ページ番号1004468 更新日 平成30年2月16日

在来型・非在来型を共に追い求める イギリスの石油・ガス動向

レポート属性
レポートID 1004468
作成日 2014-06-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者
著者直接入力 永井 一聡
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 在来型・非在来型を共に追い求める イギリスの石油・ガス動向 更新日:2014/6/16 調査部:永井 一聡 (各社ホームページ、各種報道、他) ○産油国として知られるイギリスは、現在でもEU諸国の中で原油生産量第1位、天然ガス生産量第2位となっている。しかし、近年北海地域の成熟が指摘され、生産量は減退してきている。 ○イギリスでは、国内の石油・天然ガス生産量減退を食い止め、また、エネルギーの安定供給を今後も確保していくために、①イギリス大陸棚地域の再開発、②LNGによる天然ガス調達、③国内シェールガス開発を推し進めている。 ○大陸棚開発では、既存fieldの回収率向上を重視するとともに、より技術的難易度の高いfieldも開発対象になりつつある。近年、洋上開発のコスト上昇が問題となっている。シェットランド諸島西側地域はイギリス最後のフロンティアと言われ、今後の探鉱・開発の進展が期待される。また、重質油田の開発計画も挙がっている。 ○欧州経済危機の影響などでガス需要は低迷しており、その影響でLNG輸入量も2011年以降減少している。一方でカタールからのLNG輸入に関して新たな売買契約が調印されるといった動きもある。 ○イギリスにはシェール層も広がっており、政府は独自に資源量の評価を行っている。国内のシェール地域を3つに分けて評価を行っており、これまでのところ、原始埋蔵量で、中部のBowland Basinには822~2281Tcfのガス、南部のWeald Basinには22~85億bblの石油が存在していると評価した。北部のMidland Valley地域は評価中である。 ○イギリス政府は国内シェール資源の開発に大きな期待をしている。ただし、開発促進を図りつつも、地域住民との共生と環境影響の極小化を考慮し、シェール開発に係る規制整備を進めている。 ○炭化水素資源開発を巡るイギリス政府の各種政策は試行錯誤が続いており、税制変更や新たな規制機関の設立も計画されている。 . イギリスの石油・天然ガス生産 1 1970年代に北海での石油生産を本格的に開始し、先進国でありながら産油国という立場を築いてきたイギリスであるが、2000年以降その生産量は減退が続いている(図1、2)。現在、EU諸国の中では原油生産量第1位、天然ガス生産量第2位となってはいるが、いずれもピーク時の生産量(原油は1999年、天然ガスは2000年)に比較して約3分の1となっている。石油・天然ガス生産に係る税やロイヤリティによる歳入はイギリス政府にとって非常に重要な財源でもあり、今後の開発進展や生産量の維持はイギリスGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? o所:イギリスDECC 出所:イギリスDECC 図1 イギリスの原油生産量推移 図2 イギリスの天然ガス生産量推移 イギリスの主要な石油・ガス生産地域である北海地域は成熟地域と言われ、近年目立った発見は少な く、2013年の探鉱活動により発見された埋蔵量は8000万boeであった。図3にイギリスの埋蔵量推移、図4にイギリスの石油・天然ガス生産量見通しを示す。埋蔵量は、プロジェクト経済性を左右する原油価格や税制規制等による影響も受けるため一概に述べることはできないが、生産量がピークだった2000年前後からやはり減少をたどっている。2013~2015年にかけて生産開始が計画されている開発中の油田・ガス田がいくつかあるため、生産量見通しについては今後数年間は横ばいで推移すると予測されてGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図3 イギリスの埋蔵量推移 出所:米EIA ? 2 ? いる。 にとって大きな課題となっている。 イギリスの一次エネルギー構成を図1に示す。一次エネルギー源として、約34%を石油、約35%を天然ガスが占めている。消費量(図6、7)については、欧州全体の景気低迷もあり、ここ数年は若干の減少傾向となっている。産油国として知られるイギリスだが、生産量減退により2004年から石油・天然ガスともに純輸入国へと転換しており、2013年は石油製品も含め全ての化石燃料で純輸入国となった。 .