ページ番号1004511 更新日 平成30年2月16日

Petroleum Engineerの取り組む技術トレンド2014

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レポートID 1004511
作成日 2014-11-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術探鉱開発
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2014/11/21 調査部: 伊原 賢 公開可 筆者は、2014年10月27日~29日にオランダ王国のアムステルダムで開催された2014年SPE(Society of Petroleum Engineers: 世界石油工学者協会、141カ国の会員数約12.4万人) のATCE(Annual Technical Conference and Exhibition:年次総会)に参加し、最新の石油工学に触れる機会を得た。得られた情報を基に、Petroleum Engineerの取り組む技術トレンドを探る。 (JOGMEC調査部、世界石油工学者協会SPE資料ほか) etroleum Engineerの取り組む技術トレンド2014 Pホームページ:www.spe.org/atce . はじめに 1近年、石油開発をめぐる環境の変化には、油価の高値変動、イージーオイル(在来型油田)の減退、新規需要市場の登場、技術者の人材入れ替え、低炭素化、資源ナショナリズムの台頭などが挙げられる。 今後の原油需要に応えるには氷海や大水深(水深300メートル以深)での石油開発に加え、非在来型の油やガスの起源や生産技術を理解した上で、技術力・投資・人的資源の投入が必須となる。日本国内でもメタンハイドレートやシェールオイルといった非在来型資源への注目が高まっている。 埋蔵量へのアクセスが縮小する投資機会に対応した石油開発の対象は、在来型から非在来型資源へとシフトするだろうが、その開発はどのような技術トレンドをもって進められるのだろうか? このような背景の中、筆者は、オランダ・アムステルダムのRAIコンベンションセンター(写真1)にて今年10月27日から10月29日にかけて開催された2014年SPEのATCEに参加し、最新の石油工学に係る情報を収集した。 ここで、石油工学とは、石油・天然ガスの掘削、油層管理、生産に関する技術の総称で、この工学なくして、地下の石油・天然ガス資源を地上に取り出すことはできないといっても過言ではない。SPEはその技術者集団だ。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1/22 写真1 2014年SPE ATCE(世界石油工学者協会 年次総会)の会場前の報告者(伊原) 稿では、まず2014年SPEの年次総会の概要を述べる。次に年次総会で取り上げられ、筆者が興味を 本もったテーマでの議論を時系列に紹介する。 最後に、今回のSPE年次総会にて得られた情報を参考に、当面の可採埋蔵量の積み増しをコントロールすることになる石油開発技術のトレンドをまとめる。 . 2014年SPE年次総会の概要 2SPEが主催する情報交流の場は、過去の事実を議論するSPE Technical Conference(秋の年次総会ほか)、現在の動向を議論するApplied Technology Workshop (ATW)、と未来の技術展開を議論するSPE Forumから構成される。 SPE ATCEは1924年より90年に亘り、延べ50万人の参加者を集めてきた。今年は欧州で2010年のイタリア・フィレンツェに続き、2回目の開催となった(2010年と2014年以外は全て米国での開催)。世界中から約5,000人の参加があり、口頭発表・e-ポスターは425件(応募2,169件)で、6分野/45セッションに分かれて紹介された(1. Drilling and Completions; 2. Project, Facilities and Construction; 3. Production and Operations; 4. Reservoir Description and Dynamics; 5. Management and Information; 6. Health, Safety and Environment / HSE)。展示会場には、大小取り混ぜて373ブース(399社)の出展(写真2、3)。口頭発Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2/22 \・e-ポスター数は例年と変わらずだが、参加者と展示社数は、昨年の米国・ニューオリンズの12,028人、552社と比べ、米国外の開催からか、米国からの参加者数が伸びず低調だった。 写真2 展示会場の入口 出所: 著者撮影 出所: 著者撮影 写真3 展示会場の内部 3/22 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 {総会参加で報告者が感じた不確実性を持つ命題は5つ。①シェールは北米発の資源か世界展開の資源か?、②LNG価格の油価リンクは終わりを迎えるか?、③資源ナショナリズムは安定期に入ったか?、④National Oil Companies (NOCs)の動き、⑤複雑になる市場のマネージメント(下流分離、M&A、油価下落傾向:6月より30ドル/バレルの下落、)。SPEに属する技術者は、目先の利益追求のみならず、人材の確保と浸透率の低い岩石中の資源(シェールガス、シェールオイルほか)、重質油、大水深開発といった非在来型の資源採掘に注力すべきであり、そのための技術は主力サービス会社(Schlumberger, Halliburton, Baker Hughes, Weatherford)を中心に確実に育っており、NOCs や International Oil Companies (IOCs)は、技術を自分たちの資源採掘に効果的に適用できる環境にある。 