ページ番号1004391 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:シリアやイラン等の地政学的リスク要因に対する市場の懸念後退と米国債務上限引き上げ及び予算手当てを巡る 混乱で下方圧力が加わる原油価格

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レポートID 1004391
作成日 2013-10-15 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2013
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2013/10/14 調査部:野神 隆之 原油市場他:シリアやイラン等の地政学的リスク要因に対する市場の懸念後退と米国債務上限引き上げ及び予算手当てを巡る混乱で下方圧力が加わる原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では製油所での秋場のメンテナンスシーズン突入に伴う原油精製処理量の減少に伴い原油在庫が増加、量としても平年を超過している。ガソリンについては、製油所での生産活動は不活発になったものの夏場のドライブシーズン終了により需要も低下したことから、在庫は微増となり、平年幅を上回る量となっている。留出油については、冬場の暖房シーズンに向け生産は比較的安定していたが、輸出が旺盛であったと見られることや秋場の穀物収穫シーズンに伴う農機具向け軽油需要が発生したとの指摘もあり、当該在庫は減少傾向となり量としては平年並みとなっている。 ② 2013年9月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では製油所での秋場のメンテナンス作業シーズン突入に伴う原油精製処理量の減少で在庫が増加となった他、欧州でも製油所がメンテナンス作業シーズンに突入した他精製利幅が十分確保できないことから精製稼働率を引き下げたこともあり、原油精製処理量が低下したことで、原油在庫が増加した一方で、日本では当該在庫は微減となったことからOECD諸国全体では原油在庫は増加となり、平年幅を超過する水準となっている。石油製品在庫については、米国では留出油在庫の減少が影響し微減となった一方で、欧州では製油所でのメンテナンス作業に加え経済的な理由に伴う稼働低下により製品の生産が鈍化したこともあり、当該地域での製品在庫も若干ながら減少した。また、日本でも製油所での秋場のメンテナンス作業に向けた稼働低下に伴う製品生産活動の減速もあり灯油等一部製品を除き軒並み在庫は減少となった。このようなことから、OECD諸国全体としても石油製品在庫は減少傾向となり、量としても平年幅の下限付近に位置している。 ③ 2013年9月中旬から10月中旬にかけての原油市場においては、シリアやイランといった中東地域における地政学的リスク要因に対する市場の懸念が後退したことに加え、米国での10月1日からの新会計年度予算案や10月17日が期限とされる債務上限引き上げに関して、オバマ大統領及び議会上院と、議会下院との間で合意に至らないことから、予算執行不能による米国政府機能の一部閉鎖及び債務上限引き上げ失敗による米国等での経済減速と石油需要鈍化に対する不安感が市場で増大したことから、8月下旬から9月上旬にかけWTIでしばしば110ドルを超過する水準に到達した原油価格は10月11日には一時101ドルを割り込む場面も見られるなど、下落傾向を示した。 ④ 中東等での地政学的リスク要因に対する市場の懸念は後退してきているものの、これ以上の事態の大きな進展には少なくとも時間を要すると思われる他、米国での債務上限引き上げ問題については10月17日迄には解決に向かう可能性があること、間もなく米国で11月1日の冬場の暖房シーズン突入が市場で意識されてくることなどを考慮すると、そう遠くない時期に原油相場に対しては上方圧力が加わる可能性があるので注意する必要があろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2013年7月の米国ガソリン需要(確定値)は前年同月比2.8%程度増加の日量906万バレルと速報値(同905万バレル)とほぼ同水準となった(図1参照)。この需要は例年と比べて決して高い数字ではない(2012年(日量881万バレル)及び2011年(同903万バレル)は上回っているものの、それ以前にこの水準を下回るのは2001年(同902万バレル)となる)ものの、この前年同月比での増加率は2009年9月(この時は4.9%程度の増加)以来の高水準であり、その意味では7月の需要は堅調に伸びたと言えそうである。ただ、この時期に発表された米国経済指標類は例えば雇用統計などは良好であった(7月5日に発表された2013年6月の同国非農業部門雇用者数は前月比で19.5万人増加と市場の事前予想(同16.5万人増加)を超過した)が、他の指標類はまだら模様であるなど、必ずしも米国経済の回復が加速しつつあるということを示唆していない。また7月以降は非農業部門雇用者数の増加が市場の事前予想に届かなくなっていることを含め、引き続き経済指標類は同国経済が安定した回復過程に入っていることを示しているわけではない。このため、一時的に前年同月の需要を超過する可能性は否定できない(9月の同国ガソリン需要(速報値)も日量878万バレルと前年同月比2.5%程度の増加を示している)ものの、堅調な需要増加が持続するかについてなお今後の展開を見守る必要があろう。他方、米国では9月2日を以て夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期が終了したことから、製油所が秋場のメンテナンス作業を視野に入れつつ原油精製処理量を低下させてきたこと(図2参照)により、製油所でのガソリン生産は低下した(図3参照)。ただ、需要も前月比で低下したこともあり、ガソリン在庫はむしろ若干ながら増加傾向を示した結果、量としては平年幅を超過したままとなっている(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? 