原油市場他:OPEC産油国等による減産延長への期待や、リビア及びシリア等を巡る地政学的リスクに対する市場での懸念増大で、WTIで1バレル当たり50ドル台前半を回復する原油価格
| レポートID | 1004704 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-04-17 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 市場 |
| 著者 | 野神 隆之 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2017 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/4/17 調査部:野神 隆之 原油市場他:OPEC産油国等による減産延長への期待や、リビア及びシリア等を巡る地政学的リスクに対する市場での懸念増大で、WTIで1バレル当たり50ドル台前半を回復する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、製油所での春場のメンテナンス作業が峠を越えつつあることから、稼働が上昇に転じるとともに原油精製処理量も増加し始めている。それに伴い原油在庫の伸びは鈍化してきているものの、なお増加が継続した結果、一時週間統計史上最高記録を更新し続けた他、4月上旬時点においても平年を上回る水準を維持している。他方、製油所での石油製品生産活動は上向きとなりつつあるものの、それでもまだ需要を満たすには不十分であることから、ガソリンや留出油在庫は減少傾向となっているが、それでも平年幅を超過する状態は続いている。 ② 2017年3月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州では同水準であったが、米国で増加した他、日本でも春場のメンテナンス作業に入りつつあったことから製油所の稼働が低下するとともに原油精製処理量が減少したことに併せ原油在庫は減少している。ただ、米国での在庫増加が日本での在庫減少を相殺して余りあったことから、OECD諸国全体として原油在庫は増加となり、平年幅上限を超過する状態は継続している。製品在庫については、欧州ではほぼ同水準であったが、米国では春場のメンテナンス作業実施に伴う製油所の稼働の低下により石油製品生産活動が鈍化したこともあり、ガソリン及び留出油在庫が減少したことが影響し、石油製品全体の在庫も減少となった他、日本においても製油所が春場のメンテナンス作業シーズンに突入しつつあったことにより石油製品生産活動が不活発になり始めたことに加え、冬場の暖房向け需要の発生により灯油在庫が減少したことが影響し同国の石油製品全体の在庫も減少した。結果としてOECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となったが平年幅上限を超過する量となっている。 ③ 2017年3月下旬から4月中旬にかけての原油市場は、リビアの油田が武装勢力により生産を妨害された結果同国の原油生産量が減少したことに加え、OPEC産油国等による減産延長への期待が市場で増大したこと、米国がシリアに向け巡航ミサイルを発射したことで中東地域情勢の不安定化に伴う当該地域からの石油供給途絶懸念が市場で増大したことなどにより、総じて上昇傾向となり、それまで1バレル当たり40ドル台後半で推移していたWTIは3月末前には50ドル台を回復、その後は50ドル台前半で推移している。 ④ 米国での掘削装置稼働数の増加と同国での原油生産増加観測が原油相場の上昇を抑制するものの、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長への期待感が原油相場を下支えする一方、夏場のガソリン需要期を控え、季節的な石油需給の引き締まり感が市場で広がることが原油相場に上方圧力を加える結果、原油相場は上昇基調になりやすいものと考えられる。また、シリア等を巡る地政学的リスク要因に伴う石油供給途絶懸念が市場で強まるようだと、原油価格には短期的であれさらに上振れの圧力が加わる可能性もある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2017年1月の米国ガソリン需要(確定値)は日量850万バレルと前年同月比で1.9%程度の減少となった(図1参照)が、速報値(前年同月比で4.0%程度減少の日量832万バレル)からは上方修正されている。米国からのガソリン最終製品輸出量が速報値では日量92万バレル程度(推定)であったものが、確定値では同81万バレル程度となっており、この差分(つまり日量11万バレル程度)が輸出から国内需要に振り向けられたことが上方修正の一因になっているものと考えられる。他方、2016年11月の米国自動車運転距離数が前年同月比で4.2%伸びた影響もあり同月のガソリン需要は前年同月比で1.4%増加したうえ、12月もその影響が継続したと見られガソリン需要は同1.8%増加したものの、12月の実際の自動車運転距離数は前年同月比で0.5%しか伸びておらず、また2017年1月の需要も同2.2%の増加にとどまったことから、2016年11~12月の堅調なガソリン需要の反動が2017年1月に発生した結果、ガソリン需要が減少した可能性も考えられる。また、自動車運転距離数が減速したことについては、2016年12月の同国ガソリン小売価格が1ガロン当たり2.366ドルと前年同月比で0.222ドルの上昇となったうえ、前月比でも0.071ドルの上昇となっている他、2017年1月の同国ガソリン小売価格が1ガロン当たり2.458ドルと前年同月比で0.401ドルの上昇となっているうえ、前月比でも0.092ドルの上昇となっていることが影響しているものと見られる。2017年3月の同国ガソリン需要(速報推定値)は日量930万バレル、前年同月比で1.0%程度の減少となっている。3月のガソリン小売価格が1ガロン当たり2.437ドルと前年同月を0.366ドル上回っているため、これが当該需要を抑制した一因となっているものと考えられる。他方、米国では一部製油所で実施されていた春場のメンテナンス作業が峠を越えつつあることもあり、稼働が上昇し始めるとともに原油精製処理量も増加してきている(図2参照)。このため、ガソリン生産も回復していると見られる(最終製品の生産については図3参照)ものの、需要を賄うには不十分であったと見られることから、ガソリン在庫は3月中旬から4月上旬にかけ減少傾向となった。ただ、それでも平年を上回る状態は維持されている(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 2017年1月の同国留出油需要(確定値)は日量378万バレルと前年同月比で0.9%程度の減少となり、速報値である日量375万バレル(前年同月比1.6%程度の減少)から上方修正されている(図5参照)。1月の米国の鉱工業生産は前年同月比で0.1%の増加にとどまったこともあり、同月の同国の物流活動も前年同月比で1.7%と伸びたとはいえ、12月(同3.1%の増加)に比べると鈍化しているうえ、同月は留出油の一種である暖房油需要の中心地である米国北東部の気温が前年同月比で若干ではあるが温暖になったことが、留出油需要減少の背景にあるものと見られる。他方、2017年3月の留出油需要(速報推定値)は日量368万バレルと、前年同月比で6.0%程度の増加となっている。米国経済が総じて堅調であったことから、物流活動も活発であったものと推測される一方で、米国北東部では3月は前年同月比で冷え込んでいたことから暖房用需要が増加したと見られることも、当該製品需要増加の一因であるものと考えられる。