ページ番号1004425 更新日 平成30年2月16日

米国:原油輸出解禁に関する議論の動向

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レポートID 1004425
作成日 2014-01-29 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般基礎情報
著者
著者直接入力 佐藤 陽介
年度 2013
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抽出データ 米国:原油輸出解禁に関する議論の動向 更新日:2014/1/29 ワシントン事務所:佐藤陽介 (①エネルギー一般、⑤基礎情報) 2014年1月7日の同日に、米有力上院議員と米有力業界団体の長が、それぞれ米国における原油輸出の解禁に関する発言を行ったことは、米国における本議論を活気づけることとなった。 ・・しかし、原油輸出解禁に関する議論は、まだ始まったばかりである。米議会においては、上院議員においても立場の相違が見られており、原油輸出の法体系を変更するのに必要な政治的支持は未だ不十分な状況である。1月30日の上院エネルギー・天然資源委員会での原油輸出に関する公聴会は何らかのモメンタムになる可能性があるが、上院内の委員長人事にも注目が必要である。 ・産業界においても立場の相違が見られる。業界団体は、今後、会員企業間の意思統一を図っていく必要があるだろう。また、原油輸出の問題は、ガソリン等の価格上昇の可能性をもたらすことから、米国民に対しても輸出による利益や効果、あるいは米国内には十分な資源がある、ということに関して、積極的にPRを進めることとなろう。 ・米政権においても、本件に対するはっきりとした立場は表明されていない。しかしながら、LNG輸出の輸出承認を巡る議論やキーストーンXLパイプラインの建設承認に関するこれまでの政権の姿勢に鑑みるに、米政権は、原油輸出解禁に関する議論においても、注意深いアプローチ(議論を積極的にリードしない、審査等に十分な時間をかける、等)で臨むとも考えられる。 ・かようなことから、原油輸出の解禁に関しても相当の時間をかけて、議論がなされることが考えられる。 本稿では、現行の原油輸出規制制度や、原油輸出解禁に関する議論が生じている米国内要因、議論 米国において原油の輸出規制を定めたのは、主に2第1次石油危機に対応して(その他米国内の原油生産量の低下や国内消費量の増加という要因もある)、1975年に制定されたエネルギー政策・保存法(EPCA: Energy Policy and Conservation Act, PL94-163)3である。EPCAは、米大統領に対して、国家利 1 本項においては『Federal Permitting and Oversight of Export of Fossil Fuels』, CRS, 2013.9.17 (https://www.fas.org/sgp/crs/misc/R43231.pdf )を参考にした。 2 その他にも主に輸出される原油の産地に応じて輸出許可あるいは禁止を規定する法や制度がある。これらには、Mineral Leasing Act(連邦通行権を取得しているパイプラインを通じた輸出を制限する)、Export Administration Act、Exports of Alaskan North Slope Oil Title(Trans Alaska Pipelineで輸送された原油の輸出を許可する)、Outer Continental Shelf Lands(米外大陸棚地域で生産された原油の輸出を制限する)、Naval Petroleum Reserves Production Act(海軍石油埋蔵地からの生産された原油の輸出を制限する)がある。 3 http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/STATUTE-89/pdf/STATUTE-89-Pg871.pdf Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - (1)輸出コントロールとライセンス発効 の動向に関して整理を行う。 .原油輸出規制1 1v及び本章の目的(国内エネルギー供給及び利用可能性の向上、エネルギー需要の抑制、エネルギー緊急事態への備え)に一致すると判断した原油や天然ガスの輸出の場合を除き、米国で生産された原油や天然ガスの輸出を禁ずる規則の制定を指示している。4EPCAはさらに、この禁止に対する適用除外は、「輸出の目的、販売者又は購入者の種類、輸出先国、又は大統領が適切であると判断し、かつ、国家利益及び本章の目的に一致すると判断したその他合理的な分類又は基礎に基づくべきことを規定している。つまりは、EPCAは米国からの原油輸出の禁止に関する一般的な方針といくつかの例外について確立するものとなっている。 