ページ番号1004487 更新日 平成30年2月16日

ロシア:米とEUによる対露経済制裁とその影響

レポート属性
レポートID 1004487
作成日 2014-08-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般
著者 本村 真澄
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ ロシア:米とEUによる対露経済制裁とその影響 更新日:2014/8/20 調査部:本村眞澄 公開可 ・7月16日、米政府はウクライナ情勢が安定化しない理由はロシアにあるとして、Gazprombank, VEB, Rosneft, Novatekに対して米国の株式・債権市場への長期のアクセスを禁ずる金融制裁を発動した。 ・EUもこれに合わせた金融制裁の準備に入ったが、その対応は抑制的で米国は苛立ちを見せた。 ・ところが7月17日にマレーシア機がウクライナ東部の親露派支配地域で撃墜される事件が起こり、親露派の関与が強く疑われるところとなり、犠牲者を多く出したEUでは対露制裁強化へ大きく転換した。 ・EUは7月31日、大水深、北極、シェール「オイル」に関する技術の提供を制限し、事前認可の必要となる数十項目にわたる制裁品項目を提示した。発動日以前の契約は問題ない。ガスは対象ではない。 ・米国も同様に大水深、北極「海」、シェールに関する資機材の提供に関し否認を想定した申請を義務付けた。制裁品リストを提示しつつもそれに限らないとしており、米国の制裁は予測不明な面がある。 ・このような中、8月9日にはRosneftとExxonMobilがカラ海で試掘を開始した。これは既往契約によるものとしてEUの制裁にも抵触せず、米の制裁に抵触するかが曖昧なままであるが、ExxonMobilが米政府と事前に確認をとっていた可能性がある。探鉱段階の資金はExxonMobil側の負担であり、金融制裁の影響は受けていない。 ・Rosneftは中国からの前払い金が最終的に借入額を上回っており、時間的な余裕があるが、Yamal LNGが本格化するNovatekは、資金調達の問題を克服する必要がある。 ・今回特徴的なのは、政治の側がトーンを先鋭化させながらも、産業界における実質的な事業の影響を最小限とするよう、様々な抜け道も用意している点である。産業界は制裁に伴うコストを主張して来た。 ・制裁の効果に関しては、ロシア側の石油生産に直ちに影響はしないが、中長期では、新規プロジェクトの立ち上げが困難なため影響が出る。中長期的にはロシア全体で石油は漸減傾向か顕在化する。 ・一方、米国の技術サービス会社はロシア事業のシェアが約5%あり、新規事業では直ちに影響が出る と予想される。但し、既往契約内の事業は問題なく遂行されると思われる。 ・ロシアは対米EUに対して農産物の輸入を1年停止する報復の制裁を科し、EUでは影響が出ている。「売らない」制裁よりも「買わない」制裁の方が早く効果が現れている。 ・ウクライナも資産凍結等の対ロシア制裁に踏み切ったが、ロシア産ガスの通過の禁止も可能性として含めた。これはエネルギー憲章条約第7条の「通過の自由の原則」に抵触する可能性があり、下流の欧州諸国にとっても重大な影響がある。一方、現場を預かるNoftgazは、通過停止はないとしている。 ・また、ウクライナ領内の通過パイプラインに対して、米欧の企業が49%参加できる法案も可決した。これは、ロシアが長年にわたって取得を希望してきたが、ほぼ完全にその望みは絶たれた。 ・最大の制裁はロシアの原油輸出を停止することで、米国では一部でその主張がなされているが、欧州経済へ与える影響は甚大で、欧州側の同意は得られていない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? P.はじめに ウクライナ問題では、3月の段階で米国のオバマ大統領は「ロシアを孤立させる」と宣言し、制裁の強化を目指していた。しかし、エネルギー、経済分野でロシアとの関係が深いEUは、英国を除いていずれも制裁には及び腰で、米国よりも一段ローキーの対応に終始し、むしろG7の足並みが揃っていないことを露呈する結果となっていた。米国は7月16日に、経済制裁にまで踏み込んだが、同日のEUの対応はより限定的であり、自身の経済へのバックファイアを懸念する様子が明らかであった。この時、オバマ大統領は「欧州は覚醒すべき時だ」と、いらだちを隠さなかった。 様相が一変したのは、7月17日のマレーシア機MH17便の撃墜事件である。同機が墜落した場所は、ドネツク州の親ロシア派の占領地域内である。乗客乗員298名は全員死亡した。被害者は、オランダ人192名、マレーシア人43名、オーストラリア人27名、インドネシア人12名、イギリス人9名、ドイツ人4名、ベルギー人4名、フィリピン人2名、カナダ人・ニュージーランド人各1名であった。欧州からの犠牲者が多く出たことにより、EUはロシアに対して強硬な姿勢に転じた。 墜落原因について、米情報当局者は親ロシア派が地対空ミサイルBUK(SA11)で誤射した可能性が高いとする分析を明らかにし、一方でロシアの直接的な関与はないとしたが1、同地域でウクライナ政府軍と戦闘が続く中、事故原因の調査が非常に困難な状況にある。 独Spiegel紙によれば、世論調査で半数以上が雇用への悪影響があっても対露制裁を強化すべきと回答し、世論の急速な硬化がEUの方針転換を後押したと言える2。 オバマ政権は7月16日、EUと共にロシアに対するウクライナ問題に関わる新たな制裁措置を発動した。米国財務省が発表した対象企業は、ロシアの金融機関として Gazprombank および VEB(Vnesheconombank)、エネルギー企業としてRosneftおよびNovatek、並びに軍事関連企業8社、その他分離主義者3名、ウクライナ資産の違法な横領に携わった1企業、ロシア政府高官4名である。財務省は制裁リストへの追加の理由として、ロシアによるウクライナ東部の非安定化への継続的意図、クリミア半島の継続的占領を挙げている。 これらロシア企業は、満期が90日間を超える新規の資金調達のために、米国の株式市場もしくは債 1 毎日, 2014/7/23夕 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? .米国による対露経済制裁 2(1)7月16日の経済制裁 ?市場にアクセスすることが禁止された。これにより、当該企業の借入コストは上昇し、結果的に米国からの中・長期の資金調達は大きく減少するものと予想される。 財務省はこれら企業の資産、資産の利息の凍結は行わず、これら特定の制限以外の取引を行うことは禁じない。米企業・市民による4社と通常の取引は認められる。しかし、禁止の対象となる取引の種類やエネルギー企業の数は、ロシアがウクライナの状況を改善する措置を講じない場合には、大統領令13662号に基づき拡大されるとし、曖昧さが残っている。 (3)7月16日制裁に関する各社の発言 この制裁に関して、VEBとExxonMobilはコメントを拒否している。以下各社の反応を記す。 【Rosneft, Sechin社長】米国の措置は違法であり、Rosneftとビジネスを行っている米系銀行に影響を与えるものである。我が社は借入をせずに長期事業計画に向けた資金調達を行うことは可能であり、今回の制裁措置はExxonMobilとの現行の事業に影響を与えるものではない3。 【Gazprombank】Gazprombankへの制裁は、我が行の営業および借入の安定性を損なうものではない。中央銀行は必要に応じて支援することを約束している4。 【Novatek】Yamal-LNG 事業をスケジュール通りに進めるという我が社の方針に変わりはない。Novatekおよび外国企業パートナーは、同事業の資金調達が行われ、計画通りに事業が進むべく必要な方策をとる。今回の制裁は、いかなる管轄地域においても営業や商業活動を停止するものではなく、わが社の資産や株式に関るものでもない。わが社の株主には米国の国民、投資ファンド、および銀行も含まれている5。 【Chevron】法律に照らし合わせて企業コンプライアンスに抵触しないかの見直しを行っており、状況の3)7月29日の追加経済制裁6 (進展を監視し続ける。 7月17日に発生したマレーシア機MH17の撃墜を踏まえて、オバマ大統領は29日、ウクライナ情勢に関する声明を発表し、ロシアエネルギー・軍事・金融産業に対して表明された欧州の制裁(後述)に同 2 朝日, 2017/7/31 3 Bloomberg, 2014/7/16 4 Reuters, 2014/7/18 5 Interfax, 2014/7/17 6 WS事務所、2014/7/29 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? イするした。特にエネルギー産業に対しては、特定の製品や技術の禁輸を行うとし、EUの制裁と概ね歩調を揃えた内容となっている。オバマ大統領は「これは新冷戦ではない」と強調した。 ①(cid:1) 米商務省による追加制裁 米国商務省産業安全保障局(BIS: Bureau of Industry and Security)はロシアに対する、大水深(500フィート超)、北極海(Arctic offshore)、シェールにおける探鉱・開発に用いられる製品の米国からの輸出(輸出、再輸出、国外での移転)に関して、否認を想定して(presumption of denial)ライセンスの取得義務を課することとした。