ページ番号1004500 更新日 平成30年2月16日

メキシコの石油開発の改革:ラウンドゼロとラウンドワンの動き

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レポートID 1004500
作成日 2014-10-08 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報探鉱開発
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2014/10/8 調査部: 伊原 賢 (メキシコ石油公社ペメックス、メキシコ・エネルギー省SENER、メキシコ国家炭化水素委員会CNH、JOGMECワシントン・ヒューストン・メキシコ事務所ほか) 近年のメキシコにとって最大の課題であったエネルギー改革に向けた憲法の部分改正(以下 エネルギー改革法と呼ぶ)は、2013年12月20日にペーニャ・ニエト大統領によって公布され、メキシコでの石油開発事業への外資の参入機会が開かれることとなった。 外資を導入するための具体策として、石油法やペメックス法を含む2次法制は、2014年8月11日にほぼ原案通り成立した。8月13日には、ペメックスが引き続き開発を行う鉱区(ラウンドゼロ)と一般入札(ラウンドワン)の対象鉱区が明らかになった。 2014年11月からペメックスとのジョイントベンチャーのパートナー入札を皮切りに2015年11月まで実施予定のラウンドワンに、外資の参入機会が具体化することになろう。 キシコの石油開発の改革:ラウンドゼロとラウンドワンの動き メ メキシコは膨大な炭化水素資源を有し、石油と天然ガスの確認可採埋蔵量は139億バレルと世界17位を誇る(メキシコ石油公社ペメックス[Petroleos Mexicanos, Pemex 以下ペメックスと呼ぶ]、2014年初 図1)。 2014年3月21日にペメックスはペメックスが引き続き開発を行う鉱区をラウンドゼロとして、エネルギー省(Secretaria de Energia, SENER 以下SENERと呼ぶ)に申請した。同国の2P(確認+推定)埋蔵量の83%に当たる217億バレルと想定資源量の31%である355億バレルが申請対象であった。技術力や資金力の不足が見込まれる大水深油ガス資源(水深500m以深)やシェール資源については、外資との共同操業を前提として申請した。 . 油田開発の現状と課題 1 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1/13 }1 メキシコの炭化水素資源と埋蔵量の分布 メキシコでは油田の国有化が始まった1938年3月18日から70年代までは陸上油田からの生産が主であったが、80年代から現在までの原油生産は洋上油田が主となり、生産量を伸ばし、累計原油生産量は400億バレルに到達している(天然ガスも含む原油換算では550億バレル)。しかし、原油生産レートは2004年のピーク340万バレル/日から2008年には250万バレル/日にまで落ち込み、その後、下げ留まっている(図2)。 図2 メキシコの原油生産プロファイル(1960年から) 2/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 PEP:ペメックスの石油開発部門 SENERが2013年4月に公表した原油の生産予測からは、既存油田からの生産量は2020年までに3割減少する見通しとなっている(原油生産量【除NGL/天然ガス液】:2011年250万バレル/日 → 2020年175万バレル/日)。生産量を250万バレル/日と現状維持するとしても、今から僅か6年で、新規油田開発の成果を上げる必要がある。 減退してきた確認可採埋蔵量もようやく2011年から100%(1年間に追加された確認可採埋蔵量=1年間の生産量)を上回る回復を見せてきたが、新規の油田発見よりも既発見の3P埋蔵量(確認+推定+予想)から1P埋蔵量(確認)への組み換えに過ぎないという厳しい指摘もある。 また、表1に示すように、原油生産量の減少のみならず、天然ガス、ガソリン、石油化学製品の輸入量増大という課題も抱える。 表1 メキシコ・エネルギー産業の変遷データ 出所:CNH, SENER 原油生産量(万バレル/日) 探鉱開発投資(億ドル/年) 輸出原油価格(ドル/バレル) 天然ガス消費量(百万立方フィート/日) 天然ガス生産量(百万立方フィート/日) 天然ガス輸入量(百万立方フィート/日) ガソリン消費量(万バレル/日) ガソリン生産量(万バレル/日) ガソリン輸入量(万バレル/日、米国から) 石油化学製品消費(億ドル/年) 石油化学製品生産(億ドル/年) 石油化学製品輸入(億ドル/年) メキシコの電気料金(2013年第1四半期)は、家庭用と産業用の平均で1.5ペソ/kWh(補助金有り)、2.1/kWh(補助金なし)。