原油市場他:OPEC及び主要非OPEC産油国による原油生産調整実施に対する期待感により、WTIで1バレル当たり50ドル台前半で推移する原油価格
| レポートID | 1004692 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-01-16 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 市場 |
| 著者 | 野神 隆之 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2016 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/1/16 調査部:野神 隆之 原油市場他:OPEC及び主要非OPEC産油国による原油生産調整実施に対する期待感により、WTIで1バレル当たり50ドル台前半で推移する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では秋場のメンテナンス作業を終了し製油所の稼働が上昇するとともに原油精製処理が進んだこと等で原油在庫が減少する場面も見られたが、平年を上回る状態は維持されている。他方、ガソリンについては、クリスマス休暇を控え需要が盛り上がったこともあり、また、留出油については、米国北東部での気温低下により暖房向け需要が堅調になったこともあり、各々の在庫は12月上旬から下旬にかけ減少傾向となったが、クリスマスの休暇に突入した12月下旬以降両製品とも出荷が鈍化したこともあり、在庫が大幅に増加したことから、12月上旬から1月上旬にかけての期間を見ると、在庫は増加しており、ガソリン及び留出油在庫は平年幅を超過する量となっている。 ② 2016年12月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、秋場の製油所メンテナンス作業が終了しつつあった米国、欧州、そして日本において比較的高水準の製油所の稼働のもと、原油精製処理が進んだことにより、それぞれの地域で在庫は減少となったため、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している。他方、製品在庫については、欧州では、製油所の稼働上昇に伴う石油製品生産活動の活発化に伴い当該在庫が増加した。しかしながら、米国ではプロパンやプロピレン等の在庫が前月比で大幅に減少していることから、同国の石油製品全体の在庫は減少している。また、日本でも冬場の暖房需要期到来に伴う灯油需要の増加に伴い当該製品在庫が減少したことから、同国の石油製品全体の在庫も減少となった。この結果、OECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となり、平年幅の上方付近に位置する量となっている。 ③ 2016年12月中旬から2017年1月中旬にかけての原油市場においては、サウジアラビアやクウェート等が11月30日のOPEC総会で合意した減産策を遵守する意向を示したこと等により、この先の世界石油需給の引き締まりに対する市場の期待感が強まったことなどもあり、2017年1月3日早朝の時間外取引時には原油価格はWTIで1バレル当たり55ドルを超過する場面も見られた他、全体を通じ50ドル台前半で推移するなど総じて底堅い動きを示した。 ④ 地政学的リスク要因面では、ナイジェリアでの武装勢力の動きや米国の対イラン政策が原油相場に影響する可能性がある。他方、米国等経済指標類等は原油相場を変動させうるものの、米ドルが継続的に下落するとは考えにくいことから、原油相場が持続的に上昇する場面が発生する可能性はそう高くないと考えられる。一方で、2017年1月のOPEC産油国やロシア等の原油生産削減遵守状況によって、原油相場に上方もしくは下方圧力が加わることになろう。ただ、原油生産削減がある程度遵守されていることにより価格に上方圧力が加わりやすい状態であっても、1月後半頃からは季節的な石油需給の緩和感が市場で広がりやすいことに加え、米国で石油坑井掘削装置の稼働数が増加しつつあるところからすると、この面で原油相場の上昇傾向は少なくともある程度は抑制される可能性があるものと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2016年10月の米国ガソリン需要(確定値)は前年同月比で1.6%程度減少の日量910万バレルとなり(図1参照)、速報値(前年同月比で1.6%程度減少の日量910万バレル)から僅かながら下方修正された。同月の同国ガソリン小売価格が1ガロン当たり2.359ドルと前年同月比で0.028ドルの下落と2014年8月(この時は同0.027ドルの上昇)以来の小幅な下落となったこともあり、自動車運転距離数が前年同月比で1.6%の伸びにとどまったことが、同月のガソリン需要の減少につながったものと考えられる。他方、2016年12月の同国ガソリン需要(速報値)は日量893万バレル、前年同月比で2.4%程度の減少と速報値ベースではあるが10月及び11月に続き前年割れとなっている。12月のガソリン小売価格が1ガロン当たり2.366ドルと前年同月を0.222ドル上回っていることが、ガソリン需要を抑制した一因であるものと考えられる。他方、米国では製油所での秋場のメンテナンス作業が終了に向かうとともに稼働を上昇、原油精製処理量も増加傾向となり(図2参照)、ガソリンを含む石油製品の生産活動が活発化した(最終製品の生産量は図3参照)。また、米国でのクリスマスの休暇時期前には当該休暇時期における自動車旅行等に備えガソリン需要(出荷)が堅調になったことに伴い、12月下旬前半まではガソリン在庫は減少傾向を示したが、休暇シーズン突入後は需要(出荷)が落ち着いたこともあり、ガソリン在庫量は12月30日の週は前週比で831万バレルの増加と、2016年1月8日の週(この時は同844万バレル増加)以来の大幅な増加となった他、2017年1月6日の週についても前週比で502万バレルの増加となった。この結果、2017年1月上旬の当該在庫は12月上旬に比べれば増加となったうえ、平年を超過する水準も維持されている(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? 2016年10月の同国留出油需要(確定値)は日量402万バレルと前年同月比で0.3%程度の増加となったが、速報値である日量406万バレル(前年同月比1.2%程度の増加)からは下方修正されている(図5参照)。10月の米国の鉱工業生産は前年同月比で1.3%の減少、物流活動は同0.2%程度の低下であ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? チた。ただ、物流活動は依然前年割れをしているものの、9月(同1.1%程度の減少)から比べると減少幅が縮小したこともあり、10月の当該需要は前年同月比で微減となったものとみられる。他方、12月の留出油需要(速報値)は日量379万バレルと、前年同月比で1.1%程度の減少となっている。暖房用石油製品需要の中心地である米国東海岸では12月は総じて平年を下回る気温となったため、暖房用石油製品需要は前年比で増加した(2015年12月は2016年12月に比べれば温暖であった)一方で、それ以外(つまり物流部門)の需要が不振であったことが示唆される。しかしながら、11月の物流活動は前年同月比で2.0%程度増加しており、加えて、12月の米国の景況感は同国の経済が改善している方向に向かいつつあることを示しているものがそれなりの数見られることからすると、12月の留出油需要は速報値から確定値に移行する段階で上方修正されるか、もしくは2017年1月の当該需要に反動の恰好で影響が現れることもありうる。