10月27日(月)から10月29日(水)までの3日間の会期では、テクニカル・セッションに参加した。「最近の原油価格低下傾向における入手可能なエネルギーについてのパネルディスカッション」、「水圧破砕の流体、充填剤、フラクチャーの導通性」、「大学対抗の石油工学クイズ選手権」、「非在来型資源 ? 北米とその他地域」、「フラクチャーの診断と監視」、「非在来型貯留層の特性とモデリング」が報告者の興味を引いたセッションであった。採掘技術では、「非在来型資源」の開発に必要な岩石力学の知識を駆使した坑井刺激技術と刺激技術によって作られた岩石の割れ目のモニタリングや充填剤(プロパント)に関する事例紹介が口頭発表、展示ともここ7年ほど充実。シェール開発の長期実現に必要な技術が多く紹介された。報告者の専門に近いProject, Facilities and Constructionにも焦点が当たった。 風力・太陽光・バイオ燃料といった再生可能エネルギーの台頭もあろうが、世界における石油天然ガスに代表される化石燃料の一次エネルギーに占める割合は80%で当面ゆるぎなく、国際エネルギー機関IEAによれば原油需要は2035年には日量1億バレルに達するとも言われる。21世紀初頭からの石油・天然ガスの上流業界の好景気に人と技術に注力することで、石油開発(いわゆる上流)業界は、石油・天然ガス資源の可採埋蔵量積み増しと環境面にも考慮した経済的開発に大きく貢献することができる。本総会における口頭発表や展示を見聞きすることで、その実現に必要な技術の進展を実感した。報告者は、また総会の会期中に開かれた25-Year Club、Annual Banquet & Reception、The University of Tulsa Alumni Receptionといった会合へ参加し、日本人として世界の石油工学者との旧交を確かめ、かつ新たなネットワークを広げることに努めた。 油価低迷時の90年代に多くの石油会社が、その研究開発活動を低下させた中で、「将来の技術開発を担うのは誰か?」というのが、近年の石油開発業界の大きな命題。業界の50歳以上は44%にもなり、40歳代前半が少なく、技術の空洞化の危機回避はここ数年の課題として続いている。2004年以降の油価の上昇は、大学で石油工学を学ぶ学生数を増やしているが、現在業界に居る人たちとこれからの若者で業界を支えるには、各自が持つ知見を若者と共有・伝授すること、若者が石油開発に夢や強い関心を持つべくGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 4/22 垂フ根の啓蒙活動や石油工学教育のブラッシュアップを精力的に行うことが極めて大事であることが関係者間で再確認された。しかしながら、油価下落傾向(6月より30ドル/バレルの下落)と採掘コストの上昇傾向のなかで、石油採掘事業の損益分岐点を考え直す時期に来ているのかもしれない。 JOGMECからは報告者が参加。ほかの日本人の参加者は、INPEX、豊田通商、東洋製缶、クレハ、早稲田大学の在原名誉教授ほか。来年の年次総会2015 SPE-ATCEは、9月28日~30日に米国のテキサス州ヒューストンにて開催予定。2016年はドバイで9月26日~28日に開催予定。 . 2014年SPE年次総会の個別内容 310月27日(月)から10月29日(水)までの3日間の会期にては、テクニカル・セッションに参加すると共に、展示会場も見て回った。以下に、参加したセッションにおいて興味を引いた口頭発表論文の抄録を記オープニングセッション: 最近の原油価格低下傾向における入手可能なエネルギーについてのパネルディスカッション パネルディスカッションの前に、ロイヤル・ダッチ・シェル社の前プロジェクト・技術部門役員兼 ?本年次総会の運営議長であるマチアス・ビクセル氏は、大事な質問を投げかけた。「世界はエネルギーに対していくら払えるだろうか? それは、単に採掘コストだけではなく、資本投資や安全と環境といったポイントに対してである。」 ? 産業界からのパネル参加者は、原油価格低下に対する誇張された反応について警告した。 ? パネルディスカッションは、テレビ・ニュース・アンカー兼ジャーナリストのマリアム・メマジーが司会を務めた。IEAのビーソン氏に加えて、産業を代表して、エクソンモービル開発会社のニール・ダフィン社長、メキシコ国営石油公社ペメックスの探査・生産子会社(PEP)社長グスタボ・エルナンデス氏、エンジニアリング会社テクニップ社の副社長兼COO/最高操業責任者(陸上/沖合部門)であるフィリップ・バリル氏が壇上に上がった(写真4~6)。 ①Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 5/22 す。 27日(月)午前 ①Opening General Session: Affordable Energy 午後 ②Fluids, Proppants, and Fracture Conductivity ③Student PetroBowl ④The University of Tulsa Alumni Reception カより、ダフィン氏、ビーソン氏、メマジー嬢、エルナンデス氏、バリル氏 写真4 パネルディスカッションの参加者写真 出所: 著者撮影 写真5 パネルディスカッションの会場(RAIコンベンションセンターの講堂) 出所: 著者撮影 6/22 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ハ真6 エルナンデス氏とバリル氏 出所: 著者撮影 ? 