ページ番号1004445 更新日 平成30年2月16日

深海油田の開発、プレソルトの探鉱を進めるアンゴラ

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レポートID 1004445
作成日 2014-04-11 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者 竹原 美佳
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年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/4/11 調査部:竹原 美佳 アンゴラはサブサハラアフリカでナイジェリアに次ぐ第2位の産油国である。主力生産地域は北部 ?Lower Congo堆積盆地の深海域であり、深海油田はアンゴラの原油生産の約7割を占める。 ? アンゴラでは複数の深海油田の開発計画があり、順調に開発が進む場合今後3年間で約120万b/dの増産ポテンシャルがある。 ? 深海油田開発の主体はChevron、Total、ExxonMobil、BP、Eni等のスーパーメジャーであり、国営石油会社Sonangolと共同で開発を行っている。近年国営石油会社SonangolはIOCから深海既発見油田資産の取得を積極的に行っている。 ? 北部の既存油田地帯のみならず南部の探鉱も活性化している。南部深海プレソルトにおける油田発見の期待が高まっている他、政府は陸上鉱区の入札を実施中である。 ? アンゴラ政府は深海油田を軸とした増産を図り、2015年に生産量を200万b/dとする目標である。 ? アンゴラ政府は2012年10月に原油売却収入を原資に国内産業の振興と石油依存型経済からの脱却と経済の安定化を図ることを目的とした国家ファンドFSDEA(Fundo Soberano de Angola)を設立した。石油依存型経済からの脱却を図るために当面石油収入に頼らざるを得ない状況である。 . 米国、ブラジルに次ぐ世界有数の深海産油国アンゴラ 1アンゴラはサブサハラアフリカでナイジェリアに次ぐ第2位の産油国である。Oil & Gas Journalによると原油確認埋蔵量(2014年1月)は91億bbl、原油生産量(2013年推計)は約175万b/dである。国内消費は少なく、生産した原油の9割以上を輸出している。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によると2012年に原油とコンデンセート約170万b/dが輸出された。このうち46%が中国向け、14%が米国向け、インド向けが10%、欧州向けが11%となっている。日本はアンゴラから2013年に原油輸入の0.2%に相当する5,931b/dを輸入した。なお、日本の原油輸入(2013年)に占めるアフリカ原油の割合は2.4%(約8万深海油田の開発、プレソルトの探鉱を進めるアンゴラ 6854b/d)である。 1 } 1:アフリカ主要国原油生産量(2013年推計) Oil & Gas Journalにもとづき作成 図 2:アンゴラの石油生産、消費推移(EIA) 2 05001,0001,5002,0002,500千b/dアンゴラの主力生産地域は北部Lower Congo堆積盆地の深海域である。アンゴラの深海油田は水深300~1,500mの深海鉱区(Block14~30)と水深1,500m超の超深海鉱区(Block31~40)に大別される。深海油田開発の主体はChevron、Total、ExxonMobil、BP、Eni等のスーパーメジャーであり、国営石油会社SonangolとPS契約を締結し、共同で開発を行っている。 深海鉱区(Block15、17、18)は1990年に公開され、ExxonMobil (Block15)、Total(Block17)、BP(Block18)が鉱区を取得し、合計約100億バレルの油田を発見した。これらの深海油田は1999年以降生産を開始しており、アンゴラはブラジルにつぐ深海生産国となった。深海油田はアンゴラの原油生産の7割以上を占める。 また1999年には超深海鉱区(Block31~33)が公開され、BP(Block31)、Total(Block32)、ExxonMobil(Block33)が鉱区を取得した。Block31、32は商業量の発見があったが、ExxonMobilは試掘不成功を受け、同鉱区から撤退した。 アンゴラは2005年に新石油法にもとづく第1次入札(浅海3鉱区、深海4鉱区)を実施した。メジャーズ、独立系、国営石油会社など29社が事前審査資格(PQ)を得た。深海油田(Block15、17、18)の開発エリアを除く放棄鉱区(Block15/06、17/06、18/06)に応札が集中し、1鉱区につき約1,000 億円という高額のサインボーナスが提示された。Block15/06は当初鉱区にパートナーとして参加していたEniがオペレーターとなった。