カナダ太平洋岸のLNG輸出プロジェクトの最近の動向
レポートID | 1004497 |
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作成日 | 2014-10-01 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-03-05 19:32:42 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
分野 | 天然ガス・LNG探鉱開発 |
著者 | 舩木 弥和子 |
著者直接入力 | |
年度 | 2014 |
Vol | 0 |
No | 0 |
ページ数 | |
抽出データ | カナダ太平洋岸のLNG輸出プロジェクトの最近の動向 更新日:2014/10/7 調査部:舩木弥和子 (British Columbia州ウエブサイト他) 膨大な天然ガス埋蔵量と液化やアジア市場への輸送のコストを抑えられるという利点を背景に、British Columbia州のLNG輸出プロジェクトの数は増加を続けており、2014年9月初めの時点で、同州で計画されているLNG輸出プロジェクトの数は20件に達している。同州政府によると、これらのプロジェクトのFID時期は2014年以降、生産開始は2010年代末から2020年代の初めで、フル生産時の液化能力は合計で2億9,590万t/年、必要とされるフィードガスは判明分10プロジェクトで22.025Bcf/dとなっている。また、これに伴う、パイプラインプロジェクトは6プロジェクトあり、総延長は3,340kmとなっている。National Energy Board(NEB)は、BC州で計画されているLNG輸出プロジェクト20件のうち、すでに9件に輸出許可を与えている。BC州政府も経済成長のためにLNG輸出を促進したいとしており、Clark首相は、2020年までに3件のLNG輸出プロジェクトが操業を開始することを目標とするとしている。 しかし、顧客やパートナーを確保するために、また、BC州が導入するとしているLNG輸出税の詳細が決定されるのを待って、いずれのプロジェクトも少なくとも1年程度、稼働開始の時期を遅らせており、現時点までにFIDを行ったプロジェクトはない。LNG輸出税の行方に加え、労働力不足とそれに伴うコスト上昇や先住民との交渉など課題も存在しており、今後の動向が注目される。 . カナダ太平洋岸のLNG輸出プロジェクトの概要と背景 1 2014年9月初めの時点で、British Columbia(BC)州で計画されているLNG輸出プロジェクトの数は20件に達している。2013年3月時点では公表ベースで8件、2013年11月時点では10件のプロジェクトが計画されていたのに対し、大幅に数を増やしている。BC州政府によると、これらのプロジェクトのFID時期は2014年以降、生産開始は2010年代末から2020年代の初めで、フル生産時の液化能力は合計で2億9,590万t/年、必要とされるフィードガスは判明分10プロジェクトで22.025Bcf/dとなっている。また、これに伴う、パイプラインプロジェクトは6プロジェクトあり、総延長は3,340kmとなっている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? C州で計画されているLNG輸出プロジェクト (LNG in British Columbiaに加筆) カナダの2013年の天然ガス生産量は世界第5位の15Bcf/d1で、BC州はその1/4を生産している。一方、カナダのガス消費量は生産したガスの約30%、BC州のガス消費量は生産したガスの15%程度2と少なく、余剰分はパイプラインで米国に輸出されている。しかし、シェールガス革命により米国の天然ガス生産量が増加したことで、米国へのガス輸出は減少しており、新たな市場としてのアジア等へLNGを輸出することが計画されるようになった。 1 BP Statistical Review of World Energy June 2014 2 石油天然ガスレビュー2013.5「カナダの天然ガス開発とLNG事業の動向」 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 カナダの州別天然ガス生産量 カナダ・米国の天然ガス輸出 (出所:Northeast BC Industry Activity Update) (BP Statistical Review of World Energy June 2014 より作成) シェール革命は米国だけのものではなく、BC州には豊富な非在来型ガスが賦存している。BC州の天然ガス開発省によると、シェールガスの可採埋蔵量はMontneyシェールが271Tcf、Horn Riverが78Tcf等となっている。シェールガスの開発進展により、同州の天然ガス生産量に占める非在来型ガスの割合は2005年の約20%から2012年には約60%まで上昇3し、同州の天然ガス生産量も増加している。 Basin Liard Horn River Cordova Montney 面積 (km2) 9340 11400 2690 29850 BC州のシェールプレイの状況 OGIP Marketable 生産井数 生産量 累計生産量 Large! 