中国:CNPC幹部汚職摘発と石油・天然ガス産業への影響
| レポートID | 1004386 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-09-17 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 企業基礎情報 |
| 著者 | 竹原 美佳 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2013 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 中国:CNPC幹部汚職摘発と石油・天然ガス産業への影響 更新日:2013/9/17 調査部:竹原 美佳 CNPC(PetroChina)の副総理(副社長)以下幹部4名が「党規律違反」(汚職)で取り調べを受け解任された。現職の董事長(会長)、総経理(社長)はお咎めなし。 ?? ? 現職閣僚の蒋潔敏国有資産監督管理委員会主任(CNPC前会長)も取り調べの対象となり解任された。CNPCから不正な資金の流れが周永康元国務委員(CNPC元総経理)に向かったとの疑惑があり引退した元最高指導部への取り調べが行われるのか注目されている。 CNPC幹部から高官に至る汚職摘発キャンペーンは単なる政争ではなく、既得権益集団である国有企業や政府機関の構造改革、党の統制強化、習近平指導部の基盤強化などの目的がある模様。 ? 同時期に習近平主席はG20に参加し、ロシア・中央アジア諸国と活発なエネルギー外交を展開し、CNPCと各国との石油・天然ガス事業に関する合意・調印に立ち会った。党や習近平政権のエネルギー産業への影響力を示す他、CNPCを今後も温存(利用)することを内外に示したのではないか。 ? 現在のところPetroChinaの操業に支障は出ていないが、株価は急落し、米国で団体訴訟を起こされている。 ? 解任されたCNPC(PetroChina)の幹部は大慶、長慶油田ならびに近年都市ガス配給事業で躍進した崑崙能源(Kunlun energy)などいずれもCNPCの収益源の責任者であった。蒋潔敏CNPC会長時代の投資額増大を非難する声があがっており、在来型油ガス田に比べ投資コストが高い成熟油田の大慶やタイトサンドガス開発中の長慶、シェールガス開発を進めようとしている四川などの新規投資が短期的に委縮する可能性がある。 ? 現会長の周吉平氏は国際業務が長く、高コストの国内よりも国外の在来型資源の開発や輸入増量に向かうという見方がある。最近のトルクメニスタンなどとの天然ガス輸入増量合意もそれを裏付ける動きかもしれない。 ? また、現在大手国有3社の寡占状態にあるLNG輸入ライセンスの民間企業への開放など石油・天然ガス事業の規制緩和が進む可能性がある。 .CNPC幹部汚職摘発の現状(9月17日現在) 1 ~CNPCの副総経理以下幹部4名が「党規律違反」で取り調べを受け解任~ 2013年8月下旬以降CNPCおよびその子会社PetroChinaの幹部4名が「党規律違反(汚職)」で中国共産党の中央紀律(規律)検査委員会の取り調べを受け、同日解任された(図1参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? 月26日、中国共産党の中央紀律(規律)検査委員会(1以下、「中紀委」)はCNPCの王永春(Wang Yongchun)副総経理(副社長)を規律違反の疑いで調べていることを明らかにした。王永春氏はCNPC副総経理の他、中国の代表的な産油地帯である大慶(Daqing)油田有限責任公司の総経理(General Manager)で、2013年5月にCNPC総経理に就任した寥永遠(Liao Yongyuan)氏と並びCNPCの総経理候補と目されていた人物だ。今年5月にはCNOOC王宜林(Wang Yilin)会長の福建省党常務委員転出に伴い、後任としてCNOOC会長に就任する見通しとも報じられていた。 王永春氏に続き、PetroChinaの幹部3名が「中紀委」に取り調べを受けた。李華林(Li Hualin)、冉新権(Ran Xinquan)、王道富(Wang Daofu)の3名である。