米国の同時期の電気料金の約10セ2012年 250 207 103 7905 5762 2143(27.1%) 81.1 41.6 39.5(48.7%) 220.9 76.2 144.7(65.5%) 1997年 300 47 13 4576 4467 109(2.4%) 50.3 37.6 12.7(25.2%) 60.9 36.2 24.7(40.6%) 2004年 340 117 31 5667 4524 1143(20.2%) 54.2 44.2 10.0(18.5%) 124.8 30.2 94.6(75.8%) かしながら、メキシコの油田開発を一手に引き受けるペメックスには重い税負担がのしかかる。生産油 しガスの売上総額の71.5%から、探鉱投資額の一部、採掘コスト、ほかの税や負債の合計を引いた額がメキシコ政府に召し上げられるのだ。EBITDA(税引き前利益に支払利息と減価償却費を加算。他人資本を含む資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかの利益概念)は非常に良く、他の巨大企業と比べても高い。しかし、手元に残るお金は収入に対して極わずかとペメックスは経済的にパラドックスな存在となっている。これを石油産業関係者は、「メキシコ政府は金持ちなのに、ペメックスは貧しい男」と皮肉を込めて呼ぶ。 さて、新規油田開発の成果を上げる切り札とされるのが、大水深の油田開発とシェール資源の開発だ。Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 3/13 ントの各々25%、75%増し(1米ドル=12メキシコペソ)。 }1に示したように、2011年、ペメックスはアメリカ合衆国に接する海上の国境の近くのペルディト(Perdido)エリアにおいて油を発見した。第1の発見井トライオン(Trion)1号井において2.5億~5億バレルの軽質油が賦存する可能性があると、2012年半ばに発表した。カルデロン前政権に対して、堆積盆地全体では100億バレルの賦存可能性を進言するニュースにつながった。ペルディトエリアに対する期待は2012年末シュープリムス(Supremus)1号井にて1億2500万バレルの埋蔵量が見つかったという発表により、更に強められた。次の井戸マキシミノ(Maximino)1号井の結果は「冠の中の宝石」と評価した。ペメックスは2013年から2017年にかけて、メキシコ湾の大水深に計32坑の探鉱井を掘削中である。しかし、大水深では探鉱に伴うコスト・リスク・複雑性を考えれば、大水深開発に十分な知見を持つ会社とのパートナーシップが、ペメックスの大水深開発の鍵となろう。シェール資源に目を転じると、ペメックスはメキシコのシェール資源を原油換算で602億バレル(オイル53%、ガス47%)と推定している。 2. エネルギー改革法 メキシコは1938年の油田国有化宣言以降、ペメックスが国内で民間企業と共同で事業を行うことを禁じてきた。採掘技術や資金メカニズムを向上させるために民間企業と手を組むことは世界的に行われており、ペメックスはそれができない唯一の石油公社であった。 2013年12月に公布されたエネルギー改革法のポイントは次の4点である。 ? エネルギー改革により、ペメックス単独では採算が見込めず、行われてこなかった大水深油田やシェールオイル・ガスの開発が進むと期待。 ? 国家債務を増加させることなく投資資金や最先端技術を調達することで、埋蔵量の増加や、国際的経済競争力の引き上げに貢献。 ? 大統領は炭化水素の所有権は国有のまま維持し、国家主権を強化すること、透明性を保証することを強調(中東で見られる利権契約の可能性はない)。 ? 石油・ガスの探査・採掘において国が民間企業と契約を締結する際は、住民との協議・監査の下で実施。石油基金の創設とペメックス取締役会からの石油労組排除も特筆。 次法制の整備が必要となり、国会審議を経て、8月11日に成立した。但し、法整備や外国企業の体制 2準備も考えると、メキシコ政府は、外国企業がエネルギー分野へ参入できるのは2015年以降と考えている。 原油生産の減退やペメックスの責任の大きさ、ペメックスの財政的・技術的な課題に対処するためには外国企業の技術導入やリスクの共有が必要であり、外国企業を惹きつけるPSC(生産物分与契約)の導入Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 4/13 ェ期待される。石油契約上の経済条件(原油価格リンクの期待報酬)や埋蔵量の財務諸表への資産計上の可否の詳細が投資にあたっての関心事となろう。また、ペメックスの操業や財務能力の向上を前提とした一層の独立性を確保するための措置が取られ、ペメックスの生産減少に伴い政府収入(政府歳入の30%程度)も減少しているため税制改革も行われるだろう。ペメックスの投資の判断も政府の意向に左右されるような構造であったが、改革によりペメックスは海外の石油会社と同様な会社(ブラジルのペトロブラス、コロンビアのエコペトロール)への移行が期待される。新しい体制の下ではペメックスは政府から独立した形となり、必要に応じて子会社を設立し、民間の石油会社とパートナーを組む形になるであろう。