商務省はまた、United Shipbuilding Corporation(統一造船, USC)を制裁リストに追加した。 制裁品目の具体的な内容は、8月1日にBIS, “Russian Oil Industry Sanctions and Addition of Person to the Entity List”として発表された(表1参照)7。更に、8月6日に官報に掲載され、同日付けで制裁が発動された。これによると、禁輸措置の対象となる資機材は以下のものを含むが、対象範囲はそれに限定されるものでもない(not limited to)。即ち、掘削リグ、水平掘削のパーツ、掘削・坑井仕上げ用資機材、海底仕上げ用資機材、北極海用の資機材、ワイヤライン、ダウンホールモーターおよび資機材、掘削用パイプ・ケーシング、水圧破砕用ソフトウェア、高圧ポンプ、地震探査用資機材、遠隔操作用車両、コンプレッサー、 管広げ、バルブおよびライザーである。その他、LNG, CNG用のコンテナーが入っている。また、石油・ガス探鉱のソフトウエアとデータも付随して記載されているが、定義がなく、曖昧さが残る。 商務省によればロシアが将来の技術的難易度の高いプロジェクトを開発するのは困難になるという。 表1. 米国による制裁品リスト B表番号 7304110000 7304191020 7304191050 7304191080 7304195020 7304195050 7304195080 7304220000 7304233000 品 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、ステンレス鋼製 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、外径114.3ミリ以下 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、外径114.3ミリ以上406.4ミリ以下 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、外径114.3ミリ以上406.4ミリ以上 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、ステンレス以外のその他合金鋼製、外径114.3ミリ以下 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、ステンレス以外のその他合金鋼製、外径114.3ミリ以上406.4ミリ以下 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、ステンレス以外のその他合金鋼製、外径406.4ミリ以上 石油井戸掘削用パイプ、ステンレス鋼製 石油井戸掘削用パイプ、鉄又は非合金鋼製 7 BIS, “Russian Oil Industry Sanctions and Addition of Person to the Entity List”, Aug 1, 2014, http://www.bis.doc.gov/index.php/about-bis/newsroom/press-releases/66-about-bis/newsroom/press-releases/717-russian-oil-industry-sanctions-and-addition-of-person-to-the-entity-list Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? ホ油井戸掘削用パイプ、ステンレス鋼以外のその他合金鋼製 石油井戸ケーシング、ステンレス鋼製 石油井戸チューブ、ステンレス鋼製 石油井戸ケーシング、鉄又は非合金鋼製 石油井戸ケーシング、ステンレス以外のその他合金鋼製 石油井戸チューブ、鉄又は非合金鋼製 石油井戸チューブ、ステンレス以外のその他合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向でのサブマージアーク溶接されたもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向でのサブマージアーク溶接されたもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向でその他の方法で溶接されたもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向で溶接されたもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向で溶接されたもの以外のもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄鋼製、その他項で該当又は含まれていないもの 石油・ガス掘削用ケーシング、シームレス以外のもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は合金鋼製 石油・ガス掘削用ケーシング、シームレス以外のもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、その他の項で該当又は含まれていないシームレスのもの、ステンレス鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、その他の項で該当又は含まれていないシームレスのもの、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、その他の項で該当又は含まれていないシームレスのもの、ステンレス鋼以外の合金鋼製 圧縮ガス又は液化ガス用コンテナ、鉄又は鉄鋼製 圧縮ガス又は液化ガス用コンテナ、アルミニウム製 サーメット製稼働パーツ付き砕岩又はボーリング装置及びその部品 打撃式掘削ビット、コアビット及び拡孔器及びその部品、卑金属製 回転式掘削ビット、コアビット及び拡孔器及びその部品、卑金属製 石油井戸及び油田用ポンプ、往復動容積ポンプ 石油井戸及び油田用ポンプ、回転式容積ポンプ 水圧エレベーター(ポンプ) 水圧エレベーター(ポンプ)の部品 電気集塵機、産業用ガス浄化装置 産業用ガス浄化装置、その他の項で該当又は含まれていないもの ガス分離装置 オフショア石油・天然ガス掘削及び生産プラットフォーム 石油井戸及びガス田掘削用ボーリング又は掘削機械、回転式 石油井戸及びガス田掘削用ボーリング又は掘削機械、その他の項で該当又は含まれていないもの 統計局B表四桁番号84.25~84.30に記載の油ガス田用として専ら又は主に用いられるのに適した装置の部品(ジャッキ等) 統計局B表六桁番号8430.41~8430.49に記載のオフショア石油・天然ガス掘削及び生産プラットフォームの部品 統計局B表六桁番号8430.49に記載の油ガス田用装置の部品、オフショア掘削及び生産プラットフォームのものを除く 統計局B表六桁番号8430.41又は8430.49に指定のボーリング又は掘削機械、その他の項で該当又は含まれていないもの 油ガス田用ワイヤライン及びダウンホール機器 移動式掘削櫓 統計局B表六桁番号8705.20(重機移動用等特殊車両)に記載の車両用パーツ及び付属品 フローティング又は半潜水掘削・生産プラットフォーム フローティングドック 7304236000 7304241000 7304246000 7304291055 7304293155 7304295000 7304296100 7305111000 7305115000 7305121000 7305125000 7305191000 7305195000 7305203000 7305207000 7306110000 7306191000 7306195000 7311000000 7613000000 8207130000 8207191030 8207195030 8413500010 8413600050 8413820000 8413920000 8421398020 8421398030 8421398040 8430494000 8430498010 8430498020 8431390050 8431434000 8431438010 8431438090 8479899850 8705200000 8708998175 8905200000 8905901000 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? A米財務省による追加制裁 同日、米財務省はロシア3金融機関、1軍事技術企業に対する制裁を発表した。エネルギー企業に対する追加制裁は含まれていない。 金融機関への制裁は、国営金融機関のBank of Moscow、ロシア農業銀行 (Rosselkhozbank)、VTB(Vneshtrogbank)の3金融機関に対するものであり、7月16日の金融機関への制裁と同様、中長期の米国金融市場へのアクセスを禁ずるものである。米国内資産及びその利子の資産凍結は行わない。軍事技術企業は統一造船(United Shipbuilding Corporation)が対象となっており、米国金融市場へのアクセスを禁止するとともに米国内資産を凍結する。