イギリスの石油・天然ガス市場 2(1)石油・天然ガス需要 出所:BP統計 図5 イギリスの一次エネルギー構成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 図4 イギリスの原油・天然ガス生産量見通し 出所:イギリスDECC }6 原油生産量・石油消費量推移 図7 天然ガス生産量・消費量推移 出所:米EIA 出所:米EIA 2)イギリスの天然ガス市場 ( 古くから産ガス国であるイギリスでは、1980年代からのガス市場の自由化が始まり、1992年頃から独自のガス取引市場形成が本格的に行われていった。そして、1996年にNBP(National Balancing Point)というガスハブの概念が導入され、長期契約の天然ガス調達においても市場価格連動(NBP)によるガス取引が確立されている。 なお、欧州大陸部側においては、ガスは石油製品の競合燃料(消費者はガスと石油の価格優位性のある方を選択する)であったことから、石油製品(重油、灯油など)の価格に連動して天然ガスの価格を決定する方式が出来上がった。近年では大陸側の国々でもガス取引市場が登場・拡大してきており、これらのガス取引市場では基本的にスポット取引が行われている。 図8に世界の各市場における天然ガス価格の推移を示す。2014年に入り、暖冬による需要減少やカタール産LNGの国内ガス市場流入量増加の影響などでガス需給は緩んでいる。 図8 世界の天然ガス価格推移(2005~2014年) ? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 R.石油・天然ガス生産量維持・調達に向けた取り組みと動向 北海地域の成熟に伴う石油・天然ガス生産量減退を受け、これら炭化水素資源の安定調達・確保すべ図9 イギリス大陸棚の鉱区分布 出所:イギリスDECC く、イギリスでは以下のような対応・動きが進んでいる。 (1)イギリス大陸棚の再開発 (2)LNG輸入による天然ガス供給源確保 (3)国内シェール資源(ガス・オイル)の開発 1)イギリス大陸棚の再開発 (①開発状況 図9はイギリス大陸棚の鉱区分布である。 イギリスの鉱区は、開発が進み生産量の減少が始まっている成熟(mature)地域と言われる北海地域と、開発途上で資源量が豊富と言われるShetland諸島西側とに大別される。 イギリス政府は、北海地域について、これまでに420億boeの石油・天然ガスを生産してきたが、いまだ200億boeが存在している可能性があると評価している。 2011年3月、イギリスは上流事業活動に対する増税を発表し、これを受けて投資採算性が悪化した複数のプロジェクトで開発が見送られ、2011年の上流活動への投資が著しく減少したことがある。その後(特に2012年3月以降)、イギリス政府はいくつかの税制優遇策を発表し、徐々に開発再開の傾向が見られている(JOGMEC石油・天然ガス資源情報レポート「英国の2011 年予Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? Zの上流事業への影響と2012 年予算に期待される効果」(大貫憲二)参照)。 そして、2013年の北海を含めたイギリス大陸棚への投資額は記録的な水準となった(図10)。逆に、井戸の掘削数自体はここ数年横ばい傾向で、2000年代前半から見るとむしろ減少している(図11)。単純には言えないが、これは、開発コストの上昇・超過による影響が大きい。人件費高騰等による掘削・操業コストの増加と、現在開発対象として残されたフィールドは技術的なハードルが高い(開発が困難)ものが多いことが要因であると考えられる。 図10 イギリス大陸棚における投資額推移 出所:Oil & Gas UK 図11 イギリス大陸棚の掘削数推移 出所:Oil & Gas UK Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 近年のイギリス大陸棚における石油・天然ガス開発は、新規発見が困難と考えられていることもあり、既存のfieldの石油・ガス回収率向上を重視している。また、より技術的難易度の高いフィールドも開発対象になりつつある。新規の資源増加が期待される開発対象としては、イギリス最後のフロンティアともいわれるShetland諸島西側地域における探鉱・開発と、資源の存在は確認されていたものの技術的に困難とされていた重質油田の開発である。 Shetland諸島西側は、北極圏に近いため気象海象が厳しく、また北海に比べて水深も深い。そのためこれまではなかなか探鉱の手がつけられていなかったが、イギリスの石油埋蔵量の15~17%が存在しているといわれ、新規発見の期待も高まっている。 一方、北海地域の重質油田は、原始埋蔵量は合計で90億bblと言われているが、重質油に適した開発コンセプトがなく、開発技術の発展を待たねばならなかった。