米国からの原油輸出のライセンスを発効するのは、商務省産業安全保障局(BIS: Bureau of Industry and Security, Department of Commerce)である。原油輸出の一般的禁止と適用除外条項及びEPCAその他の規制法の内容は、BIS規則の「供給不足物資規制(Short Supply Controls)(15 CFR §754.2)5に落とし込まれている。この規則は、カナダへの輸出も含め、如何なる原油の輸出に関してもライセンスの取得を義務付けるとともに、以下に分類されるうちのいずれか1つでも該当する特定の原油輸出に対しては、それぞれの輸出の種類に応じた要求事項を満たす限り、BISがライセンスを発効することを認めてい1)アラスカ州クック湾からの輸出(§754.2(b)(i)) クック湾における国営水没地から採取された原油であって、鉱業リース法(MLA: Mineral Leasing Act)又はトランスアラスカパイプライン承認法(Trans-Alaska Pipeline Authorization Act)の適用対象となる連邦通行権上に施設されているパイプラインによって輸送されていない原油の輸出申請はライセンスの発)カナダへの、カナダ国内での消費又は使用を目的とする輸出(§754.2(b)(ii)) 2効対象となる。(§754.2(d)) TAPS原油(トランスアラスカパイプラインで輸送される原油)を除き、カナダへの原油輸出の申請は、その原油がカナダ内で消費又は使用される限り、ライセンスの発効対象となる。(§754.2(e)(1)) また、TAPS原油であっても所定の条件を満たし、かつ、平均輸出量が5万bbl/dを超えない場合には、カナダへの輸出が認められる。(§754.2(e)(2)) )石油精製や戦略石油備蓄の備蓄原油との交換に関連してなされる輸出(§754.2(b)(iii)) 3 米国戦略石油備蓄(SPR: Strategic Petroleum Reserve)から放出された原油の輸出は、米国が現に必 4 http://www.law.cornell.edu/uscode/text/42/6212 5 http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2012-title15-vol2/pdf/CFR-2012-title15-vol2-sec754-2.pdf - 2 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 る。 vとしている石油製品の米国への輸入に直接的に帰結すること及び当該SPR原油の輸出がなければ、そのような石油製品の輸入が利用できないことをBISが判断した場合には、ライセンスが発効される。(§754.2(f)(1))また、米国へ石油製品を輸入するための取り決めに関連して、SPR原油からの放出及び配給によって売却及び供給されるSPR原油は、輸出ライセンス発効の対象となる。(§754.2(f)(2)) カリフォルニア州産のAPI比重20.0度又はそれ以下のカリフォルニア州産の特定の原油の輸出申請は、平均輸出量が25MB/D (注:BIS規則には25MB/Dと記載されているが、文字通りにとらえた場合2,500万bbl/dとなり現在の米国国内原油生産量と比べても過大に過ぎ常識的にあり得ない。各種レポート等によっては25,000bbl/dと記載しているものもある6)を超えない限り、ライセンスが発効される。(§) 平均輸出量が25MB/Dを超えないカリフォルニア州産重質油の輸出(§754.2(b)(iv)) 4754.2(g)) 5)特定の国際的協定に基づく輸出((§754.2(b)(v)) 公法104-58(PL104-58)セクション2(Exports of Alaskan North Slope Oil)、鉱業リース法、外大陸棚法、海軍石油埋蔵生産法に規定される国際協定に基づく原油の輸出申請は、ライセンスが発効される。(§)特定法制の下で大統領が行った判断に一致する輸出((§754.2(b)(vi)) 6754.2(c)) 公法104-58(PL104-58)セクション2(Exports of Alaskan North Slope Oil)、鉱業リース法、外大陸棚法、海軍石油埋蔵生産法は、米国内で生産された原油を輸出することに関して、その原油の生産地又は輸送方法に基いて制限を加えている。米国からの原油に関してこれらの法が適用される場合、その輸出について、大統領がこれらの法が求めている要求事項を満たすと判断した場合に限り、輸出ライセンスが発効される。(§754.2(c)) )十分な書類に基づき輸出事業者が当該輸出原油が米国産でないこと及び米国産原油と混合していな 7いことを証明できた場合による米国外産原油の輸出((§754.2(b)(vii)) SPRに関するライセンス制度の適用除外(License Exception SPR)は、米国連邦政府又はその傘下の機関との適切な協定に従って外国政府又はその代理機関によって輸入及び保有され、米国SPRに貯蔵されている外国産原油をライセンス無しで輸出するために用いることができる。