ページ番号1004444 更新日 平成30年2月16日

ブラジル:Petrobrasの新5ヵ年計画、生産目標達成に黄信号?

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レポートID 1004444
作成日 2014-04-10 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 企業探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/4/10 調査部:舩木弥和子 (Petrobrasホームページ他) .2月26日、Petrobrasは2030年までの戦略計画(2030 Strategic Plan)と2014~2018年の5ヵ年計画(Business and Management Plan(BMP)2014-2018)を発表した。2030年までの戦略計画では、2020~2030年の平均生産量について、Petrobrasのブラジル国内生産量を370万b/d、ブラジル国外をあわせたPetrobrasの生産量を400万b/d、ブラジル全体を520万b/dとするとしている。BMP2014-2018では、5年間に2,206億ドルを投じ、石油生産量を2014年は2013年(193万b/d)比6.5~8.5%増に、2018年には320万b/dに、2020年には420万b/dに増加させるとしている。5ヵ年計画の投資額は、年々増加する傾向にあったが、今回は7%削減された。投資額が削減される中、探鉱・生産部門への投資額は1,539億ドルと前5ヵ年計画より4%増額され、その60%がプレソルトに向けられる。 1.メインテナンスや成熟油田の設備入れ替え等は終了、深海対応のリグ数やパイプの敷設船も増加し、新技術を導入したライザーの取り付けにも慣れがみられるようになり、Petrobrasの石油生産伸び悩みの原因とされた要因が取り除かれつつある。BMP2014-2018や2030年までの戦略計画で設定された生産目標をどの程度達成できるかについての意見は分かれるものの、2014年にPetrobrasの生産量が増加に転じるという点については専門家の意見は一致しているようだ。しかし、2014年に入っても新規プロジェクトでの火災や事故が続いており、ローカルコンテンツや技術者や熟練した労働者の不足等の問題を含め、今後の動向を注目していく必要がある。 2. Petrobrasの2030年までの戦略計画と2014~2018年の5ヵ年計画 12月26日、Petrobrasは2030年までの戦略計画(2030 Strategic Plan)と2014-2018年の5ヵ年計画(BMP 2014-2018)を発表した。 PetrobrasはBMP2014-2018で、5年間の投資予定額を2013年に策定した5ヵ年計画BMP2013-2017の2,367億ドルから2,206億ドルに削減した。これまで、Petrobrasは、毎年発表する5ヵ年計画の中で、投資額を年々増加させていた。2010年以降は、増加額はごくわずかになってはいたものの、それでも投資額を増やしていたPetrobrasが、今回7%投資額を削減したのは、Petrobrasの財務状況の厳しさを表ブラジル:Petrobrasの新5ヵ年計画、生産目標達成に黄信号? していると見る向きもある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - etrobras5カ年計画投資額推移 (2014-2018 Business and Management Planより作成) 投資額が全体として削減される中、探鉱・生産部門の投資額は1,539億ドルと前5ヵ年計画より4%増額された。Petrobrasは、これまでの5カ年計画でも探鉱・生産部門重視の姿勢を示し、投資額ばかりでなく、総投資額に占める探鉱・生産部門の割合も2010年の5か年計画以降、53%、57%、60%、62.3%と増加させてきていたが、今回のBMP2014-2018では、総投資額の70%を探鉱・生産部門に投じるとしている。 ここ数年、年々削減される傾向にあった国外への投資額は97 億ドルで、前5ヵ年計画比90%増と大幅な増加となっている。国外への投資額の92%は探鉱・生産に投じられる計画で、米国のSaint Malo、Cascade、Chinook、Lucius、アルゼンチンのMedanito、Entre Lomas、ボリビアのSan Alberto、San Antonio、ナイジェリアのEgina等のプロジェクトを中心に投資が行われる計画だ。 一方、下流、バイオ、流通、エンジニアリング・技術・機材等の部門への投資額は、前5ヵ年計画と同様に削減されることとなったが、特に下流部門への投資額は648億ドルから387億ドルへと40%も削減されている。 