近年になって重質油の開発・生産技術も向上してきており、重質油田の開発が現実性を帯びてきている。2014年5月に、Shell、Statoil、Xcite Energyの三社は、北海北部のBressay field(埋蔵量2~3億bbl)及びBentley field(埋蔵量9億bbl、API比重10~12とされる)の開発を共同で進めていくことに合意した。 図12 Shetland諸島西側地域 出所:DONG Energy 出所:Xcite Energy 図13 Bentley field位置図 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? A大陸棚の開発促進に向けた政策動向 イギリス政府は、国内での石油・天然ガスの上流事業を重要な産業と位置付け、税制についてこれまでいくつかの改正・変更を行ってきている。石油・天然ガス開発に係る税制は、在来型資源・非在来型資源双方に関わるものではあるが、本項では主に大陸棚開発に関する税制・規制について述べる(シェール資源に関する規制の動きは後ほど記載)。 2011年、イギリス政府が行った税制変更では、石油・天然ガス上流事業に対する税率が増加し、これによって経済性を失ったプロジェクトが棚上げとなるなど、上流事業への投資が落ち込むこととなった。この結果を受け、2012年以降、上流投資の活性化と埋蔵資源産出の最大化を図るため、各種税制優遇策を導入している(JOGMEC石油・天然ガス資源情報レポート「英国の2011 年予算の上流事業への影響と2012 年予算に期待される効果」(大貫憲二)参照)。 そして2014年に入り、イギリス政府は更なる税制優遇を計画している。それは、技術的に困難とされる、超高圧・高温の貯留層を持つ油・ガス田の開発に対して税制優遇措置を取り入れるというものである。北海に未開発で残されている重質油田について、開発を促進させ新たな生産源とすることを狙いとしている。 また、開発コストの上昇・超過が目立つ北海開発を促進させるため、新たな規制機関の設立も計画している。詳細は明らかになっていないが、北海における開発インフラの共同活用と石油・ガスの回収率向上に関する技術協力を推し進めていくことを目的としているとされ、2014年秋までにその概要が 2005年にイギリス初のLNG受入基地となるIsle of Grain基地が操業を開始し、現在では4つのLNG受入基地が稼働している(図14)。 イギリスは輸入するLNGのほとんどをカタールから輸入しており、その他アルジェリア、ノルウェー、トリニダードトバゴが輸入先となっている(図15)。なお、イギリスへ仕向けられるLNGの価格体系は、石油価格連動ではなく、国内ガス市場であるNBP価格に連動していると言われている。 しかし、欧州経済危機等の影響による近年のガス需要減退に伴い、LNG輸入量は2011年から減少しており、LNG基地の稼働率も低調である。2013年のイギリスのLNG基地の平均稼働率は20%以下であった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 2)LNG輸入による天然ガス供給源確保 (策定される計画となっている。 o所:GIIGNL 図15 イギリスのLNG輸入先(2013年) 図14 イギリスのLNG受入基地 出所:JOGMEC作成 出所:BP統計、GIIGNLを基にJOGMEC作成 図16 イギリスのLNG輸入量推移 国内天然ガス需要が低迷し、LNG基地の稼働率も低調なイギリスであるが、2013~2014年にかけて 新規または既存契約の拡大という形でのLNG売買契約が複数調印されている。その背景・真意は不明であるが、イギリス側にとってみれば、上記のとおりNBP価格連動で調達できるのであればパイプライGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 塔Kスに対しても価格面で不利になることはなく、調達源の多様化という意味で供給セキュリティの確保に寄与できる。カタール側の思惑は不明だが、LNG液化能力に余裕がある中で、スポット市場にそのLNGを開放してアジア市場における価格(アジアプレミアム)を暴落させるよりは、中長期契約で販売先を確保することでスポット市場を引き締めたいとの狙いがあるのかもしれない。 