ページ番号1004717 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:OPEC総会等での減産延長決定への期待から上昇するも、減産延長決定後は再び石油需給緩和感が市場で意識されたこと等により、下落する原油価格

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レポートID 1004717
作成日 2017-06-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
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媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2017
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抽出データ 更新日:2017/6/19 調査部:野神 隆之 原油市場他:OPEC総会等での減産延長決定への期待から上昇するも、減産延長決定後は再び石油需給緩和感が市場で意識されたこと等により、下落する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、夏場のドライブシーズン到来によりガソリン需要もそれなりに発生したものの、製油所の稼働も上昇、原油精製処理量が増加するとともに、石油製品生産活動が活発化したことから、ガソリン在庫は比較的限られた範囲内で推移した他、留出油在庫は増加傾向となり、双方とも平年幅を超過する状態が継続している。他方、製油所での原油精製処理が進んだ一方で、輸入は伸び悩み気味となったことから、原油在庫は減少傾向となったものの、それでも平年幅は超過している。 ② 2017年5月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では減少となった他、日本においても、製油所でのメンテナンス作業実施に伴い稼働が低下、原油精製処理量が減少するのに合わせ在庫水準が低下した。他方、欧州においては、前月比でほぼ同水準となった。結果として、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している。製品在庫については、米国では製油所での石油製品生産活動が活発化した一方で、冬場の暖房シーズンが終了したことにより、暖房用需要の低下とともにLPGの在庫が増加したことから、同国での石油製品在庫は増加した。また、日本においても、暖房シーズン終了に伴い、暖房用需要の低下とともに灯油在庫が増加したことが牽引し、石油製品全体の在庫も増加している。他方、欧州では石油製品在庫は前月比とほぼ変わらずとなった。結果として、OECD諸国全体としての石油製品在庫は増加となり、量としては平年幅上限を上回っている。 ③ 2017年5月中旬から6月中旬にかけての原油市場は、5月中旬から下旬前半にかけては、5月25日に開催される予定であるOPEC総会、そしてOPEC及び一部非OPEC産油国による閣僚級会合を控え、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長決定への期待が市場で増大したことで、原油相場が反発する場面も見られ、WTIは1バレル当たり40ドル台後半から50ドル台前半へと上昇した。しかしながら、OPEC総会で当初予想通りに減産延長が決定されると、WTIは50ドルを割り込んだ。以降は、米国での石油坑井掘削装置の稼働数の増加に加え、同国での原油やガソリン在庫の増加、リビアやナイジェリアでの原油生産増加もしくは増加観測、2018年の非OPEC産油国の石油生産量の伸びが世界石油需要のそれを超過するとの見通しの発表等が原油相場に下方圧力を加えた結果、原油価格は6月中旬に45ドルを割り込むなど、下落基調となった。 ④ 米国では夏場のドライブシーズンに突入したことで、この先7月前半にかけ需要が盛り上がっていくとの観測が、当面原油相場を下支えするものの、米国での足元での高水準のガソリン在庫や石油坑井掘削装置の増加、そして原油生産増加見通し等で、原油価格が堅調に上昇を継続するには力不足となる可能性があると考えられる。従って、原油価格は上昇したとしても比較的限定された程度になりうる一方で、在庫、米国をはじめとする産油国の原油生産状況、石油坑井掘削装置稼働数等の状況によっては、原油相場に下方圧力が加わる場面が見られることもありうる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . OPEC 産油国等が減産の9ヶ月間の延長につき合意 (1) 協議内容等 OPEC産油国は5月25日にオーストリアのウィーンで通常総会を開催し、2016年11月30日に開催された前通常総会時に決定した減産につき、事実上規模を同水準としたうえで実施期限を当初の6月30日から9ヶ月間延長することで合意した。政情不安等から通常時に比べ事実上の減産状態となっているリビア及びナイジェリアは前回同様、減産目標設定から除外されたと伝えられる。また、OPEC総会に引き続き、OPEC産油国及び一部非OPEC産油国との間での閣僚級会合も同日開催され、2016年12月10日に開催された会合で決定された一部非OPEC産油国による減産につき、事実上規模を同水準としたうえで実施期限をOPEC産油国の減産と同様に延長することでも合意した。減産実施の新たな期限は2018年3月31日となる。ただ、今般赤道ギニアがOPECに加盟することになった(OPEC加盟申請を行った旨2017年1月23日に同国エネルギー省が明らかにしていた)ため、OPEC産油国の減産目標は日量117.6万バレル(2016年11月30日総会決定時点では日量116.4万バレル)、一部非OPEC産油国の減産目標は日量54.6万バレル(2016年12月10日会合決定時点では日量55.8万バレル)となる(表1及び2参照)。また、共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitering Committee、参加国はクウェート(議長国)、アルジェリア、ベネズエラ、ロシア(議長代行国)、オマーン)、及びそれを補助する役割である共同技術委員会(JTC:Joint Technical Committee、OPEC事務局が支援)が引き続き石油市場状況等を監視するとともに、必要に応じて適切な進言を行うこととなった。