ページ番号1004420 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:米国での石油在庫減少などにより100ドルを突破するも、その後地政学的リスク要因に対する市場の懸念後退等で90ドル台前半に戻る原油価格

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レポートID 1004420
作成日 2014-01-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2013
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/1/19 調査部:野神 隆之 原油市場他:米国での石油在庫減少などにより100ドルを突破するも、その後地政学的リスク要因に対する市場の懸念後退等で90ドル台前半に戻る原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では製油所の稼働上昇に伴う原油精製処理量の増加による石油製品生産活発化に合わせて在庫も増加、ガソリン在庫量は平年幅上限付近に位置している他、留出油も平年並みの在庫量となっている。他方、製油所での原油精製処理が促進されたことに加え、米国メキシコ湾岸地域の製油所等において年末に向けた課税対策で原油貯蔵が抑制された模様であることなどから、原油在庫は減少が続いたが平年幅上限を超過する水準を維持している。 ② 2013年12月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州では原油精製処理量の伸び悩みもあり微減にとどまったものの、米国に加え日本でも原油精製処理が比較的堅調であったこともあり減少となったことから、OECD諸国全体としても減少となったが、平年幅を超過する状態は続いている。他方、石油製品については、米国ではプロパンについて輸入上の支障が発生したことに加え、11月下旬以降の気温低下で暖房用需要が発生したことから、プロパン在庫が1,000万バレル強の減少となったこと、欧州では製油所稼働の低迷で製品生産が不振であったこと、日本では冬場の暖房シーズン到来とともに灯油在庫が減少したことなどにより、OECD諸国全体としても石油製品在庫は低下、この時期としては平年幅の下限を割り込む状態となっている ③ 2013年12月中旬から2004年1月中旬にかけての原油市場においては、12月中は米国経済が改善していることを示唆する経済指標類、リビアやスーダンでの原油供給途絶に関する市場の懸念、そして米国での原油や石油製品の在庫減少などにより、原油価格(WTI)は上昇基調となり、12月27日には終値ベースで3ヶ月超ぶりに100ドルを超過した。ただ、その後は利益確定の動きが発生したうえ、リビア南西部の油田での操業再開、イランによるウラン濃縮プログラム縮小及び制裁緩和履行に関する西側諸国等との合意に伴う市場でのイランからの石油供給増加観測の発生と中国経済減速に対する市場の懸念の増大、米国金融当局による金融緩和策縮小に対する市場の観測と米ドル上昇、米国での石油製品在庫の増加などにより、原油価格は総じて下落基調となり、1月に入ってからは殆どの時期は1バレル当たり90ドル台前半で推移した ④ 今後冬場の暖房用石油需要期が峠を越えるとともに製油所等による原油購入が不活発化することが原油相場に下方圧力を加えてくることに加え、イラン問題等地政学的リスク要因に対する市場の懸念緩和が、原油相場上昇を抑制する方向で作用すると考えられるが、地政学的リスク要因が完全に排除されたわけでもないため、この面では原油相場は一定水準で下支えされると考えらえる。従って、当面原油相場は一定の範囲内で変動していくと思われるが、1月22日にクッシングからメキシコ湾岸への原油輸送パイプラインが操業を開始することで、クッシングでの原油需給引き締まり感が市場で醸成されることから、WTIに対して上方圧力が加わる一方で、市場でのWTIとブレントの価格差縮小観測増大からWTI先物購入の反面ブレント先物売却の取引が発生しやすくなることにより、ブレント価格は少なくとももたつき気味場合によっては下落となる場面が見られることが予想される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2013年10月の米国ガソリン需要(確定値)は前年同月比1.4%程度増加の日量882万バレルと速報値(同904万バレル、前年同月比2.5%程度の増加)から下方修正された(図1参照)。これは、10月のガソリン需要(速報値)の算出の際に同国のガソリン輸出量が8月時点の確定値(この時のガソリン輸出量は日量43万バレル程度であった)が暫定的に利用されたと見られるものの、実際の10月のガソリン輸出量(確定値)が日量63万バレルと、暫定値を日量20万バレル程度上回っている旨判明したことから、その分を速報値のガソリン需要から差し引いた(つまり、本来輸出に計上するべき量が暫定段階での輸出量の過小評価で米国国内需要に計上されたものを最終的に輸出に振り替え直した)ことが背景にあるものと考えられる。それでも、10月の全米平均ガソリン小売価格が1ガロン当たり3.420ドルと前年同月(この時は同3.812ドルであった)比で同0.392ドル低下していることもあり、この月としては2010年(この時のガソリン需要は日量902万バレル)以来の高水準の需要となった。12月の同国ガソリン需要(速報値)は日量880万バレルと前年同月比で4.9%程度の増加となっており、米国経済が回復途上にあることを反映しガソリン需要が伸びているといった部分もあろうが、これは、前年同月時に米国経済不振(2013年第四四半期の米国経済成長率は前期比年率0.1%の増加と2011年第一四半期(この時は同1.3%低下)以来の低い伸びであった)の影響から、この時のガソリン需要が前年同月比で3.4%程度減少したことへの反動といった側面もあると考えられる。一方、製油所での原油精製処理量も堅調に増加してきている(図2参照)とともにガソリン生産も活発化した(但し1月10日の週は米国の広い範囲に寒波が来襲したことに伴い気温が低下、複数の製油所の操業に支障が発生したことにより、同国の原油精製処理量が低下するとともにガソリンの生産が低下している)(図3参照)ことから、当該製品在庫も増加、平年幅の上限付近の量となっている(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? シ方、2013年9月の米国留出油需要(確定値)は前年同月比6.3%程度増加の日量410万バレルと速報値(日量392万バレル、前年同月比1.8%程度の増加)から上方修正されている(図5参照)。