ページ番号1004471 更新日 平成30年2月16日

ロシア情勢(2014年5月モスクワ事務所)

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レポートID 1004471
作成日 2014-07-07 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
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媒体 石油・天然ガス資源情報
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著者直接入力 木原 栄治 荒井 智裕
年度 2014
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抽出データ ロシア情勢(2014年5月モスクワ事務所) 1.当地動向: (1)ロシア情勢(対外、ウクライナ) ①ロシア制裁 更新日:2014/6/27 モスクワ事務所:木原 栄治/荒井 智裕 公開可 ・ 4月28日、米国が第3弾となる対ロシア制裁を発動し、新たな対象リストを公表。翌29日にはEUと日本も新たな制裁措置を発表。本格的な経済制裁の実施は西側にも大きな損害が出る可能性が高いため、今回の制裁も概ね形式的なものに留まっている状況である。 ・ 5月に入り、制裁についての懸念表明等の反発が起きている。ドイツのメルケル首相が米国に対し、自国の実業界がロシアへの更なる制裁に反対している旨を伝達。ドイツ政府へシーメンス、フォルクスワーゲン、アディダス、ドイツ銀行等の大手企業が反対を表明し、企業幹部からの抗議が殺到している状況。現在、ロシア内で活動しているドイツ企業は約6千社で、本格的な経済制裁が導入されればドイツ経済の成長率は鈍化し、EU経済の打撃に直結することとなる。また、VISA及びMASTERカードについて、今年3月以降、米国による制裁対象の銀行(バンク・ロシア)が発行したカードでの決済がブロックされるようになった。これを受けてロシア政府は、自国の決済システムを構築して米国企業への依存から脱却することを決定しているが、これに加え、5月7日発布の連邦法である国家決裁システム法の修正により7月1日から外国のカード会社はロシア中央銀行に保証金の納入を義務付けられることとなった。特にVISAの保証金は年間合計約16億USDに上るとされ、現在の手数料率で年間収益の約18%に相当することからロシア事業の収益を大きく圧迫するとして、懸念が表明されている。なお、ロシア事業撤退の言もあったが、ロシア政府とカード会社間で概ね妥協できる方向とのこと。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? E静観の姿勢をここ半月ほど貫いてきたプーチン大統領は、5月7日、欧州安保協力機構(OSCE)議長国スイスのブルカルテール大統領と会談。その後の共同会見で、5月11日に予定されているウクライナ南東部の住民投票を延期するよう呼びかけ、5月25日に予定されているウクライナ大統領選の実施を支持し、ウクライナ国境近くのロシア軍を撤退させると述べた。 ・ ウクライナ南東部では、ウクライナ連邦化支持派(親露派)とウクライナ暫定政権の部隊との衝突が続いている。オデッサでは5月2日、暫定政権反対派の市民が立てこもった労働組合会館で火災が発生し、数十人が死亡するなど、情勢は悪化の一途を辿っている。 続く、ウクライナ南東部を中心とした混乱 ②・ 5月11日、プーチン大統領の呼びかけにもかかわらず、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州で予定どおり地域の自治権拡大の是非を問う住民投票が実施され、約9割の住民が自治権拡大に賛成票を投じたとしている。この結果は、ウクライナからの独立を意味するのか、または、ロシアへの編入を意味するのか、様々な見方がある。 この住民投票については、欧米、ウクライナ暫定政府ともに無効なものとの声明を発表。ロシア政府は住民の意思を尊重するとした。 ・ この住民投票以降、ウクライナ暫定政権は大規模な親露派掃討作戦を展開。これに対して親露派勢力も激しく抵抗し、事実上の内戦状態に。ウクライナ国境付近には依然としてロシア軍の大部隊が展開し、事態が悪化すれば軍事介入の可能性がある状況。 ・ 5月25日、23人が立候補したウクライナ大統領選挙は実施され、チョコレート企業経営富豪のポロシェンコ元経済発展・貿易相と、ヤヌコヴィッチ前大統領政権時に職権乱用容疑で逮捕拘束されていたティモシェンコ元首相の事実上の一騎打ちとなり、当初は決選投票となる可能性があったがポロシェンコ氏が54.7%の支持を集めて圧勝。