月の米国留出油需要(確定値)は前年同月比0.3%程度増加の日量357万バレルと速報値の日量 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 98万バレル、前年同月比11.9%増加から大幅に下方修正された(図5参照)。速報値発表時には7月の米国からの留出油輸出量は日量96万バレル程度と見込まれていたものの、確定値では当該輸出量は日量138万バレルとなっており、この速報値から確定値に移行する際に留出油輸出量が上方修正された部分が、留出油需要が速報値から確定値に移行する際に差し引かれた格好となっている。9月の当該需要(速報値)は日量377万バレルと前年同期比で2.7%程度の増加を示しているが、これも米国からの留出油輸出量が暫定値(日量133万バレル程度)となっているため、確定値に移行する段階でそれなりに需要が修正される可能性があり、また最近でも米国からの留出油を中心とした石油製品輸出が堅調であることが伝えられているところからすると、確定値移行時には当該需要が下方修正されることもありうると考えられる。他方、前述の通り米国では原油精製処理量は減少傾向となっているものの、冬場の暖房シーズンに向けた留出油需要期を視野に入れつつ製油所では留出油に傾斜した生産を行っているため、留出油はガソリンほど生産に落ち込みは見られない(図6参照)。ただ、輸出が堅調と見られることに加え秋場の穀物収穫シーズンに伴う農機具向け軽油需要が発生しているとの指摘もあり、当該在庫はむしろ減少傾向となり、量としては平年並みとなっている(図7参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 7月の米国の石油需要(確定値)は前年同月比2.8%程度増加の日量1,905万バレルと速報値である日量1,960万バレル(前年同月比5.8%程度の増加)から下方修正されている(図8参照)。また9月の当該需要(速報値)は前年同月比5.4%増加の日量1,908万バレルとなっている。7月の確定値ではガソリン需要の増加が、また9月の速報値ではガソリン及び留出油需要の増加が、それぞれ当該月の石油需要の増加に寄与している。また、製油所での原油精製処理量の低下に伴い同国の原油在庫は増加傾向となっており、量としても平年幅を超過した状態が続いている(図9参照)。なお、原油とガソリンの在庫が平年幅を超過する一方で留出油在庫が平年並みとなっていることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過している(図10及び11参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2013年9月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では製油所での秋場のメンテナンス作業シーズン突入に伴う原油精製処理量の減少で在庫量は増加となった他、欧州でも製油所がメンテナンス作業シーズンに突入した他精製利幅が十分確保できない(米国の製油所が国内での安価なシェールオイルを利用して留出油等の製品を生産、それを輸出していることから、欧州の製油所の競争力が低下していることによるものと見る向きもある)ことから精製稼働率を引き下げ原油精製処理量を低下させたことにより原油在庫が増加した一方で、日本では原油在庫は微減となったことから、OECD諸国全体では原油在庫は増加となり平年幅を超過する水準となっている(図12参照)。石油製品については、米国では留出油在庫の減少が影響し製品在庫量は微減となった一方で、欧州では製油所でのメンテナンス作業に加え経済的な理由に伴う稼働低下により製品の生産が鈍化したこともあり、当該地域での製品在庫も若干ながら減少した。また、日本でも製油所での秋場のメンテナンス作業に向けた稼働低下に伴う製品生産活動の減速もあり灯油等一部製品を除き軒並み在庫は減少となった。このようなことから、OECD諸国全体としても石油製品在庫は減少傾向となり、量としても平年幅の下限付近に位置している(図13参照)。なお、原油在庫が平年幅を超過する一方で石油製品在庫が平年幅の下限付近となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年並みとなっている(図14参照)。また、9月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は58.2日と8月末の推定在庫日数である58.6日から低下している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? シンガポールでのガソリン等の軽質製品在庫は、9月18日から10月9日にかけ上下に変動しながらも1,000~1,100万バレル台で推移した。製油所の秋場のメンテナンスシーズン突入により石油製品の生産活動は減速しているものの、一方で夏場のガソリン需要期が終了したこともあり、ガソリン輸入国での需要及び輸入意欲が低下している反面、一部諸国からはガソリンが輸出されたことが、在庫水準維持の背景にあると見られる。このため、9月中旬から10月中旬にかけガソリン価格は原油価格の下落以上に下落することになった。また、アジア地域での石油化学企業のナフサ分解装置がメンテナンス作業で停Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ~していることもあり需要が低迷していることから、ナフサの価格も原油以上に下落している。 シンガポールでは、9月18日時点では1,100万バレル弱程度の中間留分在庫が存在していたものの、その後在庫は概ね低下傾向となり10月9日には910万バレル程度の量となった。需要はそれほど堅調というわけではないうえ、中国でのSinopecに対する第四四半期における輸出枠設定で当該時期に100万トン超の軽油が輸出されると見られることもあり、需給逼迫感が強いというわけではないものの、秋場の製油所メンテナンス作業突入に伴う中間留分生産低下により地域の一部諸国で当該製品輸入が発生する中、冬場の暖房シーズンに向けた灯油在庫の積み増しでシンガポールにジェット燃料が流入しにくくなっていることが影響しているものと見られる(日本からのジェット燃料の輸出も8月から10月にかけ減少傾向が見られる)。