ページ番号1004486 更新日 平成30年2月16日

ITT油田開発推進と中国との関係強化で石油生産増を図るエクアドル

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レポートID 1004486
作成日 2014-08-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/8/18 調査部:舩木弥和子 ITT油田開発推進と中国との関係強化で石油生産増を図るエクアドル (Platt’s Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas他) 1. エクアドルでは、2007年に就任したCorrea大統領の下資源ナショナリズム政策がとられ、石油会社との契約形態がPS契約からサービス契約に変更されたこともあって、石油生産量が減退していた。しかし、2011年以降、生産量は増加に転じ、2011年50.1万b/d、2012年50.5万b/d、2013年52.7万b/dとわずかずつではあるが増加している。 2. ピーク時には20万b/dを生産できるとされるITT油田は、自然保護のために開発を中止しようというCorrea大統領の提案によりモラトリアムの状態にあった。しかし、2013年8月、Correa大統領は、国際社会から十分な理解が得られなかったとして、同油田の開発を行うこととした。2015年に一部の生産を開始、2016年には本格的に生産を行う計画で、生産開始から5年以内に20万b/dのピークに達する見通しであるという。 3. サービス契約への変更に合意した企業は、生産維持に必要な最低限の投資のみを行っているようで、これらの企業による探鉱・開発は停滞し、生産量も減少している。これらの企業による新規油田の発見も報告されていない。一方、サービス契約への変更に合意せず撤退した企業が保有していた鉱区は、Petroamazonas等の国営石油会社が、それまで保有していた鉱区と合わせて操業している。国営石油会社は入札を頻繁に実施、Schlumberger、Baker Hughes、Halliburton等の大手サービス会社を含む企業とサービス契約を締結し、これらの鉱区の探鉱・開発にあたっている。Shlumbergerが参入したShushufindi油田のように増産に成功した油田もあり、国営石油会社の生産量は増加している。しかし、Pungarayacu油田のように、サービス契約を締結した企業が開発、生産を進めることができず撤退してしまう油田もある。 4. アマゾン南東部の16鉱区を対象とする第11次ライセンスラウンドの入札が、2度の延期の後2013年11月に実施された。契約形態がサービス契約であることや、対象鉱区が未開発地帯に位置しインフラがなく開発が難しいエリアに位置しているため、興味を示す企業は少ないと考えられていたが、4鉱区が落札された。 5. 中国勢は2003年より鉱区権益取得やサービス契約締結により、エクアドルでの探鉱・開発に参入を果たしてきたが、2009年以降は原油長期購入契約とエクアドル石油産業への投資を組み合わせることで、影響力を強めている。中国企業がITT油田等の開発に参加するのではないかとの憶測も広まっている。 6. 環境汚染をめぐるChevronとの法廷闘争は、エクアドルの憲法裁判所やアルゼンチン、ブラジル、カナダ等の法廷で審理が続けられている。 7. 資源ナショナリズム政策がとられ、契約形態がサービス契約に変更されたことにより減少するとみられていたエクアドルの石油生産量は、Loan for oilで中国から資金を確保し、国営石油会社が直接サービス会社と契約することで増加に転じた。ただし、生産される石油の多くは成熟油田からのものであり、増産は既存油田の増進回収によるところが大きい。今後エクアドルがさらに生産量を増やしていくためには、ITT油田、Pungarayaku油田等の開発が順調に行われるとともに、新規油田の発見も必要となるだろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - .エクアドル石油開発概況 エクアドルは2013年の石油生産量が52.7万b/d、確認埋蔵量が82億bblと南米の中でも中程度の産油国であるが、石油の生産を開始したのは早く、石油はエクアドルの税収の35%、輸出収入の60%を占めており1、大きく石油に依存した経済となっている。OPECにも1973年に加盟、1992年に一旦脱退したものの、2007年に再加盟を果たしている。 2003年10月に東部オリエンテの産油地帯と太平洋岸の積出港Balaoを結ぶOCPパイプライン(送油能力45万b/d)が完成し、それまで東部産油地帯と太平洋岸を結ぶ唯一のパイプラインであったSOTEパイプラインの送油能力41万b/dに合わせて40万b/d前後を推移していた同国の原油生産量は50万b/dを超過するようになった。エクアドル生産増の鍵を握る油田とされるITT (Ishpingo ? Tambococha - Tiputini)油田の開発が進めば、同国の石油生産量はさらに大幅に増加するとみられていた。 しかし、2007年1月に就任したCorrea大統領は、資源ナショナリズムを強く反映した石油政策をとり、石油会社にPS契約をサービス契約に変更するよう求めた。