その場合の政府との契約主体はペメックスが行うこともあれば、民間石油会社が行うこともある。 メキシコ湾の大水深油田では、米国側の海域では既に80社以上の国際企業が採掘活動を実施し日量100万バレル以上を生産しているが、メキシコ側では1バレルも生産されていない。米・メキシコ沖合開発協定が2013年12月19日に批准され発効の準備が整った。大水深油田の開発にはジョイントベンチャー(JV)組成も含め5-8年の期間を要する。 また、陸上では米国テキサス州南部のイーグルフォード・シェールエリアと同じ埋蔵地帯がメキシコ北東部まで続くと期待されているにもかかわらず、メキシコ側では炭化水素生産は行われていない。イーグルフォードでは日量200万バレル以上が生産されている。大水深油田、シェールオイル・ガスの分野に精通した企業によって開発を行うことで、メキシコの原油生産レート(現在は日産250万バレル)を押し上げることが可能というわけだ。 石油開発の会計制度も変更となる予定であり、これまで政府が石油収入の約70%を徴収していたのに対して、新制度の下では、ロイヤリティや法人税といった費目で国際的な慣習に沿った、政府への税納付が行われる予定である。生産原油の所有については、サービス・利益分与契約が国家へ帰属、生産分与・ライセンス契約においては、契約の内容により石油会社への帰属となるが、埋蔵原油の所有についてはメキシコへの帰属は変わらない。新しい組織体制の下では、新しい組織の設立、新しい役割の付与が行われる。 SENERは、案件ごとにサービス契約やPSCといった外資導入形態のデザインを行う。国家炭化水素委員会(Comision Nacional de Hidrocarburos, CNH 以下CNHと呼ぶ)は地質情報等の技術情報の取りまとめ、入札の実施や契約の署名、契約の管理を行う。財務省(Hacienda)は会計条件を設計し、サービス契約や利益分与契約の場合には国が市場のマーケティングをサポートする。石油開発による政府の収入、契約への対価支払い等は石油基金が執り行う。 この改革で重要な点は、今後、ペメックスはメキシコ政府の収入源の確保に責任を負わなくなることにある。政府が必要とする財源は、政府自らが契約を用意、管理、運営して確保する。短期的には政府の財源Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 5/13 ヘ引き続きペメックスの生産分からの収入に依存することになるが、長期的には他の石油会社が行う生産2014年8月13日、メキシコ・ペーニャ・ニエト大統領の2次法制の署名式での演説のとおり、メキシコ・エネルギー省(SENER)、炭化水素委員会(CNH)及びペメックスは、ラウンドゼロの結果、ラウンドワンの対象鉱区を公表した。 しかし、メキシコの国内には依然資源の民営化に対して根強く反対している勢力が存在し、2015年の中間選挙に向けて予断は許されない。改革の究極的な目的は外資を呼び込むことであり、法制が彼らにとって魅力的に映らなければ、それは改革の失敗を意味する。新しい法制度の下でいくつかの組織及び権限の整備を短期間で行うことも課題である。更に、16万人もの職員を抱えるペメックスを2015年12月20日までに文化的側面も含めて、新ペメックスとして再編することも困難な課題となろう。改革によって損を被る人も存在するからだ。ローカルコンテンツ(機材・部品等の現地調達率)のルールについても整備されていくであろう。外資勢にとっては早期に参入すればリスクは高いが、それなりの対価は得られる。逆にリスクを見極めて遅く参入すれば、当然ながらその対価は低くなる。 ペメックスはメキシコ全体の2P(確認+推定)埋蔵量の83%(申請の100%)、想定資源量の21%(申請31%、結果として申請の67%が認められた)の保持を認められ、面積9万km2、石油換算で2P埋蔵量206億バレル、想定資源量221億バレルを保持することとなった(表2、図3)。 .1 ラウンドゼロの結果 3からの財源が増えていくことを期待している。 3. ラウンドゼロとラウンドワンの動き 表2 認可された2P(確認+推定)埋蔵量と想定資源量の内訳 出所:CNH, SENER 認可量 認可 / 申請 面積(km2) 埋蔵量 / 生産量 (石油換算100万バレル) (%) (年) 2 P埋蔵量 想定資源量 在来型 非在来型 20,589 22,126 (18,222) (3,904) 100 67 70.9 51.6 17,010 72,897 (64,489) (8,408) 15.5 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 6/13 ^イプ / エリア 2P埋蔵量 想定資源量 (石油換算100万バレル) (石油換算100万バレル) 在来型 浅海 南東部 北部 陸上 南部 チコンテペック(Chicontepec) ブルゴス(Burgos) 北部 大水深 トペ ル デ ィ(Perdido) ホロックハン(Holok-Han) 20,589 11,374 11,238 136 8,818 4,379 3,556 425 459 397 - 397 - 20,589 18,222 7,472 7,472 - 5,913 5,371 - - 542 4,837 3,013 1,824 3,904 22,126 非在来型 計 図3 エネルギー省SENER公表のラウンドゼロ鉱区 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 7/13 .2 ラウンドゼロの取り扱い 表3に示す南部地域Poza Rica Altamiraや北部地域Burgosをカバーする22の既存契約(CIEP: Integrated Exploration and Production ContractとCOPF: Financed Public Works Contract)について改革を反映した内容の新契約へと変更される。この変更は2015年2月から2015年8月にかけて行われる予定。これら新契約への移行は、入札に付されない。 表3 新契約へ変更される既存契約(COPF、CIEP)第一弾 - 2014年 Boe = 石油換算バレル、M = 千、 MM = 百万 出所:CNH, SENER 2P Reserves 3P Reserves MMCFD 新契約へ変更される既存契約(COPF、CIEP)第二弾 - 2015年 Boe = 石油換算バレル、M = 千、 MM = 百万 出所:CNH, SENER 2P Reserves 3P Reserves MMCFD ラウンドゼロによってペメックスが取り置いた資産に関しては、10プロジェクト(表4)について、ペメックスGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 8/13 Km2MMBoeMMBoeMMBoeOilMBDGasMMPCD20132014-20151Cinco PresMagallanes2.71693693-7.4101381332Bellota JujoSantuario2.71304141-8.042001333APRAAltamira1.81,625613132.1050724APRAArenque1.62,03566829945.402412155APRAPanuco1.81,83929371321.681553316APRASan Andres1.82092025311003.20861777APRATierra Blanca1.83583660371.401371038BurgosNejo7.31,1653244-9.92104506029BurgosOlmos10.53581345-0.032010810BurgosMision10.61,9726881-0.011011017911APRAEbano10.91,5844056-0.30249575TOTAL11,4445691,0831,276393451,8362,628#ProductionTo May 2014InvestmentMMUSDAssetAreaContractOperatingYearsP2ReservesP3ReservesResourcesAreaKm2MMBoeMMBoeMMBoeOilMBDGasMMPCDMMUSD1BurgosPirineo*9.33,8401116-024.3525.52BurgosCuervito*10.62315868-0.6530.6311.13BurgosFronterizo*10.62313135-0.4126.6270.44BurgosMonclova*7.33,35834-017.9490.65ATGAmatitlan02303689292520.10.1-6ATGMiahuapan0128882791010.30.4-7ATGMiquetla0.7112195224860.92.5-8ATGPitepec0.12304401,0492520.10.1-9ATGHumapa01282605031571.12.1-10ATGSoledad0.71251792911283.48.1-11SamariaCarrizo**2.413651----TOTAL8,6261,6393,43997671131,598*Oil production is referred to the production of condensed**Suspended P3ReservesResourcesProductionInvestmentHistoryTo May 2014#AssetAreaContractOperatingYearsAreaP2Reservesェファームアウトすることによって民間企業とのパートナーシップを形成して開発を行う。このファームアウト10契約は、成熟油田、洋上重質油田、大水深ガス田、ペルディトエリアの新規発見の4種類に大別される。これらの鉱区は早期に成果が現れるよう特に重視されており、ラウンド0.5と呼ばれた。