全体投票率は60.3%と過去の大統領選と比較し史上最Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? <写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/transcripts/20973 > 痰フもので、ドネツクやルガンスク等の一部地域で投票が実施できなかったことが主な要因。しかしながら、欧米などの選挙監視団は概ね大統領は民主的に選出されたと高い評価をした。なお、情勢を見守っていた欧米、ロシア政府は共に選挙結果を尊重とするとの声明を発表した。 ・ 6月7日には、新政権が発足した。 <写真出典:ウクライナ大統領府 HP:http://www.president.gov.ua/content/president_biography.html > 2)ロシア情勢(対外、ウクライナ及び日本以外) (①ユーラシア経済同盟 ・ この数カ月でユーラシア経済委員会は複数回開催されている。5月29日、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンの首脳はユーラシア経済同盟の発足条約に署名。各国議会批准を経て2015年1月1日から発足するとした。この同盟は、2009年の関税同盟発足以来進められてきた旧ソ連圏の統合プロセスの最終段階であり、アルメニア、キルギスも年内に加盟する意向を表明している。しかし、現状の統合計画は当初の構想に比べるとかなり縮小しており、通貨・金融・社会政策の統一や、欧州委員会のような影響力を有する運営機関の設立への言及はなされていない。発足した条約の内容は、4つの自由として商品、サービス、資本、労働力の自由流通が掲げられ、19の経済部門で合意形成や規制統一を行うことが盛り込まれているが、石油天然ガスについては、2025年までの市場自由化が計画されるに留まった。 <写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/news/45787 > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? Eプーチン大統領は、5月20日、21日中国を訪問。長年の懸案であったガス契約を締結(詳細別項目で記載)。今回の訪中の枠内では、2国の政府・企業間で51件もの協力文書が締結され、欧州からアジアにシフトするロシアの戦略が演出された。中国の習近平国家主席との会談後、プーチン大統領は発展する露中の関係は原則的に新たなレベルに入ったとし、投資の流れを拡大する作業を続けられ、重要な動きが前進するだろうとした。中国は2009年以降ロシアの最大の貿易相手国であり、ウクライナ問題によりロシアと欧米の距離が広がる中、今回の中国訪問は、主に欧米頼みとなっている資金の問題を中国でカバーする動きを見せたことで、2012年の大統領選挙前にプーチン大統領が言及していた中国の経済成長は、我が国の帆で中国の風を受けるためのチャンスだとするアジア重視のメッセージを具体化させたものと思われる。 <写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/news/21049 > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? プーチン大統領訪中 ②@外国企業の支社や駐在員事務所の認証手続きの厳格化 ・ ロシアにおける外国企業の認証手続きに関する改正法が採択され、ロシアで外国企業が支社または駐在員事務所を開設する場合、12ヶ月以内に、認証申請書等の必要書類を管轄機関へ提出する義務を負う。この際、開設の目的が国際契約やロシア憲法等に反する、あるいは、主権や領土保全などロシアの国益に反すると見做された場合は開設が認められないとしており、ウクライナ問題に関・ 5月5日付けの連邦法改定により、2015 年 1 月以降、外国法人駐在員事務所は、現地法人のみ認められていた高度な専門性を有する外国人(HQS)の労働許可の申請が可能となった(従来、HQS の労働許可は、ロシア法人又は外国法人の支店が雇用する外国人で、年収が200万RUB(約600万円)以上の者と定義され、毎年の外国人雇用枠申請手続きが3年に1度で足りる)。 ・ なお、HQS取得者を除く、一般の外国人が労働許可を申請する際、ロシア語、ロシアの歴史、ロシアの法規制に関する試験に合格した旨の証明書が必要となり、露語が堪能な者であっても困難を伴うものとなっており、駐在員でなく外国人ローカルスタッフである場合も軒並みHQSの労働許可に移する欧米諸国制裁に対する自衛策だとの見方がある。 外国人労働者雇用枠取得手続きの変更 ②3)ロシア情勢(国内) (行の模様。 政権の構造改革 ③ ・5月12日、プーチン大統領が、大統領再任後で最大規模となる政権の構造改革を実施し、新たな省が1つ、そして、軍人出身の大統領全権代表が2人、新たな知事が1人誕生した。新設された省は北コーカサス発展省で、大臣には、元クラスノヤルスク州知事のクズネツォフ氏が就任した。今回の構造改革では、ロシアにとって重要な地域は、発展省、大統領全権代表、副首相の三枚体制で管理・運営していく方針が示されたものとしている。 <写真出典:政府 HP:http://government.ru/gov/persons/324/ > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? E 財務省分析専門官サコビッチ氏によると、5月のUrals原油平均価格は107.7USD/BBLとした。1月~5月のUrals原油平均価格は、106.95USD/BBLとなり、経済発展省の予測である2014年のUrals原油平均価格104USD/BBLを依然として上回っている。 ・ 2014年6月、原油輸出税は52.7USD/BBL、東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田等に適用される特典輸出税については25.9USD/BBLと、わずかに引き上げられた。 ・ 5月の石油製品輸出税は254.1USD/t、ガソリンについては346.5USD/tに設定された。 輸出税 原油(USD/t) 原油(USD/BBL) 減税特典原油(USD/t) 減税特典原油(USD/BBL) 軽質石油製品(USD/t) 重質石油製品(USD/t) 内、ガソリン(USD/t) <参考:原油及び石油製品輸出税の推移> 2010年 2011年 2012年 2013年 平均 平均 平均 平均 273.7 37.5 87.68 408.9 55.3 186.1 404.3 55.4 199.2 392.2 53.7 190.1 11.9 25.2 27.3 26.0 2014年 前半平均 385.6 52.8 189.7 26.0 2014年 6月 385.0 52.7 189.2 25.9 149.1 80.3 11年5月~ 274.1 208.2 388.6 266.8 258.8 255.2 254.1 363.8 353.0 347.9 346.5 ・ 5月、ロシアの原油、ガス・コンデンセート生産量は4453.5万t(約3.25億BBL)で前年同時期比、0.5%増。 ・ 5月、ロシアの原油輸出量は1909.3万t(約1.39億BBL)で前年同時期比、6.1%減。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 原油生産・輸出統計(エネルギー省発表データ) ③原油・石油製品輸出税 ②4)ロシア情勢(石油ガス産業) (①原油価格情勢 E これまでどおり、ExxonMobil及びBPは、ウクライナ情勢によるRosneft等との事業に影響はないと、5月22日~24日の日程で開催されたサンクトペテルブルク経済フォーラムで述べた。他にも、欧州メジャーからCEO等の多数の参加があった(経済フォーラムについて後述)。 ・ なお、ウクライナのガス供給については、4月25日、Gazpromは5月7日までにウクライナがロシアに対する支払滞納を解消しない場合には、ガス供給に関しては前払い分のみとすると警告。混沌とした情勢が続いているが、4月24日ウクライナ救済資金を供与している国際通貨基金(IMF)は、ウクライナへの救済基金がGazpromに対する債務の返済を認めるとし、態度が軟化しつつあったが、ウクライナ側は5月7日の期限を無視。この事態打開のため、ロシアエネルギー省、Gazprom、欧州委員会、ウクライナエネルギー省が、断続的に会談を行うが合意に至らず。5月13日、Gazpromはウクライナに対して6月分として16.6億USDを請求。支払期限は6月2日とした。5月15日、プーチン大統領は6月1日から、ウクライナに対して前払い制とすることを欧州諸国首脳に声明を通知。④天然ガス生産・輸出統計(エネルギー省発表データ) ・ 5月、ロシアの天然ガス生産量は529.5億?(約1.9TCF)で前年比0.7%増。 ・ 5月、ロシアの天然ガス輸出量は171.5億?