これは速報値時点では10月の同国からの留出油輸出量が推定日量137万バレル程度と見込まれた一方で実際の確定値ベースでの留出油輸出量が同129万バレル程度と速報値時点から下方修正されたことに伴い、速報値発表時点では暫定的に輸出とされた量の一部が確定値発表時には国内需要に振り替えられたことが一因であるが、この月においては、暖房油需要が前年同月の3.4倍になるなど急増したことも影響している(10月下旬に米国北東部の気温が平年を継続的に下回り始めるとともに一時気温が平年を下回る旨予報が発表されたことが影響した可能性がある)と考えられる。また、12月の同国留出油需要(速報値)は日量363万バレル、前年同月比で3.0%程度の増加となっている。これについては確定値に移行する段階で暫定数値となっている輸出量の修正により変動する可能性があるので注意が必要であるが、12月は米国北東部においてしばしば気温が平年を割り込んでいる(図6参照)ため、暖房用の留出油需要が発生していると見られ、それが需要増加に結びついている他、ガソリン同様米国経済不振で2012年12月の同国留出油需要が前年同月比で8.4%程度の減少となったことへの反動の影響もあると思われる。他方、製油所での原油精製処理量の増加に伴い留出油生産も増加した(図7参照、但しガソリン同様1月10日の週は、米国への寒波来襲による製油所での操業上の不具合発生により留出油の生産も低下している)結果、同国の留出油在庫は増加傾向となっており、1月中旬時点では平年並みの量となっている(図8参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 013年10月の米国石油需要(確定値)は日量1,927万バレル(前年同月比3.0%程度の増加)と速報値(日量1,937万バレル、前年同月比3.6%程度の増加)から若干ながら下方修正された(図9参照)。こ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 黷ヘガソリン需要の下方修正が影響しているものと考えられる。また、12月の同国石油製品(速報値)は前年同月比で8.1%程度増加の日量1,959万バレルであった。これはガソリンや留出油需要の伸びの他、「その他の石油」の範疇の需要が増加していることによるものであるが、シェールガス生産に随伴して生産されるNGL(Natural Gas Liquids:天然ガス液)の需要が堅調であることが一因であると見られる。他方、米国での原油在庫については、製油所での原油精製処理量が増加したことに加え、米国メキシコ湾岸地域における製油所等での年末の課税対策に伴う原油貯蔵の抑制と見受けられる行為により、特に当該地域で在庫が減少傾向となった(米国のテキサス州やルイジアナ州では年末の石油在庫評価額に対して課税がなされることから、精製業者等は必要以上の在庫を保有することを敬遠するとされるが、1月以降は製油所等での原油等の受入が再開されることから在庫が大幅に増加する光景がしばしば見られる)他、米国メキシコ湾岸の主要製油所に通じるヒューストン運河(Houston Ship Channel)において濃霧による視界不良の影響で原油輸送タンカーの航行に支障が生じた時期もあったことから当該製油所での原油在庫の積み上げが鈍化したと見られることにより、米国全体でも原油在庫は減少となったが、1月初旬においても、量としては平年幅の上限を超過している(図10参照)。なお、原油在庫が平年幅を超過、ガソリン在庫が平年幅上限付近に位置し、留出油が平年並みの在庫量となっていることから、原油とガソリンを合計した在庫は平年幅を超過する一方で、原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は平年幅上限付近に位置している(図11及び12参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2013年12月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州では原油精製処理量の伸び悩みもあり微減となった一方、米国では製油所の稼働が活発化したことに加え年末の課税対策の影響もあり相当程度減少、また日本においても秋場の製油所メンテナンス終了とともに原油精製処理量が増加してきたこともあり減少となったことから、OECD諸国全体としても減少となったが、例年この時期原油在庫は減少となることから、平年幅を超過する状態は続いている(図13参照)。Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? シ方、石油製品については、米国でCochinプロパンパイプライン(カナダ アルバータ州フォート・サスカチュワン(Fort Saskatchewan)~(米国中西部経由)~オンタリオ州ウィンザー(Windsor)、総延長1,900マイル(約3,040㎞)、プロパン輸送能力日量7.6万バレル)が11月27日から12月20日までメンテナンス作業により操業を停止したことに加え、11月下旬以降しばしば気温が平年を割り込む水準にまで低下したことに伴い暖房用需要が発生したことから、米国のプロパン在庫が1,000万バレル強の減少となったこと、欧州では製油所の稼働が低迷したことに伴い製品生産が不振であったこと、日本では冬場の暖房シーズン到来とともに灯油在庫が減少したことなどにより、OECD諸国全体としても石油製品在庫は低下、11月末に引き続きこの時期としては平年幅の下限を割り込む状態となっている(図14参照)。なお、原油在庫が平年幅の上限を超過する一方で石油製品在庫が平年幅の下限に届かない水準となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅の下方に位置している(図15参照)。また、12月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は55.4日と11月末の推定在庫日数である56.2日から減少している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? シンガポールでのガソリン等の軽質製品在庫は、それまで低迷気味であった中国、韓国、インド、台湾等からのシンガポール向けガソリン輸出が増加したこともあり、12月18日には1,100万バレルと、前週の950万バレル余りから急増、そしてその後12月中は在庫は1,100万バレル前後で推移していたが、2014年に入り1,200万バレル台へと増加した。通常シンガポールでの軽質製品在庫は多くても1,100万バレル台ということが殆どであるので、1,200万バレルを超過する在庫量は非常に高い水準と言うことができる。しかしながら、12月22日に台湾プラスチック工業(Formosa Petrochamical)の麦寮(Mailiao)製油所(原油精製能力日量18万バレル)において不具合発生により停止した残渣油流動分解装置(RFCC、生産能力日量8.4万バレル)について、1月末まで稼働が再開しないことに伴い当該製油所からの1月のガソリン出荷が2月へとずれ込む旨同社が12月24日に明らかにした他、インドでも1月に入り複数の製油所がメンテナンス作業に伴い操業を停止しており、また2月にもインドにおいて別の製油所がメンテナンス作業で操業を停止する旨予定されることから、アジア市場におけるガソリン価格は原油価格に比べて底堅く推移している。