Pavilion EnergyおよびシンガポールにおけるLNGトレーディングの動向
| レポートID | 1004409 |
|---|---|
| 作成日 | 2013-12-18 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 企業市場 |
| 著者 | |
| 著者直接入力 | 片山 治 |
| 年度 | 2013 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2013/12/18 調査部:片山 治 Pavilion EnergyおよびシンガポールにおけるLNGトレーディングの動向 (脚注に示す各種資料およびコンサルタント情報等) 要旨 ? Pavilion Energyについて ? シンガポールのソヴェリンウェルスファンドTamasek Holdingsは、石油・ガスの上流事業およびLNG関連施設建設、LNG船投資等を事業対象とする子会社、Pavilion Energyを今年4月に設立した。 ? 同社は、シンガポールLNGの第2フェーズのフランチャイズ(輸入販売者)となるべく準備を進めている。一方、シンガポールおよび近隣諸国への供給目的のスポットLNGカーゴ、メジャー向けの10年長期契約を既に締結している。 ? 同社はまた、今年11月に、LNG化が計画されているタンザニアの探鉱鉱区の権益をOphir Energyから買収した。 ? シンガポールにおけるLNGトレーディングについて ? 資源・エネルギートレーダーおよびメジャーを初めとする石油ガス会社、金融機関が続々とシンガポールにLNG事業目的でオフィスを構えている。 ? この中には、今年初のカーゴが入港し、拡張工事が進行しているシンガポールLNGターミナルでのフランチャイズとなることを目的とする会社もあるが、多くの企業はむしろ第三国間のトレーディングならびにLNGを含む将来のガス関連事業展開のための情報収集ならびに準備を目的としている。 ? シンガポールを拠点とするLNGのスポット取引は現時点では限定的だが、世界各地の新規ソースからの供給が増えるに従い、増加すると考えられる。 ? シンガポールは、国内の天然ガス/LNG需要の大きさでは、中国や日本に劣る。一方、自国の経済活動におけるトレーディングの重要性を認識し世界のLNGトレーディング拠点の一つとしたい政府による政策、輸送・販売部門の分離、輸送ネットワークの発達と自由なアクセス、金融機関の参加において他地域を凌駕しており、アジアにおけるLNG取引の一大拠点となる有力候補である。 ? シンガポールLNGターミナルの拡張に伴い、LNGバンカーリングも計画されている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . Pavilion Energy (ア) 沿革および会社概要 Pavilion Energyはシンガポールのソヴェリンウェルスファンド(SWF)の一つであるTemasek Holdingsが今年4月に設立した100%子会社で、授権資本は10億米ドル。石油・ガスの上流事業からLNG関連施設建設とLNG船投資等を事業対象とする。 取締役の顔ぶれには、元ペトロナス社長兼CEOで現在シンガポール電力(Singapore Power)会長を務めるハッサン・マリカン(Hassan Marican)会長、Temasek Holdingsの上級専務を務めるSeah Moon Ming CEO兼常務、元エクソンモービルの上級役員コー・ケン・シオン(Koh Kheng Siong)、元シェル社員でLNGコンサルタント兼オックスフォード・エネルギー研究所研究員のデイヴィッド・レデスマ(David Ledesma)らがある。 (イ) なお、同社はガス販売子会社Pavilion Gasを設立しており、同社の役員にはチャンギ空港グループの会長リュー・ムン・レオン(Liew Mun Leong)、ペトロナスおよびペトロナスLNGの元上級役員のリー・チン(Lee Ching)、三菱商事マレーシア法人元CEOでマレーシアLNGの日本への販売に長年かかわった桑原哲郎などがいる。 (ウ) 事業計画 同社の今後の事業展開は以下の3つのステップを踏む。第一に、シンガポールのエネルギー安定供給をサポートしさらに同社を地域有数のLNGプレーヤーとするため、天然ガス資産、LNGプラント、LNG船、再ガス化施設といった戦略的な資産を買収する。第二に、LNGトレーディング・販売・マーケティング・リスク管理(ヘッジ)、LNGの各技術プロセスに至るまでLNGの操業全てに係る能力を持つこと。第三に、シナジー効果を生み、価格競争力を最大限にするよう、全事業の各部門を統合することである。 ? LNGトレーディングおよび契約について 2013年12月現在、Pavilion Energyは2018年に開始されるシンガポールLNGターミナル処理能力年間300万トン超部分の供給フランチャイザーとなるべく、シェルおよびエクソンモービルととGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? 烽ノEMAに参加意思を表明した後、候補として承認されている1。 Pavilionは10月に、TotalからポートフォリオLNGの売買(0.5 mtpa×10年)に関する覚書を締結。同社はシンガポールのLNGターミナルでBGに続く第2のフランチャイズとしてシンガポール政府に申請予定(決定は2014年末)。最終的にもう一つのサプライヤーと合計年間2百万トンの契約を結ぶ計画で、仮にフランチャイズの選考から漏れても、トレーダーとしてLNG取引をする考えである。 (ア) Pavilion Energyの100%親会社Temasek Holdingsについて ? 沿革・設立目的等 1965年の国家創立以来シンガポール政府(財務省)が所有していた投資及び資産の管理を目的として1974年に設立された納税義務のある民間投資会社。設立当初の資産額は3億5400万シンガポールドルで、当時の主要な所有資産は鳥獣園、ホテル、靴メーカー、洗剤メーカー、船舶修理会社、シンガポール航空、鉄鋼会社。現在2つある同国のソヴェリンウェルスファンドの一つ。 株主および財務省による取締役の選任、除名、交代ならびに取締役会によるCEOの選任・除名は大統領の同意を条件とする。 社債の格付はStandard & PoorsがAAA、Moody’sがAaa。格付の対象となっている社債は、グローバルMTNおよびユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラム、Temasek債。 ? 取締役および役員 以下の取締役を含む。リム・ブン・ヘン(Lim Boon Heng、会長、閣僚およびシンガポール与党のPeople’s Action Partyの会長等を歴任)、ホー・チン(Ho Ching、CEO、リー・シェンロン首相の妻)、マルクス・ヴァレンベリ(Marcus Wallenberg 、Director、スウェーデン有数の投資会社複数の会長)、ロバート・ゼーリック(Robert Zoellick、元世銀総裁) ? 投資事業の地域別および産業別割合 地域:シンガポールを除くアジア41%、シンガポール30%、北米欧州豪州ニュージーランド 1 The Business Times, 13 September 2013およびPavilion Energy社ウェブサイト Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 5%、中南米アフリカ中央アジア中東4% 産業:金融31%、IT・メディア31%、運送・一般産業20%、生命科学、消費製品、不動産12%、エネルギー・資源12%、その他7% ? 投資事業会社(SWF)との関係 同社は、投資事業会社の経営には基本的に直接立ち入らないとしている。 (イ) Temasekによる天然ガス関連投資 Sabine Pass LNGターミナルのオペレーターであるCheniere Energ Inc.の株主となっている。 (ウ) Ophir Energyのタンザニア鉱区権益買収 11月14日、Pavilion EnergyはOphir Energyとタンザニア鉱区Block 1, Block 3, Block 4の3鉱区それぞれの同社権益40%のうち20%をFID後にファームインする契約を締結した。売却金額は125億ドル。Ophier社は2013年8月の投資家説明会で同3鉱区の平均(mean)可採資源量を15 Tcfとしている。Ophirは2012年よりファームアウト相手を探すプロセスに入っていた。 上記3鉱区のオペレーターBG/Ophir(JV)は近隣鉱区Block 2のパートナーStatoil(オペレーター) およびExxonMobilと組み、タンザニア南部に10 mtpa(2トレイン)のLNG液化設備建設予定で、Pavilionによると、LNG出荷開始は2020年となっている。 2. LNGトレーディング (ア) LNGトレーディングの歴史と現状 LNGトレーディングはTotalおよびBG等によって約十数年前に欧州を拠点として始められたとされている。欧州の市場自由化および世界のLNG供給量の増加、域内のインフラ整備によって、オープンな取引機会が広がり、これらの会社は積極的にトレーディングを行うようになった。その理由は、1.自社が権益を持つLNGプロジェクトにおいて、買主との長期契約交渉時に需給関係の調整のためにトレーディングを利用 2.