この通称ラウンド0.5と呼ばれていたものは、2014年9月にラウンドワンの中でファームアウト案件として取り扱われることが明らかになった。 表4 ラウンド0.5の対象鉱区(2014年8月時点) 出所:CNH, SENER 2P Reserves 3P Reserves SENERの当初案では169鉱区が入札の対象となる。うち109鉱区が探鉱、60鉱区が生産段階。対象鉱区には浅海、重質油、チコンテペック/非在来型資源、陸上成熟油田、大水深を含む。CNHは今回発表の対象鉱区に対するコメントを受け取り、11月の第4週に最終入札対象鉱区を決定する。SENERはそのホームページに特設サイトを創設し、対象となる169エリアを発表している(表5、図4)。 表5 ラウンドワン対象鉱区の2P(確認+推定)埋蔵量と想定資源量の内訳 石油換算100万バレル 出所:CNH, SENER 鉱区数 大水深ペルディト 大水深南部 チコンテペック、非在来型 陸上、浅海、重質油 非在来型 想定資源量 想定資源量 2P埋蔵量 想定資源量 2P埋蔵量 想定資源量 想定資源量 9/13 1,591 3,222 2,678 8,927 1,204 724 142 11 17 28 62 32 11 8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 .3 ラウンドワンの鉱区 3Field / GroupAreaKm2P2 ReservesMMBoeP3 ReservesMMBoeInvestmentMMUSDYears toengageOnshore (Rodador, Ogarrio,Cardenas-Mora)312.8247.9263.61,7015Offshore (Bolontiku, Sinanand Ek (Jsk))119.4350.1497.36,3306Field of extra-heavyoffshore oilAyatsil-Tekel-Utsil88.8746.6862.56,23310Giants deepwater gas(Kunah-Piklis)Kunah-Piklis55.3211.9501.66,79310Trion22.6-304.68,0758Exploratus*12.9-234.43,1658TOTAL611.71,556.52,664.032,295*Its reserves will increase by the end of 2014Mature fieldDiscoveries in PerdidoArea (AP-Oil) ラウンドワン対象鉱区の2P埋蔵量と想定資源量の内訳:探鉱/開発、在来型/非在来型 出所:CNH, SENER 鉱区のタイプ 開発 2P埋蔵量 探鉱 想定資源量 石油換算100万バ% 石油換算100万バ% レル レル 在来型 陸上 チコンテペック 浅海 重質油 大水深 非在来型 TOTAL 3,782 61 2,671 293 757 - - 3,782 15.2 0.2 10.8 1.2 3.0 - - 15 5,537 - - 724 - 4,813 9,069 14,606 11 - - 7.0 - 21.0 15.0 13 図4 エネルギー省SENER公表のラウンドワン鉱区 ENERは9月26日より、パブリックコメントを得ている。入札実施機関であるCNHは今年11月の第4 S週に入札条件を発表して最終的な対象エリアを決定し、入札を受け付ける予定である。 石油開発に係る契約形態および経済条件は、SENER が各対象の特性を踏まえて決定し、ライセンス、生産物分与、利益分与、サービスのいずれかが適用される。ただし、ラウンドワンではライセンスおよび生産物分与の2形態がほとんどとなる見込みである。 前述したように、巷間で囁かれた「ラウンド0.5」というのは存在せず、ラウンドワンのファームアウト案件とGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 10/13 オて同時に実施する。ラウンドワンは、表6に示すように11月に浅海を対象に実施した後に、重質油、チコンテペックおよび非在来、陸上(成熟油田)、大水深という計5グループの順で順次実施予定である。 表6 ラウンドワンのタイムテーブル 出所:CNH, SENER(World NOCs Congress Americas @メキシコ・カンクン 2014.9.26) Sinan, Bolontiku, Ek tsil-Tekel-Ayatsil U 4Ogarrio, adador, Mora-Cardenas Rrion, Exploratus(北部) Kunah-Piklis(南部) T各グループともに入札公開の2ヶ月後にデータルームをオープンする。同時にデータパッケージも販売される。現状ではデータはすべてペメックスの手元にあり、今後CNHへの移管がなされる(CNHはすべてのデータを完全に把握している訳ではなく、移管されるデータの量・質が参入各社に共通する懸案事項である)。