中国:石油・天然ガス関連13次五か年計画の概要と当面の需給、対外投資の展望
| レポートID | 1004698 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-03-02 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 基礎情報 |
| 著者 | 竹原 美佳 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2016 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/2/26 調査部 竹原 美佳 中国:石油・天然ガス関連13次五か年計画の概要と当面の需給、対外投資の展望 ? 中国政府(国家発展改革委員会)は2016年12月から2017年1月にかけてエネルギーおよびエネルギー源別の13次五か年計画(以下、「13・5計画」)を相次いで発表した。エネルギー「13・5計画」は前回の五か年計画と同様に消費総量の抑制、効率の向上、低炭素化を図りつつ自給率を維持することを目指している。石油と天然ガスの消費は石炭と非化石エネルギーによる。特に天然ガスは石炭や石油からの転換次第である。 ? 石油「13・5計画」のポイントは国内探鉱開発、供給の安定、輸送・貯蔵インフラ(備蓄)の整備、石油からの燃料転換、技術開発・装備の国産化である。供給の安定については成熟油田の生産減退ペースを抑制、西部陸上や深海開発加速により生産維持を図る計画だが、低油価による生産維持、増産のための投資抑制の影響からの脱却には一定の時間を要する。基本的には中東からの輸入が増加すると思われるが17年はOPECの減産により中東のシェアは低下する可能性がある。 ? 天然ガス「13・5計画」のポイントは国内探鉱開発、供給増加、ガス貯蔵、ピーク調整設備等のインフラ整備、市場化、高効率利用(石炭からの燃料転換)。天然ガスは需要、供給ともに石油に比べ高い伸び。しかし需要、生産、輸入ガス供給のいずれも不確実性あり。輸入ガス契約量はLNGとパイプライン計140BCMだが、輸入量は契約量を下回る可能性がある。長期的にはロシア・中央アジアからの輸入が増加する見通しである。 ? 国有石油企業の対外投資は低油価、汚職取り締まり等の影響で抑制的だが、非国有石油企業による対外投資が活発である。政府の対外投資・運用に対する厳しい姿勢と資本流出規制が対外投資に影響を及ぼす可能性がある。国有石油企業はコスト削減、既往投資案件の手当を優先しつつ選択的に投資を行う姿勢である。 中国政府(国家発展改革委員会)は2016年12月から2017年1月にかけてエネルギーならびにエネルギー源別の13次五か年計画(以下、「13・5計画」)を相次いで発表した。エネルギー全体と石炭、電力、石油と天然ガス、再生可能エネルギーについてそれぞれ発表されている。天然ガスについては別途シェールガスと炭層ガス(CBM・CMM)の五か年計画も発表されている。基本的に計画は12次五か年計画(以下「12・5計画」)期間(2011~2015年)の実績(成果と課題)と「13・5計画」の重点項目(目標)で構成されている。なお五か年計画は必達目標である拘束性指標と政策の実施により到達すると思われる予期性(予測性)指標があるが、石油と天然ガスの「13・5」計画は天然ガスの地下貯蔵能力増強目標を除き予Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? ェ性指標である。今回のエネルギーならびにエネルギー源別の「13・5計画」は経済成長の伸びが減速しエネルギー需要の伸びも落ち着いた中国が供給確保から低炭素化に大きく舵を切り、高効率、スマートシステム、エネルギー消費、供給、技術革命、「混合所有制経済」(国有企業の独占打破、異業種の産業への投資奨励)政策に基づく公平なアクセス、国際協力、サービス向上など多岐に亘る施策を示した興味深い内容である。本稿ではエネルギー「13・5計画」と石油と天然ガスの「13・5計画」のうち、特に石油と天然ガスの需給と対外投資に関連した部分に焦点を絞り、足元の状況を見ながら計画の実現性や今後の展望について考察を行った。 1.エネルギー「13・5計画」のポイント エネルギー「13・5計画」は前回の五か年計画と同様に“消費総量の抑制”、“効率の向上” 、“低炭素化”(石炭消費を抑制し、原子力と再生可能エネルギー<以下、非化石エネルギー>および天然ガスの消費を拡大する)を図りつつ、エネルギー自給率80%を維持することを目指している。 消費総量の抑制についてはエネルギー消費を2020年時点で35億石油換算トン(以下、toe)に抑制(年平均成長率2.5%程度)とする目標が設定されている(図1)。