ページ番号1004715 更新日 平成30年2月16日

ロシア情勢(2017年4月 モスクワ事務所)

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レポートID 1004715
作成日 2017-05-31 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報
著者
著者直接入力 黒須 利彦 井戸 智子
年度 2017
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2017/5/30 JOGMECモスクワ事務所 黒須 利彦/井戸 智子 公開可 ロシア情勢(2017年4月 モスクワ事務所) (1)国内 経済・財政 .政治・経済情勢 1・ 4月6日、経済発展省のオレシュキン大臣は、2017~2020年までの経済見通しを発表した。ベースラインシナリオの2017年のGDP成長率は、昨年10月予測の0.2%より2%へと上方修正となったが、2018~2020年は1.5%にとどまる見込み(10月予測では、2018年1.7%、2019年2.1%)。現状のまま経済が推移すると、プーチン大統領が掲げた2019~2020年までに経済成長率を世界平均以上(3%)にするという課題が履行できない状況である。2017年の年末インフレ率予測は4.0%より3.8%に低下。その他の概要は以下のとおり1。 ベースラインシナリオ:経済制裁は2020年まで継続、減産合意は、2017年7月1日までの前提で策定 ? 平均為替レート:現在は、ルーブルが過大評価されており、数ヶ月以内に下落となる見込み。2017年:64.4ルーブル/ドル(2016年10月予測67.5)、2018年:69.8ルーブル/ドル(同68.7ルーブル)、2019年:71.2ルーブル/ドル(同71.1ルーブル)、2020年:72.7ルーブル/ドル ? 油価:原油価格は2017年末には1バレル40ドルに下がる見込み。 2017年:45.6ドル/バレル(2016年10月予測40ドル)、2018年:40.8ドル/バレル(同40ドル) 2019年:41.6ドル/バレル(同40ドル)、2020年:42.4ドル/バレル ? 投資:2017年:2%(2016年10月予測0.5%)、2018年:2.2%(同1.2%)、2019年:2.0%(同1.6%)、2020年:2.1% ? 財政赤字:2017年:1兆8,900億ルーブル(対GDP比2.0%)、2018年:1兆6,600億ルーブル(同 1 Forbes.ru,RBC.ru他、2017/04/06 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? .7%)、2019年:1兆3,000億ルーブル(同1.3%)、2020年:8,700億ルーブル(同0.8%) ? 歳入:2017年:14兆6,800億ルーブル、2018年:14兆7,100億ルーブル、2019年:15兆3,100億ルーブル、2020年:15兆9,800億ルーブル ? 歳出:2017年:16兆5,700億ルーブル、2018年:16兆3,700億ルーブル、2019年:16兆6,100億ルーブル、2020年:16兆8,500億ルーブル ? 実質可処分所得:2017年:1%(2016年10月予測0.2%)、2018年:1.5%(同0.5%)、2019年:1.2%(同0.8%)、2020年:2.1% ? 実質賃金:2017年:1.3%(2016年10月予測0.4%)、2018年:2.7%(同2%)、2019年:1.3%(同1.6%)、2020年:1.3% その他 4月3日14時40分ごろ、ロシア第2の都市サンクトペテルブルグの中心部を走る地下鉄車両内で起きた爆発で、実行犯1名を含む14名が死亡、50名以上が負傷した。ロシア連邦捜査委員会は、監視カメラの映像やDNA鑑定の結果、テロの実行犯をキルギス共和国出身でロシア国籍の22歳のジャリロフ容疑者と特定した。 【上写真出典:http://kremlin.ru/events/president/news/54180/photos/47747】 同容疑者は、2011年よりサンクトペテルブルグの自動車修理工場で働いていた。捜査筋によれば、最近まで過激派組織との接点はなかったとされるが、今年2月にキルギスに1ヶ月程滞在し、ロシアに戻ってきた際には無口でふさぎがちになり、完全に別人となっていたとのこと。