中国:輸入LNGインフラ整備の現状、輸入LNG需要変動要件ならびにLNG先物・現物取引への取り組み
レポートID | 1004423 |
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作成日 | 2014-01-24 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-03-05 19:32:42 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
分野 | 天然ガス・LNG |
著者 | 竹原 美佳 |
著者直接入力 | |
年度 | 2013 |
Vol | 0 |
No | 0 |
ページ数 | |
抽出データ | 中国:輸入LNGインフラ整備の現状、輸入LNG需要変動要件ならびにLNG先物・現物取引への取り組み 更新日:2014/1/22 調査部:竹原 美佳 LNG受入基地整備の状況 中国のLNG輸入は伸長している。輸入量は2012年の1,500万t/年から2013年は約1,700万t/年 ?に達する見通しである。 2013年後半に3基地(広東省珠海、河北唐山、天津FSRU)が稼働し、稼働中の受入基地は計9基地、受入能力は約3,400万t/年となった。この他建設・建設準備中の基地が9基地あり順調に建設が進めば2020年頃に中国のLNG受入能力は6,000万t/年に達する可能性がある。2013年3月には民間都市ガス企業による基地計画の政府承認が下りた。基地建設の承認はまだだが、実現すれば民間のLNG輸入事業に弾みがつく画期的な動きである。 現在長期売買契約(締結済み)は約4,200万t/年ある。この他MoUを締結しているものが1,000万t/年ある。また、国有石油企業3社が上中流権益を保有する豪Browse、モザンビーク、加Aurora(Nexen)およびLNG Canada、Kitimatなど多数のLNG供給候補が存在する。 LNG2次基地建設、内航船建造計画 LNG2次基地の建設や内航船の建造が始まっており、これらの事業には広東九豊や新疆広匯など民 ?間企業が参加している。 ? 輸入LNG需要変動要件と先物取引の動き 輸入LNGは季節調整、輸送用燃料、発電などで需要伸長が見込まれる一方、産業用需要の下振れやパイプラインガスとの競合による需要減速あるいは停滞リスクが存在する。 中国政府はLNGの先物・現物取引を試験的に始めている。まだ試験的な動きだが、展開次第ではアジアのLNG価格決定に影響を及ぼす存在に成長する可能性がある。 .LNG受入基地整備の状況 1中国のLNG輸入は伸びている。2013年1~11月の輸入量は約1,560万t/年と2012年通年の輸入量約1,500万t/年を上回った。 2013年後半に3基地(広東省珠海、河北唐山、天津FSRU)が稼働し、稼働中の受入基地は計9基地、受入能力は約3,400万t/年となった。2013年末時点で建設中の基地が6基地(受入能力計1,700万tGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? ^年)あり、2016年頃には少なくとも15基地が稼働、受入能力は5,000万t/年に達する見通しである。この他EPCが完了あるいは初歩的な建設承認が下りている建設準備中の受入基地が少なくとも3基地(受入能力計900万t/年)ある。順調に建設が進めば2020年頃に中国のLNG受入能力は6,000万t/年に達する可能性がある。 (単位:万t/年) CNOOC他が出資する広東省の珠海(Zhuhai)LNG受入基地は2013年10月24日にカタールから初カーゴを受領、運転を開始した。珠海基地の受入能力は350万t/年である。CNOOCは2008年6月にQatargas(2・3トレイン)のLNG200万t/年(25年)の売買契約を締結している。この契約は広東、福建、上海、浙江、海南省のLNG受入基地への供給が可能である。しかしCNOOCは2013年1~10月に広東大鵬、福建、浙江寧波の3受入基地でカタールから計190万tのLNGを輸入しており、珠海基地については2009年11月にMoUを締結したQatargas4(売買契約を締結済みかどうかは不明)から、あるいは 表 1 :中国で稼働・建設・建設準備中のLNG受入基地受入能力 1) 2013年に運転を開始した受入基地(3基地) (① 広東・珠海受入基地 複数契約からの調達になるものと思われる。 ② 河北・唐山受入基地 11月15日にはPetroChina他が出資する河北省の唐山(Tangshan)受入基地はカタールから初カーゴを受領し運転を開始した。唐山受入基地の能力は350万t/年である。PetroChinaはカタール国営Qatar Petroleum/ShellとQatargas(4トレイン)のLNG300万t/年(25年)の売買契約を締結している。PetroChinaは2013年1~10月に江蘇如東、遼寧大連の2受入基地で約350万t/年のLNGを輸入しており、唐山基地については2009年11月にMoUを締結したQatargas4(売買契約締結時期不明)からの調達になると思われる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? 