効率向上についてはGDP単位(1万元創出)あたりのエネルギー消費を2015年比15%削減する目標や発電における石炭消費の削減、送電ロスを抑制する目標が設定されている。低炭素化については石炭の1次エネルギー消費に占める比率を2015年の64%から58%以下に、非化石エネルギーの比率を同じく12%から15%以上とする拘束性指標が設定されている。天然ガスは予測性指標だがエネルギー「13・5」では2015年の6%から2020年に10%に増加させる政策となっている。しかし天然ガス「13・5計画」では2020年の指標が8.5~10%に下方修正されている。ちなみに中国政府は2016年に提出したINDC(約束草案)において2030年前後に石炭消費をピークアウトさせ、2030年に非化石エネルギーの比率を20%程度とする目標を設定している。これらの目標から石油と天然ガスの消費は石炭と非化石エネルギーにより決まり、特に天然ガスの消費は石炭や石油からの転換次第であることが読み取れる。 低炭素化に関連し、発電設備構成の目標をみると発電設備容量を2015年の15.3億kWから2020年までに4.7億kW増強し20億kWとする計画である。そのうち非化石エネルギーの比率を15年の35%(5.3億kW)から2020年までに39%(8億kW)、天然ガス火力の比率を同5%(7000万kW)から6%(1.1億kW)に拡大する目標が設定されている(図2)。発電設備容量増強の6割を非化石エネルギーと天然ガスが占めることになるが予測性指標である。石炭火力は2億kWの増強計画となっているが認可済みの石炭Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? ホ力がその倍以上ある模様である。また発電電力量は総量のみ(15年の5.7兆kWhから20年までに6.8~7.2兆kWh)で電源別の目標設定はない。中国電力企業連合会によると2015年の発電電力量に占める非化石エネルギーの比率は26.3%、ガス火力は2.9%であり、石炭火力の比率が67.9%と太宗を占めている。少なくとも現在の状況からガス火力の役割がピーク調整以上になることは当面考えにくい。 図 1:エネルギー「13・5計画」における主要目標と2020年の消費構成目標 図 2:エネルギー「13・5計画」における発電設備と発電電力量目標 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 石油「13・5」計画では国内の探鉱開発強化による原油生産400万b/dの維持、中露原油パイプライン2期など輸入パイプラインを含む輸送インフラの整備、国家石油備蓄の構築(基地の政府管理強化、2期・3期の建設、国家石油製品備蓄構築を含む法整備など)により供給の安定を図ることを目指している(図3)。また今回の計画では石油から他のエネルギーへの転換(工業用重油ボイラーの天然ガス・電化、天然ガス自動車、船舶燃料(バンカリング)、電気自動車など公共輸送部門の燃料転換)を進めることが示された。技術開発と装備の国産化については深海、深層、非在来型油ガス開発技術、石油工程設備の.石油「13・5計画」のポイントならびに実現性、今後の展望についての考察 2国産化について示された。 「石油13・5計画」に基づき作成 *1in-place:BP統計による確認可採埋蔵量(2015年)は185億bbl *2輸入比率:見かけ消費量、純輸入量に基づき計算 図 3:石油「13・5計画」の主要目標 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? i1)低油価による投資縮小で2016年の原油生産は急減 国内の探鉱開発強化による生産の維持について足元は厳しい状況である。2016年の国内原油生産量は前年比7%減(約30万b/d減)の398万b/dで2010年以降初めて400万b/dを下回った。中国の原油生産の8割は陸上で行われており、さらにその5割は東部陸上が占めるが、生産減少の6割強を東部の成熟油田が占めていた(図4)。東部成熟油田の操業者であるCNPCやSINOPECは大慶や勝利油田など1960年頃から生産を行っている成熟油田について経済性の低い油井の操業を停止する計画的な減産を実施した。2016年3月にSINOPECのCEOは勝利油田について50ドル/bblでも一部油井は赤字であるとし、経済性の低い油井の操業を停止し5%程度減産を行う計画を表明した。実際はそれを上回る約10%超の減産となった。CNPCも大慶油田で同様の対応を行い5%程度の減産となった。 石油「13・5計画」では東部大慶、勝利等成熟油田の生産減退ペースを抑制(15年の210万b/dから20年に170万b/d)し、西部長慶油田等の増産(15年の120万b/dから20年の140万b/d)を図る。