ページ番号1004458 更新日 平成30年2月16日

アルゼンチン:YPF再国有化後のシェール開発動向

レポート属性
レポートID 1004458
作成日 2014-05-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発非在来型
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/5/19 調査部:舩木弥和子 .アルゼンチン政府とRepsolは、アルゼンチン政府によるRepsol保有のYPF株式51%接収について、補償額を50億ドルとすることで合意し、Resolはアルゼンチン政府を相手方とする一切の訴訟を取り下げることになった。合意の背景には、アルゼンチン政府がVacaMuertaシェール開発には外資導入が不可欠で、Repsol と早期に和解を図りたいと考えたことがあると思慮される。2011年末時点でRepsolYPFの確認埋蔵量の46%、生産量の62%を占めていたYPFを失ったRepsolは、資産のバランスをとる目的で、今後、50~100億ドルを投じて米国やカナダ等の上流資産を取得する計画であるとしている。 12.再国有化されたYPFは、CEOに石油エンジニアのMiguel Galuccio氏を迎え、減退していた生産量を増加に転じることに成功、確認埋蔵量や純利益も増加させている。アルゼンチン全体として見た場合には、ガス価格引き上げを受けて2013年のガス生産量は10%増加したものの、2013年の石油生産量は54万b/dで対前年比19%と大きく減少した。YPF再国有化により投資意欲をそがれた企業があったことに加え、原油輸出税の徴税額を引き下げる等インセンティブを与え、探鉱・開発促進を図ろうとする政府の努力が、石油についてはまだ成果を上げるまでには至ってはいないためではないかと考えられる。 3.Neuquen Basin、Vaca Muertaシェールでは、Chevron、Dow Chemical、Wintershall等がYPFや州営石油会社Gas y Petroleo del Nequenと共同で探鉱・開発を進めている。Apacheのようにアルゼンチンから撤退する企業もあるものの、ExxonMobil、Total、Shell等のメジャーからPetrobras等の国営石油会社やアルゼンチン国内の企業まで様々な企業が、Vaca Muertaシェールでの探鉱・開発を推進している。 4.Mendoza州、Neuquen州が相次いでライセンスラウンドを実施する。いずれのライセンスラウンドにも在来型、非在来型を対象とする鉱区が含まれる。 5.2012年後半以降政府が探鉱・開発促進政策をとるようになり、アルゼンチン政府とRepsolの和解も成立、サービス会社8社が1億ドルで工業団地を建設、アルゼンチン国内でプロパントが製造されるようになる見通しで、パイプライン等既存のインフラを利用可能であることから、アルゼンチンにシェール開発ブームが到来するのではないかとの見方がある。メジャー等が投資増を計画しており、2014年のNeuquen州探鉱・開発への投資額は55.6億ドルに達する見通しだ。ただし、政府は、シェールオイル、シェールガスの生産が本格化するのは2018年、ガスを輸入する必要がなくなるのは2023~24年としている。そして、Vaca Muertaシェールを開発し、政府の目標を達成するには500~1,000億ドルが必要との見方もあり、さらに動向を注視していく必要があると考える。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? アルゼンチン:YPF再国有化後のシェール開発動向 . アルゼンチン政府、RepsolにYPF再国有化の補償 2012年5月、アルゼンチンのFernandez政権は、YPF(Yacimientos Petroliferos Fiscales)が収益の多くを配当とRepsolの国際展開に充てたため、アルゼンチン国内向けの探鉱投資が不十分となり、生産量、埋蔵量が減少し、同国のエネルギー輸入額が急増しており、政府がYPFの経営に乗り出す必要があるとして、Repsol保有のYPF株式51%を接収し、政府の管理下に置いた。 YPFは、1993年に民営化されたアルゼンチンの元国営石油会社で、1999年にRepsolの100%子会社になった。2008年以降は、RepsolがPetersenグループ等にYPFの株式を売却し、再国有化前のRepsolYPFのYPF持ち株比率は57.4%となっていた。 Repsolはアルゼンチン政府に対し105億ドルの補償を求めるとともに、世界銀行の国際投資紛争解決センター(ICSID)等に仲裁を申し立てた。Repsolはさらに、YPFと共同でVaca Muertaシェールを開発しようとするChevron等の企業に対して、本来Repsolが開発を行うべき鉱区であり、Repsol抜きで他の企業が開発にあたることは非合法であるとして提訴した。一方、アルゼンチン政府は国家評価裁判所がYPF株式接収に対する補償額を決定するとしていたが、2013年6月に補償として50億ドルを支払うとRepsolに申し出た。