表1 最近調印されたイギリス向けLNG売買契約 調印時期 買い主 売り主 2013年9月 Petronas LNG UK Qatargas 数量 (万トン/年) 114 期間 (年) 5 2013年11月 Centrica Qatargas 300 4.5 2014年5月 E.ON 2014年5月 Iverdrola RasGas Cheniere(Corpus Christi LNG) 約150 約80 3 20 供給開始 時期 2014年1月 2014年6月 (既存契約の延長・拡大) 即時有効 2018年 3)国内シェール資源(ガス・オイル)の開発 ( イギリス政府は、減退するイギリス大陸棚における石油・天然ガス生産の穴埋めとして、次代のエネルギーセキュリティ確保のために、国内シェール資源(ガス、オイル)の開発を重要視している。 ①資源量 米EIAのレポートによると、イギリス全土における技術的回収可能量はシェールガスで26Tcfとされている。これはイギリスの国内消費の10年分に相当する。シェールオイルについてはこちらも技術的回収可能量で7億バレルとしている。 また、イギリス政府のDECC(Department of Energy and Climate Change)も独自にシェール資源の評価スタディを行っており、地質調査所(British Geological Surbey)が報告書を発行している。こちらは国内のシェール分布地域(図17)を3地域に分けて評価しており、それぞれの原始埋蔵量を評価している(技術的回収可能量ではない)。DECCは、技術的回収可能量は実際に掘削して地質等を調査しないと評価できないためとしている。現在までに、中部のBowland Basin地域、南部のWeald Basin地域についての評価スタディが完了しており、北部のMidlan Valley地域については現在評価作業中である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? }17 イギリスの陸上シェール分布地域 出所:イギリスDECC DECCによると、中部のBowland Basinには原始埋蔵量で 822~2281Tcf(中間値1329Tcf)のシェールガスが存在しているとの評価となっている。一方、南部の Weald Basinには、原始埋蔵量で22~85億bbl(中間値44億bbl)のシェールオイルが存在しているとし、シェールガスはほとんどないという評価結果である。北部のMidland Valley地域については現在評価作業を実施中で、2014年夏にその報告書を発行予定である。 表2 イギリスのシェール資源量評価 評価対象地域 原始埋蔵量 Midland Valley 現在評価中 Bowland Basin ガス822~2281Tcf Weald Basin 石油22~85億bbl 出所:DECC ②イギリスのシェールガス開発概況 イギリスにおけるシェールガス開発は現在探鉱段階である。 2011年に国内で初のシェールガス井がLancashire地域で水圧破砕作業によって掘削された。その際、近隣地域で二度の小規模地震が発生し、これを受けて開発作業が一時中断された。イギリス政府は掘削を行っていたCuadrilla Resources社に対し原因分析のレポートを要請し、同社は、この地震は水圧破砕により誘発された可能性が高いが、その発生要因の組み合わせは極めてまれであり、将来同じサイトで再発することないだろう、と結論付けている。これを受けて、2012年12月にイギリス国内でのシェールガス探鉱の再開が許可されている。現在は主に在来型(水圧破砕ではない)の掘削Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 菇@で探鉱井の掘削を進めているが、水圧破砕による掘削作業の計画もいくつか提出されている。 また、イギリスでは民衆の間での水圧破砕に対する抗議活動も発生しており、水圧破砕ではない井戸の掘削であっても、シェール開発を狙った作業への妨害が起こっている。 これまでは、Cuadrilla Resources、Dart Energy、IGas Energy、Egdon Resourcesなど、中小規模の企業らによってシェール開発が進められていたが、2013~2014年にかけて資金力のある大企業がイギリスのシェール開発へ参入してきている。以下にこれら大企業の参入状況を記載する。 2013年6月 CentricaがBowland鉱区の権益25%取得 2013年10月 GDF Suezが13鉱区の権益25%を取得 2014年1月 Totalが2鉱区の権益40%を取得 また、2014年5月には、IGas EnergyがDart Energyを約1.98億ドルで買収し、イギリス最大のシェール資源保有者(評価量ベース)となった。 ③シェール開発を巡る政策動向 イギリス政府は、シェール開発について、積極的な開発推進姿勢ではあるものの、地域住民との共生と環境影響の極小化を図るべく理論的なアプローチで規制整備を進める、という姿勢である。