EUが予定している制裁とは異なり武器の禁輸措置は含まれていない。 これに対してロシア外務省は7月30日、米国による経済制裁強化に関して「米ロ両国の協力が必要な役割を果たす国際問題にも極めて悪い状況を生むものである」と批判する声明を発表した8。 【国際経済Peterson研究所(在ワシントン)の経済制裁の専門家Gary Hufbauer】この措置は、既にGlencoreやBPなどの企業との原油供給取引において前払いへの依存度を高めているRosneftにとって、資金調達コストの上昇をもたらす。Rosneftは借入にあたり、新たに銀行を探さなくてはならず、新規事業への投資のスピードを遅らせることになる。但し、イランへの制裁のように、ロシアの原油輸出に直接影響を与えたり、制限するものではなく、遥かに軽いものである9。 【Jacobson Burton社(ワシントン)の国際貿易専門の弁護士Doug Jacobson】このリストに見られる資機材は広範囲に及んでおり、世界的に有名な米国の大手油田サービス会社が提供するサービスの多くが含まれている。ロシアの石油・ガス関連会社およびロシアでビジネスを行っている米国企業に重要な影響を与える可能性がある。これまでの対露制裁のうち、オリガルヒを対象とするもの以外では、米露双方にとって最もインパクトが大きい。エネルギー業界向けの制裁により、ロシア企業はアジアの企業から代替技術を調達するか、何年かかけてでも独自に開発するかを余儀なくされる10。 【Barclays Capital】2014年はロシアで探鉱・生産に$500億以上が投下される見通しで、巨額のマネーが欧米の大手油田サービス会社に支払われるはずであった。米欧いずれの制裁も、ロシアとの既往の4)アナリストの見解 ( 8 共同, 2014/7/31 9 Reuters, 2014/7/18 10 IOD, 2014/8/06 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? _約には適用されない見込みだが、長期的にはHalliburtonやSchlumbergerのような大手の国際的な油田サービス会社のいくつかに損害を与える可能性がある。両社のロシアでの売り上げは、世界中の売り上げの約5%を占めている11。 (1)EUによる7月12日の制裁 .EUによる対露経済制裁 37月12日、EUはウクライナ問題を巡り、資産凍結や渡航禁止の制裁対象に加えた11人の名前を公表し、即日実施された。対象はウクライナ東部で活動する親ロシア派幹部らで、ウクライナから一方的な独立を宣言した「ドネツク人民共和国」の「首相」を名乗るボロダイ氏12をはじめ、武装集団のリーダーら11人である。ロシア政府関係者は含まれなかった13。 これに対してプーチン大統領は7月15日、ユンケル次期欧州委員長と電話で会談し、「EUとロシアの関係が試練に直面している」として制裁を強化しないよう要請した14。 EU首脳らは6月下旬の首脳会議でロシアやウクライナの親露派に対して求めた緊張緩和策が実行されていないと判断し、米国の対応に合わせ、7月16日に開催した非公式首脳会議で追加制裁を決めた。EUの政策金融機関である欧州投資銀行(EIB)、およびEU加盟国が多く出資する国際開発金融機関である欧州復興開発銀行(EBRD)に対しても、ロシアでの新規融資を停止するよう求めることで一致した。EU内での資産凍結や渡航禁止の対象を拡大する方針も打ち出した。首脳会議ではこの「強化した基準」に沿って7月末までにその詳細を決定するとした。これまではクリミア編入に関与した政府・議会幹部などが中心であったが、これらの政治家などに物資や金融の支援をしている企業や個人も制裁対象2)EUによる7月16日の経済制裁 (3)その後の対露追加制裁 (に加える方針を示した15。 11 IOD, 2014/8/06 12 ロシア国籍でモスクワの元コンサルタントのボロダイ氏は8月7日辞任を表明したが、「副首相」に留まった。後任の「首相」には地元ドネツク出身のザハルチェンコ氏が就任した。 13各紙、2014/7/12 14毎日、2014/7/17 15 日経, 2014/7/17 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 月17日のマレーシア機撃墜事件を受け、EUは7月22日、ブリュッセルで外相理事会を開き、ロシアに対して追加制裁を行うことを決めた。東部ウクライナの親露派武装集団への支援を中止しなければ、軍事、エネルギー、金融など同国の経済中枢への包括的な制裁を行うという内容である。また、資産凍結と渡航制限を柱とする既存の制裁については対象となる個人や企業を拡大する。包括的な制裁措置のあり方と制裁拡大の対象については欧州委員会が検討し、24日の外相理事会に報告する16。 欧州委員会のGuenther Oettingerエネルギー担当委員は7月23日、「もしロシア政府がウクライナ東部での事態収束に向けた努力を怠るのであれば、EUはロシア北極海の油田・ガス田開発を支援する技術的な援助を行うべきではない」と述べた。これまでEU高官らは、「エネルギーがウクナイナ危機を解決するための道具として使われるべきではない」と主張してきたが、初めてロシアによる石油・ガス開発関連技術へのアクセスを制限することを提案したもので、大きな方針転換と言える。この発言は、メルケル首相が新たな対露制裁に言及した日になされ、この姿勢の変化を受けたものと言える17。 欧州連合(EU)は、7月24日から大使級会合を開き、翌25日、在欧資産凍結やEU域内への渡航禁止の制裁対象に追加した15個人18企業・団体を官報に掲載し、発動した。新たにフラトコフ対外情報局(SVR)長官、ボルトニコフ連邦保安局(FSB)長官、安全保障問題の最高政策立案機関である安全保障会議のパトルシェフ書記、ヌルガリエフ副書記等、ロシアの情報・安全保障担当の高官が加わった。企業・団体ではウクライナ東部の親露派組織「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」などを指定した。ロシア企業は含まれていない18。 (4)EUによる7月31日の対露経済制裁 7月29日、欧州連合(EU)は大使級会合で、金融取引の制限や武器取引の禁止などを含むロシアへの本格的な追加制裁で合意した。資産凍結ではプーチン大統領に近い個人や企業を対象に加えた。この詳細な内容は、7月31日付けの官報(No.833/2014)”Council Regulation (EU) No.833/2014 of 31 July 2014 concerning restrictive measures in view of Russia’s actons destabilizing the situation in Ukraine” で公表され、即日施行された19。ロシア外務省は7月30日、EUによる経済制裁強化に関し 16 各紙、2014/7/23 17 Reuters, 2014/7/23 18 各紙、2014/7/26 19 Council Regulation (EU) No.833/2014 of 31 July 2014 concerning restrictive measures in view of Russia’s actons destabilizing the situation in Ukraine http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1407833062306&uri=CELEX:32014R0833 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ト、米国追随であり、欧州でエネルギー価格が上昇する結果を招くと批判した20。 合意した主な追加制裁の内容は、下記の4点である21。 ①(cid:1) 武器への転用可能な技術供与の制限(第2条) 民生・軍事両用の製品の輸出については、EU加盟国政府からの許認可という措置が適用される。 ②石油分野の技術供与の制限(第3条) ロシアに対して石油分野の技術供与の制限では、大水深石油探鉱開発技術、北極における石油探鉱開発やロシアにおけるシェールオイル・プロジェクトの掘削などの技術が対象になる(表2参照)。表2に列挙された資機材を直接・間接に販売、供給、移転、輸出するに当たっては事前に認可が必要となる。認可対象の資機材は以下の通り。シームレス・パイプ、掘削用パイプ、ケーシングおよびチュービング、掘削・坑井用資機材、可動式掘削リグ、探鉱・生産用の浮動式および半潜水プラットフォーム、軽量船舶、消防船、掘削櫓、その他緊急用船舶、浚渫用船舶、漁船・軍艦22。 また、表2の使用に関する技術指導、斡旋に関しても事前の認可の対象となる(第5条3項(a))。制裁措置の実行は個々のEU加盟国に委ねられている(第8条)。 表2の禁止リストに掲載された資機材はいずれも石油を対象とすると明記されている。当初は天然ガスの技術も含める案が浮上したが、ロシアがガス供給を制限する対抗措置に出る可能性があったため除外されている。なお、第5条第5項の後段では、2014年8月1日以前に締結された「契約または合意(a contract or an agreement)」によるものであれば、当局は認可を与えるとしている。