自社のポートフォリオLNGが最も市場機会を利用できるよう(高値で売れる)にトレーディングを利用したことにある。Totalは2011年時点で、LNGトレーディング部門はロンドン(拠点)、ヒューストン、シンガポールにオフィスを構え、欧州の取引量が60%で最も多かったが、2020年には世界のLNGトレーディングの中心は、中国、韓国、インドでの取引増加によりアジアだろGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 、と予測している。2 現在約20社がLNG事業目的でシンガポールにオフィスを構える。コンサルタントによると、日本のあるユティリティーは、「LNG取引活発化による競争の効果は、望ましくは価格低下だが、逆に特定のカーゴに競争が集中すると価格上昇につながりかねない。」とする。一方、シンガポールのあるトレーダーは「競争によりアービトラージが働くようになるし、新たにLNG取引を始めようとしている企業のスタッフは経験豊富であり、また、多くの会社はLNG船やLNGの引き取り権を保有している。」と語る。 トレーダーは次々とLNGトレーディングもしくはその準備を開始している。Koch Supply and Trading(Koch Industriesの子会社)およびTrafiguraは昨年、コモデティーのトレーディング最大手のGlencore Xtrataは、今年9月にそれぞれLNGトレーディング用デスクを設置しており、Glencore Xtrataは、2014年にアジア向けにLNGカーゴ2隻を供給する予定である。比較的大きな市場間の価格レベル差があることおよび取引の単位がカーゴであること、それによってカーゴが世界各地を移動できることで、パイプラインガスに比べ裁定取引がしやすい3。Glencore Xtrataの石油トレーディングオペレーション部門のヘッドは、数年前LNG市場と言えば一定の地点を結ぶものだったが、現在は転換期にあるとする。4 一方、金融機関は規制強化によりコモディティー・トレーディングの規模を縮小しており、Glencore Xtrataは、LNGトレーディングを手掛けていたモルガン・スタンレーからトレーダーを引き抜きロンドンとシンガポールに配置するなど、LNGトレーディング事業を強化している。5 ただし、シンガポールでのLNG取引はすぐに拡大しないかもしれず、同地がアジアのLNGハブとなるにはさらなる流動性が必要と見るトレーダーもいないわけではない。GIIGNL(国際LNG輸入者連盟理事会)も、アジア各国でLNG需要が増加する一方、主要な新規LNG供給源になると見られる、米国、東アフリカ、カナダ等からの出荷開始はまだ数年先であり、現在はスポット取引が発生する余 2 Total “Liquefied Natural Gas ? A Booming Industry” 2011年11月ほか 3 このヘッドは、LNGトレーディングは石油のそれに似ており、カーゴで移動し、また裁定取引も可能なことから、現物トレーディングは伝統的にトレーダー向きである。一方、パイプライン天然ガスのトレーディングは、裁定取引が成立しにくく、むしろ先物などのデリヴァティブを多く手掛ける金融機関に向いているとも語る。 4 “Glencore Xstrata Opens LNG Trading Desk”, Wall Street Journal, 9 Sep 2013および”Spot Market for Liquefied Natural Gas Takes Shape”, Wall Street Journal, 31 Oct 2013 5 “Glencore muscles in on energy majors' LNG turf”, Reuters, 6 Jun 2013 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? nは少ないとする。一方、LNGをビジネス目的にシンガポールにオフィスを置く、企業の全てが今すぐにもしくは近未来にトレーディングを行っているわけではなく、一部は調査および将来の事業を睨んだスタッフの教育のために少人数を派遣しているようである。6 (イ) スポット市場の発展 LNGはこれまでそして現在も長・中期契約に依る取引が中心だが、近年スポットおよび短期契約は近年増加している。(注1)(注2) (注1)国際ガス協会(International Gas Union, IGU)によると、2012年のスポットおよび短期契約は7千3百5千万トンで、LNG取引全体の31%だった。 (注2)一般的にスポット取引は、契約期間が1年未満もしくは期間契約なしの取引のことを、短期契約は1年以上4年未満のそれを、中期契約は4年以上10年未満、長期契約は10年以上のものを指す。 (ウ) シンガポールおよび周辺でトレーディングを含むLNG事業を行う(予定の)企業の動向 前述のとおり、LNG事業目的でシンガポールにオフィスを構えるもしくはその予定企業数は少なくとも20あると見られる。(Total, Morgan Stanley, Gunvor, GAIL, Gazprom, BP, Shell, 三菱商事, Petronas, GDF Suez, SK Energy, Mercurial, BG, 伊藤忠, ConocoPhillips, Petrobras, PetroChina, Pavilion Energy, Citi, Glencore Xstrata, Inpex)。そのうちいくつかの会社を紹介する。 ? Pavilion Energy 2014年2月にアジア向けスポットLNGおよび欧州のメジャー向け(2018年にシンガポールおよびその他のアジア地域向けに出荷開始)10年間分のLNG契約の取引が成立したことを明らかにした。 ? ガスプロム Gazprom Marketing & Trading Singapore (GM&TS)-Gazpromの100%子会社。自由化されつつある欧州のガス市場に対応すべく1999年に設立されたGazprom Marketing & Trading 6 “Singapore Challenged as LNG Hub by Trading Delay: Southeast Asia”, Bloomberg, 30 Oct 2013および在シンガポール価格情報提供会社スタッフ談 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? imitedの支店。ロンドン本社の24時間のトレーディング体制を可能とするため、オフィスがロンドン、ヒューストン、シンガポールに設置された。GM&TSはLNGのトレーディング・マーケティング・シッピングおよび炭素削減(取引)事業を目的に2009年12月に設立された。最近締結されたLNGマーケティング関係の契約に、GAILおよびKogasとのポートフォリオLNG販売契約がある。 ? シェル アジア特に極東の天然ガス需要の増大ポテンシャルに対応し、統合事業ガス(”Shell Integrated Gas)の拠点が本社所在地のオランダ・ハーグから2013年1月よりシンガポールに移転している。後述の、2018年以降の第2次LNG供給フランチャイザーの候補。 ? エクソンモービル 後述の、2018年以降の第2次LNGフランチャイズの候補の一つ。 ? BP メジャー各社の中で歴史的にトレーディングに力を入れており、シンガポールのオフィスはロンドンおよびヒューストンと並び、同社石油製品トレーディング拠点の一つだったが、アジアのLNG需要増大ポテンシャルを見込んで、オフィスを拡大中である。2012年に、中部電力はBPグループのLNGポートフォリオより2012年度から16年間計約800万トンを購入する契約を、また、同年関西電力も2017年度から15年間計約50万トン購入7する契約を結んでいるが、これら契約のBP側の当事者はBPシンガポールである。 ? Inpex(予定) Inpexは、原油・コンデンセートの海外の顧客への直接販売やLNGのトレーディングを目的として、シンガポールにオフィスを設立する。シンガポールでのLNGトレーディングの主目的はIchtysプロジェクトの稼働開始前に自社LNGを日本国内の買主(電力会社等)へ販売 8するためだが、中長期的には自社権益分も含めたスポット取引を行う可能性もあるだろう。9 7 天然ガス価格を指標価格としている。 8 同社の直江津LNGターミナル(地上式18万klタンク×2基、将来1基増設可)は、今年8月第一船TANGGUH FOJAが入港し操業を開始した。(8月27日Inpexプレス発表) 9 Reuters, 11 Dec 2013 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? Petronas(拠点はマレーシア) シンガポールの対岸にあるマレーシア・ジョホール州のPengerang Integrated Petroleum ComplexにLNGターミナルを 13億円かけて建設する予定。LNGターミナルはPengerang Independent Deepwater Petroleum Terminal (PIDPT)10と呼ばれ、建設工事はジョホール州政府およびオランダのタンク会社Royal Vopak、マレーシアのDialog Groupのコンソーシアムが実施する。 10 マレーシア政府が2010年に開始した12の国家主要経済分野(National Key Economic Areas (NKEAs))に係る経済経済変革プログラム(Economic Transformation Programme (ETP))の一環。