ページ番号1004505 更新日 平成30年2月16日

ベネズエラ:石油産業をめぐる最近の動向

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レポートID 1004505
作成日 2014-10-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/10/20 調査部:舩木弥和子 ベネズエラ:石油産業をめぐる最近の動向 (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas、Business Monitor International他) 2014年9月2日、Nicolas Maduro大統領は内閣改造の一環としてRafael Ramirez氏を石油鉱業大臣、PDVSA総裁及び経済財政担当副大統領の職から解き、外務大臣及び政治主権担当副大統領に任命した。後任の石油鉱業大臣にはAsdrubal Chavez氏が、PDVSA総裁にはEulogio Del Pino氏が、経済財政担当副大統領にはRodolfo Marco Torres氏が任命された。10年以上にわたりベネズエラのエネルギー、石油部門のトップを務めたRamirez氏が同部門を離れることで、今後、同国のエネルギー、石油産業にどのような影響が生じるのか注目される。 . 12. 世界銀行の仲裁機関、国際投資紛争解決センターは10月9日、ベネズエラ政府に対して2007年に接収したExxonMobilの資産の賠償として、同社に16億ドルを支払うようにとの仲裁判断を下した。Exxon Mobil 同様に、ベネズエラ政府に資産を接収されたConocoPhillipsは10月10日に、PDVSAを相手取り国際商業会議所に仲裁を申し立てたことを明らかにした。 3. PDVSAは、2014年7月末に、子会社Citgoが操業する製油所等の一部もしくは全部の売却を含めベネズエラ国外の資産を再編する計画で、国外資産売却により得た資金を国内の既存設備の拡張、改良や新規施設建設に充てるとした。9月末にMaduro大統領がPDVSAはCitgoの資産を売却する計画は無いと発言したものの、その後もCitgo資産売却のプロセスは継続しているという。 4. オリノコベルト超重質油新規プロジェクトは、インフラや投資が不足しているため遅延したり、生産量が伸び悩んだりしており、2012年後半以降、これらのプロジェクトから撤退を表明する企業が出現するようになっている。このような状況を改善しようと、石油部門への投資に伴う為替取引を新たに導入された通貨入札制度Sicadを通じて行うように変更したり、パートナーにより大きな決定権を与えるよう契約条件を変更するために交渉を行ったりするなど、ベネズエラ政府側の譲歩も見られるようになっている。一方、ベネズエラ湾Cardon IV鉱区Perlaガス田開発プロジェクトは2014年8月時点で69%まで完成しており、12月までには生産を開始できる計画であるという。サービス会社の中には、PDVSAからの支払いの遅れや悪化するベネズエラの経済状況を懸念して、ベネズエラでの操業を縮小するものもある。 5. PDVSAはアルジェリアの軽質原油を輸入し、希釈剤として利用することを計画している。また、11月中旬より、ウラル原油75万~100万bblをロシアから輸入することも検討しているという。 . Rafael Ramirez氏、石油鉱業大臣兼PDVSA総裁の職から解かれ外務大臣に 12014年9月2日、Nicolas Maduro大統領は内閣改造の一環として、Rafael Ramirez氏を石油鉱業大臣、PDVSA総裁及び経済財政担当副大統領の職から解き、外務大臣及び政治主権担当副大統領に任命した。Ramirez氏の後任として、石油鉱業大臣にAsdrubal Chavez氏が、PDVSA総裁にEulogio Del PinoGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ≠ェ、経済財政担当副大統領にRodolfo Marco Torres氏が任命された。 Ramirez氏は、Chavez前大統領に対する一貫した忠誠心や機敏な政治判断から、Chavez前大統領から全幅の信頼を寄せられ、2002年7月にエネルギー鉱業大臣(現在の石油鉱業大臣)に、2004年11月にPDVSA総裁に任命され、10年以上にわたりベネズエラのエネルギー、石油部門における最も影響力のある人物であった。Chavez前大統領没後の2013年10月には経済財政担当副大統領にも任命され、エネルギー部門だけでなく、経済全般についても発言力を有していた。 Ramirez氏が石油鉱業大臣、PDVSA総裁及び経済財政担当副大統領の職から解かれた背景には、同氏がベネズエラに3つ存在する為替制度の一元化や世界で最も安いとされるガソリン価格の引き上げを主張していたのに対し、政権内にはこれに反対する勢力があり、Maduro大統領がこれを懐柔しようとしたのではないかとの見方がなされている。