「合意」に関する定CNコード 73041100 73041910 73041930 73041990 73042200 73042330 73042910 品目 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、ステンレス鋼製 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、鉄又は鋼製、外径168.3ミリ以下(ステンレス、鋳鉄製を除く) 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、外径114.3ミリ以上406.4ミリ以下(ステンレス、鋳鉄製を除く) 石油・ガスパイプライン用のシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、外径406.4ミリ以上(ステンレス、鋳鉄製を除く) 石油ガス井戸掘削用パイプ、ステンレス鋼製 石油ガス井戸掘削用パイプ、鉄又は非合金鋼製 石油ガス井戸ケーシング、チュービングシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製外径168.3ミり以下(鋳鉄製を除く) 20 共同, 2014/7/31 21 各紙、2014/7/30 22 Interfax, 2014/8/01 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 義はなく、拡大解釈の余地を残している。 2. EUによる制裁品リスト 表ホ油井戸ケーシング、チュービングシームレスラインパイプ、ステンレス以外のその他合金鋼製、外径168.3ミリ以上406.4ミリ以下(鋳鉄製を除く) 石油井戸ケーシング、チュービングシームレスラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、外径406.3ミリ(鋳鉄製を除く) 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向でのサブマージアーク溶接されたもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向でその他の方法で溶接されたもの、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、長さ方向で溶接されたもの以外のもので圧延仕様、円形断面、外径406.4ミリ以上、鉄又は非合金鋼製 石油・ガス掘削用ケーシング、円形断面、外径406.4ミリ以上、圧延仕様、鉄又は合金鋼製 石油・ガス用ラインパイプ、圧延仕様、ステンレス鋼製、外径406.4ミリ以下 石油・ガス用ラインパイプ、鉄又は非合金鋼製、(ステンレス、鋳鉄製を除く) 石油・ガス用ケーシング・チュービング、ステンレス鋼、外径406.4ミリ以下 石油・ガス用ケーシング・チュービング、溶接圧延仕様、鉄または鋼、外径406.4ミリ以下(ステンレス、鋳鉄製を除く) 焼結金属カーバイドまたはサーメット製稼働パーツ付き交換可能砕岩又はボーリング機器 ダイヤモンド或いは集塊ダイヤモンド製稼働パーツ付き交換可能砕岩又はボーリング機器 電動往復動容積ポンプ、841311及び841219に記された内部燃焼ピストンエンジン用燃料潤滑冷却ポンプ及び結合ポンプを除く 電動回転ポンプ、841311及び841219に記された内部燃焼ピストンエンジン用燃料潤滑冷却ポンプを除く ポンプ以外の揚液機 揚液機、仕様特定せず 非自走式非油圧式掘削装置(トンネル掘削機及び手動機械を除く) 四桁番号8428に記載の装置部品 仕様特定せず 六桁番号8430 41または843049に記載の掘削装置部品 仕様特定せず 四桁番号8426, 8429, 8430に指定の装置部品 仕様特定せず 移動式掘削用櫓 フローティング又は半潜水掘削・生産プラットフォーム 遠洋用軽量船、消火船、クレーン船、その他の船舶、本体機能より航行性能の劣るもの(浚渫船、フローティング又は半潜水掘削・生産プラットフォーム、漁船、軍艦を除く) 73042930 73042990 73051100 73051200 73051900 73052000 730611 730619 73062100 73062900 82071300 82071910 841350 841360 84138200 84139200 84304900 ex 84313900 ex 84314300 ex 843149 8705200 89052000 89059010 ③新規の武器取引の禁止(第4条) 武器取引の禁止では、ロシアとの間で新規の売買契約を結ばないこととする。フランスはロシアにヘリコプター搭載可能なミストラル級の強襲揚陸艦2隻を売却する契約があるが、この売却は8月1日前の既往契約であることから今回の制裁からは外された。 ④金融取引の制限(第5条) 金融取引の制限では、ロシア政府が51%以上を出資する金融機関が発行する償還期間が90日以上の債権や株式をEU市場で売買すること、およびEUの個人や企業が売買することを禁じる。国営最大手銀SberbankやVTB(Vneshtrogbank)などが対象になる。一方で、民間企業の株式やロシア国債Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? の購入は禁止されない。 5)他の追加制裁 (月30日、欧州連合(EU)は30日付の官報No.826/2014で、ロシアへの追加制裁として、プーチン大統領に近い企業家のアルカジー・ローテンベルクなど個人8人と3企業を資産凍結などの対象に加えると公表した。EUがプーチン政権を支える企業家を対象にするのは初めてとなる。この措置で、EUによる資産凍結などの制裁は95人の個人、23団体・企業となった。ローテンベルクはプーチン大統領と付き合いが長く、少年時代の柔道の練習相手でもあった。プーチン政権下で財産を築き、ロシアのクリミア編入に橋梁建設などで協力した点が制裁の根拠になったと思われる。米国は3月に同氏を制裁対象に加えている。企業家にはロシア政府に近いロシア銀行の大株主であるコワリチュクも含まれた。団体・企業ではロシア政府系で地対空ミサイルなどを製造する「Almaz-Antey」やクリミアで独占的な地位を持つ銀行などを対象に加えた。31日付けで発動された23。 同じ日、先進7か国(G7)と欧州連合(EU)の首脳は、ウクライナの主権や領土の一体性、独立に対する侵害をロシアが続けていることに重大な懸念を表し、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の「違法な併合」や、ウクライナ東部を不安定化させる行動について改めて非難する共同声明を発表した24。 (6)ロシア側の対応 ロシア中央銀行は7月30日、制裁対象となった3銀行に対しては、支援するために必要な措置を取ると声明を出した25。これを受けて、Gazprombank(国内第3位)は「国民福祉基金」にRb400億($11億)の優先株を売却することを提案した。Rosselkhozbank(農業銀行、国内第5位)は、Rb1,000億($287)EUの制裁に関するアナリストの見解 (億)の支援を政府に要請した26。 EUによる経済制裁の内容に関しては、Reuters通信が詳細な分析を行ったが、プロジェクトの大半が対象外となる極めて「寛大」な制裁であり、、短期的にも長期的にも大きな打撃を与えることはないとして、実質的な効果に疑問を投げかけている27。 同紙は、EU規則には既存および将来のプロジェクトのすべてではないにしても、いくつかの重要な例外が含まれており、大半が除外されると指摘している。即ち、 23 各紙, 2014/7/31 24 共同, 2014/7/30 25 読売, 2014/7/31 26 The Moscow Times, 2014/8/07 27 Reuters, 2014/8/05 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? E制裁対象は石油だけでガスは含まれない(第3条3項) ・8月1日より前に締結された「契約ないし合意から生じる」機器、技術アドバイス、融資に対する輸出は認められる(第3条第5項の後段の部分) ・制裁対象は深海、北極圏、シェールオイル・プロジェクトだけに限定され、在来型油田は対象とはならない(第3条3項) の3点である。 よって、現在進行中のほぼすべてのプロジェクトが制裁対象から外れると推定され、EUの制裁は、むしろロシアの石油・ガス企業とビジネスを行うことに対する政治的受容可能性のシグナルを送ることを意図しているとも解される。更に、この制裁はEUが一般国民と米政府にウクライナ東部上空でのマレーシア機撃墜事件に関して何等かの対応措置を取っていることを示すための「対応演目」であると結論付けている。 一方、国際エネルギー機関(IEA)は、8月12日、米とEUの制裁について、産業界の一致した見方として、短期に石油ガス供給に具体的な影響を与えることはなく、中期においてもその影響は疑問だとした。その理由として、制裁項目が選択的で、既往契約が除かれている点を挙げている。そして、ロシアの石油生産が減退することはなく、2014年で対前年比1.3%(前の1.9%の予測か菅義偉官房長官は7月28日、ロシアに対し追加の制裁措置に踏み切ると発表した。ロシアによるクリミア併合やウクライナ東部の不安定化に関与している個人や団体の日本国内の資産を凍結するほか、クリミア産品の輸入も制限する。