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? エ) シンガポールLNGハブ(ならびにターミナル建設・稼働状況) ? 供給計画 再気化ガスを年間3百万トンもしくは2023年(のどちらか早い方)まで国内供給するためLNGを輸入する独占フランチャイズ(アグリゲーター)として2008年にBGが起用された。2013年11月現在BGは年間270万トンの契約がある。一方、EMAは自国エネルギーミックスの実現のためLNG輸入をさらに推し進める計画であり、現在の年間3百万トンを超える輸入を扱うフランチャイズの選考方法を検討してきた。現在、EMAが提案する選考方法は競争ライセンス規約(CLF)で、この中でEMAが5つの候補を選定したうえで、候補者は1年内に国内のガス買主と仮の売買契約を結ぶ。EMAは契約の数量、将来の需要量に見合うLNGを確保する能力、供給先が多様化しているか、価格等の供給条件を審査したうえで、最終的に2社11へ輸入ライセンスを与えたいと考えており、2014年内に候補者を募集する予定である。12 ? ターミナル能力増強計画 現在進行している総費用4億ドル超の貯蔵設備および桟橋の拡張工事等は数か月後に完了し、再ガス化能力は現在の350万トン/年から600万トン/年となる。100%国内需要向けである第1フェーズの再ガス化能力である年間350万トンを超える分については、小分けを含むロットの積み直し(再輸出)およびLNGバンカーリングの需要が想定されている13。桟橋には2番目のバースが追加され、将来的にLPGもしくは石化製品分解用LP原料の運搬船の荷卸し用となる可能性もある(注3)。 現在使用されている桟橋に着桟可能なLNG船は12万?から26.5万?(Qmax)クラスだが、拡張により6万?からのLNG船が、さらなる拡張で1万?から4万?の小LNG船も着船が可能となる。 第4の貯蔵タンクが完成するとターミナル全体の能力は9百万トン/年となる。FID(最終投資決定)は2014年第2四半期に予定されている。 11 国内外を問わず、1輸入者でも複数の輸入者のコンソーシアムでもかまわない。(Post-3 Mtpa LNG Import Framework Draft Determination Paper, EMA, 5 Dec 2013) 12 Temasek Racing Exxon to Build Biggest LNG Terminal Stash, Bloomberg, 18 Jul 18 2013 13 Business Times, 8 Nov 2013 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? i注3)シンガポールの石化工場ではこれまでナフサが石化原料分解用に使用されてきたが、これをより安価なLP原料に置き換えようとするもの。なお、経済開発庁によると、西部ジュロン島ではLPG貯蔵基地の建設が近く開始される。2022年までにジュロン島と本島を結ぶ第2連絡橋の建設調査も進む。これら、石化分解用原料のLP原料へのシフトやLPG貯蔵基地建設は、国内石化産業の競争力を中東、米国並みに高める振興策「ジュロン島バージョン2.0 (JI 2.0 Initiative)」の一環である。発電会社トゥアス・パワーの石炭・バイオマス燃料併用の熱供給発電所や、政府系複合企業セムコープ・インダストリーズの廃棄物利用のプロセス蒸気供給工場の開設に続くもので、投資額は1億~1億2000万ドルとなっている14。 ? 法制度整備状況 EMAは現在、ターミナル利用規定(Terminal Access Code)を策定中で、これがスポットLNGおよび再輸出、その他の付随するサービス(LNGバンカーリング等)にどれくらいを割けるかを規定することになる。 ? LNGバンカーリング Singapore LNG Corp.による、シンガポールLNGターミナルの第2バースの建設計画にはLNGバンカーリングを前提とした小型LNG船専用の桟橋が含まれている。 同社はLNGのship-to-ship(STS)トランスファーを実験しており、EMAは2014年後半から2015年前半にLNGバンカーリングを開始するとしている。東南アジアには小規模のLNG顧客ポテンシャルが非常に大きいと見られている。LNGターミナルの次期フランチャイズが決まり次第、小型LNG船の発注が行われる模様である。15 (注4)(注5)(注6) (注4)シンガポール海事港湾庁(MPA)は11月7日、英ロイド船級協会(LR)と進めてきた、シンガポール港でのLNGバンカーリングの技術基準や作業手順に関する研究を完了したと発表した。 