このため、アジア地域での軽油価格は原油価格と同等程度の下落幅にとどまっている。 シンガポールの重油在庫については、9月11日の2,300万バレル台半ば付近から10月9日には2,200万バレル弱へと低下した。西側諸国等での製油所での秋場のメンテナンス作業や、特に欧州での精製利幅確保困難に伴う製油所での稼働低迷で当該製品のシンガポールへの流入が低下していることが背景にあると見られる。このような中今後も西側諸国からの重油の流入は当初見込みよりも少ないとの観測が市場で発生していることもあり、原油価格が下落傾向となった一方で重油価格は比較的安定して2013年9月中旬から10月中旬にかけての原油市場においては、9月14日に米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が、2014年前半のうちにシリア政府が保有する化学兵器を完全廃棄する旨合意したうえ、9月27日にオバマ米大統領がイランのロウハニ大統領と電話で会談した他イラン側がウラン濃縮問題に関する西側諸国との合意に向けて積極的な姿勢を示したことにより中東地域における地政学的リスク要因に対する市場の懸念が後退したことに加え、10月1日からの米国での新会計年度のための予算案や10月17日が期限とされる同国債務上限引き上げに関して、オバマ大統領及び議会上院と、議会下院との間で合意に至らないことから、予算執行不能による米国政府機能の一部閉鎖及び米国債務上限引き上げ失敗による米国等への経済減速と石油需要鈍化に対する懸念が市場で増大したことから、8月下旬から9月上旬にかけWTIでしばしば110ドルを超過する水準に到達した原油価格は10月11日には一時101ドルを割り込む場面が見られるなど、下落傾向を示した(図15参照)。 2013年9月中旬から10月中旬にかけての原油市場等の状況 . 2推移した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 9月14日に米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が、2014年前半のうちにシリア政府が保有する化学兵器を完全廃棄する旨合意したことで、米国によるシリアへの軍事介入が当面遠のいたことから、中東地域からの石油供給途絶懸念が9月16日の市場で後退したこと、9月16日にリビア国営石油会社NOC幹部が同国西部のEl Feel油田及びEl Sharara油田の生産を再開した(8月27日に油田と石油ターミナルを結ぶパイプラインの操業が武装勢力によって停止させられたことに伴い生産が停止したと報じられていた)旨発言したと伝えられたことで、同国からの石油供給途絶に対する市場の不安感が低下したこと、同じくこの日(9月16日)にイランのサレヒ(Salehi)原子力庁長官が同国がウラン濃縮問題を巡る西側諸国との紛争を終結させたい旨明らかにしたこと、翌17日にも、シリア政府の保有する化学兵器廃棄に関する9月14日の米国とロシアの合意の流れを市場が引き継いだうえ、9月17日にリビアNOCが同国Zawiya及びMellitah石油ターミナル(9月12日にNOCが出荷に関し不可抗力条項適用を宣言していた)について不可抗力条項の適用を解除した旨発表したことで、同国からの石油供給途絶懸念が市場で後退したこと、9月17~18日に開催予定の米国連邦公開市場委員会(FOMC)において金融緩和策縮小が決定されるのではないかとの観測が市場で増大したことで、原油価格は9月16~17日の2日間で併せて1バレル当たり2.79ドル下落し、9月17日の終値は105.42ドルとなった。9月18日には、この日米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)から発表された同国石油統計(9月13日の週分)で原油およびガソリン在庫が前週比でそれぞれ437万バレル、163万バレルの減少と、市場の事前予想以上に、もしくは事前予想に反して減少していた(市場の事前予想は原油前週比120~150万バレル程度の減少、ガソリン同0~50万バレル程度の増加であった)ことが判明したうえ、9月17~18日開催のFOMCで金融緩和策縮小開始の見送りが決定されたことから、この日の原油価格は終値は1バレル当たり108.07ドルと前日終値比で2.65ドル上昇したものの、9月18日夜にシリアのアサド大統領が、同Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 曹ェ化学兵器に対する国際的な査察を認める旨テレビ番組で発言したことで、同国を巡る地政学的リスク要因に対する市場の懸念が後退したうえ、同じく9月18日夜にイランのロウハニ大統領が、同国は核兵器を開発しない旨表明したことで同国と西側諸国との対立に対する市場の不安感が低下したこと、9月19日にリビア石油省のアワミ(Awami)検査計測局長(Director of Inspection and Measurement)が、同国の石油生産が同日付で日量70~80万バレルに到達するであろう旨明らかにしたことで、同国の石油生産が増加していくのではないかとの期待が市場で発生したこと、翌20日には、この日米議会下院が10月1日~12月15日の政府機関予算案を承認する際に、オバマ政権により導入された医療保険制度改革法への予算手当の恒久的打ち切りも併せて可決したものの、そのような案に対してオバマ大統領は拒否権を発動する旨明言しており、この結果当該予算案が適切な時期に成立しないことにより政府機関支出に支障が発生するのではないかとの懸念が市場で発生したことから、原油価格は9月19~20日の2日間併せて1バレル当たり3.32ドル(9月20日のみでは前日終値比1.64ドル)下落し、9月20日の終値は104.75ドルとなった(なお、この日を以てニューヨーク商業取引所(NYMEX)での2013年10月渡しWTI原油先物契約取引は終了したが、11月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり104.75ドルと前日終値比で1.11ドル下落している)。 