ページ番号1004706 更新日 平成30年2月16日

カザフスタン:カシャガン油田の生産再開により今年後半には増産基調を回復へ

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レポートID 1004706
作成日 2017-04-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場探鉱開発
著者 本村 真澄
著者直接入力
年度 2017
Vol 0
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抽出データ 更新日:2017/4/18 調査部:本村眞澄 公開可 ザフスタン:カシャガン油田の生産再開により今年後半には増産基調を回復へ カ ・2016年9月24日、カスピ海のKashagan油田が3年ぶりに生産再開となった。 ・2017年3月、Kashagan油田は18万bbl/dを生産しており、硫化水素を多く含む随伴ガスの貯留層圧入ができるようになる2017年末ごろ、生産量は37万bbl/dを見込む。 ・カザフスタンは非OPECとして2016年10月末の170万bbl/dから2万bbl/dの減産を約束しているが、2017年1月時点ではこれを達成したものの、3月には172万bbl/dと増産となった。 カザフの減産枠は2万bbl/dとシンボリックなものだが、減産合意未達への懸念が高まっている。 ・カザフスタンは主要3大油ガス田の増産は維持し、他の中小油田の生産抑制を行う方針。2017年後半からは増産基調が維持され、2021年までの5年で18万bbl/dの増産を目指している。 ・新規開発としては、Tengiz油田に隣接するKorolev油田が対象、26万bbl/dの生産量増強となり、これもカザフスタン全体での増産基調に寄与するもの。 ・Kashagan原油の輸送ルートとしては、黒海へ出すCPCルート、ロシア経由輸出となるAtyrau-Samaraルート、中国Alashankouへ出すKazakh-Chinaルートがあるが、将来的にはカスピ海東岸のKuryk港まで鉄道輸送し、アゼルバイジャンのSangachalターミナルまで内航タンカー、それ以降はBTCパイプラインで地中海Ceyhanまで輸送する計画も立案されている。 ・カザフの2017-19年予算での油価は$35/bblを前提としており、操業コストの低い油田が多い。 ・油価下落で経済は打撃を受けたものの、2016年にGDPは1.0%の成長を見せ、堅調である。。 . カシャガン油田の生産開始 1(1)カシャガン油田の本格生産開始 2016年9月24日、待望久しかったカシャガン(Kashagan)油田の生産が再開となった(図1参照)。同油田は、2000年に発見され、2013年9月13日に一旦は生産開始となったが、硫化水素(H2S)を伴う随伴ガスのリークが発見されたことから、10月には生産がサスペンドされ、硫化水素で腐食した油田の配管の溶接部を取り換える作業が進められていた。今回の生産再開によって、本格生産へ結びつくことになった。 現状、Kashagan油田は、2017年3月現在18万bbl/dを生産しており、累計では2017年1月にまず累積で100万t、近々200万tを達成すると、同油田の操業会社NCOC(North Caspian ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 perating Company N.V.)のAran van Dijk生産部長が述べた1。 カザフ・エネルギー省の2017年の計画では、石油910万t(平均で18万2,748b/d)、ガス57億m3を生産するとしていたが、これを上回るペースである。これは、D人工島とBolashakのガス処理施設の始動を前提とするものである。第1フェーズで硫化水素を伴う随伴ガスを貯留層に圧入する作業ができる様になると、生産量は37万bbl/dまで引き上げられる。2017年末に37万bbl/dとする計画だが、30万b/d程度との予想もある。第2フェーズで70万bbl/d、第3フェーズで120万bbl/dを計画している2。最終的なピーク生産レートを150万bbl/dとする報道もある。 H2Sは随伴ガスに15~18%含まれる。操業会社NCOCのBrouno Jardin社長は、環境規制の厳しさを指摘しており、これに十分対処する必要がある。 Kashagan油田の「地質的埋蔵量」は48億t(380億bbl)で、これは恐らく原始埋蔵量のことと思われる。可採埋蔵量は100億bblである。ガス埋蔵量は1兆m3以上と言われている3。 図1 カスピ海周辺の油ガス田。カシャガン(Kashagan)油田、テンギス(Tengiz)油田、カラチャガナク(Karachaganak)ガス・コンデンセート田の位置を示す。