Petrobras5カ年計画BMP2014-2018投資額内訳 (出所:2014-2018 Business and Management Plan ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - T鉱・生産部門の投資額の内訳をみてみると、その73%が生産・開発に、15%が探鉱に、12%がインフラストラクチャー他に投じられる計画とされている。生産・開発、探鉱投資の60%がプレソルト(Transfer of Rights(2010 年に新たに発行した株式と引き換えに政府より権益を取得したサントス盆地プレソルトのFranco 等の鉱区)、Libra油田を含む)に向けられる。 探鉱・生産部門の投資額の内訳 (出所:2014-2018 Business and Management Plan ) Petrobrasによれば、2014年に5基、2015年に1基、2016年に7基の新生産ユニットが操業を始める。また、現在11隻となっているパイプの敷設船(PLSV : Pipe Lay Support Vessel)が2014年中に8隻追加される予定となっている。2014年の生産量については、2013年比6.5~8.5%増とされているが、2020年までの生産目標について変更は行われず、2020年には石油とNGLの生産量を420万b/d、これに天然ガスを加えた生産量を520万boe/dとする計画である。 Petrobras BMP2014-2018生産目標 (出所:2014-2018 Business and Management Plan ) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - ネお、このBMP2014-2018の中でPetrobrasは、2013年1月から2014年2月までの14か月間に46油田(24油田が沖合(うち15油田はプレソルト)、22油田が陸上)を発見、成功率はブラジル全体で75%、プレソルト100%であったとしている。 Petrobrasは、2030年までの戦略計画では、部門別に以下のような戦略を示した。 Petrobrasの戦略 探鉱・開発 精製・輸送・販売・石化 流通 天然ガス、エネルギー、ガス化学 バイオフュエル 国際 2020~2030年のブラジル国内、国外をあわせた石油生産量を平均で400万b/dとするために、探鉱権益を取得する。 ブラジル国内市場に石油製品を供給するため、精製能力を390万b/dに引き上げる。 国内の石油、ガス等の市場での優位な立場を維持するため、付加価値をつけPetrobrasブランドへの好感度を高める。 天然ガスチェーン事業を整備、確立し、プレソルトやブラジル陸上で生産されるガスを販売する。 国内市場でのガソリンやディーゼルの需要と合わせ、引き続きバイオフュエル、エタノール、バイオディーゼルの生産を増加させる。 中南米、アフリカ、米国を中心に探鉱・開発を進める。 (Petrobras 2030 Strategic Planより作成) 探鉱・生産部門では、他の機関によるブラジルの石油生産見通しと比較する形で、2020~2030年の生産見通しを紹介している。これによると、2020年から2030年までを平均したブラジルの石油生産量を、DOEは500万b/d、WoodMackenzieは490万b/d、IHS-CERAは440万b/dとみているが、Petrobrasは520万b/dとし、これらの機関よりも生産量は増加するとの見方を示している。 ブラジルの生産見通し(Petrobrasと他機関の比較) (出所:Petrobras 2030 Strategic Plan) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - etrobrasの生産量については、2013-2020年のブラジル国内の平均生産量を290万b/d、2020-2030年の平均生産量をブラジル国内のみで370万b/d、国外をあわせると400万b/dとしている。 ブラジル及びPetrobrasの生産見通し (出所:Petrobras 2030 Strategic Plan) この生産目標を達成するため、Petrobrasは、①ブラジルでの油田の発見、評価を進め可採年数12年を保つ、②リスクを選択、分散し、ブラジルでの探鉱を進める、③ブラジル陸上でガスの探鉱を進める、④コンセッション契約を締結している生産中の鉱区の回収率を最大にする、⑤プレソルトエリアの開発を促進することを戦略として掲げている。 ブラジルの石油製品の需要については2020-2030年の平均で340万b/dと予測、これに対応するためPetrobrasは精製能力を2030年までに390万b/dに引き上げるとしている。そして、2015年にはブラジルの石油生産量と石油製品消費量が一致し、2020年には精製処理量と石油製品消費量が一致するとしている。 