他方、LPG需要増加と価格上昇に伴い相対的に割安なナフサに対する需要が増加したことに加え、1月に入りインドで複数の製油所のメンテナンス作業を開始したことに伴い操業を停止したことや、さらに今後アジア諸国において製油所がメンテナンス作業実施により操業を停止する予定であることから、この先ナフサの供給が低下する恐れがあることが市場で意識されたこともあり、ナフサの価格も総じて原油価格に比べて堅調に推移した。 シンガポールでの中間留分在庫は12月11日の670万バレル台半ば程度から1月15日には1,100万バレルを超過する水準へと増加傾向となった。これは、欧州において冬にしては温暖な気候であることから暖房用石油製品需要が低迷したうえ、降雨量が多い地域もあり外出が控えられたことが自動車用軽油需要に影響したことにより、アジア諸国等の製油所が欧州に当該製品を輸出する代わりにシンガポールに輸出したことが影響していると見る向きもある。ただ、ガソリン同様インドをはじめとしたアジア諸国での製油所のメンテナンス作業に伴う操業の停止により今後供給が減少するとの観測から、アジア市場の軽油価格は原油価格に比べて安定して推移している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? Vンガポールの重油在庫については、12月11日には2,200万バレル台前半の水準であったが、その後は減少傾向となり1月15日は2,000万バレル弱となった。米国やベネズエラからシンガポールへ重油の輸出が行われたことで、当該在庫の減少幅は比較的小規模にとどまったが、在庫減少を反映し重油は原油に比べると価格が比較的維持された。また、米国やベネズエラから輸出される重油は動粘性が高く、動粘性の低い重油と混合することを通じて品質の調整が必要となるため、動粘性の低い重油の動粘性の高い重油に対する割高感が増大した。 2013年12月中旬から2004年1月中旬にかけての原油市場においては、12月中は米国経済が改善していることを示唆する経済指標類、リビアやスーダンでの原油供給途絶に関する市場の懸念、そして米国での原油や石油製品の在庫減少などにより、原油価格(WTI)は上昇基調となり、12月13日には1バレル当たり96.60ドルの終値であった価格は12月27日には100.32ドルの終値と、3ヶ月超ぶりに終値ベースで100ドルを超過した。ただ、その後は100ドルを突破したことに伴う利益確定の動きが発生したうえ、リビア南西部の油田での操業再開、イランによるウラン濃縮プログラム縮小及び制裁緩和履行に関する西側諸国等との合意に伴う市場での将来のイランからの石油供給増加観測の発生と中国経済減速に対する市場の懸念の増大、米国金融当局による金融緩和策縮小に関する市場の不安感の増大と米ドル上昇、米国での石油製品在庫の増加などにより、原油価格は総じて下落基調となり、1月に入ってからは殆どの時期は1バレル当たり90ドル台の前半で推移した(図16参照)。 2013年12月中旬から2004年1月中旬にかけての原油市場等の状況 . 2 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 2月10日にリビア東部地域の指導者が12月15日に同国東部石油ターミナルの封鎖を解除する旨発言したものの、リビア中央政府との交渉が不調であったことから、12月15日においても当該石油ターミナルが閉鎖されたままとなっていることで、同国石油供給を巡る懸念が12月16日の市場で増大したことに加え、12月16日に英金融情報サービス会社マークイットが発表した12月のユーロ圏購買担当者指数(速報値)(50が景気拡大と縮小の分岐点)が52.1と11月の51.7から上昇した他市場の事前予想(51.9)を上回ったこと、12月16日に米国連邦準備理事会(FRB)から発表された11月の同国鉱工業生産指数(2007年=100)が前月比1.1%の上昇と2012年11月(この時は同1.3%上昇)以来の高水準の伸びとなった他市場の事前予想(同0.5~0.6%上昇)を上回ったことから、12月16日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.88ドル上昇し、終値は97.48ドルとなった。ただ、12月17日には、翌日に米国エネルギー省(EIA)から発表される予定の同国石油統計(12月13日の週分)で石油製品在庫が増加しているとの観測が市場で発生したことに加え、12月17~18日に開催される予定である米国連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和策縮小が決定されるのではないかとの観測が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり97.22ドルと前日終値比で0.26ドル下落した。しかしながら、12月18日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想(前週比230~400万バレル程度の増加)の一部を上回る同294万バレルの減少となっていたことに加え、留出油在庫が市場の事前予想(同100万バレル程度の減少~40万バレル程度の増加)に反する、もしくは上回る、前週比211万バレルの減少となっている旨判明したこと、12月17~18日に開催されたFOMCでFRBによる米国債等資産購入額を月額850億ドルから同750億ドルへと縮小する旨決定したものの、それまで米国の失業率が6.5%になるまで金利をゼロから0.25%に維持するとしていた方針を、失業率が6.5%を下回っても相当期間当該低金利を維持するという方針に変更したことで、金融緩和策縮小の経済に対する影響を巡る市場の懸念が後退したこと、そして翌19日には、前日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の一部予想を上回って減少した他留出油在庫が市場の事前予想に反して、もしくは上回って減少していることが判明した流れに加え、12月17~18日に開催されたFOMCにおける米国債等資産購入額の引き下げと低金利政策維持決定の流れを引き継いだこと、12月19日に仏大手国際石油会社Totalの4ヶ所目の製油所(Donge製油所(原油精製処理能力日量23万バレル)、なおこれ以外にGonfreville製油所(同日量20万バレル)、La Mede製油所(同16万バレル)、Feyzin製油所(同11.6万バレル)が12月13日よりストライキを実施していた)がストライキを開始する決議を行ったとの情報が流れたことにより、これらの製油所での生産停止を穴埋めするための、欧州での留出油輸入需要が増加するとの懸念が市場で発生したことから、米国留出油先物相場が上昇したことにより、原油価格は12月18~19日の2日間で併せて1バレル当たり1.55ドル上昇(12月19日のみでは前日終値比0.97ドル上昇)、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 2月19日の終値は98.77ドルとなった(なお、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の2014年1月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、2014年2月渡し契約のこの日の終値は99.04ドル(前日終値比0.98ドル上昇)であった)。