さらに海洋は渤海や南シナ海等の生産減退ペースを抑制(15年の100万b/dから20年に90万b/d)することで生産量400万b/dの維持を図る計画だが、成熟油田減退の抑制と西部陸上油田の増産はそれほど容易ではないと思われる。国有石油企業3社の上流投資は2014~16年で4割減少しており、国内新規坑井掘削は2015年に25%減少している。近年増産傾向にあった西部長慶油田の掘削も18%減少している(図5)。 2)成熟油田減退抑制と西部陸上増産政策実現はそれほど容易ではない (図 4:中国主要産地別生産(2015年)ならびに生産推移 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? } 5:石油「13・5」計画における生産維持の地域別目標と国有石油企業3社の新規坑井掘削数、長慶油田の生産、開発 井掘削数推移 NOOC Ltdが17年2月に発表した2017年の戦略において国外事業を含む17年の上流投資額を C600億~700億人民元(87億~102億ドル)としており投資額は15年水準に回復する(図6)。しかし同社は2017年の生産目標を16年比3~5%減の450~460百万boe(1.23~1.26MMboed)に引き下げた。2017年以降国有石油企業の投資が上向いていったとしても400万b/dの維持はともかく2015年の430万b/dに増やすことは新規油田発見でも続かなければ考えにくい。 図 6 CNOOC Ltdの投資額推移 (出所:CNOOC Ltd 2017 strategy Preview) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? i3)政府の見通し通り原油輸入の伸びは鈍化するのか? 前回の2010~15年の原油純輸入量の伸びは年平均6.9%で15年の原油純輸入は6.6百万b/dであったが今回の石油「13・5」計画では予測性指標だが原油純輸入量が年平均3.21%増に半減し2020年に7.8百万b/dとなる(表1)。しかし2016年の原油純輸入量は地方製油所(ティーポット)を含む製油所の精製処理量増加などにより前年比13%増の754万b/dであった。原油純輸入の伸びの鈍化ペースについて業界関係者は懐疑的な見方を示している。CNPC経済技術研究院(ETRI)は17年1月に「2016国内外石油ガス産業発展報告」を公表した。ETRIは2017年の同国石油製品生産量を前年比4.3%増とした。CNPCの予測に基づき2017年の原油輸入を試算すると政府の19年見通しに達する結果となる。一方ETRIはガソリン、軽油、ジェット燃料の需要の伸びを同2%増(約20万b/d増)と予測しており石油需要(実需)の伸びは鈍化していく見通しを示している。実需の伸びが鈍化する一方で処理能力増強は続いており、原油輸入の増加は政府見通しを上回ると思われる。 1:石油「13・5計画」における生産、見かけ消費、純輸入 表2010年(実績)2015年(実績)2020年(目標)原油生産量石油見かけ消費量百万b/d原油純輸入量百万b/d100万b/d4.18.84.94.311.26.64.0<12.07.8石油「13・5計画」に基づき作成 年平均成長率11→15年1.1%4.8%6.9%年平均成長率16→20年-1.5%3.2% 4)輸入原油は今後どこから調達? ~注目はサウジアラビア、ロシア、ブラジル~ ( 輸入原油の増加分はどこから調達するのか。近年中国の原油の上位輸入相手国6カ国(サウジアラビア、アンゴラ、オマーン、ロシア、イラク、イラン)の顔ぶれは変わらないが、ここ数年のトレンドとしてサウジとロシアが対照的な動きを見せている(図7)。サウジアラビアは1998年に中国と供給拡大で合意し、その後2002年から15年までシェア1位を維持していた。しかし2013年の19%から16年13%と2014年以降シェアが落ちている。逆にロシアは2013年の9%から16年の14%と2014年以降シェアを伸ばし、2016年にはサウジアラビアを上回り初の1位を獲得した。 中東からの輸入総量は増加しており、基本的に供給余力のある中東からの調達が増加すると思われGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 驍ェ、ロシアや南米からの輸入増加で中東からの輸入シェアは2015年の51%から49%へと若干低下している。2017年はOPEC減産合意によりサウジアラビアが中国向けの原油供給を削減しているとの情報もあり中東からの輸入シェアはさらに低下する可能性がある。 