また、米国北東部では11月後半に気温が平年以下に低下したこともあり、暖房油と原油との価格差が拡大したことにより、製油所での稼働の上昇とともに留出油生産も旺盛となった(図6参照)ものの、気温の低下に伴う需要が比較的堅調であったこともあり、12月上旬から下旬にかけては、当該在庫は減少傾向となっていた。しかしながら、12月中旬以降はしばしば平年を上回る気温となってきたことで需要が影響を受け始めたと見られるうえ、12月下旬のクリスマスの休暇シーズン到来に伴い需要(出荷)が低下したことから、12月30日の週の留出油在庫は、前週比で1,005万バレルの増加と、2015年1月2日の週(この時は同1,121万バレルの増加)以来の大幅な増加となった他、2017年1月6日の週についても前週比で836万バレルの増加となったこともあり、1月上旬時点の留出油在庫は12月上旬に比べ増加となっており、平年幅上限を超過する量となっている(図7参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 2016年10月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で0.6%程度増加の日量1,962万バレルとなった(図8参照)。ガソリン及び留出油需要が前年同月比で減少したことが米国石油需要の伸びが抑制された一因であると考えらえる。また、留出油、プロパン/プロピレン、重油、及びその他の石油製品の需要が速報値から確定値に移行する段階で下方修正されたこともあり、速報値の日量2,018万バレル(同3.5%程度の増加)からは日量56万バレルの下方修正となっている。また、2016年12月の米国石油需要(速報値)は、日量1,951万バレルと前年同月比で0.4%程度の減少となっている。ガソリン及び留出油需要が前年割れとなったことが影響しているものと考えられる。他方、米国では、製油所での秋場のメンテナンス作業が終わりつつあったことにより製油所での原油精製処理が進んだことに加え、12月26日から12月28日にかけ米国メキシコ湾岸の主要製油所に通じるヒューストン運河(Houston Ship Channel)において濃霧が発生したことにより当該運河での原油積載タンカーの通行が停止させられたことから、当該地域の原油輸入が影響を受けた。また、米国のテキサス州やルイジアナ州では年末の石油在庫評価Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? zに対して固定資産税等が課税されることから課税額を低減させるために精製業者等は必要以上の在庫を保有することを敬遠した可能性もある。このようなこともあり、原油在庫はメキシコ湾岸地域を中心として12月上旬から同月末にかけ減少傾向を示した。しかしながら、2017年1 月6日の週は、前週までの反動(つまり、ヒューストン運河のタンカー通航再開に加え、1月に入ったことによる、年末の課税対策に伴う製油所等の在庫削減行動の必要性の低下)があったものと見られ、原油在庫は前週比で増加した。その結果2017年1月上旬の米国原油在庫は2016年12月上旬の原油在庫とほぼ同水準となっており(図9参照)、平年幅を超過する状態も維持されている。そして、原油、ガソリン及び留出油の在庫量が平年幅を超過していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図10及び11参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2016年12月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、秋場の製油所メンテナンス作業が終了しつつあった米国、欧州、そして日本において比較的高水準の製油所の稼働のもと原油精製処理が進んだことにより、それぞれの地域で在庫は減少となったため、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している(図12参照)。他方、製品在庫については、欧州では、製油所の稼働上昇に伴う石油製品生産活動の活発化に伴い当該在庫が増加した。しかしながら、米国でガソリンや留出油の在庫は増加したものの、プロパンやプロピレン等の在庫が前月比で大幅に減少していることから、同国の石油製品全体の在庫は減少している。プロパン及びプロピレンの在庫減少は、同国での天然ガス生産に付随して生産されるNGL(天然ガス液)の生産量が、天然ガス価格の下落に伴い天然ガス生産とともに伸び悩みとなる一方で、冬場の暖房用需要が国内外で盛り上がったことから、国内での出荷及び海外への輸出が増加したことが背景にあると考えられる。また、日本でも冬場の暖房需要期到来に伴う灯油需要の増加に伴い、当該製品在庫が減少しGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? スことから、12月の同国の石油製品全体の在庫も減少となった。この結果、欧州での在庫増加が米国及び日本での在庫減少で相殺されて余りある状態となったことから、OECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となり平年幅の上限付近に位置する量となっている(図13参照)。そして、原油在庫が平年幅上限を超過している一方、石油製品在庫が平年幅上限付近に位置する量となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を超過する状態となっている(図14参照)。なお、2016年12月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は64.0日と11月末の推定在庫日数(64.4日)から低下している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 2016年12月14日に1,200万バレル弱の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、12月21日も1,200万バレル弱の量であったが、12月28日から2017年1月4日は1,200万バレル台前半、1月11日には1,200万バレル台後半へと、当該在庫は若干ながら増加した。アジア諸国の製油所が秋場のメンテナンス作業を終了し稼働を上昇、石油製品生産活動を活発化させ始めており、軽質留分在庫も増加傾向となっているが、その度合いは緩やかなものとなっており、上昇したとはいえ依然として比較的安価なガソリン小売価格が一因となって需要が堅調であることが示唆される。他方、中国政府から2017年第一四半期の石油会社に与えたガソリン輸出枠が365万トン(日量約34万バレル)と前年同期(463万トン、日量約43万バレル)から引き下げられた(輸出枠は12月23日に中国商務部及び税関総署よりPetroChina、Sinopec、CNOOC、Sinochemの4社に通告されたが、それ以外のいわゆる中小石油会社には輸出枠は設定されていないとされる)ことが、アジア地域でのガソリン需給引き締まり感を醸成した格好となった。このため、12月中旬から1月中旬にかけては、原油価格の上昇に伴い一時的にガソリンと原油の価格差(この場合ガソリンの価格が原油のそれを上回っている)が縮小する場面も見られたが、当該価格差は概ね一定水準を保っている。