業界の専門家からなるパネルは、6月より原油価格の20%の下落にもかかわらず、石油・天然ガス開発プロジェクトへの継続的な投資を求めた。 ? 「我々は最近の原油価格低下というアンバランスを誇張してはいけない、原油の需要は長い目で見れば成長が期待される」と、国際エネルギー機関IEAのシニアエネルギーアナリストのクリス・ビーソン氏は述べた。「長期間、原油需要は成長し続けている。投資は続かねばならない。新しいプロジェクトから原油の供給が始まるまでに、供給と需要の関係はもう一度タイトになるだろう。」 ? パネリストが取り組んだ最初の問題は、入手可能なエネルギーへの挑戦についてであった。 「深海の大プロジェクトでは、掘削コストは膨大になる」と、エクソンモービル開発会社のニール・ダフィン社長は述べた。大規模なメガ・プロジェクトは遅れ気味で費用超過を招いている。コスト削減に関するエクソンモービルの哲学の1つは、『1を設計して、多くを造ることである』。 ? グスタボ・エルナンデス氏は、入手可能なエネルギーを供給するのに最も大きなチャレンジは「持続可能な方法でエネルギー需要増大に対応すること」と述べた。同氏は、メキシコ政府の「安定・安全で環境的に持続可能なエネルギー確保」というフレームワークを「人々は3倍のジレンマと呼ぶ」とも付け加えた。 ? フィリップ・バリル氏は、プロジェクトの投資要求がプロジェクトのクライアント/顧客に緊張感を与えていると発言した。これから数年間、産業はどうやって必要な労働力を確保するかも大きGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 7/22 ネ課題であると述べた。 ? パネルディスカッションの新しい試みは、観衆がメッセージ発信を通してパネルに参加したことである。パネリストに質問しやすくする「観衆反応システム(ARS)」の使用だった(写真7)。 安全にいくらを使うべきかという問題に関して、産業はできるだけ合理的に、危険と考えるものに対しては、何としてでも費やさなければならないと、大多数の観衆は答えた。 出所: 著者撮影 写真7 観衆反応システム(ARS)の使用 ? 掘削技術の革新からもたらされるコスト削減 上流ビジネスにおいて、技術革新から最も多くのコスト削減が得られる分野はどれかという質問を観衆に投げかけた所、掘削が最も多くの投票を得た。エルナンデス氏は、改善された技術により非在来型資源に1週間程度で1本の井戸が掘削できるようになったと述べた。 エクソンモービル開発会社のニール・ダフィン社長は次のように述べた。「確かに掘削コストはプロジェクトコストの主体である。しかし、巨大な施設開発で最も大事なことは操作上もっとも効率的な施設を建設することにある。なぜなら、それが施設を長い間使う際に投資を抑えることにつながるからだ。」「産業は(コスト削減に)過熱しすぎだ。今、量的なもの(例えば掘削コスト削減)を気にするよりも質的なものに注意を払うべきではないだろうか?」 ? 原油価格の下落 最近の原油価格の下落傾向の及ぼす影響に対して、IEAのシニアエネルギーアナリストのクリス・ビーソン氏は「IEAが来年の世界のエネルギー需要の伸びの予測を下方修正した」と述Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 8/22 ラた。 「劇的に需要の伸びが減速するとは言っていません。長期に見れば、需要は伸びそうです。過去と同様な伸びは期待できないでしょう。しかし、需要が伸びることは疑いの余地はありません。需要が伸びるということは、供給が今後10年の間に飽和点に達することを意味しています。遅かれ早かれ、供給余力は再び緊張することになりそうです」と同氏は付け加えた。 「再生可能エネルギーの需要が石油産業に対して摩擦を生むか」との質問に対して、ビーソン氏は「明らかにいいえ」と答えた。「気候変動政策について最も楽観的なシナリオであっても、我々は次の20、30、50年において、まだ多くの油を必要とするでしょう。油価の下落は過去2ヵ月で見られたものです。そして私は30年間この産業にいました。この両方を考慮しなければならないのです。」 ダフィン氏は観衆に産業が1980年代に経験したこと思い出させて、次のように強調しました。「産業は人材をリクルートし続けるでしょう。我々は1992年まで1986年につくった人事システムのように採用を控えるという“谷”をつくりません。」 ② 水圧破砕の流体、充填剤、フラクチャーの導通性 ? 発表論文SPE 170602: 水圧破砕によるフラクチャーの導通性を確保する自己洗浄力をもった摩擦低減剤 著者はハリバートンのHsinChen Chung氏、Yantao T. Hu氏、Xiangnan Ye氏およびJason E. Maxey氏。 水圧破砕では割れ目を造るために、地層に大量の水を圧入する。一般的に摩擦低減剤は、乱流に起因するパイプ内の摩擦圧力損失を減らすために水に加えられる。最も一般的なものはポリアクリルアミド系のポリマーである。しかし、このポリマーは高分子で長いポリマー鎖を持つため、水圧破砕終了後に分解するのが難しくなる。よって、水圧破砕後の摩擦低減剤の問題は、生産量の減少に繋がる生産障害(割れ目や層の目詰まりによる流体の流れにくさ)を引き起こすことにある。 自己洗浄力をもった摩擦低減剤が、初期と長期のフローバック水の量を増やすだけでなく、充填材(プロッパント)を入れて造られた割れ目の生産障害を最小にするべく開発された。この新しい摩擦低減剤は、ユニークな自己収縮機能を有する。ポリマー鎖を遅延切断するブレーカーの添加を出来るだけ少なくし、地下で高温(例えば地下3000mで約100℃)にさらされる時に、そのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 9/22 S性を水のようなレベルにまで減少できるのだ。