他方、製油所の稼働は上昇し始めており、留出油生産も増加傾向に転じている(図6参照)ものの、需要を満たすには至らなかった結果、留出油在庫は3月中旬から4月上旬にかけては減少傾向となったが、平年幅は超過したままとなっている(図7参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 017年1月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で0.9%程度増加の日量1,923万バレルとなった(図8参照)。ガソリン及び留出油需要が前年同月比で減少となったことが、ジェット燃料(米国経済が比較的好調で個人所得が伸びていることもあり航空機による往来が活発化していることが寄与している Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? ツ能性がある)等の需要の伸びを相殺した格好となっている。また、その他の石油製品の需要が速報値(日量381万バレル)から確定値(同321万バレル)に移行する段階で下方修正されたことから、石油製品全体の需要も速報値(日量1,960万バレル、前年同月比2.9%程度の増加)から下方修正されている。他方、2017年3月の米国石油需要(速報推定値)は、日量1,961万バレルと前年同月とほぼ同水準となった。ジェット燃料需要が引き続き堅調であったものの、ガソリンや留出油の需要が前年同月比で減少したことで相殺されたことによるものと見られる。また、米国では製油所の稼働が上昇し始めるとともに、原油精製処理量が増加しつつあることから、同国の原油在庫の伸びは鈍化したものの、それでも増加傾向が継続した結果、3月中旬から3月末にかけ同国の原油在庫は1982年後半以降の週間原油在庫統計史上最高記録を更新した。4月7日時点での当該在庫は前週比で217万バレルの減少となり史上最高記録の更新は止まったが、依然史上最高水準近辺の量となっており(図9参照)、平年幅も超過している。そして、原油、ガソリン及び留出油の在庫量が平年幅を超過していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図10及び11参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2017年3月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州では同水準であったが、米国で増加した他、日本でも春場のメンテナンス作業に入りつつあったことから製油所の稼働が低下するとともに原油精製処理量が減少したことに併せ原油在庫は減少している。ただ、米Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 曹ナの在庫増加が日本での在庫減少を相殺して余りあったことから、OECD諸国全体として原油在庫は増加となり、平年幅上限を超過する状態は継続している(図12参照)。製品在庫については、欧州ではほぼ同水準であったが、米国では春場のメンテナンス作業実施に伴う製油所の稼働の低下により石油製品生産活動が鈍化したこともありガソリン及び留出油在庫が減少したことが影響し石油製品全体の在庫も減少となった他、日本においても製油所が春場のメンテナンス作業シーズンに突入しつつあったことにより石油製品生産活動が不活発になり始めたことに加え、冬場の暖房向け需要の発生により灯油在庫が減少したことが影響し、同国の石油製品全体の在庫も減少した。結果としてOECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となったが、量としては平年幅上限を上回っている(図13参照)。そして、原油及び石油製品双方の在庫が平年幅を超過していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を上回る状態となっている(図14参照)。なお、2017年3月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は65.8日と2月末の推定在庫日数(66.0日)から減少している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 3月15日に1,400万バレル台前半の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、3月22日には1,300万バレル台半ばの量へと減少したものの、3月29日には再び1,400万バレル台前半の量へと回復した。その後4月5日には1,400万バレル台半ばの水準、4月12日には1,400万バレル台後半の量へと増加している。しかしながら、1月11日にアラブ首長国連邦(UAE)でアブダビ国営石油会社ADNOCの操業するRuwais製油所(原油精製処理能力日量84万バレル)のナフサ処理装置(処理能力日量3.4万バレル)で火災が発生したことにより当該製油所が操業を停止、1月20日に原油精製処理装置の操業を再開する旨明らかにされたものの、ガソリン製造装置(RFCC:流動接触分解装置)等一部装置は停止したままとなっており、ADNOCが製油所での生産低下の穴埋めをするために国外市場からガソリン調達を行う動きが3月末に出てきたことに加え、当該RFCCが2018年第一四半期迄操業を停止する旨4月3日に関係筋が明らかにした(当初は2017年5~7月に操業を再開する可能性があると見る向きもあった)こと、カタールのRas Laffan製油所におけるコンデンセート・スプリッター(処理能力日量14.6万バレル)が予定外のメンテナンス作業実施に伴い操業を停止した(操業開始時期は示されていない)旨4月3日に明らかになったことから、当該施設でのガソリン生産停止に伴うアジア地域でのガソリン需給の引き締まり感が市場で発生したことに加え、米国のガソリン在庫が減少傾向を示していること等の要因により、3月下旬から4月中旬にかけガソリンと原油との価格差(この場合ガソリン価格が原油のそれを上回っている)は総じて拡大する傾向が見られた。 また、ナフサについては、日本や韓国を含めアジア諸国の製油所がメンテナンス作業シーズンに突入しつつあったことと併せ、ナフサ生産が低下する前に石油化学会社等がナフサを調達しようとすると見られる動きが発生したことに加え、カタールのRas Laffan製油所のコンデンセート・スプリッターの操業停止(前述)でナフサ供給低下懸念が市場で発生したことが、当該製品価格に上方圧力を加えたものの、冬場の暖房シーズンが終わりに接近しつつあったことから、LPGの暖房向け需要低下と価格下落に伴Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 「、石油化学産業においてLPGと原料面で競合するナフサの需要が弱まるとの見方が市場で発生したうえ、4月10日にはシンガポール及びマレーシアにおいて、装置の不具合等で石油化学製品生産のためのナフサ分解装置が操業を停止したとの情報が流れたことで、ナフサ需要が低下するのではないかとの観測が市場で発生したことが、価格に下方圧力を加えたこともあり、3月下旬から4月中旬のナフサ価格は一時原油価格をしばしば上回ったものの、4月に入り再び原油価格を下回っている。 3月15日には1,300万バレル台弱の量であったシンガポールの中間留分在庫は、3月22日には1,300万バレル台前半の量へと増加したものの、3月29日には1,200万バレル台半ば、4月5日及び12日には1,200万バレル台前半の量へと減少している。このように、在庫水準は上下に変動しているが、概ね一定の範囲内に収まっている。他方、アジア諸国では製油所が春場のメンテナンス作業を実施しつつあるため、製油所での石油製品の生産が低下、それに伴い中間留分の国外への輸出ペースが減速するとともに国外市場から当該製品の調達が行われる機会が増大する可能性が上昇することに伴う、当該製品需給引き締まり観測が市場で発生したことが軽油価格を支持した結果、3月下旬においては軽油と原油の価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)が拡大傾向を示す場面も見られた。