ナフサについては、冬場の暖房シーズン接近によるLPG需要の増加と価格の上昇に伴い、石油化学産業においてLPGと原料で競合するナフサの需要が強まったことから12月中旬1月上旬にかけてはナフサの価格が支持されたものの、2017年2月以降に実施されるアジア地域での複数のナフサ分解装置のメンテナンス作業の実施に伴うナフサ処理と受け入れの不活発化の観測が市場で発生したことが価格を抑制したこともあり、ナフサ価格が原油のそれを上回ったり下回ったりしていた。しかしながら、1月11日にロシアで国営石油会社Rosneftが操業するTuapse製油所(原油精製処理能力日量24万バレル)の減圧蒸留装置(VDU:Vacuum Distillation Unit)及びUAEでアブダビ国営石油会社ADNOCの操業するRuwais製油所(原油精製処理能力日量84万Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? oレル)のナフサ処理装置(処理能力日量3.4万バレル)で火災が発生したため、ナフサの生産と供給に影響が発生するのではないかとの懸念が市場で発生したこと等もあり、1月中旬にはナフサ価格が原油のそれを上回る度合いは拡大している。 12月14日には1,200万バレル台弱の量であったシンガポールの中間留分在庫は、12月21日には1,000万バレル台後半、28日には1,000万バレル半ば程度、そして2017年1月4日には1,000万バレル台前半、さらに1月11日には900万バレル台後半へと減少傾向となった。秋場のメンテナンス作業を終了するとともに製油所での石油製品活動も活発化したものの、欧州で冬の到来とともに暖房用の軽油需要が増加してきたため、アジア地域から欧州方面へ軽油が流出したと見られるうえ、11月8日にインドで原則使用が禁止された高額紙幣について、12月2日までは石油製品購入に対する利用は認められたことから、この面で一時的であれ同国での軽油需要が盛り上がったことが、中間留分在庫の減少に影響している可能性がある。そしてこのような中間留分在庫の減少に加え、中国で2017年1月1日に国5基準(硫黄分10ppm、Euro V基準に相当)の軽油とガソリンの使用が義務付けられることに伴い、製油所の高度化作業が行われた結果、石油製品の生産が影響を受けたことにより、11月末の同国の軽油在庫が595万トン(約4,439万バレル)と記録的な低水準にまで低下したことから、アジア市場において軽油需給の引き締まり感が発生した。また、前述の通り1月中旬にはロシアとUAEでの製油所の火災に伴う石油製品供給上の懸念も市場で発生した。このようなことから、原油価格の上昇により一時的に縮小する場面は見られたものの、軽油と原油の価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は総じて下支えされる格好で推移した。 シンガポールの重油在庫は、12月14日には2,000万バレル台後半の量であったが、12月21日には2,300万バレル強へと増加した。ただ、その後は12月28日には2,200万バレル台前半、2017年1月4日には1,800万バレル台半ばの量へと減少した。それでも、1月11日の当該在庫は2,200万バレル弱の水準へと回復している。1月4日の在庫は前週比で大幅な減少となったが、これは、中国の旧正月(春節(1月28日)、1月27日~2月2日が休日となる)に備えて需要が増加したことによると見る向きもある。このため、アジア市場での重油と原油との価格差(この場合原油価格が重油のそれを上回っている)は一時縮小傾向を示した。ただ、1月11日には重油在庫が回復したうえ、秋場の欧州及びアジア地域の製油所のメンテナンス作業実施で重油供給が低下したことにより相対的に重油需要が旺盛なアジア市場と欧州市場との間で重油の価格差が拡大した結果、これからの時期アジア市場の欧州方面からの重油の受け入れが堅調になるとの観測が市場で発生したこともあり、アジア市場での重油と原油との価格差はGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? D 2016年12月中旬から2017年1月中旬にかけての原油市場等の状況 2016年12月中旬から2017年1月中旬にかけての原油市場においては、サウジアラビアやクウェート 2等が11月30日のOPEC総会において合意した減産策を遵守する意向である旨明らかになったことや2017年1月にOPEC及び非OPEC産油国による原油生産削減遵守状況につき協議するための監視委員会を開催する旨示唆する情報が流れたことにより、この先の世界石油需給の引き締まりに対する市場の期待感が強まったことに加え、2016年7~9月期の米国国内総生産が上昇修正されたこと等米国経済が回復しつつあることを示す経済指標類が発表されたことなどもあり、2017年1月3日早朝の時間外取引時には原油価格はWTIで1バレル当たり55ドルを超過する場面も見られた他、全体を通じ50ドル台前半で推移するなど総じて底堅い動きを示した(図15参照)。 縮小傾向を示している。 12月19日には、警備兵による封鎖解除により間もなく原油の生産が再開されると見られていたリビアの Sharara油田(推定原油生産能力37万バレル)及びEl Feel油田(同7.5万バレル)につき、警備兵の施設封鎖が継続していることにより生産が再開されていない旨12月19日に報じられたことで、同国の原油生産増加に対する期待が市場で後退したことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.22ドル上昇し、終値は52.12ドルとなった。また、12月20日も翌21日に米国エネルギー省(EIA)から発表される予定である同国石油統計(12月16日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり52.23ドルと前日終値比でGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? .11ドル上昇した(なお、NYMEXの2017年1月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、2月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り53.30ドル(前日終値比0.24ドル上昇)であった)。12月21日の原油価格の終値は1バレル当たり52.49ドルと前日終値比で0.26ドルの上昇であったが、2017年2月渡しWTI原油先物契約同士では同0.81ドルの下落であった。これは、12月21日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が前週比で226万バレルの増加と市場の事前予想(前週比200~250万バレル程度の減少)に反し増加していた旨判明したことによる。ただ、12月22日には、この日イラクのルアイビ石油相が同国内で活動する大部分の石油会社はクルド自治区を含めOPEC総会での合意に合わせ減産に合意している旨発言したことで、イラクの減産遵守に対する期待が市場で増大したことに加え、12月22日に米国商務省から発表された2016年7~9月期国内総生産(GDP)(確報値)が年率前期比3.5%の増加と11月29日に発表された改定値である同3.2%の増加から上方修正されたうえ、同日米国商務省から発表された航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注が前月比で0.9%の増加と市場の事前予想(同0.3~0.4%程度の増加)を上回ったことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.46ドル上昇し、終値は52.95ドルとなった。