李華林(Li Hualin)氏はCNPC副総経理、都市ガス卸・販売などガス下流事業子会社の崑崙能源(Kunlun Energy)会長、PetroChina取締役会の秘書を務めていた。冉新権(Ran Xinquan)氏はPetroChina副総裁および近年タイトサンドガス開発などで油ガスの増産が進む長慶油田の総経理を務めていた。王道富(Wang Daofu)氏はPetroChina総地質師(Chief geologist)およびPetroChina勘探開発研究院の院長だが前職は大慶油田で、冉氏と王氏の容疑は油田のサービス契約や資産譲渡にかかる不正とされる。 8月26日、CNPCの党組織委員会(CNPCとPetroChinaはいずれも組織内に党委員会を有している)は幹部4名をCNPC・PetroChinaにおける担当業務と党の職務から解任した。王永春氏の担当業務は劉宏斌(Liu Hongbin)CNPC副総経理が代行する。李華林氏の後任として温青山(Wen Qingshan)CNPC総会計士(Chief accountant)が任命された。李華林氏が行っていたPetroChina取締役会秘書業務は孫竜徳(Sun Longde)PetroChina副総裁が代行する。この他、趙政璋(Zhao Zhengzhang)PetroChina副総裁(副社長)ならびに趙文智(Zhao Wenzhi)PetroChina党委員会書記が業務を代行する。 2013年7月にCNPCおよびPetroChinaの董事長(会長)に就任した周吉平(Zhou Jiping)氏、5月にCNPC総経理(社長)に就任した寥永遠(Liao Yongyuan)氏、7月にPetroChina総裁(社長)に就任した汪東進(Wang Dongjin)氏はいずれも取り調べの対象となっていない。 9月8日に地元メディアが王国?(Wang Guoliang)PetroChina取締役兼CNPC総経済師ならびに孫竜徳(Sun Longde)PetroChina副総裁を含む幹部5名が取り調べのため連行されたと報じた。他の3名は規画部総経理(General Manager)の呉枚(Wu Mei)氏、中国華油集団公司総経理(General Manager)の王 文滄(Wang Wencang)総経理他1名である。株価が下落しPetroChinaは噂を否定する声明を出した。 1 トップ(主任)は王岐山前副首相 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? (1)政争:現職閣僚(CNPC前会長)が周永康元国務委員への不正疑惑で解任 「中紀委」の取り調べはCNPCとPetroChinaの幹部にとどまらず、現職閣僚の蒋潔敏(Jiang Jiemin)国有資産監督管理委員会主任(CNPC前会長)に及んだ。9月3日に共産党は「重大な規律違反(汚職)」を理由に蒋潔敏を解任した。現役閣僚が「中紀委」の取り調べの対象となるのは2011年2月に解任され、2013年7月に執行猶予付きの死刑判決を受けた劉志軍元鉄道相以来である。 蒋潔敏氏は2006年11月から11年11月までCNPC総経理を務め、2011年11月に発足したCNPC取締役会の初代会長を2013年3月まで務めた(専攻は経済管理)。また蒋潔敏氏は2000年のPetroChina上場の際、上場準備ワーキンググループのリーダーを務め、上場を成功させた立役者としてGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 図 1:摘発されたCNPC幹部ならびに関連組織 .CNPC幹部取締りの背景 2各種資料にもとづき作成 mられている。2013年3月に国有企業を監督する国有資産監督管理委員会の主任に就任した。 「中紀委」の取り調べは蒋潔敏氏の後見とされる周永康(Zhou Yongkang)元国務委員に及ぶとの見方がある。周永康氏は石油探鉱専攻のテクノクラートで1985年に石油工業部の副部長を務めた。1988年9月の能源部廃止およびCNPC設立に伴い副総経理に就任し、1996年から1998年まで総経理を務めた人物である(当時はCNPCに取締役会が無く、董事長(会長)職はなかった)。周永康氏はその後国土資源部長などの閣僚を歴任し、胡錦涛政権期に最高指導部である党政治局常務委員に登りつめた。