中国の主要国からの原油輸入(2015・16年)20100401201406080UAE3%クウェート4%ブラジル5%ベネズエラ5%その他17%ロシア14%サウジアラビア13%アンゴラ12%イラン8%オマーン9%イラク10%0ロシアサウジアラビアアンゴライラクオマーンイランベネズエラブラジルクウェートUAEその他2015年2016年 図 7:中国の原油輸入主要相手先(2016年)と原油輸入増減(2015・2016年) ロシアからの原油はいわゆるLoan for Oil(2009年の国家開発銀行によるロシア国営RosneftとTransneftへの融資によるESPO原油パイプライン大慶支線<輸送能力30万b/d >の開通とRosneftとCNPCおよびSINOPECの原油長期売買契約)により2014年以降拡大していた(図8)。ESPO原油は大慶支線の他にKozmino港からのタンカーによる調達も行っており、2016年はKozmino港出荷原油の約7割(約44万b/d)が中国向けであった。2016年は山東省に位置する地方製油所(ティーポット)による調達の増加で輸入が前年比20万b/d伸び105万b/dとなった。 大慶支線は現在並走する第2ラインを建設中であり、2018年に稼働開始後輸送能力は60万b/dに増加する。さらにRosneftが2013年にCNPCと締結したカザフスタン経由の輸出契約は増強(2013~18年末の14万b/dを2017~23年末20万b/d)される。ただしティーポットの原油輸入量の減少あるいは調達の多様化によりロシアからの調達は2016年がピークとなる可能性がある。ティーポットが多数位置する山東省の港湾・輸送・貯蔵インフラの不足や輸送コストの低さからロシア原油が選好されていたが、ティーポットは調達の多角化や港湾インフラ整備を進めておりロシアからの輸入はこれ以上拡大しないかもしれない。 ブラジルからの原油輸入はロシア同様2009年のLoan for Oil(国家開発銀行からPetrobrasへの融資Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ィよびPetrobrasとSINOPECの長期契約)に加えティーポットによる調達増加で2016年は前年比9万b/d増加の38万b/dであった(図9)。ティーポット原油輸入の3割はベネズエラ、ブラジル、コロンビアなど南米地域からである。2016年2月に新たなLoan for Oil契約(国家開発銀行からPetrobrasへの融資50億ドルならびにSINOPEC、CNPC、振華(Zhenhua)の3社で10年間10万b/dの売買契約)を締結したことで今後ブラジルからの調達はさらに増加する可能性がある。 図 8:ロシアからの原油調達(長期売買契約と輸入実績) 図 9:ブラジルからの原油調達(長期売買契約と輸入実績) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? i5)石油需要に影響をもたらす要因 石油需要に影響をもたらす要因として経済、地方製油所(ティーポット)の動向と精製能力の過剰、小型車(1,600cc以下)取得税減税延長、国家石油備蓄構築による備蓄積み増し、石油からの燃料転換などが考えられる。 2016年のGDP成長率は6.7%であった。中国は所得倍増を目指し2020年までGDP成長率6.5%を維持する目標を設定している一方工業からサービス産業への構造改革を進めている。セクター別のGDP貢献率を見ると三次産業は2014年に二次産業を上回り一定の進展を見せている(図10)。しかし2017年は秋に5年に一度の共産党大会が開催され最高指導部が交替するいわば人事の年であり構造改革より景気対策に傾きエネルギー需要上昇につながる可能性がある。一方2020年までを見ると金融リスク(不良債権比率上昇による銀行の貸し渋り、経済活動の減速)によりエネルギー需要の伸びが一層鈍化する可能性がある。 16.0%14.0%12.0%10.0%8.0%6.0%4.0%2.0%0.0%セクター別GDP貢献率(2006~2015年、%)14.2%12.7%5.8%6.7%9.6%9.2%4.5%4.1%10.6%4.2%9.5%4.2%6.3%7.1%4.7%4.8%6.1%4.9%7.7%7.7%3.5%3.7%7.3%3.5%6.9%6.7%3.7%3.5%3.8%3.7%3.4%2.8%2.7%20062007200820092010201120122013201420152016一次産業二次産業三次産業GDP 図 10:セクター別GDP貢献率 (国家統計局に基づき作成) 2016年は原油生産の減少というよりは精製処理能力の増強、地方製油所(ティーポット)の原油輸入・稼働率増加で原油純輸入が前年比13%増(89万b/d増)の754万b/dに増加した(図11)。