研究内容は、(1)LNGバンカーリングの基準と手順(2)LNG燃料補給船とLNG駆動船の技術(3)安全基準(4)緊急時の対策(5)作業員の資格基準。今後、業界関係者らとの意見交換を行 14 Business Times, 27 Sep 2013 15 Tradewindsnews.com, 10 Apr 2013およびReuters ,5 Apr 2013 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 「、LNG燃料補給の基準を策定する予定。(コンサルタント情報) (注5)IMO(国際海事機関)規制16により、大気汚染及び地球温暖化の原因となる排出物、特に硫黄酸化物の排出規制を目的とした船舶燃料への対応としては、マリン・ディーゼル油を初めとする低硫黄分石油製品の利用が短期的な解決とされている。一方、中期的にはスクラバー排出防止技術が、そして長期的にはLNGを燃料として用いることが特に定期航路を航行する船舶に対する環境対策として注目されている。 現在、世界では主に欧州でフェリーへのLNGバンカーリングが行われている 17が、LNGローリーが用いられている。Lloyd’s Registerが行った調査では、本格的なLNGバンカーリング用ターミナルはロッテルダム(バンカー燃料取扱高世界第二位18)およびシンガポールが有力候補とされている。19 (注6)IMOによる船舶燃料規定 MARPOL条約20Annex VIは、窒素酸化物(SOx)および硫黄酸化物(NOx)の排出を制限している。硫黄酸化物は、一般海域と排出規制海域(Emission Control Area (ECA))に分けて設定されている。後者にはバルト海、北海、英仏海峡が指定されている。 EUはSOx規制を1999年に導入し、当初はディーゼル油のみに適用されたが、2005年には重油まで拡大された。また内陸水路航行船に対しては別の規制が適用されている。 NOxとSoxの排出に関する規制が開始され、IMOおよびEUの関心は温室効果ガス排出規制に移り、2011年に同規制が新たに採択された。 一般海域においては、船舶燃料の硫黄分を現行の3.5%から2020年以降0.5%以下に、ECAでは現行の1%を2015年以降0.1%以下に抑制することが定められている。 16 排出量規制指定海域(”Emission Control Areas”) には2015年から、全世界には2020年を期限として適用される 17 現在、LNG船を除き約35隻がLNGを燃料として航行している。(”LNG AS MARINE FUEL: CHALLENGES TO BE OVERCOME”, Pablo Semolinos, et.al.) 18 2010年の時点でシンガポールのバンカー燃料取扱量は3900万トンで世界第一。これは、世界全体の17%で東京湾の約11倍である。(Lloyd’s Register LNG Bunkering Infrastructure Study) 19 Lloyd’s Register LNG Bunkering Infrastructure Study 20 船舶の航行や事故による海洋汚染を防止することを目的として、規制物質の投棄・排出の禁止、通報義務、その手続き等について規定するための国際条約とその議定書(ウィキペディア)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? ネお、日本では2010年に国交省が沿岸の一部または全域をECAとする検討を開始したが、2012年7月の検討委員会で、既存の対策の継続で環境基準は達成でき、ECA設定の必然性は低いとして導入の見送りを決めた。 地中海沿岸、米国沿岸およびセントローレンス川・五大湖沿岸等もECA適用が計画されている。21 (オ) パイプラインガスとの競合の可能性 シンガポールではマレーシアおよびインドネシアからのパイプラインガスが輸入されるLNGと競合する。 EMAは国内のパイプラインガス輸入会社4社22に対し、今年のLNG輸入開始から2018年とLNG需要が3百万トン/年に到達する時点のどちらか早い方までガスの輸入を禁止(モラトリアム)している。理由はLNGの需要を一定期間広げることによって、供給ソースをより確実に確保するためである。一方、輸入開始数か月後で輸入量は3百万トンに近づいているため、間もなくモラトリアムは解除される見込みで、EMAは信頼に足る供給者から競争力のある価格であれば新たな供給ソースからのパイプラインによる輸入は可能だとしている。 現在、ナツナのKakap PS契約およびNatuna Sea Block AおよびBlock B鉱区PS契約で生産される天然ガスは全長656 kmのWest Natuna Transportation System(パイプライン)を通じてSembcorp Gas23へ供給されている。