しかしながら、冬場において欧州での暖房用需要のためにアジア諸国から欧州方面に軽油が輸出されたことにより、かえって欧州で軽油在庫が積み上がった結果、3月に入り欧州とアジアの軽油価格差が縮小したことから、アジア諸国から欧州方面への軽油の流出が鈍化するのではないかとの見方が市場で出てきたことが軽油価格に下方圧力を加えたこともあり、3月末頃以降は軽油と原油の価格差は縮小している。 3月15日には2,700万バレル弱の量であったシンガポールの重油在庫は、3月22日には2,700万バレル強の水準へと増加したものの、3月29日には2,500万バレル台半ば、4月5日には2,300万バレル台半ばの量となり、4月12日には2,400万バレル台前半の水準へと回復しているが、総じて減少傾向を示している。このように重油在庫が減少傾向を示している(欧州方面からアジア市場に重油が流入したことから、欧米間での重油価格差が縮小した結果、重油の流入が鈍化した可能性が考えられる)こともあり、3月下旬にはアジア市場での重油と原油との価格差(この場合重油の価格が原油のそれを下回っている)は縮小する場面も見られた。しかしながら、3月末頃以降、冬場の暖房向け電力消費が低下するとともに発電所からの重油需要が低下したこともあり、原油と重油の価格差は再び拡大してきている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? . 2017年3月下旬から4月中旬にかけての原油市場等の状況 2017年3月下旬から4月中旬にかけての原油市場は、リビアの油田が武装勢力により生産を妨害された結果、同国の原油生産量が減少したことで、石油需給引き締まりの懸念が市場で発生したことに加え、米国の原油在庫が市場の一部事前予想ほど増加していなかった旨同国石油統計で明らかになったり、石油製品在庫が市場の事前予想を上回って減少したりしたこと、OPEC産油国等による減産延長への期待が市場で増大したこと、英領北海の油田の生産が停止したとの情報が流れたこと、米国がシリアに向け巡航ミサイルを発射したことで中東地域情勢の不安定化に伴う当該地域からの石油供給途絶懸念が市場で増大したことなどにより、総じて上昇傾向となり、それまで1バレル当たり40ドル台後半で推移していたWTIは3月末前には50ドル台を回復、その後は50ドル台前半で推移している(図15参照)。 3月17日に米国石油サービス企業Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で631基と前週比で14基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で569基と同14基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れが3月20日の市場に引き継がれたことに加え、リビアのEs Sider及びRas Lanuf石油ターミナル(原油出荷能力はそれぞれ日量34万バレル及び同22万バレル、3月3日に武装勢力間の戦闘により操業を停止)につき、今後1週間~10日程度で原油の出荷が再開できる旨同国国営石油会社NOC幹部が3月19日に発言したことで、同国を巡る石油供給途絶懸念が市場で後退したことから、3月20日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.56ドル下落し、終値は48.22ドルとなった。また、3月21日も、翌22日に米国エネルギー省(EIA)から発表される予定である同国石油統計(3月17日の週分)で原油在庫が増加している旨判明するとの観測が市場で発生したことに加え、米国Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? フトランプ大統領が推進しようとしている同国の医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案や大型減税等の経済刺激策に関し、議会関係者との調整が必ずしも順調ではないのではないかとの観測が市場で増大したこともあり米国株式相場が下落したことから、この日(3月21日)の原油価格の終値は1バレル当たり47.34ドルと前日終値比で0.88ドル下落した。(なお、この日を以てNYMEXの2017年4月渡しWTI原油先物契約取引は終了したが、5月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り48.24ドル(前日終値比で0.67ドルの下落)であった)。3月22日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.70ドル上昇し、終値は48.04ドルとなったが、NYMEXの5月渡し原油先物契約同士では前日終値比0.20ドルの下落であった。これは、3月22日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想(前週比で200~300万バレル程度の増加)を上回る同495万バレルの増加となり、1982年後半以降の同国週間原油在庫統計史上最高記録を更新したうえ、米国本土48州の原油生産量が前週比で増加している旨判明したことで、石油需給緩和感を市場が意識したことによる。また、3月23日も、前日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想を上回って増加、同国週間原油在庫統計史上最高記録を更新したうえ、米国本土48州の原油生産量が前週比で増加している旨判明したことで石油需給緩和感を市場が意識した流れを引き継いだことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.70ドルと前日終値比で0.34ドル下落した。ただ、3月23日夕方には、3月のサウジアラビアの米国向け原油輸出量が前月比で日量30万バレル減少し、その後数ヶ月間は3月の原油生産水準を維持する旨サウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源省関係者が発言したとロイター通信が報道したことで、石油需給引き締まり感が市場で発生したことから、3月24日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.27ドル上昇し、終値は47.97ドルとなった。 しかしながら、3月26日に開催されたOPEC及び非OPEC産油国による共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)では、2016年11月30日及び12月10日に実施を決定した減産の6月30日以降への延長に関する協議の実施が見送られ、4月に開催される予定の次回JMMCにおいて協議する方針とする旨合意したことで、当該延長に関する不透明感が市場で増大するとともに、世界石油需給の引き締まり時期が遅くなるのではないかとの観測が市場で発生したことに加え、3月24日に米国のトランプ大統領が同国の医療保険制度改革の代替法案につき共和党内で十分な支持を得られなかったことから同国議会下院での採決を中止するように指示したことで、同大統領の政策実行能力に対して疑問視する向きが市場で増大した流れを引き継いだこともあり、3月27日の米国株式相場が下落したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.73ドルと前日終値比で0.24ドGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 級コ落した。