この2030年までの戦略計画を策定するにあたり、Petrobrasは2020年までの前戦略計画との相違点を明らかにしている。 2020年までの戦略計画は、プレソルトでLula油田が発見された翌年の2007年に策定されており、プレソルトの油田からの生産増が期待されてはいたものの、当時Petrobrasはプレソルトの油田の開発に関しまだ十分な知見や経験を持ち合わせていなかった。ブラジルの探鉱・開発に関する契約形態はコンセッション契約のみで、ポストソルトとプレソルトを開発するために必要な機材をブラジル国内の造船産業でどの程度供給できるかも不確かであった。2007年から2011年のブラジル国内の石油製品に対する需要は年に2.8%の割合で増加すると考えられており、エタノールの供給が増加すると期待されていた。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - サ在、Petrobrasはプレソルトで10基の生産設備を用いて生産を行っており、コストを最適化する段階に至っている。契約形態はコンセッション契約に加え、Transfer of Rights、PS契約と3種類になり、ローカルコンテンツも現実のものとなってきた。ブラジル国内の石油製品に対する需要は、2014-2018年には年に2.5%、2019-2030年には2.2%の割合で増加する見通しとなっており、エタノールの供給拡大への期待は低減している。 世界の情勢も、2008年のリーマンショック後、経済成長に対する期待が減退し、石油需要の成長見通しも減速した。米国で非在来型の生産が増加したことから、上昇を続けていた油価は中期的に安定すると考えられるようになり、米国は2019年にはガスを自給、2030年には石油輸入量を790万b/dから360万b/dに削減できるとの見通しとなった。 2. Petrobrasの戦略計画と5ヵ年計画の実現の見通し このようなブラジル及び世界の状況の変化を背景に策定されたPetrobrasのBMP2014-2018と2030年までの戦略計画であるが、Petrobrasはこれを実現できるのだろうか。 Petrobrasによると、2006~2012年の同社の新規プロジェクトの生産開始の遅れは、ブラジル以外の企業に発注した水深2,000m以深で掘削できるリグの完成が遅延し、リグ数が不足していたためとされている。Petrobrasは、2006年時点では2基しかなかった水深2,000m以深で掘削できる深海対応のリグが、2011年には26基に増加し、今後5年間は40基の深海対応リグを利用可能であるとし、リグの不足という問題はなくなったとしている。 Petrobras所有の掘削リグ数 (出所:PETROBRAS AT A GLANCE) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - 013年の石油生産量の伸び悩みについて、Petrobrasは1980年代以降生産を開始した成熟油田の操業効率を高めるため設備の入れ替え等を行ったことやメインテナンスによるものとしている。Petrobrasは、メインテナンスは2013年で終了するとしており、また、操業効率についても今後は改善がみられると予測している。 2013年下半期については、これらの要因に加え、BC-20鉱区PapaTerra油田のP-63プラットフォームの生産開始の遅れやBMS-9鉱区Sapinhoa油田のFPSO Cidade de Sao Pauloの生産の伸び悩みが、同社の生産量に影響を与えた。P-63プラットフォームについては、海底のサンゴ礁の確認が遅れたため、海底での手配に変更が生じ、生産開始が遅れたという。また、FPSO Cidade de Sao Pauloは予定通り生産を開始したが、ブイ付自立ライザー(BSR : buoyancy supported riser)の納入、設置の遅れが、生産増に影響した。BSRの納入、設置が遅れた理由として、悪天候、初めて利用する技術であったこと、アジアでの機材製造の遅れ、コントラクターSubsea7のブラジル工場の環境ライセンス取得に時間がかかったことなどが挙げられている。1基目のBSRについては手間取ったものの、2基目はスムーズに導入が進み、2014年2月18日に1基目のBSRを用いてSPS-77A井、4月3日に2基目のBSRを利用して7-SPH-04-SPS井の生産が始まっており、生産量はそれぞれ、3.6万b/d、2.6万b/dとなっている。 さらに、Petrobrasは、2010~2011年にブラジル国内で契約できるPLSVの数が限られていたため、坑井と生産設備をつなぐ作業に遅れが生じ、これが2013年下半期の同社の生産量に影響を及ぼしたとしている。 Petrobrasは、2006~2011年には平均、年間で5基のプラットフォームの生産を開始したが、2013~2016年は平均、年間で4基のプラットフォームの生産を開始する計画だ。