当局はその時に過激派にリクルートされた可能性があるとして、容疑者の交友関係などを詳しく調べている2。 ・ ロシア議会の内政委員会は、2018年のロシア大統領選挙日を第2日曜日の3月11日から18日に延期する法案を提案し、議会が審議に入った。同法案は、大統領選挙が8日の国際婦人デー(祝日)の週に含まれるため、その翌週の18日に延期するものであり、クリミア併合日と同一日となる3。 ・ メドヴェージェフ首相・統一ロシア党首は、ロシア議会における2016年のロシア政府の活動報告を 2 Forbes.ru,2017/04/04 3 Interfax.ru,2017/04/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? sった際に、来るロシア大統領選挙において戦う意向がある旨を述べた。他方で、ロシア政府は過度な争いで政府が転ずることがないことを約束した。首相は、大統領選挙を真剣に争うが、決して政争はしないこと、またそうならないようにしていくと発言した4。 ・ レバダセンターの世論調査によると、メドヴェージェフ首相の支持率が3月に10ポイント下落し、過去10年間で最低の数字の42%となった。同氏の汚職疑惑に関し、全国的な反汚職デモが発生していた5。 (2)対外関係 ①ベラルーシ ・ 4月3日、プーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領は、サンクトペテルブルグで首脳会談を行った。共同記者会見で、プーチン大統領は、石油・ガス産業をめぐる争いは解決したと述べ、合意事項は10日以内に調整されるとした。「今日、両国間には未解決の問題はない。われわれは前進し、法的基盤の整備およびユーラシア経済同盟の発展を通じて、連合国家のとしての関係強化を進めていく」とプーチン氏は語った。ルカシェンコ大統領は、 G20 会合を控えたプーチン大統領に対し、米国や EU といった諸大国との関係構築の合間にあってもベラルーシとの関係を忘れることがないよう依頼し、了承を得たと述べた。また、安全保障についても多くの時間を割き、協議したことに言及。「世界で静穏な場所は極めて少ない。我々は両国の安全保障を維持する共同措置について合意した」と語った6。 【左:ルカシェンコ大統領、右:プーチン大統領 上写真出典:http://kremlin.ru/events/president/news/54176/photos/47737,47742】 4 Interfax,2017/04/19 5 Vedomosti,2017/04/06 6 Kremlin.ru,2017/04/03 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? E 4月3日、ドボルコビッチ副首相は記者会見で、ベラルーシが未払いのガス輸入代金7億2,600万ドルをGazprom子会社のGazprom Transgas Belarusに支払うことを条件とし、ロシアはベラルーシ向け年間2,400万トンの石油供給契約を更新すると述べた(ガス代金の未払い発生により、2016年秋から石油供給量は25%削減の年間1,800万トンとなっていた)。ベラルーシのセマシコ副首相によれば、この供給量は2024年まで継続されるとのこと。また、ドボルコビッチ氏は、Gazpromが2018~2019年の同国向け天然ガス供給価格を値引きすることを明らかにした7。 ウズベキスタン ②・ 4月5日、プーチン大統領は、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領とクレムリンで首脳会談を行った。プーチン氏は、ミルジヨエフ大統領の就任後、両国の貿易・経済関係が活発化したことに言及。特に軽工業や農業の伸びが大きく、ミルジヨエフ氏は2.6倍の伸びとなった産業もあると述べた。また、政治レベルの関係も密接になり、軍事・安全保障分野における協力強化も進んでいることに言及した。この会談に併せて、政府間・企業間で複数の合意文書が調印された8。 ミルジヨエフ大統領略歴 名前:シャフカト・ミルジヨエフ (Shavkat MIRZIYOYEV) 生年月日:1957年7月24日生まれ 59歳 ジザク州出身 1981年にタシケント灌漑・農業機械化大学卒業。コムソモール委員会書記、出身大学の副学長として勤務。