ページ番号1004480 更新日 平成30年2月16日

ロシア情勢(2014年6月モスクワ事務所)

レポート属性
レポートID 1004480
作成日 2014-07-29 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者
著者直接入力 荒井 智裕
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ ロシア情勢(2014年6月モスクワ事務所) 1.当地動向: (1)ロシア情勢(対外、ウクライナ) ①ポロシェンコ新大統領 更新日:2014/7/29 モスクワ事務所:荒井 智裕 公開可 ・6月7日、54.7%の支持を集めてウクライナ大統領選を制したポロシェンコ政権が発足。同日諸外国代表者を招いて大統領就任式が行われた。代表者としてロシアは在ウクライナ大使を派遣した一方で、他の外国からは大統領や首相が20人ほど出席したとしている(日本からは、首相特使として牧野外務大臣政務官が出席)。 ・ポロシェンコ新大統領は就任式の演説で、ウクライナ東部の情勢の正常化計画を打ち出し、連邦化は否定しながらも、ウクライナ東部との対話を開始することを約束。東部の困難な経済状況に対する全責任は、ヤヌコービッチ前大統領にあると批判した。また、東部に赴き、ドネツク州とルガンスク州の平和的な分離支持者と協議を行うことも約束した。なお、EU加盟の方針も示して近い将来、EUと連合自由貿易協定を結び、今年末までにはEUとのビザ自由化にこぎつけたいとした。 <上写真出典:ウクライナ大統領府 HP:http://www.president.gov.ua/content/president_biography.html > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? E式典の昼食会の機会にプーチン大統領はオバマ大統領と会談し、ウクライナにおける武力衝突の早期停止が重要との認識で一致したとした。なお、昼食会前にはメルケル首相交えてポロシェンコ氏ともプーチン大統領は初めて言葉を交わした。 ・ 6月6日、フランスにて行われたノルマンディー上陸作戦記念式典が行われ、米国オバマ大統領や独国メルケル首相等が出席。プーチン大統領はウクライナ紛争後初の首脳間の接触がなされた。なお、翌日にウクライナ大統領就任式を控えたポロシェンコ氏も出席した。 プーチン大統領と初の接触 ②・6月4日~5日、ブリュッセルにてG7首脳会合が開催され、日本からは安倍首相が出席。ウクライナを中心に外交政策について議論が行われ,会合後に外交政策に関するコミュニケが発出された。主な項目は以下のとおり、 ①ウクライナの経済発展・主権及び領土の一体性を支える支援 ②ロシアのウクライナ主権と領土の一体性の継続的な妨害を非難 ・ 新大統領誕生後ウクライナ南東部では、ウクライナ連邦化支持派(親露派)とウクライナ暫定政権の部隊との衝突が続き、ルガンスクでは6月20日、ウクライナ政府軍の輸送機が撃墜され、49名が死亡③ロシアに更なる負担を課すために対象を特定した制裁を強化。 <写真出典:日本外務省 HP:http://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page22_001095.html > 続く戦闘、新大統領誕生後も出口の見えないウクライナ南東部を中心とした混乱 ④Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? <写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/news/45868 > G7首脳会合 ③E6月27日、EUはウクライナ、グルジア、モルドバと包括的な協力枠組を定めた自由貿易協定を含む連合協定(経済部門)に署名。これについてロシア政府は強く反発し、今後保護主義的措置を取ると警告し、輸出入の一部停止に踏み切る可能性を示唆した。 した。 ・ 6月16日Gazpromは前払い制に移行したことからウクライナのガス供給を停止し、ストックホルム国際調整裁判所へNaftogazを提訴した(ガス関係詳細は、ロシア情勢(石油ガス産業)の項で述べる)。 ・ 6月20日、ポロシェンコ大統領はウクライナ東部を訪問し、6月30日までの停戦と情勢安定化へ向けた平和構築プランを発表した(主なものは東部ドネツク、ルガンスク両州での戦闘停止に向け、①重大犯罪を犯さず武装解除に応じた戦闘員の恩赦、②ロシア民兵らに撤退ルートを保証、③ロシアとの国境地帯に10kmの緩衝エリアを設置)。翌、6月21日、プーチン大統領はポロシェンコ大統領が政府軍に命じた停戦と、同国情勢の安定化を目指す和平計画を支持する声明を出し、6月24日にはロシア軍をウクライナに派遣することに関してロシア上院から得ていた事前承認を取り消すよう上院に求めた。