そのような外国産原油が 6 『The Molecule Laws: History and Future of the Crude Export Ban』 by Sarah O. Ladislaw, Michelle Melton, CSIS,2014.1.2 ( http://csis.org/publication/molecule-laws-history-and-future-crude-export-ban ) や『Oil Market Report』, IEA, 2013.1.18 など。 - 3 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 サの他のSPR備蓄原油と混合している場合には、輸出される原油が、SPRに貯蔵するために輸入された外国産原油と同質同量であり、エネルギー省(DOE: Department of Energy)がBISに対してその事実を証明した場合に限り、SPRライセンス適用除外制度の下での輸出が認められる。(§754.2(h)) 2)米国産原油輸出の実績 ( このような輸出コントロールの下においても、いくらかの米国産原油が輸出されている。米エネルギー情報局(EIA:Energy Information Administration)の統計データによれば、2012年における原油(Crude Oil)の輸出量は、24,693千bbl/年であり、ほぼ全量カナダへの輸出(24,688千bbl/年)となっている(2012年の他の輸出先は、メキシコ(5,000bbl/年))。ここ数年の全輸出量の傾向は、2007年の10,006千bbl/年から、2009年の15,985千bbl/年、2011年の17,158千bbl/年と、2012年までに2倍以上となっている。 表1:米国原油輸出量 輸出先 カナダ コスタリカ メキシコ 2007 10,006 2008 10,464 2009 15,985 2010 15,198 合計 10,006 10,464 15,985 15,198 出典:http://www.eia.gov/dnav/pet/pet_move_expc_a_EPC0_EEX_mbbl_a.htm 2011 16,824 334 17,158 (単位:千bbl/年) 2012 24,688 5 24,693 請の状況に関しては、米議会調査サービス(CRS: Congressional Research Service)が、BISから得た 申情報を元に、2008会計年(10/2007-9/2008)から2013年夏季までの申請と承認の状況をまとめている7。CRSによれば、BISはその間338件の申請を受け取り、そのうち304件に対してライセンスを発効している。カナダへの輸出申請を除けば、全てのライセンス申請は、外国産原油の輸出を求めるものとなっている。表1のとおり輸出先の大方はカナダで占められており、その他の国への輸出量は僅少である。 表2:原油輸出ライセンス発行数 輸出先 FY2008 FY2009 FY2010 FY2011 FY2012 FY2013 イタリア インド カナダ 韓国 コスタリカ シンガポール 中国 パナマ バルバドス メキシコ 合計 1 29 1 31 1 30 1 32 39 39 1 39 1 1 1 1 1 45 1 62 1 1 1 66 2 80 1 1 2 3 2 91 出典:U.S. Crude Oil Exports: Licensing and Data Issues, CRS, 2013.10.28 7 http://www.energy.senate.gov/public/index.cfm/files/serve?File_id=73e6832f-9670-445b-b8c5-9b254d9f5bca - 4 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Q.輸出議論解禁の議論が生じる国内要因8 原油輸出解禁に関する議論が生じる背景としては、まず第1に北米における原油生産量の急激な増加と米国内における消費量、あるいは輸入量の減少が挙げられる。他方で、生産物には当然ながら市場が必要であるが、それらを必要とする市場に適切に供給するための主にパイプラインなどのインフラが不足している。行き場を失ったこれら生産物は、局所的に供給過剰となり、BrentとWTIとの価格差、あるいはWCS(West Canadian Select、カナダ原油のベンチマーク)とライト原油との価格差に見られるような価格ディスカウントを被る。この価格ディスカウントは、生産者をして更なる投資を躊躇せしめることや投資に対する利益を受け取る機会を逸しさせる。4つ目は、第2点目とも関係するが、米国内製油所の処理対応能力と供給原油とのミスマッチとの関係である。