また、12月23日には、米国クリスマスの連休(12月24~26日)を前にして持ち高調整が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.02ドルと前日終値比で0.07ドルの上昇にとどまった。 12月26日は、米国でのクリスマスの休日に伴い、NYMEXでの原油先物取引は実施されなかったが、12月27日には、OPEC及び一部非OPEC産油国による原油生産量に関する監視委員会の第一回会合を1月13日にアブダビ(UAE)で開催する旨この日報じられた(しかしながら12月28日には当該監視委員会は1月21~22日にオーストリアのウィーンで開催される旨クウェートのマールゾウク(Marzouq)石油相が明らかにしている)ことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産遵守に対する期待が市場で増大したことに加え、ロシアのガスプロムネフチが2017年の原油生産の増加率を前年比で4.5~5.0%とOPEC産油国による原油生産調整方策合意以前の予定よりも引き下げる旨12月27日に明らかにしたことで、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.46ドル上昇し、終値は52.95ドルとなった。また、12月28日も、12月29日にEIAから発表される予定である同国石油統計(12月23日の週分)で原油在庫が減少しているとの観測が市場で発生したことに加え、12月28日に、イラクのルアイビ石油相が同国は2017年1月1日より原油供給量を日量20~21万バレル削減する旨明らかにしたことで、OPEC産油国による減産遵守に対する期待が市場で増大したこともあり、この日の原油価格の終値は1バレル当たり54.06ドルと前日終値比で0.16ドル上昇した。この結果原油価格は12月27~28日の2日間で合Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? v1バレル当たり1.04ドル上昇した。ただ、12月29日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油在庫が前週比で61万バレルの増加と市場の予想(同150~210万バレル程度の減少)に反し増加している旨判明したことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.29ドル下落し、終値は53.77ドルとなった。また、12月30日には、12月31日~2017年1月2日の新年の連休を控えて持ち高調整が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.72ドルと前日終値比で0.05ドルの下落にとどまった。 2017年1月2日は米国での新年の休日に伴いNYMEXでは原油先物取引は実施されなかった。ただ、1月3日早朝の時間外取引時には一時WTIで1バレル当たり55.24ドルと2015年7月6日以来の55ドル超の価格水準に到達したことで利益確定の動きが市場で発生したことに加え、2017年1月3日に米国供給管理協会(ISM)から発表された2016年12月の同国製造業景況感指数(50が当該部門拡大及び縮小の分岐点)が54.7と4ヶ月連続で上昇、2014年12月(この時は54.9)以来の高水準に到達したうえ市場の事前予想(53.5~53.8)を上回ったことから、米ドルが上昇したことにより、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.39ドル下落し、終値は52.33ドルとなった。しかしながら、1月4日には、翌5日にEIAから発表される予定である同国石油統計(12月30日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことに加え、同日クウェート国営石油会社(Kuwait Petroleum Corporation)が2017年1月から第一四半期にかけ顧客に対し供給量の削減を実施すると通告した旨の声明を発表したことで、この先の石油需給の引き締まり感を市場が意識したこと、1月4日に米国調査会社オートデータが発表した2016年12月の米国自動車販売台数が1,755万台と過去最高を記録した旨判明したことから米国株式相場が上昇したこと、1月4日に欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)から発表された2016年12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)(速報値)が前年同月比で1.1%の上昇と市場の事前予想(同0.9~1.0%程度の上昇)を上回っていたことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.26ドルと前日終値比で0.93ドル上昇した。また、1月5日も、サウジアラビアが自国の原油生産量を少なくとも日量48.6万バレル削減し、2017年1月は日量1,005.8万バレルとし、11月30日のOPEC総会での合意を完全遵守する方針である旨同国の石油政策に近い筋が明らかにした他、サウジアラムコが2月のアジア向け原油価格及び同月の米国向け軽質原油価格を引き上げることを明らかに旨1月5日に報じられたことで、石油市場の引き締まり感を市場が意識したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.50ドル上昇し、終値は53.76ドルとなった。また、1月6日も、この日米国労働省から発表された2016年12月の同国雇用統計で時間当Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? スり平均賃金が前年同月比で2.9%の増加と11月の同2.5%の増加から拡大、2009年6月(この時は同2.9%の増加)以来の大幅増加となっている旨判明したことで、この先の同国石油需要の増加に対する期待が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.99ドルと前日終値比で0.23ドル上昇した。この結果原油価格は1月4~6日の3日間合計で1バレル当たり1.66ドル上昇した。 1月9日には、この日イラクのルアイビ石油相が2016年12月の同国南部バスラ港からの原油輸出が日量351万バレルの史上最高水準に到達した旨発表したことで、同国、そして他のOPEC産油国等の原油生産調整方策遵守に対して疑問視する向きが市場で発生したことにより、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり2.03ドル下落し、終値は51.96ドルとなった。また、1月10日も、イラクのバスラ港からの2月の原油輸出計画量が日量364.1万バレルと2016年12月の史上最高水準を更新する可能性がある旨1月10日に報じられたことに加え、1月11日にEIAから発表される予定である同国石油統計(1月6日の週分)で原油在庫が増加している旨判明するとの観測が市場で発生したこと、1月10日にEIAから発表された短期エネルギー見通し(STEO:Short-term Energy Outlook)で、EIAが2017年の米国原油生産量を日量900万バレル(前年比同12万バレル程度の増加)と12月6日発表時の同878万バレル(同8万バレル程度の減少)から上方修正した旨判明したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.82ドルと前日終値比で1.14ドル下落した。