さらに、新しい摩擦低減剤の収縮したポリマーは、油やガスという生産流体が通る孔隙を通過するに十分小さい大きさにまでになる。だから、生産障害を最小限にできる。 本論文は、このユニークな自己収縮機能とその利点を説明するラボデータを示している。孔隙が狭いタイト砂岩に対して、この新しい摩擦低減剤による生産障害の程度が、浸透性・導通性試験によって調べられた。マーシェラスシェールでの実地試験は、うまく行った。実験と実地試験の結果から、この新しい摩擦低減剤が優れた自己洗浄力と割れ目の導通性を確保することが判った。加えて、一般的なポリアクリルアミド系ポリマーに比べ、生産障害が軽減できることも判った。 ? 発表論文SPE 170785: 液体分の豊富なイーグルフォード・シェールにおける水圧破砕の最適化 ? どれくらいのプロッパント(水圧破砕で造った割れ目の支持材/充填材)で十分か? 著者はStrataGen社のWadhah Al-Tailji、Robert ShelleyとEF Energy社のNick Smith。 多段階水圧破砕は、水平掘りと共に非在来型で低浸透性の貯留層から油やガスを経済的に採掘するために使われている。バーネットシェール開発における初期の調査では、高流量と低いプロッパント濃度が、十分な割れ目の広がり(Stimulated Reservoir Volume)を造り出すのに有効なことが判った。しかし、イーグルフォードといった他のシェールは、高い延性と異方性の応力場を持つ地層であるため、水圧破砕には、低流量と高いプロッパント濃度が適切なのです。 ある採掘事業者(オペレーター)はイーグルフォード・シェールの採掘深度を決める過程で、セメンチングされたケーシング(管)の中にスライディング・スリーブを使い始めた。採掘深度の目標が決められたら、オペレーターは地層との接触と回収量を増やすために、ケーシング管に入れたプラグ・穿孔タイプの機器を使って水圧破砕を施した。これは、割れ目からの流体挙動を評価するデータ取得に有効で、その後の様々な坑井仕上げデザインの検討に役立ったのである。 本論文では、坑井の生産性に対して最も大きな影響を与えるパラメータを発見するために使われる「掘削・仕上げ・生産情報の評価プロセス」を説明している。坑井の仕上げ情報は、さまざまな手法で生産挙動との関係が調べられた。手法は、二変量や多変量統計分析とニューラル・ネットワーク・モデリングという手法を用いている。大きな影響力を持つと分かった1つのパラメータは、クラスター(段階的水圧破砕を施す1区間)毎に使われるプロッパントの量であった。データからは、シェールへの坑井刺激(水圧破砕)に関する今までの知見よりも、より多くのプロッパントが必要ということが判った。この分析に基づき、坑井の仕上げと刺激計画が変更されて、油のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 10/22 Iは、若者が石油開発に夢や強い関心を持つべく草の根の啓蒙活動や石油工学教育の 目ブラッシュアップを精力的に行うことにある。 世界中から36のチームが集まり、大学対抗の石油工学クイズ選手権(第13回ペトロボール)が10月28日に行われた。ライバルと回答の速さを競うバトルの中で、決勝はタルサ大学とオクラホマ大学との戦いとなり、タルサ大学の劇的な勝利で終えた。第2位はオクラホマ大学、第3位に昨年まで二連覇のコロラド鉱山大学が入った。ペンシルバニア州立大学は第4位に、インドネシアのバンドン工科大学は5位に入賞した。 専門技術的な質問の回に進むと、参加者は、勝つためには質問を予想して、素早く答えたいという衝動にかられるものだ。一方で、回答を間違うと、相手のチームに回答権が移るということも念頭に置きながら、意識を集中して、忍耐強く最後まで質問を聞き取る必要もある。まさに緊張の瞬間である。 各チームともプレッシャーがかかる中で頑張った。チャンピオンシップを求める中で石油工学に対して豊かで深い知識を披露した。大部分のチームのサポーターは、会場となったRAIコンベンションセンターの講堂の座席でチームの活躍を応援した。 タルサ大チームメンバーのドイルキンドルくんは、「時間は大事である。我々がクイズの準備に費やした時間が勝利の鍵であった。学校でかなりクイズの練習を行った。」と、チームの勝利は比較的簡単なところにあると述べた。タルサ大チームメイトと教職員は、意気揚々と勝利の喜びを分かち合った。キンドルは次のようにも述べた。「タルサ大は、選手権参加に際し2チームを作り、その2チームが模擬練習を行い、第13回ペトロボールに臨んだ。」 タルサ大とオクラホマ大の決勝戦の後、第13回ペトロボールの全参加者の歓迎会が講堂の外で行われた。若手技術者の認知・技術レベルの底上げの一端を感じる良い機会となりました(写増産につながった。 本研究の意義は、液体分が豊富なイーグルフォード・シェールにおいて、坑井の仕上げ及び生産データを評価する新手法(特に穿孔クラスターの数によって、割れ目からの油の流れが評価可能)を見つけるのに役立ったことと言えよう。 ③ Student PetroBowl:大学対抗の石油工学クイズ選手権 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 11/22 真8、9)。 \1 Student PetroBowl(大学対抗の石油工学クイズ選手権)の参加校 出所: SPE 第1位 タルサ大学 第2位 オクラホマ大学 第3位 コロラド鉱山大学 第4位 ペンシルバニア州立大学 第5位 バンドン工科大学(インドネシア) 12/22 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ハ真8 決勝戦(タルサ大 対 オクラホマ大) 出所: 著者撮影 出所: 著者撮影 写真9 優勝したタルサ大のメンバー ④ タルサ大の石油工学科の同窓会 SPE年次総会の一環として10月27日17:30~19:30にアムステルダムのホテルオークラで開催されたタルサ大の石油工学科の同窓会(The University of Tulsa Alumni Reception)に出席し、旧友や恩師と親交を深めた。ここ数ヶ月の油価下落(80ドル/バレル)はあるが、石油・天然ガス上流の仕事量や大学での石油工学専攻学生数の増加は明らかであり、皆忙しさを口にしながらも、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 13/22 写真10 タルサ大の石油工学科同窓会の様子 出所: 著者撮影 午後 ⑥Fracture Diagnostics and Surveillance ⑦Characterization and Modelling of Unconventional Reservoirs ⑧Annual Banquet and Reception ⑤ 非在来型資源 ? 北米とその他地域 0月28日(火)午前 ⑤Unconventional Resources ? North America and Beyond 1? 北米のシェール開発ブームは、世界中の非在来型資源に注目が集まるきっかけとなった。この非在来型資源開発は、探鉱生産(E&P)予算の中で目立ち続けている。 ? 7本の論文と1本の予備論文は、現在までの地質・地球物理・工学データ、新技術、新たに取得したデータから非在来型資源の広がりや特徴を分析したものである。セッションの司会は、ION Geophysical社のポール・デール・マッケイが務めた。 ? 米国のシェール開発の動きを俯瞰することに加えて、セッションの論文はノルウェー、ポーランド、中国、アルゼンチンでの非在来型資源開発の展開について触れた。 ? 発表論文SPE 170851は、ノルウェー大陸棚のシェールに対する掘り屑と坑排水の圧入の歴史をレビューしている。本地域では最近、4次元の地震探査処理(時間間隔を開けて3次元の処理を複数回行う)データの解釈が行われ、詳細な領域マッピングとモニタリングが出来るようになった。「シェール層への圧入:ノルウェー大陸棚における15年の圧入経験のレビューと非在来型貯留層への刺激(水圧破砕)への適用」の著者はGeomec社のF.J. Santarelli氏とF. Sanfilippo氏、 コノコフィリップス・ノルウェー社のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 14/22 晴れやかな表情での歓談の輪が広がった(写真10)。 .W. James氏, H.H. Nielsen氏, M. Fidan氏およびG.T. Aamodt氏。15年間の圧入結果がシェールへの水圧破砕の安全性と効率性に及ぼす示唆とその実現性を詳細に分析している。 ? 発表論文SPE 170954 は米国のシェールにおいて、そこに元々ある割れ目が坑井仕上げのデザインと水圧破砕の効果に果たす役割を調べた論文である。著者はシュルンベルジェのB. Li氏。元々ある割れ目を考慮した坑井の仕上げデザインが流体の生産性向上に効果があったという結論を導き出している。この結果は、次に、シェールにおいて、より大きな貯留層のボリュームと排出エリアにおける導通性の向上に結びつくとしている。 ? 発表論文SPE 170682「動的対静的ランキング: Geocellularモデルへの適用の比較と対照」で、著者ら(タルサ大学M.G.ケルカー教授、ケルカーAssociatesのA.バハール氏とS. Pochampally氏、アミル・カビール大学のM. Sharifi氏)は、貯留層の特性に応じてシミュレーションをランキングする新しい方法を提示した。本論文では、炭化水素の孔隙容積といった静的な貯留層特性を使ってシミュレーションすることは不十分で、貯留層の挙動とは合わないと伝えている。著者らは、ダイナミックな貯留層特性を使うのは、有限差分または流線型シミュレーションと同等に効果的で、より安定な解が得られ発表論文SPE 170905 アルゼンチンのシェール地質の紹介 表論文SPE 170760 ポーランドのシェール地質の紹介 発ると言っている。 ⑥ フラクチャーの診断と監視(モニタリング) ? 発表論文SPE 170818 磁気感染法によって強化された磁気ナノ粒子を造影剤として、割れ目内のプロッパント/充填材の検知 者は、テキサスA&M大のAderonke Aderibigbe氏、Kai Cheng氏、Zoya Heidari氏、John 著Killough氏とSaint-Gobain Proppants社のTihana Fuss氏、Walter T. Stephens氏。 割れ目内のプロッパント/充填材の信頼できる検知は、石油産業にとって課題の一つである。研究者は、現在貯留層の特性把握とそのモニタリング手段として、ナノ粒子の造影剤としての使用を調査している。造影剤がプロッパントと混ざることで、坑内での物理探査計測からGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 15/22 フ信号を強めることができるというアイデアだ。水圧破砕された割れ目内のプロッパント/充填材の検知力が改善されるとしている。 実験と数値シミュレーションを行った。実験の流れは、(a)常磁性ナノ粒子の合成、(b) プロッパントと超常磁性ナノ粒子を混ぜ合わせ、磁気感染性を持つ検層実施。 数値シミュレーションは、ナノ粒子の分布が水圧破砕された割れ目に集まる様子を示すために、実験と同時平行に実行された。