1990年にソ連邦ウズベキスタン共和国最高会議議員に選出。1992年にタシケント市のミルゾ・ウルグベク地区長、1996年~2001年までジザク州知事、2001年9月~2003年12月までサマルカンド州知事を歴任。カリモフ初代ウズベキスタン大統領の任命により2003年~20016年9月までウズベキスタン共和国首相。20016年9月のカリモフ大統領の逝去により、大統領代行を務める。2016年12月4日に実施された大統領選挙に勝利し、同14日に就任。 7 RBC daily,2017/04/04 8 Kremlin.ru,2017/04/052 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? y左:ミルジヨエフ大統領、右:プーチン大統領 上写真出典:http://kremlin.ru/events/president/news/54219/photos/47759,47790】 ・ 4月5日、Gazpromのミレル会長は、ウズベキスタンのイブラギモフ副首相との間で、ウズベキスタン産ガスの購入契約を調印した。2018年から5年間毎年40億?のガスを輸入する内容。署名式は、両国首脳の立会の下、行われた。また、ウズベキスタン国営会社のUzbekneftegazと共同地質探査などに関する協定に調印した9。 左:イブラギモフ副首相、右:ミレルCEO 左:Uzbekneftegaz スルタノフ社長、右:ミレルCEO 【写真出典: http://www.gazprom.com/press/news/2017/april/article320924/】 ・ プーチン大統領は、テレビのインタビューにおいて、米国によるシリア攻撃について、化学兵器を使用したとする証拠はどこにもなく、主権国家への攻撃は国際法違反だとし、国連安全保障理事会の制裁決議なしに主権国家に対する攻撃をしたという事実に目をつぶるワシントンとNATO(北大西洋米国 ③ 9 Gazprom Press release,2017/04/05 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? @構)の同盟関係を非難した。また、米ロの信頼レベルはオバマ前政権時よりもトランプ政権下で低下したと述べた10。 ・ 4月12日、モスクワを訪問中の米国のティラーソン国務長官は、外相会議終了後の共同記者会見で 米ロの信頼レベルは低く、信頼の再構築が必要と述べた。また、ロシアのラブロフ外相も露米間でウクライナやシリアを巡る認識について、大きな溝があることを認めたが、関係改善に向け、対話を継続すると述べた11。 ・ 4月21日、ムニューシン米財務長官は、トランプ大統領と協議した結果、対露制裁で禁止されている大水深掘削は、ExxonMobileを含め、米国企業には認めないとの声明を出した。同社は、ロシア黒海での掘削事業を進めるために制裁適用除外を当局に申請していた12。 ・ 4月27日、安倍総理大臣がモスクワを訪問し、プーチン大統領との間で、17回目となる日露首脳会談を行った。両首脳の会談は昨年12月以来で、平和条約締結問題、国際情勢(シリア・北朝鮮等)、経済、文化・人的交流等幅広い分野について、約3時間10分にわたり協議を行った。経済分野では、8項目の「協力プラン」の具体化を更に進め、互恵的な日露経済関係を発展させていくことで一致。首脳会談に併せて、山口県とクラスノダール地方の協定を含む28件の合意文書が締結され2.石油ガス産業情勢 (1)原油・石油製品輸出税 た13。 ・ 4月の原油輸出税は先月のUSD 12.5/バレルから USD12.2/バレルにわずかに引き下げとなり、東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田等に対しては、引き続きゼロ課税となった。 ・ 4月の石油製品輸出税はUSD 26.6/トン、ガソリンについてはUSD 48.8/トンに設定された。 