例えば米国最大の製油所地帯でもあるガルフコースト(PADD3)における製油所の大部分は、重質油や重質油を軽質油で希釈した原油を処理することに特化している。地元イーグルフォードから大量の軽質原油の流入やバッケンからの流入は、いずれPADD3の製油所の軽質原油処理量を超過することも危惧されている。 EIAによれば、米国内原油生産量(コンデンセート含む)は、2013年には700万bbl/dを超えており、2015年の見通しでは900万bbl/dを越える見通しとなっている。最新の予測では、2019年に約960万bbl/dのピーク達成後、減少傾向に入るが、それでも2040年までは750万bbl/dの水準を維持するという。この米国原油生産量の増加は、主にタイトオイルの急激な増産による。タイトオイルの生産量は、全米原油生産量の凡そ半分に至る勢いであり、2014年には400万bbl/dを越える見通しである。EIAよれば、タイトオイル生産量も2021年の約480万bbl/dのピーク達成後は、開発が生産性の低いエリアに移行するにつれて減少するが、2040年までは300万bbl/dの水準を維持する見通しである。 1)米国産原油、特にタイトオイル生産量の増加と米国原油純輸入量の減少 (2013 7.499 7.72 3.48 6.83 2.30 2014 8.538 8.53 4.07 7.17 2.51 2015 9.290 9.04 4.49 7.29 2.63 (単位:百万bbl/d) ピーク時 - 9.61(2019) 4.80(2021) 7.54(2019) 2.81(2020) 見通し STEO AEO2014ER うちタイトオイル AEO2013 うちタイトオイル 2011 5.652 5.66 1.31 5.67 1.22 2012 6.489 6.49 2.25 6.34 2.00 3:米国原油生産量とタイトオイル生産量 表 Annual Energy Outlook 2014, Early Release, EIA, 2013.12.6 Annual Energy Outlook 2013, EIA, 2013.4.15 出典:Short Term Energy Outlook, EIA, 2014.1.7 8 本項においては以下の文献を参考にした。『Pipeline, Trains and Trucks. Moving Rising North American Oil Production to Market』 , EPRINC, 2013.10.21(http://eprinc.org/wp-content/uploads/2013/10/EPRINC-PIPELINES-TRAINS-TRUCKS-OCT31.pdf )、『The US Oil Refining Industry: Background in Changing Markets and Fuel Policies』, CRS, 2010.11.22 ( http://www.fas.org/sgp/crs/misc/R41478.pdf ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - }1:米国原油生産量とタイトオイル生産量(単位:百万bbl/d)121086420AEO2014ER Domestic Crude ProductionAEO2013 Domestic Crude ProductionAEO2014ER Tight OilAEO2013 Tight Oil 2040203820362034203220302028202620242022202020182016201420122010出典:Annual Energy Outlook 2014 Early Release, EIA, 2013.12.16    Annual Energy Outlook 2013, EIA, 2013.4.15 他方で、堅調な原油生産に対して原油純輸入量は減少することをEIAは指摘している。これはまさに国内原油生産量の増加によることも然ることながら、自動車燃費に関するCAFEスタンダード(Corporate Average Fuel Economy)の改善や、自動車燃料に非化石燃料からの燃料混合を義務付けるRFS(Renewable Fuel Standard)の施行などによって、エネルギー使用の効率化と燃料消費量が減少傾向にあることが理由として挙げられる。最新の予測では、純輸入量は、2016年に約580万bbl/dの最低水準に達した後、次第に上昇して2040年には約770万bbl/dに達するが、2011年の890万bbl/dの水準に戻ることはない。液体燃料の合計消費量は、2011年から2040年の間、概ね1,800万~1,900万bbl/dの水準で推移していく。