ただ、リビアのWaha油田及びSharara油田からの原油供給が武装勢力により妨害された結果、Waha油田は3月26日に、Sharara油田は3月27日に、それぞれ生産を停止、両油田からの供給が合わせて日量25.2万バレル減少(Waha油田が同3.5万バレル程度、Sharara油田が日量21.7万バレル程度の、それぞれ減少であったと推定される)し、NOCが原油の出荷に関し不可抗力条項の適用を宣言するなどした旨3月28日に報じられたことで、同国からの石油供給途絶に伴う需給引き締まりの可能性を市場が懸念したことに加え、3月28日に、ロシアのプーチン大統領とイランのロウハニ大統領が、原油生産調整努力を継続していく旨の共同声明に調印したことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の6月30日の期限を超えての延長に対する期待が市場で増大したことから、3月28日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.64ドル上昇し、終値は48.37ドルとなった。3月29日も、リビアでの油田の操業停止に伴う同国からの石油供給途絶に伴う需給引き締まりの可能性を市場が懸念した流れを引き継いだうえ、3月29日にEIAから発表された同国石油統計(3月24日の週分)で原油在庫が前週比で87万バレルの増加と市場の一部事前予想(同30~200万バレル程度の増加)程増加していなかった他、ガソリン及び留出油在庫が前週比でそれぞれ375万バレル、248万バレルの減少と、市場の事前予想(ガソリン同190~210万バレル程度の減少、留出油同110~120万バレル程度の減少)を上回って減少していたことに加え、同国製油所の原油精製処理量が前週比で日量42.5万バレルの増加と2014年6月27日の週(この時は同54.6万バレルの増加)以来の大幅増加となっている旨判明したことで、石油需給引き締まり感が市場で醸成されたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.51ドルと前日終値比で1.14ドル上昇した。また、3月30日も、リビアでの油田の操業停止に伴う同国からの石油供給途絶に伴う需給引き締まりの可能性を市場が懸念した流れを引き継いだうえ、3月30日にクウェートのマールゾウク石油相が、クウェートをはじめとする産油国はOPEC及び一部非OPEC産油国による減産方策の延長を支持している旨発言したとクウェート国営通信社KUNAが報じたことで、当該延長に対する期待が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.84ドル上昇し、終値は50.35ドルとなった。さらに、3月31日も、前日のOPEC産油国等による減産延長に関する報道で、当該延長に対する期待が市場で増大した流れを引き継いだことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.60ドルと前日終値比で0.25ドル上昇した。この結果原油価格は3月28~31日の4日間で合計1バレル当たり2.87ドル上昇した。 ただ、3月31日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で662基と前週比で10基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で600基と同20基の増加)とGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? ネっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れが4月3日の市場に引き継がれたことに加え、4月2日にリビアのSharara油田が操業を再開し、4月3日には同油田からの原油出荷に関する不可効力条項の適用を解除した旨NOCのサナラ会長が4月3日に明らかにしたことで、同国からの石油供給途絶に伴う需給引き締まりの可能性に対する市場の懸念が後退したことから、4月3日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.36ドル下落し、終値は50.24ドルとなった。しかしながら、4月4日には、翌5日にEIAから発表される予定である同国石油統計(3月31日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことに加え、処理施設での改修作業実施により英領北海Buzzard油田(原油生産量日量18万バレル、操業者はNexen)の生産が4月4日に停止した旨関係筋が明らかにしたと同日報じられたことにより、4月4日の原油価格の終値は1バレル当たり51.03ドルと前日終値比で0.79ドル上昇した。4月5日も、Buzzard油田の生産停止の情報の流れを引き継いだうえ、4月5日にEIAから発表された同国石油統計で同国の原油精製処理量が前週比で増加している旨判明したことで、この先の石油需給の引き締まり観測が市場で発生したこともあり、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.12ドル上昇し、終値は51.15ドルとなった。4月6日も、4月5日にEIAから発表された同国石油統計で同国の原油精製処理量が前週比で増加している旨判明したことで、この先の石油需給の引き締まり観測が市場で発生した流れを引き継いだことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.70ドルと前日終値比で0.55ドル上昇した。そして、米国軍が4月6日午後8時40分(米国東部時間)、地中海東部の海軍の駆逐艦から59発の巡航ミサイルをシリア中部のシャイラト空軍基地に向け発射したこと(後述)で、シリアを含む中東地域の不安定化に伴う当該地域からの石油供給途絶懸念が4月7日の市場で増大したことから、4月7日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.54ドル上昇し、終値は52.24ドルとなった。この結果原油価格は4月4日~7日で併せて1バレル当たり1.64ドル上昇した。 4月10日も、米国が巡航ミサイルをシリアに向け発射したことで、シリアを含む中東地域の不安定化に伴う当該地域からの石油供給途絶懸念が市場で増大した流れを引き継いだうえ、リビアのSharara油田とZawiya石油ターミナルを結ぶパイプラインが武装勢力により封鎖されたことにより、当該油田の生産が停止する(生産停止前の当該油田の原油生産量は日量21.3万バレル程度であったと推定される)とともに石油ターミナルからの原油出荷に関し4月9日にNOCが不可抗力条項の適用を宣言したことで、同国からの原油供給の減少に関する懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.84ドル上昇し、終値は53.08ドルとなった。また、4月11日も、5月25日に開催される予Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? 閧ナある次回OPEC総会において減産が6ヶ月間延長されることを望んでいるとサウジアラビアがOPEC事務局幹部に伝えた旨ウォール・ストリート・ジャーナルが4月11日に報じたことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の延長に対する期待が市場で増大したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.40ドルと前日終値比で0.32ドル上昇した。この結果原油価格は4月10日~11日で併せて1バレル当たり1.16ドル上昇した。