この中には、黒海・アゾフ海で石油・ガス事業を行っているChernomorneftegazが含まれる。今後、資産凍結と産品輸入制限については閣議了解後に実施する。EUが欧州復興開発銀行(EBRD)に求めているロシア向け新規案件の停止についてもEUと協調して対応する29。8月5日に、閣議決定を経て発動された。 日本による制裁に関して、InvestCafeのアナリストGrigory Birgは、日本による経済制裁があってもエネルギー分野での両国の協力関係に大きな変化はない。日本はエネルギー供給のような重大な経済 28 IEA, Oil Market Report, 12 August, 2014. ? 12 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ら下方修正して)となるとした28。 .その他の国による制裁 4(1)日本による制裁 竭閧ノついて政治に決定を委ねる気はないと評している30。 (2)カナダ、オーストラリアによる制裁 7月24日、カナダ政府はロシア企業・団体との取引禁止という制裁措置を発動した。一方、オーストラリアのアボット首相は、30日に、現時点で追加制裁を科す予定はないと述べた31。 EUに加盟していないノルウェーでは、Borge Brede外相が、EUから共同歩調の要請を受けたことを踏まえ、7月30日にEUの措置を慎重に検討して最終的な決論を出すと述べた32。 その後、8月11日に、Brede外相が近々、EUが7月31日にとったと同様の対露経済制裁に踏み切ると述べた33。但し、ロシアのノルウェーに対する対抗制裁は8月7日に発動されている。 EUは7月30日の制裁で、Aeroflotの100%子会社であるDobrolyotをも対象としたが、機体のリース契約に抵触するとして8月4日から運行の停止を余儀なくされた。Dobrolyotこれは今年の6月からモスクワとクリミヤ半島中部のシンフェローポリを結ぶためにロシア初のLCCとして開設されたものであるが、これにより一般のロシア人のクリミアとの往来が大きく阻害されることになり、ロシア側は態度を硬化した。 プーチン大統領は8月5日、ウクライナ危機をめぐる欧米諸国による経済制裁への対抗措置を取るよう政府に指示した。ロシアは制裁合戦で国内経済に負の影響が出ることを懸念して、これまで欧米の経済制裁に対し本格的な対抗措置を取ることを控えてきたが、今回、抑制的ながらも対抗措置をとる考えを示した34。 翌6日、プーチン大統領はウクライナ問題を巡りロシアに対して制裁を課した国からの農産物などの輸入を1年間禁止・制限する大統領令に署名した。欧米による本格的な対ロシア制裁が先週に実施され 29 日経, 2014/7/28 30 PON, 2014/8/08 31 共同,2014/7/30 32 Bloomberg, 2014/7/31 33 IOD, 2014/8/14 34 共同, 20914/8/06 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 4)ロシアによる対米・EU対抗制裁 (3)ノルウェーの対応 (トから初めての対抗措置となる35。 メドベージェフ首相は更にその翌日、ウクライナ情勢を巡る対露経済制裁への対抗措置として、プーチン大統領の指示に基づいて、米国、EU、カナダ、オーストラリア、ノルウェーからの肉類、魚介類、青果物、乳製品などの輸入を禁止したと発表した。禁止措置は8月7日から1年間とした。日本は含まれていない。首相は禁輸措置を発表した政府の会議で、「アジア太平洋地域へ運航する欧米の航空会社にロシアの上空通過を禁止することを検討している」と述べ、追加の制裁措置もあるとの警告を発した。ウクライナの航空会社に対しては7日、上空通過を禁止した36。メドヴェージェフ首相は声明の最後に、「すべては米欧制裁の対抗措置であり、対抗すべき米欧の制裁解除を期待したい」と締めくくった。 東欧では農水産業がロシアという巨大市場を失い、対応に苦慮し始めたとの報道がある37。スロバキアのフィツォ首相は8月14日、制裁は「無意味」と批判し、域内での経済成長の脅威となるとの認識を示した。ハンガリーのオルバン首相は翌15日、対露制裁でEU自体が経済的な痛手を負ったとし、強硬姿勢の再考を呼びかけた38。 「売らない」制裁よりも、「買わない」制裁の方が、短期的には効果を上げている様である。 ウクライナのヤツェニュク首相は8月8日、ロシアのクリミア併合への支持や、ウクライナの領土的一体性を損なう活動に関わったとして、資産凍結などの対ロシア経済制裁の実施を国家安全保障会議に提案したと発表した。対象は個人172人と65法人に上る39。 更にヤツェニュク首相は同国経由でのガス供給の一時停止に関する質問に答える形で、実施する可能性のある制裁リストには、「あらゆるリソースの通過の完全または部分的な禁止が含まれる」と述べた。即ち、ロシア産天然ガスの欧州への供給を一時停止する可能性のあることを明らかにしたものである40。 8月11日、ウクライナ国営天然ガス会社NaftogazのコボレフCEOは、ウクライナがロシアに対し独自の制裁を科す場合でも、自国領土を経由するロシア産ガスを欧州に供給し続ける方針を示した41。 こ5)ウクライナによる制裁 ( 35 各紙 2014/8/07 36 各紙、2014/8/08 37 毎日, 2014/8/13 38 Reuters, 2014/8/15 39 共同, 2014/8/09 40 Bloomberg, 2014/8/09 41 Reuters, 2014/8/11 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? 黷ヘ、ヤツェニュク首相の発言を現場サイドで否定したものと見られる。 ウクライナの最高会議(議会)は14日、戦闘が続く東部地域の親ロシア派武装勢力を支援するロシアの個人や法人に、独自制裁を科す法案を可決した。対象には「テロへの資金的援助」を理由に、露国営企業ガスプロムも含まれている42。また、この中には欧州へのガス輸送を停止する権限も含まれているが、自動的に実施される訳ではないとNaftogazは説明している43。 同じ日、ウクライナ領内の通過パイプラインと貯蔵設備に関して、欧州と米国の企業が49%を保有できるという法案も450議席中228の賛成で可決した。ウクライナ政府51%を持ち、操業はNaftogazが受け持つ。これは欧米からの投資により、ウクライナのパイプラインの近代化を促進しようとするものだと、Yatseniuk首相は述べた。現時点で関心を表明した米欧の企業はない。Naftogazは今週初め、欧州のガス需要家がウクライナとロシアの国境でガスを受け取る様、Gazpromとの契約を改定することを求めた。ECとGazpromはこの2つの法に関するコメントを控えている44。 但し、通過国によるガスの輸送停止は、パイプラインの下流にあたる欧州各国からの反発は必至で、実施は困難と見られる。1994年12月に採択された「エネルギー憲章条約」の第7条1項には、調印国に課せられた義務として、エネルギー原料・産品の「通過の自由の原則(Freedom of Transport)」が謳われており、出発地及び仕向け地による差別・不合理な制限は排除されることになっている45。ウクライナの今回の制裁法は、この条項に反しており、パイプラインによる「通過の自由」を妨げる行為となる。ウクライナは同条約を批准しており、パイプライン通過国としてこの義務を果たすことが求められる。 Rosneftは7月31日のEUからの制裁に関して、「ロシア石油業界への資機材供給の制限というEUからの制裁措置の殆どは、ロシアに対して同様の製品を供給する国があるため、Rosneftにとっては死活問題とはならない。供給元のシフトは時間を要するが、資機材供給の方法については策定済みである。 42 産経, 2014/8/14 43 PON, 2014/8/15 44 PON, 2014/8/15 45 エネルギー憲章条約第7条第1項:「締結国は、エネルギー原料及びエネルギー産品の通過を促進するために必要な措置をとる。当該措置をとるに当たっては、通過の自由の原則に沿うものとし、また当該エネルギー原料及びエネルギー産品について、出発地、仕向地若しくは所有による差別又は当該差別に基づく価格上の差別を設けてはならず、不合理に遅延させてはならず、また、不合理な制限又は課徴金を課してはならない。」 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? . 石油企業の対応 5(1)Rosneft ァ裁の影響については、引き続き分析を行う」との声明を出した46。 また、Bob Dudley社長は、Rosneftが米国の債券市場で満期90日超の債券へのアクセスを禁じられている件について、「Rosneft、ひいてはBPがマイナスの影響を受けるとの懸念は抱いていない。Rosneftは、一連の国際的な石油トレーダーおよびCNPCとの石油供給取引で前払いを受けることにより、これらのリスクから守られている」と述べた。しかしながら、同社長は、欧米がロシアの石油業界で使用される資機材の輸出を制限したことについて、Rosneftに対して影響を与えるかについては特にコメントしなかった47。 制裁の前は、セチン社長は安定的なキャッシュフローがあり、返済計画には支障がないとしていたが、8月14日になって、Rosneftは突然、政府から1.5兆Rb($416億)の資金援助を要請した。