この液体燃料消費量に占める輸入原油の割合は、2019年の29%になるまで急激に減少するが、その後上昇し、2040年には41%に達すると計算できる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - }2:原油生産量、原油純輸入量と液体燃料消費量、輸入原油の液体消費に占める割合(単位:百万bbl/d)25.0020.0015.0010.005.000.0050%45%40%35%30%25%20%15%10%5%0%Crude Oil Net ImportsDomestic Crude ProductionTotal Liquids Fuels ConsumptionCrude Import Share (%)*液体燃料には、ガソリン、ジェット燃料の他、液化石油ガス、エタノール等が含まれる出典:Annual Energy Outlook 2014 Early Release, EIA, 2013.12.16 203920372035203320312029202720252023202120192017201520132011 米国の精油精製地帯は、第二次世界大戦以来の伝統から5つのPADD(Petroleum Administration for Defense Districts)に分けられる。この分割は、当時の国防総省が石油の地域毎の配分を促進するために設定したものであった。 米国における製油所への原油の供給源は、時とともに変遷してきたが、概ね次のように整理されよう。 1)PADD1(東海岸):世界中から供給される主に軽質原油を処理する。 2)PADD2(中西部):パイプラインによって輸送されるカナダ産原油(重質油)やPADD3から供給される原油、ロッキー山脈周辺州から供給される原油を処理する。 3)PADD3(ガルフコースト):米国最大の製油所地帯であり、ガルフコーストの外大陸棚、メキシコ、ベネズエラその他海外から供給される原油(主に重質油)を処理する。 4)PADD4(ロッキー山脈):PADD2と同様に、パイプラインによって輸送されるカナダ産原油(重質油)やPADD3から供給される原油、ロッキー山脈周辺州から供給される原油を処理する。 5)PADD5(アラスカ、ハワイ及び西海岸):アラスカ州からのタンカー輸送原油、カルフォルニア州産原油、2)インフラの不足と原油価格問題 (輸入原油を処理する。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - }3:PADDとその地域 出典:Petroleum Administration for Defense Districts, EIA 表4:PADD毎の製油所数と精製能力 稼働可能製油所数PADD1(東海岸) PADD2(中西部) PADD3(ガルフコースト)PADD4(ロッキー山脈) PADD5(西海岸) 11 27 56 17 32 143 出典:Refinery Capacity Report, EIA, 2013.6 合計 原油常圧蒸留能力 (bbl/calendar day) 1,293,200 3,768,600 9,102,651 629,850 3,029,358 17,823,659 米国産タイトオイル及びカナダ産重質油の増産に伴い、この原油の供給の流れに変化が生じてきており、インフラ不足によるボトルネックの発生と価格ディスカウント、また、製油所における処理可能原油と供給のミスマッチングが生じつつある。こうした論点を解決する方策の一つとして、原油輸出の解禁を求める主張が生まれてきた。 1)PADD1(東海岸) PADD1の製油所は、伝統的に低いマージンと高い原料調達コストに苛まれ、更に欧州からのガソリン輸入による競争に晒されてきた。過去数十年間に渡って、これら東海岸の製油所は閉鎖されるか、売却の対象となってきたが、製油所の中には、鉄道又はバージ輸送によって割高な外国産原油を安価なバッケン原油に代替することにより閉鎖を免れてきたものもある。バッケン原油は軽質・低サルファーであり、また、東海岸が輸入している中東又は北アフリカ産の原油と性状が似ていることから、PADD1の製油所Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - ェ処理するのによく適している。このため、内陸及びガルフコーストの市場がこれら軽質原油の供給過剰に陥る中、PADD1はPADD5とともにバッケン原油の主要な市場として期待されている。しかし、鉄道やバージによる輸送量は限定的であり、中西部と東海岸を連結する大型原油パイプライン等のインフラ)PADD2(中西部)、PADD4(ロッキー山脈) 2の整備が必要となっている。 PADD2は、カナダ産重質油とバッケン原油の主要供給先であった。しかし、これらの供給原油は、より高い価値が得られる市場(PADD3等)へのアクセスが限定的であるために、それを反映してか、大きな価格ディスカウントを被ってきた。特に、バッケン原油のみならず、様々な方面からの供給が集積するオクラホマ州クッシングでは、米国内原油価格ベンチマークであるWTIが、世界原油価格ベンチマークのBrentに対して大きな価格ディスカウントを被っている。