ページ番号1004481 更新日 平成30年2月16日

フラクチャリングのサービス会社から見たシェール資源採掘

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レポートID 1004481
作成日 2014-08-06 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術非在来型
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2014/8/6 調査部: 伊原 賢 公開可 (JOGMEC調査部、米国環境保護局EPA、世界石油工学者協会SPE、石油鉱業連盟ほか) シェール資源の採掘業者にとって、自分たちの井戸掘削活動の維持拡大には、シェールに人工的に亀裂を入れる技術(以下、フラクチャリングと呼ぶ。)と帯水層汚染との因果関係解明が、喫緊の課題となっている。それは、フラクチャリングに用いられる多量の水やポンプ類の移動があるからだ。周辺環境として人口の密集は開発を妨げる要因となる。環境対策には、今までの経験やノウハウが大事になる。 本資料では、フラクチャリング流体の種類、現状、比較、今後の方向性について考えてみる。 ラクチャリングのサービス会社から見たシェール資源採掘 フ 1. フラクチャリング流体 図1に示すように、シェール資源の採掘には、フラクチャリングが必須の技術である。 図1 1/14 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 .1水圧破砕によるフラクチャリング (1)水圧破砕によるフラクチャリング 水圧破砕によるフラクチャリングでは、成分の95%超が水であり、その他、プロパントと呼ばれる細かな砂*や、粘性を高める化学物質等により構成される(表1)。 *水圧により開口した亀裂(フラクチャー)を開口状態に支持・維持する目的で使用。 表1 フラクチャリング流体の組成例 出所: 「シェールガス革命とは何か」 東洋経済新報社 伊原賢 ページ169 ナダのホーンリバー・シェールでは水圧破砕のために1坑あたり15,000m3、米国のバーネット・シェ カールでは水圧破砕のため1坑当たり11,000m3程度の水を使用している。多量の水利用として、しばしば批判を受けるが、この水の量はゴルフ場が25日間で使う量、ニューヨーク市が4分で使う量に相当する。25日間は1坑あたりのシェール掘削日数に相当する。同一の電力量(1メガワット時=1000キロワット時)を生み出すのに必要な水の量についてのバイオ燃料との比較を表2に示す。 表2 1メガワット時の電力量を生み出すのに必要な水の量 出所:世界石油工学者協会SPEの月刊誌JPT2014年7月号ページ20を基に作成 エネルギー源 シェールガス バイオエタノール(とうもろこしベース) 大豆から作った軽油 水の量(リットル) 38 32,000~370,000(灌漑地栽培) 180,000~960,000 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2/14 バイオ燃料は、発電用ではなく輸送用燃料が主用途である。 ①A シェールガス採掘の水圧破砕で使われる水の約80%はシェール層に染み込み、残り20%ほどしか再利用できないに対し、とうもろこしや大豆栽培に使う水は雨水が主であり、それが蒸発し、雨となり、ほぼ再利用できる。 2に示す水の量は、この二つの事実から単純に比較できないとの指摘もあろう。ただ、シェール採 表掘に用いる水の量が他のエネルギー源と比べて、多量には使っていないことは言えそうである。別の意味では、エネルギーの産出/投入比率が優れていることを示している。 しかしながら、シェールガスの採掘拡大に伴い、フラクチャリングに必要となる大量の水の削減努力の一環として、フラクチャリング後に地上に戻る水(フローバック水)を処理して、再利用する技術開発が進展している。大量な水の利用は、環境派の主な攻撃材料となっており、こうした点への配慮という側面もあ ① 現在の処理技術の一つは、塩分濃度の高い(45,000ppm以上)場合に採用されるもので、フローバック水を減圧により圧縮し、高温蒸気化した後、冷却し、蒸留水として再利用する、「蒸溜」による水処理技術である。 ② 塩分濃度の低い(45,000ppm以下)場合には、逆浸透膜等を使用する。 ③ Fountain Quail Water Management社やGE Water & Process Technology社などが、蒸溜による水処理技術を保有する。 (参考1) Fountain Quail Water Management 社の技術 (2004年~) ・ フローバック水の処理量は約760~950m3/日。水回収率は80~85%程度。 ・ マーシェラス・シェールやフェイエットビル・シェールで使用されている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 3/14 (参考)環境派/開発反対派が指摘する主な懸念事項 (ⅰ)大量の淡水使用 (ⅱ)フラクチャリングによる地下水汚染 (ⅲ)ガスの地表への漏洩 2)フローバック水の処理技術の進展 (る。 o所:Hayes, T.、Shale Gas Water Management Consortiums: Marcellus and Barnett Regions、GWPC UIC Forum Workshop: Hydraulic Fracturing Water Issues、発表資料、2011年1月 (参考2) GE Water & Process Technology社の技術 (2010年~) ・ トレーラー積載型蒸留装置で、処理能力は273m3/日程度。 ・ 水回収率は98-100%。 ・ 使用地域ガス田はマーシェラス・シェール他多数。 出所:プレス発表、GE Water & Process Technology社、2010年9月30日、http://www.gepower.com/about/press/en/2010_press/093010.htm 参考3) ハリバートン(Halliburton)社の技術 (2010年~) (・ CleanWave水処理技術。 ・ トレーラー積載型で、20個の処理ユニットを備え、1ユニットあたり20分で20バレルの水を処理できる。処理能力は4,000m3/日程度。 ・ 各ユニットの中では電気を通すことにより、イオンを発生させて、排水中の懸濁物質を凝固させるシステム。 ・ 使用地域ガス田は米国テキサス州のパーミアン堆積盆地など。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 4/14 E 逆浸透膜は、海水淡水化に広く適用されている技術で、低い塩分濃度(45,000ppm以下)の処理に使用される。 ・ ワイオミング州のワイルドターキーとミッチェルドロウのCBM(Coal Bed Methane、炭層メタン)開発に伴う随伴水処理に逆浸透膜脱塩プラントの事例などがある。 参考4) Siemens社の逆浸透膜技術 (2006年~) ( 1.2水を使用しないフラクチャリングの検討 (1) ドライフラッキング(Dry Fracturing) ① Chimera Energy 社(本社:テキサス州ヒューストン)が、水を使用するのではなく、地層下で化学反応を生じさせ、発生する高温ガスでシェール層を砕く技術を開発中。 ② 技術の詳細は、特許の関係等もあり、現時点では未公表であるが環境的には安全であり、既存のシェールガスの井戸にも適用が可能であるとのこと。 ③ 報道によると、メキシコのシェールガス層で現在、実証中であるが、ガス産出の有効性は、水圧破・ カナダアルバータ州のガスフラック・エナジー・サービス社(Gasfrac Energy Services Inc.)が広く実施。 ・ プロパントをうまく圧入できるようにするために、LPGに増粘剤を添加することでジェル状にし、フラッキング流体として使用。圧入時は液体であるが、フラッキングした後のフローバックに伴い、地下で低圧になるため、LPG流体はガス相となり、生産が促進される。水は使わない。 ・ 同社の研究では、圧入したLPG流体は、水を使った場合と比べて回収されるまでの時間が短いとのデータがあり、また、水を使った場合に起こるシェールとの不適合の問題が発生しにくく、環境対策上も問題ないとされている。 ・ これまで、カナダ西部や米国テキサス州、コロラド州など約700カ所で、2000回以上フラッキングを実施している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 5/14 ガス・フラッキング(Gas Fracturing) 2) (① LPG(液化石油ガス)フラッキング 砕より劣るとの評価。 E アメリカのスーペリア・ウェル・サービス社(Superior Well Service Inc.)、エアー・プロダクツ社(Air Products Inc.)などが、実施をしている。 ・ 水を使わず窒素をそのまま使う場合と、水と混ぜて泡状で使う場合がある。 ・ いずれも水の使用量を大幅に削減できることや、フローバックに時間がかからないなどの利点がある。 ・ 窒素をそのまま使う場合は、プロパントを使わないことになるが、高圧の圧入窒素ガスでフラッキングを行うことにより、できたフラクチャーが高浸透性を維持できる状態になると説明されている。 ・ エアー・プロダクツ社の事例としては、カナダのモントニー・シェールなどでの実績がある。 . シェール革命による帯水層汚染の懸念がスリック・ウォーター・フラッキング以外の水圧破砕(従来型 2のフラクチャリング)を再評価するきっかけに 2.1 スリック・ウォーター・フラクチャリング(Slick Water Fracturing:SWF) 図2参照 シェール層に天然亀裂が発達しており、そこに高圧の水が入り込み亀裂内部の圧力が上昇したとすると、シェールに作用する正味の圧力はその分減少する。