方法としては、政府がRosneftの社債を、国民福祉基金(総額約$860億)からの供出で買い取る方式が提案されている48。Rosneftは昨年TNK-BPを$550億で買収し負債が積み上がっている。その借入残は、年初に中国CNPCからの$600億の前払い金の内、第1トランシェとして$200億を受けたことで改善していたと言われている(表3参照)。更に、今後その残りが支払われることになる。 輸出先 CNPC CNPC CNPC 年 6 20 25 期 間 2005-2010 量/年 10MMt 総輸出量 48.4MMt 2011-2030 15MMt 300MMt 2013-2037 15MMt 365MMt 総額 - - $270B 前払金 $6B $15B $60B Sinopec 10 2014-2023 10MMt 100MMt $85B $25.5B? 表3 Rosneftと中国の石油企業との石油供給契約と前払い金 輸出ルート 鉄道 大慶支線 大慶支線+カザフ+鉄道 コジミノ? Rosneftは年末までに$120億、来年中に$170億を返済しなくてはならない49。Rosneftが求めている$416億は、返済のためだけでなく新規投資のための資金調達も含まれ、欧米から調達ルートを絞られた結果、政府に求めたものと思われる。国民福祉基金は、40%をインフラ部門に、ロスアトムとロシア直接投資基金(RDIF)に各10%投資することが決まっており、Rosneftの要求は初めから無理なことが分かっている。政府は2週間後に返答することになっているが、Rosneftが窮状を隠れ蓑に安易な調達を狙 46 Interfax, 2014/8/01 47 IOD, 2014/7/30 48 IOD, 2014/8/15 49 日経、2014/8/16 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? チているとの見方もあり、メドヴェージェフ首相は同意しないのではとの観測もある50。Rosenftとしては、資金調達が楽でなくなってきていることは確かであるが、今回の動きがどの程度の苦境を物語るものか、Mikhelson CEOは、制裁下でもYamal LNGは予定通り計画が遂行できるが、資金調達の問題は依然残るとした51。8月4日、Novatekの株主であるGennady Timchenkoは、ITAR TASS通信のインタビューで、「2014年末までのYamal-LNG事業に対する投資額は$80億になる予定」と述べた52。 Yamal-LNGに関しては、適用するLNG技術の問題は当面はなくとも、新規の資金調達の問題がある。今回、全事業額$269億の内、2014年に$80億を調達する必要のあることが明らかになった。少なくとも現状では、米欧からはともに調達は困難であり、中国から調達する可能性が考えられる。また、同社はYamal-LNG事業に保有する権益60%のうち9%を売却する意向であり、カタール、インド、および中国の複数企業が同事業の権益獲得に関心があると言われている。権益売却の動きが加速する可能性今しばらく推移を見守る必要がありそうである。 2)Novatek (北極海に面したペチョラ海でPrirazlomnoye油田を操業するGazpromneftは8月12日、同油田開発で適用する多段階水圧破砕技術に関して、既に主要な資機材は手当て済みであり、短期的には制裁の影響はない、また今後の技術と資機材の入手先については、EUや米国からアジア、中東へ振り向ける意向である53。 4)ExxonMobil ( ExxonMobilは制裁に関しては殆どノーコメントを貫いていたが、Rosneftとの共同事業であるKara海の探鉱は着々と事業を推進している。制裁が発動された7月においてもSeadrill社系列の掘削リグWest Alphaがノルウェーから曳航され始めたとのニュースがあり、制裁の影響が及ぶのかに俄然注目 50 Vedomosti, 2014/8/14 51 PON, 2014/8/04 52 PRIME, 2014/8/04 53 PON, 2014/8/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? 3)GazpromNeft (もある。 ェ集まった。 8月9日、カラ海の東Prinovozemelsky-1鉱区(図1参照)のUniversitetskaya 1号井が開坑となり、 Putin大統領が、モスクワからテレビ会議での中継を通して、West Alphaリグへ掘削開始の指令を送った。これは、ロシアで最北の海洋探鉱井となる。カラ海ではRosneftのSechin社長とExxonMobilのロシア法人のGlenn Waller社長が、掘削開始記念式典に出席した。Universitetskaya 1号井での掘削は結氷期が開始する10月末まで行われる。ライセンスに規定された義務よりも1年前倒しでの掘削開始となる。 図1 カラ海の東Prinovozemlsky-1鉱区 RosneftとExxonMobilは、Seadrill社とWest Alphaプラットフォームのリース契約を2016年7月Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? ワで結んでおり、更に1年間の契約延長が可能となっている。同プラットフォームは最大水深2,000フィート(約610メートル)での作業、最大で2.3万フィート(7km超)までの坑井掘削が可能である54。 Rosneftは制裁に対し予防的な措置を講じていた。EUからの制裁発動を視野に入れて、スイス登記の油田サービス会社Weatherford Internationalと陸上掘削関連資産の購入に係る取引契約($5億)を7月13日に締結した。また、ノルウェーのSeadrill社の子会社であるNorth Atlantic Drilling社とも2022年まで6基の海洋掘削リグの使用契約を7月30日締結した。West AlphaプラットフォームはNorth Atlantic Drilling社からリースしたものである55。 EUによる制裁では、明確に2014年8月1日以前に締結された「契約または合意」については認可されることが記されている(第3条5項後段)。しかし、8月6日に発動となった米国の制裁には、このよな言及がない。複数アナリストは、RosneftとExxonMobiltのJV設立と契約は、米国政府からの制裁が発動した2014年8月1日よりも前に行われたものなので、制裁措置に違反してはいないであろうと考えている。しかし、米国の制裁内容には曖昧な部分があり、恣意的な解釈の余地がある。ExxonMobilは、非常にデリケートな立場に置かれていると思われるが、一方で米政府は今回の試掘開始について特段非難しておらず、既に了解済みである可能性もある。 プーチン大統領はセレモニーで「現在の困難な政治情勢にも拘わらず、ビジネスと常識が優先されるのは喜ばしい。ExxonMobilは古くから信頼できるパートナーであり、我々との関係を高く評価する。このプロジェクトは国の経済に利益をもたらし、世界のエネルギー情勢の改善に寄与し、また、革新的技術の開発や雇用創出にも寄与すると確信している」と述べた。Exxon Mobil RussiaのGlenn Waller社長は、「我々は長期の協力関係を有しており、ロシアでのビジネスを有望視している。今後も長期的に活動していきたい」と挨拶し、Sechin社長は、今回の坑井掘削が「2014年の世界の石油業界におけるゲームチェンジャーとなるであろう」と述べ、北極海探鉱への期待を示した。 RosneftはExxonMobilと2012年9月に合意した北極海での協力事業を拡大し、2013年2月に、更にカラ海、ラプテフ海、チャクチ海での60万km2の探鉱で合意した56。ExxonMobilとしては、Rosenftと同様に、これらの海域の地質ポテンシャルを見極めたいとの思いが強い。図2は、北極海(カラ海、ラプテフ海、チャクチ海)におけるRosneft-ExxonMobil設定鉱区である。今後、これらの海域においても探鉱事業が展開される。 54 Interfax, 2014/8/09 55 IOD, 2014/8/11 56 Rosneft Press Release, 2013/2/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? Shellの7月25日のプレスリリースでは、欧米からの対ロ制裁にかかわらず、同社はロシアでの上流・下流でのビジネスを継続し、ビジネスに係る政策も変更しはないと表明した。ShellはS-2事業で、Gazpromにとって最大のパートナーであり、またShellとGazpromNeftとは、折半出資のJVであるSalym Petroleum Develoment(SPD)を保有し、Bazhonov層シェールオイルの開発に当たっている。 SPDの2013年の原油の生産量は700万tで、事業は順調なスタートを切っている57。 但し、Ben van Beurden CEOはSalym油田Bazhenov層開発が抵触する恐れがあるが、これ以上の制裁はShellによるロシアでのビジネスと戦略的な目的に逆インパクトを与えかねないと悲観的な見通図2 北極海(カラ海、ラプテフ海、チャクチ海)におけるRosneft-ExxonMobil設定鉱区 5)R/D Shell (しを述べた58。 