ページ番号1004710 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:米国での原油生産増加等がOPEC産油国等の減産延長を巡る動きに対抗した結果、WTIで一時1バレル当たり40ドル台半ばまで下落する場面も見られる原油価格

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レポートID 1004710
作成日 2017-05-15 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2017
Vol 0
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抽出データ 更新日:2017/5/15 調査部:野神 隆之 原油市場他:米国での原油生産増加等がOPEC産油国等の減産延長を巡る動きに対抗した結果、WTIで一時1バレル当たり40ドル台半ばまで下落する場面も見られる原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、製油所での春場のメンテナンス作業が終了しつつあり、稼働が上昇するとともに原油精製処理量も増加している。他方、原油輸入は伸び悩み気味となったことから、原油在庫は減少傾向を示したものの、5月上旬時点においても平年を上回る水準を維持している。他方、製油所での石油製品生産活動が活発化してきた一方で、ガソリンについては供給を吸収するほど需要が強くはなかったことから在庫は増加した。他方、物流活動が底堅かったことにより軽油需要が堅調であったこともあり、留出油在庫は若干ながら減少となっている。ただ、ガソリン及び留出油在庫ともに平年幅を超過する状態は続いている。 ② 2017年4月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では減少となった他、欧州でも一部の製油所の春場のメンテナンス作業終了に伴い原油精製処理量が増加したこともあり在庫は減少した。ただ、日本においては製油所がメンテナンス作業を実施する中、当該在庫は4月末にかけ大幅に積み上がった。結果としてOECD諸国全体として原油在庫は増加となり、平年幅上限を超過する状態は継続している。製品在庫については、米国では製油所での石油製品の生産活動が活発化したことから、在庫は増加した。また、日本においても軽油を中心として在庫が増加したことにより製品全体の在庫も増加した。他方、欧州では中間留分を中心として在庫が減少したが、これは米国からの軽油等の輸出が中南米に向かってしまったことが一因であると考えられる。ただ、OECD諸国全体としての石油製品在庫は増加となり、量としては平年幅上限を上回っている。 ③ 2017年4月中旬から5月中旬にかけての原油市場は、OPEC及び一部非OPEC産油国による、減産延長の期待が市場で増大したことで、原油相場が反発する場面も見られたものの、米国での石油坑井掘削装置の稼働数及び原油生産量の増加もしくは増加見通しに加え、同国でのガソリン在庫等の拡大、リビアの油田の生産再開と同国の原油生産量の増加の情報、そして中国経済が減速する兆候を示す指標類等が原油相場に下方圧力を加えた結果、総じて下落傾向となり、4月中旬には1バレル当たり50ドル台前半に位置していたWTIは4月下旬には50ドルを割り込み、5月中旬に至るまで終値ベースで40ドル台後半で推移した他、5日4日夜間の時間外取引では一時43.76ドルと2016年11月14日以来の安値に到達する局面もあった。 ④ 間もなく米国等で夏場のガソリン需要期に突入することにより季節的な需給の引き締まり感が市場で強まることから、この面では原油相場に上方圧力が加わりやすいと考えられる。また、OPEC産油国等が減産の延長を決定したり、決定する可能性が高まるとの観測が市場で増大したりする、といったことでも、原油相場は押し上げられうる。ただ、原油価格が上昇したとしても、米国石油坑井掘削装置稼働数及び原油生産の増加、もしくは増加観測等により、例えばWTIで1バレル当たり50ドルを大幅に超過するような価格水準を持続する可能性はそれほど高くないものと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2017年2月の米国ガソリン需要(確定値)は日量899万バレルと前年同月比で2.4%程度の減少となった(図1参照)が、速報値(前年同月比で5.1%程度減少の日量874万バレル)からは上方修正されている。米国からのガソリン最終製品輸出量が速報値では日量78万バレル程度(推定)であったものが、確定値では同72万バレル程度となっており、この差分(つまり日量6万バレル程度)が輸出から国内需要に振り向けられたことが上方修正の一因になっているものと考えられる。他方、2017年2月の同国ガソリン小売価格が1ガロン当たり2.416ドルと前年同月比で0.544ドルの上昇となっていることから、ガソリンの割高感が感じられたことが、当該製品需要を抑制したものと考えられる。また、2017年4月の同国ガソリン需要(速報値)は日量923万バレル、前年同月比で0.2%程度の増加となっている。4月のガソリン小売価格が1ガロン当たり2.528ドルと前年同月を0.312ドル上回っているため、この面ではガソリン需要の伸びを抑制する方向で作用していると考えられることから、当該需要は速報値が確定値に移行する段階で下方修正されるか、もしくは反動で5月の当該需要の伸びに影響を及ぼすといった展開となることもありうる。他方、米国では一部製油所で実施されていた春場のメンテナンス作業が終了しつつあり、稼働が上昇するとともに原油精製処理量も増加、4月21日の週には、1982年後半以降の週間統計史上最高水準(日量1,729万バレル)に到達するなど、精製、そして石油製品生産活動は旺盛である(図2参照)。このため、ガソリン生産も増加しているものと見られる(最終製品の生産については図3参照)。一方で、需要は必ずしも生産されたガソリンを吸収するほど強くはなかったことから、ガソリン在庫は4月中旬から5月上旬にかけ増加した。また、在庫量は平年を上回る状態を維持している(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? 017年2月の同国留出油需要(確定値)は日量391万バレルと前年同月比で1.4%程度の減少となり、速報値である日量400万バレル(前年同月比1.0%程度の増加)から下方修正され、前年割れとなっている(図5参照)。1月及び2月の米国の鉱工業生産はそれぞれ、前年同月比でほぼ変わらず、及び0.3% Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? xの増加にとどまったこともあり、2月の同国の物流活動も前年同月比で4.0%伸びたものの、1月は1.6%にとどまっていたことから、物流活動が必ずしも持続的に堅調であったとは言い切れないうえ、2月は留出油の一種である暖房油需要の中心地である米国北東部の気温が前年同月比で温暖になったことで、暖房油の需要に影響を及ぼしたと見られることが、留出油需要減少の背景にあるものと考えられる。他方、2017年4月の留出油需要(速報値)は日量416万バレルと、前年同月比で8.9%程度の増加となっている。米国の4月の非農業部門雇用者数が前月比で21.1万人の増加であったうえ、失業率も4.4%と前月から0.1%低下するなど、同国経済が堅調な面もあったことから、物流活動も活発であったものと推測されることが、当該製品需要増加の一因であるものと考えられる。他方、製油所の稼働が上昇したことから留出油生産も増加傾向となった(図6参照)ものの、堅調な需要で相殺された結果、留出油在庫は4月中旬から5月上旬にかけては若干ながらも減少となったが、平年幅は超過したままとなっている(図7参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 2017年2月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で2.5%程度減少の日量1,919万バレルとなった(図8参照)。