ページ番号1004512 更新日 平成30年2月16日

ブラジル:大統領選挙後の石油政策と油価下落の石油産業への影響

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レポートID 1004512
作成日 2014-11-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 企業探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2014
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2014/11/20 調査部:舩木弥和子 ブラジル:大統領選挙後の石油政策と油価下落の石油産業への影響 (Platt’s Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas他) 2014年10月に実施されたブラジル大統領選挙で、現職のRouseff大統領が対立候補をかわし、 二選を果たした。11月には懸案であった石油製品の価格引き上げが実施されたが、プレソルトの開発に関する法律については変更がないとの見方が強く、ローカルコンテンツについての規制変更も現在のところ動きはない。Petrobrasを巡る汚職疑惑は大統領選挙の焦点となるほど大きな問題となっており、今後の同社の探鉱・開発への影響が懸念される。 . 1. Petrobrasは新規生産設備の生産開始やプレソルトの生産増により9か月連続で石油生産量を増加させており、2014年末までにはこれを230万b/dにするとしている。しかし、それでも2013年よりも7.5%±1%石油生産量を増加させるという2014年の生産目標を達成するのは難しいようだ。プレソルトで生産される原油は、Brentの価格が $40~45/bblであれば、利益が生じるとされている。昨今の油価下落によりPetrobrasの投資計画が大きく変更されることはないとの見方をする向きもあるが、同社の5ヵ年計画はBrentの価格を2014年$105/bbl、それ以降2017年まで$100/bblと想定し策定されているため計画が変更されるとの見方もある。いずれにせよ、Petrobrasは2018年までに50~110億ドルの資産を売却予定で、積極的に資産売却を続けていくことになろう。 2.大水深を中心に行われているブラジルの探鉱・開発に、油価下落が大きな影響を及ぼしているのではないかと懸念する向きがあるが、現在までのところ、その影響は小さいようだ。ブラジル最大のガス田Manatiの権益を保有するQGEPは強固な財務基盤を確立しており、今後の油田開発計画を変更する予定はないという。OGParはTubarao Martelo 油田の生産量を増加させ、破産保護から抜け出せる可能性があるとしている。HRTは探鉱から生産にシフトを図り、沖合Polvo油田で生産を行っているが、同油田の生産量減少と油価下落に苦慮している。しかし、同油田への投資は継続するとともに、新たな生産資産の取得を検討しているという。 3.大統領選挙とその後の石油政策 110月26日におこなわれたブラジル大統領選挙第2回投票で、与党労働党(PT)のRouseff大統領が野党ブラジル社会民主党(PSDB)のNeves党首を破って再選された。得票率はRouseff大統領51.64%、Neves氏48.36%であった。 8月にブラジル社会主義者党(PSB)の大統領候補Eduardo Campos氏が飛行機事故で死亡、その後を継いだMarina Silva氏は一時、Rousseff大統領を上回るトップの支持率を獲得していたが、10月5日にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - sわれた大統領選挙の第1回投票でまさかの第3位と、敗北を喫した。この第1回投票でいずれの候補も50%を越えなかったため実施された第2回投票では、Rouseff大統領とNeves氏の支持率が最後まで拮抗し、最終的に両者の差は3.28%とごくわずかなものであった。Rouseff大統領は、このようにブラジルの大統領選挙でかつて見られなかったほどの劇的な、僅差での勝利を勝ち取った。 Neves氏の所属するPSDBは市場経済を重視する政策をとっており、規制緩和や外国資本積極導入を主張し、Petrobrasはブラジルの石油産業で主要な役割を果たすべきだが、外資をより多く参入させるべきだとしている。