Repsolは6月26日、金額が十分ではないとこれを拒否していた。 しかし、2013年11月、アルゼンチン政府とRepsolは、YPF再国有化の補償について、補償額を約50億ドルとすることで合意に至った。2014年2月25日には、Repsol取締役会が補償案を承認、その後、これをアルゼンチン議会が承認し、Fernandez大統領の署名を受けて法律として発布された。補償額50億ドルは、2017~33年に償還期限を迎えるドル建て国債により支払われる。Repsolはこれを売却もしくは満期まで保有することができる。利回りは7~8.75%となっている。Resolはアルゼンチン政府を相手方とする一切の訴訟を取り下げることとなった。 今回、補償に関して合意が成立した背景には、アルゼンチン政府がVacaMuertaシェール開発には外Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? 蒼ア入が不可欠であると考えたことがあると思われる。多額の補償に国内からは反対の声も上がったようだが、Repsolとの係争が長引くことで、アルゼンチンでのシェール開発をためらう企業が出ることを恐れた政府は同社との合意を急いだと伝えられている。Repsolが訴訟を取り下げることも、アルゼンチンにとっては重要であったとみられている。 Repsolは、補償として受領する50億ドルのアルゼンチン国債を速やかに現金化、5月末までには全てを売却するとみられていたが、5月9日にアルゼンチン国債BONAR24をJP Morganに28億ドルで売却したと発表している。 2011年12月31日時点のYPFの確認埋蔵量は10.11億boeでRepsolYPFの確認埋蔵量の46%、生産量は1.81億boeでRepsolYPFの生産量の62%を占めており、RepsolYPFの上流部門にとってYPFの存在感は大きかった。YPFを失ったRepsolは、資産のバランスをとるため、50~100億ドルを投じ米国やカナダなど政治的に安定した国の上流資産を取得する計画であるとしている。 (出所:Repsolホームページ) なお、2014年5月、RepsolはMorgan StanleyにYPF株式4,660万株を12.6億ドルで売却した。これにより、Repsolが保有するYPF株式は0.5%未満まで減少した。 2.YPF再国有化の影響 YPFが再国有化されたことで、YPFやアルゼンチンの探鉱・開発にはどのような影響が生じているのだろうか。 Fernandez大統領は、YPFの新CEOにYPFやSchlumbergerで20年以上の経験を有する石油エンジニア、Miguel Galuccio氏を任命した。GaluccioCEOの下、YPFは着実に探鉱・開発を進め、減退傾向にあった生産量を増加に転じている。2013年のYPFの生産量は石油が23.51万b/d(対前年比3.4%増)、ガスが34.1MMm3/d(同2.2%増)となった。2014年第1四半期はさらに生産量が増加し、石油が24.1万b/d、ガスが37.2MMm3/dとなっている。確認埋蔵量もVacaMuertaシェールのLoma Campana鉱区、Loma La Lata Norte鉱区等の埋蔵量が追加されたことで、2.84億boe増加し10.8億boeとなった。純利益も対前年比45.6%増加し、7億1,010万ドルになっている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? PFは、2014年はcapexを2013年の50億ドルから55億ドルに引き上げ、うち45億ドルを上流に投資し、石油生産量を3%、ガス生産量を6%引き上げる計画であるとしていたが、後述する通り、ChevronとLoma La Lata / Loma Campana鉱区の開発について合意に至ったことで、2014年は生産量を石油については5%、ガスについては18%引き上げることに計画を変更したという。 (YPFホームページより作成) アルゼンチン全体としては、2013年の生産量は石油が54万b/d、ガスが114MMm3/dで、石油は19%減少、ガスは10%増加した。 ガスに関しては、2012年11月に政府が、新たに生産を開始するガス田で生産されるガスについては価格を7.50ドル/MMBtuに引き上げることを承認したことが影響を与えたのではないかと考えられる。Pan American Energy、Wintershall、Total、YPF等大手9社がすでにこの制度を利用していたが、2014年からは大手企業が中心であったこの制度を拡大され、政府は中小規模の企業にも井戸元価格を4~7.50ドル/MMBtuとすることを承認した。 (出所:BP統計、2013年はPlatts Oilgram News2014/1/8) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? ュ府は、2013年7月にアルゼンチン国内の非在来型石油・ガスプロジェクトに5年間で10億ドルを投資した企業には、生産量の20%の輸出については輸出税を免除して輸出を許可、輸出により得られた利益をアルゼンチンに送り返す義務を免除するとする法令を発した。