この結果原油価格は1月9~10日の2日間で合計1バレル当たり3.17ドル下落した。しかしながら、1月11日には、サウジアラムコが中国、インド及びマレーシアの顧客に対し2月の原油供給量を削減した旨関係筋が明らかにしたとこの日報じられたことで、石油需給の引き締まり感を市場が意識したことに加え、1月11日にEIAから発表された同国石油統計でオクラホマ州クッシング(Cushing)の原油在庫が減少していた他、同国の原油精製処理量が1982年後半以降の週間統計史上最高水準に到達している旨判明したことで足元の原油需要の強さを市場が意識したこと、1月11日に行われたトランプ次期米国大統領による記者会見においてトランプ氏から米国経済成長促進のための具体策に関する発言がなかったことから市場で失望感が発生したことにより米ドルが下落したこともあり、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.43ドル上昇し、終値は52.25ドルとなった。また、1月12日も、この日中国国営石油会社CNPCが2017年の同国の原油需要が前年比で3.4%増加し5.94億トン(推定で日量1,191万バレル)の記録的水準に到達する旨明らかにしたことに加え、1月12日にサウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、同国の原油生産量が日量1,000万バレルを若干割り込むなどOPEC総会で合意した減産幅以上の減産を実施しており、2月はさらに減産を行う計画である旨発言したことで、OPEC産油国の原油生産調整方策遵守に対する期Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? メ感が市場で増大したこと、1月11日に行われたトランプ次期米国大統領による記者会見に対する市場の失望感発生の流れを引き継いだことにより米ドルが下落したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.01ドルと前日終値比で0.76ドル上昇した。この結果原油価格は1月11~12日の2日間で合計1バレル当たり2.19ドル上昇した。ただ、1月13日には、この日中国税関総署から発表された2016年12月の同国の輸出が前年同月比で6.1%の減少と市場の事前予想(同3.5~4.0%の減少)を上回って減少していたことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.64ドル下落し終値は52.37ドルとなっている。 . 今後の見通し等 イラクでは、イスラム国(IS)が支配するモスルに東側地域から進撃していたイラク軍が2017年1月8 3日に同市中央部のチグリス川に到達した。ただ、当初イラク政府は2016年末までにモスルをISから奪還する予定であったが、アバディ首相は当該地域からISを排除するのにもう3ヶ月程度を要する旨12月27日に明らかにしている。他方、12月31日、1月2日、及び1月8日にバグダッド、1月1日に中部のナジャフで、それぞれ爆弾テロが発生している(少なくとも一部はISの犯行と見られている)。 イランについては、米国共和党のコーカー上院外交委員長が1月6日に実施した講演で、ウラン濃縮問題に絡む対イラン制裁を解除した西側諸国等との合意につき、直ちに破棄することはないであろう旨明らかにした。また、12月15日に成立した米国の対イラン制裁法の2017年1月1日からの10年間の延長につき、2016年1月1日のウラン濃縮問題に伴う対イラン制裁解除に影響を与えないと1月10日に米国が保証したことで、西側諸国等とイランとの間での引き続き制裁解除を実施していく旨確認したと欧州連合(EU)が1月10日に声明を発表した。一方で1月8日には、イランの保守穏健派の要人であるラフサンジャニ元大統領(最高評議会議長)が死去した。このため、これまでラフサンジャニ師が後ろ盾となっていたロウハニ大統領を巡る政治情勢に変化が生じる可能性がある。他方、ホルムズ海峡では、1月8日にイラン革命防衛隊の船舶が米国海軍の駆逐艦に異常接近したことで米軍側は警告射撃を実施している。 リビアでは、東部政府(暫定政府)に忠誠を誓う軍が中央砂漠地帯で敵対する勢力の軍に対して12月26日に空爆を実施したと伝えられる。他方、同国のZawiya石油ターミナル(原油出荷能力日量23万バレル)が出荷準備中であり、これで国内主要9石油ターミナル全ての操業が再開されることになると1月4日に同国国営石油会社NOCが発表した他、Sharara油田の原油生産量が能力限界に向け回復中であるGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? |NOCが明らかにしたと1月5日に伝えられる。そして、NOCは12月26日に同国の原油生産量が日量62.2万バレルである旨発表した他、1月13日時点では日量75万バレルに到達した旨統一政府のマイテーグ(Maiteeg)副首相が明らかにした(因みに2016年8月の同国の原油生産量は日量28万バレルであった)。NOCは、2017年の早い段階で日量90万バレル、2017年末までには日量120万バレルにまで増産する計画である旨12月21日に明らかにしている。 シリアのアレッポでは反体制派の戦闘員や一般市民の市外への移送作業が完了した旨12月22日夜赤十字国際委員会が発表、12月29日にはロシアのプーチン大統領が、ロシアとトルコの仲介によりアサド政権と反体制派が12月30日午前0時からのシリア全土での停戦で合意した旨明らかにしている。また12月31日には、国連安全保障理事会が当該停戦を支持する決議案を全会一致で採択した。停戦が遵守されれば、1月23日にカザフスタンのアスタナで和平協議が実施される予定である。現時点では同国の一部地域でアサド政権軍と反体制派との交戦が継続していると伝えられるが、アレッポとする大部分の地域では概ね停戦が維持されている。そして、ロシア軍がシリアで展開していた軍隊の規模縮小を開始した旨ロシア軍が1月6日に明らかにしている。他方、同国北部のバーブにおいて12月22~23日にトルコ軍が対IS作戦と見られる空爆を実施した結果88名が死亡した一方で、1月5日には、同国北西部のジャブラで自動車爆弾テロが発生、民間人等15名が死亡したと伝えられる(ISの関与が疑われている)他、同国北部のアザーズで1月7日に自爆攻撃が発生し43人が犠牲となっていると伝えられる(これもISによる可能性があると見る向きもある)。また、1月12日には首都ダマスカスの政府幹部居住区で爆発があり、政権軍関係者10名が殺害されたとされる。 そして、ナイジェリアでは、1月6日にNiger Delra Avengers(NDA)がナイジェリア当局に武装勢力との対話の用意が見られないことから、戦闘員に戦闘準備を行うよう指示した旨発言している。 全体としては、地政学的リスク要因面では、イラクでモスル奪還作戦が実施中である他、リビアでも一部勢力が敵対する勢力に対して空爆を実施するなどしている。ただ、イラクでは原油輸出量は堅調である他リビアでも原油生産が増加する傾向にある。また、シリアで停戦が発効しており、この面では中東情勢の不透明感は一時に比べれば低下している。このように細かい変化はあるものの、総じて、情勢は以前に比べれば相対的に安定化する方向に向かっており、このような状況が継続すれば、これらの面においては原油相場への影響は限定的なものになると考えられる。