また、ベテランの政治家であると同時に、エネルギー問題を把握し、長年、ベネズエラのエネルギー、石油部門に影響力を保持していた同氏を同部門から排除することで、Maduro大統領の同部門での権限を強め、管理を強化しようとする意図があるのではないかともみられている。 PDVSA総裁に就任したEulogio Del Pino氏は、ベネズエラ中央大学を卒業、Stanford大学で修士号を取得した物理探査の技術者で、1979年にPDVSAに入社し、探鉱・開発部門の様々な部門を歴任、2005年にPDVSA役員に任命された。また、PDVSA子会社のCVP(Corporacion Venezolana del Petroleo)のトップとして、外国の石油会社との業務を調整してきた。 石油鉱業大臣に就任したAsdrubal Chavez氏はChavez前大統領のいとこで、化学部門の技術者として1979年より石油産業に従事し、El Palito製油所に勤務、 2005年にはPDVSAの役員となり、2007年からPDVSAの精製、貿易、供給部門副総裁を務めてきた。 経済財政担当副大統領に就任するRodolfo Marco Torres氏は財務大臣を務めており、今後は経済財政担当副大統領と財務大臣を兼務することになる。 ベネズエラ政府の役職は専門的な経歴とは関係なく任命されることが多いが、長年石油産業に従事してきたDel Pino氏とAsdrubal Chavez氏がPDVSA総裁と石油鉱業大臣に任命されたことについては、合理的であると歓迎する向きもある。 また、今回の内閣改造により、10年ぶりに石油鉱業省とPDVSAが別個の人物により運営されることになる。Ramirez氏が両機関の長を務める以前には、両機関の間に緊張関係が生じることもあったが、Del Pino氏とAsdrubal Chavez氏は良好な関係にあり、そのため両機関の間に競合が発生する可能性は低いのではないかとみられている。 Del Pino氏は、探鉱・開発部門のトップであったことからベネズエラの同部門の状況に精通しているものの、同氏はRamirez氏の指揮下にあり、ここ数年にわたり減少している同国の石油生産量を増加させるための主要な課題に手を付けられなかったと見る向きもある。そして、Ramirez氏がエネルギー、石油部Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 蛯」れたことで、Del Pino氏は、石油・天然ガス生産量を増加させるために外資との関係を強化するのではないかとの見方をしている。 しかし、Ramirez氏の指揮下にあった人員がPDVSAと石油鉱業省内にそのまま残っており、Del Pino氏自身もその主要メンバーであったことから、一部にはRamirez氏が今後も引き続きPDVSAの意思決定に影響を与え続けると見る向きもある。Del Pino氏にどの程度の権限が与えられるかも不明である。さらに、Del Pino氏は、Ramirez氏に比べると政治的に重要な役割を担ってはいない。Del Pino氏はAsdrubal Chavez氏の支援を求める可能性があるが、Asdrubal Chavez氏自身が政治的な注目を集めることを好ましく思っておらず、政治面での対応が不十分になることを懸念する向きもある。 .Exxon Mobilへの補償問題 2世界銀行の仲裁機関である国際投資紛争解決センター(ICSID:International Center for Settlement of Investment Disputes)は10月9日、ベネズエラ政府に対して2007年に接収したExxonMobilの資産の賠償として、同社に16億ドルを支払うようにとの仲裁判断を下した。ICSIDは、ベネズエラ政府は国際投資条項に基づき賠償金を支払う必要があるとしたが、接収は適正な手続きに従って行われたとしている。 Chavez前大統領は2007年5 月1 日、オリノコベルト超重質油プロジェクトなど全ての石油探鉱・開発プロジェクトについて国有化を宣言し、PDVSAがこれらのプロジェクトの過半を取得し、その管理下に置くこととした。Exxon Mobil は、PDVSA が権益の過半を所有するジョイント・ベンチャー・カンパニー(JVC)を設立するという政府が提示した条件の受け入れを拒否し、ベネズエラから撤退することとなり、ベネズエラ政府は、Exxon Mobilが保有していたオリノコベルトCerro Negroプロジェクトの権益41.67%とLa Ceiba鉱区の権益50%を接収した。 その後、Exxon Mobilとベネズエラ政府の間で協議が行われていたが、合意が成立せず、仲裁裁判所に判断が委ねられていた。