2014年5月のイギリス議会における施政方針説明では、エリザベス女王が演説を行い、国として開発を推進する姿勢であることや、シェール開発において重要な技術とされる水平坑井を考慮した私有地の地下掘削に係る規制緩和などを挙げている。 イギリス政府は、シェール開発の際の環境影響について詳細に検討し、各事業者に対して水圧破砕作業の際の環境影響評価の義務付けなど、関連する規制の整備を進めている。 また、シェール資源掘削にかかる税制についても優遇策を検討しており、シェールガス生産における収入に課される税率を30%(在来型のガス生産の税率は62%)とする法案を発表した。 一方、シェール開発が住民および地域社会と共生していくことを考慮し、シェール開発の各探鉱井ごとに地域自治体に納付金を支払うことや、生産段階での利益を地域自治体に分配することといった項目を提案している。、 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? }18 アイリッシュ海鉱区図 出所:イギリスDECC ④洋上でのシェール開発計画も浮上 Nebura Resources社は、アイリッシュ海(図18)での世界初となる洋上シェールガス開発の計画があることを述べている。Nebura Resources社は、イギリスのシェール開発企業の先駆者でもあるCuadrilla Resourcesの操業者であったDr Chris Courneliusが新たに創業した会社であり、同氏は、「イギリスの洋上開発の歴史を見れば、海洋でのシェール資源を開発しない理由はない」と発言している。 .イギリスのライセンスラウンド 4 イギリスでは、炭化水素資源の開発にかかるライセンスラウンドは、洋上ライセンスラウンドと陸上ライセンスラウンドの2種類がある。 洋上ライセンスラウンドは、概ね2年に1回の開催頻度となっている。最新のライセンスラウンドは第28回で、2014年の1月に発表され、2014年5月に入札が締め切られた。このとき公開された鉱区の多くは過去に公開された地域であるが、イギリス最後のフロンティア地域であるShetland諸島西側地域も含まれている。提供された鉱区は約370鉱区で、これに対して173の入札があったとされている。なお、前回の第27回ラウンド(2012年)では、418鉱区に対し224の入札があり、これは過去最高であった。第27回におけるライセンス賦与数は219鉱区で、こちらも過去最高である。 陸上ライセンスラウンドについては、こちらも従来は約2年に1回の開催であったが、非在来型資源(シェール資源など)を想定した詳細な枠組みが必要となり、その検討を進めていたところに、2011年の水圧破砕作業に起因する地震が発生し、評価作業が中断した。しかし、2012年に報告書策定作業を再開、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 013年に発行となり、現在は2014年に第14回陸上ライセンスラウンドを開催すべく準備が進められて図19 第28回洋上ライセンスラウンドで公開された鉱区の一部 出所:イギリスDECC いる。 .まとめ 5 ・イギリスでは石油・天然ガス生産量減退への対応が課題となっている。 ・北海地域の開発は、より技術的難度の高いFieldの開発へ移行してきており、これも要因となって開発コスト上昇が問題となっている。 ・新たな開発対象として、イギリス最後のフロンティア地域であるShetland諸島西側地域や、技術的に困難である重質油田が注目されている。 ・国内ガス生産量の減退を補うためにLNG受入基地の建設も進められたが、近年のガス需要低迷の影響でLNG輸入量は2011年以降減少しており、LNG受入基地の稼働率も20%程度と低迷している。一方でカタールからのLNG輸入に関して新たな売買契約が調印されるといった動きもある。 ・国産シェール資源(ガス・オイル)への期待は大きく、政府は開発促進を図りつつ、まずは基盤整備を行っている。 ・炭化水素資源開発を巡るイギリス政府の各種政策は試行錯誤が続いており、税制変更や新たな規制機関の設立も計画されている。 ・2014年9月にはスコットランド独立に関する住民投票が予定されており、その行方も注目される(イギリスの炭化水素資源の多くはスコットランド側に存在している)。 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ?
地域1 欧州
国1 英国
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 欧州,英国
2014/06/19 永井 一聡
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