米国内で供給される原油価格が割安になることは、石油精製企業にとっては、少ない調達コストで得た原油から高付加価値の石油製品を生み出すことによってマージンを得られることや、多少輸送コストが割高となる鉄道やバージを使う余地を得られる点で利点となっている。しかし石油生産企業にとっては、その分マージンが減少するために更なる投資への意欲や、米国原油開発の先行きに関して懸念を生じさせる事態ともなっている。カナダ・アルバータ州及びネブラスカ州をガルフコーストまで連結するキーストーンXLパイプライン建設の米国務省の承認は、補完的環境報告書の作成委託先の利害関係に関する適格性が問題視されて以降、更にずれ込んでいる9。PADD1やPADD5もバッケン原油の代替的市場となり得るが、現在のところ鉄道輸送など手段は限られている。 PADD4は、PADD2の状況とよく似ており、同様にカナダ産原油やバッケン原油が流入している。しかし、これらの製油所の処理容量の拡大がなされない場合、追加的な供給を受け入れる余地は減る一方である。 3)PADD5(ガルフコースト) PADD3は、米国最大の製油所地帯であり、900万bbl/calendar day以上の処理能力を有している。PADD3の製油所は、主にカナダ、ベネズエラ、メキシコなどからの重質油の処理に特化しているが、バッケン原油、近隣のペルミアン、イーグルフォードからの軽質原油の供給量が、その処理容量を超過することが予想されている10。ペルミアン原油やイーグルフォード原油を、バージによってPADD1やPADD5 へと供給することも現在採用されているオプションの一つであるが、鉄道やパイプラインに比べ 9 キーストーンXLパイプラインの南部パートであるガルフコースト・パイプラインは、2014年1月22日に通油を開始した。3月先物価格では、Brent原油が$1.54高値の$108.27、WTI原油が$1.76高値の$96.73を記録し、2013年12月31日以来の高値となった。(1/23,Oil Daily) 10 ガルフコーストの製油所はまた、重質油を軽質油で希釈するなどして調整を行っている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - ト割高であることや、ジョーンズ法の制限11によって更なる活用が制限される可能性もある。 4)PADD5(西海岸) PADD5は、伝統的に重質油を処理しており、カナダ産重質油の新たな市場として考えられる。しかし、カリフォルニア州の厳格な再生可能エネルギーポートフォリオは、この重質油の処理を禁止することまでは及ばないにせよ、排出ガス抑制装置の設置等重質油の処理をコスト高とする可能性がある。また、PADD5では、ワシントン州とカナダを連結するパイプラインを除き、米国の大生産地と連結するパイプラインが存在していない。バッケンからの鉄道輸送、ガルフコーストからのバージ輸送などの手段が有り得るが、いずれも限定的となることは先述の通りである。 図4:各PADDのFirst Purchase PriceとWTI, Brentスポット価格の変遷140120100806040200(単位:USD/bbl)(単位:USD/bbl)East Coast (PADD 1) Midwest (PADD 2) Gulf Coast (PADD 3) Rocky Mountain (PADD 4) West Coast (PADD 5) Cushing, OK WTI Spot Price FOB Europe Brent Spot Price FOB出典:http://www.eia.gov/dnav/pet/pet_pri_dfp1_k_m.htm Oct-2013Jul-2013Apr-2013Jan-2013Oct-2012Jul-2012Apr-2012Jan-2012Oct-2011Jul-2011Apr-2011Jan-2011Oct-2010Jul-2010Apr-2010Jan-2010Oct-2009Jul-2009Apr-2009Jan-2009 奇しくも2014年1月7日の同日に、米有力上院議員と米有力業界団体の長が、それぞれ米国における原油輸出の解禁に関する発言を行ったことは、米国における本議論を活気づけることとなった。上院エネルギー・天然資源委員会では、1月30日にも原油輸出に関する公聴会を開催されることになってい 11 Jones Actの下では、米国湾岸間を結ぶ海上輸送船舶に関して、米国人乗組員を雇うことや船舶の部品等に関して米国産のみを限定する等いくつかの制限がある。 - 10 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 .原油輸出解禁に係る議論の動向 3?12。リサ・マコウスキー上院議員(共和党、アラスカ州)は、上院エネルギー・天然資源委員会の筆頭委員であるが、ブルッキングス研究所において、原油輸出解禁を含む米国からのエネルギー輸出に関する政策提言を行った。