ガソリン及び留出油需要に加え、米国各地域が温暖であったことから暖房用に利用されているLPG需要が低下したことが同国石油需要の減少をもたらした一因となっていると考えられる。また、その他の石油製品の需要が速報値(日量370万バレル)から確定値(同318万バレル)に移行する段階で下方修正されたことから、石油製品全体の需要も速報値(日量1,967万バレル、前年同月比0.1%程度の減少)から下方修正されている。他方、2017年4月の米国石油需要(速報値)は、日量1,968万バレルと前年同月比で2.2%の増加となった。留出油及びジェット燃料(米国経済が比較的好調で個人所得が伸びていることもあり航空機による往来が活発化していることが貢献している可能性がある)需要が堅調であったことが、前年同月比での石油需要の増加に寄与したものと考えられる。また、米国では製油所の稼働が上昇するとともに、原油精製処理量が増加しつつある一方で、輸入は伸び悩み気味となった(OPEC産油国等による減産の影響が出始めた可能性がある)ことから、同国の原油在庫は減少傾向を示した(図9参照)ものの、平年幅を超過している。そして、原油、ガソリン及び留出油の在庫量が平年幅を超過していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図10及び11参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2017年4月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では減少となった他、欧州でも一部の製油所が春場のメンテナンス作業を終了するとともに稼働を上昇、原油精製処理量が増加したこともあり、在庫は減少した。ただ、日本においては製油所がメンテナンス作業を実施し原油精製処理量が低迷する中、当該在庫は4月末にかけ大幅に積み上がった(但し5月に入り在庫が減少する兆候が見られており、在庫の積み上がりは輸入が一時的に堅調であったことに伴うものであると見られるが、これについては、3月に一時的に原油価格が下落したことが影響した可能性が考えられる)。結果としては欧米諸国での在庫の減少が、日本での在庫の増加で相殺されて余りあった結果、OECD諸国全体として原油在庫は増加となり、平年幅上限を超過する状態は継続している(図12参照)。製品在庫については、米国では製油所の春場のメンテナンス作業が終了しつつあるとともに稼働が上昇、石油製品の生産活動が活発化したことから、在庫は増加した。また、日本においても軽油を中心として在庫が増加したことにより製品全体の在庫も増加した(4月は例年前月比で軽油需要が低下することが多いが、これは年度初めとなる関係で重機類向けの軽油需要が落ち込むことが影響しているとの指摘もある)。他方、欧州では中間留分を中心として在庫が減少したが、これは米国からの軽油等の輸出が中南米に向かってしまったことにより、通常米国から軽油を輸入している欧州への供給が影響を受けたことが一因であると考えられる(特に2017年に入り、ベネズエラでは政治・経済情勢の混乱もあり製油所の稼働が低下しており、石油製品生産に支障が発生していると見られることから、従来ベネズエラから軽油等の石油製品の供給を受けていた他の中南米諸国が米国からの軽油等の輸入を活発化させていると見られる)。ただ、米国及び日本での製品在庫の増加幅が欧州での減少幅を上回ったことから、OECD諸国全体としての石油製品在庫は増加となり、量としては平年幅上限を上回っている(図13参照)。Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? サして、原油及び石油製品双方の在庫が平年幅を超過していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を上回る状態となっている(図14参照)。なお、2017年4月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は66.1日と3月末の推定在庫日数(65.8日)から増加している。 4月12日に1,400万バレル台後半の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、4月19日には1,300万バレル台後半の量へと減少したものの、4月26日には1,400万バレル台後半の量へと回復した。ただ、5月3日には1,300万バレル台前半の水準、5月10日には1,200万バレル台前 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? シの量へと、当該在庫は減少傾向となっている。アジア地域では3月以降製油所等がメンテナンス作業を実施していることから、各国で国外への製品輸出が手控えられたり、また国外からの輸入が活発化したりしていることが、シンガポールでの軽質留分在庫が減少傾向を示す一因と見られる。このようなことから、アジア市場では需給引き締まり感が発生したことが、ガソリンと原油との価格差(この場合ガソリン価格が原油のそれを上回っている)を拡大させるような圧力を加えたものの、他方米国でのガソリン在庫増加の情報により、むしろ4月末以降当該価格差は縮小している。 また、ナフサについては、カタールでLaffan Rifinery Company(同国国営Qatar Petroleumが51%を出資する)の操業するRas Laffan製油所におけるコンデンセート・スプリッター(処理能力日量14.6万バレル、ナフサ、ジェット燃料、軽油、LPGを生産する)が予定外のメンテナンス作業実施に伴い操業を停止した旨4月3日に明らかになった(当初最長で15日程度を要する可能性があると伝えられたが、5月中旬においても、当該装置が操業を再開したという情報はない)ことに加え、アラブ首長国連邦(UAE)でアブダビ国営石油会社ADNOCの操業するRuwais製油所(原油精製処理能力日量84万バレル)のコンデンセート・スプリッター2基中1基(処理能力日量14万バレル)が修理のため10日間程度停止する旨4月20日にADNOCが発表したことから、当該施設からのナフサ出荷に支障が生じるのではないかとの見方が市場で発生したことが、ナフサの価格を下支えしたものの、米国でのガソリン在庫の増加の情報により、ガソリンに混入するナフサの需要が低下するとの懸念が市場で強まったことに加え、冬場の暖房シーズンがほぼ終了したことで、LPGの暖房向け需要低下と価格下落に伴い、台湾や韓国の石油化学産業において、原料としてのLPGの需要が増加する反面競合するナフサの需要が弱まる可能性があるとの見方が市場で発生したことが、価格に下方圧力を加えた格好となり、4月中旬から5月中旬のナフサ価格は原油価格を下回る状態が続いており、その度合いも概して強まる傾向が見られる。 4月12日には1,200万バレル台前半の量であったシンガポールの中間留分在庫は、4月19日には、1,000万バレル台前半の水準へと低下したものの、4月26日には1,200万バレル台前半の量へと戻っている。ただ、5月3日には1,100万バレル台後半、5月10日は1,100万バレル台半ばの水準となるなど、概して在庫は減少傾向となっているが、これも軽質留分同様製油所のメンテナンス作業の実施が影響している可能性がある。加えて、カタールでのコンデンセート・スプリッターの操業停止に伴い、カタールがジェット燃料や軽油を購入しているとの情報が4月下旬に市場に流れたこともあり、例えば軽油と原油の価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は4月下旬を中心として拡大傾向を示す場面も見られた。