また、9月20日の米国予算案を巡るオバマ政権と議会の対立に対する市場の懸念の流れは9月23日にも引き継がれたうえ、この米国予算案を巡るオバマ政権と議会の対立に対する市場の懸念に加え、9月23日にニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁が、米国経済は大きく改善していないため当面は金融緩和政策が必要であるものの、年内の緩和策縮小開始は可能である旨発言したことで、そう遠くない時期での米金融当局の緩和策縮小開始を市場が意識したことにより、米国株式相場が下落したこと、9月22日にナイジェリア国営石油会社NNPCの広報担当常務代行であるグリーン(Tumini Green)氏が、同国で操業を停止していた3つのパイプライン(Trans Nigerパイプライン(輸送能力日量15万バレル)、Nembe Creekパイプライン、(輸送能力日量15万バレル)、Tebidaba-Brassパイプライン(輸送能力は不明であるが操業停止により日量10万バレル程度の石油生産が影響を受けたと推定される))の操業再開(なお、これらのパイプラインの操業停止時期及び再開時期は明確ではない)により日量40万バレル分の石油生産が回復した旨発言したことで、同国からの石油供給に対して楽観的な見方が市場で発生したこと、9月24日には、この日開催予定の国連総会に際し米国を訪問しているイランのロウハニ大統領が米国のオバマ大統領と接触することにより両国間の対立が緩和するのではないかとの期待が市場で発生したこと、また、9月25日には、この日EIAから発表された同国石油統計(9月20日の週分)で原油及びガソリン在庫が市場の事前予想(原油前週比100~150万バレル程度の減少、ガソリン同75~150万バレル程度の減少)に反し原油が前週比264万バレル、ガソリンが同22万バレル、それぞれ増加してGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 「たことが判明したうえ、9月25日にイランのザリフ(Zarif)外相が9月26日に国連本部で開催される予定のイランと国連安全保障理事会常任理事国5ヶ国(米国、英国、フランス、ロシア、及び中国)にドイツを加えた6ヶ国との間の外相級協議で交渉に弾みをつけたい旨表明したと伝えられたことで、ウラン濃縮問題を巡るイランと西側諸国等との対立に対する市場の懸念が後退したこと、そしてこの日(9月25日)も米国予算案を巡るオバマ大統領及び議会上院と、議会下院との対立に対する市場の懸念が引き継がれたことから、9月25日の米国株式相場が下落したことにより、原油価格は9月23~25日の3日間併せて1バレル当たり2.09ドル下落し、9月25日の終値は102.66ドルとなった。9月26日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(9月21日の週分)が30.5万件と前週比0.5万件の減少した他市場の事前予想(32.5万件)を下回ったうえ、同じくこの日米国商務省から発表された2013年4~6月期の同国国内総生産(GDP)確定値が年率2.5%増加と改定値から据え置かれたことで、同国経済成長が2013年1~3月期(この時は年率1.1%増加)から加速している旨確認されたことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり103.03ドルと前日終値比で0.37ドル上昇したものの、翌27日には、この日米議会上院が10月1日~11月15日の同国暫定予算案につき、議会下院で提案されていたオバマ大統領による医療保険改革法に対する資金手当凍結に関する表現を削除したうえで可決し、下院に送付したことから、オバマ大統領及び米議会上院と、同下院との対立により、当該予算案が承認されないことで政府機能が停止し、同国経済に悪影響が生じるのではないかとの懸念が市場で増大したことに加え、同じくこの日オバマ米大統領がイランのロウハニ大統領と電話で会談した(両国首脳による会談は1979年のイラン革命に伴う断交後初めて)旨明らかにしたことから、イランのウラン濃縮問題を巡る西側諸国との対立に関する市場の懸念が後退したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり102.87ドルと前日終値比で0.16ドル下落した。 また、9月27日のオバマ米大統領とイランのロウハニ大統領との電話会談による、両国間の対立緩和に対する市場の楽観的な見方が9月30日の市場でも引き継がれたこと、9月28日にイタリアのベルルスコーニ元首相が政府の増税方針に抗議して連立政権に参加している閣僚5名を辞任させる意向を示したことに対し、レッタ首相が10月2日に議会で信任投票を行う方針を明らかにしたことで、同国情勢の混乱を巡る不安感が9月30日の市場で発生したこと、また、9月30日時点でも10月1日~11月15日の米国暫定予算につき、オバマ大統領及び米議会上院と、米議会下院との間で合意に至らないことから、同国政府機能の一部停止と米国経済及び石油需要への影響に関する市場の懸念が増大したこと、また、この後も米国オバマ大統領及び議会上院と、議会下院との間で、10月1日~11月15日の同国暫定予算案につき合意できなかったことから、10月1日午前0時を以て米国政府機関の一部閉鎖が開始されたことで、同国経済及び石油需要鈍化に対する懸念が10月1日の市場で増大したうえ、10月2日にEIAGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ゥら発表される予定の同国石油統計(9月27日の週分)で原油在庫が増加しているとの観測が市場で発生したことから、原油価格は9月30日~10月1日の2日間で併せて1バレル当たり0.83ドル下落し、10月1日の終値は102.04ドルとなった。