1995~2002年に大統領を務めた同党のCardoso氏の政権下では、Petrobasの石油産業独占体制が終了し、コンセッション契約が導入され、ライセンスラウンドが頻繁に実施されるようになり、外資を積極的に参入させる石油産業の体制が築かれた。Neves氏も、プレソルト新規鉱区についてPetrobrasがオペレーターとなり権益の最低30%を保有する制度を批判し、自らが大統領に就任した場合には、プレソルト新規鉱区の契約をコンセッション契約に戻すとしていた。また、石油製品価格の管理を取りやめ、ローカルコンテンツに関する規制を緩和すると主張した1。このようなことから、 Neves氏が大統領に就任すれば、プレソルトを始めとするブラジルの石油開発が進展するのではないかとの期待が高まっていた。 しかし、Rouseff大統領が再選されたことで、2010年に制定されたプレソルト開発に関する法律に変更が行われることはないとの見方が一般的だ。 ブラジルでは、プレソルトで発見された油田のユニタイゼーションを巡る議論が活発になっている。 例えば、2010年にShell(80%、オペレーター)/Total(20%)がSantos Basin、BM-S-54鉱区で発見したGato do Mato油田は、油層が同鉱区の外まで広がっているため隣の鉱区とユニタイゼーションをする必要がある。隣はオープンなエリアで、新規鉱区が設定されることになれば、プレソルトエリア内なのでプレソルト開発に関する法律に基づきその鉱区のオペレーターはPetrobrasとなる。また、ユニタイゼーションの場合はオペレーターを1社にしなくてはならないので、法律に従えばPetrobrasが同油田開発についてオペレーターを務めることとなる。しかし、ブラジル政府は従来より、2010年以前に結ばれたコンセッション契約は尊重するとしており、この考え方に基づけば、同油田の開発についてはShellがオペレーターを続けることになる。このように法制度に従うことで不整合が生じてしまったために、同鉱区の開発は1月から中止されており、政府は早期の解決を図りたいとしている。同様の理由で探鉱・開発が止まっている鉱区が少なくとも2鉱区あるとされている2。 このような状況の下、10月31日、Pre-Sal Petroleo SA(PPSA、プレソルト開発法で設置された連邦政府機関、政府の利益を代表し、PS契約の管理を行うことを目的とする機関)とPetrobrasが、Campos Basin、 1 Platt’s Oilgram News2014/10/7、International Oil Daily 2014/10/7 2 Reuters2014/9/17、Business News Americas2014/9/17 - 2 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 M-C-36鉱区、Tartaruga Mestica油田のユニタイゼーションについて契約を締結した。政府は、PS契約の条件にもとづいて生産される原油の非公開の割合を受領することになるという。今回のケースでは、PetrobrasがBM-C-36鉱区の権益の100%を保有していたことから、早期にユニタイゼーションについて合意に至ることができたと考えられる。ブラジルでは、2010年に制定されたプレソルト開発に関する法律により、プレソルト新規鉱区についてはそれまでのコンセッション契約に替えて、PS契約が締結されることとなったが、本件が、PS契約に基づいて解決が図られていることから、ブラジル政府がプレソルト開発に関する法律を変更する計画がないことが窺われる。なお、Petrobrasは同鉱区内のTartaruga Verde油田の生産を2017年に、Tartaruga Mestica油田の生産を2018年上半期に開始する予定で、2022年のピーク時には両油田あわせて12万b/dを生産する計画であるという。 石油製品の価格については、11月7日に、Petrobrasはガソリンの卸売価格を3%、ディーゼルの卸売価格を5%引き上げた。一般消費者向けのガソリン価格並びにディーゼル価格の値上げ幅はこれよりも小さくなるとみられている。ブラジル国内のインフレを抑制するため、Petrobrasは輸入した石油製品を国際市場価格よりも安く国内で販売し、この逆ザヤを負担してきた。例えば、Petrobrasは2014年第1四半期には、国際価格で購入したガソリンをブラジル国内では6.8%割り引いて販売していたという。そのため、同社の収入は過去3年間で約500億ドル減少し3、同社の財務状況悪化を招いたとされている。