2011年12月には国際商業会議所(ICC:International Chamber of Commerce)が、資産接収に対する補償として、PDVSA に対しExxonMobil に9 億760 万ドルを支払うようにとの仲裁判断を下した。その後、PDVSA の反訴により、60 日以内に支払いが行われれば、補償額は7 億4,690 万ドルとされることとなった。Exxon Mobil は当初ベネズエラに対し120 億ドル(のちに60~70 億ドルに減額)の補償を求めていたとされていた。ICCの裁定額はこれを大きく下回るものとなり、PDVSA は国有化の補償に関する仲裁の最初のラウンドで勝利を勝ち取ったとし、ExxonMobil は、ICC の裁定は資産接収の結果ExxonMobil が失った収益について判断したものであり、接収された資産価値について判断を行うICSIDの裁定に期待したいとしていた。 ExxonMobilは今回の仲裁判断を受けて、接収当時のベネズエラ政府の支払額が不十分だったことが証明されたとの見解を示したが、賠償額は同社が求めていた額を大幅に下回る水準となった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - 齦禔Aベネズエラ政府は今回の判決を受けて勝利を宣言した。なお、ベネズエラ政府は2012年にICSIDを脱退している。 なお、Exxon Mobil 同様に、政府が提示した条件の受け入れを拒否し、保有していたオリノコベルトPetrozuataプロジェクトの権益50.1%とHamacaプロジェクトの権益40%を接収され、ベネズエラから撤退することとなったConocoPhillipsは、10月10日、PDVSAを相手取りICCに仲裁を申し立てたことを明らかにした。賠償要求額は明らかにされていないが、2007年にICSIDに行った仲裁申立てでは200億ドルの賠償支払いを求めている。 既存のオリノコベルト超重質油プロジェクトの概況は下表の通りである。また、La Ceiba鉱区は2006年のテスト生産後、2008年に生産を開始し、現在API比重19~24 度の原油2~3万b/dを生産している。 オリノコベルト超重質油既存プロジェクト概要 Petrozuata Hamaca Cerro Negro PDVSA 49.9% PDVSA 30% PDVSA 41.67% ConocoPhillips 50.1% ConocoPhillips 40% ExxonMobil 41.67% Chevron 30% Petro Anzoategui Petro Piar PDVSA 100% PDVSA 70% Chevron 30% BP 16.66% Petro Monagas PDVSA 83.3% BP 16.7% 戦略的提携 (2007年接収前) ジョイント・ベンチャー・カンパニー (2007年接収後) 超重質油生産量(b/d) 超重質油API比重(度) 合成原油生産量(b/d) 合成原油API比重(度) 超重質油生産開始 合成原油生産開始 Sincor PDVSA 38% Total 47% Statoil 15% Petro Cedeno PDVSA 60% Total 30.3% Statoil 9.7% 20万 8~8.5 18万 32 12万 9.3 10.7万 20、26 19万 8.7 18万 25~26 12万 8.5 10.8万 16.5 1999年10月 2001年8月 Chalmette 製油所 Ruhr Oel 製油所 2000年12月 2002年3月 1998年8月 2001年4月 2001年11月 2004年10月 出荷先 Open market(スポットでLake Charles 製油所 米国メキシコ湾岸 主に米国市場) Cardon 製油所 米国東海岸 (各種資料より作成) 3.Citgoの資産売却へ向けての動向 PDVSAは、2014年7月末に、子会社Citgo Petroleumが操業する3カ所の製油所、2012年から閉鎖されているVirgin諸島のHovensa製油所等の一部もしくは全部の売却やCuracao製油所のリース契約の変更を含めベネズエラ国外の資産を再編する計画であるとした1。PDVSAは2019年までに石油生産量を600万b/dに引き上げ、うち400万b/dはオリノコベルトで生産するとともに、処理能力20万b/dのアップグレーダー6基を建設する計画で、国外資産売却により得た資金を国内の既存設備の拡張、改良や新規施設建設にあてるとした。 1 Platt's Oilgram News 2014/7/28 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - afael Ramirez元石油鉱業大臣も、PDVSAはCitgoの資産を最低でも100億ドルで売却したいと発言していたが、これについて9月末にMaduro大統領が、PDVSAはCitgoを売却する計画はなく、Citgoに対する投資を継続すると発言した2。 