448Tcf 200Tcf 1965Tcf gas - 78Tcf 20Tcf 271Tcf 2(2014/3) 200(2014/2) 19(2014/3) 1644(2014/3) 4.5MMcf/d 492MMcf/d 30MMcf/d 2.26Bcf/d 10.1Bcf 635Bcf 25Bcf 2.53Tcf (出所:Northeast BC Industry Activity Update) 3 An overview of Canadian shale gas production and environmental concerns ? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 C州の天然ガス生産量推移 BC州のシェールプレイ (出所:Northeast BC Industry Activity Update) カナダ太平洋岸のLNG輸出プロジェクトからアジア市場への距離と渡航日数は、7,300km、10日間であり、オーストラリアとほぼ同等、米国メキシコ湾岸やモザンビークよりも短くなっている。 また、LNG輸出プロジェクトが多く計画されているBC州北部の年間平均気温は7℃と低くなっている。気温が1度低下すると電力消費効率は1.7%改善できる。したがって、BC州のLNG輸出プロジェクトは、平均気温が25度程度であるオーストラリア、カタール、モザンビークや米国ルイジアナ州のプロジェクトに比べガスの液化やLNGの貯蔵のエネルギー効率の観点から有利となる。 LNG輸出プロジェクト建設地の平均気温 LNG輸出プロジェクト建設地 年間平均気温 BC州北部 オーストラリア カタール モザンビーク 米国ルイジアナ州 7℃ 27℃ 26℃ 23℃ 22℃ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? (出所:LNG in British Columbia) アのように膨大な天然ガス埋蔵量と液化やアジア市場への輸送のコストを抑えられるという利点を背景に、BC州のLNG輸出プロジェクトの数は増加していると考えられる。National Energy Board(NEB)は、BC州で計画されているLNG輸出プロジェクト20件のうち、すでに9件に輸出許可を与えている。BC州政府も経済成長のためにLNG輸出を促進したいとしており、Clark首相は、2020年までに3件のLNG輸出プロジェクトが操業を開始することを目標とするとしている。 しかし、顧客やパートナーを確保するために、また、BC州が導入するとしているLNG輸出税の詳細が決定されるのを待って、いずれのプロジェクトも少なくとも1年程度、稼働開始の時期を遅らせており、現時点までにFIDを行ったプロジェクトはない。 . 進行中のLNG輸出プロジェクト 2BC州で計画されているLNG輸出プロジェクト20件には、Kitimat LNGのように全ての許可を取得しEPC契約を締結したものや、Pacific Northwest LNGのように間もなくFIDを行うのではないかとみられているものから、プロジェクト立ち上げの発表から1か月足らずのものまで様々な段階のプロジェクトがある。 個別のプロジェクトの最近の状況について以下にまとめた。 ① Kitimat LNG Kitimat LNGは、2008年、2009年に連邦政府、BC州政府から環境アセスメント認可を取得、2011年10月にNational Energy Board(NEB)の輸出許可(LNG 1000万トン、20年間)を取得、2013年1月には連邦政府より先住民居留区における同プラント建設許可を取得し、最も早く全ての許可を取得したプロジェクトである。Liard BasinとHorn Riverのガスを、既存のSpectra Energy Transmission Pipeline でSummit Lakeまで輸送、Summit Lake からはKLNG専用のPacific Trail Pipeline(全長:480km(Summit Lake~Kitimat)、パイプライン口径:42インチ、送ガス能力:4Bcf/d)を用いる計画である。当初、Apache (40%)、EOG Resources (30%)、Encana (30%)からなるJVで、マーケティングと資金力が弱いとされていたが、2012年12月に、ChevronがEOG及びEncanaの持分を買収しApacheとChevronの50/50のジョイントベンチャーが設立されたことで、この点についても解決が図られるとみられていた。2011年よりFEEDが行われており、2014年1月にはJGC/ Fluor コンソーシアムとLNG施設についてEPC契約(94億ドル)を締結した。LNGプラント建設地が居留区である先住民Haisla族やパイプラインルート上の先住民15部族とBenefits agreementを締結している。最も先行しているプロジェクトの一つであるが、2014年8月に、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? pacheが同プロジェクトからの撤退を表明しており、今後の動向が注目される。 ② Douglas Channel 先住民Haisla族が自ら出資、参画するプロジェクトであり、輸出許可もKitimat LNGについで2番目に取得した。小規模であるため、パイプラインは既存のPacific Northern Gas Pipeline及び新設のPacific Trail Pipelineの一部を利用する予定とされ、バージを用いたLNGプラントであるため工期も短く、早期の操業開始が期待されていた。しかし、関連企業間の争議や資金不足のためプロジェクトは停止状態にある。