一方で余剰の石油製品のシンガポール市場他への輸出が増加している。石油製品の純輸出は前年比23万b/d増Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? フ約42万b/dであった。 2017年はティーポットへの引き締めが行われ輸入ペースが若干鈍る可能性がある。中国の原油輸入、石油製品輸出はライセンス・割当制である。ティーポットは2015年までは輸入原油使用権および原油輸入ライセンスを保有しておらず、輸入原油の使用は限定的で製油所の稼働率も3割程度にとどまっていた。ティーポットは原油の調達が思うようにできないため、硫黄分の高い重油を調達し、二次処理により軽油などを生産していたが、小規模な精製設備による非効率な操業と環境負荷の高い製品の生産が問題となっていた。 中国政府は国有石油企業の独占打破、環境負荷の軽減、エネルギー利用効率の向上の観点から、2015年に国家の基準に満たない4万b/d以下の精製設備の淘汰と、国家基準(国5)に合致するガソリンや軽油を生産することなどを条件にティーポットに対する輸入原油使用権および原油輸入ライセンスの付与を拡大した。2016年には約20社が150万b/dの輸入原油使用権を取得、中国の原油輸入の2割に相当する140万b/dを輸入した。ティーポットの稼働率はそれまでの3割から5割以上に上昇した。しかし供給過剰による石油製品輸出の増加やティーポットの脱税や法令順守違反が取沙汰される中、ティーポットの輸入原油使用権は通年から四半期毎に制限され2017年1-3月は2016年の148万b/dを大幅に下回る92万b/dのみが付与された。 中国の石油需給推移(13年1月~16年12月、万トン/月)2社精製処理量石油製品純輸出入原油生産原油純輸入 1,4001,2001,0008006004002000-2001月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 図 11:中国の石油需給推移 (海関統計に基づき作成) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? ?綜ゥ動車工業協会(CAAM)によると2016年の自動車販売台数は15%増の2438万台であった。中国の自動車販売は大気汚染や交通渋滞対策によるナンバープレート抽選などの新車購入規制により伸びが落ちていたが2015年10月に導入された小型車(1,600cc以下)取得税減税(2016年末まで取得税を10%から5%に引き下げ)により販売が伸びた。この減税策は減税幅を半減(取得税を5%から7.5%)させた上で2017年末まで延長することが決まった。2017年1月の自動車販売は旧正月ならびに小型車取得税減税の影響で0.2%増にとどまったとされたが石油需要への影響についてはSUVの販売が引き続き堅調であれば限定的ではないかと思われる(図12)。 国家石油備蓄構築による備蓄積み増しのペースも石油需給に影響を与える。2016年9月に国家統計局は中国の国家原油備蓄量は今年初めの段階で3,197万トン(2.3億バレル)に達したと発表した。これは2015年の原油純輸入量の35日分に相当する。国家統計局によると舟山、鎮海、大連、黄島、独山子、蘭州、天津など8カ所の国家石油備蓄基地(備蓄能力は2,860万立方メートル)の他一部民間の施設も利用している模様である。また2016年5月31日には国家能源局(NEA)が国家石油備蓄条例案を公開した。原油精製、製品卸売、原油輸出入従事企業を対象に原油、石油製品(ガソリン、軽油、ジェット燃料等)の備蓄を課す内容である。2期・3期備蓄基地の建設や国家石油製品備蓄構築を含む法整備が進展すれば一定の備蓄用の需要が生じることになる。 石油からの燃料転換計画については天然ガス「13・5計画」において天然ガス自動車(NGVs)を2020年 12:車種別自動車販売比率(2016年)、販売増減推移(2012~16年)、CAAMに基づき作成 図 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ワでに1000万台に増やしNGV向けのガス充填ステーション1.2万か所、バンカリング向け充填ステーション200か所を設置する計画とある。また工業・情報部の「自動車産業中長期発展計画」によると2020年までに新エネルギー車(EV、プラグインハイブリッド)の年間生産台数を200万台(16年の販売台数は50.7万台)とし25年までに自動車総販売台数に占める新エネルギー車の割合を20%以上にする目標を設定しておりこれらの政策も石油需要に中長期的に影響を与える。 .天然ガス「13・5計画」のポイントならびに実現性、今後の展望についての考察 3 天然ガス「13・5」計画では石油よりも国内探鉱開発の強化による供給増加(陸上と海洋、在来と非在来型を共に開発)を重視する政策が示された(図13)。