稼働中建設中建設準備中計PetroChina1,0003001,300Sinopec09003001,200CNOOC2,3708003003,4703,3701,7009005,970③ 天津FSRU 11月21日にCNOOC傘下のCNOOCガス&パワーが天津市の天津港南疆港区に設置した洋上浮体式LNG貯蔵/再ガス化設備(FSRU)はGDF Suezから初カーゴ(5万9,000トン)を受領しコミッショニング(試運転)を開始した。天津FSRUの処理能力は220万t(約30億m3/年)である。CNOOCとGDF Suezは2010年10月に260万t/年(3年間)のポートフォリオLNG売買契約を締結しており、このFSRUはGDF SuezのポートフォリオLNGからの調達が中心になると思われる。 天津FSRUはノルウェーのLNG輸送事業者Hoegh LNG が所有するLNG船Cape Ann(貯蔵容量145,000 m3)を利用している。GDF SuezはCape Ann について2030年まで20年のチャーター契約を締結しており、CNOOCに最大5年にわたりリースを行うことで2011年4月に合意している。CNOOCは250万t/年以下のFSRUを輸入する計画を進めており、リース期間終了後は自社船によるLNG受入・処理Sinopecが初めて建設する山東省青島(Qingdao)受入基地は受入能力が300万t/年で2011年6月に着工した。Sinopecによると昨年12月時点で8割が完成しており2014年中に稼働予定である。同基地は2014年稼働予定のパプアニューギニアPNG-LNGからの調達が中心になると思われる。Sinopecは2009年11月にExxonMobil/Oil Searchと200万t/年(20年)の売買契約を締結している。 Sinopecは山東基地で輸入したLNGを原料としたエチレンプラントを建設する計画を進めている。188億元(約30億ドル)を投じて100万t/年のエチレンプラントおよびエチレングリコール(EG)などのプラントを建設する計画だ。原料の軽質炭化水素については半量を輸入ガス、残りを青島煉化公司や周辺の製油所からのLPGなどを調達する模様である。2013年6月に環境保護部が環境影響評価報告書を承認した。ii ② 海南・洋浦基地 CNOOC他が出資する海南・洋浦(Yangpu)受入基地は2011年8月に着工し、2014年8月に稼働予定である。同基地の受入能力は200万t/年である。同基地は珠海基地同様Qatargas(4トレイン、MoU締結)から、あるいは複数契約からの調達になるものと思われる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 2) 建設中の受入基地(5基地) (① 山東・青島基地 を継続する可能性がある。i B 広西・北海基地 Sinopec他が出資する広西・北海(Beihai)受入基地は2013年7月に着工した。2015年稼働予定である。同基地の受入能力は300万t/年で豪州のAustralia Pacific LNG (AP LNG)を調達する見込みである。AP LNG はCBMを原料とするLNG事業である。Sinopecは2011年4月にConocoPhillips/Originと1トレイン430万t/年(20年)の売買契約を締結しておりAP LNGからの調達が中心になると思われる。 ④ 広東・迭福基地 CNOOC他が出資する広東・迭福(Tiefu)受入基地は2013年3月に国家発展改革委員会が建設を承認した。2015年に稼働予定である。受入能力は400万t/年で豪Curtis LNGを受け入れる見込みである。CNOOCは2010年3月にBGと360万t/年(20年)の売買契約を締結しており恐らく本基地はCurtis LNGからの調達が中心になると思われる。 ⑤ 天津・南港 Sinopec他が出資する天津・南港受入基地は2013年7月に着工、2016年稼働予定である。受入能力は300万t/年で豪州AP LNG(CBM-LNG)を受け入れる見込みである。Sinopecは2012年7月にConocoPhillips/OriginとAP LNG2トレイン330万t/年(20年)の売買契約を締結しておりAP LNGかCNOOCは広東・粤東(Yuedong)ならびに福建・?州(Zhangzhou) でLNG受入基地建設の準備を進めている。粤東基地(受入能力200万t/年)は2013年2月に政府(国家発展改革委員会)が建設を承認した。?州基地(受入能力300万t/年)建設は申請中だが2013年中に埋め立てを開始すると報じられている。これらの基地についてはCNOOCとBGが2012年10月末に合意したBGのポートフォリオLNG(500万t/年)を輸入するものと思われる。 またSinopecは江蘇・連雲港(Lianyungang)で受入能力300万t/年の受入基地建設の準備を進めている。2013年1月に国家能源局が初期工事を承認したと伝えられる。 