しかし、非在来型石油・ガスの生産量はまだ大きく増加するには至っていないようで、また、Repsol再国有化により投資額を大幅に増やすことを手控えた企業もあるのか、2013年の石油生産量は大きく減少してしまった。 .主要企業のVaca Muertaシェールを巡る動向 3米国EIAによると、アルゼンチンのシェールガスの技術的回収可能量は802Tcfで世界第2位、シェールオイルの技術的回収可能量は265億bblで世界第4位であるが、このシェール資源量の過半がNeuquen Basinに賦存している。Neuquen Basinには、Vaca Muerta(深度914~3,048m)とLos Molles(同1,981~4,998m)の2つのシェール層があるが、注目を集め、探鉱が進んでいるのは、深度の浅いVaca Muertaシェールだ。 アルゼンチンのBasin別のシェールガス資源量 (EIAより作成) Chevronや Dow Chemical等がYPFと組んで、Wintershall等がNequen 州営石油会社Gas y Petroleo del Nequenと組んでVaca Muertaシェールの探鉱・開発を進めているが、Exxon Mobil、Shell、Total等メジャーも参入、一部の鉱区では生産も開始されている。Neuquen Basinで水圧破砕を行った坑井数は、2013年12月時点で300坑にのぼり、結果はいずれも良好であるという1。 (1)YPF/Chevron 2013年7月16日、YPFとChevronは、Loma La Lata / Loma Campana鉱区(390km2) について開発契約を締結、9月にはNeuquen州議会が25対2で同契約を承認し、Loma La Lata / Loma Campana鉱区の開発が始まった。 1 Latin America : Breaking through the shale frontier to achieve factory drilling, BNA2013/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? ?1フェーズ(1年、パイロット・プラン)では、Chevronが12億4,000万ドル(YPFがこれまでに投じた資金と合わせる15億ドル)を投じて、General Enrique Mosconiエリア(20km2)で100坑を掘削し、両社はその結果によって大規模開発を行うべきか判断するとしていた。2014年3月までに161坑が掘削され、生産量も第1フェーズ開始時点の1万boe/d以上から2万boe/dに増加した。4月11日、両社は2014年中に16億ドルを投じ、Loma Campana鉱区で170坑を掘削すると発表、大規模な開発段階へ移行することを示唆した。契約締結時には、第2フェーズ(5年)では150億ドルを投じLoma La Lata Norte、Loma Campana鉱区で1,500坑以上掘削し、2017年に石油5万b/d、ガス3MMm3/dの生産を目指すとしていたが、4月時点では今後数年間に160億ドルを投じる計画であるとした。同エリアではリグ15基を用いて開発が進められてきたが、リグ数を19基に増加させる計画だ。インフラも整ったエリアで、今後の生産増が期待される。州議会が同契約を承認する際には、水圧破砕の環境への影響を懸念してYPF-Chevronの開発に反対する先住民Mapuche族がLoma Campana鉱区周辺の道路を封鎖したが、YPF及びNeuquen州政府と話し合うことで封鎖が解除されており、先住民との関係も好転したようだ。 両社はChihuido de la Sierra Negra鉱区Narambuenaエリア(200km2)でもシェール探鉱を行う計画だ。 (2)YPF/Dow Chemical YPFは2013年3月に、Dow Chemicalのアルゼンチン子会社Dow ArgentinaとEl Orejano鉱区(41km2)の開発に関するMOUを締結していたが、9月23日、同鉱区にDow Chemicalが1億2,000万ドル、YPFが6,800万ドルを投じシェールガスの生産を行うことで契約を締結した。シェールガス井16坑を掘削、3MMm3/dを生産する計画だ。 (3)YPF/Petrolera Pampa YPFとアルゼンチン企業Pampa Energiaの子会社、Petrolera Pampaは、2013年11月6日に、Rincon del Mangrullo鉱区(183 km2)の開発を行うことで契約を締結した。第1フェーズでは、YPFとPetrolera Pampaが8,150万ドルずつを投じ、3D地震探鉱と各17坑の掘削を実施する。第2フェーズでは、Petrolera Pampaが7,000万ドルを投じ、15坑を掘削することができる。両社は3年以内にガス1.3MMm3/dを生産する計画だ。 (4)Gas y Petroleo del Nequen/Wintershall 2014年1月7日、WintershallはAguada Federal鉱区(97 km2)の権益50%を取得し、同鉱区にファームインし、オペレーターとなった。