また中央アジアからの4本目の天然ガスパイプラインであるラインD、中露天然ガスパイプライン東ルートなど内外40,000kmの増設やガス貯蔵、ピーク調整など輸送・貯蔵インフラの整備による供給安定を図る計画が示された。また石油・天然ガス「13・5計画」は基本的に予測性指標だが欧米に比べ遅れている天然ガス地下貯蔵のワーキングガスについてが唯一拘束性指標として2020年までに93BCM増強の148BCMとする目標が示された。一方LNG受入基地は平均稼働率6割という現状から増強目標は設定されず、上海周辺の東部から広東周辺の南部沿海地域の既存の受入基地の拡張を優先し新設は適宜建設するとある。また今回は石炭や石油からの燃料転換として石炭ボイラーからの転換や交通輸送分野の石油燃料転換が示された。 図 13:天然ガス「13・5」計画の主要目標 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? i1)天然ガスは石炭、石油からの燃料転換政策による増産 2016年の天然ガス生産は前年比8%増(10BCM増)の140BCMであった。低油価で上流投資が減少し、計画的な減産を行った石油と異なり、天然ガスは生産・消費拡大政策の下石油に比べ順調に伸びている。天然ガスも石油と同様に生産の8割は陸上だが、西部の四川、長慶、タリムと海洋が四大生産地域とされ生産の7割を占める(図14)。2016年はシェールガスの生産が特に伸び(15年の4.5から2.5BCM増)、1年遅れで政府の生産目標6.5BCMを達成した。 天然ガスの消費の伸びは天然ガス卸価格値下げに伴う価格競争力回復、石炭抑制政策に伴う「煤改気」(石炭から天然ガスへの転換)の進展により2015年の低迷(2%)から一転12%増の207BCMまで伸びた(図15)。2016年2月の国務院の「石炭産業の過剰生産能力解消と脱苦境並びに発展実現に関する意見」 により小規模(非効率)・違法な炭鉱の淘汰や「276規定」(炭鉱の年間操業日数を276日以下とし、法定祝祭日と日曜は生産停止)が導入されたことで石炭の生産が落ち、代替燃料である天然ガスの需要が刺激された。天然ガス純輸入は13%増の74BCMで輸入比率は34%に上昇した。 しかし天然ガスは需要、国産天然ガス供給、輸入ガス供給のいずれも不確実性がある。表2は天然ガス「13・5計画」の目標から生産、見かけ消費、純輸入を抽出したものだが、同計画では消費と輸入の2020年見通しは示されていない。しかし1次エネルギー消費に占める比率が8.3~10%と設定されているので見かけ消費量を262~315BCM、そこから生産をひいて純輸入量を52~105BCMと算出した。 2)天然ガス需給の不確実性 (図 14:天然ガスの地域別生産 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? NPC経済技術研究院(ETRI)は17年1月に「2016国内外石油ガス産業発展報告」において2017年の天然ガス消費を前年比5.9%増の216BCM、2020年の需要(ベースシナリオ)を年8%増の280BCMと予測している。ETRIはまた都市ガス需要は二桁の成長を維持しており、発電も着実に増加している。工業用燃料も有望だが政府目標達成には政策的支援と行政指導の強化が必要と指摘している。 表 2:天然ガス「13・5計画」の目標における生産、見かけ消費、純輸入目標 天然ガス生産量天然ガス輸入量天然ガス見かけ消費量天然ガスの1次エネルギーに占める比率BCM/yBCM/yBCM/y%2010年(実績)2015年(実績)951710841356119362020年(目標)21052~105262~3158.3~10 天然ガス「13・5計画」に基づき作成、輸入量・消費量は1次エネルギーに占める消費の比率8.3~10%で試算 2,4001,9001,400900400(100)2006年(億m3/年)2008年2010年2012年2014年2016年国産ガスLNG輸入パイプラインガス輸出消費成長(%)30%25%20%15%10%5%0% 図 15:天然ガス需給推移(2006年~2016年) 新華社China OGP、China LNG Weekly他に基づき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? i3)天然ガス(非在来含む)の増産は容易ではない 国産ガスの増産目標達成に不確実性がある。前回五か年計画時の目標はいずれも未達であった。長期契約の制約がある輸入ガス(LNG)の調達や増産目標のあるシェールガスの開発を優先し在来型の投資を抑えている状況がある。