パイプラインの最大輸送能力は1 Bcf/dで、上記3契約からの供給量のピークは2016年前後と予想されているが、1割強の余力がある見込である24。 西ナツナおよびマレー半島東海岸沖の探鉱の結果次第ならびに周辺の海底パイプラインの新設もしくは拡張次第、さらにはインドネシア国内のガス需要と新フィールドの価格次第では、これらの地域で生産されるガスがシンガポールへ供給される可能性が全くないわけではないだろう。 (カ) スポット取引活発化における課題 21 JPEC2013年度レポート第7回、国交省第5回「船舶からの大気汚染物質放出規制海域(ECA)に関する技術検討委員会」資料、DGR第1121号(9/4) 22 Gas Supplyおよび Sembcorp Gas、Senoko Energy、Keppel Gas 23 シンガポールのガス供給会社で、国内の電力会社等へ販売している。主な株主はTemasek Holdings(49.5%)。 24 Temasek Racing Exxon to Build Biggest LNG Terminal Stash, Bloomberg, Jul 18, 2013ほか Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? Vンガポール政府はLNGトレーディングの進展を強力に支援し、また、当業者も将来的なビジネスポテンシャルとしてのLNGトレーディングを積極的に捉えているが、一方、LNGの引き取り手はそれほど積極的に動いてはいない。 また、トレーディング拠点の発展に必要なLNG需要もシンガポールおよびその周辺諸国は、日本および韓国、中国等と比較して少ない。 自国および周辺諸国の需要の規模をスポット取引拡大のポテンシャルとすることができる点で、日本、韓国、中国は有利である。特に、中国は一時的に発生する需要のみならずLNG価格を国内パイプラインガス価格と比較して購入することができるので、より自然なスポット取引の条件が整っていると言える。 また、シンガポールがLNGを輸入するのは2018年までは国内需要による。当業者がシンガポールを取引の拠点とする理由は、国内とその近隣諸国の取引よりむしろ、他の当業者との情報交換等を通じて第三国間同士の取引を成立させることができるからだ。25 (キ) LNGトレーディングにおけるシンガポールの長所・特徴 KPMG Global Energy Instituteによる報告書「Exploring opportunities in the energy value chain ? Singapore as a gateway to the region」(2013)中にある石油・ガス企業へのアンケート調査によると、シンガポールにオフィスを設置する理由は、高い順から、税制、戦略的な位置、法制度、インフラ、トレーディングに必要なスキル・才能を持った人材、技術的環境、投資優遇条約の存在、トレーディング用オフィスの移動先としての望ましさである。 また、IEAが2013年3月に発表した報告書「Developing a Natural Gas Trading Hub in Asia」によると、ガスのトレーディング拠点として必要な条件と考えられる6つの項目で最も条件を満たすとされているのがシンガポールである(下記参照)。 組織・構造的な必要条件 中国 日本 韓国 市場を重視した政府のアプローチ 輸送・販売事業の分離 × × × × × × シンガポール 〇 〇 25 The Edge, 7 Oct 2013 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? オ価格の自由化 輸送ネットワークの発達と非差別的アクセス 競争的環境となるに十分な市場参加者の数 金融機関の参加 △ × × × 〇 × 〇 △ × × × × 〇 〇 △ 〇 以下に、LNGトレーディングにおけるシンガポールの長所・特徴と考えられるものを示す。 ? 貿易・トレーディングの知見・経験 LNGビジネス目的シンガポールにオフィスを構える企業の多くは、同地で既に石油トレーディングを含む貿易・トレーディングの知見・経験がある。 ? LNG取引に向いたロケーション 主要LNG産国(中東、豪州、PNG、マレーシア、インドネシア等)と主要消費国(日本、韓国、中国、インド等)の中間に位置する ? Global Trader Programme (GTP) Approved Oil Traderプログラムを2001年に引き継いだ形で始まった、シンガポールに石油・ガス企業を初めとするトレーディング企業を誘致するためのプログラム。 ? 金融機関の参加 先物取引においては取引所が取引の履行を担保させるため、証拠金を金融商品取引所又は金融商品清算機関(クリアリングハウス)に預託する制度が設けられている。