このような状況から、誰が大統領に選出されようとも、大統領選挙後には石油製品価格が引き上げられるだろうとの観測がなされていた。Mantego財務大臣も、大統領選挙前より2014年末までに石油製品価格を引き上げる計画であるとしていた。最近の油価下落とあいまって、今回の値上げによりブラジル国内のガソリンとディーゼルの価格は国際市場価格とほぼ同水準になったものの、アナリストは、ガソリン、ディーゼルについてそれぞれ5%、8%の値上げが必要であったとし、今回の値上げではPetrobrasの財務体質を改善するには不十分であるとしている。 ローカルコンテンツについては、Rouseff大統領が再選後に見直しを行うか否かについて、見方が分かれていた。これまでのところ、ローカルコンテンツに関する規制変更に関して動きはない。石油産業の進展とともにブラジル経済を活性化させようと導入された制度であるが、ブラジル国内製造業の発展の速度を石油産業の需要が上回っているため、かえってブラジル石油産業の競争力を損ない、石油産業を停滞させているとの議論もあり4、今後の動向が注目される。 Petrobrasを巡る汚職疑惑は、米国Texas州のPasadena製油所を高値で買収したとされる件やSBM Offshoreから賄賂を受領したとされる件に端を発したものであったが、Abreu e Lima製油所の業務委託時の贈収賄、国会議員選挙時の献金等に問題が拡大している。さらに、逮捕、起訴されたPetrobras元 3 Platt’s Oilgram News 2014/11/10 4 中南米経済速報2014/9/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - aulo Roberto Costa氏が減刑と引き換えに利益を享受したとされる人物の情報を提供、その中にEdison Lobao鉱山エネルギー相等Rouseff政権の閣僚や大統領候補のCampos氏が含まれていたことから、同社のイメージを傷つけるだけではなく、大統領選挙にも影響を与える大きな問題に発展した。 Rouseff大統領は大統領選挙直前の10月18日に、Petrobras幹部が長年にわたり特定の業者に契約を受注させる見返りに賄賂を受け取っていたことを認めた。この賄賂の一部はPT等の政党に流れたとされている。Rouseff大統領は、Petrobrasから違法に拠出された資金を取り戻すために全力を尽くすと述べている。11月9日には米国司法省もPetrobrasの捜査を実施しているとの報道があり、さらに、11月中旬にはブラジル連邦警察が同社と大手建設・土木工事会社など3社を家宅捜索し同社元幹部を含む18人を逮捕、7.2億ドル相当の資産を凍結したと伝えられている。また、汚職事件の捜査の進展によって、11月14日に発表を予定していた同社の2014第3四半期決算の内容が影響を受ける可能性を示し、決算発表の時期を12月12日まで延期する方針を明らかにした。今後も捜査が続く模様で、同社の探鉱・開発への影響が懸念される。 2.Petrobrasの最近の動向 (1)生産 10月のPetrobrasのブラジル国内の石油生産量は、前月の211.8万b/dから微増し、212.6万b/dとなった。 Petrobrasが2014年中に生産を開始する予定の3基の生産設備のうち、Cidade de Mangaratiba FPSOは8月中旬にBrasfels造船所を発ち、9月3日にLula-Iracema 油田に到着、10月14日に生産を開始した。また、11月中にPapa-Terra 油田のP-61プラットフォームの生産を開始する予定としている。QGEP/SBMのBrasa造船所で造られた最初のFPSO、Cidade de Ilhabelaも、同造船所を8月末に発ち、Sapinhoa Norte油田に設置されており、第4四半期中に生産を開始する計画であるという。 (ANP、Petrobrasホームページより作成) プレソルトについては、生産設備の建設や生産井のつなぎこみの遅れはあるものの、10月の生産量Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - ヘ60.6万b/dと初めて月間平均で60万b/dを超え、10月28日には64万b/dの新記録を達成した。プレソルト、特にSantos Basinでは、いくつかの生産井は1坑あたり2.5~3.5万b/dを生産しており、計画していたよりも少ない坑井で生産施設のフル生産能力に達している。 