2010年6月にはサービス契約への変更を含む炭化水素法改正案が経済緊急法案として国民議会に提出され、同年7月25日に改正法が成立した。これに基づき、同年8月より政府が石油会社と契約交渉を行った結果、ENAP、Andes Petroleum(CNPC、Sinopec から成るジョイントベンチャー)、Petroriental、Agip-Eni、Repsol等10社と新契約への変更に合意、Petrobras、EDC(Noble Energy子会社)、Canada Grande(韓国)等6社はエクアドルから撤退することとなった。 このような状況下、同国の石油生産量は減退傾向が続いていたが、2011年以降増加に転じ、2011年50.1万b/d、2012年50.5万b/d、2013年52.7万b/dとわずかずつではあるが増加している。 (BP統計2より作成) 1BNamericas, Oil & Gas Intelligence Series, “Ecuador Looks to the Amazon for New Oil Production”June 2014 2BP Statistical Review of World Energy June 2014 - 2 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 .ITT油田開発へ ITT油田はエクアドル東部、ペルーと国境を接するBlock43に位置している。同鉱区では1970年にTexaco-Gulfとエクアドル企業Minas y Petrpoleoが試掘を行い、API比重15度の重質油228 b/dの出油に成功したが、当時の原油の国際価格は2ドル/bblで採算が見込めず撤退した。1978年以降、国営石油公社CEPEが探鉱を実施、1992~1993年にITT油田を発見した3。同油田で生産される原油はAPI比重が12~15度と重質であるが、確認埋蔵量が4.12億bblとされ4、ピーク時には20万b/dを生産できる見通しと目されてきた。しかし、同油田は、地球上で最も生物多様性に富んだ地域の一つとされるエクアドル最大の自然保護区で、1989年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)から生物圏保存地域の指定を受けているYasuni国立公園(面積9,000km2)内にある。そのため、環境への影響の懸念等の理由で開発が行われない状態が続いていた。 Correa大統領は就任直後の2007年に、地域の生態系を保全し、先住民の生活を守る試みとして、エクアドルはITT油田の開発を中止し、4億700万tの二酸化炭素の排出を阻止するので、その代わりに、13年の間に、同油田を開発した場合に得られる見込みの収入72億ドルの半分にあたる総額36億ドルをエクアドルに寄付するよう国際社会に求めた5。Correa大統領は、寄付された資金を国連の基金とし、持続可能な社会実現のための国内投資にあてるとした。寄付が募られたが、最終的に拠出が表明された金額は3億3,600万ドル、実際に集まった金額は1,330万ドルであった6。 2013年8月15日、Correa大統領は、ITT油田開発を控える見返りとして、国際社会から寄付金を募ってきたが、十分な資金が集まらなかったため、同油田の開発を決定したと発表した。同年10月3日にはエクアドル議会がYasuni国立公園内での油田開発を承認、エクアドル政府は、ITT油田開発の条件として法令に定められた地域住民に対する公聴会を同年12月中旬に終了した。 2014年4月には、同油田の開発に反対する先住民や環境保護団体が、Yasuni国立公園での石油開発の是非を問う国民投票を実施するため、選挙管理委員会に85万人分の署名を提出した。これは、国民投票実施に必要とされる選挙人名簿の5%、583,324人を大きく上回る数字であったが、5月に選挙管理委員会は、このうち359,761名分のみを有効とし、国民投票を実施しないとした7。 同じく5月には、Lorena Tapia環境相が、同油田のオペレーターであるPetroamazonasに環境ライセンスを公布、ITT油田のうちTambococha及びTiputini油田の開発を承認した。 3El Comercio 2013/8/26 4El Yasuni depende de ti 2014年8月15日<http://www.sosyasuni.org/en/index.php?option=com_ Content&view=article&id=38:the-itt-block-43-project-and-block-31&catid=14:yasunational-park& Itemid=26> 5Ecuador Yasuni ITT Trust Fund 2014年8月15日<http://mptf.undp.org/yasuni> 6The Wall Street Journal 2014/5/6 7El Universo 2014/5/7 - 3 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 etroamazonasは28億ドルを投じて開発にあたり、生産井330坑を掘削する。