水の圧入によってシェール層に働く最大・最小主応力の差を直径とするモール円の位置がずれ、モールクーロンの破壊基準(シェール層が壊れ始める主応力と剪断応力の関係)に円が触れるとシェール層が亀裂面に沿って滑り出す。 亀裂面に沿ってシェール層が上下にずれ始める「剪断スリップ」という現象がフラクチャーを作っていく。このフラクチャーは綺麗な平面上ではなく、凹凸があるため、圧力が払われたあともピタリと閉じることなく、隙間を維持してガスの流路を形成する。少量加えられるプロパント(隙間の支持材)の砂は隙間の補強材に過ぎない。無垢の岩石に人工の亀裂を作ってから、閉じてしまわないようにプロパントを充填しなければならない「従来型のフラクチャリング」とは、メカニズムが違う。プロパントやジェルの量が減るため、その差がSWFと従来型のフラクチャリング(図3)のコストの差となっている。 ② 窒素フラッキング Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 6/14 出所:石油鉱業連盟の資料を参考に作成 図2 スリック・ウォーター・フラクチャリング(SWF)のメカニズム Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 7/14 図3 ジェルを用いた従来型のフラクチャリングのメカニズム SWFが働きやすいシェールの特徴は、以下のとおり。 ① 適度に天然亀裂が発達し、水平面からのその角度が30°~60°である(ヤング率が大きく、ポアソン比が小さい)。 ② 脆性が高く、割れやすい(石英分が多く、粘土分が少ない)。 テキサス州のバーネット・シェールがSWFの適用例の先駆けとなった。バーネット、ウッドフォード、マーシェラス、イーグルフォード各シェールエリアに施した数千のSWFの事例に対して、10年間にわたるマイクロサイスミックと地層の傾きを測るチルトメーターにより水圧破砕で生じた割れ目の高さと近傍の帯水層の深度を計測したところ、両者がつながっているという根拠は一つも発見されていない。水圧破砕で生じる割れ目は横に広がっても高さには限界がある。SWF の及ぶ範囲はシェール層内に留まり(図1の黄色)、断層をずらし、地震の誘発要因になることはないというわけだ。1970年代に実施した鉱山での実験データや過去に確立されたフラクチャー理論、地質の堆積環境はそれをサポートしている。しかしながら、水の大量使用と水質汚染への懸念が根強くあるのも事実である。 よって、「水を使用しないフラクチャリング」の再検討が始まった。不活性ガス(窒素やCO2)を使ったフGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 8/14 宴Nチャリングは、カナダでは水平掘りされたシェール層の40%以上に使われているが、米国ではたった2%の適用事例しかない。テキサス州立大オースチン校(The University of Texas, テキサス大)のMukul Sharma教授は、「水を使用しないフラクチャリング」にもっと光を当てるべきだと言う。しかし、米国ではガスの供給者とガス製造プラントには鶏と卵の関係がある。 Baker Hughes社は「水を使用しないフラクチャリング」にも能力がある数少ないサービス会社である。産業ガスの供給会社3社はシェール資源開発者と共同で「水を使用しないフラクチャリング」を技術開発中である。内Linde社は過去18ヶ月に渡って調査したところ、ある開発者は10%もの採掘性向上が見られたとのことである。 2.2 忘れ去られた技術 「水を使用しないフラクチャリング」は、70年代から、圧力の低い乾ガス層に対して適用されてきた。ターニングポイントは、1994年にジョージ・ミッチェルがテキサス州のバーネット・シェールに対して、泡によるフラクチャリングの適用を諦めたことにある。脆く、圧力が高いシェール層には多量の水が必要となり、SWFの登場となったのだ。SWFの使用が浸透し、シェール開発が立ち上がっても、「従来型のフラクチャリング」はまだまだ主流であった。しかし、SWFを使ったシェールガス開発が成功を収め、シェールガスからシェールオイルへと開発の対象がシフトするに伴い、「従来型のフラクチャリング」は、その輝きを失っていき、「忘れ去られた技術」と言われるようになった。 シェールガス革命によって水圧破砕を知るようになった若いエンジニアはSWFを絶対視するようになった。「だが、10年ほど前から窒素やCO2を使ったフラクチャリングから得た経験にも再び日が当たるようになった」と、Linde社のWatts氏は言う。テキサス大のMukul Sharma教授によるフラクチャー流体の機能による比較を表3に示す。表3の「ジェル」から右が「従来型のフラクチャリング流体」である。 