権益の残り50%はGas y Petroleo del Neuquen (GyP)が保有する。両社は第1フェーズ(2年)に1億900万ドルを投じ6坑を掘削、第2フェーズ(2~3年)に20坑を掘削し、探鉱結果が良好Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? ナあれば、10年間に33.4億ドルを投じ開発井320坑を掘削することを計画している。 (5)YPF/Petronas 2014年2月18日、YPFとPetronasはLa Amarega Chica鉱区(187 km2)を共同開発する旨のMOUを締結した。両社技術チームによる事業化調査(FS)後、投資協定の締結に向けた協議を実施する。 (6)Americas Petrogas/ExxonMobil カナダ企業Americas PetrogasとExxonMobilはNeuquen Basin、Los Toldos I鉱区を中心に探鉱・開発を進めている。2013年2月には同鉱区内で多段階フラクチャリングを実施、6月には坑井をパイプラインにつなぎ込み、ガスの販売を開始した。ガス価格は7.50ドル/MMBtuとされている。 (7)Total Totalは、2010年以降、Neuquen BasinのLa Escalonada鉱区、Rincon La Ceniza鉱区等の権益を取得した。2011年には、Aguada Pichana鉱区及びSan Roque鉱区でシェールガス井を掘削し、ガスの生産を始めた。 (8)Shell Shellは、Sierras Blancas鉱区で最初に掘削した水圧破砕を行った水平坑井でAPI35度の石油465b/dと ガス85m3の出油、出ガスに成功していたが、アルゼンチン政府が探鉱・開発を促進するよう政策変更を行ったことを受け、Vaca Muertaシェールへの投資額を2013年の1.7億ドルから、2014年は3倍の5億ドルに増やす計画である。Shellは、2014年2月には、TotalのLa Escalonada 鉱区とRincon La Ceniza鉱区にファームインした。権益保有比率はTotal 42.5%、Shell 42.5%、GyPが15%となっている。 (9)Petrobras 2014年2月、YPFはPetrobrasよりNeuquen州とMendoza州にまたがるPuesto Hernandez鉱区の権益の38.5%を4,070万ドルで取得した。同鉱区はMedianito原油10,000b/d を生産中である。Petrobrasはブラジル沖合プレソルトの開発に注力するため、国外への投資額を年々減らす戦略を展開しており、Puesto Hernandez鉱区の権益売却は、この戦略にもとづいたものと考えられる。 しかし、2014年2月に発表されたPetrobrasの2014~2018年の5ヵ年計画(Business and Management Plan(BMP)2014-2018)では、国外への投資額が前5ヵ年計画比90%増加しており、再び国外、特に国外の探鉱・開発に重点を置く方針を示した。その一環として、アルゼンチンの探鉱・開発にも焦点があたったようで、同社は2014年中にアルゼンチンに39.4億ドルを投じる計画で、うち32%はVaca Muertaシェールの探鉱・開発に充てるとしている。GyPが間もなくVaca MuertaシェールのParva Negra 鉱区についてGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? &P 契約を Petrobrasと締結予定であるという。 (10)Apache 2014年2月12日、Apacheはアルゼンチンに保有する全ての石油・ガス資産をYPFに売却することで合意したと発表した。YPFは、8億ドルを現金払い、2013年6月末時点のApacheの銀行借入金5,200万ドルを肩代わりする。YPFは既に5,000万ドルの手付金を支払済み、残りは30日以内に支払うとした。 Apacheは、2001年にアルゼンチンに参入し、2006年にPioneer Natural Resourcesのアルゼンチン資産を取得、Neuquen、Rio Negro、Tierra del Fuego州の33鉱区(370万エーカー(1.5万km2))の権益を保有していた。このうち120万エーカー(10鉱区)はVaca Muertaシェールに位置している。アルゼンチンに保有する埋蔵量は天然ガス換算で約5,400億cf、生産量は石油11,000b/d、天然ガス201MMcf/dとなっていた。 Apacheは、今回の資産売却を、長期成長が見込める地域への集中を図りバランスシートを強化する戦略の一環であるとしている。今回の取引で得た資金を、財務強化、債務削減のほか、自社普通株式の買戻しなどに充てる。 なお、YPFはPluspetrolにVaca Muertaシェールの資産(1,240km2)を2億1,700万ドルでファームアウトしたが、このうち83.4%はApacheから取得した鉱区である。YPFとPluspetrolは権益50%ずつを保有し共同して探鉱を行う。 (11)CNOOC CNOOCは2010年にBridasの株式50%を31億ドルで取得したが、他事業向けの資金調達を目的にBridas株式売却を検討しているという。Bridasは1948年にBulgheroni familyにより設立されたアルゼンチン企業で、1997年にAmoco(現在BP)とともにPan American Energyを設立した。Pan American Energyの株式保有比率はBridasが40%、BPが60%となっている。Pan American Energyは、アルゼンチンではGolfo San Jorge、Neuquen、Noroeste、Austral Basinで探鉱・開発を行っており、2013年のアルゼンチンの生産量は21.1万boe/d(うち石油は10万b/d)である。Neuquen Basinでは40年以上にわたって活動しており、オペレーターとしてLindero Atravesado鉱区、パートナーとしてAguada Pichana、San Roque鉱区でシェール探鉱に従事している。 (12)その他 YPFとウルグアイのANCAPはVaca Muerta シェールの開発等について協議を行っていたが、2013年1月にVaca Muerta シェールの開発で合意した。両社は、2014年稼働開始予定のモンテビデオのLNGGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ?vラント向けLNG購入についても共同で行うことを検討している。 PDVSA、Gazprom、StatoilもVacaMuertaシェールへ参入することを希望しYPFと協議している。エクアドルのPetroamazonasもYPFから非在来型の技術を学びたいとしてYPFと協議を行っている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? .ライセンスラウンド アルゼンチンでは、2006年に連邦政府から州政府に、陸上及び12海里以内の沖合に存在する炭化水素資源の探鉱、生産、輸送に関する権限が移管された。2013年の石油生産量が22.4万b/dとアルゼンチンの石油生産量の40%を占めるNeuquen basinは、La Pampa州、Mendoza州、Neuquen州にまたがっており、同Basinのライセンスラウンドは、州ごとに行われている。ガス価格の引き上げ等探鉱・開発を促進するインセンティブが付与されることとなり、また、アルゼンチン政府がYPF再国有化の補償についてRepsolと合意したこともあってなのか、Mendoza州、Neuquen州で相次いでライセンスラウンドが実施されることになった。 (1)Neuquen州 Neuquen州では2008年以降、3回のライセンスラウンドが行われ、57鉱区が付与されている。Neuquen州は在来型、非在来型を含む鉱区を対象とする4回目のライセンスラウンドを実施する計画だ。6月に入札、7月に開札が行われ、8月に結果が発表され、契約が締結される予定となっている。鉱区の広さ等により権益保有比率は異なるものの、いずれの鉱区についてもGyPが10~50%の割合で権益を保有することが条件とされている。北から、Pampa Trill、El Churqui鉱区では在来型ガス、Parva Negra Oeste、Loma Ancha鉱区では在来型、非在来型のガス、Portezuelo Minas、Collon Cura II、Santo Tomas、 Senal Rocosa、Los Alamos鉱区では在来型の石油・ガス、Loma de las Piedras、China Muerta、Canadon de las Horquetas鉱区では在来型ガスが狙えるという。州政府は、Royal Dutch Shell、Chevron、Exxon Mobil等のメジャーがVaca Muertaシェールへの参入を希望しており、これらの企業が札を入れることを期待するとしている。 (Neuquen Province Areas Offered ⅣBidding Roundに加筆) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? i2)Mendoza州 Neuquen州の北に位置するMendoza州は、在来型、非在来型を含む南部の8鉱区(9,567km2)を対象とするライセンスラウンドを4月9日に実施した。Aguada Botada、Cerro Manzano C、D、F、Sierra Azul Sur-Calmuco鉱区は在来型、非在来型の双方を、Lindero de Piedra、Puelen、Sierra del Nevado鉱区は在来型を対象とする鉱区とされていたが、Cerro Manzano D、F 鉱区以外の6鉱区に7グループから札が入った。落札者は、サインボーナス、追加される探鉱作業、キャリード・インタレストの追加により決定され、8月1日に契約が締結される予定である。契約形態は既存のコンセッション契約で、ロイヤリティ率が12%、探鉱期間3年間の間に地震探鉱と3坑の掘削を行うことが義務付けられている。開発期間は25年で10年間の延長が可能となっている。