Yasuni国立公園外にあるTambococha油田から開発をはじめ、2015年に一部の生産を開始、2016年には本格的に生産を行う計画である8。Ishpingo Sur油田については公園内にある不可侵地帯の外から水平掘削を行うことになるが、1坑あたりのコストは1,500~2,000万ドルと垂直井の場合の約600万ドルの2~3倍を要する9という。油田ごとのピーク生産は、Tiputini油田が2017年に62,000 b/d、Tambococha油田は生産開始後4年目に11万b/d、Ishpingo油田は生産開始後7年目に13万b/dとされており、生産開始から5年以内にITT油田全体で20万b/dのピーク生産に達する見通しであるという。 エクアドル主要鉱区、油田図 (各種資料より作成) 8 El Universo 2014/5/ 9、El Comercio 2014/5/10 9 El Comercio、El Universo 2013/10/4 - 4 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 .その他の油田の開発・生産状況 エクアドルの主要生産地域は東部オリエンテのアマゾンの低地に位置しており、Lago Agrio、Shushufindi、Sacha等が主要油田となっている。 サービス契約への変更に合意したENAP、Andes Petroleum、Petroriental、Agip-Eni、Repsol等の企業は、投資環境悪化により生産維持に必要な最低限の投資のみを行っているようで、これらの企業による探鉱・開発は停滞している。契約変更当時のWilson Pastor非再生天然資源相は、サービス契約締結により、同国の国営石油会社以外の企業の生産量は20万b/dへの増産が期待できると述べていたが、2013年もエクアドル全体としては石油生産量が増加したものの、これらの企業の生産量は約10%減少している。また、これらの企業による新規油・ガス田の発見も報告されていない。 エクアドル国営石油会社以外の主な企業の活動状況 企業 Andes Petroleum Eni Repsol ENAP 探鉱・開発・生産状況 アマゾンの3鉱区で5万b/dを生産中 2013年の生産量1.3万b/d 2014年7月、Block16Wati油田の開発に7300~7500万ドルを投じ原油500~600万bblを生産する計画を発表。 Guayaquil湾Block 3で探鉱中 (各種資料より作成) サービス契約への変更に合意に達しなかった企業との開発契約は終了し、これらの企業が契約を締結していた鉱区、油田は国営石油会社PetroecuadorとPetroamazonasが、それまで保有していた鉱区と合わせて操業を行うこととなった。 政府は、これらの油田(Charapa、Armadillo、Singue等)と合わせて、Petroecuadorが従来より権益を保有していた成熟油田(Shushufindi、Auca、Cuyabeno、Libertador、Lago Agrio、Chanangue、Ocana、Azara等)の入札を頻繁に実施、落札企業とサービス契約を締結している。2012年1月には、SchlumbergerとShushufindi油田、TecpetrolとLibertador油田についてサービス契約を締結する等、このうちいくつかの油田についてはSchlumberger、Baker Hughes、Halliburton等の大手サービス会社を含む企業と契約が締結されており、探鉱・開発が進展している。 また、一部鉱区についてはSinopecやPDVSA等の国営石油会社の協力を得て探鉱・開発を実施している。 国営石油会社の生産量は、2006年5月にOccidentalのBlock15、Eden Yuturi油田等の生産が加わり、2010年6月に契約失効したPerencoの原油が加算されることになり、また、2010年11月以降はサービス契約への変更に応じなかった企業の鉱区や油田が加えられたことで増加していたが、2011年以降もサービス会社の導入がうまくいったのか増加を続けている。Petroamazonasの生産量は2012年が30.7万b/d、2013年が32.66万b/dとなり、エクアドルの石油生産増に寄与している。 - 5 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Gクアドルの国営石油会社は、1972年に設立されたCEPEが、1989年にPetroecuadorと名称を変更しながらも、同国の石油の探鉱、開発、生産、精製、輸送、販売等全ての事業を担当していた。政府は、2010年4月にPetroecuadorをPetroecuadorとPetroamazonasという2つの公営企業に組織変更し、PetroamazonasにBlock15、Block7、Block21、Panacocha油田の探鉱・開発を担当させることとした。さらに、2012年末にはPetroamazonasとPetroecuadorを統合、再編し、Petroamazonasが両社の上流事業を、Petroecuadorがパイプライン、精製、販売事業を担当することとした。Petroamazonasは2013年に探鉱・開発に26億ドルを投じたが、2014年は36億ドルを投じる計画である。 