2015年の目標は1年遅れで達成したがシェールガスの2020年の目標達成については容易ではない。現在シェールガス主力生産地域であるSinopecの重慶?陵(Fuling)鉱区は1期の生産能力(5BCM/y)の構築を終え、現在2期17BCM/yの開発中だが、1期に比べ地質難易度が上昇しているという。他の鉱区開発も難航しており、外資もBPを除き出て行ってしまった。政府はシェールガス、CBMの2020年供給見通しを下方修正したが、2020年の国産天然ガス供給は政府見通しを下回る可能性がある。 表 3:天然ガス「13・5計画」の目標における生産目標 2016年の天然ガス純輸入は13%増の74BCMで、トルクメニスタンが最大の輸入相手先で輸入の40%を占めている。LNGは天然ガス輸入の48%、約2,600万tであった。LNGは長期契約を締結している豪州からの輸入が最大で全体の20%を占めている(図16)。 LNGの長期売買契約は2020年に約4,100万t(55BCM)に達する見通しだが契約を抱え過ぎて足元の輸入実績は長期契約を下回っている。パイプラインの長期売買契約は2020年に約85BCMに達する見通しだが、産ガス側の開発の遅れや国内需要の増加などで長期契約を下回る供給となっている。輸送インフラ整備の状況から長期的にはロシア・中央アジアからの輸入が増加の見通しだが、当面輸入量が長期契約を下回る状況がLNG・パイプラインともに続きそうである。 4)輸入天然ガスは今後どこから調達? ~長期的にはロシア・中央アジア~ (在来型(タイトサンドガスを含む)生産シェールガス生産CBM・CMM利用計BCM/yBCM/yBCM/y天然ガス「13・5計画」に基づき作成 2015年(目標)2015年(実績)2015年目標未達2020年(目標)13971015612559138-14-2-1-171573016203 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? 天然ガスに影響をもたらす要因として経済、石炭や石油からの燃料転換などが考えられる。天然ガスは消費のうち製造業が4割、発電・熱供給が2割、家庭向けが2割を占め石油に比べより産業活動の影響を受ける。3-(2)で示した石炭の操業規制は2016年下期に需要ひっ迫を受け緩和されたが2017年に入り再び導入される見通しである。政策が猫の目のように変化しており天然ガスの需要はそれに左右されることになる .石油・天然ガス「13・5計画」における対外投資のポイント、現状と今後の展望についての考察 4 対外投資についてエネルギーと金融分野の協力を進め、企業の対外進出のレベルの向上を図ること、ロシア・中央アジア、中東、アフリカ、米州、アジア太平洋地域における油ガス協力事業を向上あるいは推進すること、中国に優位性のある設備、技術、標準、サービスの対外投資を拡大。一帯一路沿線国とのインフラ設備の相互接続を図ること、“グローバルエネルギーガバナンス”(全球能源治理)への積極的な参加、原油先物市場の建設、IEA、エネルギー憲章条約等の国際組織との協力を通じ2国間あるいは多国間のエネルギー協力を進め、発言権を得るとあるが具体的な数値目標は示されていない。 5)天然ガス需要に影響をもたらす要因 (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? 図 16:天然ガスの国別輸入(2016年) China LNG Weekly他に基づき作成 5%5%ウズベキスタン6%カザフスタン1%パプアニューギニア4%その他LNG3%トルクメニスタン40%豪州22%カタール9%インドネシア5%マレーシアミャンマーi1)対外投資の現状 中国国有石油企業(NOCs)の国外資産・企業M&Aは2009~2013年の急拡大から2014年以降は鈍化している(図17)。主な要因は低油価、汚職取り締まりにある。当面国有石油企業は保有資産の管理と入札への参加等に注力するものと思われる。Sinopec(Addax)はRepsolに対して、買収したTalismanとの北海事業で55億ドルの賠償請求を行うなど買収後トラブルに見舞われている事例もあるが国有石油企業3社に保有対外資産整理・売却の動きは現在のところ見られない。ただしSinochemは保有資産の見直しのため2010年にノルウェーStatoilから30.7億ドルで買収したブラジルPeregrino油田の権益40%の売却を検討している模様である。 図 17:中国国有石油企業対外投資のトレンド 対照的に非国有石油企業による対外投資は表4に示した通り活発である。2016年3月にファンド系のGeo ?Jadeはカナダ企業Bankers Petroleumを5.75億ドルで買収した。