ナノ粒子の空間分布は二相流モデルを従うとした。さらに、数値シミュレーションを使い、不均質性や割れ目の物性と多孔性媒体中のナノ粒子の空間分布との関係が調べられた。 著者らは、60nm ? 70nmのサイズでコア/シェル構造の常磁性ナノ粒子をうまく合成した。 磁気計測から得られるヒステリシス曲線から、地表と貯留層の温度において、ナノ粒子が磁気的に安定していることが判った。炭酸塩岩と有機物に富むシェール試料の磁気感染性計測の造影剤として使われるとき、磁気ナノ粒子は高い感度を示した。割れ目のボリュームは、地層内の鉱物、ナノ粒子溶液の濃度とプロッパントの磁気構成に依存することが判った。数値シミュレーションの結果から、ナノ粒子が焦点をあてた割れ目の造影剤として、プロッパントの位置を知るのに有効なことを確認した。 磁気ナノ粒子をプロッパントと共に地層に圧入することで、割れ目内でのプロッパントの動きや分布が判り、それは水圧破砕作業の設計に大きく役立つことが期待される。 ? 発表論文SPE 170833 貯留層シミュレーションを使った、液体分の豊富なシェール開発における坑井間隔の最適化 者は米国シェブロン(Chevron U.S.A. Inc.)のS. Eburi氏、A.S. Padmakar氏、K. Wilson氏、 著R. Banki氏、I. Wardell氏。 近年、液体分の豊富なシェール開発は、非在来型資源開発に取り組む多くのオペレーターの関心を集めている。採掘する土地のリースを保持するために、何本かの井戸を掘削した後で、オペレーターはフィールド開発における疑問に直面する。適切な坑井間隔は? 適切な開発計画とは? 試行錯誤アプローチをとるオペレーターもいれば、本格生産の前にパイロット試験を行い、色々な坑井間隔(幾つかのフィールド開発プラン)を検討するオペレーターも居る。両者共、結論的なものが得られるまでに、それなりに時間がかかる。そして、 ⑦ 非在来型貯留層の特性とモデリング Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 16/22 pイロット試験では坑井間隔の最適解を得るまでに、2~3の組合せをテストするため、多くの設備投資を必要とする。 多くのオペレーターが持つもう一つの鍵となる質問は、「最適な坑井間隔は流体のタイプやシェールの質によって変わるか?」である。イーグルフォード、ウティカ、Duvernayのような液体分豊富なシェールは、複数の流体性状を示す。オペレーターがリースした土地が、どのような性状の流体を地下に賦存するかによって、最適な坑井間隔、即ち開発計画が異なる。したがって、液体分の豊富なシェール開発に際して、坑井間隔・回収率と流体組成の関係を理解することは非常に重要である。本研究では、貯留層シミュレーション・モデルを構築し、それを生産履歴と照合し調整した。シミュレーション・モデルは、坑井間隔や井戸毎の推定総生産量(EUR: Estimated Ultimate Recovery)の計算に使われる。 流れのシミュレーション・モデルは、シェール本体と割れ目の中の流れを多相流で表現する。チューニングされたシミュレーション・モデルを使って、坑井間の干渉によってEURがどれくらい減るかも調べた。流体組成と、坑井の生産性や回収率との関係も調べた。 ⑧ Annual Banquet and Reception(年次賞晩餐会) 出所: 著者撮影 写真11 会場となったアムステルダム旧証券取引所(Beurs van Berlage) SPEの年次賞晩餐会は、アムステルダム中央駅近くのBeurs van Berlage(アムステルダム旧証券取引所)で開催された(写真11)。晩餐会では、SPEへの顕著な貢献者に各種賞Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 17/22 iTechnical & Professional Awards Presentation)が贈られた。そこは、オランダ語で「Damrak」と呼ばれる通りで、他の金融機関の本拠地であるニューヨークの「ウォール街」、パリの「La Defense」、ロンドンの「シティ」と並び称されている。 この建物は著名なオランダ人の建築家ヘンドリック・ペトルス・ベルラーヘによって設計され、1898~1903年に建設された。19世紀の終わりにアムステルダムで建物を設計した多くの建築家がゴシックまたはルネッサンス・スタイルにならうなか、ベルラーヘはそうしなかった。その代わりに、彼は、新ロマネスク建築と運動(例えばアメリカのH・H・リチャードソン)に影響されたのである。 この実用的な赤いレンガ構造は当時としては珍しく、建物が完成した数年後には、アムステルダム建築学校に強い影響を与えた。今日、かつて証券取引所の主な取引床であったことが広大で間仕切りのない屋内のスペースとなり、それは結婚式、コンサート、祭りほかに使われている。 全体で25以上の異なるサイズの部屋があり、総床面積は5500m2もある。 ? 出席者約900名。 ? 2014 SPE President: Jeff Spath氏 (Schlumberger), 2015 SPE President: Helge Hove Haldorsen氏 (Statoil), Haldorsen氏の就任挨拶 “The energy we produce fuels human progress and raises living standards. How can you not be passionate about being a small part of this?” ? 