(約0.62TCF)で前年同時期比40.1%増。 石油ガス産業に係るウクライナ問題 ④サンクトペテルブルク国際経済フォーラム ⑤事態は切迫感が強まっている。 ・ 5月22~24日の日程で、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムが開催。昨年のフォーラムでは、Rosneftが中国CNPCと約8兆RUB(約24兆円)に上る原油の長期供給契約を締結する等フォーラムの枠内での合意案件の合計額が約10兆RUB(約30兆円)に及ぶなど、大型案件の成約が話題になったが、今年は、スピーチを予定していた海外大手企業の代表20人以上が対ロシア制裁により出席を見合わせ、逆風の中でのフォーラムとなった。しかし、それでも合計で約4000億RUB(約1兆2000億円)もの合意文書が締結され、懸念は杞憂にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? Iわったとロシア政府は評価。 ・ プーチン大統領は、演説に立ち、ロシアにおける自社の利益と配当金のことを考え、圧力や脅迫に屈しないでほしい。我々は惜しみない支援をすると呼びかけた。 ・ 石油天然ガス分野では、BPのダッドリーCEOをはじめ欧米メジャーの代表は軒並み参加。プーチン大統領を中心としたエネルギー企業の代表との個別セッションを実施し、個別案件では、BPとRosneftがシェールオイル共同探査で合意するなど、ロシアにおけるビジネスを推進するために企業はフォーラムを活用している。 ・ ウクライナ問題の影響を受け、ロシアにおける欧米企業の資源関連ビジネスが停滞するのではないかと予想があったが、このフォーラムにおける欧米企業の対応から、政治とビジネスを切り離して対応するという欧米企業の戦略が焙り出されたものとなった。 <上写真出典:クレムリンHP:http://news.kremlin.ru/trips/21092 > < 参考:ロシア石油天然ガス企業の主な締結案件> Lukoil Total 相手企業 Gazprom Eni Novatek Rosneft Alltech BP ONGC KOO NIK SeaDrill SOCAR Pirelli Mubadala PetroleumUAE) Zarubezhneft Cupet PDVSA Petrovietnam 内 容 西シベリアのBazhenov層タイトオイル資源(埋蔵量:約5億BBL)を共同開発JV設立合 ガス供給価格の引下げ協定締結 Gazprom Marketing and Trading(GM&T)はYamal-LNG事業からLNG購入合意(20年以上) ネネツ自治管区のPechora-LNGプラント建設事業JV設立合意 オレンブルグ州のDomanic層共同開発HOA ロシア大陸棚での炭化水素の探鉱・生産協力MOU 2019年までの石油製品供給契約 投資協定締結 石油ガス探鉱・生産協定締結 合成ゴムの共同生産、供給、トレーディングおよびマーケティング協定締結 炭化水素の探鉱・生産戦略的協力関係協定締結 キューバでの事業における探鉱で協力合意 商業的な輸出契約、当該契約の保証、および両社間の前払い補足事項協定締結 2014-2039年の間、ESPO原油供給主要要件合意 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? E5月5日及び6日の日程で、ローマにおいてロシア抜きのG7エネルギー担当閣僚会議が開催。日本からは茂木経済産業大臣が出席。ウクライナのエネルギー安全保障に対する懸念を表明すると同時に、エネルギーを政治的な威圧の道具として利用していることを非難。一方で、現状のロシア依存を断ち切り、直ちに利用できる代替手段はないとの認識を示した。ロシアに対する追加制裁導入の是非についての具体的な言及はなされなかった。 ・ 5月20~21日の日程でプーチン大統領の訪中は対外情勢項目で記載のとおりであるが、約10年に及ぶガス交渉が合意なされるかが、最大の焦点であった。訪中前、ロシアエネルギー省は年間380億?(約1.3TCF)30年間のガス供給契約が調印される見込みで98%合意していると自信をのぞかせていた。なお、中国CNPC側に近い筋の情報では、CNPCは本年のパイプライン建設予算として、ロシアとの天然ガスのパイプラインの項目は現時点で見込んでいないとのことで、予断を許さ・ 5月20日、プーチン大統領は上海において、アジア信頼醸成措置会議(CICA)に先立ち習国家主席と首脳会談を行い、46の文書が署名されたが、その中にガス合意文書はなかった。