(JOGMEC作成) 1 Kazinform, 2017/3/25 2 PON, 2017/2/07 3 Azernews, 2017/2/09 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Q. カザフスタンの石油生産動向と減産合意遵守度合い (1)カザフスタンの石油生産 カザフスタンの石油の生産量は、2013年の8,930万t(178.6万bbl/d)をピークに減退傾向にあったが(図2)、2016年の石油生産目標は7550万t(151万bbl/d)のところ、実績はやや伸ばして7,800万t(156万bbl/d)であった。2017年には8,100万t(162万bbl/d)と前年から3.8%の増産が計画されている。但し、2016年9月にはKashagan油田の生産開始があり、折から非OPECの協調減産の議論のある中で、2016年11月には減産をしやすくするために、駆け込み的に170万bbl/dを生産している。 カザフスタン共和国全体の原油生産量は、楽観的なシナリオでは、2017年に8,000万t(160万bbl/d)、2018年に8,200万t(164万bbl/d)、2019年に8,500万t(170万bbl/d)、2020-2021年に8,700万t/年(174万bbl/d)となると見込んでいる。また、悲観的なシナリオでは2017年に7,900万t(158万bbl/d)、2018年に8,100万t(162万bbl/d)、2019-2021年に8,400万t(168万bbl/d)となると見込んでいる。ベースラインのシナリオでは、2017-2019年期の油価は$35/bbl、2020-2021年は$40-45/bblと見込んでいる4。 1009080706050403020100カザフスタンアゼルバイジャンウズベキスタントルクメニスタン 2016201520142013201220112010200920082007200620052004200320022001200019991998図2 カスピ海諸国の石油生産量の推移(BP統計による) 4 Interfax, 2016/9/15 ? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2017年2月、ナザルバーエフ大統領は、Bozumbayevエネルギー相に対して、Tengiz油田、Karachaganakガス・コンデンセート田、Kashagan油田の増産により、原油生産と精製量5を増やすよう指示した。Tengiz油田および隣接するKorolev油田の可採埋蔵量は7.5億~11億t、掘削・未掘削地域の「探鉱埋蔵量」は31億t(260億bbl)と推定され、拡大余地は十分ある(後述)。Karachaganakガス・コンデンセート田の埋蔵量はコンデンセート12億t、ガス1.35兆m3、オペレーターはBGからShellへと変わった。カザフスタンのガスの45%、液分の16%がこのガス・コンデンセート田からである。この時、大統領はエネルギー分野の民営化を進めるとともに、Balkhash熱供給プラントの建設を引き合いに、国のガス化(gasification)推進の重要性を説いたという6。 (2)減産合意の遵守度合い 一方で、非OPEC減産合意に関しては、カザフスタンは2016年10月末の基準値170万bbl/dから2万bbl/dを削減することになっていた。カザフスタン・エネルギー省によれば、2017年の前半にカザフスタンはAktobe, Kyzylorda, Mangystauの中小規模・老朽化油田を中心に、2万bbl/d減産するが、Kashagan, Tengiz, Karachaganakの巨大油ガス田は減産しない方針であった7。また、これら3油ガス田は、主に外資に開放された油田であり、カザフ政府の影響力は限定的である。 1 CIS産油国の減産状況 (単位):万bbl/d) 3月遵守率 220% -100% 66% 2017.3 減産目標 77.2 168 1,094.7 2016.12 78 170 1,121 減産量 3.5 2 30 2017.2 78 172 1,110 表2016.10 80.7 170 1,124.7 Azerbaijan Kazakhstan Russia 出典:諸情報からJOGMECとりまとめ 2017.1 79 168 1,111 73 172 1,105 カザフスタンの減産の状況を諸情報から表1にまとめた。2017年1月には目標まで減産したものの、2月以降は逆に2016年10月末の基準レベルを上回る172万bbl/dとなっており、上記の大統領の指示とも平仄が合っている。そもそも、2万bbl/dの減産というのはシンボリックな面が強 5 カザフスタンの製油所は北のPavlodar、西のAtyrau、南のShymkentの3施設で、精製能力は35万bbl/d、一方2015年の精製実績は33.7万bbl/d、国内消費量は27.1万bbl/dで、一部は製品輸出されれいる。操業は国営KMGの精製子会社KazMunaiGaz-Refining and Marketing。 6 Azernews, 2017/2/09 7 Akipress, 2016/12/12 ? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ュ、もはや減産コミットを遵守する意欲が放棄されている可能性がある。