エクアドルの主な油田の開発状況は以下の通りとなっている。 (1)Pungarayacu油田 Petroecuadorは2008年にカナダ企業IvanhoeとBlock20、Pungarayacu油田(原始埋蔵量45~70億bbl、API比重8~12度)のサービス契約を締結した。契約期間は30年で、Ivanhoeは同油田の探鉱・開発に40億ドルを投じ、2009年に5,000b/dで生産を開始、2013年末には10.8万b/d、ピーク時には12万b/dを生産し、合成石油を製造する計画であるとした。サービスフィーは37ドル/bblとされた。しかし、2014年2月にIvanhoeは同社の技術では契約上の条件を満たす合成石油の製造は不可能と判断し、同鉱区から撤退すると発表した。 IvanhoeとPungarayacu油田の契約を締結した当時、すでにカナダやベネズエラでは超重質油の商業生産が行われていたことを考え合わせると、Petroecuadorが技術開発途中であったIvanhoeと随意契約を結んだのは失敗であったとの見方がなされている。 なお、同月、Rafael Poveda戦略部門調整大臣は、CNPCがPungarayacu油田開発に興味を示しており、Pungarayacu油田の権益をCNPCに譲渡することを前提に、CNPCの提案をもとに契約形態を検討中であると発表した。サービス契約とともに、Petroamazonas と CNPC の間で特別な契約を締結しPetroamazonasを操業に関与させる形態が検討されているという10。 同鉱区については、これまで重質油の開発が進められてきたが、軽質油の生産も期待されるとの情報がある11一方で、政府は同油田の埋蔵量を当初の9億6,000万bblから3億1,600万bblに下方修正している。 (2)Sacha油田 Block60、Sacha油田の保守・リハビリと生産増を目的に、Petroecuador70 %、PDVSA30 %の資本構成で2008年にRio Napoが設立された。Rio Napoは2009年11月よりSacha油田で操業を行ったが、PDVSA側の資金面や事業に対する姿勢の問題で生産量が増加せず、初期の目標を達成できなかった。そのた 10El Comercio 2014/2/11 11Wood Mackenzie “Ecuador: Signs of turnaround as new investment secured” November 2009 - 6 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ゚、両社は2011年に大幅な契約条件の見直しを行い、契約期間を15年、総開発投資額を約12億7000万ドル(EP Petroecudor 8億8600万ドル、PDVSA 3億8000万ドル)、生産コストを5.41ドル/bbl、PDVSAへのサービスフィーを17.03ドル/bblとすることで契約を更新した。その結果、生産量が2009年11月の51,589 b/dから2013年10月には73,108 b/dに増加した。2014年から新規油井を36坑掘削し、増進回収を行うことで、さらに生産増を図るという。なお、Ryder Scottによる試掘と地震探査を行った結果、同油田の確認埋蔵量が2億4,300万bbl増加して6億2,100万bblになった12。インフラも整っているので、さらに2?3万b/dの増産が期待できると見る向きもある。 (3)Shushufindi油田 Shushufindi油田は、1967年にCEPEとTexaco-Gulfにより発見され、1969年1月に2,621b/dで生産を開始、API比重 28.5度の原油が生産されている。SOTEパイプラインが敷設された1972年には、原油28,098b/dを生産、1985年には12万b/dのピーク生産を記録したが、油井の自然衰退により、Schlumbergerとサービス契約が締結された時点で、生産量は48,000b/dとなっていた。Shlumbergerが参入したことで、生産量は65,000 b/dに増加している13という。 (4)Libertador油田 1980年にCEPEにより発見されたLibertador油田は、生産量55,000b/dで生産を開始したが、入札時には18,500b/d、まで生産量が減退していた。Tecpetrolによるリハビリで、埋蔵量の増加は期待できないものの、水蒸気あるいはCO2の圧入により生産増を目指すという。 (5)Block31 Block31は2009年に権益を保有していたPetrobrasから返還され、2011年にPetroamazonasに権益が移転された。2013年からApaika?Nenke油田の生産が開始され、現在4,500 b/dを生産しており、生産.アマゾン南東部を対象とする第11次ライセンスラウンド 4量を7.3万b/dに引き上げることを目標にしている14。 エクアドル政府は2012年11月28日、第11次ライセンスラウンドRonda Surorienteを実施すると発表した。対象鉱区はアマゾン南東部の16鉱区(32,000km2)で、政府はこれらの鉱区の原始埋蔵量は4~16億bblと推定している。