ただ、その後は台湾で台湾プラスチック工業(Formosa Petrochemical)の麦寮(Mailiao)製Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 繒梶i原油精製処理量日量54万バレル)及びクウェートでKuwait Petroleum Corporation(KPC)のMina Al-Ahmadi製油所(同47万バレル)が、それぞれメンテナンス作業を終了し操業を再開し始めたと伝えられたことから、市場での需給引き締まり懸念が緩和したこともあり、軽油と原油の価格差は縮小している。 4月12日には2,400万バレル前半の量であったシンガポールの重油在庫は、4月19日には2,500万バレル台後半の水準へと増加したものの、4月26日には2,300万バレル台前半の量へと減少、5月3日には2,300万バレル台半ばの量となった。また、5月10日には2,000万バレル弱の水準と2017年1月4日(この時は1,800万バレル台半ばの量)以来の低水準にまで減少している。この大幅な減少については重油が陸上のタンクではなく沖合の浮遊式貯蔵施設に貯蔵されたことによるとの指摘もある他、過去の実績を見てみても、このような低水準の重油在庫は持続しない場合が多い。しかしながら、このように重油在庫が減少傾向となったことに加え、5月上旬に発生した原油価格の下落に重油のそれが追い付かなかった結果、双方の価格差(この場合重油の価格が原油のそれを下回っている)は縮小する場面も見られたが、日本での冬場の暖房向け電力消費が低下するとともに発電所からの重油需要が減少したことが重油と原油の価格差を拡大させる方向で作用する格好となっている。 2017年4月中旬から5月中旬にかけての原油市場は、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長の期待が市場で増大したことで、原油相場が反発する場面も見られたものの、米国での石油坑井掘削装置の稼働数及び原油生産量の増加もしくは増加見通しに加え、同国でのガソリン在庫等の増加、リビアでの油田の生産再開と原油生産量の増加の情報、中国経済が減速する兆候を示す指標類等が原油相場に下方圧力を加えた結果、総じて下落傾向となり、4月中旬には1バレル当たり50ドル台前半に位置していたWTIは4月下旬には50ドルを割り込み、5月中旬に至るまで終値ベースで40ドル台後半で推移した他、5日4日夜間の時間外取引では一時43.76ドルと2016年11月14日以来の安値に到達する局面もあった。(図15参照)。 2017年4月中旬から5月中旬にかけての原油市場等の状況 . 2Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 4月17日は、これまでの原油価格の上昇に対し利益確定の動きが市場で発生したうえ、4月13日に米国石油サービス企業Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で683基と前週比で11基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で615基と同8基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れを4月17日の市場も引き継いだこと、4月17日に米国エネルギー省(EIA)から発表された掘削生産性報告(DPR:Drilling Productivity Report)で2017年4月の同国主要7シェール鉱床の原油生産量が前月比で日量10万バレル、5月のそれが同12万バレルの、それぞれ増加になるとの見通し(5月の増加幅は2015年2月(この時は同16万バレルの増加)以来の大幅なもの)が示されたことから、この日(4月17日)の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.53ドル下落し、終値は52.65ドルとなった。4月18日も、前日(4月17日)にEIAから発表されたDPRで2017年4月及び5月の同国主要7シェール鉱床の原油生産量が増加になるとの見通しが示された流れを引き継いだことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり52.41ドルと前日終値比で0.24ドル下落した。4月19日には、この日EIAから発表された同国石油統計(4月14日の週分)でガソリン在庫が前週比で154万バレルの増加と市場の事前予想(同190~200万バレル程度の減少)に反して増加していた他、米国原油生産量が前週比で増加した結果、日量925万バレルと2015年8月21日(この時は同934万バレル)以来の高水準に到達している旨判明したことに加え、前日の4月18日に英国のメイ首相が、当初2020年に予定していた総選挙を2017年6月8日に実施する意向である旨発表したことで、政権基盤の安定化に繋がるとの期待が市場で増大したことからポンドが上昇したことに加え、同日米国商務省から発表された3月の同国新築住宅着工件数が年率122万戸と市場の事前予想(同125万戸)を下回ったことにより、4月18日は米ドルが下落したものの、4月19日は前日の米ドル下落に対する利益確定の動きが外為市場で発生したことにより、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? トドルが上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.97ドル下落し、終値は50.44ドルとなった。4月20日も、4月19日にEIAから発表された同国石油統計でガソリン在庫が市場の事前予想に反して増加していた他、米国原油生産量が増加している旨判明した流れを引き継いだことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.27ドルと前日終値比で0.17ドル下落した。この結果原油価格は4月17日~20日の4日間で併せて1バレル当たり2.91ドル下落した(なお、NYMEXの2017年5月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、6月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り50.71ドル(前日終値比0.14ドル下落)であった)。4月21日には、この日Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で688基と前週比で5基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で618基と同3基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.65ドル下落し、終値は49.62ドルとなった。 4月24日も、4月21日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が増加している旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き継いだうえ、ロシアのドボルコビッチ副首相が、ロシアはOPEC及び一部非OPEC産油国との減産合意が失効すれば、増産する用意がある旨発言したと4月24日に報じられたことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長に関する市場の期待が後退したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.23ドルと前週末終値比で0.39ドル下落した。ただ、4月25日は、これまでの原油価格下落に対し値頃感から原油先物契約を買い戻す動きが市場で発生したことに加え、4月26日にEIAから発表される予定である米国石油統計(4月21日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.33ドル上昇し、終値は49.56ドルとなった。