なお、Pacific Northern Gas Pipelineは、Summit LakeとKitimat間の525kmに既存のパイプラインに並行してパイプライン口径24インチのパイプラインを敷設し、送ガス能力を拡張する計画である。 Kitimatで計画されているLNG輸出プロジェクト ③ LNG Canada (各種資料より作成) Shell(50%)がオペレーターを務め、三菱商事(15%)/KOGAS(15%)/PetroChina(20%)からなるLNG Canada は2014年5月1日、参加4社が合弁事業契約を締結し、プロジェクト開発に本格的に着手することとなった。これに先立つ、2014年2月12日には、Rio Tint Alkanと港湾施設及び土地利用について契約を締結、広大な土地を確保した。現在は4トレイン、2,400万t/年の液化能力が計画されているが、6トレインまで拡張が可能な敷地が確保されている。パイプラインは、TransCanadaが Kitimat ? Dawson Creek 間にCoastal GasLink Pipelineを建設する計画となっている。Dauglas Channelは不凍の深水溝で、LNG船2隻を同時に係留できる桟橋から90kmで海に出ることができる。先住民Haisla族は、すでにRio Tinto Alcan精錬所の操業を了承しており、天然ガスパイプラインやLNG液化加工施設の設置、操業に関しても了承している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? LNG Canadaのプロジェクト模型と桟橋予定地 (停泊中の船はRio Tinto Alcan拡張工事の作業員宿泊用と見られるラトビア客船TALLINK号) ④ Pacific Northwest LNG Prince Rupert港Lelu島に計画されている Pacific Northwest LNGは、最も早くFIDを行うのではないかと期待されているプロジェクトである。2013年12月16日にNEBの輸出許可を取得し、2014年2月には、Environmental Impact Statement (EIS)を環境規制機関Canadian Environmental Assessment Agency (CEAA)とBritish Columbia Environmental Assessment Office(BC EAO)に提出し、2018年末から2019年初にプロジェクトを実現させようと動いている。 Progress Energy がNorthwest Montneyで生産中のガスを、Trans CanadaがPrince Rupert-North Montney間に敷設予定のPrince Rupert Gas Transmission Projectを用いて供給する計画である。 2013年3月にProgress Energy Canada(Petronas)が保有するシェールガス鉱区及びPacific Northwest LNGプロジェクトの権益の10%並びに、同権益相当のオフテイク10%分をJAPEXが取得したが、その後も、Petroleum Bruneiが同プロジェクトの3%、Indian Oil Corpが10%、Sinopecが15%の権益を取得した。Progress Energyの現在の権益保有比率は62%となっている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? itimat及びPrince Rupertで計画されているLNG輸出プロジェクト (各種資料より作成) ⑤ WCC LNG Imperial/ExxonMobilは当初、Grassy PointにLNGプラント等を建設することを計画し、BC州Grassy PointのLNGプラント等建設に関する公募に応募していたが、計画を変更し、現在はPrince Rupert近くのTsimshian半島Tuck Inlet東岸にLNGプラント等の建設を予定している。2013年6月19日にNEBに輸出許可を申請し、2013年12月16日に輸出承認を取得している。上流アセットとしてHorn River、Montney、Duvernayを保有しており、2023年よりLNG 3,000万トンを輸出することを計画している。 ⑥ Prince Rupert LNG BG GroupがPrince Rupert 港内のRidley島の南西部255エーカーに建設を予定しているPrince Rupert LNGは、当初2トレイン、液化能力1,400万t/年を3トレイン、2,100万t/年に拡張することを計画している。Ridley島周辺は水深が深く、安全な航行が可能とされる。2隻が着岸可能な桟橋を建設するが、道路や鉄道、既存のインフラを利用可能である。BG は、Spectra Energy と敷設する Westcoast Connector Gas Transmissionによりガスを供給する計画であるが、自らは上流資産を保有せずAECO等のガスターミナルでガスを購入するとされている。 2013年6月にNEBに輸出許可を申請し、2013年12月に輸出承認を取得した。なお、2014年4月に、CNOOCがPrince Rupert LNGに参入することでBGと初期合意を締結した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? F Woodfibre LNG シンガポール財閥系企業Pacific Oil & Gasの子会社Woodfibre LNGは、2013年にバンクーバー北方約300km、Squamishの木材工場跡地を2,550万ドルで買収し、ここにLNG輸出プロジェクトを立ち上げる計画である。