表3 フラクチャリング流体の比較 出所:テキサス州立大オースチン校(UT, テキサス大)のMukul Sharma教授データを基に作成 パラメーター 亀裂の生成 井戸内の流体挙動 プロパントの運搬 プロパントの浸透性確保 流体の回収 貯留層との相性 安全性 流体の調達 コスト 純窒素泡 ○ × × ○ ○ ○ △ △ △ ○ 良好な挙動、× 挙動に問題あり、△ 挙動が不明/適用フィールドに依存 スリック・ウォーター ジェル ○ ○ × × × △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × △ ○ △ ○ 純CO2泡 ○ ○ △ ○ ○ ○ △ △ △ 泡 ○ △ ○ ○ ○ ○ △ △ △ LPG ○ ○ ○ ○ ○ ○ × △ △ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 9/14 E 純CO2:液体CO2を井戸内で温め、ガス化。 ・ 純窒素:液体窒素を気化器でガス化し、井戸に圧入。 ・ 泡の方がスリック・ウォーターよりも作られた亀裂の均質性に優れる:カナダの事例(SPE166268論文)。 ・ 層の圧力が低く、フラクチャリングに用いる水のコラムを井戸から押し出すこと(生産前の井戸のクリーンアップ)が困難な場合、泡を使う。 ・ 生産流体にアスファルテンやパラフィン分を含む場合、CO2や窒素はそれらと反応して、地層障害(例えば目詰まり)を引き起こすので使えない。但し、乾ガスの場合、そのような障害は起きず、有効となる。 ・ 窒素ガスを取り扱う高圧ポンプには数に制約があるので、浅い井戸への適用が望ましい。テキサス州イーグルフォード・シェールのように深い井戸が必要な場合には、窒素のポンプ圧入圧力は15000psiが必要となる。 ・ Energized fluids:窒素やCO2が52%未満 ・ Energized foams:ガスが52%以上(65-75% most energized, 95-99% high quality)。 シェール資源採掘がブームとなった地域では、水の大量使用による水不足と水質汚染への懸念を引き起こしたことも事実である。ある非営利の投資団体が2014年に出したレポートによれば、米国において、水平坑井が掘られ、水圧破砕が施された郡の半分以上に、水不足の懸念が見られるとのことだ。水不足の懸念解消策として、水圧破砕に使われた水のリサイクル、また、フローバック水の塩分濃度の高い帯水層への圧入が試みられている。フローバック水は水圧破砕に使われた水の10~20%に過ぎないので、リサイクルが次の水圧破砕に用いる水に占める割合はそれほど多くない。 もし、水がリサイクルされない場合、圧入井を通じて地下に廃棄されることになる。これが4年ほど前から米国中部で発生する地震の原因とする見方もある。米国の地質調査所が実施した調査によれば、断層近くに膨大な量を地下に圧入すると、群発地震となって現れる可能性があるとのことである。2011年アーカンサス州当局は州の一部で圧入井の使用を禁止した。地震が頻繁に見られるカルフォルニア州では、少しでも群発地震の兆候が見られる可能性があるとして、非在来型の石油・天然ガス資源の開発への反対運動が広がっている。 フラクチャリング流体として水を使わず、ガス(泡、CO2、窒素)を使うと、シェールの膨潤や坑内の水没を引き起こさない。 ・ シェールの膨潤(水がシェール内のナノスケールの隙間を埋めてしまい、炭化水素の流れを妨げる。水の飽和率が低い場合に起こりやすい。)、坑内の水没(water loading) ・ フラクチャリング流体が行く場所:坑内、ロック・マトリックス、充填材なしのフラクチャー、充填材ありのフラクチャー .3 カナダでのケーススタディ 2モントニー・シェールからの生産は、水平坑井を2005年から適用することで復活した。初期はジェルをフラクチャリングに用いていたが、やがて、安価な泡にシフトしていった。そして過去3~4年を見てみると大手のEncana社やShell社はスリック・ウォーターに変えていった。よって、産業ガスを供給するFerus社はフラクチャリング流体の違いを評価する場として、モントニー・シェールを選んだのである。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 10/14 Rスト、NPV(正味現在価値)、水の削減について評価した。泡はスリック・ウォーターに比べ、25%コスト減、水80%減となった。井戸の仕上げコストと各種フラクチャリング流体との比較は表4の通り。 4 カナダのモントニー・シェール:ブリティシュコロンビア州とアルバータ州に跨るタイトガス生産 エリア(シェール/シルト岩/砂岩) 出所:世界石油工学者協会SPEの月刊誌JPT2014年6月号ページ48を基に作成 表 フラクチャリング流体 仕上げコスト(百万ドル)/坑 データ数 スリック・ウォーターとの差(%) スリック・ウォーター 3.97 4 - 純CO2泡 2.95 12 -26 純窒素泡 2.94 7 -26 CO2+窒素泡 3.18 12 -20 乾ガス、50段階水圧破砕、18ヶ月以上の生産期間 4においてスリック・ウォーターのコストが高いのは、水の調達コストが高いこととフローバック水の圧 表入井が90マイルも離れていることに起因している。