4月26日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油在庫が前週比364万バレルの減少と市場の事前予想(同100~175万バレル程度の減少)を上回って減少している旨判明したことが原油相場に上方圧力を加えた一方で、当該石油統計で米国の原油生産量が前週比で増加している旨判明したことに加え、同じく同統計でガソリン及び留出油在庫がそれぞれ337万バレル、及び265万バレルの増加と、市場の事前予想(ガソリン同110万バレル程度の減少~50万バレル程度の増加、留出油同100~180万バレル程度の減少)に反して、もしくは事前予想を上回って増加している旨判明したことから、米国ガソリン及び暖房油先物価格が下落したことが、原油相場に下方圧力を加えた結果、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.62ドルと前日終値比で0.06ドルの上昇にとどまった。しGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ゥしながら、4月27日には、前日(4月26日)にEIAから発表された同国石油統計で同国原油生産量が前週比で増加している旨判明したうえ、当該石油統計でガソリン及び留出油在庫が市場の事前予想に反して、もしくは事前予想を上回って増加している旨判明した流れを引き継いだことで米国ガソリン及び暖房油先物価格が続落したこと、4月9日午後以降武装勢力による関連パイプライン封鎖のため操業を停止していたリビアのSharara油田(原油生産能力日量30万バレル)が、パイプライン封鎖解除のため操業を再開させた旨同国国営石油会社NOCのサナラ会長が4月27日に明らかにしたことに加え、同国のEl Feel油田(同9万バレル、2015年4月25日に停止したと推定される)についても操業が再開された旨同日報じられたことにより、同国の石油供給を巡る市場の懸念が後退したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.65ドル下落し、終値は48.97ドルとなった。ただ、4月28日には、4月1~26日時点のロシアの原油生産量が2016年10月比で日量25.4万バレル減少した(同国の減産目標は日量30万バレル)旨ノバク エネルギー相が4月28日に発言したことから、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産遵守に関する楽観的な見方が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.33ドルと前日終値比で0.36ドル上昇した。 ただ、4月28日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で697基と前週比で9基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で631基と同13基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れが、5月1日の市場に引き継がれたうえ、リビアの原油生産が日量76万バレル超と2014年12月以来の高水準に到達した旨NOCが5月1日に発表したことで、石油需給の緩和感を市場が意識したこと、サウジアラムコがアジア地域での販売シェア防衛のために6月に出荷する当該地域向けアラビアン・ライト原油の価格を引き下げる方針である旨5月1日に報じられたことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産に関し懐疑的な見方が市場で発生したこと、4月30日に中国国家統計局から発表された4月の同国製造業購買担当者指数(PMI、50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が51.2と3月の51.8から低下、2016年10月(この時は51.2)以来の低水準となったうえ、市場の事前予想(51.6~51.7)を下回ったこと、5月1日に米国供給管理協会(ISM)から発表された4月の同国製造業景況感指数(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が54.8と3月の57.2から低下、2016年12月(この時は54.5)以来の低水準となったうえ、市場の事前予想(56.5)を下回ったことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.49ドル下落し、終値は48.84ドルとなった。5月2日には、5月3日にEIAから発表される予定である同国石油統計(4月28日の週分)で、ガソリン及び留出油在庫が増加しているとの観測が市場でGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? ュ生したことに加え、減産実施で合意しているOPEC11加盟国の4月の減産遵守率が90%と3月の92%から低下した旨ロイター通信社が5月2日に報じたことで、石油需給引き締まりに対する市場の期待が後退したことから、この日(5月2日)の原油価格の終値は1バレル当たり47.66ドルと前日終値比で1.18ドル下落した。この結果原油価格は5月1日~2日の2日間で併せて1バレル当たり1.67ドル下落した。5月3日には、これまでの下落に対し値頃感から原油先物契約を買い戻す動きが市場で発生したことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.16ドル上昇し、終値は47.82ドルとなった。しかしながら、5月4日には、この日中国独立系報道機関財新伝媒から発表された4月の中国サービス業PMI(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が51.5と4ヶ月連続で低下、2016年5月(この時は51.2)以来の低水準となったことにより、同国石油需要鈍化に関する懸念が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり45.52ドルと前日終値比で2.30ドル下落した他、同日夜間の時間外取引では一時43.76ドルと2016年11月14日(この時は42.20ドル)以来の安値に到達する場面も見られた。ただ、5月5日には、前日の原油価格下落に対し値頃感から原油先物契約を買い戻す動きが市場で発生したうえ、2017年1月1日から減産を実施しているOPEC及び一部非OPEC産油国は、供給余剰を抑制するために、6月30日以降も減産を延長する必要があるという認識で、収束しつつある旨サウジアラビアのアーマOPEC理事が5月5日に発言したことで、減産の延長に対する期待感が市場で増大したことに加え、5月5日に米国労働省から発表された4月の同国非農業部門雇用者数が前月比で21.1万人の増加と市場の事前予想(同18.5~19.0万人の増加)を上回った他、失業率が4.4%と2007年5月(この時は4.4%)以来の低水準となった旨判明したことで、米国石油需要の増加に対する期待が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.70ドル上昇し、終値は46.22ドルとなった。 5月8日には、この日サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産が、2017年後半もしくは恐らくそれ以降も延長されることに自信を持っている旨発言したうえ、同日ロシアのノバク エネルギー相も減産の延長により市場が再均衡回復へと加速するとして、減産延長を支持する旨示唆したことで、当該減産延長に対する市場の期待が増大したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり46.43ドルと前週末終値比で0.21ドル上昇した。