陸上に液化施設を建設するか、浮体式の液化設備を利用するかを検討していたが、浮体式の設備を利用することとなった。EDF Trading及びTenaskaとガスの供給で合意し、2013年7月にNEBに輸出許可を申請、2013年12月にLNG 210万トンを25年間輸出する許可を取得した。2015年初にFIDを、2017年に生産開始を行う計画である。なお、親会社のPacific Oil&Gasは中国沿岸にLNG受入基地を保有している。 ⑧ Triton LNG Alta Gasと出光興産は、LNGとLPGをアジア向け輸出するためにJV(50/50)を設立した。Triton LNGは浮体式の液化施設を利用する予定である。2013年10月29日にNEBに輸出許可を申請し、2014年4月16日に2017年よりLNG230万t/年を輸出する許可を取得した。 ⑨ Aurora LNG 2013年4月、BC州政府はPrince Rupertの北40kmに位置する公有地Grassy PointでのLNGプラント等建設、操業に関する公募に関し Nexen(CNOOC、60%)/INPEX(20%)/日揮(20%)、Imperial /ExxonMobil Canada、Woodside Energy(Woodside Petroleum)、SK E&Sの4グループの応募を認めたと発表した。その後、絞り込みを経て最終落札者を決定する予定とされていたが、BC州政府によると、Nexen/INPEX/日揮のAurora LNGがGrassy Point North Site、Woodside Energy のGrassy Point LNGがGrassy Point South SiteのLNG輸出プロジェクトとして選定され、Imperial /ExxonMobil のWCC LNGはPrince Rupertに建設予定とされている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? urora LNGは、2013年11月にBC州政府と土地利用に関する合意に達し、2400万ドルを支払って土地614.9ha、沖合158.7haを確保した。同地は、ほぼ無人の半島突端でAurora LNGはその北側にLNGプロジェクトを立ち上げる。同月29日にはNEBに輸出許可を申請、2014年5月1日に許可を取得した。また、2014年4月には、BC 州政府が先住民Metlakatla、Lax Kw’alaams族とrevenue-sharing agreementを締結している。Aurora LNGは、FIDを2017年に、生産開始を2021年に予定している。 Grassy pointで計画されているLNG輸出プロジェクト ⑩ Kitsault Energy Project (出所:Woodside Energyホームページ) KitsaultはPrince Rupert北方140kmの湾の奥深くに位置し、昔鉱業で栄えた地域である。米国での医療関係で財をなしたインド系投資家が同地を買収し、開発中である。他のプロジェクトに比べ、パイプライン敷設距離が約200km短くできるメリットがある。Kitsault Energy は2013年12月31日にNEBに輸出許可を申請し、LNG2,000万t/年の輸出を計画している。 ⑪ Canada Stewart Energy Project Canada Stewart Energy Group Ltd (Stewart Energy)は、Stewartで2017年より液化能力500万t/年のFLNGを設置し、その後、陸上に2,500万t/年の液化設備を建設してLNG輸出を実施する計画だ。同プロジェクトは、2014年3月5日にNEBに輸出承認を申請した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? C州で進行中のLNG輸出プロジェクト 関連会社 Chevron Apache Douglas Channel Gas Services)Haisla族 Golar LNG LNG Partners LLC Shell、三菱商事 KOGAS PetroChina Progress Energy JAPEX Petroleum Brunei Indian Oil Corp Sinopec Imperial Oil ExxonMobil British Gas Woodfibre LNG Export Pte. Ltd (Pacific Energy Corporation) AltaGas、出光興産 Nexen INPEX 日揮 Kitsault Energy Canada Stewart Energy WesPac Midstream Vancouver Steelhead LNG 先住民部族Huu-ay-aht Woodside Energy 液化能力 当初500万t/年 1,000万t/年 180万t/年 状況 NEB輸出承認取得:2011/10 FEED実施中 輸出開始時期:2017年 NEB輸出承認取得:2012/2 FEED終了 輸出開始時期:2016年 当初1,200万t/年 2,400万t/年 当初1200万t/年1,920万t/年 当初 1000~1500万t/年 3,000万t/年 当初1400万t/年2,100万t/年 210万t/年 230万t/年 2,400万t/年 2,000万t/年 当初500万t/年3,000万t/年 300万t/年 NEB輸出承認取得:2013/2/4 