メインテナンスや成熟油田の設備入れ替え等も終了、深海対応のリグ数も増加し、3基目のBSRは1基目の1/3の時間で3月9日にBM-S-11鉱区Lula NE油田のFPSO Cidade de Paratyに設置された。現在、PLSVは11隻あるが、2014年中に8隻のPLSVが新たに稼働を始める予定だ。 このように2014年以降の生産増を期待させる情報が伝えられている。Petrobrasは、2014年の生産量を2013年より6.5~8.5%増やし207.5万b/d程度とする計画であるが、この生産目標達成についてアナリストやコンサルタントはどのような見方をしているのだろうか。 Brazilian Center for Infrastructureは、政府が国内の石油製品価格引き上げを認めないために、Petrobrasは引き続き苦闘を続けるが、2014年には2013年比5%程度の増産を達成できるとしている。GBMのアナリストは、プロジェクトの進展次第ではあるが、Petrobrasは2013年比5.7%程度生産量を増やすとしている。Wood Mackenzieのアナリストは、Petrobrasが開発を進めているプロジェクトは技術力を必要とし、陸からも遠く、深海に位置しており、ローカルコンテンツに従って技術者、熟練した労働者やリグ等の資機材を確保するのは難しいが、2013~2014年に多くの新規プロジェクトが立ち上がるので、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - etrobrasは対前年比7.5%増という生産目標を達成できるとしている。しかし、技術者やサービスの不足から中長期的には生産目標達成は難しく、2018年に320万b/d、2020年に420万b/dを生産することはできないだろうとしている1。Bain & Companyは、2014年の生産増は対前年比5~10%で、2020年には生産量は400万b/dを超えるだろうとの見方をしている2。 しかし、2014年に入っても、Petrobrasの生産増にマイナスの影響を与えかねない動向が伝えられている。Roncador油田のP-62プラットフォームは1月に同油田に到着後、ディーゼル発電機で火災が発生し、安全が確認できるまで生産ができない状態である。また、同油田のP-55プラットフォームに接続が予定されていたパイプ(2.3km、約200万ドル)をSaipemが3月に大西洋に落としてしまうという事故も発生している。 こうした事故によるプロジェクトの遅れは、Petrobrasがローカルコンテンツを守ろうとしたり、コスト削減を図ろうとしたり、生産を早めようとしたりした結果ではないかとの見方もある。 ローカルコンテンツについて、Petrobrasは、国営石油会社としての立場と責任から、ライセンスラウンド時に定められた比率を上回る目標を自らに課している。1997年8月に新石油法が施行されたのに伴い、Petrobrasは保有を希望する433鉱区を鉱山エネルギー省に申請、同社の投資能力に見合うと判断された397鉱区を保有することとなった(ラウンド0)が、この際にはローカルコンテンツが設定されなかった。しかし、Petrobrasはこの際に取得した鉱区についても、独自にローカルコンテンツの目標を設定している。 また、Baleia Ana、Baleia Franca、Cachalote、Jubarte油田のプレソルト、ポストソルトの生産を行うP-58プラットフォームについては、BMP2012-16では2014年1月生産開始予定とされていたものを、BMP2013-17では生産開始時期を2013年11月30日に早め、結局、生産開始目標を達成できず、2014年3月に生産を始めている。 このように、Petrobrasは、自ら高いハードルを設定しすぎて、結局、達成できなかったり、それを達成するために負担過多になってしまったりしているところがあるのではないだろうか。 加えて懸念されるのが、技術者や熟練した労働者の不足である。Petrobras は2002~2012年に32,000人を新規雇用しているが、2015年までにプレソルトの探鉱・開発だけでさらに46,000人の雇用が必要となり、技術者や熟練労働者不足が探鉱・開発に影響を与える可能性がある3。ブラジル以外から人材を集めたり、給与水準を引き上げたりすることも必要となる模様だ。 今後数年のPetrobrasの動向は、プレソルトを含むブラジルの探鉱・開発・生産の行方に大きな影響を与えると考えられ、引き続き注目していく必要がある。 