ただ、5月9日は、この日EIAから発表された短期エネルギー展望(STEO:Short-Term Energy Outlook)で、EIAが米国の原油生産量見通しにつき、2017年を日量9万バレル、2018年を同6万バレル、それぞれ上方修正し、2017年の原油生産量を日量931万バレル、2018年のそれを日量996万バレルと予測したことで、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? ホ油需給の緩和感を市場が意識したことに加え、5月7日に実施されたフランス大統領選挙第二回投票前に、マクロン候補が当選するとの予想から上昇したユーロに対し、投票実施後利益確定の動きが発生したことから、5月9日はユーロが下落した反面米ドルが上昇したことにより、この日(5月9日)の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.55ドル下落し、終値は45.88ドルとなった。しかしながら、5月10日には、この日EIAから発表された同国石油統計(5月5日の週分)で原油在庫が前週比で525万バレルの減少と市場の事前予想(同179~200万バレル程度の減少)を上回って減少している旨判明したことに加え、5月10日にアルジェリアのブテルファ エネルギー相が、イラクのルアイビ石油相との会談後、アルジェリア及びイラクはOPEC及び一部非OPEC産油国による減産の延長を支持する旨表明したことで、当該延長に対する期待が市場で増大したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.33ドルと前日終値比で1.45ドル上昇した。5月11日も、5月10日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想を上回って減少している旨判明した流れを引き継いだうえ、イラクのルアイビ石油相とアルジェリアのブテルファ石油相が、5月11日に実施した共同記者会見で、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の2017年末までの延長を支持する旨明らかにしたことで、減産の延長に関する期待が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.50ドル上昇し、終値は47.83ドルとなった。この結果原油価格は5月10日~11日の2日間で併せて1バレル当たり1.95ドル上昇した。5月12日には、5月10日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想を上回って減少している旨判明した流れを引き継いだことに加え、イラクのルアイビ石油相とアルジェリアのブテルファ石油相が5月11日に実施した共同記者会見で、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の2017年末までの延長を支持する旨明らかにしたことから、減産の延長に関する期待が市場で増大した流れを引き継いだことが、原油相場に上方圧力を加えた反面、5月11日にOPEC事務局から発表された月刊オイル・マーケット・レポートでOPECが2017年の非OPEC産油国の石油供給量を日量36万バレル上方修正したことで、世界石油需給の緩和感を市場が意識した流れを引き継いだことに加え、5月12日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で712基と前週比で9基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で647基と同9基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大したことが、原油相場に下方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.84ドルと前日終値比で0.01ドルの上昇にとどまった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? . 今後の見通し等 イエメンでは、4月26日に、遠隔操作で爆発物を積載した無人船舶が同国の小島から、国境を接するサウジアラビア南西部にあるJazan油槽所に向け出発したが、サウジアラビア当局により阻止された、と国営サウジアラビア通信(SPA)が同国内務省報道官の発言として報じた。また、イラクでは、同国の陸軍参謀総長の発言として、イスラム国(IS)が支配するモスルの制圧は最長3週間程度で終了する旨4月30日に報じられている。 他方、米国のムニューシン財務長官は、イランに対して追加制裁を実施する可能性がある旨明らかにしたと4月17日に報じられる。また、4月18日には、ティラーソン米国務長官が、対イラン制裁解除に関する西側諸国等との合意に対し、同日現在イランは遵守してはいるものの、同国がテロ支援国家であることに関しては懸念である旨表明するとともに、トランプ大統領も、米国国家安全保障会議(NSC)が中心となり、当該制裁解除が米国にとって適切であるかどうかにつき、政府に横断的な検討を行うよう(期限は明示されず)指示した旨4月18日に国務長官が明らかにしている。さらに、マティス米国防長官は、4月19日にサウジアラビアのサルマン国王と会談し、その中で、マティス氏はイランが中東地域情勢を不安定化している旨非難している。また、4月20日には、トランプ大統領が、イタリアのジェンティローニ首相との共同記者会見の場で、イランは西側諸国等とのウラン濃縮問題に関する合意の精神に則っていないとして、当該合意を再検討する旨表明した。他方、イラン内務省は、ロウハニ大統領を含めた6名(ジャハンギリ第一副大統領(ロウハニ師の側近)、ライシ前検事総長(同国最高指導者ハメネイ師に近い保守強硬派)、ガリバフ氏(保守強硬派、テヘラン市長)他)の立候補を承認した(アフマディネジャド前大統領は不承認であった)と発表した(立候補承認審査は、ハメネイ師の影響力の強い護憲評議会が実施)旨4月21日に報じられる(後述)。そのような中、4月24日には、米海軍の駆逐艦にイラン革命防衛隊の船舶が接近したとして、警告として米海軍は照明弾を発射した旨、4月26日に伝えられる。 リビアでは、4月12日に、Waha油田に対して適用していた不可抗力条項の適用を解除したが、4月14日に武装勢力が同油田とMellitah石油ターミナルとを接続するパイプラインを再び封鎖した旨明らかになっている。ただ、4月9日午後以降武装勢力による関連パイプライン封鎖のため操業を停止していたリビアのSharara油田はパイプライン封鎖解除のため操業を再開させた旨NOCのサナラ会長が4月27日に明らかにしたことに加え、El Feel油田についても操業が再開された旨同日報じられている(前述)。また、5月1日には、同国の原油生産量が日量76万バレル超と2014年12月以来の高水準に到達した旨NOCが明らかにした。さらに同国の原油生産量は日量79.2万バレルに到達した旨同国石油産業関Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? W筋は5月9日に明らかにしている。 シリアについては、4月13日にロシアのラブロフ外相が同国を訪問したシリアのムアレム外相に対し、米国によるシリアへのミサイル攻撃は再発されるべきではない旨明らかにした他、同日アサド大統領は、4月4日に行われた空爆に際し政権軍による有毒物質の使用は100%でっち上げである旨表明している。また、4月14日に実施した、ラブロフ外相とムアレム外相、イランのザリフ外相との間での会談では、結束してアサド政権を支援する旨で合意した。そのような中4月15日にはシリア北西部のアレッポ郊外で自動車に積載した爆弾が爆発したことにより少なくとも126名が犠牲になった。他方で米国のムニューシン財務長官はシリアに対し2週間以内に追加制裁を実施する旨明らかにしたと4月17日に報じられる。また、化学兵器禁止機関(OPCW)は4月4日に実施された空爆による犠牲者からサリンかサリンに類似する物質が検出された旨4月19日に発表している。