ただ、ナイジェリアではNDAが同国の石油関連施設への攻撃を再開する方針である旨明らかになっており、攻撃により再び同国の原油生産が影響を受けるようだと、石油需給の引き締まり感が発生することにより、原油価格を下支えする可能性がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? ?る。また、以前と比べ市場での石油需給の緩和感が低減する方向に向かいつつあることもあり、1月20日に米国でトランプ次期大統領が就任した後に対イラン政策もしくは方針が明らかにされ、それが、今後のイランと米国の対立を激化させる可能性が高まることを通じて市場の石油供給途絶懸念を増長させるようだと、原油相場にそのような懸念が織り込まれやすくなる(つまり原油価格に上方圧力を加える場面が増加する)と考えられる。 米国では1月31日~2月1日に連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定されている。2016年12月13~14日に開催された前回のFOMCの際には、2017年に0.25%の金利引き上げが3回実施される旨の関係者の予想が明らかになったが、既に前回のFOMC開催時に金利を0.25%引き上げているところからすると、次回のFOMCでの金利引き上げ実施の確率は相対的に低いと見られる。それでも、今後発表される予定である経済指標類等の内容によっては、(次回とはいかないまでの次々回FOMC開催時での)金利引き上げに対する市場の期待が高まる結果、米ドルが押し上げられるとともに、原油相場の上昇が抑制されるといった可能性もありうる。このようなことから、米国等経済指標類等の面では、米ドル等が変動するとともに原油相場にもその影響が及ぶと見られるが、米国での金利引き上げ方針が撤回されるということでなければ、米ドルは下落傾向となりにくいことから、この面で原油相場を継続的に上昇するといった展開となる可能性はそれほど高くないと考えられる。他方、1月20日に就任する予定であるトランプ次期米国大統領が明らかにする経済政策によっては、米国経済成長に対する期待が高まるとともに、株式相場が上昇、それが原油相場に織り込まれることになろう。しかしながら、その場合米ドルも上昇することにより、原油相場に下方圧力を加えることで、原油相場が乱高下することもありうる。また、既に米国等主要企業の2016年第四四半期の業績発表シーズンが開始されていることから、それらの業績により米国株式相場が変動するとともに原油相場がその影響を受ける場面が見られることも想定される。 石油需給面では、OPEC産油国及びロシア等一部非OPEC産油国の原油生産量が市場の注目するところとなろう。現在のところ、OPEC産油国及びOPEC産油国と原油生産調整で合意したロシア等一部非OPEC産油国については、サウジアラビアをはじめとして顧客に対し原油供給の削減を通告している等報じられる(表1及び2参照)。この先もOPEC産油国及びロシア等の断片的な原油生産及び輸出に関する情報によって原油相場が変動する可能性もあるが、現時点での情報ではOPEC産油国等の減産が全体としてどうなっているのか、そして減産が継続的に実施されているのか、ということ等の状況を把握することは困難である。そして、1月下旬から2月中旬にかけ、各報道機関及び石油市場関係機関(EIA、IEA、OPEC等)の発表する2017年1月の原油生産統計がOPEC及びロシアを含む一部非OPECGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? Y油国の原油生産調整方策実施後初めての原油生産統計となるので、この数値が実質的な原油生産量の削減を示しているかどうかで、石油市場関係者の心理が左右されることになると考えられる。ここにおいて、原油生産がある程度削減されている旨判明すれば、石油需給の引き締まり感が市場で発生することにより、原油相場を下支えすることになる。反対に、原油生産削減状態が芳しくないようだと、市場関係者の失望を誘うとともに原油相場に下方圧力が加わることになろう。他方、1月後半頃以降も冬場の暖房シーズンに伴う暖房用石油製品需要期は最終消費段階ではなお続く(暖房シーズンは概ね11月1日から3月31日までである)。しかしながら、製油所の段階では、既にある程度暖房用石油製品の生産が進んでおり、むしろ間もなくメンテナンス作業時期に突入することで、その時期に向け製油所は稼働を引き下げ始めるとともに、原油の購入を不活発にしてくる。このため、原油に対する需要がこの先低下するとの観測を含め、季節的な石油需給の緩和感が市場で醸成されやすくなることから、この面で原油相場に下方圧力を加わる可能性がある。ただ、暖房用石油製品需要の中心地である米国北東部において平年を割り込む気温が継続したり、また平年を割り込む気温予報が発表されたりすると、一時的であれ、市場での暖房油需給の引き締まり感の醸成から、暖房油価格、そして原油価格が上昇する場面が見られることもありうる。また、1月19日には国際通貨基金(IMF)から世界経済見通し(WEO:World Economic Outlook)が発表される予定である。そこにおいて世界経済成長に関して修正等が施されている旨判明すれば、その後発行される予定のIEA、EIA及びOPECの石油市場報告の類において世界石油需要が修正されるとの観測が市場で発生することにより、原油相場が変動することも想定される。他方、米国では石油坑井掘削装置稼働数が増加傾向となっていることから、この先の米国原油生産増加観測も市場で強まっていると見られ、この面では原油相場の上昇を抑える格好で作用するものと考えられる。 全体としては、地政学的リスク要因面では、ナイジェリアでの武装勢力の動きや米国の対イラン政策が原油相場に影響する可能性がある。また、米国等経済指標類等は原油相場を変動させうるものの、米ドルが継続的に下落するとは考えにくいことから原油相場が継続的に上昇する場面が発生する可能性はそう高くないと考えられる。一方で、2017年1月のOPEC産油国やロシア等一部非OPEC産油国の原油生産削減遵守状況によって、原油相場に上方もしくは下方圧力が加わることになろう。ただ、原油生産削減がある程度遵守されていることにより価格に上方圧力が加わりやすい状態であっても、1月後半頃からは季節的な石油需給の緩和感が市場で広がりやすいことに加え、米国で石油坑井掘削装置の稼働数が増加しつつあるところからすると、原油相場の上昇傾向は少なくともある程度は抑制される可能性があるものと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? \1 OPEC産油国の原油生産調整を巡る主な動き(単位:特に記載のない場合は日量千バレル)減産前減産後産油国アルジェリア基準原油生産量1,089原油生産量減産幅501,039日付内容2017年1月12日ブテルファ エネルギー相が1月は日量6万バレルの減産を行う予定であり、これは、合意した同5万バレルを超過する旨発言。アンゴラエクアドルガボンイランイラク1,7511,673782017年1月7日国営石油会社Sonangolが原油供給量を日量7.8万バレル引き下げ、2017年1月1日より日量167.3万バレルとした旨の声明を発表。5482023,7075221933,797269-904,5614,3512102016年12月16日日量9,000バレルの減産を実施することを約束する旨表明。2017年1月10日イランの原油生産量が日量400万バレル前後に到達した旨国営石油会社NIOC幹部が発言した旨報じられる。2016年12月9日欧米の顧客に関して原油供給削減を通知した旨関係筋が明らかにしたと報じられる。