1 Platt’s Oilgram News 2014/3/25 2 BNamericas 2014/3/22 3 BNamericas 2014/3/6 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - 香[カルコンテンツ ライセンスラウンド 30% Petrobras目標65% Round 2 (2000年) 60% Petrobras目標81% Round 5(2003年) 30% Petrobras目標65% Round 2 (2000年) 義務なし Petrobras目標65% Round 0 義務なし Petrobras目標65% Round 0 義務なし Petrobras目標63% Round 0 義務なし Petrobras目標63% Round 0 義務なし Petrobras目標65% Round 0 30% Petrobras目標65% Round 2 (2000年) 30% Petrobras目標65% Round 2 (2000年) 2013/7/15 2013/11/12 2013/9/30 2013/12/31 18万b/d、6MMm3/d EAS(ブラジル) Quip(Rio Grande) Baleia Azul Norte Parque Baleias 2013/11/30 2014 1Q 2014/3/17 18万b/d、6MMm3/d P-58 Roncador Roncador Ⅳ P-62 BC-20 PapaTerra P-61 BM-S-9 Sapinhoa Norte Cidade de Ilhabela BM-S-11 Iracema Sul Cidade de Mangaratiba 2014/3 2014 2Q 2013/12/31 2014 2Q 2014/9 2014 3Q 2014/11 2014 4Q ― ― ― ― 18万b/d、6MMm3/d 14万b/d、1MMm3/d* 15万b/d、6MMm3/d 15万b/d Queiroz Galvao (Rio Grande) Queiroz Galvao (Rio Grande) CamargoCorrea/IESA(EAS) CamargoCorrea/IESA(EAS) Floatec(Brasfels) Floatec(Brasfels) QGOG/SBM(中国) QGOG/SBM (SBM/BRASA) Cosco Shipyard(中国) (PETROBRAS AT A GLANCE他をもとに作成) *P-61とP-63をあわせた生産能力 Brasfels造船所:シンガポールKeppel がRio de Janeiro 州Angra dos Reisに2000年に造った造船所。 Rio Grande造船所:Rio Grande do Sul州の造船所。2005年よりQUIP(Queiroz Galvao、UTC Engenharia、IESA)、2010年からはEcovix /Engevixが参画。 EAS (Estaleiro Atlantico Sul):ブラジルの大手ゼネコン2社を株主とし,ブラジル国立経済社会開発銀行の融資のもとに設立された造船会社。ペルナンブコ州イポジュカで2008年ごろ稼働を開始。 - 9 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2013~2014年生産開始(予定)のPetrobrasの生産設備 生産開始予定BMP2013-17 BMP2014-18 生産開始 生産能力 生産設備メーカー 船体 トップサイド等 2013/1/5 2013/1/5 12万b/d、5MMm3/d Cosco Shipyard(中国) Schahin/Modec(Brasfels) 2013/2/16 2013/2/16 BM-S-11 2013/5/28 2013/6/6 8万b/d、2MMm3/d 12万b/d、5MMm3/d 14万b/d、1MMm3/d* Jurong(シンガポール) Odebrecht 、Teekay (シンガポール) Keppel Shipyard (シンガポール) QGOG/SBM(Brasfels) Cosco Shipyard(中国) Quip(Rio Grande) 鉱区 油田 生産設備 BM-S-9 Sapinhoa Pilot Cidade de Sao Paulo MV23 BM-S-40 Bauna Cidade de Itajai Lula NE Pilot Cidade de Paraty BC-20 PapaTerra P-63 Roncador RoncadorⅢ P-55 uラジル主要鉱区図 (各種資料より作成) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 -
地域1 中南米
国1 ブラジル
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ブラジル
2014/04/10 舩木 弥和子
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