12月20日には、この日米国商務省から発表された2013年7~9月期の同国国内総生産(GDP)成長率(確定値)が年率4.1%と12月5日に発表された同3.6%から上方修正されたこと、Totalが保有する4ヶ所の製油所でストライキが発生していることから欧州方面からの留出油輸入が増加する一方米国に向けたガソリン輸出が低下するとの懸念が市場で発生したうえ、米国内の複数の製油所で不具合が発生したことで石油製品供給低下懸念が市場で発生したことにより、米国ガソリン及び留出油先物相場が上昇したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり99.32ドルと前日終値からさらに0.55ドル上昇した。 12月23日には、12月18~20日の原油相場上昇に対する利益確定の動きが市場で発生したことにより、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.41ドル下落し終値は98.91ドルとなったものの、12月24日には、この日米国商務省から発表された11月の同国耐久財受注が前月比3.5%増加と市場の事前予想(同2.0%増加)を上回ったうえ、南スーダンで内戦が激化した結果一部油田が閉鎖され、同国の石油生産が日量4.5万バレル減少し同20万バレルになった旨同国石油相が12月24日に明らかにしたことで、同国を巡る石油供給途絶懸念が市場で増大したこと、翌25日はクリスマスの休日に伴いNYMEXでは原油先物取引が実施されなかったが、12月24日夕方に米国石油協会(API)から発表された同国石油統計(12月20日の週分)でガソリン在庫が前週比250万バレルの減少と、市場の事前予想(同110~130万バレル程度の増加)を上回って減少している旨判明したうえ、12月26日に米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(12月21日の週分)が33.8万件と前週の38.0万件(改定値)から4.2万件の減少となった他市場の事前予想(34.5万件)を下回ったこと、12月27日には、この日EIAから発表された同国石油統計(12月20日の週分)で原油在庫及びガソリン在庫が、それぞれ前週比473万バレル、同61万バレルの減少を示し、市場の事前予想(原油前週比230~265万バレル程度の減少、ガソリン同110~130万バレル程度の増加)に反して、もしくは事前予想を上回って減少している旨判明したことに加え、バイトマン欧州中央銀行(ECB)理事会委員(独連邦銀行総裁)が低インフレを低金利政策実施の理由として利用すべきでない旨発言したと12月27日に報じられたことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことにより、原油価格は12月24、26及び27日はいずれも終値ベースで上昇、12月27日の原油価格の終値は1バレル当たり100.32ドルと終値ベースでは10月18日(この時は100.81ドル)以来の100ドル超での終値となり、またこの3取引日合計の上昇幅は1.41ドルとなった。 ただ、12月27日に1バレル当たり100ドルを超過したことに伴う利益確定の動きが市場で発生したことに加え、12月30日に全米不動産業協会(NAR)から発表された11月の米国中古住宅成約指数(2001Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? N=100)が前月比0.2%上昇の101.7となったものの市場の事前予想(同1.0%上昇)を下回ったこと、同じく12月30日に中国地方政府の債務が2013年6月末時点で17.9兆元(約311兆円)に到達している旨中国国家審計署が明らかにしたことで今後の同国経済運営に対する懸念が市場で発生したこと、12月31日には、1月3日にEIAから発表される予定の同国石油統計(12月27日の週分)で石油製品在庫が増加しているとの観測が市場で発生したこと、1月1日は米国での新年の休日に伴いNYMEXでは取引が実施されなかったが、この日中国国家統計局及び中国物流購買連合会から発表された2013年12月の同国製造業購買担当者指数(PMI)(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が51.0と11月の51.4から低下した他市場の事前予想(51.2)を下回ったことに加え、1月2日に英大手金融機関HSBC及びマークイットから発表された12月の中国製造業PMI(改定値)が50.5と11月の50.8から低下している旨判明したこと、また同じく1月2日にリビア国営石油会社NOCが、同国南西部のEl Sharara油田(原油生産量日量35万バレル)で当該油田を封鎖していた抗議者とリビア政府との間で合意が成立したことから同油田が操業再開に向け準備中である旨明らかになったことにより、同国からの原油供給増加観測が市場で発生、また1月2日に米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(12月28日の週分)が33.9万件と市場の事前予想(34.4万件)を下回った他、同じく同日米国供給管理協会(ISM)から発表された12月の同国製造業景況感指数(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が57.0と11月(57.3)からは低下したものの、2013年としては2番目に高い水準となったことから、米国金融当局による金融緩和策縮小が加速するのではないかとの観測が市場で発生したことにより米ドルが上昇したこと、1月2日に米国北東部が大雪となった(大雪は3日まで続いた)ため自動車向けガソリン需要が低下するとの懸念が市場で発生し米国ガソリン先物相場が下落したこと、1月3日には、リビアのEl Sharara油田が操業再開に向け準備中であることに伴う同国からの原油供給増加観測の流れをこの日の市場も引き継いだうえ、この日EIAから発表された同国石油統計で留出油在庫が前週比504万バレルの増加と市場の事前予想(前週比30万バレル程度の減少~120万バレル程度の増加)に反して、もしくは事前予想を上回って増加している旨判明したこと、1月3日に米リッチンモンド連邦準備銀行のラッカー総裁が今後も金融緩和策は縮小の方向性である旨示唆したこともあり米ドルが上昇したことから、12月30~31日及び1月2~3日のそれぞれの取引日については、いずれの日も原油価格は終値ベースで下落、1月3日の原油価格の終値は1バレル当たり93.96ドルと下落幅は合計で6.36ドルとなった。 