ただ、10月2日には、この日TransCanadaがKeystone XLパイプラインのGulf Coastパイプライン部分(オクラホマ州クッシング~テキサス州ネーデルランド(Nederland)、当初原油輸送能力日量70万バレル)につき作業は95%完了しており10月末迄に試運転を開始し12月末迄には本格操業開始となる見込みである旨明らかにしたことで、WTIの引き渡し地点であるクッシングにおける原油需給がこの先引き締まるとの観測が市場で増大したうえ、10月2日の欧州中央銀行(ECB)理事会開催後の記者会見でドラギ総裁が追加金融緩和策実施を示唆しなかったことでユーロが上昇した反面米ドルが下落したこともあり、この日の原油価格の終値は1バレル当たり104.10ドルと前日終値比で2.06ドル上昇した。10月3日には、10月1日~11月15日の米国暫定予算措置に関しオバマ大統領及び議会上院と、議会下院との間で依然合意に至らないことにより、政府機関等が一部閉鎖されることに伴う、米国経済減速及び石油需要鈍化に対する市場の懸念の流れを市場が引き継いだうえ、米国政権及び政府による予算協議上の問題に対する市場の懸念に加え、10月3日に米国供給管理協会(ISM)から発表された9月の同国非製造業景況感指数(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が54.4と8月の58.6から低下した他市場の事前予想(57.0~57.4)を下回ったことから、米国株式相場が下落したことで、この日(10月3日)の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.79ドル下落し、終値は103.31ドルとなった。しかし、10月4日には、熱帯性低気圧「カレン」(Karen)が週末にかけ米国メキシコ湾を縦断し10月6日に沿岸部に上陸すると予想されたことで、当該地域での石油生産や出荷に支障が生ずるのではないかとの不安感が市場で発生したことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.53ドル上昇の103.84ドルでこの週の通常取引を終了した。 ただ、熱帯性低気圧「カレン」は10月6日に消滅し、当該低気圧接近に伴い生産を停止していた油田関連施設が操業を再開し始めたことで、当該地域からの石油供給途絶懸念が10月7日の市場で後退したことに加え、米国での予算執行停止に伴う政府機関の閉鎖が続く中、10月6日にベイナー下院議長がオバマ大統領に対して条件交渉なしに10月17日が期限となる債務上限の引き上げには応じられない旨発言したことで、同国の予算及び債務上限問題に対する市場の懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり103.03ドルと前週末終値比で0.81ドル下落した。翌8日には、この日米国下院共和党議員が同国債務上限引き上げの条件として支出削減を求めるものの、幅広い選択肢をもとに協議する用意がある旨示唆したことで、同国の債務上限引き上げに関する楽観的な見方が市場で発生したことに加え、同日EIAから発表された短期エネルギー展望(STEO:Short-Term Energy Outlook)で2013年のWTI価格見通しを1バレル当たり98.69ドルと9月のそれ(同98.59ドル)から上Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 繒C正するとともに、2013年の世界石油需要予測も上方修正したことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.46ドル上昇し、終値は103.49ドルとなった。10月9日には、米国オバマ大統領及び議会上院と、議会下院の間での予算及び債務上限に関する協議で殆ど進展が見られなかったことにより、市場で悲観的な見方が増大したうえ、10月9日にEIAから発表された同国石油統計(10月4日の週分)で原油在庫が市場の事前予想(前週比150~220万バレル程度の増加)を上回り681万バレルの増加している旨判明したことに加え、10月9日に発表されたFOMC議事録(9月17~18日開催分)で、大半の委員が年内に月額850億ドルの債券購入プログラムの縮小が開始される可能性が高いと認識していた旨判明したことから米ドルが上昇したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり101.61ドルと前日終値比で1.88ドル下落した。10月10日には、この日未明(現地時間)にリビアのゼイダン(Zeidan)首相がトリポリのホテルで拉致(数時間後に解放)されたことで、同国の政情及び石油生産・輸出に対する懸念が市場で増大したうえ、10月10日に米国共和党のベイナー議会下院議長が11月22日までの短期間に限り米国連邦債務上限を引き上げる案を提示し、オバマ政権側はそれについて政策上の条件が付されていなければ支持する可能性がある旨示唆したことで、債務上限引き上げ問題が解決に向け前進するとの楽観的な見方が市場で発生したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.40ドル上昇し終値は103.01ドルとなった。ただ、10月11日には、米国での連邦債務上限引き上げ及び予算承認に関しオバマ大統領及び米議会上院と、議会下院との間での調整が余り進展していないことに対して市場の不安感が増大したうえ、10月11日に国際エネルギー機関(IEA)から発表された「オイル・マーケット・レポート」で2014年の非OPEC産油国石油生産量を日量26万バレル上方修正したことにより、前年比で日量177万バレル増加と1970年代以来の大幅な伸びとなる旨指摘したことで、今後の世界石油需給の緩和を市場が意識したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり102.02ドルと前日終値比で0.99ドル下落した他、この日の朝には一時101ドルを割り込む場面も見. 今後の見通し等 9月半ばから後半にかけシリアではアサド政権の保有する化学兵器を廃棄することになり、イランにお 3いてはウラン濃縮問題を巡る西側諸国等との対立が緩和する兆しが見えるなど、地政学的リスク要因に対する市場の懸念は相当程度後退してきた。ただ、地政学的リスク要因に対する市場の懸念をこれ以上後退させるには、少なくともある程度の時間が必要となると思われる。