しかしながら、断続的な戦闘が続き、ウクライナ政府軍による親露派掃討作戦を再開・ 6月23日、EUは外相理事会でウクライナと自由貿易協定を含む連合協定(経済部門)に署名することを決定。 続く戦闘・混乱の中、EU加盟に向けて歩み出す ⑤となった。 <写真出典:駐日欧州連合代表部 HP:http://www.euinjapan.jp/media/news/news2014/20140627/193338/ > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? Eプーチン大統領は24日、オーストリアのフィッシャー大統領の招待を受けてウィーンを公式訪問し、首脳会談を実施。会談後、自然災害や人的災害とそれを防止するのに協力した場合の相互援助に関するロシア連邦政府とオーストリア共和国政府との間の協定に調印した。共同記者会見でプーチン大統領は、ウクライナにおける紛争の平和的解決を支持し、ウクライナ東部住民の正当な利益はどのように保証されるのかを明確にさせるべく、具体的な交渉が始まるならば、成功の可能性は大きいと述べ、ロシア議会上院の連邦会議に対し、先に大統領に与えたウクライナ領内における武力行使の許可を撤回するよう呼びかけた。今回のウィーン滞在はわずか6時間であった。なお、両首脳の立ち合いはなかったがGazpromとOMV間でSouth Streamのオ・プーチン大統領は6月24日、訪問中のウィーンにて先月に続き、欧州安保協力機構(OSCE)議長国スイスのブルカルテール大統領と会談。ウクライナのポロシェンコ大統領が示した和平構築プランを支持し、互いに支援を行っていくことを確認した。 <写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/news/46065 > オーストリア訪問 ②2)ロシア情勢(対外、ウクライナ及び日本以外) (①スイス大統領との会談 ーストリア区間の建設合意覚書に署名を行った(ロシア石油ガス会社の項でも述べる)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 齦禔Aメドヴェージェフ首相はロシア国内に留まり、粛々と内政等推進に徹している。なお、もっとも頻繁に出張を行っているのは、欧米国との調整を担うラブロフ外務大臣である。 <写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/news/46058 > ・ ロシア企業ではここ数週間、USD決済の禁止という対露制裁の可能性に備える動きが強まっており、中国元や他のアジア諸国の通貨の使用や口座開設を検討する大企業が増加。例としてはGazpromが契約をドル建てからユーロ建てにする可能性について大半の顧客と合意した。モスクワ証券取引所では5月からEUR建て及び中国元建ての金融商品の取り扱いを開始。ロシア対外貿易銀行(VTB)では、USD以外の通貨による決済量を増やすことを課題にしているとのこと。 ・ モスクワ市の喫緊の課題となっている交通渋滞の解決には2020年までに約4兆4760億RUB(約13兆円)のインフラ費が必要であると、市の行政府は算定している。内訳としては、道路に1兆4450億RUB(約4兆円)、地下鉄に1兆4080億RUB(約4兆円)、鉄道に3570億RUB(約1兆円)、航空・水上輸送も含めハブなどの整備費に1兆2660億RUB(約4兆円)となっている。資金としては、市から2兆9350億RUB(約9兆円)、国から1780億RUB(約5千億円)、民間から1兆3630億RUB(約4兆円)を調達する予定としている。 ・ 交通状況改善のため、市では、公共交通能力を4割引き上げ、ラッシュ時の平均輸送時間を現在の60分から55分に短縮し、輸送量全体に占める自家用車の割合を第三環状線内で12%から8%に、大環状道路内で26%から18%に下げることを目標としている。ただし、上記の市の負担額は、年間予算規模の約2倍であり、非現実的だとするとの見方もある。 モスクワ交通渋滞対策 ②・6月20日、サンクトペテルブルク国際法律学フォーラムに出席したメドヴェージェフ首相が、欧米諸国らの対ロ制裁は不当だとして、ロシアはWTOに提訴するつもりだと語った。政治的な動機に基づく一方Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 対露制裁への考え方 ③①USD決済からの変更を検討 3)ロシア情勢(国内) (Iな制裁は国際法に違反しており、制裁対象国のサプライヤーへの差別はWTOのルールに抵触すると説明。なお、WTOで影響力を持つ米国相手の提訴は簡単ではないとしつつ、提訴によりWTOの客観性を問うこともできると述べた。また、ガス価格を巡ってロシアとウクライナの双方がストックホルム仲裁裁判所に提訴した件についても言及し、武力に訴えるより法廷で争う方が良いとして、ウクライナに対しても国内の反政府派との交渉に同様の方法をとるべきとし、最近の国際社会では主権国家へ介入する事例が増え、国連憲章を始めとして国際法が軽んじられていると指摘、法こそ力の泉だと力説したとした。 <写真出典:政府 HP:http://government.ru/news/13204 > ・ 外国人管理を司るロシア連邦移民局のモスクワ支局によれば、現在、モスクワには138万6000人の 外国人が生活しており、労働移民のうち2割が長期滞在者としている。特別許可(個人雇用の場合にビザなし労働を許可する制度)の取得件数は33万件で、その特別許可に関する国庫収入は16億RUB(約48億円)としている。なお、入国拒否数も昨年の8万1000人に対し、今年1~5月で既に8万人に達している。一方で、不法滞在の件数は今年に入り6割減少とした。 ・ 問題となっているカフカス地方等からの不法労働者排除を厳格に行いつつ、国庫収入を増加させる狙いが進展しているが、こうした取り組みの煽りを受けて、先月号で記載した外国人労働者雇用枠取得手続きの変更につながっているとする見方がある。 不法就労者への対応 ④・ 2014年7月、原油輸出税は53.2USD/BBL、東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田等に適用される特典輸出税については26.3USD/BBLと、33か月連続で微増。 ・ 7月の石油製品輸出税は256.3USD/t、ガソリンについては349.5USD/tに設定された。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 4)ロシア情勢(石油ガス産業) (①原油・石油製品輸出税 ヮQ考:原油及び石油製品輸出税の推移> 輸出税 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2014年 平均 平均 平均 平均 6月 7月 原油(USD/t) 原油(USD/BBL) 減税特典原油(USD/t) 減税特典原油(USD/BBL) 軽質石油製品(USD/t) 重質石油製品(USD/t) 内、ガソリン(USD/t) 273.7 37.5 87.68 408.9 55.3 186.1 404.3 55.4 199.2 392.2 53.7 190.1 11.9 25.2 27.3 26.0 385.0 52.7 189.2 25.9 388.4 53.2 191.8 26.3 149.1 80.3 11年5月~ 274.1 208.2 388.6 266.8 258.8 254.1 256.3 363.8 353.0 346.5 349.5 ・ 6月、ロシアの原油、ガス・コンデンセート生産量は4316万t(約3.15億BBL)で前年同時期比、0.2%増。 ・ 6月、ロシアの原油輸出量は1769.7万t(約1.29億BBL)で前年同時期比、5.2%減。 ・ 6月、ロシアの天然ガス生産量は446.4億?(約1.6TCF)で前年比3%増。 ・ 6月、ロシアの天然ガス輸出量は142億?(約0.51TCF)で前年同時期比10.9%増。 天然ガス生産・輸出統計(エネルギー省発表データ) ③原油生産・輸出統計(エネルギー省発表データ) ② ・ これまでどおり、ExxonMobil、BP 等欧米メジャー企業は、ウクライナ情勢による Rosneft やGazprom等との事業に影響はないとし、6月15日~19日の日程でモスクワにて開催された世界石油会議にはCEO等の多数の参加があった(世界石油会議について後述)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 石油ガス産業に係るウクライナ問題 ④E なお、ウクライナ向けガス供給については、ロシア、ウクライナ、EUの三者協議を重ね、6月9日3者はガス供給に関する5回目の協議を開催し、3者は交渉が継続している間はガス供給を継続し、法的手段を用いないことで合意。6月11日、3者はガス供給に関する協議にてノヴァック・エネルギー大臣はガス価格を100USD値下げし、385USD/1000m3としたことを明らかにした。これに対してウクライナ側は、クリミア編入前の価格より依然1.4倍あり、永続的に割引される保証もないことから政治的な価格と非難し、逆走で欧州側から入れているガス価格よりも高く、受け入れられないとした。未支払金に関して、Gazpromは4月以前の14.5億USDを6月16日までに、4~5月分の5億USDを6月26日までに支払を求めており、さもなければ前払い方式に移行するとしているとした。 ・6月16日、モスクワ時間午前10時、Gazpromがウクライナに求めていた滞納金の支払い期限が過ぎると、ただちにガス供給を停止。今後は、前払い制に移行とした。Gazpromはウクライナに滞納金の支払いを求める訴えをストックホルムの国際仲裁裁判所に提訴。一方、ウクライナNaftogazもロシアの設定したガス価格が不当に高いとしてGazpromを同裁判所に提訴した。