この時の合意文書で主なエネルギー関係としては、NovatekのYamal LNGから年間300万t(約4BCM)を中国が引き取る合意があり、これに関連して、中国開発銀行とVEB、Gazprombank間で269億USD規模の同プロジェクトへの融資に係るMOUが調印された。また、ウクライナ情勢関連で欧米から制裁Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? ない状況であった。 ガス交渉合意まで ②①ガス交渉合意事前状況 5)対中国 (<写真出典:日本国 経済産業省HP:http://www.meti.go.jp/press/2014/05/20140508001/20140508001-1.pdf > ⑥G7エネルギー大臣会合 ホ象となっているティムチェンコ氏が 32.3%を株式保有するロシア石油化学会社の SiburがSinopecとともに中国にゴム製造工場の建設で合意。更に、RosneftとCNPC天津に日量32万BBLの処理能力を有する製油所を2020年から稼働開始することで合意となった。 ・Gazpromミレル社長も同席したCNPC間のガス交渉は断続的に進められており、政府間対話でのロシア側政府代表説明者は、Rosneft セーチン社長が行った(エネルギー担当のドヴォルコヴィッチ副首相はプーチン大統領訪中に同行せず、トルクメニスタン国際ガス会議に参加)。中国向けガス輸出の原料基盤となる鉱床に対して産出税免除の適用を提案し、中国側は13%の付加価値税の免除を検討する意向を示した。 ・GazpromとCNPC間のガス交渉は、プーチン大統領訪中日程の間も断続に続き、合意は厳しいとの情勢が伝えられていたが、5月21日早朝の4時にガス交渉は決着。Gazprom ミレル社長とCNPCの周CEOはプーチン大統領と習国家主席立会いの下で、合意文書に署名を行った。合意内容は、 ①供給量:年間380億?(約1.3TCF) ②供給期間:2018年~2020年間に供給開始し、30年間 ③供給ソース:東シベリアのチャヤンダ及びコビクタガス田 ④供給ルート:東ルートでシベリアのP/L経由 ⑤契約条件:石油・石油製品連動価格、take or pay条項あり Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? E投資額:ロシア側 550億USD(ガス田開発、パイプライン、コンプレッサー)、中国側220億USD なお、ガス価格については未公表で、総額が4000億USDとされていることから逆算して1000?あたり350USDとなるが、当初の5年間が能力一杯の供給でないことを勘案すると1000?あたり387USDになるとする報道もある。 <写真出典:クレムリンHP:http://news.kremlin.ru/news/21063 > <参考:北東アジアでの石油ガスの供給ソースとP/L> ・ 5月16日、サハリン1プロジェクトのチャイボ鉱区の北東部大陸棚の浅海に位置する北チャイボ鉱床で井戸の掘削が開始。記念式典が開催され、サハリンのホロシャビン州知事及びRosneftセーチン社長等が出席した。同鉱床の掘削にはサハリン1でオホーツク海大陸棚開発用に考案されたYastreb掘削装置を用いて行われる。可採埋蔵量は合計で石油が1490万t(約1億BBL)、ガスが43億?(約151BCM)とされている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? <図出典:JOGMEC> 6)極東・サハリン (①サハリン関連 リン2のPSAに基づくロイヤリティーを現物(天然ガス)で受け取ることができる時期の期限が2014年12月末から2017年まで延長となった。 サハリン2プロジェクト関連では、メドヴェージェフ首相の5月12日付指令により、ロシア政府がサハ ・<上図出典:JOGMEC> <上写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/news_in_press/16052014.html > Gazpromの子会社のチャヤンダ鉱床の開発オペレーターによると、石油産出を確認し、現在は複Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 7)ロシア石油ガス会社 (Gazprom ・狽フ生産井の掘削の準備にかかっているとした。なお、サンプル調査によると塩分の含有率が高いのが特徴で、サハ共和国産の石油には特別な処理が必要となるため、石油処理施設が建設される予定。