シリアでは査察団が派遣され、化学兵器廃棄に対しての作業が順調に進んでいると伝えられるが、これは、これまでの関係者間での合意に沿った方向であることから原油市場においてはこれらの要因はほぼ織り込み済となっている。また、イられた。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? 宴唐フラリジャニ(Larijani)国会議長が10月9日にイランの核疑惑解消は難しくない旨発言する一方で、10月10日には国際原子力機関(IAEA)の天野事務局長がイランに対して具体的な行動を要求するなど、10月に入ってからもイランのウラン濃縮問題を巡って動きが見られるものの、9月後半に見られたような大きな事態の進展というわけではなく、これらの動き自体は原油価格を大きく変動させるほどの要因ではない。ただ、10月15~16日には国連安全保障理事会常任理事国5ヶ国にドイツを加えた6ヶ国とイランとの間でのウラン濃縮問題に関する協議がジュネーブで開催される予定であり、ここで何が協議され決定されるかが原油相場に多少影響するかもしれない。しかしながら、9月26日に開催された同じ参加国による協議においては、イランのザリフ外相が1年以内の合意到達を提案したとされることもあり、10月15~16日の協議では、仮に意見の相違で具体的な進展が見られなくても、最低限次回協議の開催については合意されると予想されることから、この面では原油相場に大きな上方圧力を加えてくるとは考えにくい。他方、エジプトについては、10月6日にモルシ前大統領派と暫定政権治安部隊との間で衝突が発生したことにより死者が53人に上った一方で、暫定政権がムスリム同胞団の団体(NGO)としての資格を取り消す措置を取った他、10月9日には米国政府がエジプトに対して大型兵器等の提供といった軍事援助を見合わせる旨明らかにするなど、依然として政情は不安定なままである。リビアについては、9月初めの日量15~25万バレル程度の石油生産量からは回復、現在日量65万バレルである旨9月28日にリビアNOCの談話が伝えられたが、10月10日未明(現地時間)にゼイダン首相がトリポリのホテルから武装勢力により連れ去られるなど、引き続き同国の政情不安が市場で意識されやすい状態になっている。また、同国では現在も東部の石油ターミナルではストライキが継続しており、この件に関しては政治問題が絡んでいることから解決までには時間を要する旨10月2日にアルーシ石油相が明らかにしていることから、今後も短期的にこれ以上同国の石油生産が速やかに増加する可能性はそれほど高くないと見られる。このようなことから、地政学的リスク要因としては、シリアとイランは全体としては緩やかに低下に向かいつつあるものの、既に原油価格に織り込み済みと考えられることから、これらの要因は相場に対しては概ね中立的である一方で、エジプトについてはスエズ運河やスメドパイプラインには直接的な影響は見られないものの、国内政治情勢自体は行きつ戻りつであり、これも原油相場にとっては中立的と言えよう。他方、リビアの情勢については、首相が誘拐されたことにより、地政学的リスク要因に対する市場の懸念、つまり、同国でストライキが一部終結し石油生産が回復しているものの、これ以上回復するかどうかの道筋が明確でないうえ、回復した生産に対しても、いつまた政情が不安定化して同国の石油生産が影響を受けないとも限らない、という市場の懸念が増大した格好になっており、この面では以前に比べて、原油相場を下落しにくくさせている。そして間もなく冬場の暖房シーズンに伴う暖房油需要期が市場で意識されてくるので、原油相場が下落しきれないうちに価格が反転して上昇基調となる可能性がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? bワっていきていると思われる。 他方、米国の政治・経済情勢であるが、これについては、引き続き予算措置と債務上限引き上げの問題が相場の動向に相当程度影響するであろう。10月10日には米国議会下院共和党が、オバマ大統領に対して11月22日までの期間につき債務上限の引き上げを認める(但し予算の執行に伴う政府機関の閉鎖解除は当該案には含まれていないとされる)、という案を提示したうえで、オバマ政権と議会下院共和党議員はこの日協議を実施したが、具体的な合意には至っていない。このようなことから、なお本件についてはなお紆余曲折が見込まれるが、それでも米国債務上限引き上げの期限である10月17日までに米国政権及び議会関係者間で当該事項について合意しなければ、米国は債務不履行に陥ることになり、それは世界的な経済混乱を招くことから、期限までには当該事項は関係者間で合意する可能性があるものと考えられる。これにより米国では債務上限が引き上げられ債務不履行が回避されるとともに、予算措置が担保されることになり、政府機能も回復することになろう。ただ、それは10月17日の期限ぎりぎりになる恐れがあると見られることから、それまでは米国の公的機関による経済指標類の発表は延期される可能性が高い。このため特に10月14日の週の前半は米国での経済指標類の発表は限られることにより、この面での原油相場への影響も限定的なものになると考えられる。他方、10月8日夕方のアルコアから始まった米国企業による2013年7~9月期業績発表シーズンは当面継続する他、米国外では経済指標類は発表されることから、これらが原油相場に影響する可能性があるが、全体として大きな影響を及ぼすのは、やはり米国での債務上限引き上げと予算問題であり、これについて解決の道筋が見えてくるまでは原油相場は総体的には方向感のない展開となることが考えられる。ただ、解決の方向性が見えてきた段階で、当該問題による米国経済減速及び石油需要鈍化に対する市場の懸念が後退することにより、原油相場は現在の水準からは上昇していく可能性がある。また、その後は発表が延期されていた同国雇用統計等の経済指標類が発表されていくことからそれら指標類の内容に加え米国金融当局による緩和政策縮小に対する動向が、株式、そして原油相場に影響していくことになろう。