周永康氏は江沢民元国家主席と関係が深く、胡錦涛サイドとの対立の矢面に立たされていたという見方がある。周永康氏は政治局常務委員時代に江沢民氏の意向を受けて、職権乱用や収賄の罪で公判中の薄煕来(Bo Xilai)元重慶市党書記を擁護したと伝えられる。 蒋潔敏氏はCNPCを通じ周永康サイドの不正蓄財を助けたという理由で解任された模様である。CNPCとの取引関係が深い上海の民間エンジニアリング企業の恵生工程技術服務(サービス)有限公司(Wison Engineering)の華邦嵩主席が「中紀委」の取り調べに協力している。同社の経営に周永康氏の子息が関与しており、蒋潔敏氏をはじめCNPC幹部が不正な利益を得させていた疑いがあると伝えている。恵生の他、周永康氏の国土資源部長(閣僚)ならびに四川省党書記時代の部下である郭永祥(Guo Yongxiang)四川省元副省長(元CNPC職員)が取り調べを受けており、周永康氏の包囲網が構築されているという見方がある。しかし文化大革命以降、党の最高指導部である政治局常務委員経験者は取り調べの対象となっていない。習近平主席が腐敗撲滅に聖域はないことを示すために、周永康氏の取り調べを断行するという見方がある。一方、これ以上の追求は党の権威失墜や政争激化を懸念するという慎重論もあるようだ。 石油産業の出身者が閣僚や党の要職に就いていることをもって「石油派」が形成されていると指摘されているが中国の人脈は血縁、地縁、職場など複雑な関係のもとに構築されており、単純な「石油派」と括ることには無理があると思われる。 蒋潔敏氏をはじめ今回取り調べを受けた5名は周永康-蒋潔敏一派と目されているが本当だろうか。蒋潔敏氏については周永康氏との距離は近かったかもしれない。しかし他の4名についてはよくわからない。蒋潔敏氏は今回取り調べの対象となった王永春(Wang Yongchun)氏ではなく、寥永遠(Liao Yongyuan)総経理の就任を後押ししたと言われているが寥永遠氏は取り調べの対象となっていない。周永康派の一掃という話ではなく、個人の不正行為かあるいは別の事情によるものかもしれない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? i2)腐敗・既得権益撲滅、構造改革 党機関によるCNPC幹部から元幹部高官に至る汚職の取締りは、単なる政争ではなく、既得権益集団である国有企業や政府機関に対する構造改革や党の統制強化、そして習近平指導部の基盤強化など様々な目的があるようだ。 習近平指導部は党幹部の腐敗撲滅に力を入れている。“四風” (党幹部による形式主義、官僚主義、享楽主義、奢侈主義)を正すという運動を行っている。これらの主義は民衆が最も根絶を願っているものであり、党を損なう重要な問題であり党をあげて解決するとしている。 また、習近平政権は独占業種の構造改革を推し進める計画である。8月13日に産業情報化部は医薬品や教育分野の独占禁止調査に乗り出した。国家発展改革委員会の独占禁止局は通信、自動車、銀行、石油が今後独占禁止調査の対象になるとテレビで語った。大橋英夫氏が「体制移行の罠」と指摘iするように、中国はロシア同様市場経済への移行過程で形成された既得権益集団が現状維持を求めて改革の深化を阻止し、経済社会発展の奇形化をもたらしているという議論がある。 習近平指導部発足直後の3月に鉄道部が解体されたことは記憶に新しいが、その次に鉄道部同様、独占企業体・既得権益集団の代表格であるCNPC幹部の取り締まりが行われたことは他の国有企業幹部の心胆を寒からしめたことは想像に難くない。 ただし中国の国有石油企業は確かに業界を寡占しており既得権益を享受している側面はあるが、2000年の民営化前に比べれば経営の効率性は飛躍的に向上しており、企業規模も利益も拡大している。石油企業は高給取りと言われるが、欧米石油企業に比べれば少なく、ストックオプションも恐らく党の方針により行使していない。国家の資産を運用し生み出した富はロシアYukosなどに比べ健全に運用され、企業幹部などの“個人”ではなく国家に帰している。 党の進める独占業種の構造改革は成功すれば習近平指導部の基盤強化のみならず中国経済が健全な発展に向かうが、スケープゴートの取り締まり(大衆迎合主義)に終始し、構造改革が伴わなければ産業の発展が阻害され、 “角を矯めて牛を殺す”ことになりかねない。 