17/06は当初鉱区のオペレーターであるTotalが落札した。18/06はブラジル国営図 3:日本の地域別原油輸入比率とアフリカ国別輸入比率(2013年) 石油連盟の原油地域別、国別輸入統計にもとづき作成 1)主力産油地域は北部深海、主要事業者はスーパーメジャー (3 東南アジア5.7%中東83.1%欧州7.0%中南米1.0%アフリカ2.4%大洋州0.7%アルジェリア3%リビア7%スーダン12%ナイジェリア3%チャド6%ガボン62%アンゴラ7%etrobrasがオペレーターとなった。18/06にはパートナーとしてSonangolが中国SinopecとJV(Sonangol Sinopec International)が40%の権益を取得した。 表 1:アンゴラにおける主な生産中油田 出所:EIA 4 OperatorPartnersProjectsLocationProduction1('000 bbl/d)Crude streamsLoading portsExxonMobilBP, Eni, StatoilKizomba A (Hungo,Chocalho,Marimba)Block 15 deepwater400 - 430HungoKizomba A FPSOKizomba B(Kizomba, Dikanza)KissanjeKizomba B FPSOKizomba C(Mondo, SaxiBatuque)Mondo; SaxiBatuqueMondo FPSO; SaxiBatuque FPSOKizomba satellitesproject (Clochas,Mavacola)blended withHungo & KissanjeKizomba A & BFPSOsChevronSonangol, Total,EniTakula, Malongo,Mafumeira NorteBlock 0- Area A offshore300 - 350CabindaMalongo terminalBomboco,Kokongo, Lomba,N'Dola, SanhaBlock 0- Area B offshoreNemba, Tombua,Landana, BBLT(Block 14)2Block 0- Area B offshoreNembaEni, Sonangol,Total, GalpEnergia, InpexKuito, BBLT(Benguela-Belize-Lobito-Tomboco)Block 14 deepwater50KuitoKuito FPSOBPSonangol SinopecInternational (SSI)Greater Plutonio(Plutonio, Galio,Cromio, Paladop,Cobalto)Block 18 deepwater180PlutonioPlutonio FPSOStatoil, Sonangol,Marathon, SSIPSVM (Plutao,Saturno, Venus,Marte)Block 31 ultra deepwater1,003SaturnoPSVM FPSOTotalStatoil,ExxonMobil, BPDaliaBlock 17 deepwater200DaliaDalia FPSOPazflor (Perpetua,Zinia, Hortensia,Acacia)200PazflorPazflor FPSOGirassol, Jasmin,Rosa200GirassolGirassol FPSOPluspetrolSonangol, ForcePetroleum,CubapetroleoCabinda C (South)123-5 Cabinda onshoreproduction started at the end of 2013 (less than 10,000 bbl/d)CabindaMalongo terminalSomoil4Chevron,SonangolSoyoonshore50PalancaPalanco terminalSonangolTotal,Chevron,Petrobras, Somoil,Kotoil, Poliedro,BTG PactualLomboEastBlock 2/85 offshoreTotal, Eni, Inpex,Mitsui, Naftagas,Naftaplin,Mitsubishi, Somoil,Svenska, NewBrightInternationalDevelopmentPalanca, Cobo,Pambi, Oombo,Nunce SulBlock 3 offshoreStatoil, Somoil,Angola ConsultingResourcesGimboaBlock 4/05 deepwater<10GimboaGimboa FPSO1 