57 RIA Novosti, 2014/7/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? i6)BP BPは対露制裁について、大きな影響はあるものの、Rosneftの19.75%の株式は維持すると、7月29日述べた。BPがRosneftにもつ埋蔵量は石油が50億バレル、ガスが9兆cfと膨大なものである。シェア分の石油換算生産量は第2四半期で98.8万boe/dで2013年より4.6%増となった。これは第2四半期のBP全体の石油換算310万boe/dの32%となり、まさに最重要国という位置付けと言える59。 TotalのPatrick de la Chevardiere CFOは、MH17機の撃墜事件の後、Novatekの株式を買い進めることを中止すると述べた。Totalは6月末の段階で18.2%を保有しており、19.4%まで買い進める計画であった。但し、現段階ではYamalの現場作業は停止しておらず、制裁に関する影響を精査し、8月Halliburtonはロシアでの操業を続ける予定であり、関連する技術関連の制限も含め、同社に事業委託するオペレーターが、適用される全ての法律に完全に準拠している内は操業を継続すると述べた61。 HalliburtonやSchlumbergerのロシアでの売り上げは、世界中の売り上げの約5%を占めており、今後、新規の大水深、北極海、シェール関連での技術サービスは大幅な後退を余儀なくされる。 ロシアの石油・ガス部門で利用される機器の25%は輸入品で、これらは禁輸措置の枠組みにおいて制限される可能性がある。禁輸措置により、欧州のメーカーやサプライヤーは年間約1.5億ユーロの売り上げを失う。一方ロシア側が制裁によるマイナスを実感するのは資機材の新調が必要となる数年先にな末にプロジェクトのパートナーが状況判断する60。 8)Halliburton (7)Total ((1)ロシアにおける石油ガス分野での影響 ①LNG事業(図3参照) .禁輸措置の与える今後の影響 6ると予測される62。 58 PON, 2014/8/04 59 PON, 2014/7/30 60 Bloomberg, 2014/7/30 61 IOD, 2014/8/06 62 RBC, 2014/7/28 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? Tハリン2 第3トレーンは、ロシアが現在計画している中で最も実現性の高いLNG計画と言われている。サハリン2で使用されているLNGの方式は、Shellによる混合冷媒予冷式MCR方式(Shell DMR法)と呼ばれいているもので、主要熱交換器は米国のAPCI社ではなく、独Linde社のSpool Wound型というものである。第3トレーンは、第1、第2トレーンの同一の仕様になると思われ、そのLNGを作るための熱交換器がドイツ製であることから、米国からの制裁はないと判断される。近年、サハリン2の第3トレーンが議論され、2月にはShellとvan Beurden CEOがプーチン大統領と面談し、ロシア側の協力を取り付けた。ガス事業であることから、EUの制裁は考慮する必要がない。Baltic LNGもShellの参加するプロジェクトであり、MCR方式によるものと思われる。 osneftがExxoMobilと進めようとしているサハリン(極東)LNG計画は、現在サハリン2の天然ガスパ Rイプラインを利用できるよう協議している段階で、事業の基本的は骨格はこれから固まってくる。ガス事業であるからEUからの制裁はないと判断されるが、米国からの制裁に関しては、LNG技術等は制裁品図3 ロシアのLNG計画 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? レの記された表1にその一部が入っており、更に「それに限定されず(not limited to)」との文言があることから、抵触する可能性ある。尤も、ドイツの技術を採用すれば制裁の問題は回避できるが、予見できない事情も含まれる可能性がある。同様のことはVladivostok LNGにも言える。 Yamal LNGは、冷却装置の方式などは公表されていないが、昨年末にはFIDがなされ進捗度は高い。基本的な技術を欧州から調達する分には、EUの制裁がガス事業を除外していることから、影響はないものと判断される。むしろMikhelson CEOの発言にあるように、資金調達の問題が重くのしかかっており、中国からの融資の拡大に期待するものと思われる。 ②西シベリアの在来型原油 GazpromNeftを例にとると、2013年に同社が掘削した井戸の42%が水平坑井で、また57%の井戸に対して水圧破砕がなされた63。即ち、在来型の油田であっても、今回制裁対象となっているシェール開発と同様の技術が適用されている。このことから、西シベリアの在来型の既存油田(Brown Field)での再開発事業では、EUからの制裁はないものの、米国からシェール技術と同様のものとして、制裁対象となる可能性はある。このため、西シベリアでの原油生産にかなりのマイナスの影響を及ぼし、ロシア全体で原油生産が漸減傾向に転じる可能性もある。 ③シェールオイル シェールオイル開発に関しては、EUでも明示的に制裁対象としており、新規事業は困難と思われるが、ExxonMobilとRosneft、ShellとGazpromNeftによる西シベリアBazhenov層のシェールオイル、、StatoilとRosneftによる北コーカサスにおけるシェールオイル事業はすでに合意しているものであり、 制裁は回避できる可能性がある。 ④北極海 米国の制裁では「北極海」と記され、EUのそれは 「北極」と記されているが、EUが新規のYamal半島の事業を制裁対象と想定しているかは不明である。既に、ExxonMobilの参加するカラ海の事業が問題なく進められていることから、バレンツ海のENI及びStatoilの事業も、既往契約分として進められるものと思われる。 (2)更なる制裁はあるか? 米下院のマッコール国土安全保障委員長(共和党)は7月30日、ロシアには制裁の衝撃を吸収 63 Vedomosti, 2014/8/15 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? キる力があるとして、米欧の制裁は「効果的ではない」と指摘し、効果のある施策としてロシアの原油輸出を制裁対象とするよう求めた64。即ち、現在のイランに対する制裁のような形態である。 この議論は水面下ではかなり出ているが、特にEUからは経済的な影響が強すぎることから、同意Kudrin前財務相は、自身のツイッターに、この制裁は今後3年間で、ロシアに「少なくとも」$2,000億の損害を与えるだろうと書きこんだ65。 8月6日、オバマ米大統領はウクライナ情勢を巡るこれまでの対ロシア制裁について、「$1,000億から$2.000億の資本が逃避し、ロシア経済は停止している」と述べ、欧米による制裁が有効に機能しているとの見方を示した66。実際、2014年上半期の資本流出は$746億であった67。 しかしChatham HouseのRobin Niblet所長のように、「ロシアの財政赤字はGDPの15%と羨ましいような水準であり、外貨準備は$4,720億に上る。ロシアは特に非在来型探鉱と北極海への西側の投資と技術を失うことにより原油輸出が滞るだろうが、経済的には耐えられるであろう」とする見解もある68。 更に、Renaissance Capital主任エコノミストCharles Robertsonは、「EUによる追加制裁はこれまでの対露措置のすべてを合わせたものよりも影響が大きく、ロシアのGDP回復のモメンタムを中断させる。一方で、この制裁はEU経済に400億ユーロの打撃となる」としている69。 BNPパリバは、ロシアのGDP成長率見通しを引き下げ、2014年は-2%、2015年は-3%としており、ロシアの方がダメージが大きいとしている70。一方、欧州連合統計局は8月14日に、ユーロ圏の第2四半期の実質域内総生産(GDP)成長率は、速報ベースで前期比0.0%のゼロ成長と公表した。国別では、ドイツが0.2%減となっており、5四半期振りのマイナス成長であった71。ウクライナ危機は既に半年以上に及び、企業心理の冷え込みが表れている。 現状は、お互いの我慢比べということになる。そもそも今回の問題は、米国によるNATOの東方拡大3)制裁が与えるロシア・欧州経済への影響 (は得られていないと言われている。 64 産経, 2014/8/01 65 Finantcial Times, 2014/8/14 66 読売, 2014/8/07 67 産経、2014/8/04 68 PON, 2014/8/04 69 DJ, 2014/7/29 70 DJ, 2014/7/30 71 毎日, 2014/8/15 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? ノ端を発し、これにロシアが(西側から見れば)過剰に反応してセバストポリ軍港を含むクリミア半島を占拠したことにある。コストに見合う争いかと問うても、双方ともに引き下がれなくなっている。その点で、ロシアの政治学者フョードル・ルキヤノフの以下の見解は興味深い。