2013年3月に国家能源局は民間都市ガス企業新奥(ENN)の計画する外航船向けのLNG充填プロジェクトの準備作業を承認した(国能油気【2013】99号)。ENNは1期事業として舟山に受入能力300万トン/年の基地(積載容量26万6000m3のLNG輸送船が着さん可能なバースと貯蔵容量16万m3のLNGGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? らの調達が中心になると思われる。 3) 建設準備中(4~5基地) (剔?タンク2基)を建設する計画である。外航船燃料と民生向けで、2016~17年頃の稼働を目指している。基地建設の承認はまだだが、実現すれば民間のLNG基地投資に弾みがつく画期的な動きである。新奥は2011年に米Cheniereと150万t/年のLNG購入について枠組み合意したがその後同合意は失効した模様である。iii さらに申請状況は不明だが、現在PetroChinaならびに親会社CNPCは新疆から福建向けに第3西気東輸パイプラインを建設中であり、その幹線パイプラインのバックアップとして300万t/年の受入基地を福州に建設する計画である。 第3西気東輸パイプラインは主幹線が新疆~福建間7,378kmで、輸送能力は300億m3/年である。2014年に完成予定である。250億m3は中央アジアのガスを、残り50億m3は新疆で製造する石炭ガス化によるSNG(石炭ガス化+メタネーションによる代替天然ガス)を供給する計画である。 CNPC(PetroChina)は第3西気東輸パイプラインについて台湾と海底パイプラインで結び、台湾国営石油会社CPCと共同で投資・操業する構想についてCPCに提案している模様である。中国側の提案は第3西気東輸パイプラインの支線として福建省平潭(Pingtan)から台湾海峡を経て対岸の台湾に182kmの天然ガスパイプライン(100億m3/年)を建設するというもので、台湾の天然ガス価格は高く、経済性のあるアイディアとしている。しかし台湾側は中国との関係は近年改善しているが、大陸への過度のエネルギー依存について慎重な意見がある模様である。台湾は日本同様石油・ガスはほぼ輸入に頼っている。天然ガス需要は今年発電需要により10億m3伸び170億m3/年に達した。将来の需要増に備え既存のLNG受入基地(高雄、台春)の拡張を計画しており、今年初頭にCNOOCとLNGの輸入について合意をしたがCNPCとのパイプラインもオプションの一つとなる模様である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? ①広東九豊 ~民間企業が広東省東莞にLNG内航船対応の2次基地を建設~ 広東九豊(JOVO)は2012年に広東省東莞(Dongguan)に小規模なLNG受入基地を建設した。8万m3のLNG貯蔵タンク2基ならびに1~3万tのLNG内航船が接岸可能なバースを備えている。九豊は中国海運(China Shipping)に委託し国外の小型船(1万m3級)をチャーターし、PetroChinaの大連基地から8,455トンのLNGを受け入れた。輸送に2012年12月15日から2013年1月9日まで半月以上を要している。九豊は広東省の都市ガス事業者だが天然ガスの輸入ライセンスを保有しておらず、受入基地建設について国家発展委員会の承認を得ていない。当面はPetroChinaが大連や江蘇で受け入れたLNGをLNG内航船により調達する模様である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 図 1 中国の主な天然ガス幹線パイプラインとLNG受入基地 . LNG2次基地建設、内航船建造計画 2(1)LNG2次基地 A新疆広匯 ~Shellと江蘇省でLNG受入基地建設を計画~ 2013年6月5日、新疆広匯傘下の広匯能源(Guanghui Energy、上海上場)はLNG輸入ターミナル建設についてShellと法的拘束力のあるLoIを締結した。広匯が51%、Shellが49%を出資し江蘇南通市啓東(Jidong)にLNG受入基地を建設する計画を進めている。1期の受入能力は60万t/年で、市場の状況により2期150万t/年、3期300万t/年に増強する計画である。国内のLNGと輸入LNGの両方を受け入れる計画である。新疆広匯は天然ガスの輸入ライセンスを保有していないが、すでにパイプラインにより新疆の自社液化プラント向けにカザフスタンから天然ガスを輸入している。広匯は新疆・ハミ・吉木乃合計で14億m3/年のLNG生産能力を保有している。 2013年7月にカザフスタンから中国向けににガスの供給が始まった。しかし中央アジアパイプラインではなく広匯が資産を買収、パイプラインを建設している。 供給源はカザフスタン東部Zaysanガス田で広匯は2009年にオランダベースRifkamp BVを3.03億元(4052万ドル)で買収しTarbagatay Munai(TBM)Limited の上流ライセンス49%を取得したことにより同ガス田権益を保有、Zaysanガス田から118.5km(カザフスタン区間95km、中国区間23.5km)のパイプラインを建設し、新疆アルタイ市吉木乃県の吉木乃(Jeminay)天然ガス液化プラント(液化能力 5万t/年または150万m3/日 )まで供給している。