メインナンスは続けられており、10月はメインテナンスにより生産量が6.8万b/d減少したが、生産が停止される期間は当初より短くなっているという。 Petrobrasはこのように新規生産設備の生産開始やプレソルトの生産増により9か月連続で石油生産量を増加させている。同社は、引き続き新規生産井の生産を開始することで、2014年末までに石油生産量を230万b/dに増加させる計画だ。しかし、2014年平均石油生産量を2013年の石油生産量193万b/dよりも7.5%±1%増加させ、205.5~209.4万b/dとするという生産目標を達成するのは難しいようで、同社はこれを2013年+5.5~6%に引き下げた。 2013~2014年生産開始(予定)のPetrobrasの生産設備 (PETROBRAS AT A GLANCE他をもとに作成、*P-61とP-63をあわせた生産能力) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - (2)探鉱・開発 Petrobrasはプレソルトの開発を順次進めており、7月には、2013年第1四半期より行われていたSantos Basin、BM-S-9鉱区Sapinhoa(Guara)油田開発の第1フェーズを終了、同鉱区内のLapa(Carioca)油田の開発計画を国家石油庁(ANP)に提出した。Petrobrasは2016年下半期にLapa油田の生産を開始する予定だ。 9月には、同じくSantos BasinのSul de Guara油田をSul de Sapinhoa油田、Nordeste de Tupi油田をSepia油田、Florim油田をItapu油田に名称変更し、ANPにこれらの油田の商業宣言を行った。3油田の可採埋蔵量は合計で12.14億bbl、API比重は26~29度となっている。Sepia 油田は2018年、Itapu油田は2020年に生産開始予定である。Sul de Sapinhoa油田の生産開始時期についてはPetrobrasの2015~2019 年の5ヵ年計画で発表されることとなっている。 Santos Basin、BM-S-24鉱区Jupiterガス田についても、8月に同ガス田の南西8kmの海域でApollonia油田が発見されたり、9月にANPの Chambriard長官が、Jupiterガス田の東10kmに位置するPau Brasil構造の可採埋蔵量は25億bbl程度であると発言したりする等、評価作業と周辺での探鉱が進展をみせている。 2013年にプレソルト入札が実施されPetrobras、Total、Shell、CNPC、CNOOCのコンソーシアムとPS契約が結ばれたLibra油田では、8月に最初に掘削された坑井2-ANP-2A-RJS井の南西5kmの海域で3-RJS-731井の掘削が開始され、10月には同井で石油が確認された。Petrobrasは同油田の長期生産テストに用いるFPSO についてOOG-TeekayとLetter of Intentを締結、2016年第4四半期より長期生産テストを行う予定だ。FPSOの生産能力は5万b/dで、生産されるガスのうち4MMm3/dは再圧入される計画となっている。なお、Totalによると、同油田の開発コストは800億ドルにのぼるという。 Petrobrasは、探鉱活動にも引き続き力を入れており、Campos、Santos Basinだけでなく、Espirito Santo Basin及びSergipe-Alagoas Basinでも相次いで石油、ガスを確認している。 Espirito Santo basinではES-M-525鉱区で掘削した坑井で良好な油層を確認した。同鉱区の権益保有比率はPetrobras65%、Shell20%、Inpex15%となっている。また、Espirito Santo BasinのES-M-414鉱区でTanganika井を掘削、プレソルトでガスを確認した。 Petrobrasは、Sergipe-Alagoas Basinでは2012年以降、Farfan、Moita Bonita、Poco Verde等の油田を発見している。これらの油田の可採埋蔵量は合計で10億bbl以上とされている。同社は同Basinに2018年、2020年にそれぞれ生産能力10万b/dのFPSOを設置する計画で、2014年11月に1基目のFPSOの入札を行う計画である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - uラジル主要鉱区図 (各種資料より作成) (3)精製 Petrobrasは北東部Pernambuco州のAbreu e Lima製油所(Rnest:Refinaria do Nordeste) 第1フェーズ(精製能力11.5万b/d)を11月4日に稼働する予定だったが、必要な承認をANPから得られていないために、稼働時期を延期することとした。