10 Interfax,2017/04/12 11 Interfax,Kommersant,2017/04/12 12 RBC daily,2017/04/21 13 日本外務省他,2017/04/27 日本 ④ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? <参考:原油及び石油製品輸出税の推移> 輸出税 平均 平均 平均 第1四半期4月 2014年 2015年 2016年 2017年 2017年 原油(USD/t) 原油(USD/BBL) 減税特典原油(USD/t) 減税特典原油(USD/BBL) 石油製品(USD/t) 内、ガソリン(USD/t) 366.1 50.2 174.9 24.0 242.0 330.0 120.3 16.5 0 0 57.7 92.7 平均 86.5 11.9 0 0 25.9 47.6 75.6 10.4 0 0 30.2 53.6 88.9 12.2 0 0 26.6 48.8 (出所:ロシア経済発展省) (2)原油生産・輸出量 ・ 4月の原油、ガス・コンデンセート生産量は4,500.2万トン(3億3,036万バレル、1,101.2万b/d)で、前年同月比8.7%増。1~4月は1億8,116.6万トン(約13億2,996万バレル、1,108.3万b/d)で前年同期比0.8%増14。 ・ 4月の原油輸出量は2,268.4万トン(約1億6,653万バレル)。1~4月は8,590.4万トン(約6億3,063万バレル)15。 ・ 4月21日、ノヴァク・エネルギー相は、2016年のロシアから日本向け石油輸出は前年比31.9%減の993万トンであると述べた。LNGの輸出は4.1%減の702万トン、石油製品の輸出は19%減の174万トン16。 (3)天然ガス生産量 ・ 4月、天然ガス生産量は541.7億?(約1.91TCF)で、前年同月比8.7%増。1~4月は2,364.4億?(約8.35TCF)で、前年同時期比7.7%増17。 (4)生産調整 14 Interfax,2017.05.02 15 エネルギー省HP 16 Prime,2017/04/21 17 Interfax, 2017.05.02 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? E 4月28日、ノヴァク・エネルギー相は、4月27日時点での減産は29万8,000バレルであり、4月30日には、30万バレルの減産が達成できると語った。同大臣によれば、国内の石油企業トップらと減産合意延長の可能性について協議し、5月24日にウィーンにで開催予定のOPEC産油国会合までに立場を固める方針18。 (5) その他 ・ 連邦地下資源利用庁は、2015~2016年に探査作業への投資が削減されたため、ロシアの炭化水素資源埋蔵量の増加は今後3年間減速すると発表した。同庁によれば、ロシアの地下資源利用者は昨年、自己資金により40以上の炭化水素資源鉱床を発見している。推測値によると、2016年の探査作業費は、2,600億ルーブル。作業成果として、予想される埋蔵量の増加は、石油・コンデンセートは2015年の79%、ガスは64%にとどまる見込みとのこと。2016年の石油・コンデンセートの埋蔵量増加は、5億7,480万トン、ガスは7,015億?となる見込みであるが、生産量もそれぞれ5億3,500万トン、5,720億?であり、埋蔵量置換率は100%程度となる。昨年は、政府予算より地質探査費として136億ルーブルを支出予定であったが、実際の支出は、115億ルーブルにとどまった。2017年予算からは、有望な地域である大陸棚、東・西シベリア、極東、ヴォルガ・ウラル、カスピ海沿岸、チマン・ペチョラ、北コーカサスにおける地質探査に対してのみ支出を行う計画である19。 ・ 4月12日、センチュリン・エネルギー省次官は、陸上ルートによるインドへの天然ガス輸出の選択肢について、イラン経由も含めて検討していることを明らかにした。「エネルギー省には、陸上ルートによるインドへの天然ガス供給の検討に係る調査チームがあり、スワップを含めた様々な方式を検討している。例えば、イランのP/Lを利用して、インド北部にガス供給を実施し、ロシアが同量のガスをイランに供給する等も案の一つである」と述べた。また、Gazpromがインド向けに年間約250万トンのLNG供給を2018年から開始することを明らかにした。供給者は、Gazprom Marketing and Trading Singapore、受取側はインドのGAIL。しかし、同氏によれば、インドへのLNG供給は、Gazpromのみが担うのではなく、NOVATEKが2017年に生産開始予定のヤマルLNGもGazprom Marketing and Trading Singaporeを介して、またその他のLNG生産会社も同様に販売が可能になるかもしれないと 18 Prime,2017/04/28 19OilCapital.ru,2017/04/06 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? フこと20。 