ただ、4月12日には、この日EIAから発表された同国石油統計(4月7日の週分)で同国の原油生産が増加し、4月7日の週は日量924万バレルと2016年1月15日の週(この時は同924万バレル)以来の高水準に到達している他、オクラホマ州クッシングの原油在庫が増加している旨判明したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.29ドル下落し、終値は53.11ドルとなった。4月13日は、この日国際エネルギー機関(IEA)から発表されたオイル・マーケット・レポートで世界石油需給は均衡状態に接近しており、今後さらなるデータが発表されればそのような状況はより明確になるであろう旨の見解を示したことで、石油需給の引き締まり感を市場が意識したことが、原油相場に上方圧力を加えた反面、同じくこの日Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で683基と前週比で11基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で615基と同8基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大したことが原油相場に下方圧力を加えた結果、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.18ドルと前日終値比で0.07ドルの上昇にとどまった。なお、4月14日は米国のグッド・フライデーの休日に伴いNYMEX原油先物市場は休場となっている。 イラクでは、3月20日にバグダッド南部で爆弾テロが発生し、少なくとも23名が死亡したと報じられる。また、3月29日夜にもバグダッド南部の検問所で自爆テロが発生し、少なくとも17人が死亡したと伝えられる。他方、政府当局は、モスル奪還作戦に関し、米軍等による空爆により、地域住民に被害が発生している可能性が生じたことから、3月25日に当該作戦を中断する旨発表している。そのような中、米国のトランプ政権は米軍関係者をさらに約240人派遣する旨3月27日に報じられた。さらに、同国アンバル州カイムに対して実施した空爆でイスラム国(IS)の指導者バグダディ容疑者の側近であったジュマイリ幹部が死亡したとイラク当局者が4月1日に明らかにした旨伝えられる。 イランでは、5月19日の大統領選挙に向け、4月11日に立候補者の届け出が開始された。今後同国の護憲評議会による審査を得て正式に立候補が認められる。5月14日にロウハニ大統領が立候補を届Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? . 今後の見通し等 3ッ出た他、5月12日にはアフマディネジャド前大統領が立候補を届け出ている(但し2016年9月26日に同国の最高指導者ハメネイ師がアフマディネジャド氏に対し出馬しないよう勧告しており、護憲評議会の審査を通過するかどうかは不透明であると伝えられる)。この他アフマディネジャド政権時代の副大統領であるバガイ氏もアフマディネジャド氏とともに立候補を届け出た他、保守強硬派であるライシ前検事総長も4月6日に事実上立候補を表明している。 リビアでは、3月15日に東部のトブルクを拠点とする暫定議会が、NOCから東部を管轄する部分の離脱を支持する旨表明している。また、3月3日にベンガジ防衛旅団により占拠されたEs SiderとRas Lanufの石油ターミナルは従来両石油ターミナルを管理していた勢力(リビア国民軍)が3月14日に奪還した結果、3月22日には原油生産量が日量70万バレルに到達した旨NOCが明らかにした。しかしながら、Sharara油田及びWaha油田が武装勢力により生産を妨害された結果、両油田の生産が合わせて日量25.2万バレル減少、それに従い3月28日にZawiya石油ターミナルからの原油の出荷に対して不可抗力条項の適用をNOCが宣言した。Sharara油田の操業は4月2日に再開、Zawiya石油ターミナルからの出荷に関する不可抗力条項の適用は4月3日朝に解除されており、4月4日にはNOCがSharara油田からの原油生産量が日量20万バレルに回復している旨明らかにしたが、4月9日午後にSharara油田と当該油田で生産される原油を出荷するZawiya石油ターミナルとを結ぶパイプラインが再び集団によって封鎖されたことにより、当該油田の操業が同日停止した他、石油ターミナルにおける原油の出荷に関しNOCは不可抗力条項の適用を宣言した。他方、Waha油田は4月12日には操業を再開したものの、武装勢力が再び封鎖した旨4月14日に明らかになっている。 シリアでは、北部のアレッポ郊外で空爆が実施され46名が死亡したと3月16日に伝えられる。これについては米軍が攻撃した可能性が指摘されたが、米国国防省報道部長は3月17日に否定している。また3月21日午前0時頃に北部マンスーラで米軍を中心とする有志連合が空爆を実施した結果、少なくとも33名が犠牲となった旨報じられる。他方、スイスのジュネーブにおいて、シリアのアサド政権と反体制派との間で3月23日より行われていた和平協議は、実質的な協議に入ることなく3月31日に中断した。米国のトランプ政権は、シリアのアサド政権の退陣については、当初こだわっていなかったが、4月4日に反体制派が支配する同国北西部のイドリブ県で行われたアサド政権軍による空爆で、猛毒のサリンが使用されていた可能性が高まり、これにより米国も方針を転換、英国やフランスとともにアサド政権を非難する旨の決議案を4月5日に開催された国連安保理の緊急会合で配布した。しかしながら、当該被害は空爆された反体制派の武器弾薬庫から化学物質が漏出した結果であるとの見解を持つシリアのアサドGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? ュ権及びロシア側と対立、米国、英国及びフランスの決議案に対してロシア側(ザハロワ外務省情報局長)は4月5日に断固受け入れらないとして拒否権の行使を示唆した。他方、米国のトランプ大統領は、4月5日に、今回の事件に関し超えてはならない一線を越えたとして非難、ヘイリー米国国連大使も国連での決議がなされない場合(実際国連安全保障理事会は4月12日午後(米国東部時間)シリアに対する非難決議案に対する採決を実施したがロシアの拒否権行使により否決した)には米国単独で行動する旨4月5日に表明している。これについては、米国がシリアに関して軍事介入を検討していると4月6日に報じられる(その後の展開については後述)。他方、3月15日にダマスカスで発生した連続爆弾テロについては、ISが3月30日に犯行声明を発表している。 このように地政学的リスク要因面では、それなりの動きがみられるが、今後の原油相場への影響という観点から注目されるのは、まずリビアである。リビアの原油生産量は2016年8月には日量28万バレルであったが、2月15日には、日量約70万バレルに到達した旨NOCが明らかにした。ただし3月3日にそれまでリビア国民軍が管理していたEs Sider とRas Lanuf両石油ターミナルを敵対するベンガジ防衛旅団が占拠したことにより、3月9日には同国の原油生産が日量62万バレルに減少した旨NOCのサナラ会長が発表した。ただ、3月14日にはリビア国民軍が奪還し、3月22日には再び日量70万バレルへと生産量が回復した旨NOCが明らかにしたものの、その後もSharara油田及びWaha油田が武装勢力により生産を妨害された結果、両油田の生産がしばしば停止するようになっている。このように原油生産が回復する方向と見られていたリビアの情勢は依然かなり不安定である旨判明している。同国の原油生産は2017年4月末迄に日量80万バレル、早ければ8月には日量110万バレルに到達する可能性がある旨NOCのサナラ会長は3月22日に明らかにしていたが、今後リビアの情勢が回復せず、混乱が続くようだと、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産努力の効力を減ずるどころか、増幅する方向で作用するため、同国の石油供給途絶懸念から、石油需給引き締まり感が市場で増大することを通じて原油相場に上方圧力を加えることになろう。