但し最近必ずしも雇用情勢が良好に改善しているわけではない(2013年7~8月は前月比での非農業部門雇用者数増加は市場の事前予想を下回って推移している)が、それでも9月17~18日開催のFOMCでは、大半の委員が年内の金融緩和策縮小開始を支持している旨明らかになったことから、次回の雇用統計では余程市場の事前予想(前月比で18万人の増加)を下回る結果とならない限り、金融緩和策継続の観測を市場で強めることにはらないであろう。その意味では以前に比べてこの面での原油相場への上方圧力は多少なりとも低下してきていると見られる。 一方石油需給ファンダメンタルズであるが、そう遠くない時期に冬場の暖房シーズン到来(例年11月1日~(翌年)3月31日)に伴う米国北東部地域を中心とする暖房油(ニューヨーク州のように軽油を暖房Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? pに使用するようにとの規制を制定している地域もある)需要増加が市場で意識されてくるであろう。現在のところ米国海洋大気庁(NOAA)による予報では当面(2週間程度)米国北東部では平年を上回る気温になると予想されているが、一部機関では10月13~20日に米国中部に到来する寒冷な大気が10月20~24日には米国北東部に流入するとの予想を明らかにしているところもあり、既にこれにより米国での天然ガス価格は上昇傾向にあるが、米国北東部は暖房に暖房油や軽油を利用する地域であるので、間もなく暖房油(や軽油)及び原油相場に対しても上方圧力が加わってくる可能性がある。そして今後も米国北東部における実際の気温及び気温予報については十分注意する必要があろう。 現在は中東・北アフリカ地域における地政学的リスク要因と石油供給低下懸念で特にブレント価格がWTI価格に比べて相対的に堅調である。ただ、現在米国中西部を含め製油所が秋場のメンテナンス作業を実施しており原油精製処理量が低下しているにもかかわらず、クッシングの原油在庫は14週間連続して低下しており、これは、クッシングで貯蔵されている原油を流出させる方向で作用するパイプライン、もしくはクッシングを迂回することによりクッシングでの原油貯蔵を防止するようなパイプラインの輸送能力増強がクッシングでの原油在庫減少に効力を発揮していることを示していると考えられる。今後は中西部を含む製油所が秋場のメンテナンス作業を終了して原油精製処理量を増加させるとともに製油所が原油の引き取りを活発化させる他、年末にかけ、Keystone XLパイプラインが現在の見込み通り10月末までに建設作業を完了し試運転を開始、12月末までに本格的に稼働し始めれば、クッシングでの原油在庫がさらに抑制される方向に展開する、もしくは展開するとの観測が市場で増大する、ということになるので、今後の地政学的リスク要因の展開にもよるが、この面ではブレントに比べて相対的にWTIに上方圧力が加わってくる可能性があるものと考えられる。 一方当初予定であれば、10月17日にEIAによる石油統計が発表(10月14日のコロンブスデーに伴う休日のため通常よりも1日遅延して発表)される予定であったが、10月11日までの運営資金しか確保されていなかったEIAに対し、この時点でも予算執行措置がなされなかったため、同日EIAは10月17日の当該統計発表を延期する旨発表した。ここで仮にもし通常通り発表されたとすれば、10月初旬において熱帯性低気圧「カレン」(Karen)が米国メキシコ湾沖合を縦断したことで、一部油田施設において従業員を引き上げた結果操業が停止した(米国エネルギー省(DOE)によれば10月4~5日にかけ合計で156万バレルの生産が停止したと報告されている)他、大型タンカー受入施設LOOP(Louisiana Offshore Oil Port、受入能力日量100万バレル)が10月4日正午(現地時間)から10月5日朝にかけ操業を停止したため、この面で米国(特にメキシコ湾地域)の原油生産及び輸入が200万バレル強減少し、その分だけ、原油在庫を減少させる方向で作用することになるため、当該発表により原油相場が一時的であれ上昇する可能性があったであろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? 世界天然ガス動向 米国では、2012年4月に天然ガス価格が100万Btu当たり2ドルを割り込んだ(図16参照)。これは、 4米国でのシェールガス増産の影響もあるが、2011~12年の冬において米国が記録的な暖冬であったことにより暖房用天然ガス需要が低迷、その結果需給が大幅に緩和したことによる。ただ、その結果米国でのシェールガスについては開発・生産コストを割り込む状態となったことから、シェールガスを中心に生産する地域での掘削装置稼働数が低下した結果、米国での天然ガス生産はその後伸び悩むことになり、また、2014年にかけてもそのような状態が継続すると予想されている(図17参照)。一方米国内天然ガス価格の下落により、電力事業者にとっては輸送費や転換効率を考慮すれば石炭よりも天然ガスの方がコストが低くなったことから、燃料が石炭から天然ガスへとシフト、2011年初には発電に占める割合が石炭50%、天然ガス20%であったものが2012年4月にはどちらも32%台でほぼ拮抗した(図18参照)。これに伴い発電部門主導で天然ガス需要が増加した。この結果米国では天然ガス供給が伸びない一方で需要が伸びたため需給が引き締まる方向で推移、2012年3月30日時点の米国での天然ガス地下貯蔵量は過去5年平均値(いわゆる「平年値」として理解される)を60%超過するなど、相当な需給緩和状態であったが、2013年3月には過去5年平均値を割り込む状態になるなど、米国天然ガス需給緩和は解消するに至った(図19参照)。ただ、天然ガス需給の引き締まりに伴い価格も上昇、それにより発電部門では使用燃料が天然ガスから石炭へと回帰する動きが見られた。その結果、米国の天然ガス需要は発電部門が先導する形で前年割れを起こしている(図20参照)。その一方で米国の発電量に占める割合は最近では石炭が40%程度、天然ガスが30%程度でほぼ安定して推移している。天然ガスが発電部門で石炭と競合していることもあり、天然ガス価格も当該部門での石炭コストを超過することが困難となっている(天然ガス価格が継続的に石炭コストを超過すれば、電力事業者はコスト競争力のない天然ガスの使用を停止し石炭を使用し始める)ことから、2013年5~10月の天然ガス価格は米国の夏場の気温や気温予想に伴う空調向け電力供給のための天然ガス火力発電所稼働の変動、もしくは変動に対する観測に影響を受けつつも、概ね100万Btu当たり3ドル台後半で推移した(但し一時的ではあるが4ドルを超過したり3ドル台前半に下落したりした)。