同日の午後、ノヴァック・エネルギー大臣とGazpromミレル社長は疲れ切った様子でガス供給停止に至った交渉経緯を約1時間にわたり会見し、ウクライナの滞納金は昨年11月、12月、今年4月5月分を合わせ、44億5,800万USDにのぼり、ウクライナ側は268.5USDを、ロシア側は485USDを主張し、EUが仲介に入り326USDを提案し、ウクライナ側はこれを受け入れたが、プーチン大統領が最後通告した385USD(100USD値引き)が市場価格と譲らず物別れになったとした。なお、欧州向けガス供給は堅持としている。 <上写真出典:Gazprom HP:http://www.gazprom.com/press/news/2014/june/article196406/ > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? D第21回世界石油会議(モスクワ大会) ・6月15~19日の日程で、モスクワにて第21回世界石油会議が開催。欧米制裁(米国財務省は4月にRosneftセーチン社長を含むロシア政府要人を制裁対象に追加し、米国市民はセーチン氏とのビジネスを禁じられたが、Rosneftとのビジネスや、同氏と共に公の場に姿を現すことは禁じていない。)がなされる中、ExxonMobilティラーソンCEO、BPダドリーCEO等の欧米メジャー首脳が参加。冒頭の基調講演では本会議組織委員会委員長を務めるドヴォルコヴィッチ副首相が、Rosneftセーチン社長とExxonMobilティラーソンCEOと登壇し、石油を巡る国際情勢について、ロシアにはこの先数十年はアジア太平洋諸国及び欧州の需要を賄うだけの石油があると言明。その一方で、現在の国際政治の状況ではロシアはアジア太平洋諸国への輸出に一層注力する旨説明し、今後世界の政治経済の安定の礎となるのはアジア太平洋諸国だと強調した。BPはエネルギー統計2014の発表の場とした。 ・なお、展示会も同時に開催され、欧米メジャーの展示等活気があふれるものとなった。Rosneftセーチン社長への制裁をはじめ、ウクライナ問題の影響を受けてロシアにおける欧米企業の資源関連ビジネスが停滞するのではないかと予想があったが、本会議における欧米企業の対応から、政治とビジネスを切り離して対応するという欧米企業の戦略が窺える。<写真出典:筆者撮影> Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? E昨年の8月に実施以来開催がなかった大統領府直轄の燃料・エネルギー及び環境安全部門に係る戦略的開発委員会(委員長:プーチン大統領、事務局長:Rosneftセーチン社長)を6月4日に実施。会議では、先月結実したGazpromとCNPCとの合意について我々は長い間、エネルギー資源の供給ルートの多様化に取り組んできたが、その点で大きな成果を達成することができたとし、優先課題はアジア太平洋諸国への輸出を可能とするインフラを構築することにあるとした。そして、政府と財務省に対し、新しいインフラの建設を可能にする規模のGazpromの資本増強の可能性について検討することを命じたとした。 ・ なお、本委員会で、事務局長のRosneftセーチン社長は、公開の場で初めて、東シベリアと極東の新鉱床のガスをPL経由で輸出することを独立系ガス生産者に対し認めるべきであると提案。これについてプーチン大統領のコメントはなかったとのこと。 ・ プーチン大統領は本委員会議事録に7月末で署名を行わず修正を指示し、実際には発言はなかったものの「政府は9月1日までに、東シベリアおよび極東の新鉱床のガスの輸出権を独立系生産者に供与する可能性、ならびに、極東・東シベリアにおけるガス輸送システムの建設へのそれらの会社の参加を認める可能性についての検討を終えなければならない」、「同様に政府は9月1日までにロシア中央銀行と共に、東方に向かう輸送インフラの建設に必要な資金を調達することを目的とするGazpromの増資が必要か否かについての結論を出すことを義務付ける」を追記させたとのこと。 <上写真出典:クレムリン HP:http://state.kremlin.ru/commission/29/news/45831 > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 大統領府直轄、燃料・エネルギー及び環境安全部門に係る戦略的開発委員会 ⑥E 6月23日、サハリン1事業のオペレーターであるExxonMobilは、世界最大の据え置き型プラットフォームBerkutをサハリン島大陸棚のアルクトン・タギ鉱床に設置する作業が完了したと述べた。Berkutは2014年12月に操業を開始し、日量1.2万t(約8.8万BBL)の石油を生産する予定。同プラットフォームは零下44度、波の高さ18m、氷の厚さ2mという条件下で稼働できるように設計されているとのこと。サハリン州のホロシャビン州知事とRosneftセーチン社長が、プラットフォーム「ベルクトの組立と試運転に立会ったとのこと。 