Bozumbayevエネルギー相によれば、現地の報告ではKarachaganak及びKashaganの増産が顕著になった来たためで、「どの位の生産カットがあるかという問題ではなく、増産するだけ」と述べている8。 クウェートで開催された監視委員会には、イラク、UAEが参加し、カザフスタンは呼ばれたものの出席しなかった。他産油国の間では、カザフスタンによる減産合意未達の懸念が高まっている。一方で、アゼルバイジャンは3.5万bbl/dを減産する計画であったものが、3月時点で7.7万bbl/dも生産量を減じている。これは油田の生産調整というよりも減退である。このことから、カザフスタンの増産は現状では問題化するところまでは行っていない。 .拡充されるカザフスタンの石油輸出ルート カザフスタン・エネルギー省によれば2017 年、Kashagan 油田の生産原油は、黒海のNovorossiysk港向け1,700kmのCPCパイプライン経由で20.8万bbl/d(1,040万t)、ロシア領内向けのAtyrau-Samaraパイプラインで22.9万b/d(1,145万t)、その他中国新疆ウイグル自治区との国境Alashankou向けのカザフ-中国パイプラインでも3.1万bbl/d(155万t)輸出されることになる(図3)。Kashagan原油は45-46°APIと軽質で、且つ低硫黄という性状である。硫黄分は随伴ガスにのみ含まれる。Novorossiysk港から地中海に出る品種はCPCパイプラインを通るCPC Blendと言われ、既に100万bbl/d(5,000万t)の出荷実績がある。2017年は140万bbl/d(7,000万t)の見込みである。 3Kashagan油田のPS契約では、各パートナーが独自に権益原油を処分できる。このことから、一部のパートナーの間で、カザフスタン領カスピ海東岸のKuryk港から内航タンカーでアゼルバイジャンのバクー近郊にあるSangachalターミナルまで海上輸送し、BTC(Baku-Tbilisi-Ceyhan)パイプラインで東地中海のCeyhanターミナルまで輸出する計画が現在浮上してきている9。アゼルバイジャンとしては、国内の生産減で容量120万bbl/dのBTCパイプラインには輸送能力に余剰を抱えており、カザフ原油を取り込む計画に対して前向きと伝えられる10。 2016年10月6日、アゼルバイジャンのNatig Aliyevエネルギー相は、Kashagan油田の原油を15万bbl/d、BTC(Baku-Tbilisi-Ceyhan)パイプライン経由で輸出することが可能であると明 8 PON, 2017/4/07 9 Trend, 2016/10/06 10 PON, 2017/2/07 ? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 セした。Kashagan油田に参加している企業の内、Eni, Inpex, ConocoPhillips, Totalの4社は、同時にBTCパイプラインのシェアを合計で15%保有する。よって、この4社は輸出に当たって15万バレル/日をBTCに振り向ける権利を有しており、法的な障害はない11。 図3 カザフスタンからの石油輸出ルート(NCOCによる) 今後、Tengiz油田,、Karachaganakコンデンセート田の増産も期待できることから、このルートからの輸出の必要性が増すものと考えられる。2015年には、カザフの原油・石油製品290万トンがアゼル経由でジョージアのBatumiまで送られ、2016年では8月までで160万トンという実績があり、鉄道を組み合わせた輸送は活発に行われている。 Tengiz原油も扱っているトレーダーのVitolは、カザフ国営石油KMG(KazMunaiGaz)の原油販売権を2016年7月、$10億で取得したので、BTCパイプラインの潜在的な利用者になったと言える。Atyrau-Samaraパイプライン(能力30万b/d)も輸送可能であるが、ロシアから輸出される時はUral Blendというサワー原油として扱われるため、経済的に魅力に乏しい。8.33%を持つCNPCは2016年末に2万bbl/d、2017年央に3.1万bbl/dの原油を、能力40万bbl/dのカザフ-中国パイプラインで受け取る。但し、カザフスタンからの原油輸入は2015年は9万bbl/d、 11 BTC Co. の株主は BP (30.1 %), AzBTC (25 %), Chevron (8.9 %), Statoil (8.71 %), ТРАО (6.53 %), Eni (5 %), Total (5 %), Itochu (3.4 %), Inpex (2.5 %), ConocoPhillips (2.5 %) , ONGC (2.36 %). ? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 016年第2四半期は4万bbl/dを切る状態となっている12。これは、同パイプラインを利用して、ロシア産原油が約14万bbl/d中国向けに輸出されるためである(実際にはロシア原油が北部のPavlodar製油所に供給され、等量のカザフ原油が中国に輸出されるというスワップ)。 .他の油ガス田開発の動向 3(1)テンギス(Tengiz)油田の動向 Chevronは2016年7月5日、Tengiz油田およびKorolev油田13に関して、$368億を投じて26万bbl/dの能力アップを図る計画を策定した。これによる同油田の生産量は85万bbl/dまで拡大する。2020年にもこの追加による増産が始まる見込みである。2015年の生産量は59万bbl/d弱でこれまで最高であった14。 Korolev油田については、1988年12月、Chevronがソ連邦時代の石油工業省と共同探鉱につきFSを実施したものの、Chevronは同油田単独では経済性がないものと結論し、隣接するTengiz油田も加えるようソ連側に求め、1990年6月2日にTengiz油田開発に関してFSを実施し経済性が確認できた場合にはChevronが排他的にJVの可能性を追求できるという契約を結んだ経緯がある。JV契約は1991年1月に結ばれて、操業会社Tengizchevroil社が設立され、Tengiz油田は脱硫装置の完成を待って、同年4月6日から生産を開始した15。1991年12月のソビエト連邦崩壊の後、このJV契約は新たに独立したカザフスタン共和国に承継されたが、その後もKorolev油田についてはTengizchevroil社は開発に着手することなく時間が経過していた。今回ようやく開発計画が俎上に載ることになった。 (2)カラチャガナク(Karachaganak)ガス・コンデンセート田の動向 R/D Shellは2015年4月8日、英国ガス企業BGを買収することで合意し、2016年2月15日に買収が実施された。BGはKarachaganakガス・コンデンセート田の29.25%の権益を保有し、同じ規模の権益を保有していたEniとともにオペレーターとなっていたが、この操業権がR/D Shellに移ることとなった。Karachaganakガス田のコンデンセートの生産量は、2015年は20.3万bbl/dで2014年から1.5%減少したもののほぼ安定している。また生産されたガスの50%は貯 12 IOD, 2016/8/29 13 筆者が現地で聞いたところでは、Korolevというのはこの地域出身の宇宙飛行士の名前とのことである。 14 PON, 2016/7/06, 日経、2016/7/06 15 拙稿(1992)「テンギス油田の開発とカザフ共和国・北カスピ堆積盆地の石油地質」石油の開発と備蓄,1992, ? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ッ層圧の維持のために貯留層へ再圧入されている。今後、液分の生産を維持するためのガス圧入能力の向上には追加投資が必要で、政策当局との利益分配に関して論議を呼んでいる。R/D Shellは同ガス・コンデンセート田の操業に自信を持っていると言われる16。なお、圧入分以外の生産ガスは脱硫装置のあるロシア側のOrenburgガス田までパイプラインで輸送され、精製される(図4参照)。 図4 中央アジアがら欧州までの天然ガスパイプライン図-Karachganakガス田の位置を示す。カザフスタン東部にはガスパイプラインが全くない(JOGMEC作成) Vol.25, No.1, p.57-74.参照。 ? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 i3)新規地域 国営石油KMG(KazMuaiGaz)の探鉱生産部門子会社KazMunaiGas Exploration Production(KMG EP)は2016年2月19日、カスピ海堆積盆地陸域3か所で新規発見のあったことを発表した。South Nurzhanov油田北東翼では、三畳系から7mmチョークで900bbl/dを産した。その後、ジュラ系、白亜系のフローテストを行う計画である。現在の埋蔵量評価で2,769万バレルとなる。2016-17年に2坑の評価井を掘り、2018年に試験生産をおこなうことを予定している。 Liman鉱区では二畳-三畳系の岩塩層下位から20bbl/dの出油を見た。2017-2018年に生産開始の予定。Akkuduk油田近隣では中部ジュラ系から110bbl/dの出油を見た17。 (4)首都に向けてのLNGローリー輸送 2017年2月14日、カザフスタンのGlobal Gas Groupがロシア・エカテリンブルグにあるGazpromの子会社Gazprom Transgaz Yekaterinburgからのローリー輸送の小規模LNGを受け入れ、首都Astanaの再ガス施設へ供給を開始した18。これは2016年12月に、2017年末までに5,000tのLNGを供給することで合意したことを受けてのもので、これはガスパイプラインの全くないAstana周辺(図4)でのエネルギー事情を改善するためのものである。 (1)経済の動向 2015-16年の油価の下落で、カザフスタン経済も打撃を受けたが、最近の報道では油価の回復に対応して、経済指標の好転が目立つ。 