また、現在は依然として天然ガスの供給は伸び悩んでいるものの、需要も以前と比べて落ち着いてきたことから、需給はほぼ均衡しており、その結果同国の天然ガス貯蔵量もほぼ平年並みで推移している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? 一方欧州では、3~5月に平年を下回る寒冷な気候がしばしば訪れた(図21参照)ため暖房用需要が発生したことが、当該地域の天然ガス需要を下支えした(図22参照)ことに加え、LNGもナイジェリアLNGの度々の出荷停止と不可抗力条項の適用*、そしてLNG生産国から南米諸国(冬場に平年を下回る気温がしばしば発生したアルゼンチンや平年に比べて降雨量の少ないため水力発電稼働低迷の代替として火力発電所の稼働を引き上げたチリ、降雨量が低下に伴う水力発電稼働低迷に対するリスク管理の徹底によりLNGの調達を速やかに活発化させたブラジルなどでスポットLNGの受け入れが発生したとされる)やLNG生産国からアジアに向けたLNG輸出に伴う欧州への輸出量低下(図23参照)、そして欧州からこれら地域へのLNGの再輸出で、当該地域での天然ガス貯蔵量が前年を相当程度割り込んだ(図24参照)ことにより天然ガス需給に引き締まり感が発生した結果、欧州においては天然ガス価格の下落が抑制された一方で、一時の最悪期は脱したものの引き続き欧州債務危機に伴い経済が低迷していたことが天然ガスの需要の増加、そして価格の上昇も抑制したことから、例えば英国での天然ガス価格は夏場の大半の時期100万Btu当たり10ドル前後で推移した(図25参照)。ただ、10月時点での欧Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? Bでの天然ガス在庫量は依然前年を割り込むなど2013年前半の影響が残っているうえ、10月に入り気温が低下するようになってきたことから、天然ガス価格も冬場の暖房需要期を控えて上昇、100万Btu当たり11ドルを超過する場面も見られる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? ※2013年に入りナイジェリアではナイジェリアLNG(NLNG)を巡りしばしばLNGの出荷に不可抗力条項が適用されている。2月5日にはNLNGに原料となる天然ガスを供給するRiver州にあるSoku天然ガス処理施設(天然ガス処理能力日量10億立方フィート)周辺の天然ガスパイプラインで漏出が発生した(盗掘者が機械でパイプラインに穴を開けたことによると伝えられる)ことで、Soku及びGbran-Ubie(Bayelsa州、天然ガス処理能力日量10億立方フィート)天然ガス処理施設が操業を停止したことから、NLNGの出荷に関して不可抗力条項適用が宣言された。条項適用はパイプラインが修復された4月17日に解除された。また、5月15日にもSoku及びGbran-Ubie天然ガス処理施設からNLNGに天然ガスを輸送するGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? GGS(Eastern Gas Gathering System)-1天然ガスパイプラインでの破壊行為で天然ガスが漏出した(これにより日量15億立方フィートの原料ガスの輸送が停止したと伝えられる)ことに伴いGbran-Ubie天然ガス処理施設の操業が停止した他Soku処理施設からの天然ガス供給も減少したことにより、NLNGの出荷に関して不可抗力条項が適用された。これも当該パイプラインを修理の上6月10日に不可抗力条項の適用を解除した。さらに、6月28日にはNLNGに対して3.5億ドルの港湾賦課金の支払いを要求するナイジェリア海事管理保安庁(NIMASA: Nigeria Maritime Administraiton and Safty Agency)がNLNGに停泊するLNG船を差し押さえた他関連する港湾施設を封鎖しLNG船の入出港を防止したことにより、当該施設からの出荷に対して不可抗力条項が適用された。これについては7月12日にNIMASA及びNLNGが異議を唱えつつもNLNGがNIMASAに対して1.4億ドルを支払うことで合意したことにより、同日NIMASAが港湾の封鎖を解除し始めて2週間後の7月26日に不可抗力条項の適用が停止された。 一方アジアでは、5月28日に韓国で稼働中の原子力発電所2基の安全装置に使用されている部品につき性能確認試験結果書類が偽造されていた旨発覚したことにより、5月29日には新古里原子力発電所2号機及び新月城原子力発電所1号機が停止した他、メンテナンス作業の実施により夏場において原子力発電所が複数箇所停止したことで代替のためのガス火力発電所稼働のための燃料としてLNGの輸入が活発化した(図26参照)。ただ一方で日本では夏場の空調のためのガス火力発電向けLNG在庫が需要期前に十分な量を確保できていた(しかしながらその後は例年に比べて早い夏の到来と気温の上昇により空調向け電力需要が増加したこともあり日本の電力事業者の保有するLNG在庫は低下した)こともあり、LNGの購入意欲はそれほど活発ではなかったことから、カタール及びナイジェリアからLNGを中心として輸入が前年比で減少したことが、韓国での活発なLNG購入と相殺される格好となったことから、北東アジア地域でのスポットLNG価格は100万Btu当たり16ドル台前半で頭打ちとなるなど、2012年の夏場の需要期を前にしたスポットLNG価格(同18ドル台半ば)に比べると、その上方圧力は緩やかなものとなった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ?
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2013/10/15 野神 隆之
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