また、1月5日にリビアNOCがEl Sharara油田で生産が再開された旨明らかにしたことで、同国からの石油供給に対する懸念が1月6日の市場で後退したことに加え、1月6日にHSBCとマークイットから発表された12月の中国サービス部門PMI(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が50.9と11月の52.5から低下したこと、1月6日に米国ISMから発表された12月の同国非製造業景況感指数(50が当該部Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 蜉g大と縮小の分岐点)が53.0と11月の53.9から低下、2013年6月(この時は52.8)以来の低水準となった他、市場の事前予想(54.5~54.7)を下回ったことにより、1 月6日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.53ドル下落、この日の終値は93.43ドルとなった。ただ、1月5日にリビア海軍がマルタ船籍のタンカーによる同国東部Es Sider石油ターミナル(この石油ターミナルはリビア政府に対する抗議者により封鎖されていた)での原油積出を阻止した後、如何なるタンカーも抗議者により掌握されている石油ターミナルでの原油積出を認めない旨1月6日に警告した一方で、1月7日には、リビア東部キレナイカ自治政府がEs Sider石油ターミナルを利用するタンカーの安全を保障する旨明らかにしたことで、リビアでの政情不安と同国からの原油輸出に関する懸念が1月7日の市場で増大したことに加え、1月7日に米国北東部他幅広い地域で気温が大幅に低下したことで暖房油需要増加に関する市場の観測が増大したうえ寒波により複数の製油所で操業に支障が発生したため石油製品需給逼迫懸念が市場で増大したこと、1月8日にEIAから発表される予定の同国石油統計(1月3日の週分)で原油在庫が減少しているとの観測が市場で発生したこと、1月7日に独連邦雇用庁から発表された12月の同国失業者数が11月比で1.5万人の減少と2013年7月以来の減少となった他市場の事前予想(0~1,000人の減少)を上回ったこと、同日米国商務省から発表された11月の同国貿易収支が342.5億ドルの赤字と2009年10月(この時は339.5億ドルの赤字)以来の低水準の赤字幅となった他市場の事前予想(400億ドルの赤字)を下回ったことから1月7日の米国株式相場が上昇したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり93.67ドルと前日終値比で0.24ドル上昇した。しかしながら、1月8日には、この日EIAから発表された同国石油統計でガソリン及び留出油在庫がそれぞれ前週比624万バレル、同583万バレルの増加と市場の事前予想(ガソリン前週比200~250万バレル程度の増加、留出油190~225万バレル程度の増加)を上回って増加したこと、1月8日に発表されたFOMC議事録(12月17~18日開催分)で金融緩和策縮小を着実に実施していく方針が示唆されていた旨判明したこともあり米ドルが上昇したこと、また1月9日も前日にEIAから発表された同国石油統計でガソリン及び留出油在庫が市場の事前予想を上回って増加したことによる市場での需給緩和感増大の流れを引き継いだことで、原油価格は1月8~9日の2日間合計で1バレル当たり0.67ドル下落、1月9日の終値は91.66ドルとなった。ただ、1月10日には、この日中国税関総署から発表された12月の同国原油輸入量が2,678万トン(推定日量631万バレル)と日量ベースでは過去最高水準に到達した旨判明したうえ、1月10日に米国労働省から発表された12月の同国非農業部門雇用者数が前月比7.4万人増加と市場の事前予想(19.6~19.7万人)を大きく下回ったことで米国金融当局による金融緩和策縮小が減速するとの観測が市場で発生したことから、1月10日の終値は1バレル当たり92.84ドルと前日終値比で1.18ドル上昇した。 また、1月12日にイランと国連安全保障理事会常任理事会5ヶ国及びドイツの計6ヶ国との間で、2013Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? N11月24日に行われたイランのウラン濃縮活動縮小と同国に対する制裁の一部緩和に関する合意につき1月20日に履行を開始する旨意見が一致したことにより、将来のイランからの石油供給増加観測が市場で発生したうえ、1月10日に生産を停止した英領北海Buzzard油田(通常時原油生産量日量20万バレル)が生産を再開し数日中に正常な操業に復帰する旨1月13日にオペレータのNexenが明らかにしたこと、1月15日にEIAから発表される予定の同国石油統計(1月10日の週分)でガソリン在庫が増加しているとの観測が市場で発生したことから、1月13日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.04ドル下落し、この日の終値は91.80ドルとなった。しかしながら、1月14日には、この日米国商務省から発表された12月の同国小売売上高が前月比0.2%増加と市場の事前予想(同0.1%増加)を上回ったこと、1月15日にEIAから発表される予定の同国石油統計で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で増大したこと、また、1月15日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油在庫が前週比766万バレルの減少と市場の事前予想(同60~160万バレル程度の減少)を上回って減少していたうえ、留出油在庫が前週比で102万バレルの減少と市場の事前予想(同125~150万バレル程度の増加)に反して減少していた旨判明したこと、1月14日夕方に発表された世界銀行による「世界経済展望」で世界銀行が2014年の世界経済成長率見通しを3.2%と2013年6月12日発表時の3.0%から上方修正したうえ、1月15日に発表された米大手金融機関バンク・オブ・アメリカの2013年10~12月期業績が市場の事前予想を上回ったことに加え、1月15日にニューヨーク連邦準備銀行から発表された1月のニューヨーク地区製造業景況感指数(ゼロが当該部門拡大と縮小の分岐点)がプラス12.51と2013年12月のプラス2.22から上昇した他市場の事前予想(プラス3.50~3.75)を上回ったことにより、1月15日の米国株式相場が上昇したことから、1月15日の原油相場の終値は1バレル当たり94.17ドルと原油価格は1月14~15日の2日間で合計2.37ドル上昇した。