他方、アサド大統領は、4月15日にアレッポで発生し少なくとも126名が死亡した自動車爆弾テロにつき、「シリア征服戦線」(旧ヌスラ戦線、アルカイダ系)による犯行であるとの見解を明らかにするとともに、反体制派側がトルコ経由で化学兵器を入手しているとして、トルコを批判した。このような中、4月21日には米国のティラーソン国務長官がラブロフ外相との間で電話会談を実施したが、その中で、ティラーソン氏は、4月4日の空爆に関し、OPCWによる調査実施を支持する旨表明したが、一方で、ラブロフ外相は米国がロシアの当該調査への参加を拒否した旨明らかにしたと4月21日に報じられる。4月24日には、当該空爆の際に化学兵器を使用して一般市民を攻撃したとして、シリアの「科学研究調査センター」の職員271名に対して制裁を実施する旨米国財務省が発表した。ただ、4月29日にラブロフ外相はシリア問題解決のために米国と協力する用意がある旨明らかにしている。また、5月2日には、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談を実施し(4月3日以来ほぼ1ヶ月ぶり)、シリアでの停戦維持のために対話を促進することや内戦を終結させるために関係者があらゆる努力を行わなければならないとの認識で一致した。さらに、5月4日にカザフスタンのアスタナで開催されていたシリア和平会議(5月3日より開催)で、ロシア、イラン、トルコの3ヶ国は、武器の使用が禁止されるとともにライフラインが確保される安全地帯(名称は「緊張緩和地帯」となると伝えられる)をシリア国内に設置する旨の覚書(ダマスカス近郊や北西部のイドリブ県周辺を含めた4ヶ所に安全地帯を設けるが、6月4日までに具体的な地域を確定する、といった内容となっているとされる)に署名した。なお、米国は、当該会議に代表者を派遣したものの、当該覚書にイランが加わっていることについて、暴力を助長するとして懸念を表明、これにより署名を見送ったと見られる。また、アサド政権は安全地帯の設置には賛同したと5月4日に伝えられるものの、反体制派は5月5日に当該案についてイランがGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? 趨シしていることを批判している(なお、アサド政権及び反体制派双方とも覚書には署名していない)。当該覚書は5月6日午前0時に発効した。また、5月10日には、米国を訪問したラブロフ外相が、ティラーソン氏及びトランプ大統領と会談、シリア問題につき協議し、解決に向け両国が協力していくこと確認したと伝えられる。また、7月の20ヶ国・地域(G20)首脳会議でトランプ大統領とプーチン大統領が会談することについても合意していることをラブロフ外相が5月10日に明らかにした。他方、国連は5月8日に、アサド政権と反体制派との間での和平協議(於ジュネーブ、3月23日より実施していたが成果なく3月31日に中断)を5月16日に再開する旨発表した。 ナイジェリアでは、国営石油会社NNPCのバル社長が、同国の産油量が日量200万バレルに到達したと5月2日に明らかにした(ただ、3月の同国の原油生産量は日量131万バレルであり、3月から5月に至るまでに同国の原油生産状況が劇的に改善したとの報告もないことから、「日量200万バレル」は少なくとも天然ガス液(NGL)を含めたものであり、従ってナイジェリアの原油生産量は増加していたとしても限定的な規模にとどまっている可能性があるものと推測される)。また、同国では、Trans Forcadosパイプライン(原油輸送能力日量20~24万バレル程度、2016年2月21日の武装勢力による爆破以降、ほぼ操業を停止していた)につき、操業者のShellが操業再開に向け試運転を実施している旨5月9日に明らかになっている。当該パイプラインは6月迄に改修を終えて操業を再開させる予定であるとされる。 地政学的リスク要因全般としては、4月4日のシリアでの空爆の際の化学兵器使用の疑惑発生と4月7日に実施された米国軍によるシリア中部シャイラト空軍基地へのミサイル攻撃で、シリアのアサド政権を支援するロシアと反体制派を支援する米国との関係に暗雲が立ち込める場面も見られたが、現在はロシアと米国との間でシリア問題に関して両政権幹部が会談する機会も設けられるなど、当該問題は鎮静化する兆候が見られる。このため、シリアの内戦問題そのものに関しては、今後新たな事象の発生によりロシアと米国等との関係が極度に悪化する、といったことでなければ、原油相場を押し上げるといった展開となる可能性は高くはないと考えられる。ただ、シリアについては、いわゆる「安全地帯」の設置の議論が行われているようであるが、この議論の中心はロシア、トルコ、及びイランであり、当該議論へのイランの参加に対して米国は懸念を表明していることから、今後もシリア問題は紆余曲折を経る可能性があり、短期間で解決に向かうとも考えにくい。従って、この側面からの原油相場への持続的な下方圧力というのもまた、短期間に加わる可能性はそれほど高くはないと思われる。 リビアについては、一部油田において、パイプライン等関連インフラに対する武装勢力の封鎖解除で生産が再開されることにより、同国の原油生産量も4月の日量55万バレル(OPEC月報による)から5月Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? 日には日量79万バレル超へと増加している。3月22日には、NOCのサナラ会長が、早ければ8月にも同国の原油生産量は日量110万バレルに到達する旨明らかにしているが、武装勢力が再びパイプライン等の油田関連インフラを封鎖すること等により原油生産に支障が発生する可能性が全くなくなったとも言い切れない。今後も、同国の原油生産が増加すれば、それなりに原油相場を押し下げる場面が見られることも想定されるが、ある程度の期間同国の油田等の操業に対し武装勢力による妨害が実施されず、従って、同国の地政学的リスク要因に伴う石油供給途絶の可能性が大幅に低減したと市場関係者が確信と持つまで、原油価格への下方圧力は限定的になる可能性があるものと思われる。また、再びリビアの石油関連インフラの操業が脅かされるようであれば、原油相場に上方圧力を加える場面が見られうるものと考えられる。 イランでは、5月19日に大統領選挙が予定されている。現状のところ現職のロウハニ大統領が優勢ではあるが、支持率(支持を明確にしている人がベース)が41%であり、保守強硬派のライシ前検事総長が26%、同じく保守強硬派のガリバフ テヘラン市長が24%となっているなど、過半数の支持率を確保できているわけではない。ロウハニ師はライシ師から経済政策が不十分との批判を浴びている格好となっており、ハメネイ師も同様の批判を示唆している。5月19日の投票で各候補が過半数の得票をできない場合、第一回投票の1週間程度後に第二回投票を実施する予定であるが、その場合保守強硬派候補が一本化される可能性があることから、大統領選挙結果とその先のイランの外交・経済を含めた政策については、不透明感が漂う。現在米国ではトランプ政権がイランに対する圧力を強めつつあるが、イランでも保守強硬派の大統領候補が当選した場合、米国との対立が深まることにより、中東地域での石油供給途絶懸念が市場で増大(石油供給途絶が発生する確率は絶対的な水準では低いものの、以前に比べて相対的には確率が上昇するという意味で懸念が増大)し、それが原油相場に影響する可能性があるので注意が必要であろう。 米国では、2017年第一四半期の国内総生産(GDP)が前期比で年率0.7%の増加と鈍化(2016年第四四半期は同2.1%の増加)を示した他、ISM製造業景況感指数も低下するなど同国経済の減速を示唆する指標類が発表されてはいるものの、4月の非農業部門雇用者数が市場の事前予想を相当程度上回るなど、同国経済が好調であることを示す指標類も発表されている。