Crude oil production levels in 2013 are based on commercial tanker loading data.2 The light stream of BBLT is mixed with the Nemba blend and the heavy stream is mixed with the Kuito blend.3 PSVM is expected to increase to 150,000 bbl/d in 2014.4 Somoil is a private company based in Angola.Source: U.S. Energy Information Administration based on data from company reports, Rystad, IHS World Markets Energy, Energy Intelligence, and APEX Tanker DataAンゴラ政府は深海油田開発を軸とした増産を図り、2015年に生産量を200万b/dとする目標である。アンゴラは2007年1月にOPECに加盟し、2011年11月までは約150万b/dの生産枠が課せられていた。しかしOPECでは2011年12月以降加盟各国の生産量上限は設定されておらず、加盟国間での協調が求められている状況にある。 EIAによるとアンゴラでは2014年から2017年にかけてTotalのBlock17Clov油田(16万b/d)やEniの15/06West Hub(8万b/d)、ExxonMobilのBlock15Kizomba Satelites PhaseⅡなど複数の深海油田の開発計画があり、順調に開発が進む場合今後3年で約120万b/dの増産ポテンシャルがある。 図 4:アンゴラにおける主な生産・開発中の深海鉱区 2)深海油田の増産ポテンシャル (JOGMEC作成 5 Marathonは本国米国の事業を拡大する方針の下、深海資産を売却し、アンゴラから撤退した。2013年6月にBlock31における保有権益全量(10%)をSonangol-Sinopec Internationalに15.2億ドルで売却した。Block31はBP(26.67%)がオペレーターを務める水深1,500~2,500mの超深海鉱区である。Plutao、Saturno、 Venus、 Marte (PSVM) 油田が生産中で安定生産期の生産量は15万b/dである。 また、2013年9月にはBlock32の保有権益全量(10%)をSonagolに5.9億ドルで売却している。Block32はTotal(30%)がオペレーターを務める水深1,500~2,000mの超深海鉱区である。現在FEEDを実施している。Marathonは2009年にもBlock32の20%をSonangolに13億ドルで売却している。2013年9月にMarahon CEOのLee Tillman氏は2011年以降アンゴラ資産を含む資産売却額は35億ドルを超え、3 近年国営石油会社SonangolがIOCから深海既発見油田資産の取得を積極的に行っている。 Marathon (資産売却:2013年6月Block31の10%、2013年9月、Block32の10%) ①年で30億ドルの資産売却目標を達成したと語っている。 ②Total (資産売却:2014年2月、Block15/06の15%) Total はポートフォリオ組み換えの一環として資産を売却している。2014年2月に15/06鉱区(水深3) 最近の主な深海油田資産買収 (出所:EIA 6 表 2:アンゴラにおける計画中の油田 ,700m、オペレーターEni)の保有権益全量(15%)をSonangolに7.5億ドルで売却した。15/06は北西部を開発中で、2015年生産開始予定である。北東部のFIDは2014年を予定している。 表 3:最近のアンゴラ深海における主な資産買収 アンゴラでは南部深海プレソルトにおける油田発見の期待が高まっている。ブラジルでは2007年以降南部のサントス盆地、カンポス盆地深海(水深300~1,500m)の下部白亜系プレソルトにおいて油田発見が相次いでいる。ブラジルとアンゴラはジュラ紀後期から白亜紀初期にかけてアフリカ大陸と南米大陸の分裂により分かれており、ブラジルのCampos盆地とアンゴラ南部の地質構造には相関性がある。ブラジルにおけるプレソルトの発見を受け、カンポス盆地対岸のアンゴラ南部深海プレソルトにおける石油発見の期待が高まっている。 2010年にアンゴラは南部Kwanza盆地プレソルト11鉱区の入札を行った。深海開発に定評のあるIOC13社(米Cobaltを除き大手)が入札に参加した。アンゴラ深海でオペレーターを務めるBP、TotalやCobaltなどが落札した。 (1)深海プレソルト油田の探鉱開発 各種情報にもとづき作成 .