2016年12月9日精製業者3社が国営石油販売会社SOMOから, バスラ原油を契約数量通り供給する旨の通告を受領した旨報じられる。2017年1月9日2016年12月の南部バスラ港からの原油輸出が日量351万バレルと11月の同341万バレルから増加し史上最高になった旨ルアイビ石油相が発表した旨報じられる。2017年1月9日欧州及びアジアの3精製業者に対してバスラ原油を契約数量通り供給する旨関係筋が明らかに。2017年1月10日ルアイビ石油相が2017年1月1日より日量16万バレルの減産を実施する旨発表。2017年1月10日2017年2月のSOMOによるバスラ港からの原油輸出計画量が日量364万バレルと2016年12月の原油輸出量よりも増加している旨報じられる。2017年1月12日原油輸出量が1月12日時点で日量17万バレル減少、そして週末までにさらに日量4万バレル削減する旨ルアイビ石油相が発言。クウェート2,8382,7071312016年12月13日国営石油会社Kuwait Petroleum Corporationが2017年1月より契約上の原油供給を削減する旨公式に顧客に通告した旨表明。2017年1月4日国営石油会社Kuwait Petroleum Corporationが顧客に2017年1月から同年第一四半期にかけ原油供給量を削減する旨通告したとの声明を発表。2017年1月7日クウェート石油産業幹部が、原油生産量を削減し2017年1月より日量270.7万バレル前後の原油生産量となった旨発言。リビアナイジェリアカタールサウジアラビア------2017年1月13日同国の原油生産量が日量75万バレルに到達した旨統一政府のMaiteeg副首相が明らかに。2017年1月6日武装勢力Niger Delra Avengersが戦闘員に(産油地域であるNiger Deltaでの)戦闘を準備するよう指示した旨明らかに。64810,54461810,058304862016年12月13日国営石油会社QPが1月1日より原油供給を削減する旨顧客に通知したとの声明を発表。2016年12月9日欧米の顧客に対して2017年1月より供給削減を通告した旨サウジアラビアの石油政策に近い筋が明らかに。2016年12月9日精製業者8社がサウジアラムコから1月は原油を契約通りに供給する他、3社については要求した追加供給分についても出荷も実施される旨明らかに。また1社はアラブ・エクストラ・ライト原油につき2017年1月は契約数量以上の量を供給することで合意。2016年12月16日サウジアラムコがアジアの顧客に対し2017年1月以降さらなる通告があるまで原油の柔軟な引き取り条項の適用を中断すると通告した旨報じられる。2017年1月5日1月の原油生産量を少なくとも日量48.6万バレル削減し、日量1,005.8万バレルとする旨サウジアラビアの石油生産に近い筋が明らかに。2017年1月5日サウジアラムコが世界中の顧客に対して2月の原油供給量を最高で7%削減するための協議を開始した、と関係筋が明らかに。2017年1月11日サウジアラムコが中国の石油会社に加え、Reliance Industries、Hindastan Mittal Energy、Petronas等に対し2月の原油供給量を削減した旨関係筋が明らかする一方で、日本及び韓国の精製業者少なくとも8社は2月の原油供給量については契約数量通りである旨明らかに。UAE3,0132,8741392016年12月13日国営石油会社ADNOCが輸出向けの原油であるMurban及びUpper Zakum原油を5%、Das原油を3%、それぞれ供給を削減する旨発表。ベネズエラ2,0671,972952016年12月27日2017年1月1日から国営石油会社PDVSA及びその子会社が日量9.5万バレルの減産を実施する旨石油鉱業省が発表。出所:各種資料をもとに作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? \2 非OPEC産油国の原油生産調整を巡る主な動き(単位:特に記載のない場合は日量千バレル)日付内容2016年12月10日2017年3月までに日量20万バレル減産したうえ、4~5月に日量30万バレルへと減産幅を拡大する方針である旨ノバク エネルギー相が表明。2016年12月20日国営石油輸送会社Transneftが2017年1~3月の旧ソ連外への原油輸出を50.98mt(日量417万バレル)と2016年第四四半期(51.36mt)(日量416万バレル)比で0.7%削減する旨発言。2017年1月9日ロシアの2017年1月1~8日の原油生産量が前月比で日量10万バレル減少した旨関係筋が明らかに。2017年1月11日1月10日のロシアの原油生産量が日量1,102.6万バレルと1月1~8日の同1,111.4万バレルから減少、とエネルギー省のデータで明らかに。2016年12月13日石油・ガス省が石油会社に日量4.5万バレルの産出量削減を通告。2017年1月12日石油・ガス省が個別石油会社向けの原油生産量を設定した旨明らかに。Petroleum DevelopmentOman:日量652,000バレル、Occidental Oman:日量218,585バレル、Daleel Petroleum:日量48,000バレル、CC Energy:日量41,000バレル、その他:日量10,509バレル、合計日量970,094バレル。2017年1月10日減産を開始した旨エネルギー省が明らかにしたと報じられる。2017年1月12日既に日量2万バレルの減産を実施した旨エネルギー省が明らかに。2016年12月13日国営石油会社PetronasがOPEC及び一部非OPEC産油国間での合意に従い減産する旨表明。産油国ロシア減産前原油生産量11,247減産後原油生産量減産幅30010,947メキシコオマーンアゼルバイジャンカザフスタンマレーシア赤道ギニアバーレーン南スーダンスーダンブルネイNANANANANANANANANANANANA10045NANANANANANANANA3520201210844出所:各種資料をもとに作成 . 米国原油輸出解禁を巡る原油市場状況 2015年12月18日に、米国からの原油輸出が事実上解禁された。2006年第一四半期以前は恒常的 4にWTIの価格はブレントのそれを1バレル当たり2~4ドル程度上回っていたが、その後、クッシングへ原油を流入させるパイプラインの整備や国内でのシェールオイル増産、カナダからの原油輸入の増加の一方で、クッシングから原油を流出させるパイプラインが限られていたことや米国からの原油輸出が事実上禁止されていたことが一因となり、例えば軽質低硫黄原油であるWTIの価格が相対的に品質の劣るブレント原油に比べて割安になっていた。そして、米国議会等で原油輸出解禁に向けた動きが出てきた2015年12月14日以降、それまでブレントを1バレルあたり2~4ドル程度下回っていたWTIは価格差を縮小し、両原油の価格は一時期ほぼ同水準になった。しかしながら、その後はWTI価格が持続的にブレントのそれを上回るまでには至っておらず、WTIの価格はブレントのそれを概ね1~3ドル弱程度下回る状況となっている。 前述の通り、米国では、中西部でシェールオイルの開発が進んだこともあり、原油生産が増加する一Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? 福ナ、カナダからのオイルサンド由来の合成原油の生産が活発化するとともに、生産された合成原油等が米国中西部に流入してきた(図16参照)。