11月7日には水処理システムや空気圧縮ユニット等が部分的に稼働したとの発表があり、11月中旬になりようやくANPからの承認が得られたとの報道があったが、石油の精製が開始される時期は明らかにされていない。なお、Pernambuco州の環境規制当局も、汚染対策の設備が設置され稼働するまでは処理量を4.5万b/dに制限するとしており、フル稼働の時期も不明である。今回の稼働時期延期が、2015年5月とされている第2フェーズ(精製能力11.5万b/d)の稼働時期にも影響を及ぼすのではないかと懸念されている。 同製油所は、Marlim油田で生産されるAPI比重16度の原油を精製し、輸入に依存しているディーゼルを国内に供給することを目的としている。製品の70%がディーゼルで、その他にナフサやLPG等を精製することとなっている。完成すれば、ブラジルの精製能力の11%を占めることになり、同製油所の稼働で同社は石油製品輸入量を1/3削減できるとしていた。また、Petrobrasの5ヵ年計画でも、同製油所とGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - omperj製油所が2014~2016年に完成する予定となっており、これにより、国外からの石油製品輸入に依存する下流の状況は改善する見通しとされていた。Abreu e Lima製油所は当初、2010年に稼働、建設コストは230億ドルが予定されていたが、このように稼働時期が遅れ、建設コストも1,850億ドルに膨れ上がっているという。 (4)財務、投資計画 先に述べた通り、Petrobrasはガソリン等石油製品やLNGを輸入し国内で国際市場価格よりも安い価格で販売してきたために、大きな損失を抱えることになった。その一方で、プレソルト開発のため探鉱・開発投資を増加させねばならず、同社の収支悪化については懸念する向きも多い。 2014年8月には、同社に深海の天然ガスパイプライン用のパイプを納入しているTenarisが、Petrobrasのキャッシュフローに問題が生じ同社への支払いが遅延していると発表したとの報道があった。 10月には、Moody’sはPetrobrasの6月末の負債が1,700億ドルに達したことを受け同社の格付けをBaa2に引き下げた。Moody’s は、油価や為替の状況、沖合油田開発への投資状況から判断し、Petrobrasは2016年以降まで負債を削減できないだろうとした。 昨今の油価下落と11月のガソリンとディーゼルの卸売価格の引き上げにより、国際市場価格と国内販売価格の差が縮まり、Petrobrasの石油製品輸入に関する損失は減少していると考えられる。しかし、一方で原油輸出については利益が減少している。同社が今後もプレソルト開発等に投資を続けていくためには、ガソリン等の値上げ幅は小さかったとの見方がなされている。 ブラジル沖合のプレソルトで生産される原油については、Brent の価格が $40~45/bblであれば、利益が生じるとされている。したがって、油価が下落したからといって、Petrobrasの投資計画、特にプレソルトの開発計画が変更されることはないのではないかとの見方をする向きもあるが、一方で、同社の5ヵ年計画はBrentの価格を2014年$105/bbl、それ以降2017年まで$100/bblとの想定で策定されているので、このまま油価が下落すれば、5ヵ年計画に変更が加えられるのではないかとの見方もある。 いずれにせよ、Petrobrasは2018年までに50~110億ドルの資産を売却予定で、資産売却を積極的に続けざるをえないことになると考えられる。なお、2013年11月13日に売買契約を締結したペルー資産(Block X鉱区の権益100%、Block57の権益46.16% 、Block58の権益100%)のCNPCへの売却が、2014年11月に完了、Petrobrasは22億ドルを取得している。 3.油価下落局面でのブラジル石油産業の状況 ブラジルでの探鉱・開発は大水深を中心に行われているため、昨今の油価下落が同国の探鉱・開発に大きな影響を及ぼしているのではないかと懸念する向きがある。そこで、Petrobras以外のブラジル主Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - v企業について最近の動向をまとめた。