南部の探鉱活性化へ 27 合意時期主要資産買い手売り手買収額(億ドル)備考2013年6月超深海Block3110%Sonangol-SinopecMarathon15.2生産中(PSVM)2013年9月超深海Block3210%SonangolMarathon5.9開発中2014年2月深海Block15/06SonangolTotal7.5開発中図 5:南部Kwanza盆地深海プレソルト鉱区入札(2010年) 2012年2月にCobaltは深海プレソルト鉱区Block21のCameia-1(水深1,680m)でネットペイ274mの油層を発見。テストの結果、坑井あたりの生産能力は2万b/dを超える見通しである。2014年2月現在CobaltはCameia構造について開発に向けた評価を行っており、2017年の生産開始を目指している。 アンゴラのプレソルトについてブラジルに比べ有望ではないという見方がある。例えばガスの存在だ。CobaltのBlock20におけるLontraやMavinga 構造などでは主にガスが確認されているが、アンゴラのPS契約では外資事業者は発見した天然ガスのマネタイズが認められていない。そもそもアンゴラのプレソルトは石油に比べマネタイズが難しいガスが多いのではないかという悲観的な見方も存在する。 そのような中2014年4月にGenel EnergyはWhite Rose EnergyとJVを組んで南部Kwanza Basin深海プレソルト2鉱区(Block38、39)の権益15%を2.81億ドルで取得した。Block39についてJVは2.22億ドルをStatoilに支払う。Block38についてJVは5900万ドルをChina Sonangol(Sonangolと中国のNew Bright InternationalによるJV)に支払う。Genel CEOのTony Haywardはローリスクで数十億bblの資産を取得できた稀有なディールと評価している1。この他2014年にPetrobras、Total、Repsol、Maerskなどが深海プレソルトを対象とした探鉱井10坑を掘削予定である。アンゴラのプレソルト開発の状況については引き続き注視したい。 2)南部陸上鉱区の入札 (アンゴラは2014年に陸上10鉱区(Lower Congo盆地3鉱区、Kwanza盆地7鉱区)の入札を計画して8 「る。対象鉱区はLower Congo盆地がCON 1、CON 5、CON 6の3鉱区であり、Kwanza 盆地はKON 3、KON 5、KON 6、KON 7、KON 8、KON 9、KON 17の7鉱区である。2014年3月25日に公示、4月24日にPQ企業を発表予定である。応札期限は7月22日であり、9月10日に落札企業の発表が行われ、2014年末までに契約を締結するスケジュールである。陸上の探鉱は過去には行われていたが総じて関心は低かった。Kwanza 堆積盆地は人口密度が高く30年以上内戦が行われていた。しかし米Cobaltの深海プレソルト鉱区(Block20、21)における発見は1960年代以降探鉱が行われていない陸上Kwanza 前述の通り、政府は深海開発を軸とした増産を図り、2015年に生産量を200万b/dとする目標である。アンゴラは石油収入に依存した経済でIMFによると2011年の石油収入は政府収入の約80%を占める。2014年予算は政府支出が急増のため、油価ベンチマークを76ドル/bblから96ドル/bblに引き上げており、厳しい財政運営に直面している模様である。 また、アンゴラ政府は2012年10月に原油売却収入を原資に、国内産業の振興と石油依存型経済からの脱却と経済の安定化を図ることを目的とした国家ファンドFSDEA(Fundo Soberano de Angola)を設立した。50億ドルを開始資金とし、10万b/dの売却収入を予算として、2013年以降毎年35億ドルを追加する予定である。石油依存型経済からの脱却を図るために当面石油収入に頼らざるを得ない状況である。 なお、アンゴラは2003年以降Angolanisation政策のもとローカルコンテンツの強化を図っているが、熟練労働者の絶対数が足りず石油上流における現地化は1割程度にとどまっているとされる。高度な技術が必要な深海油田の増産による石油収入に依存するアンゴラにおいて、ローカルコンテンツとのバラ.増産、石油依存型経済の脱却、ローカルコンテンツを追求するアンゴラ 4Basinに関心を呼び戻している2。 ンスを図ることは難しいようだ。 1 2014/4/4 Platts 2 2014/2/5 Petroleum Intelligence Weekly 9
地域1 アフリカ
国1 アンゴラ
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アフリカ,アンゴラ
2014/04/11 竹原 美佳
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