LNGは新疆ならびに甘粛省の産業・民生・輸送向けに供給して考:カザフスタンから新疆広匯の小型液化プラント向けのパイプラインガス供給 参 CNPCは海南省海口付近にLNGの2次受入基地建設を計画している。PetroChinaが操業する江蘇、大連、唐山基地からのLNGを内航船で輸送し、海南省の車や船舶向けに供給する。1期は2万m3のタンク2基を建設し、2期は1万m3の貯蔵タンク8基を建設する。また4万m3(約3万トン)のLNG内航船CNOOCは揚子江沿いの内陸部都市向けにLNGの再販を行う計画である。広西(Guangxi)欽州、湖北(Hubei)黄石、江蘇(Jiangsu)張家口などに小型のLNG受入基地を建設する計画を進めている。また CNOOC ~揚子江沿いの内陸部向けにLNG輸送を計画、内航船を発注~ ④が接岸可能なバースを建設する計画である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? CNPC ~海南省にLNG2次基地建設を計画~ ③いるiv。 NOOCは台湾民間企業Foxconn Group (富士康集團)傘下の電力会社Shinfox Co Ltd (星?)と福建から内航船で金門(Jinmen)向けに最大10万t/年のLNGを供給することについて交渉中v。 大連中遠船務と大連因泰集団、上海佳豪船舶設計公司は因泰型の積載容量28,000m3のLNG内航船建造契約を締結した、2015年に引き渡し予定である。軽油とBOGのデュアル駆動である。 2012年9月、CNOOC傘下の CNOOC EnerTech(中海発展)は小型LNG船(積載容量3万m3、90万t/年、185.2m、DFDE(ディーゼル・電気)2隻の建造について国内造船3社 の指名競争入札を実施した。上海江南が受注した。建造費は1隻8000万ドルでShanghai Merchant Ship Design & Research Institute (SDARI)が設計を行う。CNOOCはさらに積載容量3万m3の発注を行う計画である。 2)LNG内航船建造の動き (冒頭述べた通り2020年頃に中国のLNG受入能力は6,000万t/年に達する可能性がある。現在の長期売買契約(締結済み)は約4,200万t/年ある。この他カタールQatargas4や露YamalなどMoUを締結しているものが1,000万t/年ある。さらに国有石油企業3社が上流権益を保有している豪ArrowおよびBrowse、モザンビーク(Area4)、加Aurora(Nexen)およびLNG Canada、Kitimatなど多数のLNG供給候補が存在する。 表 2:小型LNG船(設計・建造中)3隻 .LNG長期売買契約 3Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? \ 3:中国のLNG長期売買契約(①は契約締結済、②はMoU、備考は上流権益を保有する供給候補) (1)LNG需要伸長要件:季節調整、輸送用燃料と発電について伸びる見通し 中国の特に北部地域はガスで集中暖房を行うため天然ガスの季節ピーク(夏と冬の需要差)が激しく、天然ガスの地下貯蔵の整備が十分ではない中国において当面はLNGの柔軟な供給がバッファーとして機能する見通しである。南部では夏季が需要ピークであり、渇水により水力発電の稼働率が低下した.輸入LNG需要変動要件と先物取引の動き 3際にバッファーとして機能している模様だ。 た中国は大気汚染が深刻な問題となっており、各地は2013年9月に政府が発表した「大気環境防 ま止行動計画」にもとづき石炭ボイラーから天然ガスなど代替燃料へのシフトを加速している。発電コストが高い天然ガス火力についても東部・南部沿海地域を中心に稼働率が上昇している(ただし冬場には家 図 2:パイプラインガス・LNG輸入(2012年1月~2013年11月) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? ①売買契約(SPA)②売買契約(MoU)①+②備考PetroChina9005001,400露Yamal、モザンビーク、豪BrowseSinopec9605001,460加KitimatCNOOC2,3105002,810加Aurora2,3105002,81005001,0001,5002,0002,500JanuaryFebruaryMarchAprilMayJuneJulyAugustSeptemberOctoberNovemberDecemberJanuaryFebruaryMarchAprilMayJuneJulyAugustSeptemberOctoberNovemberPNGLNG?pの供給を優先するため発電への天然ガス利用はピーク調整に限定される地域がある)。また地方政府が公共輸送機関でCNG・LNG車を増やしている。