石油産業は資本集約型で巨額の投資を必要とするが、収益性が高い。特に国営石油企業の場合それが顕著である。市原iiが指摘する通り、一部の先進国を除き発見された埋蔵量は資源国政府や国営石油会社に属し、民間企業のアクセスは限られている。中国の場合、上流事業は国有石油企業3社3)CNPCと他の国有石油企業の違い:既得権益(上流事業)の収益性 (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? iPetroChina、Sinopec、CNOOC)の寡占である。彼らは原油・天然ガスの既発見埋蔵量を押さえており、民間(外資)への開放は限定的である(図2参照)。特に陸上の開放は高コストや技術的難易度の高い鉱区に限られる。また、国有石油企業3社は民間(外資)企業が取得した探鉱鉱区について、商業規模の発見後に参加(通常、ワーキングインタレストの51%を取得)するオプション(back-in right)を有している。 中国の油ガス田開発の財務条件は生産条件により異なるが、北米などの先進国に比べ悪いが、湾岸諸国に比べれば良好である。そのような良好な地域を寡占していることが中国国有企業の強みである。 図 2:国営石油企業の優位性 出所:「強まる資源の国家支配、厳しさ増す石油企業の争い― グローバルE&P事業の最新トレンド ― 」(石油・天然ガスレビュー2012年9月、市原) じ国有石油企業でありながらCNPC(Petrochina)が独占企業体・既得権益集団の代表格とされる理 同由は他の国有石油企業2社(SINOPEC・CNOOC)との企業規模の違いによるものである。 図3に示した通り、PetroChinaの原油・天然ガス生産量は他の2社の3倍の日量約370万boe(石油換算バレル)ある。その9割は国内油ガス田からの生産であり、陸上在来型の比率が高い同社の発見・開発コストは約15ドル/boeとメジャーズ並に低い。他の2社も国内生産が約9割を占めるが、生産量は中堅並みの日量約100万boe前後であり、Sinopecの主要生産地域は四川のサワーガス、CNOOCは陸上より高コストの海洋主体である。発見・開発コストは中小~中堅クラスと同等の約25~30ドル/boeである。このようにPetroChinaの上流事業における収益性は他の2社を凌駕している。 パイプライン事業についてもCNPC(PetroChina)が原油パイプラインの7割、天然ガスパイプラインのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 割、製品パイプラインの5割と寡占状態にあり、またロシア、中央アジア、ミャンマーなど国外からパイプラインにより原油・天然ガスを輸入する事業について独占的に行っている。 PetroChinaの探鉱開発事業の純利益や年間の上流(探鉱開発)投資額iiiは他社の約3倍の300億ドル(約3兆円)である。仮に投資額の1%で不正が行われた場合、PetroChinaは他の国有2社の3倍の300万ドル(約3億円)となり、巨大な利権構造を内包しているといえる。 ~CNPCを温存、目下操業に支障はないが、株価は下落、米国で団体訴訟~ 習近平主席はG20の際ロシア・中央アジア諸国に対し活発なエネルギー外交を展開した。そしてGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 図 3:国有石油企業3社(上場子会社)の収益性比較 (1)CNPC(PetroChina)業務への影響 各社年報にもとづき作成 .今後の展開 3NPCと各国(トルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン)との石油・天然ガス事業に関する合意・調印に立ち会った(表1参照)。取り調べの時期が合意ラッシュと重なったのは偶然とは思えない。合意調印に立ち会うことで習近平指導部の影響力を示す他、CNPCを今後も温存し、資源外交などのツールとして活用することを内外に示したのではないか。 表 1:ロシア・中央アジアとの石油・天然ガス事業に関する合意 CNPCにもとづき作成 CNPCはグループの部長職(director)以上約1,000名に対し通常通り業務を行うよう指示する他、株主に対し将来の懸念払しょくに努めているという。