1月16日には、この発表された石油輸出国機構(OPEC)による「月刊オイル・マーケット・レポート」において、OPECが2014年の世界石油需要見通しを上方修正したものの、同年の非OPEC産油国石油生産量も併せて上方修正した結果、2014年の対OPEC産油国原油需要が日量2,958万バレルと2013年の同2,995万バレルから減少するとの見解が改めて示されたことで、世界石油需給緩和感を市場が再認識したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.21ドル下落し、終値は93.96ドルとなったものの、翌17日には、この日FRBから発表された2013年12月の同国鉱工業生産指数(2007年=100)が前月比0.3%上昇、2013年第四四半期では前期比年率6.8%の上昇と、2010年第二四半期(この時は同8.7%の上昇)以来の大幅な上昇となった旨判明したことに加え、この先米国北東部に寒波が到来し暖房用石油製品需要が増加するとの観測が市場で増大したことにより米国暖房油先物相場が上昇したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり94.37ドルと前日終値比で0.41ドル上昇している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? 今後の見通し等 1月12日に、国連安全保障理事会常任理事国5ヶ国にドイツを加えた6ヶ国とイランとの間で、2013 3年11月24日に到達した両者間による第一段階の合意内容を記載した「共同行動計画」の具体的な履行につきウラン濃縮活動縮小(5%を超過する濃縮ウラン生産の凍結、保管している20%程度に濃縮されたウランの希釈、イラン西部アラクにある重水炉の操業を中断)とイランに対する制裁措置の緩和に関して1月20日にそれらの実施を開始する旨意見が一致した。これに伴い欧州連合(EU)側もこの日を以てイランからの原油輸入タンカーに付保する保険の引き受け禁止措置や同国からの石油化学製品の輸入禁止措置を停止するなど、制裁措置を緩和する予定である。また、両者は2月にさらなる協議を進める可能性が高い旨伝えられる他、米国のオバマ大統領は、議会上院が検討している、イランに対する制裁強化の動きに対して、万一法案が議会で可決されても拒否権を行使する旨明らかにしており、この面では両者の外交努力によるイラン問題解決に向けた動きは一定の前進を見ている。このようなことから、イランを巡る地政学的リスクに対する市場の懸念は後退する方向に向かいつつある。ただ、今後の両者のさらなる交渉は紆余曲折を経ることが予想される。また、1月10日にはロシアとイランとの原油交換プログラム(イランの原油とロシア製品との交換取引で、イランから最大日量50万バレルの原油をロシアに輸出する代わりに輸出代金相当のロシア製品をイランが輸入するプログラム)について両者間で協議されていると伝えられ、もしこれが実現すれば、実質的にはイランでの原油増産が可能になるものの、これは11月24日の「共同行動計画」に関する合意(そしてその合意した当事者の中にロシアも含まれる)の実効性を著しく低下させることになるため、他の西側諸国等の当事者(特に欧米諸国)の態度を硬化させ、今後のウラン濃縮問題に関する交渉に影響が生ずる恐れが出てくるため、短期間にイランからの原油輸出が増加するかどうかは依然不透明であると言わざるを得ない。また、イランの原油輸入タンカーに付保する保険の引き受け禁止措置停止についても、既に各国政府が代替策を講じるなどしてイランからの原油輸入を継続してきた一方で、イランに対する原油輸入削減措置自体は撤廃されているわけではないことから、これによりイランからの原油輸入が大幅に増加する、という可能性もそれほど高くはないものと考えられる。このようなことから、今後のイランと西側諸国等との間での歩み寄りとイランからの原油輸出再開の可能性は以前に比べて高まっていることにより、その分だけ原油価格上昇の確率は低くなったと考えられるが、イラン問題が根本的に解決しているわけではないので、この面では原油相場は引き続き下支えされるものと考えられる。 他方、リビアについては、同国南西部にあるEl Sharara油田で抗議者が封鎖を解除した後操業を再開した旨リビアNOCが1月4日に明らかにしている。このようなこともあり、同国での石油生産量は11~12Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? 獅フ日量21万バレル程度から日量60~65万バレル程度にまで回復した旨1月13日に同国のアルーシ石油相が発言している。ただ、東部においては、石油ターミナルにおける抗議行動に伴う封鎖は解除されていないどころか、石油ターミナルを封鎖している部族が独自に国外に石油を輸出しようとする動きもあり、1月5日には、東部にあるEs Sider石油ターミナルから石油の船積みを行おうとしたマルタ船籍のタンカーに対してリビア海軍が発砲してそれを阻止したことに加え、1月8日には、ゼイダン首相が抗議者により掌握されている東部の石油ターミナルから石油を積み出そうとするタンカーに対して攻撃を加えるかもしれないうえ、そのような者に対してはリビア政府が提訴する他将来の協力を拒否する旨示唆している一方、東部地域の指導者は東部の石油ターミナルで船積みしようとしているタンカーに対してその安全を保障する旨発言するなど、中央政府と東部を支配する部族との間での対立はやや深刻化する様相を呈しており、その意味ではかつてに比べてリビア政府と抗議者との間での合意の可能性も少なくとも増大はしておらず、むしろ低下しているように見受けられることから、東部地域における石油生産の増加にはなおそれなりの時間を要すると考えられる。また、前述の通り生産を再開したEl Sharara油田においても、抗議者であるところの地方自治権の拡大を要求する少数部族が自分たちの要求を中央政府が受け入れなければ再度当該油田を封鎖する恐れがある旨表明しているなど、同国の石油生産も現在の水準から再び低下する可能性すらある。その意味では、リビア情勢は現状でも原油相場を下支えする要因として作用する他、石油生産が再度低下すれば、それが原油相場にとって上方圧力を加える材料となることもあり得よう。 他方、エジプトについては、1月14~15日において新憲法草案に対する国民投票が実施され、98.1%の賛成多数で承認された旨1月18日にエジプトの選挙管理委員会が発表している。ただ1月14日の投票初日にはエジプト全土で衝突が発生し、多数の死傷者が出た。今後もモルシ前大統領支持派と現政権との衝突が散発的に発生する可能性も否定できず、不安定な状況がしばらく続く恐れもあるが、両者の衝突が頻発したときでさえ、中東と欧州を結ぶ石油輸送上の要所であるスエズ運河の通行には支障が発生しなかったことからすると、今後衝突が発生しても直接当該運河に影響が及ぶ可能性はかなり低いものと見られる。