同議員はまた、『A Signal to the World: Renovating the Architecture of US Energy Exports13』という政策提言ペーパーを発表するとともに、1月14日付の書簡にて、オバマ大統領に同問題の検討を要請している。マコウスキー議員の原油輸出解禁に関する提案部分は、1)米政権が輸出禁止を撤回する十分な法制上の権能を有していること、2)大統領は、原油の輸出を一般的に禁止している現行の規則体系が、不必要で逆効果である旨の公共の利益決定を行うことができること、3)政権がこの権能に関する解釈に同意せず、原油輸出の禁止を維持することを選ぶならば、(マコウスキー議員)自らが、21世紀の状況を反映するために当該法のアップデートを行う、という内容となっている。他方、米石油協会(API: America Petroleum Institute)のジャック・ガラード会長は、「ステイト・オブ・アメリカン・エネルギー・201414」の演説に際して、原油輸出政策の見直しの必要性を述べている。 この他にも原油輸出解禁に賛意を示しているのは、米国商工会議所(同会議所は、『Energy Works For US15』という政策提言ペーパーを纏めておりその中で原油輸出の解禁を提言している)、米国燃料・石油化学製造協会(AFPM: American Fuel and Petrochemical Manufacturer)(インフラの改善や海上輸送制限の緩和等を条件に輸出解禁を支持し得るとしている)、ExxonMobil、独立系石油精製企業のPhillips 66等が挙げられる。他方で、反対意見も既に見られる。エドワード・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)、ロバート・メネンデス上院議員(民主党、ニュージャージー州)、は、原油輸出解禁による国内燃料価格の上昇に懸念を表明する書簡を、マーキー上院議員は米国通商代表部(USTR)に、メネンデス上院議員はオバマ大統領宛に発している。産業界では、独立系石油精製企業のValero Energyが反対の立場を表明している。 原油輸出解禁に関する議論は、2013年の夏までに、CATO Institute、米国外交問題評議会(CFR: Council of Foreign Affairs)(『The Case for Allowing US Crude Oil Exports16』)、Brookings、Heritage Foundation17等が取り上げてきたが、最近になって再び注目され始めたのは、エネルギー省(DOE)のアーネスト・モニーツ長官が、2013年12月にニューヨークで開催されたフォーラムにて、原油輸出に関する見直しについて触れたことが大きいと言える。DOEは、原油の輸出に関する審査を所管してはいないが、現職の閣僚の発言は、この問題に再度注目が集められるきっかけになったと考えられる(現に上記メネンデス上院議員の書簡はこの発言に対する懸念に対してなされている)。 12 http://www.energy.senate.gov/public/index.cfm/hearings-and-business-meetings?ID=4257c751-1911-4467-aaa5-0ff7863777fa 13 http://www.energy.senate.gov/public/index.cfm/files/serve?File_id=546d56f0-05b6-41e6-84c1-b4c4c5efa372 14 http://www.energytomorrow.org/soae 15 http://www.energyxxi.org/sites/default/files/file-tool/Energy_Works_For_US.pdf 16 http://www.cfr.org/oil/case-allowing-us-crude-oil-exports/p31005 17 http://blog.heritage.org/2012/11/23/legalize-crude-oil-exports/ - 11 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S.むすびと議論の見通し 原油輸出解禁に関する議論は、まだ始まったばかりである。米議会においては、上院議員においても立場の相違が見られており、原油輸出の法体系を変更するために必要な政治的支持は未だ不十分な状況である。1月30日の上院エネルギー・天然資源委員会での公聴会は何らかのモメンタムになる可能性があるが、上院内の委員長人事にも注目が必要である。1つは、上院財政委員会委員長のマックス・ボーカス上院議員(民主党、モンタナ州)に対して、中国大使への指名がなされたことにより、上院エネルギー・天然資源委員会委員長のロン・ワイデン上院議員(民主党、オレゴン州)が、その後任に就任する公算が高くなっている。