同鉱床は「シベリアの力」ガスP/Lの資源基盤の予定であり、今年2014年に石油生産、2019年にガス生産をそれぞれ開始する予定としている。 ・ 中国とのガス交渉合意は、対中国項目で記載のとおりであるが、今回の交渉の中で、GazpromはウラジオストックLNG事業の権益取得とLNGの購入契約の締結を中国企業に提案したとのこと。なお、当該協議は初期段階とのこと。 ・5月23日、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムの枠内にて、Gazpromミレル社長とNovatekミヘルソン社長は、Gazprom Marketing and Trading(GM&T)がYamal LNGを年間300万t(約4BCM)購入することで合意。一方で、GM&TはインドのGailと2012年、年間250万t(約3.4BCM)のLNGを20年間供給することで合意している。 <写真出典:Gazprom HP:http://www.gazprom.com/press/news/2014/may/article191744/ > ・ また、GazpromはEniとの2014年初めからのガス価格を引き下げることで合意した他、Lukoilとの炭化水素開発パートナーシップ協定等精力的に案件の合意がなされた。 4月28日、Rosneftセーチン社長が欧米側制裁リストに掲載されたが、Rosneft事業への影響ほと ・んど見られない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? Rosneft E 5月20~21日の日程でプーチン大統領の訪中に、Rosneftセーチン社長は、政府側説明者として、Gazpromガス交渉をアシストした。なお、同社長は、Rosneftは「シベリアの力」ガスP/Lの送ガス能力を増強するという決定がなされた場合には、同P/Lへのアクセスが認められることを期待している。我々は既に東シベリアおよび極東で保有する鉱床でのガス生産量の見通しをロシアエネルギー省に提示した。同P/Lの送ガス能力にこれらの数字が組み込まれるのであれば、皆が(同P/Lを通じて)ガスを輸出するべきであると述べた。また、RosneftとCNPCは、天津に日量32万BBLの処理能力を有する製油所を2020年から稼働開始することで合意。 ・サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでRosneftは、案件合意のラッシュ。フォーラムの枠内で、約50件の合意文書に署名。海外企業との探鉱開発協定が多く、ノルウェーのSeadrillとの大陸棚開発での協力、UAEのMubadala Petroleumとの探鉱協力、アゼルバイジャンのSOCARとのJV設立、インドのONGCとの北極海大陸棚での探鉱協力、BP とのシェールオイル開発JV設立で合意。本フォーラム自体もそうであるが、Rosneftにおいても全く制裁の影響は見られない。 <上写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/pressrelease/240520142.html > 2. その他 ウクライナ情勢アネクドート ・ アネクドートとは、逸話・秘話を意味するのもので、主に政治的な小話となるが、ウクライナ情勢についてもそのような話がある。 ・ ロシア側報道に日頃接している人にとっては米国のヒステリックな論理性のない声明に驚くことが多Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? 「。中でも米国国防省のサキ報道官のブリーフィングについて、「サキ報道官の発言によれば」とのアネクドートが広まっている。一例としては、 ●米国防省のブリーフィングにて ? サキ報道官:もしベラルーシがウクライナに軍事介入をしたら、アメリカは即刻第6艦隊をベラ ルーシ沿岸に配備します。 ? 記者:ベラルーシは、海に面していないのではないでしょうか? ? サキ報道官:米国務省にとって、それは何ら問題ではありません! ・ このように、風刺をしなければならないほど、ロシア国内はウクライナ情勢に対してかなり疲弊している状況である。 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ?
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2014/07/07 木原 栄治 荒井 智裕
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