その意味では、エジプト情勢が今後余程急激に悪化する、といったことでない限り、この面での原油相場への影響は限定的になるのではないかと考えられる。 シリアでは依然として内戦が続くものの、1月22日にスイスのモントルーで和平のための国際会議が開催される予定であり、また化学兵器の廃棄作業も継続していることから、米国による同国への空爆の可能性は2013年8月時点に比べると大きく低下していることにより、この面でも原油相場への影響は大きくはないと考えられる。 他方、今後も米国等での経済指標類が原油相場へ影響を及ぼしていくことが考えられる。ただ、経済Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? 譿ィが改善していることを示唆する指標が発表されれば、景気が回復するとともに石油需要が増加するという期待感が市場で高まり原油価格に上方圧力を加える反面、金融緩和策縮小が加速するという懸念も高まり原油価格に下方圧力を加えることになる一方、経済情勢が悪化していることを示唆する指標が発表されれば、景気が減速するとともに石油需要が鈍化するという不安感が市場で高まり原油価格に下方圧力を加える反面、金融緩和策が加速するという懸念が後退することにより原油価格に上方圧力を加えることから、このような経済指標類は原油相場を変動させるものの、上方もしくは下方どちらかへの傾向を形成するにはなお力不足となるのではないかと考えられる。また当面2013年10~12月期を中心とした米国等企業の業績発表が行われるが、これが株式相場を変動させることを通じて原油相場に影響を及ぼしてくる場合もありうる。 石油需給面については、まず、今後発表されるEIAによる石油統計が注目されることになろう。年末の課税対策から米国メキシコ湾岸地域では製油所等が陸上での原油貯蔵を減少させた(その代わり米国メキシコ湾沖合にタンカーで原油を貯蔵しているとされる)。ただ、既に年末は過ぎたことから、製油所等は陸上での原油貯蔵水準を引き上げ始める。12月末までは1週間当たり最大で1,000万バレルを超過する原油在庫の減少が発生していたが、今後当面は相当程度の原油在庫積み上げが進むと考えられる。加えて、間もなく米国等では冬場の暖房シーズンに伴う暖房用石油製品需要期が峠を越え始めるとともに製油所の春場のメンテナンス作業時期が視野に入ってくることから原油精製処理量の低下とともに原油の購入が不活発になっていくものと考えられる。これらの要因により、原油相場の上昇が抑制される可能性がある。但し、Keystone XLパイプラインのGulf プロジェクト部分(クッシング~ヒューストン/ポートアーサー、原油輸送能力日量70万バレル)が1月22日に開通する予定となっていることから、クッシングでの原油在庫減少(クッシングでは周辺のパイプライン整備により、2013年の秋場の製油所メンテナンス作業シーズン到来に伴う製油所等による原油購入不活発時期であっても原油在庫の積み上がりは最大でも1週間当たり218万バレルにとどまっており、当該パイプラインの完成で1週間当たり500万バレルのクッシングでの原油在庫減少の効果がある)から、WTIがブレントとの価格差を縮小すべく上昇していく可能性がある。また、既に製油所の段階では冬場の暖房シーズンも残り少なくなってきているとの認識が市場で広がりやすいとはいえ、依然として3月末までは当該シーズンは続くことから、この時期において米国の暖房油消費の中心地である北東部で気温が平年を大きく下回る状況が発生したり、また発生するとの予報が発表されたりすれば、暖房油価格の上昇を通じて、原油相場にその影響が及ぶ恐れがあるので注意が必要であろう。 また、1月21日にはIEAのオイル・マーケット・レポート(OMR:Oil Market Report)に加え、国際通貨基金(IMF)から世界経済見通し(WEO:World Economic Outlook)(改訂版)が発表される予定である。IEAGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? フOMRについては、世界石油需要見通しのみならず非OPEC産油国の供給見通しの修正により、世界石油需給の緩和もしくは引き締まりの観測が市場で発生することも予想され、IMFのWEO改訂版についても、世界経済成長に関して上方修正等が施されている旨判明すれば、市場で世界石油需要の増加観測等が発生し、それにより原油相場が変動することも考えられる。 総合すると、地政学的リスク要因は改善しつつあるものの根本的な解決までにはなお時間を要することから、これにより原油相場は一定の範囲内にとどまる可能性が高いと考えられる。また、今後の春場の石油不需要期接近や原油在庫の増加傾向が原油相場の上昇を抑制する。そのような中で米国経済指標類により原油価格は変動することになろうが、WTI価格はクッシングでの原油需給引き締まり観測で上昇傾向となりやすいのに対し、ブレント価格は一定の範囲内での変動となるか、WTIとの価格差縮小観測に伴う先物契約売却の動きで下落するといった展開も予想される。 . 世界天然ガス市場動向 米国では、天然ガス価格は一時に比べて上昇してきてはいるものの、シェールガス鉱床、特に液体炭 4化水素を随伴で生産しない鉱床においては、多くの地域で引き続き開発・生産コストを割り込んでいると見られ、天然ガス開発・生産のための水平坑井用掘削装置(つまり基本的にシェールガス開発・生産のための装置)稼働数が低迷したままとなっている(図17参照)。このようなこともあり、米国での天然ガス生産量は2010~11年に見られたように堅調に増加しているわけではない(図18参照)。それでも、シェールオイル生産の際に産出される随伴ガスに加え、米国北東部にあるマーセラス(Marcellus)シェール鉱床(ここでは主に天然ガスが産出される)における天然ガス輸送パイプラインの整備(2012年も、7月にSunriseパイプライン(ウェスト・バージニア州ウェッツェル(Wetzel)郡~ペンシルバニア州グリーン(Greene)郡、天然ガス輸送能力日量3.1億立方フィート)、9月にAppalachian Gatewayパイプライン(ウェスト・バージニア州の天然ガス生産地帯~ペンシルバニア州南部、天然ガス輸送能力日量4.7億立方フィート)及びブラックスビル(Blacksville)での昇圧基地(Compressor Station)(これにより天然ガス輸送能力が日量2億立方フィート増強される)の建設が、それぞれ完了している他、2013~15年にかけても、複数の輸送インフラの整備が進められる予定である)により、これまで輸送能力の制限により抑制されていた当該地域でのシェールガス生産の拡大が可能となってきつつあることから、以前の見通しに比べて米国天然ガス生産量が日量20億立方フィート程度上振れするであろうと市場では見られるようになっている。ただ、米国での比較的低水準の天然ガス価格が今後も継続することにより生産量の伸びは比較的緩やかなものとなると考えられている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? 