このようなこともあり、5月2~3日に開催されたFOMCでは、金利の引き上げは見送られたが、6月13~14日に開催される予定である次回FOMCでは、政策金利が1.00~1.25%となる確率が5月12日現在で79%弱と予想されており、4月16日の55%弱の水準から上昇しているなど、現行の金利(0.75~1.00%)からは引き上げられるとの見方がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? ュまっている。このため、この面では米ドルは下落しにくく、むしろ上昇へと向かう可能性があり、従って、原油相場の上昇を抑制すべく作用する可能性がある。ただ、1月17日に続き、4月12日にも、トランプ大統領は米ドルは強すぎる旨の発言を行っているなどしていることから、米ドルが際限なく上昇していくとも考えにくく、このため、米ドルによって原油価格が継続的に下落傾向となる可能性もまた高くないと思われる。このようなことから、米国経済指標類等の面では、原油価格の上昇は抑制される一方で、下落についても、その幅は限定的なものになりやすいと考えられる。他方、中国では、同国経済が減速しつつあることをPMIは示唆しており、これが原油相場に影響する場面が見られるなどしていることから、今後も市場関係者から注目されるものと考えられる。さらに、欧州においても、経済指標類に加え、金融関係者の発言等によっても、ユーロとともに米ドルが変動することを通じ原油相場に影響が及ぶ場合もありうる。 米国では、5月27~29日の連休(5月29日が戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)に伴う休日)から、夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期に突入する。このため、ガソリンの需要が盛り上がるとともに、ガソリンを生産するために製油所の稼働も高水準を維持、その結果、原油の購入が活発化するなど、季節的な需給の引き締まり感が市場で一層強まる結果、この面で原油相場に上方圧力を加わりやすくなるものと考えられる。しかしながら、他方で、米国の石油坑井掘削装置稼働数と原油生産量は増加が続いている。2016年11月30日及び12月10日のOPEC総会、及びOPEC及び一部非OPEC産油国との会合において、原油生産量削減で合意がなされて以降、原油相場がWTIで一時1バレル当たり50ドルを超過したものの、その機会をとらえて、米国での石油生産企業が原油先物販売に関してヘッジを実施したと言われているため、足元の原油価格水準にかかわらず、当面リグ数は増加し続ける可能性があり、それが市場での将来の原油生産量増加観測に繋がることにより、原油価格の上昇を抑制する場面が発生することも想定される。このようなことから、原油相場は季節的な要因から上昇しやすいものの、その度合いは比較的緩やかなものになり、例えばWTIで1バレル当たり50ドルを大幅に超過するような水準にまで上昇し、かつその水準を維持するといった展開となる可能性はそれほど高くないものと考えられる。 OPEC産油国は5月25日に通常総会を開催する予定である。既に、減産に合意したOPEC及び一部非OPEC産油国は、現時点で定められている、6月30日の減産実施期限以降も減産を実施することが、石油需給の均衡のために必要であるとの考えで収束しつつある旨、サウジアラビアのアーマOPEC理事が5月5日に発言している。この中には非OPEC産油国の中で最も重要視されるロシアも含まれている。他方、5月8日には、サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、OPEC及び一部Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? PEC産油国による減産が、2017年後半もしくは恐らくそれ以降も延長されることに自信を持っている旨発言している。このようなこともあり、次回OPEC総会等で減産の延長が決定される可能性は高まっている。また、減産規模については、速報ベースではあるが、最近の米国での原油生産が月当たり日量10万バレル近く増加していることに加え、消費国での石油在庫の減少ペースが緩やかであるように見受けられ、従って依然平年に比べ石油在庫水準が高い状況から、原油相場がWTIでしばしば1バレル当たり50ドルを割り込でいるうえ、5月上旬には45ドル割れの水準にまで下落する場面が見られるなど、不安定であることからすると、例年石油需要が相対的に増加する年後半において顕著に在庫を減少させるべく、少なくとも現在実施している減産幅と同規模の減産を2017年後半も実施する可能性があるものと考えられる。なお、さらに減産幅を拡大する案については、それを実施する産油国にさらなる負担を強いることになるため、困難な調整を経なければならなくなるものと予想されることから、その確率は相対的には低いものと考えられるが、OPEC総会を控え原油価格が低迷してしまうような展開となった場合には、当該総会に向け減産幅の拡大(減産幅の拡大が困難であれば、2018年以降への減産期間のさらなる延長)等の追加策が検討されるといった可能性も否定されるわけではない。OPEC総会等で減産の継続が決定された場合、もしくは総会を控え減産継続が決定されるとの観測が市場で広がった場合には、2017年後半に向けた石油需給引き締まりに対する期待が市場で増大することから、原油相場に上方圧力が加わる可能性が考えられる。またOPEC総会を控え、加盟産油国関係者による発言等によっては、原油相場が変動する場面が見られることもありうる。 大西洋圏では間もなくハリケーン等の暴風雨シーズンに突入する(暴風雨シーズンは例年6月1日~11月30日である)。ハリケーン等の暴風雨は、進路やその勢力によっては、米国メキシコ湾沖合の油田関連施設に影響を与えたり、また、湾岸地域の石油受入港湾施設や製油所の活動に支障を与えたり(実際に製油所が冠水し操業が停止することもあるが、そうでなくても周辺の送電網を切断することにより、製油所への電力供給が停止することを通じて操業が停止するといった事態が想定される)、さらには、メキシコの沖合油田操業や原油輸出港の操業等が停止することにより米国での原油輸入に影響を与えたりする(米国メキシコ湾岸地域はメキシコから日量57万バレル程度(2016年)の原油を輸入している)。4月6日時点でのコロラド州立大学の予想によると、2017年の大西洋圏でのハリケーンシーズンは平年並みか平年よりもやや鈍化した暴風雨の発生が予想されている。それでも、このような予報に反し暴風雨の活動が活発化する可能性もある。最近では米国の原油生産に占める陸上の割合が大きくなってきているものの、それでも米国メキシコ湾でもそれなりの量(2016年は日量161万バレル)生産されていることから、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? 。後のハリケーン等の実際の発生状況やその進路、そしてその予報等に留意すべきであろう。 全体としては、この先米国等で夏場のガソリン需要期に突入することにより季節的な需給の引き締まり感が市場で強まることから、この面では原油相場に上方圧力が加わりやすいものと考えられる。また、OPEC産油国等が減産の延長を決定したり、決定する確率が高まったとの観測が市場で増大したりするといったことでも、原油相場が押し上げられる可能性がある。ただ、原油価格が上昇したとしても、米国石油坑井掘削装置稼働数及び原油生産の増加、もしくは増加観測等により、例えばWTIで1バレル当たり50ドルを大幅に超過するような価格水準を原油相場が持続する可能性はそれほど高くないものと考えられる。 . 世界天然ガス市場動向 米国では、2016年5月から8月にかけ気温が平年をしばしば超過したこともあり、発電向け天然ガス 4需要が堅調に推移した。反面2015年以降継続した天然ガス価格の下落、そしてそれに伴う天然ガス開発向け水平坑井掘削装置の稼働数の低下もあり、シェールガス開発活動が低調になった。