3.ロシア石油ガス会社の主な動き (1)Rosneft ・ 4月3日、RosneftのセチンCEOはプーチン大統領とのテレビ会議の際に、「Rosneftは2017~2021年に北極海開発に2,500億ルーブルの投資を行う」と語った。同社は、北極圏(バレンツ海、ペチョラ海、カラ海、東シベリア海、チュコト海、ラプテプ海)において、28のライセンス鉱区を保有しており、過去5年間で1,000億ルーブルの投資を実施している。また、セチン氏は、4月3日にKhatangsky鉱区(ラプテプ海)の探鉱井の掘削を開始した旨を発表した。同社の広報は、掘削は単独実施か、外資等と共同実施かについてコメントをしていないが、北極開発で提携するExxonMobileは関与を否定している。本年は、Khatangsky鉱区に続き、黒海でも掘削を行う予定であり、2018年はバレンツ海、2019年はカラ海および北極海東部の対象エリアで作業を行う計画とのこと。 同社には、昨年末の時点で7,900億ルーブルの資金があり、北極海大陸棚開発に投ずる資金はある。一方、同社の負債総額は3兆6,000億ルーブルで、そのうち1兆7,000億ルーブルが短期負債である21。 ・ 4月7日、反独占局のツィガノフ副局長は、外国投資委員会が、北京燃気集団(Beijing Gas Group)によるVerkhnechonskneftegazの株式20%取得を承認したことを明らかにした。これにより、Rosneftは10億ドル超を調達する。中国企業がロスネフチ傘下の資本に参加する最初の案件とのこと22。 ・ 4月11日、Rosneftは、独立石油ガス会社が保有するKondaneftの株式100%を400億ルーブルで買収したことを明らかにした。Kondaneftは、ハンティ・マンシ自治管区のKondinsky、Zapadno-Erginsky、 ChaprovskyおよびNovo-Endyrskyの4つの鉱区のライセンスを保有しており、埋蔵量は合計で1億5,700万石油換算トン(PRMS準拠)。取得価格は、埋蔵量1バレルあたり1ドルとRosneftにとって有利なもの(同社が、中印の企業にVankorneftおよびVerkhnechonskneftegasを売却した際は1バレルあたり3ドルをベースに取引価格を計算)。これらの鉱区はRosneftが保有するPriobskoye油田から100kmに位置し、また、今後オークションが予定されているロシア最大のErginskoye鉱床にも隣接している。同資産の取得は、Rosneftがインフラ開発を行ってきた主要な石油・ガス生産地域 20 Prime,2017/04/12 21 Vedomosti,2017/04/4 22 Prime,2017/04/07 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? ノおける資源開発の生産性向上を目指す同社の戦略に則ったもの23。 ・ 4月25日付Vedomosti紙は、Rosneftの取締役会は、2016年度の配当金として1株あたり5.98ルーブルを支払うことを提案したと報じた。関係者の話では、当該金額は、国際会計基準に基づく純利益の35%に相当し、政府もこの提案を承認しているとのこと。省庁関係者らによると全ての国営企業に国際会計基準に基づく利益の50%の配当金を支払うことを義務付ける政令が4月中に署名される予定であるが、Rosneftは正式には国営企業ではないため(同社の株式の50%をRosneftegazが保有)、この政令の対象にはならないとのこと。Rosneftの2016年の純利益は、2,010億ルーブルであることより、同社はRosneftegazに352億ルーブルの配当金を支払い、Rosneftegazは利益の50%を国家に支払うことになる。 2)Gazprom (・ Gazpromは、社報に掲載されたマルケロフ副社長へのインタビューを通して、2017年のガス生産見通しを2.7%増の4,304億4,000万?に引き上げる計画を明らかにした。石油は4.6%増となる4,110万トン、コンデンセートは3.1%減となる1,530万トンを生産予定。