一方で同国の液化天然ガス(LNG)輸入は低迷(図19参照)、また天然ガス価格の下落により発電部門で石炭から天然ガスへと燃料利用が転換したことに伴い需要が盛り返したことなどから、同国の天然ガス在庫(地下貯蔵量)は2012年4月の大幅緩和状態からは引き締まり、2013年においてはその大半の時期は平年並みの状況となり、それにより2012年には一時100万Btu当たり2ドルを割り込んだ天然ガス価格は同3ドル台後半を中心とする価格帯へと回復するとともに、発電部門で利用されていた天然ガスの一部が石炭へと回帰した。ただ、米国では11月下旬に入り、しばしば寒波が到来したことにより、軒並み気温が平年を下回った(図20参照)ことから、暖房用天然ガス需要が大幅に増加した(図21参照)一方で、寒波はテキサス州等の産ガス地帯にも来襲したことで、天然ガス田における操業関連資機材が凍結したことにより生産に支障が発生したことから、同国の在庫水準は大幅に減少(2013年12月13日の同国天然ガス地下貯蔵量は前週比で2,850億立方フィートの減少と、1993年12月31日以降の週間地Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? コ貯蔵統計上最大の減少幅となったが、2014年1月10日の当該地下貯蔵量も前週比で2,870億立方フィートの減少と12月13日の統計史上最大の貯蔵量減少幅の記録を更新してしまっている)、平年を割り込む状態となり(1月10日時点での同国の天然ガス地下貯蔵量は2.53兆立方フィートであったが、これは過去5年平均値を15%弱下回る水準であった)、天然ガス需給はさらに引き締まった(図22参照)。それに伴い同国での天然ガス価格も上昇、2013年12月5日には終値ベースで100万Btu当たり4ドルを突破、12月22日夜~12月23日午前中の取引では一時100万Btu当たり4.5ドルを超過する場面も見られた(図23参照)。米国の天然ガス価格が100万Btu当たり4.5ドルを超過したのは、2011年7月21日の取引以来であった。ただ、その後は気温が平年を上回るか平年並みとなる日が見られるようになったことや、100万Btu当たり4.5ドル程度の価格が持続した場合、発電部門における石炭コストをも上回る(図24参照)ことから、発電所において天然ガスから石炭へと使用燃料の転換が促進される結果、天然ガス需要が抑制されるようになるとの観測も市場で出てくることもあり、米国での天然ガス価格は多少下落してきたものの、それでも1月下旬は米国北部の広い範囲で気温が平年を下回るとの予想が発表されていることから、100万Btu当たり4ドルを超過する水準は維持されている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? 他方、欧州においては、債務問題は一時に比べて落ち着きつつあるように見受けられるが、域内経済は引き続き低迷しているうえ、米国からの石炭の輸入が依然根強い(図25参照)こともあり、天然ガス価格に比べて炭素排出権を加味しても石炭調達コストの方が安価な状態が継続していたことに加え、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に伴う風力発電等の導入による発電量の増加に挟まれる格好にもなり、当該地域の天然ガス需要は前年比で若干ながらも減少を示しており(図26参照)、一方でLNGの輸入も限定的な水準にとどまっている(図27参照)。このような中、欧州では気温の低下とともに、例えば英国の天然ガス価格は100万Btu当たり10ドル台から11ドル台へと上昇、12月3日には12ドルを超過したと推定されるが、その後は欧州での冬場の気温が総じて平年を超過していた(図28参照)こともあり、天然ガスは下落傾向となり、1月中旬には100万Btu当たり10ドル台後半で推移している。また、2013年秋場の欧州域内の天然ガス貯蔵量も前年の秋場の最大値を約1,000億立方フィート下回る地点で折り返し減少し始めたが、寒さが厳しくないこともあり貯蔵量の減少度合いも緩やかものになったと見られ、1月中旬時点での欧州での天然ガス貯蔵量は前年同期並みとなっている(図29参照)。ただ、その中でもスペインなどは2013年の年末に一時平年を割り込む気温が発生したことから、暖房向けの天然ガスの確保の必要性に迫られたものの、当初スペインが輸入したLNGについては、他方面への再輸出手配が既に行われてしまっていたため、改めて同国でのLNGのスポット調達のための活動が活発化したことから、欧州地中海地域でのLNGスポット価格が2013年末以降100万Btu当たり15ドル台後半(12月の当該スポット価格はそれまで同13ドル台後半から14ドル台前半で推移していた)へと跳ね上がる場面も見られている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? 他方アジア諸国では、中国国務院が9月12日に大気汚染防止のための行動計画を発表、2017年までに中国の石炭消費を総エネルギー消費のうちの65%(2012年は68%であった)に抑制する一方で他のエネルギー源への転換を進める旨表明したことに合わせ、石炭を代替するための天然ガス(LNG)の調達活動が活発化したこと、韓国では、5月28日に韓国で稼働中の原子力発電所2基の安全装置に使用されている部品につき性能確認試験結果書類が偽造されていた旨発覚したことにより、5月29日に新古里原子力発電所2号機及び新月城原子力発電所1号機が稼働を停止(また4月より定期点検で停止中であった新古里原子力発電所1号機についても同様の理由で以降停止したままとなった)に加え、装置の不具合等で停止したり定期点検中であったりする施設と併せ、12月4日以降原子力発電所7基が停止したこと(なお、新古里原子力発電所1号機と新月城原子力発電所1号機は1月7日に稼働を再開、新古里原子力発電所2号機も1月11日に稼働を再開している)により、韓国では代替発電燃料としてのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? V然ガスの確保に積極的になった他、日本では平年を下回る冬場の気温予報が発表されたことから天然ガス需要が堅調であったことで、北東アジアのLNGスポット価格は9月末時点の100万Btu当たり16ドル弱から1月中旬には同19ドルを超過、2013年2月以来の高水準にまで上昇している。また、実際2013年10~11月の日本や韓国でのLNG調達は前年を上回る状態となっている(図30参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ?
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2014/01/20 野神 隆之
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