筆者のタルサ大留学時代の先輩でヒューストンの Chevron Energy Technology CompanyのDr. Gene E. Kouba(写真12)が、多相流技術に係る技術開発に関する30年を超える貢献を認められ、Projects, Facilities, and Construction Awardを受賞した。 出所: 著者撮影 写真12 Dr. Gene Kouba 10月29日(水)午前 ⑨Flow Assurance and Multiphase Flow 午後 ⑩Multiphase Flow Metering, Modeling, and Issues Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 18/22 uフローアシュアランス(管や機器内の流路保全)は、深海における石油開発活動が活発になるに従い、必要に迫られ注目されるようになった」と、セッション議長であるタルサ大のチェム・サリチャ教授は述べた。フローアシュアランスの問題解決には、ハイドレート(水和物)構造、パラフィン沈積、アスファルテン、高粘度油、エマルジョン、スラグ流や浸食といった多相流を探究することが求められる。様々な多相流があり、固体の形成と輸送に影響を及ぼす色々な組成と特性がある。 フローアシュアランスの問題解決へ多相流が果たす影響は、石油採掘オペレーションにおいて観察されている。セッションでは、なぜ我々が多相流について心配するのか、我々は多相流について十分な知識を持つのか、我々は何を知らなければならないのか、が議論された。 深海における石油開発活動が活発になる中で、利権者とオペレーターが開発現場でいろいろな問題(水和物構造、アスファルテン沈積、エマルジョン、スラグ流/間欠流と浸食)に取り組む中で、フローアシュアランスは重要な話題になっている。 タルサ大のチェム・サリチャ教授とシェブロンのHariprasad J. Subramaniが司会を務めた。パネリストは、ロイヤル・ダッチ・シェルのガート・バン・スプロンセン、ノルウェー・シェルのビリアーナDjoric、英ヘリオット-ワット大学のバフマンTohidi、仏トタール社のティエリー・パラモ、エミールLeporcherとシュルンベルジェのクリス・ローレンスであった。 ? 発表論文SPE 170727 電動サブマージブルポンプ(ESP)挙動のCFD(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションとガスが多い状況の下の泡サイズ推定 者はタルサ大のJianjun Zhu氏とHong-Quan Zhang教授。 著回転運動エネルギーを油圧ヘッドに変える高効率なツールESPは、流体の生産レートを上げるために、石油開発で広く使われている。今までの研究では、ガスの存在がESPの油圧ヘッドを減らす原因であることを説明してきた。ガスが多い状況(例えばガス・ポケット)では、ESP内の流体挙動は、ESP挙動をさらに悪化させる。 多相流計測、モデリングほか ⑩ ⑧ フローアシュアランスと多相流 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 19/22 セから、ガスの存在下でESP内の流体の動きを調べることは大事だ。本論文では、ESP内部(インペラー、拡散器ほか)の流体挙動をシミュレーションするために、CFDのテクニックが適用された。液単相流、気液二相流の下で、発生する圧力損失(ヘッド)を計算した。加えて、ESP内部の圧力場、流速と気相の分布が解析された。市販のCFDソフトウェアがシミュレーションに用いられた。計算メッシュの違いによる感度解析も行った。 水単相流におけるESPパフォーマンスのCFDによるシミュレーション結果は、ESPメーカーのパフォーマンス・カーブに一致することを確認した。水と窒素を用いた気液二相流下でのシミュレーションのために、気相割合(Gas Volume Fraction)を1.0%から20%へと変え、ポンプ性能のシミュレーションを行い、ポンプ性能の低下の様子を観察した。一定の泡サイズを仮定した過去の研究結果とは対照的に、著者らのシミュレーション結果は、泡サイズが気相割合の増加に関連する主要因であることを明らかにした。 CFDシミュレーション結果をタルサ大学Artificial Lift Projects(TUALP)の実験研究データと比較したところ、両者は、液単相流及び気液二相流の下で良く一致した。適切な泡サイズを推定して観察された結果は、CFDシミュレーションがESPパフォーマンスを分析するための信頼できるツールであることを示した。 発表論文SPE 170853 多相流量計の相分割合の計測向上と流れのモデリング ?者はOneSubsea社のA. Lupeau氏とシュルンベルジェ社(Schlumberger)のG. Jolivet氏、 著D. Chazai氏、M. Fiore氏、C. Toussaint氏、B. Fournier氏、F. Hollaender氏。 多相流量計(MPFM)は、石油・ガス産業において1990年代初期から使われており、多くの作動環境で受け入れられている。重油から湿性ガス(ウエットガス)までの広範囲で使われると考えられている。操作上の利点、測定の再現性や測定精度の高さから、新しい未確立の技術との位置づけから、確立された技術との位置まで、その存在感を高めている。 ベンチュリ管/ガンマ線の組み合わせで得られた10年以上の使用経験により、測定精度の向上と操作性が実現した。本論文ではエネルギー源の違う複数のガンマ線減衰とガンマ線周波数域の広がりを利用して、相分割合の測定精度向上が如何に実現されたかを説明している。 改善のもう一つの領域は、ベンチュリ管を通る多相流体挙動のモデリングにある。始めは単相流を仮定しモデル化され、多相流を表現するのに足りない部分は、半経験的な相関式Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 20/22 gみ込むことにより、多相流にフィットさせている。