また、NYMEX(クリアリングハウスは現在ニューヨークからCEMに移転)およびロンドンのICE(Intercontinental Commodity Exchange)を通じた原油及び石油製品の先物取引で見られるように、当業者(石油会社やトレーダー等)は自ら直接、先物取引所で取引をするよりも、リスク管理(ヘッジ)を専門の一つとする金融機関との間で個別のニーズに合った相対取引によって、ヘッジを行うことが多い 26。電子取引が活発となっている昨今でも、電話や電子メールのみならず面談を通じて互いを知り、情報交換することが重要視されているのはこのためである。 シンガポールの石油・ガス会社およびトレーダーはこれまで、Raffles Place、Temasek Avenue、 26 時事通信社「石油価格はどう決まるか」 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? arbour Front Placeなどに集中していたが、Pavilion Energyを初めとしてその親会社のTemasek HoldingsおよびBG、GDF-Suezは、2012年に完成したシンガポールの新ビジネス街Marina Bayにある金融センター(面積3.55ヘクタール)27にオフィスを移転している。敷地内に金融機関群だけでなくレストラン街もあるなど、比較的時間的制約のある昼に情報交換を兼ねた会食をすることが多い同国において、このような利便性の高いビジネス街が形成されていることもトレーディングを行う上での強みの一つと考えられる。 なお、シンガポールLNGターミナル建設の最終段階である第3フェーズ完成時の取扱量は年間9百万トンで、これを上海やオールジャパンと比較して少ないことが弱点(注7)と見る向きがあるが、トレーディングだけを見れば実物の取引は必ずしも必要ではない28。非現物(いわゆるペーパー)も含め、いかに取引を増やし流動的な市場にするかを優先するならば、同国の条件は他国のそれを優に凌駕している(注8)。 出所:Google Map (注7)日本はターミナル毎に見るとアジアの他のLNGハブ候補地と比較して劣る。一方、日本全体のLNG取扱量は国レベルで見れば現在優に世界第一位で、実物ではなくヴァーチャルのLNGハブとして機能する上で必要な流動性の確保の一条件は整っていると言える。 27 “ASIA’S BEST BUSINESS ADDRESS?”, Marina Bay Financial Centre 28 “RPT-LNG traders flock to Singapore to tap China, India demand”, Reuters, 28 Feb 2011, Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? i注8)実物の取扱量が比較的少ないところに大量の資金が流入することは、価格の乱高下に繋がる。したがって、シンガポールLNGターミナルを起点とした輸送費等の差による裁定取引を通じて近隣諸国のLNGターミナルでのトレーディングも対象とすることにより、市場流動性の確保とともに価格乱高下の可能性の緩和や地域におけるハブ価格の形成を助けるだろう。 ? マレーシアとのガス・トレーディングの協働の可能性 マレーシアのPengerang Integrated Petroleum Complexに建設予定のLNGターミナルはシンガポールLNGと競合するが、後者はジュロン島の面積的制約から最大の取扱量は年間9百万トンであることから、長期的に見てマレーシア側のLNGターミナルと相互補充関係を形成して一つのターミナル事業として発展する可能性もあるだろう。29 29 欧州の一大原油・石油製品の貯蔵およびトレーディングハブであるアムステルダム・ロッテルダム・アンソワープ(ARA)が好例。Pengerangターミナル建設プロジェクトのオペレーターDialog Groupの会長Ngau Boon Keatによると、Pengerangとシンガポールのジュロン島の石油精製・石油化学の規模は今後20年でARAのそれを凌駕する可能性を持つ、と語っている。(The Star Online, 12 April 2012) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? |
| 地域1 | アジア |
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| 国10 | 国・地域 | アジア,シンガポール |
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