シェール開発が活発になると、水の調達は難しくなると共に、圧入井の確保も難しくなる。泡を使った場合は、使ったCO2や窒素の井戸からの除去が、比重差から水に比べ楽なので、ガスの生産開始が早くなる。出来たフラクチャーは25%ほど小さく、プロパントの量も30%ほど少なくなった。しかし、シェールの膨潤や坑内の水没が回避できた分だけ、ガスの回収量は増えたのだ。 テキサス大のスタディでもFerus社と同じような結果が得られている。西カナダCardium層のBuck Lakeフィールドでは、泡(窒素58%)を用いたフラクチャリングの方が、スリック・ウォーター(窒素12%)を用いたよりも、油の回収量が多かったのだ(生産開始6ヶ月後に顕著となった)。 カナダのシェール開発業者は、水平坑井に施すフラクチャリングの流体にCO2泡や窒素泡を多く使う傾向がある。技術に慣れ親しんでいることと用いる機材が容易に調達できることが、その理由だ。Ferus社のレポートによれば、カナダではそうでも、アメリカではまだ泡の使用は始まったばかりだ。Ferus社のReynolds氏は、これから10年ほどでじわりと米国にも泡の使用が浸透することを期待している(例えばイ米国での泡の使用として、San Juan堆積盆地(ニューメキシコ州の北西からコロラド州の南西に広がる)では水の調達に難があるため、2013年上半期の坑井仕上げの四分の一ほどに泡によるフラクチャリングが施された。 一方、マーシェラス・シェールではたった3%の使用に過ぎない(PacWest社情報)。イーグルフォードに至っては1%にも至らない。Baker Hughes社は両エリアでの泡を使用したオペレーションに携わったこGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 11/14 ーグルフォード・シェールでのCO2泡の使用拡大)。 .4 米国での使用制限 2ニがあるが、コスト削減・生産量とも、良好な結果であったとしている。しかし、シェール開発会社はまだその使用になれるのに時間を要すとしている。 Baker Hughes社は、マーシェラス・シェールに掘削された同じ水平坑井に泡とスリック・ウォーターによるフラクチャリングを実施したことがある。坑井の水平部分の先端部(トウ、toe)では、作業に難しさを感じたものの、最終的には泡によるフラクチャリング(VaporFrac:95%がガス、CO2泡)を選択した。Baker Hughes社のSatya Gupta氏によれば、先端部では泡、残りの水平部分にはスリック・ウォーターを使ったとのことである。泡の方がプロパントの運搬に優れているからだ。VaporFracはほとんど水を使わないため、超軽量のプロパントが必要になる。プロパントの量はフラクチャリング流体に使われる液体の量に比例する。少量のプロパントはジェルと混ぜられ、スラリー状態でトラックにてフラクチャリングの現場に運ばれる。 イーグルフォード・シェールでは、Baker Hughes社は水やLPGを使わないフラクチャリングのパイロットテストに取り組んでいる。同社は、圧力が低く、かつ、水の飽和率が低いケースへの適用も検討している。作業自体はうまくいったが、水を使わないフラクチャリングは、経済性とロジスティックスに課題ありとしている。水を使わないフラクチャリングが米国で未だ離陸しない最大の理由は、水が安く潤沢に調達できるか産業ガスの供給者は、米国において、水を使わないフラクチャリングの市場が十分に大きくないと認識している。Linde社もロッキーマウンテン地域で事業を考えた場合に同じ認識を持った。同地域では、山が多いため水の運搬にコストがかかるため、「水を使わないフラクチャリング」に注目が集まるのだが、8~10段という普通の水圧破砕作業ですら、CO2トラックが6台も必要となり、CO2の運搬ロジスティックスに課題がある。 Linde社の供給ネットワークは、イーグルフォードやバッケンのように大規模な多段階水圧破砕が普通な場合には追いついていない。その理由として、CO2の供給源は産業用プラントからの排気ガス中のCO2に依存することが多く、プラントのメンテナンス時(例えば数週間)にCO2が供給できないことが挙げられる。窒素の場合、空気からセパレーターで直接分離できるが、Air Liquide社は多段階水圧破砕の場合、数日の間に3500トンもの膨大な量の液体窒素を供給する必要があるとしている。 いづれにしても、産業ガスの供給者は、CO2や窒素の供給能力増大には、シェールガス開発業者が「水を使わないフラクチャリング」の使用をコミットしてくれることを望んでいる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 12/14 .5 ロジスティックスの欠如 2らだ。 