「BRICS諸国や第3世界の国々がロシアのウクライナ政府への対抗を支持することはないが、これらの国々は、今回のロシアの行動が、西側からの未曾有の圧力強化に対する対応であったことを理解しており、ロシア非難組には参加していない。中国は、ウクライナを巡る戦いは地域的な紛争ではなく、未来の世界のヒエラルキーの形成を巡る戦いであると考えている」72。 誌(7月以降) 日 月5日、ドネツク州スラビャンスクをウクライナ軍が奪還。武装集団は撤退、州都ドネツクに向かう。ポロ 7シェンコ大統領は、親露派との紛争に訪れた「最初の転機」と位置付け。 7月8日、ポロシェンコ大統領は、親ロシア派武装集団に対する掃討作戦で5日に奪回した東部ドネツク州スラビャンスクを訪問。 7月9日、プーチン大統領はモスクワを訪れたイタリアのモゲリーニ外相と会談、ウクライナ情勢をめぐり悪化した欧州連合(EU)との関係改善に期待を表明した。 7月13日、プーチン大統領は訪問先のブラジル・リオデジャネイロでドイツのメルケル首相とウクライナ情勢を巡り会談した。両首脳は政府軍と親ロシア派の武装集団が早期に停戦を宣言することが必要との考えで一致した。状況の悪化に歯止めをかけるため、中断しているロシアとウクライナ、全欧安保協力機構(OSCE)の代表による協議の再開も必要と指摘した。 7月13日、ロ南部ロストフ州でウクライナから国境を越えて砲弾が着弾し住民に死傷者が。 7月14日、ウクライナ大統領府は、同国東部の親ロシア派武装集団への攻撃作戦に参加していた軍輸送機1機が撃墜されたと発表。大統領府は、ロシア領内からのミサイル攻撃で撃墜された可能性が高いとしている。 7月15日、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5か国(BRICS)は、ブラジル北東部フォルタレザで首脳会議を開き、「新開発銀行」(BRICS開発銀行)の設立を正式に決めた。銀行の本部を中 72 ロシアNow,2014/7/30 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? 早E上海に置く一方、初代総裁はインドから起用。米欧主導の国際金融秩序に対抗する姿勢を鮮明に。 7月16日、米政府はロシアがウクライナの緊張緩和に向けて行動していないとして、ロシア石油最大手「ロスネフチ」や「ガスプロム銀行」などエネルギー、金融分野の4社を中心にした追加制裁を発表した。 7月17日、ウクライナ東部ドネツク州のロシア国境近くで17日夕(日本時間同日深夜)、アムステルダム発クアラルンプール行きマレーシア航空のボーイング777型機(乗員乗客295人)が墜落。乗客乗員は全員死亡。ウクライナ政府は、地対空ミサイルで撃墜されたとの見方。 7月22日、EUはブリュッセルで外相理事会を開き、ロシアに対する追加制裁に合意。 7月23日、フランス政府は、ロシアへの輸出を計画してきたミストラル級強襲揚陸艦2隻のうち1隻を予定通り10月に納入することを決定。 7月23日、ウクライナの安全保障国防会議報道官は、同国東部ドネツク州上空を同日飛行していたSu-25攻撃機2機が撃墜されたことを明らかにした。 7月23日、ロイター通信は、マレーシア機撃墜で使われたとされる地対空ミサイル「ブク(BUK)」を、ウクライナ東部の親ロシア派が保有していたことを武装勢力の幹部が認めたと報じた。 7月24日、ウクライナのヤツェニュク首相が最高会議(議会)で辞意を表明した。ポロシェンコ大統領は同日夜、翻意を促す声明を発表。25日に議会は首相辞任を決議せぬまま閉会した。首相は秋に予定される議会選挙まで職務を継続するとの見方が出ている。 7月25日、EUが新たな制裁対象となる15個人、18企業・団体を官報に記載。 7月28日、米英仏独伊5か国の首脳は、ウクライナ情勢などについて電話会談し、マレーシア機撃墜後もロシアがウクライナ国内の親ロシア派武装集団に武器供給などの支援を続けているとして、週内に新たな追加経済制裁に踏み切ることで一致した。ロシアの基幹産業を対象にする。 7月28日、EUは、28加盟国の大使級会合をブリュッセルで開き、ウクライナ情勢を受けた在欧資産凍結やEU域内への渡航禁止の制裁対象に追加する個人や企業・団体に暫定合意した。 7月28日、オバマ大統領が、ロシアのプーチン大統領に書簡で、1987年に米国と旧ソ連が締結した中距離核戦力(INF※)全廃条約にロシアが違反し、巡航ミサイルの発射実験を行っており、条約違反に認定したことを伝え、ロシアに対し高官協議開催を提案した。 7月29日、EUは大使級会合を開き、ロシアの銀行が発行する債券や株式の購入禁止や武器禁輸など経済制裁での合意。 7月30日、先進7か国(G7)と欧州連合(EU)の首脳は、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の「違法Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ? ネ併合」や、ウクライナ東部を不安定化させる行動について「改めて非難する」とする共同声明を発表。 7月31日、ウクライナ最高会議(議会)は臨時議会で、ヤツェニュク首相の辞任を承認しなかった(7月24日に辞任を表明)。ヤツェニュク氏は首相ポストにとどまることになった 8月3日、英政府はキャメロン首相が北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に対し、ロシアとの長期的な関係を見直すよう呼び掛ける書簡を送ったことを明らかにした。 8月6日、プーチン大統領はウクライナ問題を巡りロシアに対して制裁を科した国からの農産物などの輸入を1年間禁止・制限。 8月6日、ロシアとイラン両政府は、欧米の制裁下にあるイランの原油をロシアが購入するのと引き換えに、ロシアがイランに自動車や電力、インフラ関連の資材や技術を提供する取引に向けた覚書に署名。 8月7日、親露派掃討作戦を指揮するウクライナ国家安全保障会議のパルビー書記が辞任。 8月7日、ウクライナ東部で一方的に「独立」を宣言した「ドネツク人民共和国」の首相を名乗るアレクサンドル・ボロダイ氏が辞任したことが7日、分かった。後任には、アレクサンドル・ザハルチェンコ氏が就任。 8月7日、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長はキエフでポロシェンコ大統領らと会談し、防衛力強化など同国への支援を強化することで合意した。 8月10日、ロシアのプーチン大統領は、南部ソチで、ナゴルノカラバフの領有権をめぐって係争するアゼルバイジャンのアリエフ大統領、アルメニアのサルキシャン大統領との3者会談を開いた。 8月11日、親ロシア派武装集団のプルギン「副首相」は、東部ドネツク州で撃墜されたマレーシア航空機の搭乗者の遺体が全て見つかり、同日中にウクライナ政府側に引き渡しが完了すると述べた。 8月11日、ロシア連邦統計庁は、4~6月の国内総生産(GDP)の実質伸び率(速報値)が前年同期比で0.8%と発表した。0.9%だった1~3月に続いて低迷した。ウクライナ危機を巡り欧米などから制裁を受け、景気のけん引役だった投資や個人消費が落ち込んだ。(日経, 2014/8/12) 8月13日、プーチン大統領はクリミア半島を訪れ、黒海艦隊が駐留するセバストポリに入り、安全保障会議を開いた。 8月14日、英紙ガーディアンの記者の目撃情報によると、ロシアの装甲兵員輸送車等23台が、ルガンスク州国境の町イスバリネの北方でウクライナに侵入。ウクライナ軍がその大半を「破壊」。露国防相はこれを「妄想」だと否定。 8月15日、フィンランドのニーニスト大統領はプーチン大統領と会談。 8月16日、フィンランドのニーニスト大統領はウクライナ・キエフでポロシェンコ大統領と会談。ウクライナGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 27 ? ?@をめぐる仲介役を目指している可能性。 8月17日、戦闘が続くウクライナ東部情勢の安定化に向け、ロシアとウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国外相がベルリンで会談したが、戦闘停止や政治的解決に関する進展はなし。 8月17日、ロシアがウクライナ東部ルガンスクの住民に向けて送った人道支援物資を載せた200台以上のトラックのうち第1陣16台が17日、ウクライナとの国境検問所に到着。した。支援物資の配給を管理する赤十字国際委員会(ICRC)は安全に配給できるようウクライナ軍や親ロシア派武装勢力に戦闘を控えるよう求めている。 8月17日、ウクライナのクリムキン外相は、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に対し、親ロシア派武装集団掃討作戦への軍事支援を求めていることを明らかにした。 (了) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 28 ?
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2014/08/20 本村 真澄
Global Disclaimer(免責事項)

このwebサイトに掲載されている情報は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

※Copyright (C) Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。