2012年末で中国のCNG車は208.5万台(CNG充填ステーション3014か所)、LNG車は8万台(LNG充填ステーション600か所)に達しているという。LNG車の83%はバス、7%はタクシー、10%は大型トラックとのことである。vi 中国のLNG需要には地域差がありLNG輸入の伸びが緩慢な基地(地域)が存在する。広東大鵬基地は約3年でフル稼働し、受入能力は1期の370万t/年から680万t/年に増強された。しかし上海洋山基地は稼働から4年経つが輸入量は1期受入能力の7割にとどまっている。上海の北に位置する江蘇如東基地は2年で7割に達したが、上海の南に位置する浙江寧波基地は2年経つが5割にとどまって2)LNG需要停滞要件:産業用需要下振れ、低迷の可能性、パイプラインガスとの競合 (いる。 図 3:基地別の輸入量推移(2009年~2013年1-10月) 発電への利用が高い地域や国内幹線パイプラインへのアクセスが限定的な地域で輸入LNGが伸長している模様である。2013年8月の産業用天然ガス価格改革(前年消費量を上回る部分について上海ネットバック(上海における重油・LPG輸入価格に割引係数0.85をかける石油連動価格)を適用)を受け、輸入ガス価格は上昇し、輸入事業者のマージンは改善し供給の伸びは期待できるが、特に原料費の比Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? ヲが高い低付加価値産業において産業用需要が下振れ、低迷するリスクがある。 また2012年から西気東輸パイプラインによるパイプラインガスの供給が始まった広東省でLNGの輸入が鈍化している。中央アジアからの中国向けの天然ガス供給は2012年の200億m3から2013年1-10月は230億m3に伸びた。2013年8月からはミャンマーからのパイプラインガス供給が始まった。さらに2013年末には新疆や内モンゴルにおける石炭ガス化によるSNG(石炭ガス化+メタネーションによる代替天然ガス)の供給が始まった。輸入LNGはこれらの輸入ガスや代替天然ガスとの競合にさらされている。 天然ガスの季節ピーク解消には時間を要する見通しである。中国政府は産業・電力向け供給を削減し、民生用を確保する一方で先物・現物取引を試験的に始めている。上海ではピーク調整のため2010年以降LNG先物取引を試行中。浙江省寧波でも12月にLNGスポット(電子)取引を開始した。まだ試験的な動きだが、展開次第ではアジアのLNG価格決定に影響を及ぼす存在に成長する可能性がある。 2013年12月19日、寧波先物商品取引所(甬商会)はクリーンエネルギー取引プラットフォームをオープンしたvii。2012年8月に国家発展改革委員会は国家電子商取引(EC)試行を設定したがその中に寧波先物商品取引所(甬商会)が含まれていた。直近限月のLNG【1407】(2014年7月25日集中決済)の取引初日の初値は5,680元/t(約947ドル/t)、終値は5780元/t(963ドルt/年)であった。出来高は300手(1手=1トン)、注文は208手であった。最少変動価格は5元/t、1日の増減幅は±4%に制限されており、最低保証金は成約価格の8%である。 2010年末には上海石油取引所(SPEX)では天然ガス取引プラットフォームが設立されている。上海の天然ガス取引プラットフォームは国家発展改革委員会と能源局が当地の夏場と冬場の天然ガスピーク調整問題を解決するために試験的に設置した。2004年に燃料油の先物取引を開始、原油先物取引も近く実施予定である。 2013年12月5日にSPEXでは2013~14年の冬季需要対応に特化した天然ガスの競売を行ったviii。天然ガスはPetroChinaが第三者にパイプラインを無料で開放する形で行われた。出来高は11.18億t(約1.508億m3)で決済期間は2013年12月11日から2014年1月31日である。 2013年11月の18期三中全会では石油や天然ガスなど資源価格の市場価格化に向けた改革を推進することが示された。SPEXの天然ガス取引プラットフォームの機能は現在のところ季節ピーク問題の解消で取引量も多くないが、資源の市場化に向け段階的に発展させていく可能性がある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 3)LNG先物・現物取引への取り組み ( i 21世紀経済報道 2013年12月10日 ii 東西貿易通信社East & West Report 2013年7月8日 iii 21世紀経済報道2013年8月17日 iv HIS-CERA Dec,2013, PIW2013/7/1 v Taipei Times 2014年1月20日 vi 新華社China OGP Dec15,2013 vii国内首个LNG???子交易平台?市 http://blog.china5e.com/boyahoo/archives/9359 viii 上海石油取引所 2013年12月6日 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? |
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