このように、リビアの原油生産回復がどうなるかということによって石油市場関係者の心理状態を通じ原油相場に影響が生じる可能性がある。 他方、ナイジェリアについては、3月の原油生産量が日量131万バレルにまで減少したが、これは、TransForcadosパイプラインの操業停止(原油輸送能力日量20万バレル超、2016年2月21日の武装勢力による爆破以降、ほぼ操業を停止している)に加え、沖合のBonga油田(原油生産量日量22.5万バレル)がメンテナンス作業のため操業を停止していることによるものである。ただ、TransForcadosパイプラインは6月迄に改修を終えて操業を再開させる他、Bonga油田も7月にはメンテナンス作業を完了し操Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? ニを開始する予定であり、これにより同国の原油生産量を日量220万バレルに到達させることを目指す旨同国のカチク石油担当国務相が明らかにしたと4月14日に報じられており、もしこの通りに事態が進展すれば、その分だけ石油需給が緩和することになることから、この面では原油相場に下方圧力を加えるといった展開も考えられる。 他方、シリアを巡る情勢も当面市場の注目を集めることになろう。前述の通り4月6日夜に米国から巡航ミサイルがシリアの空軍基地に向け発射されたことで、シリアのアサド政権と、反体制派を支援する西側諸国との対立が高まっている。シリアは2010年には日量40万バレル近くの原油生産量があり、うち日量15万バレル程度は輸出されていた。その殆どはドイツ、イタリア、オーストリア、フランス、トルコ、オランダ、スペインといった欧州諸国であった。しかし、2010年12月にチュニジアから始まったとされる中東・北アフリカ諸国における、いわゆる「アラブの春」の一連の流れの中で、2011年3月16日に発生したシリアでの反体制デモと治安部隊との衝突以降、アサド政権による反体制派に対する弾圧が厳しくなったこともあり、同年9月2日にEUが制裁措置としてシリア産原油の禁輸を決定したうえ、事実上の内戦により、石油生産関連施設が損傷を受けたこともあり、2017年3月時点での石油生産量は日量3万バレル程度となっており(図16参照)、全量が国内で消費されていると見られる他、イランなどから石油を輸入していると伝えられる。このように現在シリアの産油国及び輸出国としての立場は限定的なものとなっている。 しかしながら、アサド政権はイスラム教シーア派の流れをくむアラウィ派であり、イランと友好的である。このため西側諸国等のシリアに対する軍事攻撃は、まず、イランの姿勢を硬化させる可能性がある。そして、ロウハニ大統領が友好国であるシリアと西側諸国等との関係悪化により強硬な姿勢に転じ、イランと米国を含む西側諸国等との関係も悪化、これにより一旦は事実上解除された西側諸国等のイランに対す Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? 髏ァ裁の先行きが不透明になるとともに、さらに対立が激化した場合には、イランがホルムズ海峡の封鎖を含め、石油を武器として利用する旨示唆する可能性も相対的に高まる。他方、同じく、シリアを支援しているロシアと西側諸国等との関係も悪化、従来から西側諸国はウクライナ情勢緊迫化に伴いロシアに対して制裁を課しているが、さらにシリア情勢を巡り西側諸国がロシアに対して追加制裁を実施する一方で、ロシアが西側諸国等に対しイラン同様石油を武器として利用する旨示唆するのではないかとの懸念が市場で高まる可能性がある。 また、サウジアラビア等の中東湾岸産油国のイスラム教スンニ派政権は西側諸国とともにシリアの反体制派を支援しているが、サウジアラビアにおいては東海岸の油田及び出荷施設の位置する地域にシーア派住民が居住しており、アサド政権が西側諸国等により攻撃されればサウジアラビアのシーア派住民が刺激され抗議行動が発生、それが暴動へと発展すると、当該石油生産・出荷関連施設の操業が脅かされることもありうる、といった認識が市場で広がる恐れがある。 さらに、西側諸国等がアサド政権を攻撃し続ければ、アサド政権は報復措置として西側陣営と解されるトルコに向けミサイルによる越境攻撃を激化させる確率が高まるが、そのミサイルがトルコ領内に敷設されている、イラクからの原油パイプライン(キルクーク~ジェイハン(Kirkuk~Ceyhan)パイプライン、原油輸送能力日量170万バレル程度であるが、2017年4月時点での原油輸送量は日量60万バレル程度と推定される、また一部区間はトルコとシリアの国境からそう離れていないところを通過している)に命中し石油供給が停止するかもしれないとの懸念が市場で相対的に高まる可能性がある。 このようにシリアの政情不安の影響が中東地域各地に波及し、それにより当該地域の産油国からの石油供給が途絶するのではないかとの懸念が市場で増大する恐れがある。現在世界石油需給は2014~15年時と比較して引き締まりつつあることから、このような地政学的リスク要因面での動きで市場での石油供給途絶懸念が発生しやすく、そしてそれが原油価格に織り込まれやすくなっているものと考えられる。既に現在夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期が市場関係者の視野に入りつつあるため、季節的な需給の引き締まり感が市場で発生しやすい状況でもあることから、このような地政学的リスク要因に伴う石油供給途絶懸念が市場で高まることにより、原油価格が上振れしやすくなるものと考えられる。 米国では、4月7日に発表された3月の同国非農業部門雇用者数が前月比で9.8万人の増加と市場の事前予想(同18万人の増加)を大幅に下回った。ただ、3月の雇用統計は、1~2月の暖冬により好調であった建設業や製造業、余暇産業等の産業が、3月の気温低下により活動が鈍化したことが影響していると市場では見られていることもあり、米国金融当局による金利引き上げ観測が大幅に低下するというGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? W開にはなっていない。2017年5月2~3日に開催される予定の次回米国連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利を据え置く確率が4月16日時点で95%弱であるものの、6月13~14日に開催される予定の次々回FOMCでの金利引き上げ確率は4月16日時点で55%弱と予想されているなど、引き続き金利引き上げへの期待が市場ではそれなりに大きく、その結果米ドルが持続的に下落するとは考えにくい状態が続くことから、米ドルの方向性としては下振れというよりは上振れのリスクが相対的に大きく、この面では原油相場を継続的に上昇させるといった展開よりは、原油相場の上昇を少なくとも抑制する(場合によっては下落させる)確率の方が高いと思われる。ただ、この先においても米国金融当局関係者等による米国経済及び金利政策に関する発言、及び米国のトランプ大統領による経済政策に関する発言等によって、米ドルが上下に変動することを通じ原油相場に影響が及ぶといったこともありうる。また4月13日朝のJPモルガン・チェースから、米国主要企業等による2017年第一四半期の業績が発表されており、この流れは当面続くことから、これら米国主要企業等の業績内容によっては米国株式相場が変動することで、原油相場にその影響が織り込まれる場面が見られることもありうる。 米国では、春場の製油所でのメンテナンス作業が峠を越えはじめるとともに、夏場のドライブシーズン(2017年は5月27日(メモリアルデーに伴う連休初日)~9月4日(レイバーデーに伴う連休最終日))に伴うガソリン需要期到来を控え製油所が稼働を上昇させるとともに原油精製処理量が増加、そして原油購入を活発化してくることにより、市場でも季節的な需給の引き締まり感が発生しやすくなることから、この面では、原油相場に対して上方圧力が加わるものと考えられる。