そのような相関式を組むこんだモデルも標準的な作動環境ではうまく流体挙動を再現できたが、流体範囲が広がるにつて、再現性に限界が見えてくるのも事実である。本論文では、流れの性質を考慮した力学的モデル(質量・運動量・エネルギー保存則より導かれる)の適用が多相流量測定精度の向上につながった様子を解説している。また、多相流量計(MPFM)の計測制度向上に資する科学的な根拠を示すと共に、数多くのテストループから得られたデータとの較正から得られた精度向上を? 現在埋蔵量の大半(70%弱)が産油国のNOCに握られている環境下では、IOCや独立系石油会社(インデペンデント)は、新規油田開発よりも既発見油田からの生産促進に軸足を置かざるを得なく、投資機会は縮小している。 ? 縮小する投資機会に対応した開発技術のトレンドを整理するには、石油価格変動下における石油開発技術の適用とそれを担う人材確保の行方という観点からの物事の分析が必要である。今回のSPE年次総会からの情報を基に技術トレンドを考えてみた。 ? SPE年次総会は、いうまでもなく、石油工学者(Petroleum Engineers)にとって1年で最大の展示を備えた学会で、学術的にも最も権威があると言われている。今回も米国の大学を中心に、多くの大学院生が発表を行っていたが、英語も流暢で論理構成もしっかりしており、業界の技術者の裾野の広がりは世界的に維持できている。アジアの貢献としては、米国留学中の中国人やインド人の学術発表数が多く、彼らが石油工学の発展に寄与しているのは、もはや常識である。日本人も早稲田大学や東京大学を卒業した若い人が、そのまま当地の大学院に進学し石油工学を勉強し、米国企業へ就職、あるいは就職を目指している姿が垣間見られる。 ? SPEは、長年にわたって産業の発展に貢献したプロフェッショナルにインタビューを行い、その内容をビデオ(ユーチューブ)にまとめる事業に着手した。 次の15人の業界を代表するプロフェッショナルへインタビュー:ハリー・マクラウドジュニア、スティーブン・ホルデッチ、レオン・ロビンソン、リン・アースコット、アラン・ブリガーテン、ビル・レーム、ケン・アーノルド、ラリー・レイク、マーティン・シェネバート、ジョン・リー、フィキリ・クチャク、ウィリアム・マーラー、ジェームズ・ブリル(伊原のタルサ大留学時の恩師)、ラルフ・ビーチ、サム・ギブズの各氏。 これらのビデオは、www.spe.org/industry/historyで見ることができる。 ? 展示場では、例年通りSchlumberger, Halliburton, BJ Services, Baker Hughes, WeatherfordといったソGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 21/22 紹介している。 . 所感 4tト・ハードをコンサルティング(専門家)とともにオペレーターに提供できる大手サービス会社がスペースも多くとり、景品や飲み物を取り揃え、観衆を集めていた。製品のカタログを渡すというよりも、大型スクリーンでのPC画面やDVDの上映が目に付く。油層シミュレーション・モデルの紹介では、油層全体が3次元にまた時間経過と共に、油層飽和率の変化が視覚的に適切に捉えられるインターフェイスがパソコン画面上で実現できるのは、7年前から一般的な技術になっているようだ。2004年来、高い油価が継続し、油田操業により多くのお金が掛けられ、リモートモニタリング技術や動く3次元油層モデルを使って、生産量増加のために、坑井の追掘や改修といった油層管理の意思決定時間の短縮が図られている。油田の現場を良く知り、データをよく見極める目を持った専門家の存在が、その前提としてあるが、大手サービス会社の油田操業現場への技術提供がかなり細部にまで進んでいる。極論すれば、油田操業会社の技術者はサービス会社の提供する技術の良し悪しを判断・管理する役目になっている様に感じられた。情報伝達には、ソーシャルメディア(Facebook, LinkedIn, Twitter, YouTube)が多用されている。展示場での石油会社の目的は人材リクルートの場でもある。 ? SPEのみならず、AAPG(地質)、SEG(物探)などの技術会議に出て、最新動向を肌で感じ、かつ、発表を行うことは大変貴重な経験であり、JOGMECを含む日本企業の若手技術者の認知・技術レベルの底上げには欠かせないと考える。世界における石油・上流産業における日本企業の認知向上および組織発展のためにも、30歳代までの若手技術者は特に積極的に参加・発表を行い、自らの技術レベルを磨いていくことが、行く行くは石油天然ガス資源の供給確保へとつながろう。 参考資料> SPE-ATCE2014 Conference Program SPE-ATCE2014 Proceedings (DVD RW) < これら参考資料は、調査部に1セット保管。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 22/22 以上
地域1 欧州
国1 オランダ
地域2 北米
国2 米国
地域3 アジア
国3 日本
地域4
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地域5
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国6
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2014/11/21 伊原 賢
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