このようなことに加え、米国からメキシコへと天然ガスを輸送するLos Ramonesパイプラインの拡張完成(米国テキサス州エルパソ~ロスラモネス、輸送能力日量21億立方フィート、拡張完成は2016年3月と言われている)により、メキシコへの天然ガスの輸出が増加したり、米国ルイジアナ州のSabine Pass LNGによるLNG出荷基地が2016年前半に操業を開始し(後述)、米国本土48州からLNGが輸出され始めたりした。また、2016年12月においては、米国北東部や中西部においては、平年よりも寒冷な気候となったことで、米国での天然ガス貯蔵量は2016年12月23日から2017年1月20日にかけては、平年(過去5年平均)割り込むなど、天然ガスの需給引き締まり感が市場で発生した。他方、このような天然ガス需給の引き締まり感に伴い、2016年半ば以降天然ガス価格が上昇したこともあり、まず、米国でのシェールガスを開発・生産するための掘削装置の稼働数が増加傾向を示すようになった(図16参照)。そして、時間差をおいて、2017年1月以降米国の天然ガス生産も回復する兆候が見られ始めている(図17参照)。また、米国北東部や中西部では2017年3月は平年よりも寒冷な箇所もあったものの、2017年1、2及び4月は総じて平年よりも温暖であったことから、暖房用の天然ガス需要が必ずしも旺盛ではなかったこと、天然ガス価格の上昇に伴い発電部門における天然ガス需要が低下した(図18参照)(石炭や原子力に発電需要が移行したと見られる)ことから、天然ガス需給の引き締まり感が緩和した結果、貯蔵量も平年を上回る水準を回復する(図19参照)とともに、天然ガス価格に下方圧力を加え始めた。しかしながら、引き続き、メキシGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? Rへのパイプラインによる輸出や、Sabine Pass LNG出荷基地からのLNG輸出により、米国の天然ガス需給が2016年前半に見られたような大幅な供給過剰に陥るとの見方は市場で強くないこともあり、米国での天然ガス価格は100万Btu当たり2ドル台後半から3ドル台前半程度で推移している(図20参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? 米国のSabine Pass LNG出荷基地は、テキサス州境に近いルイジアナ州のメキシコ湾岸に位置している。2016年2月24日に第一液化施設(Train 1、液化能力年産450万トン)の試験操業で生産されたLNGを積載した第一船がブラジルに向け出港した(同社によるとLNG施設の完成は5月26日)。その後9月16日に第二液化施設(Train 2、同450万トン)が完成、2017年1月24日には第三液化施設(Train 3、同)の試験操業で生産されたLNGを積載した第一船が出港したと伝えられる(同社によるとLNG施設の完成は3月31日)。Sabine Pass LNG基地は、2016年9月17日から10月下旬にかけ、燃焼装置からの排出が基準を確実に満たすための改修を実施する等を含めメンテナンス作業を実施した結果、操業がほぼ停止したことから、10月は出荷量が大幅に低迷したものの、それを除けば、着実にLNG輸出量(出荷量)は伸びつつある(図21参照)。輸出先は中南米、欧州、中東・アフリカ、アジア諸国と多岐に渡るが、この中でもメキシコへの輸出が目立っている。メキシコは西海岸に位置するMansanilloのLNG受入基地向けが大半である。Mansanillo周辺ではパイプラインによる天然ガス輸送体制が十分ではないことから、LNGによる天然ガス受入が比較的活発であると考えられる。ただ、メキシコにおいては、天然ガスパイプライン網が整備されているメキシコ湾岸地域においては、パイプラインで天然ガスを輸送する方が、LNGGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? ナ天然ガスを輸送するよりも割安である(これは、パイプライン輸送もしくはLNGタンカー輸送に関する費用を加える前の段階でそうである)ことから、パイプラインによる天然ガス輸送が主流であり、例えば、メキシコ湾岸にあるAltamiraのLNG受入基地では、米国からのLNGの受け入れは、米国からのパイプラインがメンテナンス等で操業を停止した場合等に限られている。また、2017年に入ってからは、アジア諸国向けのLNG輸出が目立つようになっているが、これは、豪州のGorgon LNG 第一液化施設(Train 1、LNG生産能力年産520万トン)が操業上の不具合によりLNGの生産を停止した(操業者であるChevronが2016年11月30日に発表、2017年1月2日の週の前半に操業を再開した旨1月4日に発表)他、アンゴラLNG(LNG生産能力同520万トン)も小規模の作業実施により操業を停止した(操業者Chevronが2016年12月1日に発表、1週間前後の後操業を再開したとされる)ことから、アジア諸国の米国産LNGに対する需要が増加したことが背景にあると見る向きもある。 英国では、2017年1月は気温がしばしば平年を下回ったり、気温が低下するとの予報が発表されたりしたことにより、暖房用需要が増加したり、もしくは増加するとの観測が増大したりしたことに伴う、市場での天然ガス需給の引き締まり感から、例えば2月3日には天然ガス価格は100万Btu当たり7.5ドルに迫る程度にまで上昇した。しかしながら、その後は概ね気温が平年を超過する水準にまで上昇した(図22参照)一方で、アジア地域で販売しきれなかったスポットベースのLNGが欧州に向かった結果、欧州のLNG輸入量も比較的堅調に推移した(図23参照)。このため、欧州の天然ガス貯蔵量で見れば、2017年の春場は、比較的温暖な冬を経験した後の2016年の春場に比べれば、貯蔵水準は低い分(図24参照)だけ、例えば英国の天然ガス価格は高くなっているものの、それでも当該価格は下落傾向となり、3月中旬から5月中旬にかけては100万Btu当たり5ドル前後で推移している(因みに2016年の同時期は同4ドル程度であった)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? また、アジア地域では、春場の暖房用天然ガス不需要期を控え、原油価格や欧州天然ガス価格が下 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ? 詞X向となったこと、2月24日に日本の九州電力川内原子力発電所2号機(発電能力89万キロワット)が稼働を開始したこともあり、同国での天然ガス需要減少の観測が市場で発生したこともあり、2月初めには100万Btu当たり7ドル台半ば程度であった当該地域のLNGスポット価格は3月には同5ドル台半ば程度まで下落した。しかしながら、3月26日にサハリン2 LNG施設が沖合施設でのガス流出により操業を停止した(3月29日には操業再開した旨伝えられる)他、豪州でもGorgon第二液化施設(Train 2)がメンテナンス作業実施により操業を停止したと3月27日に操業者であるChevronが明らかにし(4月19日に操業を再開したとChevronが発表している)、また、ブルネイのLNG出荷施設でも予定外のメンテナンス作業により操業を停止する(メンテナンス作業開始及び終了時期は明らかになっていないようである)など、複数のLNG出荷施設で供給に支障が発生したことに加え、4月25日に日本の気象庁が発表した予報で、5~7月は気温が全国的に平年並みか平年よりも高くなると予想される旨明らかにしたことで、アジア地域でのスポットLNG価格は下げ止まり、4月以降は100万Btu当たり5ドル台後半程度で推移している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 27 ?
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2017/05/15 野神 隆之
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