Mendoza州立石油ガス会社、Empresa Mendocina de Energia SA (EMESA)が、全ての鉱区について少なくとも10%のキャリード・インタレストを保有する。 (出所:Concurso Publico Nacional e Internacional, para la exploracion y potencial explotacion de areas hidrocarburiferas en laprovincia de Mendoza) Mendoza州ライセンスラウンドの入札状況 鉱区 Lindero de Piedra Agua Botada Sierra Azul Sur-Calmuco Puelen Sierra del Nevado Cerro Manzano C 入札企業 Crown Point-Antrim, Medanito, Kilwer-Andes Energia Alianza-JHP-PetroAP-EMSA, Crown Point-Antrim, Medanito, Roch, Grecoil-Integra Alianza-JHP-PetroAP-EMSA, Grecoil-Integra Pluspetrol-Geopark Pluspetrol-Geopark Kilwer-Andes Energia Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? (各種資料より作成) ィわりに アルゼンチンのシェールオイル、シェールガスの探鉱・開発は、政策、制度面の問題、Repsolへの補償やRepsolとの訴訟、資機材やサービス、技術者の確保等多くの課題を抱えており、これらの解決がシェール探鉱・開発進展の鍵を握るとされてきた。 2012年後半以降、ガス価格の一部引き上げ、原油輸出税徴収額の引き下げ等、石油会社にインセンティブを与え、探鉱・開発への投資促進を図ろうとする政策がとられるようになっており、この度Repsolとも和解に至ったことで、アルゼンチンはシェールの探鉱・開発に向けて大きく前進したとの見方がなされている。 資機材やサービス確保の面でも、状況の好転が伝えられている。 Schlumberger、Halliburton、Weatherford等サービス会社8社が1億ドルを投じて工業団地を建設し、Neuquen Basinでの非在来型の操業に対してサービスを提供することとなった2。 水圧破砕の際に用いられるプロパントについても、ブラジルから入手しているため、45日のリードタイムが必要で、コストも高額であるとされていたが、カナダのU3O8という企業がChubut州でプロパントを製造することとなり3、Neuquen Basinに安価なプロパントが速やかに供給されるようになる見通しがたった。 また、YPFはVacaMuertaシェールでは垂直井で開発を行っている。水平坑井についても引き続き評価を行っているとのことで、将来は水平坑井を掘削するためのリグを多数導入する可能性もあるものの、現時点では水平坑井を掘削するためのリグは必要としていない。 さらに、2015年10月に行われる大統領選挙後には、外資導入政策がとられるのではないかとの観測から、投資を行う企業もあるようだ。 このような状況から、アルゼンチンにシェール開発のブームが到来するとの見方をする向きもある。Chevron、YPF、Bridas、ExxonMobil、Shell、Total等は投資増を計画している。Neuquen州の探鉱・開発への投資額は2013年の40.5億ドルから2014年には55.6億ドルに増加するとの見通しもある。 ただし、政府は、シェールオイル、シェールガスの生産が本格化するのは2018年、ガスを輸入する必要がなくなるのは2023~24年としている。Vaca Muertaシェールの開発を進め、政府の想定にそって生産量を増加させるには500~1,000億ドルが必要との見方もあり、さらに動向を注視していく必要があると考える。 2 Argentina to license unconventional acreage in Mendoza Province, Wood Mackenzie2014/4/1 3 Argentina to license unconventional acreage in Mendoza Province, Wood Mackenzie2014/4/1 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ?
地域1 中南米
国1 アルゼンチン
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,アルゼンチン
2014/05/20 舩木 弥和子
Global Disclaimer(免責事項)

このwebサイトに掲載されている情報は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

※Copyright (C) Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。