当初、政府は21鉱区を公開する計画であったが、5鉱区については地元住民の賛同が得られず、対象鉱区から外した。16鉱区のうち3鉱区はPetroamazonasとエクアドル以外の国営石油会社がジョイントベンチャーを組んで探鉱を行う鉱区とされた。応札日は2013年5月30日とされていたが、2度の延期の後に、11月28日に応札が行われ、2014年5月30日に落札者が決定、発表され 12El Comercio 2014/1/13 13El Comercio 2013/8/27 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - ス。 民間企業に開放された13鉱区については、RepsolがBlock29、Andes Petroleum(CNPCとSinopecのジョイントベンチャー)がBlock79とBlock83に応札し、それぞれ落札した。Petroamazonasと共同で探鉱・開発を行う国営石油会社向け3鉱区については、Enap-BelorusneftがBlock28に応札し落札した。 Biock29はアマゾンエリア中央部の西側に位置し、東側はPetroamazonsaが生産を行っているBlock7とBlock21、西側はPungarayacu油田のあるBlock20と隣接している。Block79及びBlock83は、中国Petrorientが約13,000b/dを生産しているBlock17と隣接している。Block28は以前、アルゼンチンのCGCが権益を保有していた鉱区で、Pungarayacu油田のあるBlock20とEniが生産を行っているVillano油田のあるBlock10に隣接しており、ポテンシャルの高い鉱区とされている。 今回のライセンスラウンドは、締結する契約の形態がサービス契約であることに加え、対象鉱区は未開発地帯に位置し、インフラがなく、開発は困難とみられ、興味を示す企業は少ないのでないかと考えられていた。合計で4鉱区が落札されたことは、エクアドルにとって今後の探鉱活発化につながる吉報と言えよう。 5.中国企業参入状況 中国勢がエクアドルでの探鉱・開発に参入を開始したのは2003年である。同年8月にはCNPCがエクアドル東部Block 11の権益を取得、Mascarey油田を発見した。同年12月にはSinochemがConoco PhillipsからBlock16の権益14%を1億ドルで買収した。同鉱区ではオペレーターのRepsol YPF が5.7万b/dを生産していた。2005年9月には、AndesPetroleumがEnCanaより、同社がエクアドルに保有する資産を14.2億ドルで買収した。EnCana のエクアドル資産には、3.8万b/dを生産中のTarapoa鉱区の権益100%、3万b/dを生産中のBlock 15の権益40%、7,200b/dを生産中のBlock 14 (75%)、Block 17 (70%)、Shiripuno Block (100%)、OCP パイプラインの権益36.3%が含まれていた。2008年12月には、Sinopec とPetroecuadorがBlock42、Oglan 油田を共同で開発することで合意した。2012年7 月には、SinopecがRepsolからエクアドル子会社Amodaimi Oil を買収した。Amodaimi Oil は、Block16 (Tivacuno油田)についてサービス契約を締結している。 このように、中国企業は鉱区権益を取得したり、サービス契約を結んだりして、エクアドルで探鉱・開発を進めてきたが、2009年7月には中国がエクアドルに10億ドルの借款を供与し、PetroEcuadorがPetroChinaに原油96,000b/dを2年間にわたって供給する契約に調印した。エクアドルは2013年8月初めにも、PetroChinaに4年間で1億9000万bblの原油を販売することを条件に、中国の国家開発銀 14El Comercio 2014/5/13 - 8 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 sから20億ドルの融資を受ける協定を交わした15。 2014年1月には、Jorge Glas副大統領が中国を公式訪問し、Pacifico製油所(精製能力30万b/d)にCNPCが30%資本参加することを条件に、中国工商銀行が建設費の70%に相当する70億ドルを融資することで基本合意した。両者はその他にも、CNPCによるSacha油田とAuca油田へのサービスの提供、中国企業のBlock31及びBlock20の開発への参加可能性検討、グアヤキル湾ガス開発等について合意に至った。両国の関係強化に、エクアドルと中国企業がITT油田の開発に関して契約を結ぶとの憶測やPacifico製油所への資本参加、融資に関する合意とITT油田の開発がリンクしているとする噂も広まっている。 中国から融資を得ていることもあって、Petrochinaへ売却される原油の量は2009年の3.9万b/dから、2010年は11.6万b/d、2011年には17.1万b/d、2012年には24.4万b/dと増加している16。2014年に入ってからはエクアドルの原油輸出の80%をPetrochina が扱っていると伝えられている。