民間都市ガス会社のENN(新億)は2016年3月に豪Santos株式11.7%を7.5億ドルで取得し筆頭株主となった。同社にとり初の上流への進出である。またファンド系のCEFC(華信) はKazmunaigaz子会社KMGIの株式51%を保有している他2016年には台湾CPCからチャドPermit H鉱区権益35%を取得し、2017年2月にはアブダビからAdco権益4%を取得した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? CEFCは中国10大民間企業の1社、2015年はFortune世界トップ500社の229位、売上418億ドル(14年は349位、売上336億ドル)。主要業務はエネルギーとファイナンス、民間企業として初めて原油備蓄基地を建設。カザフスタン、アブダビ、チャドを重点地域として中央アジア、中東、アフリカの上流権益取得を目指している。カザフスタンではKazmunaigaz子会社KMGIの株式51%を保有している。 アブダビとは戦略的パートナーシップを締結。長期かつ安定的な石油権益を取得し油ガスプロジェクトの開発を行い、備蓄・原油貿易分野において協力する。チャドでは2015年12月に台湾CPCから3鉱区(Permit H)の権益35%を取得。権益生産原油の他10万b/dの原油販売権を保有している。 2)対外投資(石油・天然ガス)に影響をもたらす要因 (対外投資に影響をもたらす要因として政府の対外投資・運用に対する厳しい姿勢と資本流出規制があげられる。石油「13・5計画」の「12・5計画」の実績(成果と課題)において政府は「国有石油企業は社会の安定のため余剰人員を抱えている。経営コストがメジャーなどと比べ相対的に高く、経営力についても差異がある。海外投資は急速に成長したがリスクコントロール、収益力が下がっている」と指摘している。 考①:中国華信能源有限公司(CEFC)概要 参CEFC http://www.cefc.co/index.php 表 4:最近の主な対外投資(2016年~2017年2月) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? ワたCNPCとCEFCのアブダビAdco権益を巡る交渉は当初1月に調印予定のところ土壇場で暗礁に乗り上げ調印が1か月以上遅れたことについて真相は不明だが最近の資本流出規制や海外投資の運用に対する政府の厳しい姿勢が影響しているのではないかと思われる。 米国の金利上昇などで中国は資本流出圧力に直面しており当局は様々な資本規制策を講じている模様である。Wall Street Journalによると中国商務部などは100億ドル(約1兆1300億円)以上の海外買収案件や、国営企業による10億ドル以上の海外不動産取引に加え、国内企業が自社の中核事業と無関係の海外企業に10億ドル以上投資する場合に「厳格な取り締まり」を実施する意向である。中国の人民元対ドルレートは2017年も下落が続くと予想されており、今後も国有石油企業の対外投資に影を落としそうである。 また国有石油企業は低油価の中コスト削減、既往投資案件の手当を優先しなければならず。2009~13年のようなM&Aラッシュの再来は考えにくいがCNOOCが2016年12月にメキシコ深海入札(ラウンド1.4)で有望とされるPerdido褶曲帯(Fold Belt)に位置するBlock1、4落札したように油価上昇局面において選択的に投資を行って行くのではないかと思われる。 エネルギー13次五か年計画http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbghwb/201701/W020170117350627940556.pdf 石油13次五か年計画http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbghwb/201701/W020170119368974467126.pdf 天然ガス13次五か年計画http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbghwb/201701/W020170119368974618068.pdf 電力13次五か年計画 http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbghwb/201612/P020161222570036010274.pdf な参考資料 主Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? |
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