データルーム開示から4-5 ヵ月後に落札者を決定する。入札およびその評価はCNHが実施す .4 民間の参入機会 3る。 民間は、9月中旬以降の相対交渉によりペメックスとのパートナーリングが可能となるが、その権益取得には入札プロセスを経る必要がある。パートナーリングに当たっては、メキシコでの操業主体であるペメックスとの関係を進化させるとともに、権益付与の面で今後機能が拡充されるSENER/CNHとの協力体制を構築する必要もある。そのための手段として、技術協力や人的交流が必要であろう。ペメックスとのJVのパートナー選定は、ペメックス役員会とCNHのどちらが主導権を握るのかについても注視する必要があろう。 ペメックスは新ペメックス(State-Productive-Company)として、2015年12月を目処に石油開発事業を主2014年11月 ラウンドワンの入札情報(契約条件ほか)のアナウンス 2014年11月~2015年5月 浅海の入札(ラウンドワンの一部) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 11/13 後の主なタイムラインは、次のようにまとめられる。 今体に再編される予定である。 <Lシコ合衆国にとって、石油は外貨獲得の重要な手段であり、1938年以来、資源ナショナリズムのもと、国営石油会社ペメックスのみが石油の採掘を行ってきた。しかしながら、ペメックスの収益の大半はメキシコ政府の財源にあてられているため、石油の新規採掘のための投資が完全に不足している。メキシコではシェール資源や水深500m以深の大水深油ガス田の存在が確認されているが、ペメックスの資金と技術力だけでは採掘が困難であり、今後新規に油ガス田が開発されなければ、石油生産量は2020年に向けて30%減少すると予想されている。この状況を打開するべく、ペーニャ・ニエト大統領は、2013年12月20日にメキシコ憲法を改正して、エネルギー政策として外資への開放に大きく舵をきった。 油ガス田の採掘技術や資金の流れを向上させるために、技術力や資金力に長けた外資と手を組むことは世界中で行われているが、メキシコ政府は、長年に亘り、一部のサービス契約を除き、ペメックスが第三者と共同事業を行うことを禁じてきた。シェール資源の採掘や大水深での探鉱活動に伴うコストやリスクを考えると、資金や知見に富む企業とパートナーシップを組むことがペメックスにとって喫緊の課題となった。メキシコ政府はこれから外資導入を進める一方で、地下に賦存する石油や天然ガスといった炭化水素資源の国家所有堅持を変えていない。しかし、これらの資源は一旦地表まで採取されれば、外資にもその取り扱いが認められるのではないかと期待される。 JOGMECは、10年ほど前からペメックスに対して、探鉱プロジェクトの共同スタディである「海外地質構造調査」や油田からの随伴水処理をコンパクトに行うシステムを提供してきた。このような活動を通してペメックスとの信頼関係を築くとともに、メキシコの油ガス田開発の情報を先行的に収集することができた。これからは、JOGMECは培ったペメックスとの友好関係や油ガス田情報を活用して、日本企業のメキシコ進出2014年12月~2015年6月 重質油の入札(ラウンドワンの一部) 2015年1月~2015年7月 チコンテペック、非在来型資源の入札(ラウンドワンの一部) 2015年2月~2015年9月 陸上成熟油田の入札(ラウンドワンの一部) 2015年3月~2015年10月 大水深の入札(ラウンドワンの一部) 2015年12月20日 新ペメックス発足 . まとめ 4・ 毎日新聞社「週刊エコノミスト」、メキシコが石油ガス政策を変更 76年ぶり外資に開放へ、2014年2月18日、伊原賢 ・ JOGMEC石油天然ガス資源情報「メキシコが石油ガス政策を変更 76年ぶり外資に開放へ(短報)」、2014年3月6日、伊原賢 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 12/13 に向けて、橋渡しのスピードアップを図る。 参考資料> <ネ上 ・ JOGMEC石油天然ガス資源情報「メキシコの石油開発の改革:ラウンドゼロと2次法制の動き」、2014年7月9日、伊原賢 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 13/13
地域1 中南米
国1 メキシコ
地域2
国2
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地域6
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地域9
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地域10
国10
国・地域 中南米,メキシコ
2014/10/08 伊原 賢
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