エンジニアリング、環境評価実施中 FID:2015年 NEB輸出承認取得:2013/12/16 FS終了 プレFEED実施中 FID: 2014年末 輸出開始時期:2018年 NEB輸出承認取得: 2013/12/16 FID: 2018年 輸出開始時期:2023年 NEB輸出承認取得: 2013/12/16 FID: 2017年 NEB輸出承認取得:2013/12 FID:2015年初 輸出開始時期: 2017年 NEB輸出承認取得:2014/4/16 NEB輸出承認取得:2014/5/1 FID: 2017年 輸出開始時期:2021年 NEB輸出承認申請:2013/12/31 パートナーを募集中 NEB輸出承認申請:2014/3/5 パートナーを募集中 NEB輸出承認申請:2014/6/20 3,000万t/年 NEB輸出承認申請:2014/7/7 2,000万t/年 NEB輸出承認申請:2014/7/18 Quicksilver Resources 2,000万t/年 NEB輸出承認申請:2014/7/28 LNG Cedar Development(Haisla族) Orca LNG Export 1,450万t/年 NEB輸出承認申請:2014/8/28 プロジェクト Kitimat LNG Douglas Channel* 場所 Kitimat Bish Cove Kitimat LNG Canada Kitimat Pacific NorthWest Prince Rupert近郊 Lelu島 Prince Rupert Tuck Inlet Prince Rupert Ridley島 Squamish - Grassy Point North Site Kitsault Stewart Delta Tilbury 島 Alberni Inlet Grassy Point South Site Campbell River Kitimat Prince Rupert WCC LNG Prince Rupert LNG Woodfibre LNG* Triton LNG* Aurora LNG Kitsault Energy Stewart Energy* WesPac Steelhead LNG Grassy Point LNG Discovery LNG Cedar1,2,3 LNG Export* Orca LNG* Watson Island LNG Prince Rupert Watson Island LNG - 2,400万t/年 NEB輸出承認申請:2014/9/4 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? NG輸出プロジェクト供給用のパイプラインプロジェクト プロジェクト Pacific Trail Pipeline 関連会社 Chevron Apache* Coastal Gaslink Pipeline Trans Canada Pacific Northern Gas Transmission Pipeline Expansion Prince Rupert Gas Transmission Pacific Gas Northern Trans Canada Gas Westcoast Connector Transmission Eagle Mountain ? Woodfibre Gas Pipeline Spectra Energy BG Group FortisBC 概要 全長:480km(Summit Lake~Kitimat) パイプライン口径:42インチ 送ガス能力:4Bcf/d 全長:650km(Dawson Creek~Kitimat) パイプライン口径:48インチ 送ガス能力:1.7Bcf/d 全長:525km(Summit Lake~Kitimat) パイプライン口径:24インチ 投資規模:50億ドル 全長:900km パイプライン口径:48インチ 送ガス能力:2~3.6Bcf/d 全長:850km パイプライン口径:48インチ 送ガス能力:4.2Bcf/d 全長:52km パイプライン口径:20インチ 備考 Kitimat LNG専用パイプライン LNG Canada専用パイプライン 既存のパイプラインに並行してパイプラインを敷設、送ガス能力の拡張を行う Pacific Northwest LNGにガスを供給 供用開始:2018年末 Prince Rupert LNGにガスを供給 供用開始:2019年 Woodfibre LNG専用パイプライン (各種資料より作成、■Kitimat、■Prince Rupert、■Grassy Point、*FLNG) ⑫ WesPac WesPac Midstream Vancouver (WPMV)は、2016年よりDelta近郊のTilbury 島からLNG 300万t/年を輸出する計画で、2014年6月20日にNEBに輸出承認を申請した。 ⑬ Discovery LNG Quicksilver Resourcesの中堅中小規模の天然ガス上流開発事業者Quicksilver Resourcesは、バンクーバー島Campbell Riverのパルプ工場跡地をLNGプラント用地として購入し、ガス価格リンクでのLNGの販売を計画している。Campbell River市周辺には、既存のFortis BCが所有する(民生用)天然ガスパイプラインが存在している。Quicksilver Resources は2021年よりLNG 2,000万トン/年を供給する計画で、2014年7月にNEBに輸出許可を申請した。 ⑭ Steelhead LNG Steelhead LNGと先住民Huu-ay-aht族 (HFN) はOpportunity Development Agreementを締結し、Alberni Inletの南 Sarita BayのAnaclaから10 kmの地点に位置するHFN 所要地でLNGプロジェクトを実施する計画である。Steelhead LNGは25年間にわたりLNG 3,000万t/年を輸出する承認を求め、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 014年7月7日にNEBに申請を行った。 ⑮ Grassy Point LNG 2014年1月16日、Woodside Energy はGrassy Pointの南側のサイトについてBC州政府と土地利用に関して合意した。Woodside Energy は2014年7月18日にNEBにLNG輸出許可を申請し、2021年の生産開始を目指している。 ⑯ Cedar LNG Export Development 先住民Haisla族が保有するCedar LNG Export Developmentは、2014年8月28日、FLNGの3プロジェクト(Cedar 1 LNG Export、Cedar 2 LNG Export、Cedar 3 LNG Export)からLNG輸出を行うための申請をNEBに行った。Cedar LNG Export Developmentは、Kitimat近郊に桟橋を建設しFLNG3隻を設置する計画である。液化能力はCedar 1 LNG Exportが290万t/年、Cedar 2 LNG ExportとCedar 3 LNG Exportが各580万t/年で、合計で1,450万t/年とされている。 ⑰ OrcaLNG 米国企業OrcaLNGは2014年9月4日、NEBに25年間にわたりLNG輸出を行う許可を申請した。同社は、Prince Rupert近郊にFLNG6隻(液化能力は2,400万t/年)を設置し、2019年にLNGの輸出を開始することを計画している。ただし、ガスの供給源やパイプラインについては明らかにされていない。 ⑱ Watson Island LNG Watson Island LNGはPrince Rupert、Watson島に小規模なLNG輸出ターミナルを建設する計画であるが、NEBへのLNG輸出許可申請等はまだ行われていない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? LNG輸出プロジェクト供給用のパイプラインプロジェクト 3. BC州LNGプロジェクトの課題 ①LNG輸出税 BC州は2014年10月にLNG輸出税についての詳細を発表、12月末までに最終的に決定し、2015年1月から導入する計画である。 BC州は2014年2月に、LNG輸出税の税率を、当初は純利益の1.5%、建設コスト回収後は7%とすると発表した。しかし、Shell、Chevron、AltaGas等から、建設コスト回収後の税率7%では、BC州からのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? NG輸出は競争力を失ってしまうので、税率を引き下げるように要求があった。また、Kitimat LNGからApacheが撤退することもあって、BC州政府には税率引き下げの圧力がかかっており、BC州政府は投資を促進するよう、より産業寄りの税制を導入するのではないかとの見方がある。BC州政府はcapital cost回収までは低いロイヤルティ率を課すとしているAlberta州のオイルサンドの枠組みをモデルとし、ロイヤルティも引き下げるのではないかと見る向きもある。 ②労働力不足 Alberta州でオイルサンドプロジェクトが進展しているため、カナダの石油、ガス産業の労働者市場はすでにタイトな状態にあると伝えられている。そのため、同様の石油、ガス産業の労働者について比較した場合、カナダの労働者は米国の労働者よりも60%多く収入を得ている4。このような状況が、オーストラリアのLNGプロジェクトのように、コスト上昇とプロジェクトの遅延につながるのではないかとの懸念が生じている。 BC州政府とカナダ連邦政府は、2014年3月に、天然資源はカナダの経済発展にとって重要であるとのMOUを締結した。政府はこれに基づき、職業訓練プログラムを充実させ、外国人熟練労働者に対するビザ自由化を行うことで熟練労働者を増やすことを計画している。 ③先住民問題 先住民は、一般的に、重質油やビチューメンの輸送には反対している。しかし、LNGプロジェクトに関しては、Haisla族がKitimatの2件のLNGプロジェクトに参画している。また、ガスパイプラインのルート上に居住している先住民との間では、収入配分協定(revenue sharing agreements)や経済便益協定(economic benefit agreements)の交渉が行われている。BC州政府も、先住民に関しては多くの問題が生じているものの、ガスの輸送に関しては楽観的な見通しとしている。ガスプロジェクトに対してこのような反応が見られるのは、石油に比べ、パイプライン破損等による流出時の影響が少ないと考えられることが原因と思われる。 4 ITTA Report Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? |
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