特にEIAの米国石油統計の内容で、原油精製処理量が増加するとともに、原油在庫が減少している旨判明するようだと、石油需給引き締まり感が市場で強まることから、原油相場上昇のきっかけとなる可能性がある。 また、3月26日に開催されたOPEC及び一部非OPEC産油国による共同閣僚監視委員会(JMMC)では、減産の7月以降の延長につき、4月の共同閣僚監視委員会で検討する旨で合意した。ここにおいては、ロシアが態度を保留したと見られる(ロシアのノバク エネルギー相は減産延長を決定するには時間が必要である旨明らかにしたと3月26日に報じられる)ものの、ロシア政府は自国の石油生産業者との間でOPEC産油国との減産合意の延長の可能性につき協議する予定である旨4月11日に報じられる。また、3月13日にクウェートのマールゾウク石油相がOPEC等の減産延長を支持して以降、ベネズエラ、イラク、アンゴラ、及びアルジェリアが減産延長を支持している旨3月26日に報じられる他、4月11日には、次回OPEC総会において減産が6ヶ月間延長されることを望んでいるとサウジアラビアがOPEC事務局幹部に伝えた旨報じられる。また、3月28日には、アゼルバイジャンのエネルギー省が、もしOPECが減Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? Y延長を決定するなら、さらに減産幅(現状は日量3.5万バレル)を拡大する旨明らかにしている。このような動きから、減産延長に対し市場に期待感を持たせる結果となっており、原油相場を大きく上昇させるまでには至らないものの、下落を抑制する格好となっている。今後も減産を実施しているOPEC及び一部非OPEC産油国の関係者による発言等で、市場の減産延長等に対する期待感が増減するとともに、原油相場がその影響を受ける場面が見られることも考えられる。 しかしながら、原油相場が上昇してくると、米国での石油坑井掘削装置稼働数がさらに増加する結果、シェールオイルを含めた原油生産が加速するとの観測が市場で増大することから、この面から原油相場の上昇が抑制される可能性がある。 全体としては、米国での掘削装置稼働数の増加と同国での原油生産増加観測が原油相場の上昇を抑制するものの、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長への期待感が原油相場を下支えする一方、夏場のガソリン需要期を控え、季節的な石油需給の引き締まり感が市場で広がることが原油相場に上方圧力を加える結果、原油相場は全体としては上昇基調になりやすいものと考えられる。また、シリア等を巡る地政学的リスク要因に伴う石油供給途絶懸念が市場で強まるようだと、原油価格は短期的で. OPEC産油国等による減産遵守状況及び消費国への影響 4あれさらに上振れする可能性もある。 OPEC産油国は2016年11月30日に11ヶ国で合計日量116万バレル超の減産で合意、続いて12月10日には非OPEC産油国11ヶ国が合計で日量55.8万バレルの減産を表明した。その後OPEC及び一部非OPEC産油国は減産を実施したが、OPEC産油国については、サウジアラビア等一部加盟国が減産目標以上の減産を実施した結果、全体としては、概ね減産遵守率は高水準を保ちながら推移している(表1参照)。他方、OPEC事務局が発表する加盟国の原油生産データは月を経る毎に修正される場合がある。例えば2017年3月のOPEC事務局による月刊オイル・マーケット・レポートに掲載された、減産実施に合意したOPEC11加盟国(事実上増産を認められたイランを含む)による、2017年2月の原油生産削減量は日量129万バレル、減産遵守率は111%程度となっているが、2017年4月の月刊オイル・マーケット・レポートに掲載された、2月の原油生産削減量は日量114万バレル、減産遵守率は98%程度となっている。このように、減産目標を超過するような減産が実施されているかというと、実際にはそうとは言い切れない場合があることに注意を要するであろう。他方、非OPEC産油国に関しては減産遵守の進捗は緩やかである(表2参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? それでも、OPEC産油国による減産は目標に近い水準で実施されているため、米国をはじめとする世界の消費国における石油需給は引き締まりの兆候が見られるとともに、市場でもそのような引き締まり感から、原油価格に上方圧力が加わりやすくなるはずである。しかしながら、米国での原油在庫は1982年後半以降の週間統計史上最高水準を毎週のように更新するなど減産に伴う需給の引き締まり感の期待とは裏腹の展開となっているように見受けられる。そして、米国での高水準の原油在庫を反映して需給緩和感が市場で醸成、OPEC及び一部非OPEC産油国の減産合意以降1バレル当たり50ドル台前半で推移していたWTIは3月上旬終わり頃には50ドルを割り込んだ。なぜ、このように減産したことにより需給が引き締まるはずのところ、かえって需給の緩和感が市場で発生し原油価格が下落したのであろうか。ここでは、その背景につき述べることとしたい。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? (単位:日量千バレル)2016年10月原油生産量①基準原油生産量(推定)?原油生産目標(2017年1月1日以降)③減産幅(③-?)④2017年3月原油生産量⑤減産幅(⑤-③)⑥減産遵守率(⑥/⑤)(%)アルジェリア1,0911,0891,039△ 501,056△ 3366.0アンゴラ1,4981,7511,673△ 781,614△ 137175.6エクアドル543548522△ 26526△ 2284.6ガボン203202193△ 9198△ 444.4イラン3,7093,7073,797903,79083-イラク4,5714,5614,351△ 2104,402△ 15975.7クウェート2,8482,8382,707△ 1312,702△ 136103.8カタール645648618△ 30612△ 36120.0サウジアラビア10,56610,54410,058△ 4869,994△ 550113.2UAE3,0683,0132,874△ 1392,895△ 11884.9ベネズエラ2,0722,0671,972△ 951,972△ 95100.0小計30,81430,96829,804△ 1,16429,761△ 1,207103.7リビア528---622--ナイジェリア1,615---1,545--合計32,957---31,928--(出所:OPEC他より推定)表1 OPEC産油国原油減産状況(2017年3月)(単位:日量千バレル)減産目標①2016年10月原油生産量②2017年3月原油生産量③減産実績(③-②)④減産遵守率(④/①)(%)ロシア30011,22911,052△ 17759.0メキシコ1002,1031,996△ 107107.0オマーン451,012966△ 46102.2アゼルバイジャン35814743△ 71202.9カザフスタン201,6471,73083△ 415.0マレーシア2063866224△ 120.0赤道ギニア12234228△ 650.0バーレーン10197193△ 440.0南スーダン81041073△ 37.5スーダン47671△ 5125.0ブルネイ4125110△ 15375.0合計55818,17917,858△ 32157.5(出所:IEA他データをもとに推定)表2 非OPEC産油国原油減産状況PEC産油国及び一部非OPEC産油国は確かに11月30日及び12月10日に減産につき合意したが、減産実施の開始は2017年1月1日であった。