中西部の製油所はカナダからの合成原油(これは基本的に重質原油である)流入増加に備えて製油所を高度化するとともに精製能力も増強してきたものの、シェールオイル(これは基本的に軽質原油である)のいわば急激な増産までは予想していなかったこともあり、余剰気味となったシェールオイルの相当量がオクラホマ州のクッシングにある貯蔵施設等へと向かったと見られる。このため、クッシングの原油在庫が高水準となり(図17参照)、この地点で受け渡しされるWTIの価格がブレントのそれを一時1バレル当たり20数ドル下回る場面も見られた。 2012年から2014年にかけては、クッシングから原油を流出させる、もしくはクッシングを迂回させるパ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? Cプラインが整備された(表3参照)ため、WTIのブレントに対する割安感も縮小する方向に向かった。しかしながら、後にクッシングに原油を流入させるパイプラインも整備された(表4参照)。また、クッシングから原油を流出させるパイプラインの輸送先が内陸地である場合も多く、原油を海外へと仕向けることのできるメキシコ湾岸地域へ原油を輸送する主なパイプラインはSeawayパイプライン(日量85万バレル)及びGulfcoastパイプライン(同70万バレル)に限られるなど、クッシングから原油を流出させる体制は柔軟性に欠ける状態となっている。併せて米国中西部ではシェールオイルの生産拡大とともに原油生産量が増加しており、少なくともその一部がクッシングに輸送されてきたと見られる。このため、クッシングでは引き続き原油が貯蔵されやすい状態となっている。 表3 2012年以降に完成したクッシングから原油を流出させるパイプライン(輸送能力:日量万バレル)パイプライン名Seaway Pipeline開通年月輸送能力 起点終点2012年5月85Cushing, OklahomaFreeport, TexasLonghorn Pipeline2013年4月27.5Midland, TexasHouston, TexasGulfcoast Pipeline2014年1月70Cushing, OklahomaHouston/Port Arthur, Texas出所:各種資料をもとに作成 表4 2014年以降に完成したクッシングへ原油を流入させるパイプライン(輸送能力:日量万バレル)パイプライン名開通年月輸送能力 起点終点White Cliffs Pipeline2014年8月21.5Platteville, ColoradoCushing, OklahomaPony Express Pipeline2014年11月23Guernsey, WyomingCushing, OklahomaFlanagan South Pipeline2014年12月60Pontiac, IllioisCushing, Oklahoma出所:各種資料をもとに作成 他方、米国の東部海岸の製油所では、ブレント原油価格に連動した国外からの原油輸入が主流であったが、中西部からも製油所には鉄道で原油が輸送されている。中西部から米国東部海岸には原油を輸送するパイプライン能力が極めて限られている(中西部から東部海岸への原油のパイプライン輸送は日量1万バレル未満である)。これは、中西部と米国東部海岸の間にアパラチア山脈があるため、高低差のある経路での原油パイプライン建設にはポンプ施設等の費用が嵩む他、環境問題に敏感な東部海岸での住民の説得に期間や費用を要する可能性があったことから、初期費用が抑制される鉄道が指向されたことが背景にあると考えられる。しかしながら、鉄道輸送施設整備の初期費用はパイプラインに比べ安価ではあるものの、輸送コスト自体は条件にもよるが1バレル当たり10ドル程度を要した(パイプライン輸送は鉄道輸送の3分の1程度と見る向きもある)。このため、クッシング周辺の原油流出入バランスが改善されるとともに、ブレントとの価格差が数ドル程度にまで縮小したことから、米国東海岸の製油所Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? ノとってみれば、米国内陸産原油を鉄道で東海岸に輸送することとは割高となってきた。このため、米国東海岸の製油所において中西部から鉄道で輸送される原油の受け入れが低下した(但し時間差を以て低下しており、この部分は鉄道輸送契約期間が関係していると見られる、図18参照)。 そして、米国で原油輸出が解禁されたことにより、WTIとブレントの価格差はさらに縮小した。これにより、米国東海岸においては、ブレント等海外の軽質原油の割安感が増したことから、軽質を中心として原油輸入が増加するようになった。ただ、米国東海岸地域における原油輸入増加傾向の中でも、原油輸入量には限界的な変動が見られる。ブレントとWTIの原油価格差が1バレル当たり2ドルを割り込むようであると、ブレントの割安感が感じられ、少し遅れて当該地域での軽質原油の輸入量が増加し、反面原油価格差が2ドルを超過するようであると、ブレント原油の割高感が感じられ当該地域での原油輸入量が減少する傾向が見られる。また、輸出面をみると、ブレントとWTIの原油価格差が1バレル当たり2ドルを割り込むようであると、WTIの割高感が感じられ、米国からの原油輸出量が低下する反面、原油価格差が2ドルを超過するようであると、WTIの割安感が感じられ、米国からの原油輸出量が増加する傾向が見られる(図19参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? 2016年11月30日のOPEC総会における原油生産削減方策に関する合意、そして、2016年12月10日のOPEC及び一部非OPEC産油国による閣僚級会合での非OPEC産油国による減産表明で、ブレントやドバイの価格がWTIに比べ堅調となった。協調減産が実現すれば、相当程度の減産を実施すると予想される中東湾岸OPEC産油国やロシアに近い、つまり減産の影響を受けやすい、中東や欧州市場の原油価格(代表的なものはドバイであり、ブレントである)が相対的に上昇しやすい反面、国内生産が豊富であり、かつ中東やロシアの原油輸入が限定的であることから、欧州等に比べ協調減産の影響を受けにくい米国産原油(代表的なものはWTIである)の価格が相対的に下落しやすくなる。このため、ブレントとWTIの月間平均価格差は11月の1バレル当たり1.21ドルから12月は2.75ドルへと拡大した。そして、これにより、この先米国からの原油輸出が増加することが予想される。 2006年時点ではまだ、シカゴからクッシングへと原油を輸送するパイプラインが未整備であったことから、クッシングの原油在庫もそれほど高水準ではなく、その結果、WTIの原油価格がブレントに対して割高であった(その代わりシカゴ地域の原油価格はWTIを10ドル程度下回っていた場合もあったとされる)が、現状では、比較的高水準の中西部での原油生産とカナダからの原油の流入、クッシングを巡るパイプラインの原油流出入状況、そして、東海岸への原油輸送パイプラインの欠如と高水準の鉄道原油輸送コストといった諸条件からすると、引き続きクッシングの原油在庫は高水準となりやすく、その結果、WTI価格がブレントのそれを上回る状況が再び出現する可能性は低いものと考えられる。WTIの価格がブレントのそれを上回るようになるには、少なくともクッシングからメキシコ湾岸方向へ原油を輸送するパイプラインがさらに整備されることにより、クッシングの原油在庫が相当程度減少することが必要であろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? |
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