ワイデン上院議員といえば、LNG輸出に関する議論でもそうであったように、原油輸出に関しても慎重な姿勢を取っている。ワイデン上院議員の後任委員長と目されているのは、マリー・ランドリュー上院議員(民主党、ルイジアナ州)であり、基本的に石油・天然ガス開発の推進を支持している。かようなことから、上院エネルギー・天然資源委員会の姿勢も、より石油・天然ガス産業寄りに傾くかとも思われるが、ランドリュー上院議員の地元のルイジアナ州は、上流産業のみならず下流産業も盛んであり、特に原油輸出解禁の議論に関しては、ランドリュー議員は双方のバランスを維持する必要が生じよう。他方、米国では今年の11月に中間選挙を控えており、原油輸出解禁といったセンシティブな議論に関して立場を明らかにする議員は少ないとも思われる(この点、マコウスキー議員や、メネンデス議員、マーキー議員の立場は、それぞれの州の事情を反映している点で興味深い)。 産業界においても、立場の相違が見られる。国内への石油製品の供給に特化している石油精製企業や、石油製品を海外に輸出するインフラを持たない石油精製企業は、輸出の議論に反対する可能性が高い。また、現在原油価格のディスカウントを享受し、高い製品マージンを得ている石油精製企業にとっては、原油価格の上昇をもたらし得る原油輸出の解禁は容認できるところではないだろう。他方で、石油製品を海外に輸出することで高い利益を得ている企業や、ExxonMobilなどの下流のみならず上流分野にも進出している統合企業、石油生産企業にとっては、原油輸出の解禁は歓迎すべきところであろう。この点、APIやAFPMは会員企業間で本問題に対する見解が割れていることを認めている。原油輸出の解禁を推進するためには、今後業界内の意思統一を図っていく必要があるだろう。また、原油輸出の問題は、ガソリン等の価格上昇の可能性をもたらすことから、APIなどの業界団体は会員企業に対するのみならず、米国民に対しても輸出による利益や効果に関して、あるいは米国内には十分な資源がある、ということに関して、積極的にPRを進めることとなろう。 米政権においては、上記のモニーツ長官の発言を除いては、本件に対するはっきりとした立場は表明されていない。この点、1つ参考になりそうなのは、オバマ政権が立ち上げた『Quadrennial Energy Review (QER)』の取り組みである18。これは国防や外交の分野で既に行われている4年に1度の政策レ 18 http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/01/09/presidential-memorandum-establishing-quadrennial-energy-review Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 12 - rューをエネルギー政策の分野でも試みるもので、最初の報告書のリリースは、2015年1月に予定されている。このQERは、変遷するエネルギー環境を背景に、エネルギー関連インフラに関する包括的な戦略を構築することを1つの目標としている。既に論じてきた通り、輸出の議論にある背景には米国内における石油増産とそれに対するインフラ等の問題が関わっており、この点、このQERはその問題点を特定し、何らかの政策提言を含める可能性が高い。しかしながら、LNG輸出の輸出承認を巡る議論やキーストーンXLパイプラインの建設承認に関するこれまでの政権の姿勢に鑑みるに、米政権は、原油輸出解禁に関する議論においても、注意深いアプローチ(議論を積極的にリードしない、審査等に十分な時間をかける、等)で臨むとも考えられる(LNGに関しては承認手続の再開までにSabine Passの承認から2年が必要であったし、キーストーンに関してはTransCanada社の当初申請から既に6年が経過しようとしている)。あるいはまた、LNG輸出における議論と同様に、ミクロ経済、マクロ経済両面からのスタディを行うこともあるかもしれない。 かようなことから、原油輸出の解禁に関しても相当の時間をかけて、議論がなされることが考えられる。しかし、1975年以来の原油輸出を制限する法体系を見直しすることが議論の俎上に上がること自体が、エネルギーを巡る環境の変化の著しさを物語っており、そのことはまさに驚嘆すべきことだと言えよう。 (了) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 13 -
地域1 北米
国1 米国
地域2
国2
地域3
国3
地域4
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地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 北米,米国
2014/01/29 佐藤 陽介
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