Maduro大統領のこの発言により資産売却は中止されたとみる向きもあったが、Citgoやベネズエラ政府に近い筋によると、最終決定はまだなされていないものの、その後もCitgo売却のプロセスは継続しているという。また、Citgoの製油所への関心は低いとみられていたが、Holly Frontier、Valero Energy、Western Refining、Reliance Industries、PBF Enerry等が興味を示しているという3。 PDVSAは1986年9月にCitgo株式の50%を、1990年1月に残り50%を取得し、Citgoを傘下に収めた。Citgo所有の3製油所の精製能力は合計で74.9万b/dで、他に石油製品のターミナル48カ所やパイプラインを保有している。なお、BarclaysによるとCitgoの資産価値は70~90億ドルであるという。 Citgo Petroleum所有の製油所 製油所 Corpus Christi Lake Charles Lemont 所在地 Texas Louisiana Illinois 精製能力 157,000b/d 425,000b/d 167,000b/d 特徴 PDVSA供給の高硫黄重質油を処理。 米国で6番目に大きい製油所。高硫黄重質油を処理。 主に中西部に石油製品を供給。 (Citgo Petroleumホームページより作成) 4. 探鉱・開発状況 (1)オリノコベルト超重質油新規プロジェクト オリノコベルト超重質油の新規プロジェクトについては、2012年9月末に、Petromacareo(PDVSA、PetrovietnamのJVC)がJunin-2鉱区、PetroMiranda(PDVSA、ロシアコンソーシアムのJVC)がJunin-6鉱区、2012年末にPetrocarabobo (PDVSA、Repsol、ONGC、Petronas、Oil India、Indian OilのJVC)がCaraboboプロジェクト1、2013年3月にPetroJunin(PDVSA、EniのJVC)がJunin-5 鉱区のearly productionを開始した。しかし、インフラや投資が不足しているため、その後これらの新規プロジェクトは遅延したり、生産量が伸び悩んだりしている。例えば、Junin-5鉱区は7.5万b/dのプラトー生産開始時期が2013年から2015年に後ろ倒しになった。Caraboboプロジェクト1の生産量は2012~13年に少なくとも50,000b/dを生産するという目標を下回っている。Junin-6鉱区の2013年中ごろの生産量は3,000b/dであったという4。 RelianceがCarabobo-1プロジェクトへの参入を検討したり、RosneftがPDVSAとCarabobo-2NorthとCarabobo-4 West block開発に4.4億ドルを投じることやオリノコベルトの開発を支援するサービス会社の 2 BNamericas2014/9/25 3 Reuters2014/10/9 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - ン立等で合意したり、とオリノコベルトでの探鉱・開発に前向きな企業もあるが、2012年後半からは、これらのプロジェクトから撤退を表明する企業が出現するようになった。 2013年8月、PetronasはPDVSAと諸条件で合意できずCaraboboプロジェクト1から撤退するとベネズエラ政府に通知した。Junin-6鉱区のロシアコンソーシアムからは、2013年にSurgutneftegazとTNK- BPが撤退を決定、2014年10月にはLukoilがJunin-6鉱区ロシアコンソーシアムの権益の20%をRosneftへ売却することで合意したと報じられた。権益取得額は1.5億ドルとされている5。2014年1月には、PDVSAとJVC Petromacareoを設立しJunin2鉱区の開発を行っていたPetroVietnamが、ベネズエラの オリノコベルト鉱区図 (各種資料より作成) 4 Platt's Oilgram News 2014/10/6 5 OGI2014/10/3、Platt's Oilgram News 2014/10/6 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - o済状況(インフレと為替レート)に耐えられないとし同プロジェクトへの関与を一時中止すると報じられた。経済事情が改善されれば、事業を再開する可能性があるという。 このような状況を改善しようと、パートナーにより大きな発言権を与えるように契約条件を変更することで交渉を行ったり、2013年12月には石油部門への投資に伴う為替取引は新たに導入された通貨入札制度Sicadを通じて行うように変更したりするなど、ベネズエラ政府側の譲歩もみられるようになってきたとの情報もある6。 