同氏によれば、生産計画の承認を受け、Bovanenkovskoyeガス田でのガス生産を13.8%引き上げ767億?に、コンデンセート生産は2016年の5万3,000トンから今年は4万9,900トンに引き下げる計画。また、Kirinskoyeガス田でのガス生産を9.5%引き上げ7億4,400万?に、コンデンセート生産は昨年の11万7,000トンから11万9,300トンに引き上げる24。 ・ GazpromのミレルCEOは、ウクライナ経由での欧州向けガス輸送を2020年1月以降も継続する意向を明らかにした。ミレル氏によれば、ウクライナとの交渉の用意があるが、供給量については、年間150億?と大幅削減となる見込みとのこと。Gazpromは、昨年ウクライナ経由で822億?のロシア産ガスを供給したが、ベラルーシ、ポーランド経由のガスP/Lおよびバルト海経由のNord Stream P/Lによる供給分を含めた欧州向けの供給総量は史上最高の1,790億?であった。ウクライナとのトランジット契約が失効する2019年に、GazoromはNord Stream 2建設を完工する予定であり、ウクライナルートについては、完全停止も検討されていたが、欧州委員会と東欧諸国の意向に配慮して継続が決まったと専門家はみている。特に、ブルガリアとルーマニアは自国のP/L使用によるトランジ 23 Rosneft Press release,2017/04/11,Kommersant,2017/04/12 24 Prime,2017/04/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? bト料収益を守るためにNord Stream 2プロジェクトに反対している(彼らのP/Lを通じて年間150億?のガスがトルコやギリシャに供給されている)25。 ・ 2016年度報告書によると、同社の純利益は前年比20%増の9,510億ルーブルであった。売上利益は、7,256億ルーブル、営業外収入は1兆200億ルーブル、営業外支出は5,430億ルーブル。売上(国際会計基準)は、前年比0.6%増の6兆1,000万ルーブル、営業費は13.9%増の5兆2,000万ルーブルとなった。売上増の主な要因は原油およびコンデンセート販売量の増加とのこと。2016年のガス生産量は4,190億7,000万?。そのうち欧州およびトルコ向け輸出量は史上最高の1,793億?であったが、欧州および他の諸外国へのガス輸出による純収入は前年比1%減の2兆1,000億ルーブルとなった。同社は、減収の主な要因をルーブル建て平均価格の22%の下落であると説明している。旧ソ連諸国向けのガス輸出による収入は、前年比28%減の3,096億ルーブル、国内におけるガス販売売上は、2%増の8,190億ルーブル(平均価格が5%上昇したことによるもの)。また、Gazprom Neftの業績により、原油の売上は58%増の4,119億ルーブルに達した。純負債は、7%減の1兆9,000億ルーブル。 Gazpromの理事会は、4月半ばに配当金を1株あたり7.89ルーブルとすることを取締役会に提案した。取締役会がこの案を支持し、年次株主総会にて承認されれば、2016年の配当金総額は1,868億ルーブルとなり、そのうち938億ルーブルが国に支払われる(連邦国有資産管理庁が株式38.373%を直接保有しているほか、Rosneftegazが10.9%、 Rosgazfikatsiyaが0.9%を保有)。しかし、配当額が国際会計基準に基づく純利益の50%になった場合(全ての国営企業に、国際会計基準に基づく利益の50%を支払うことを義務付ける政府指令案が策定されており、4月中に署名予定)配当金総額は4,758億ルーブルとなり、そのうち、2,379億ルーブルが国に支払われることになる。Gazpromは投資計画が大規模であり、2017年のキャッシュフローがゼロとなる見込みであることより、例外措置を求めている26。 (4) Lukoil ・ Lukoilは、クラスノヤルスク地方に位置するVostochno-Taimyrsky鉱区で深度5,500mの掘削を開始した。掘削請負会社のERIELLEのドクニヒンCEOによれば、掘削は摂氏マイナス60度、風速毎秒 25 Vedomosti,2017/04/26 26 Vedomosti,2017/04/27 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 5メートル超の厳しい気候条件の中で行われる。