tラクチャリングは従来技術であって、作業対象層がシェール層以外の砂岩や炭酸塩岩の場合もある。シェール資源の採掘は、従来技術であるフラクチャリングと実用化20年ほどの実績がある水平坑井の融合により可能となった。ガスや油の採掘量の急増には水平坑井化が貢献した部分がもちろん大きいが、ステージ数の多いフラクチャリングを用いる場合ではフラクチャリングの貢献度も高い。フラクチャリングは、多くの油ガス採掘向上技術の中で最も単純で安価でローテクな技術だが、良好な回収率上昇と利益を生み出した。ただ坑井の経済性を担保するためには、水圧破砕のため大量の水を圧入する必要がある。 フラクチャリングの技術に関しては、「複雑な割れ目(フラクチャーとも言う)なるものが形成されているのか」、「現在の技術でフラクチャリングの動きを解析・計算できるか」、「高浸透性の場合、多量な水量は必要か」、「フラクチャリングで出来た割れ目の詰め物であるプロパントのサイズと濃度」がよく議論される。フラクチャリングの歴史は67年にもなるのに、なぜまだ理論が整理されず幾つもあるのかという話も良く聞くが、現実の作業で良い結果を出しているので、まずは問題ないと考えられている。圧入水は高粘度(ジェル状)である必要性の議論があるが、イーグルフォード・シェールやハイネスビル・シェールだと割れ目の屈曲が大きいので、水の粘度を高くしないとプロパントをうまく押し込めない。しかしそうでない場合は不要で、シェールガス革命の父と言われる故ジョージ・ミッチェル氏はバーネット・シェールで意味なく高粘度のハイブリッドフラクチャリングを行うのを、「にせのハイブリッドシステム」と評した。深度が深く、割れ目の屈曲が大きくて高い粘度が必要となると、フラクチャリング流体に混ぜるケミカルのコスト、掘削日数の増加、オイルベースマッドの使用などで、掘削コストはだいぶ大きくなる。水圧破砕サービス会社の課題は、サービス会社及び資機材ともに供給過多になっていることや、採掘技術の向上速度が輸送インフラ整備の速度を上回ってしまったということにある。 残念なことは、従来採掘できなかった資源を現実のものにしたのに、映画「ガスランド」のような批判を受けたりすることだ。米国の石油天然ガス産業はフラクチャリング技術が無ければ存続できないことを、多くの米国民は理解していない。既に州や地方自治体が十分な規制を行っていることに加え、さらに連邦政府が規制を強化しようとしているのは、シェール資源の採掘業者は問題としている。フラクチャリングのサービス業界としては、水のリサイクル率を増して真水の使用量を減らしている。 ・ 水は安く、CO2や窒素が高いというのは、真理か偏見か? .2 フラクチャリング流体の課題 3Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 13/14 3. フラクチャリングの方向性と課題 .1方向性 3E 「水を使わないフラクチャリング」は長期にわたる生産性向上は期待できるのか? そうとは言わない開発業者もいる。 <- 長期にわたるデータの分析不足。 ・ 掘削時間と生産性向上との関係(「水を使わないフラクチャリング」が長期にわたる生産性向上が期待できても、その分準備に時間がかかり、掘削できる井戸数が減るとすると、「水を使わないフラクチャリング」の採用には結びつかない。) ・ 「水を使わないフラクチャリング」は、米国におけるシェール資源採掘のスピードに追いつけるのか? ・ 「水を使わないフラクチャリング」は、工場ベースの掘削(掘り続ける)のような学習効果が期待できるか? ルーチン化、マニュアル化出来るのだろうか? フラクチャリングで用いるCO2のリサイクル技術は、長期の課題として、GE社やノルウェーのStatoilが検討中である。 <参考資料> 以上 ・ 日刊工業新聞コラム「シェール革命-動き出す企業」 2014年4月22日 ⑮, 5月6日 ⑯, 5月20日 ⑰, 6月3日 ⑱, 6月17日 ⑲, 7月1日 ⑳, 7月15日 ?, 7月29日 ?、伊原賢 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 14/14
地域1 北米
国1 米国
地域2 北米
国2 カナダ
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
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国7
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地域9
国9
地域10
国10
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2014/08/06 伊原 賢
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