なお、Maduro大統領は、2014年2月に、オリノコベルトの名称をChavez前大統領にちなんでHugo Chavez Oil Beltに変更すると発表した。 (2)2014年中のPerlaガス田生産開始は可能か? ベネズエラ湾主要鉱区図 EniとRepsol YPFは2005年に実施されたRafael Urdaneta ライセンスラウンドでベネズエラ湾Cardon IV鉱区の権益を取得、2009年9月にPerla井を掘削し、出ガスに成功した。2012年8月にはPerlaガス田の確認埋蔵量は9.51Bcfで商業生産が可能との発表があった。同ガス田は当初、2012年末に生産を開始し、2019年よりプラトー生産1.2Bcf/dを実施する計画とされていたが、2013年8月に、2014年末に生産量300MMcf/dで生産を開始する計画が発表された。2014年8月時点で同ガス田開発プロジェクトは69%まで完成しており、12月までには生産を開始できる計画であるという。 (各種資料より作成) (3)サービス会社、ベネズエラでの操業を縮小 PDVSAからサービス会社への支払いの遅れや滞りは2008年中ごろから生じており、新しい問題ではないが、2014年に入り、ベネズエラでの操業縮小を明らかにするサービス会社が出現するようになった。 WeatherfordはPDVSAに掘削や探鉱に関するサービスを提供してきたが、2014年3月に経済状況や支払いの遅れを勘案してベネズエラでの操業を縮小すると発表7、7月にはベネズエラ陸上で掘削を行っているリグ6基をRosneftに売却することで合意したことを明らかにした。 6 Petroleum Intelligence Weekly2014/1/27 7 Rigzone2014/3/24 - 7 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 aersk Drillingも2014年9月に、Maracaibo湖で作業中の掘削バージ10基をパナマ企業Barrystar Holdingに売却するとしている8。 5.アルジェリアからの原油輸入を計画 PDVSAの内部資料によれば、PDVSAはアルジェリアの軽質原油サハラブレンドを輸入し、自国の超重質原油の希釈剤として利用し、販売量の増加に繋げることを計画している模様である。PDVSAはSonatrachとの間で原油購入について交渉中であることを明らかにしている。 ベネズエラではこれまで希釈剤として利用してきた軽質、中質原油の生産量が減少している。また、PDVSAはナフサも希釈剤として使用していたが、ナフサが市場で高値をつけるようになり、PDVSAの収益を圧迫しているという。さらに、新たなアップグレーダーの建設が遅れているという事情もあって、割安なアルジェリアの原油輸入が検討されるようになったとものと考えられる。 なお、PDVSAは11月中旬より、ウラル原油75万~100万bblをロシアから輸入することも検討しているという。CuracaoのIsla製油所(精製能力33.5万b/d)で処理することを検討していると伝えられている9。 わりに おMaduro大統領はChavez前大統領の政策を継承してきたが、2014年に入り、物資不足や高いインフレ率、治安の悪化等が著しく、経済や政治の運営に対する国民の不満が高まり、デモが頻発している。外貨準備は低水準に落ち込み、輸入代金の支払い遅延が積み上がり、対外債務の返済が危ぶまれている。探鉱・開発についても、PDVSAが本来探鉱・開発に充てられるべき資金を政府の貧困者向けプログラム等に用い、プロジェクトのシェア分の負担やコントラクターへの支払いはパートナーからの資金に依存していることから、生産量が伸び悩んでいるとみられてきた。 しかし、このような状況を改善しようと、ベネズエラ政府が外資の呼び込み強化に向け政策転換を図っているとの見方がある10。先に述べたように、ベネズエラ政府及びPDVSAが、掘削等の操業や資機材の購入、投資等に関してパートナーにより大きな発言権を与えるよう契約条件を変更することで交渉が行われ、契約が締結されているというのだ。石油鉱業大臣、PDVSA総裁の交代により、このような動きが加速するのか、今後のベネズエラの動向を注視していきたい。 8 Platt's Oilgram News 2014/9/18、Business Monitor International2014/9/24 9 Platt's Oilgram News 2014/10/14 10 NewYork Tines2014/10/12 - 8 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 中南米
国1 ベネズエラ
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ベネズエラ
2014/10/21 舩木 弥和子
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