このため、減産合意に至る前の時期のみならず、減産合意した後も、2016年12月31日迄は減産を実施する必要はなかった。このため、むしろ、減産実施前に生産をできる限り前倒しして実施した結果、特に2016年11~12月は各国が高水準の原油生産量を維持したり、もしくは増産したりした(表3参照)。 また、2017年1月1日には減産が開始されたが、だからといって、2017年1月の米国等の消費国における原油輸入量が即時急減するわけではない。中東諸国から米国へは通常大型タンカーに原油を積載しアフリカ南部の喜望峰沖を経由して輸送される。このため、中東産油国から米国への原油輸送は40日超の期間を要する。さらに米国では大型タンカーを接岸できる港湾はLOOP(Louisiana Offshore Oil Port)等少数に限られる。他の港湾はより小規模のタンカーしか受け入れられないため、大型タンカーを接岸できる港湾で大型タンカーから中小型タンカーへと原油を積み替えた後、米国各地の港湾に向かうが、それにはさらに10日間程度を要するとされる。従って、中東産油国での減産の影響が米国で現れるのは、減産を開始してから2ヶ月程度後となる(タンカー運賃が高騰した場合にはコストを削減すべく燃費効率を最適化させることから、タンカーが減速する結果、さらに期間を要する場合もある)。また、中東産油国から欧州諸国に向かう場合でも大型タンカーの場合には喜望峰を経由するため、米国の場合とほぼ同様の期間を要することになる。さらに、中東産油国からアジアの消費国に向けては大型タンカーで少なくとも20日程度を要するため、こちらも中東産油国の減産の影響が感じられるようになるまでにはそれなりの期間を要することになる。前述の通り減産を実施したのは2017年1月以降であるので、欧米Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? (単位:日量千バレル)2016年10月2016年11月2016年12月2017年1月2017年2月2017年3月アルジェリア1,0911,0891,0871,0531,0521,056アンゴラ1,4981,7011,6741,6581,6331,614エクアドル543544544530529526ガボン203219209203196198イラン3,7093,7193,7253,7803,8193,790イラク4,5714,5904,6424,4754,4114,402クウェート2,8482,8682,8592,7222,7122,702カタール645651641620595612サウジアラビア10,56610,62510,4439,8099,9529,994UAE3,0683,0843,0902,9582,9282,895ベネズエラ2,0722,0632,0342,0071,9981,972小計30,81431,15330,94829,81529,82529,761リビア528577610678683622ナイジェリア1,6151,6451,4741,5331,5751,545合計32,95533,37433,02932,02632,08131,928(出所:OPEC他より推定)表3 OPEC産油国原油生産状況窿Aジアといった消費国にOPEC産油国の減産の影響が現れるのは2~3月辺り、ということになる。そのようなこともあり、例えば、2016年12月~2017年2月の日本の原油輸入量はそれまでの各月に比べ増加する傾向が見られた(図17参照)。 米国でも2017年1月時点ではまだ中東産油国からの減産の影響は殆ど皆無であった(むしろ2016年11月頃の高水準の原油供給(つまり輸入)の影響を時間差で受けていた)ことに加え、同国の原油生産量が継続的に増加傾向を示していた(図18参照)。一方で、同国の製油所は春場のメンテナンス作業を実施し始めたことから原油精製処理量が減少傾向となった。このように、原油供給は堅調であった反面、原油の処分が進まなかったことから、同国の原油在庫は増加傾向となった。2月においても原油精製処理量は一層減少した一方で、同国の原油生産量は増加し続けたうえ、なお、中東産油国から原油輸入は高水準であった(2016年の12月頃の高水準の原油生産の影響を受けていたと見られる)ことから、米国の原油在庫は一層増加、その結果、2017年2月10日以降断続的ではあるが、原油在庫は週間統計史上最高水準を更新するようになった。そして、石油市場関係者は、従来から米国の週間原油在庫を、その発表頻度の多さからして、世界原油需給バランスの代理指標として重視してきた経緯もあったことから、同国の原油在庫が史上最高記録をしばしば更新したことを、世界石油需給の緩和と受け止めたことにより、原油価格が下落したものと考えられる。ただ、もちろん原油需給と石油需給は同じものではない。米国では製油所の稼働が低下し石油製品の生産活動が鈍化した結果、製品在庫は減少を辿っている。従って、原油と石油製品を合計した在庫は必ずしも堅調に増加しているわけではなく、むしろ2月10日以降は減少し始めている(図19参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? 他方、中東湾岸地域から米国、欧州、そしてアジア方面への大型タンカーの運賃は12月下旬前後は高水準であったが、それ以降は相当程度低下しているところからすると、12月下旬頃、もしくはそれまでは原油輸出が活発に実施されていた反面、それ以降は活動が鈍化していることを示唆しており、中東湾岸OPEC産油国による減産が本格化したことを反映しているものと考えられる。従って、今後は中東湾岸地域を中心とするOPEC産油国による減産の影響が各主要消費地域で感じられるようになる可能性があるが、その兆候は既に出始めているように見受けられる。 3月に入り米国の製油所でも春場のメンテナンス作業が峠を越えつつあり、原油精製処理量が増加傾向を示し始めている。これと並行し、例えばサウジアラビアの3月の原油輸入量が速報値ベースではあるが、2月に比べ概ね日量20万バレル程度減少している(図20参照)。このため、原油輸入が低減するGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? 齦福ナ原油の処理が進むことで米国の原油在庫はこの先減少し始める可能性が高いと考えられる。他方、欧州やアジア諸国では2~3月以降6~7月頃迄と比較的長期間メンテナンス作業を実施することにより製油所の稼働が低下するとともに原油精製処理量が減少する。このため、中東産油国からの原油供給は削減されるものの、原油在庫の減少が緩やかなものになるといった展開も想定される。そして、米国では夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期到来に向け原油需要が増加することを反映し、サウジアラビアの米国向け原油価格は事実上の引き上げが行われている反面、製油所での春場のメンテナンス作業実施に伴い原油精製処理量とともに原油需要がそれなりの期間落ち込むアジアや欧州地域(図21参照)においては原油価格の事実上の引き下げを行うことで、市場占有率を防衛しようとしていると見る向きもある。 他方、OPEC産油国による減産の決定及び実施により、中東産原油需給の引き締まり感が市場で発生、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ? サの結果ドバイ原油がブレント原油や米国産原油(WTIやメキシコ湾沖合で生産される中質高硫黄原油であるMars)に対して割高になった(図22参照)ことから、欧州諸国に比べ供給に占める中東産原油の比重の高いアジア諸国が相対的に割安になった米国等で産出される原油を調達する場面も見られ始めていると伝えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 27 ? |
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