNGの輸出は、公共の利益に一致し、天然ガス法セクション3の基準を満たすとしている。DCPは、天然ガス法セクション3は、天然ガスの輸出は公共の利益に一致するという反証を許した推定を行っており、また、DOE/FEが繰り返し確認している通り元来輸入の審査のために用いられてきた1984年の政策ガイドラインが輸出にも適用可能であることを主張した。DCPはこれらの基準に基づき、非FTA締結国向けにLNGを輸出することは、公共の利益に一致するのみならず、増進させると主張している。これら主張を補強するため、DCPは、Navigant Consulting Inc.による2つのスタディ(”North American Gas Supply Overview and Outlook to 2040(2011.9.19)”及び”North American Gas System Model to 2040(2011.9.19)“)とICF Internationalによる1つのスタディ(”Economic Impact Study of Construction and Operations(201110.3)を申請に付属させた。 DCPはまた、申請書において、1)国内天然ガス供給、2)国内天然ガス需要、3)需給予測と供給予測との関係、4)申請している輸出による国内天然ガス価格への影響、5)申請している輸出のローカル、地域、国への経済的恩恵、6)貿易収支、7)国際的な恩恵、という7つの要因について特に詳細に論じている。 LNG輸出スタディは、DOE/FEが委託したEIAエネルギー情報局の国内価格影響分析、NERAのマクロ経済影響分析の主要所見についてまとめている。(これらについては前稿“米国:LNG輸出に関する議論の動向―各種スタディから(2013/9/6)”を参照されたい。) なお、DOE/FEによる分析については、Cove Point LNGプロジェクトに特有の事項を除いて、論旨はLake Charlesにおける承認オーダーとほぼ一致している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - .LNG輸出スタディとDOE/FEのコメント 4OE/FEは、記録上の証拠を見直しし、DCPによる非FTA国向けへのLNG輸出が公共の利益に反するという十分な基礎を見出すには至らなかったとし、その上で、DCPの輸出申請について、条件付きで承認することを結論付けている。 なお、結論に付して、DOE/FEは、既存の輸出承認申請の承認決定におけるに累積的影響についての考慮についてコメントしている。DCPによる申請を承認することになれば、非FTA向けのLNG輸出は合計で6.37Bcf/d(Sabine Pass:2.2Bcf/d、Freeport:1.4Bcf/d、Lake Charles:2.0Bcf/d、Cove Point:0.77Bcf/d)、すなわち2.325Tcf/yrとなる。DOE/FEによれば、この数量は、NERAによって低輸出ケースとして評価された6Bcf/dを若干上回るものであるという。DOE/FEは、他のペンディングの申請を審査する際に慎重な方法を取っていくこととし、特に、国内天然ガス需給のファンダメンタルズと関連する公共の利益について、今後の申請による累積的な影響の評価を継続することとしている。 .DOE/FEの結論 5 今回のCove Pointプロジェクトへの輸出承認は、これまでの承認のインターバルに比べて早いものとなった。FreeportからLake Charlesの承認まで82日、Lake Charlesから今回のCove Pointの承認まで35日となっており、およそ半分の期間となっている。仮にこのペースで今後の審査が進むとすれば、年内に2件、ないしは3件の承認が付与されるということになる。この点、依然DOEは、今後の具体的な承認スケジュールは明らかにしていないが、承認オーダーにおいて、今後の審査については、1)ケースバイケースで審査すること、2)12/5のNERAスタディと同時に発表した審査リスト(これについては9/10付でアップデートされている2)の順番で審査すること、3)この間市場の状況を監視し公共の利益判断を行う上で評価すること、4)この情報には2013年末に発表される予定のEIAAEOも含まれること、を述べている。上記を踏まえると、承認ペースのスローダウンを引き起こし得る要因は、公共の利益判断に影響を与える市場の状況やEIAAEO2014(早期版、最終版)を含む新たな情報、あるいは米国議会でよく述べられる“スウィート・スポット”の議論(総輸出数量を8~10Bcf/dとする提案)などが挙げられよう。 プロジェクト DOEによる承認日 Sabine Pass Freeport Lake Charles Cove Point 2011.5.20 2013.5.17 2013.8.7 2013.9.11 インターバル - およそ2年間 82日(12週間) 35日(6週間 2 http://energy.gov/sites/prod/files/2013/09/f2/Pending%20LT%20LNG%20Export%20Apps%20%289-10-13%29.pdf - 4 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表1:輸出承認日とインターバル .おわりに 6。回の承認オーダーを見るにつけ1つ注目されるのは、輸出申請数量の1.0Bcf/dに対して承認数量 が0.77Bcf/dとなっている通り、輸出申請数量と承認数量との間にギャップが生じていることである。この点、DOE/FEは、”セクションⅣ.A.2で説明した通り、DCPは1Bcf/d相当の天然ガスの輸出承認を求めていたが、2013年5月2日、DOE/FEに対して、このプロジェクトが有する液化容量は、5.75mtpa、すなわちDOE/FEは0.77Bcf/d、すなわち281Bcf/yrの天然ガスと推定した。計画中の施設の最大液化容量を越える数量の輸出を承認するにはその根拠がない。従って、このオーダーは281Bcf/yrまでの天然ガスのLNG輸出に承認を付与する。3”と述べている。このことを前提にすれば、今後の非FTA締結国向けのLNG輸出の承認申請についても、プロジェクトの最大液化容量が考慮される可能性があるということも考えられる。 また、今回の承認によりSabine Pass以来の承認済み総輸出数量は6.37Bcf/dとなり、EIA/NERAのスタディで言うところの低輸出シナリオを僅かに上回ることとなった。両スタディにおける分析上の輸出上限12Bcf/dまで依然余裕がある。次の審査対象のFreeport LNG Expansion, P.L. and FLNG Liquefaction, LLCが申請量通りに承認されれば、1.4Bcf/dが追加され、総輸出量としては7.7Bcf/dとなる。 液化容量及びEIA/NERAのシナリオを視野に入れれば、今後の輸出の承認数量についても動向が注目される。 (了) 3 Cove Point Order, P149 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 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