5)極東・サハリン (①サハリン関連 <上図出典:JOGMEC> <上写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/news_in_press/23062014.html > Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? A東シベリア関連 シベリアで事業展開を行う、イルクーツク石油会社(INK)は、シベリアに保有する同社の鉱床から「シベリアの力」ガスPLを経由して年間50億?(約176BCM)の随伴ガスを供給することについて、Gazpromおよびエネルギー省と協議しているとのこと。なお、「シベリアの力」ガスPLへの独立系企業のアクセスについては9月1日までに政府が検討することとなっている。 6月18日、Gazpromメドヴェージェフ副社長は記者会見で、サハリン2事業に関して2020年までにLNGの生産能力を1.5倍の年間産出量1500万tとする方針を明らかにした。但し最終的な決定は2015年末に下すとした。制裁がLNG計画に影響を及ぼすことはないとの見方を示した。 ・6月24日、オーストリアを公式訪問したプーチン大統領は、同国フィッシャー大統領と会談。並行してGazpromとオーストリアのOMVは、South Streamの総延長2446kmの内、オーストリア国内分の約50kmのパイプラインを約2億EURで建設する契約に署名。欧米制裁等を配慮してか両大統領立会はなく、実務者同士の署名式となった。なお、フィッシャー大統領は会見で、本契約は有益と説明した。なお、在オーストリアの米国大使館は本件に対し、不快感を表明した。 ・ 6月26日、GazpromはオーストリアOMVの株式に関してアブダビ政府傘下のIPIC(nternational Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 6)ロシア石油ガス会社 (Gazprom ・ 6月4日、英国のHSBCホールディングとロイズ・バンキング・グループは、BP及びRosneft向け最 ・大20億USDの融資契約から撤退した。両行は昨年、BPとRosneftの合弁企業向け融資アレンジで、中国銀行、ドイツ銀行と共に起用された。 ・ 6月9日、RosneftとExxonMobilによるカラ海等での63日間におよぶ北極海調査が完了した。 Petroleum Investment Company)の保有する24.9%を取得する方向で協議中とのこと。 <上写真出典:Gazprom HP:http://www.gazprom.com/press/news/2014/june/article194145/ > Rosneft <上写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/news_in_press/09062014.html > ・ 6月16日、モスクワで開催された第21回世界石油会議の枠内で、極東造船・船舶修理工場を母体とするコンソーシアムの設立に関して、Rosneft、Gazprom、NOVATEK、GazpromBank、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 上図出典:JOGMEC> <ovkomflot、統一造船会社(OSK)が合意書に署名した。コンソーシアム創設の目的は、国内外の企業から発注される大陸棚石油・ガス開発事業用の船舶等、海洋設備機器を製造するための統一発注センターを極東造船・船舶修理工場を母体にして設立するというもの。 ・ 世界石油会議の枠内でRosneftは、上記コンソーシアム合意をはじめ、横河電機との制御システムに関わる戦略的パートナーシップ契約を締結等複数の署名を実施。制裁の影響を全く感じさせない動きである。 <写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/pressrelease/?page=4 > 2. その他 勤務地給与 ・ Gazpromの子会社がモスクワからサハリンに拠点を移し際に、退職が続出したとのこと。本件理由は定かでない。 ・ しかし、JOGMECと共同調査を行っているGazpromNeft社の担当者の言として、モスクワからサンクトペテルブルクに本社を移動した際、勤務地係数により給与が下がった理由で退職した人が多数いたとのことで、資金力豊富な大手企業といえども物価スライドを反映し、しっかりとした給与体系となっているとのこと。 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ?
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2014/07/29 荒井 智裕
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。