作業終了まで373日を要し、その後168日以上にわたってフローテストを行う計画27。 ・ Lukoilのアレクペロフ社長は、3月に報じられた「Lukoilがロシア国内のガソリンスタンドの3分の1の売却の可能性を検討している」という情報を否定した。同氏は、プーチン大統領との会談の際に、国内のガソリンスタンドの売却はないと発言した。長期戦略立案の際に策定者より小売販売網の売却提案がなされたが、経営陣が却下したとのこと28。 (4)Surgutneftegas ・ 4月28日、Surgutneftegasは2016年の決算(IFRS基準)を発表。概要は以下の通り29。 ? 売上:1兆ルーブル ? EBITDA:前年比7.3%増の3,377億ルーブル ? 純損失:620億ルーブル(為替評価損4,386億ルーブル)・・・前年度は、7,616億ルーブルの純利益。 ? 積立金:前年比12%減の2兆1,800億ルーブル (5) Tatneft ・ 4月3日、Tatneftは2016年の決算(IFRS基準)を発表。概要は以下の通り30。 ? 売上:前年比5%増の5,801億ルーブル ? EBITDA:前年比6.5%増の1,656億ルーブル ? 純利益:前年比8.6%増の1,070億ルーブル 4. 東シベリア・極東・サハリン情勢 (1)極東 ・ 4月19日付Kommersant紙は、Gazpromは新しい需要家へのガス供給を目的として、稼働率が低い状 27 Prime,2017/04/05 28 Vedomosti,2017/.0414 29 Vedomosti,2017/04/28他 30 Tatneft Press release Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ヤが慢性的に続いている「サハリン-ハバロフスク-ウラジオストク」ガスP/L(SKV)の増強に着手したと報じた。Gazpromは、Rosneftの東部石油化学コンプレックスとナホトカ肥料工場を需要家として念頭においているが、石油化学コンプレックスへのガス供給契約の先行きや肥料工場の稼働時期が不透明であること等より、増強後もP/Lの稼働率は低いままで推移するリスクも存在する。 総延長1,800kmのSKVは2007年より稼働し、サハリン大陸棚で生産されるガスをハバロフスク地方と沿海地方に供給してきた。同P/Lの輸送能力は年間55億?であるが、その稼働率は40%を超えたことはなく、2016年の輸送量は22億?であった。Gazpromは、この拡張工事に関し、請負業者と514億4,000万ルーブルの単独契約を締結したとのこと。 ・ サハリン州関税局によれば、2017年第1四半期にアジア太平洋地域に輸出したサハリン2プロジェクト産LNGは、前年同期比27%減の約210万トン。売上では前年同期比44.4%減の約5億4,140万ドル2) サハリン (であった31。 5.新規LNG・P/L事業 (1)Nord Stream 2 ・ 4月24日、Gazpromは同社の完全子会社であるNord Stream 2 AGに参加する欧州のエネルギー企業5社とNord Stream 2 P/Lプロジェクトの建設費の50%に相当する最大47億5000万ユーロの長期融資契約を締結したことを公表した。フランスのEngie、オーストリアのOMV、英蘭系Shell 、ドイツのUniperおよびWintershellの5社各社の拠出上限は事業費の10%に当たる9億5,000万ユーロとなる。本年中に2億8,500万ユーロ、その後時期未定だが6億6,500万ユーロを振り込む見込み。このプロジェクトを巡っては、EU加盟の中・東欧諸国が強く反対しているが、当該5社は、同P/LがEUに競争力と長期のエネルギー安定供給をもたらすとしている32。 以上 31 Interfax,2017/04/20 32 Gazprom Press release ,2017/04/24他 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ?
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2017/05/31 黒須 利彦 井戸 智子
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