これらの原油はその多くが米国、パナマ、中南米諸国、マレーシア、タイ等に輸出されており、中国向けに出荷されるものはほとんどないという。 .Chevronとの訴訟の状況 61964~1990年にTexacoがSucumbios州で探鉱・開発を行った際に、80億ガロンの汚染水を流出させ、45万ヘクタールの土地を汚染したとして、Texacoが住民から提訴された件で、2011年の第1審は、2001年にTexacoを買収したChevronに対し95億ドルの賠償を行うよう判決を下した。2012年の控訴審は、Chevronが被害者への謝罪を行わないことを理由に、懲罰として賠償額を倍増させ190億ドルの賠償を行うよう命じた。2013年11月13日、エクアドルの最高裁は、Texacoの責任を確認した上で、国内法に規定がないためChevronに謝罪は要求しないこととし、第1審と同様にChevronに損害賠償額87億4,600万ドルプラス10%の賠償を行うよう命じた。 Chevronがエクアドル国内に資産を有していないため、原告側は、アルゼンチン、ブラジル、カナダ等で資産差し押さえの訴訟を行っている。このうち、カナダでは、原告側は第一審で敗訴したが、これを不服としてオンタリオ州の裁判所に上訴し、2013年12月に控訴審で原告の要求を認める判決が下されている。 一方、Chevronは最高裁判決の無効を求めて憲法裁判所に上訴していたが、2014年3月に憲法裁判所がこれを受理すると発表した。係争の複雑さ、膨大な資料等を考慮し、判決期限は設定されていない。 15The Wall Street Journal 2013/10/1 16El Comercio 2014/2/24 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - hevronによると、TexacoはCEPEと共同で探鉱・開発を行っており、CEPEとの合意に基づき撤退後3年間で4,000万ドルを費やし、環境修復や整備事業、地域の社会事業を実施し、1998年にはTexaco、Petroecuador、政府間で、Texaco及び関連企業は事業責任から免除されるとの最終合意書に署名している。したがって、Chevronは、汚染はTexaco撤退後のCEPEの無策によるもので、最高裁判決の損害賠償95億ドルはエクアドル政府と国営石油会社が負担すべきであるとして、ハーグの国際司法裁判所に提訴していた。2013年9月、国際司法裁判所はChevronの主張を認める裁定を行っている。 Chevronはまた、2011年にニューヨークの連邦裁判所に、エクアドルでの裁判は誤った証拠をもとに、裁判官を買収しておこなったもので、不正な裁判であると提訴していた。2014年3月にニューヨーク連邦裁判所はChevron の主張を全面的に支持し、エクアドル最高裁判決の損害賠償金95億ドルを得るために米国内のChevron 資産を差押えることを禁止する判決を下している。 7.終わりに 資源ナショナリズム政策がとられ、契約形態がサービス契約に変更されたことにより減少するとみられていたエクアドルの石油生産量は、中国から資金を確保し、Petroamazonasが直接サービス会社と契約することで増加している。2014年7月の石油生産量は、エクアドルの国営石油会社が約43万b/d(Petroamazonas36万b/d、RioNapo7万b/d)、それ以外の企業が約12万b/dで、合計約56万b/dとなっており、ピーク時2006年の生産量53.8万b/dを上回る勢いとなっている。ただし、生産される石油の90%が成熟油田で生産されており、近年の増産は既存油田の増進回収によるところが大きい。したがって、今後エクアドルがさらに生産量を増やしていくためには、新規油田の発見やITT油田、Pungarayaku油田等の開発が順調に行われることが必要となるだろう。 2013年に政府が発表した原油生産目標によると、同国の石油生産量は2014年に534,854b/dに増加した後、2015年は523,230b/dに減少するものの、Block31やITT油田からの生産開始により2016年には586,009b/d、2017年には594,510b/dに増加するとされている。政府も、ITT油田等の開発が進まなければ同国の生産増は見込めないとみていることがうかがえる。 (政府発表より作成、*2011、2012年は実績17) 17El Comercio 2013/9/26 - 10 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Gクアドルが、環境を守りながらITT油田等Yasuni国立公園周辺の油田をどのように開発していくのか、Ivanhoeが匙を投げたPungarayacu油田の生産を如何に軌道に乗せるのか注目されるところだ。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 -
地域1 中南米
国1 エクアドル
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国・地域 中南米,エクアドル
2014/08/18 舩木 弥和子
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