2016年のGDP成長率は、ロシア(-3.1%)、ベラルーシ(-4.8%)、ウクライナ(-14%)といずれも低迷する中で、カザフスタンのみは1.0%のGDPの伸びを示している。2017年には1.9%、2021年には3.1%と予測され、CIS諸国でも最も経済的にはダメージが少ない19。 通貨は、2015年8月までドルペッグ制を採用し$1=150tengeであったが、2016年1月29日には$1=365tengeまで下落した。9月時点で、$1=338.86tengeにまで戻した20。2017年には$1=320tengeまで回復してきている。但し、原油輸出が主要産業となっているカザフスタンでは、 16 PON, 2016/6/08 17 OGI, 2016/2/19 18 IOD, 2017/2/15 19 Daily Mail, 2016/9/15 20 Daily Mail, 2016/9/15 ? 9 ? .CISでも最も堅調なカザフスタンの政治経済状況 5Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 鴻Vアと同様に自国通貨安は国内経済には悪い影響ばかりではない。 カザフスタンの政府系ファンド(SWF)、サムルク・カジニャJSCは550億ドルの資産を運用していたが、2014年央以降の原油相場の急落で痛手を被った。問題ある油田投資を抱え込んで資金繰りが行き詰まった子会社を助けるために、サムルクは2015年10月、初めてシンジケート・ローンから15億ドルを借り入れた。石油収入が落ち込んだため、一部のファンドは規模が縮小しており、政府による資金引き出しが続いた21。2016年9月15日、カザフスタン経済省は、中期経済見通しで油価$35前提とした22。これにより、支出の引き締めが強化された。2017年1月に入り、政府系ファンドの収入は160%、2月には62%回復し、赤字は解消している。 (2)政治の状況 ナザルバエフ大統領は2015年4月、さらに5年の任期で再選された。 2016年3月20日、下院議員選挙(定数107)が行われ、中央アジア・カザフスタンの中央選管は22日、ナザルバエフ大統領の与党ヌル・オタン党が84議席を獲得したと発表した。アクジョル党が7議席、共産国民党も7議席を得た。残りの9議席は大統領直属の国民総会が21日に選出し、各少数民族団体の代表らに割り当てられた23。政権は基本的に安定している。 同年3月25日には、Vladimir Shkolnik に替わりKanat Bozumbayevをエネルギー大臣に任命する大統領令が発令された24。 しかしながら、同年5月21日、カザフスタンの主要各都市で反政府デモが行われた。治安部隊は数十人を拘束、政権は主要都市の広場などを封鎖し、事実上集会を禁止した。主力輸出品である原油価格下落のあおりを受け、昨年は通貨テンゲが45%下がり、市民の不満が噴出したことが主たる理由とされた。1991年の独立以来政権にいるナザルバエフ大統領に反発する野党の呼び掛けで最近デモが頻発し、政権は神経をとがらせ強権的な手法を強めている25。 同年9月16日、カザフスタン上院はナザルバエフ大統領の長女のダリガ・ナザルバエワ氏(53)を国際関係・国防委員会の委員長に選出した。ダリガ氏は昨年9月に副首相に就任したが、今月の内閣改造に伴い大統領が上院議員に任命した。この人事を巡り、ダリガ氏を上院議長にする布石ではないかとの見方が出ている。 21 WSJ, 2015/12/24 22 Daily Mail, 2016/9/15) 23 共同, 2016/3/22 24 Kazakhstan政府Press Release, 2016/3/25 25 共同、2016/5/22 ? 10 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 更に、2017年に入ってナザルバエフ大統領は2月3日、有力政治家と言われていたイマンガリ・タスマガムベトフ副首相(60)を解任して、駐ロシア大使に任命した。これは事実上の政権からの排除と言ってよい。かつてカザフの共産党青年組織のリーダーだったタスマガムベトフ氏は、州知事、2つの主要都市の市長、国防相、首相、大統領府長官を歴任し、石油資源が豊富な同国西部地域を中心に、広く国民の支持を受けていたが、これで同副首相が大統領職を引き継ぐ可能性は極めて小さくなった。同氏の立場が弱まったことにより、ナザルバエフ大統領の娘で上院議員であるダリガ氏や、彼女のいとこで国家保安委員会第1副議長であるサマト・アビシュ氏が有利な立場に立つことになる26。 全体には、ポスト・ナザルバーエフの姿は明確に見えてはいないものの、体制固めが図られていると言える。 (了) 26 Reuters, 2017/2/04) ? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 旧ソ連
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2017/04/18 本村 真澄
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