現在までのところ、油価下落によりこれらの企業に大きな影響は生じていない模様だ。 (1) QGEP Queiroz Galvao Exploracao e Producao (QGEP)は、ブラジル最大のガス田Manatiの権益の45%を保有している。Manatiガス田はBahia州沖合に位置し、2000年10月に発見され、2007年に生産を開始し、現在の生産量は6MMm3/dである。同ガス田で生産されるガスは、Sao Francisco にあるPetrobrasの分離プラントでコンデンセートと分離されBAHIAGASに売却されている。渇水により水力発電量が十分ではなく、その代替として火力発電用のガスの需要が高まっており、ブラジル国内のガス価格は高値で推移している。安定してガスを供給する先が確保されており、ガス価格も高いため、QGEPは強固な財務基盤を確保しており、同社の開発計画には油価下落による影響は生じていない。Santos Basin、BS-4鉱区のAtlanta、Oliva油田は2016年に生産を開始し重質原油を生産する予定で、BM-S-8鉱区等Santos Basinのプレソルトに加え、Espirito Santo BasinやPara-Maranhao Basin等での探鉱も継続する計画である。 (2) OGPar OGPar (Oleo e Gas Participacoes)のCEO、Paulo Narcelio氏によると、同社はTubarao Martelo 油田の生産量を増加させ、破産保護の状態から抜け出せる可能性があるとしている。OGParは、現在、Tubarao Martelo油田で4坑から生産を行っており、9月の生産量は17,508 b/dであった。同社は、2~5億ドルを投じて2016年までにTubarao Martelo 油田の生産量を25,000 b/d に引き上げる計画である。Tubarao Martelo 油田の埋蔵量(2p)は7,850万bblとなっている。一方、Tubarao Azul 油田の生産量は2015年3月まで3,000b/dを維持する見通しである。 (3) HRT 2009年にSolimoes盆地の21の鉱区の権益を取得、2010年にはナミビア沖合鉱区の権益を取得したHRTは、その後もReconcavo盆地の2鉱区、Espirito Santo 盆地の1 鉱区、Rio do Peixe盆地の1 鉱区の権益を取得、IPOで集めた資金を探鉱コストに充て、探鉱を中心に活動を進めていた。しかし、探鉱から生産にシフトを図ることを決定、2013年5月にPolvo油田の権益を取得した。Polvo油田はRio de Janeiro州沖合100kmに位置している。HRTが権益を取得した時には、同油田の生産量は1.3万b/dであったが、2014年第2四半期には10,340b/d、第3四半期には9,707b/dと減少している。 Polvo油田の生産量減少と油価下落でHRTは同油田の増産計画を縮小する可能性があるとみられていたが、同社はコスト削減を継続しながらも、同油田の開発には2017年まで7,500万ドルを投じるとしている。DeGolyer and MacNaughtonによるとPolvo油田の埋蔵量(2P)は1,800万bblで増産余地があるという。同油田の生産コストは55ドル/bblで、HRTは第3四半期に同油田で生産された57.7万bblを87.70Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - hル/bblで売却、過去4カーゴ合計で180万bblを95.60ドル/bblで売却している。HRTは 2015年の油価が80~90ドル/bblで推移することを期待しているという5。 なお、HRTは現在、ナミビアの探鉱中の10鉱区でオペレーターを務め、2鉱区にマイナーシェアで参入しているが、これらの権益の売却先を探している。そして、Polvo油田のような生産中の権益の買収を検討しているという。 5 Platt’s Oilgram News2014/11/17 - 10 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 中南米
国1 ブラジル
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ブラジル
2014/11/21 舩木 弥和子
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