PetroChinaは国内外の操業に支障は出ていないとしている。ただし職員が国外に逃亡することを避けるため国外出張は先週PetroChina総裁(社長)に就任した汪東進(Wang Dongjin)氏を筆頭とする上層部の決済を必要とするなどの影響は生じている。 PetroChinaの株価は取り調べに関する憶測が報じられた8月中旬以降約1割下落している。ニューヨークではPetroChinaに対し代表訴訟を起こした。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 。回の汚職スキャンダルにより一部地域の新規投資が抑制される可能性がある。業界関係者からPetroChinaの投資額が2007年の1,816億元から2012年の3,525億元(約560億ドル)に急増した理由について蒋潔敏時代の遺産であるという声があがっている。前述の通り、解任された幹部は中国の代表的な産油地帯かつCNPCの聖域でもある大慶油田と、近年タイトサンドガス開発などで油ガスの増産が進む長慶油田、そしてガス下流事業子会社の崑崙能源などいずれもPetroChinaの大きな収益源の責任者であった。大慶は成熟油田であり、長慶は非在来型(タイトサンドガス)の開発により他の在来型油ガス田に比べ投資コストが高い。この他周永康氏の権力基盤とされる四川で進められているシェールガス開発も高コストだ。Capex上昇の一方でPetroChinaの生産量はこれらの高コストな非在来型資産の増産に支えられている。また、世界的なサービスコストの上昇がもたらした影響も無視できないと思われる。だが企業幹部が保身のため投資抑制に走りこれらの新規投資が短期的に委縮する可能性がある。 (2)石油産業への影響 ~天然ガス関連インフラやLNG輸入事業の民間への解禁、ガス輸入増加の可能性~ 現会長の周吉平氏は蒋氏のあと2011年11月から月までCNPC総経理を務め、2013年4月CNPC会長に任命された(専攻は物理探査と海洋地質構造学)。長年CNPCの国外探鉱開発子会社CNODCでカザフスタンやスーダンなどの初期の国外開発業務をリードしてきた。周氏は国際業務が長く、高コストの国内油ガス田よりも国外の在来型資源の開発や輸入増量に向かうという見方がある。最近のトルクメニスタンなどとの天然ガス輸入増量合意もそれを裏付ける動きかもしれない。 また政府は国有石油企業の寡占状態にある天然ガスパイプラインやLNG輸入事業などの中国国内民間企業への解禁を進めるかもしれない。8月2日に中国国家発展改革委員会は「天然ガスインフラ建設・操業に関する管理弁法」のパブリックコメントを募集した。民間企業の天然ガスパイプラインや貯蔵設備への投資を奨励する内容である。 この他、LNG輸入ライセンスを付与する権利を地方政府に移管する可能性がある。地方政府が民間企業に輸入ライセンスを乱発し、国有石油企業は寡占が崩れるので反対していたが、政策の実現が早まる可能性がある。民間の広匯(Guanhui)と新奥(ENN)の名前があがっている。Shellはすでに将来を見越し広匯と江蘇省のLNGにおけるJVで法的拘束力の無い覚え書(LoI)を締結している。民間企業によるLNG輸入の活性化がたらす需給や価格への影響について現段階で推し量ることは難しいが今後把握に努めたい。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? i 大橋英夫「政権交代期の中国:胡錦涛時代の総括と習近平時代の展望」第一章 中国経済の持続的成長と「二つの罠」(日本国際問題研究所 平成25年3月) i 強まる資源の国家支配、厳しさ増す石油企業の争い― グローバルE&P事業の最新トレンド ― (市原路子、石油天然ガスレビュー2012年9月) iiii PetroChinaの2012年投資額は560億ドルで6割強が探鉱開発事業、2割が天然ガス・パイプライン事業、 残りが精製・石化事業他に使われている Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? |
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