次回OPEC総会(通常総会)は2017年11月30日にオーストリアのウィーンで開催される予定である。 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表1 OPEC産油国原油減産状況(単位:日量千バレル)2016年10月原油生産量①基準原油生産量(推定)?原油生産目標(2017年1月1日~6月30日)③減産幅(③-?)(2017年1月1日~6月30日)④2017年5月原油生産量⑤減産幅(⑤-③)⑥減産遵守率(⑥/⑤)(%)原油生産目標(2017年7月1日~2018年3月31日)⑦減産幅(⑦-?)(2017年7月1日~2018年3月31日)アルジェリア1,0911,0891,039△ 501,059△ 3060.01,039△ 50アンゴラ1,4981,7511,673△ 781,613△ 138176.91,673△ 78エクアドル543548522△ 26528△ 2076.9522△ 26赤道ギニアNANANANANANANANA△ 12ガボン203202193△ 92042△ 22.2193△ 9イラン3,7093,7073,797903,79588-3,79790イラク4,5714,5614,351△ 2104,424△ 13765.24,351△ 210クウェート2,8482,8382,707△ 1312,705△ 133101.52,707△ 131カタール645648618△ 30615△ 33110.0618△ 30サウジアラビア10,56610,54410,058△ 4869,940△ 604124.310,058△ 486UAE3,0683,0132,874△ 1392,885△ 12892.12,874△ 139ベネズエラ2,0722,0671,972△ 951,963△ 104109.51,972△ 95小計30,81430,96829,804△ 1,16429,731△ 1,237106.3NA△ 1,176リビア528---730----ナイジェリア1,615---1,680----合計32,955---32,139----(出所:OPEC他より推定)017年1月1日より実施されていたOPEC産油国による減産については、遵守率は100%近くかそれを超過するなど遵守状況は良好であった。また、減産に合意した非OPEC産油国の遵守率はOPEC産油国のそれには及ばないものの、上昇傾向にあった。しなしながら、特に2017年第一四半期には、OPEC諸国等の減産措置開始前の高水準の原油供給が、輸送等に伴う時間差で以て消費国に到着した一方で、米国でのシェールオイルを含む原油生産が増加傾向にあるうえ、製油所が春場のメンテナンス作業を実施していたことで原油精製処理量が低下していたことから、原油需給状況を示すものとして発表頻度が高いこともあり、市場関係者から特に注目されている指標である米国での原油在庫は増加傾向となり、2017年3月31日には5.36億バレルと1982年後半以降の週間統計史上最高水準に到達した。また、OECD諸国の石油在庫の減少傾向も曖昧であり、4月末時点においても平年(過去5年平均)を3億バレル程度超過する状況となっていた(図1参照)。さらに、非OECD諸国においてもある程度の石油在庫が存在することから、OECD及び非OECD諸国を併せた石油在庫の平年比での超過は3億バレルを相当程度上回っていたものと推測される。このようなことから、市場関係者間で、石油供給過剰感が根強く存在したこともあり、3月以降はWTIでしばしば1バレル当たり50ドルを割り込んだ他、5月4日の夜間の時間外取引では、一時1バレル当たり43.76ドルと、2016年11月14日(つまり前回のOPEC総会前)以来の低水準にまで下落する場面が見られ、また、5月中旬に入っても50ドルを回復できないでいるなど、市場心理は弱い状態となっていた。 2) 今回の会合の背景等 (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 表2 非OPEC産油国原油減産状況(単位:日量千バレル)減産目標(2017年1月1日以降)①2016年10月原油生産量②2017年5月原油生産量③減産実績(③-②)④減産遵守率(④/①)(%)減産目標(2017年7月1日以降)ロシア30011,22910,948△ 28193.7300メキシコ1002,1031,980△ 123123.0100オマーン451,012969△ 4395.645アゼルバイジャン35814794△ 2057.135カザフスタン201,6471,72780△ 400.020マレーシア20638632△ 630.020赤道ギニア12195177△ 18150.0-バーレーン10197191△ 660.010南スーダン81041051△ 12.58スーダン47674△ 250.04ブルネイ4125110△ 15375.04合計55818,14017,707△ 43377.6546(出所:IEA他データをもとに推定)他方、OPEC総会開催時点での石油需給バランスシナリオによれば、2017年第二四半期から年末迄OPEC産油国が現状の減産を継続すれば(非OPEC産油国については実効性のある減産が実施できるかどうか不透明な部分があるので、ここでは考慮しない)、この期間中世界石油需要が供給を日量130万バレル程度上回ると予想されるため、このような計算に基づけば、年末までに3億バレル程度石油在庫が減少することになる。従ってOECD諸国で保有されている、過剰とされる石油在庫は相当程度解消されると予想されるが、非OECD諸国を含めた世界の過剰在庫を一掃できるかどうかについては、年末までの減産延長では心許ない状態となり、従って市場での需給緩和感を払拭する(つまり、原油価格を押し上げる)には力不足になるものと見受けられる。一方、減産を2018年第一四半期まで延長すれば、4億バレル超の石油在庫を削減できると見込まれるため、世界の過剰在庫を一掃し、サウジアラビアやロシアが目標として表明したところの、平年並み(過去5年平均水準)の世界石油在庫水準に接近する可能性が高まる。また、例年第一四半期は米国での製油所のメンテナンス作業実施に伴う原油精製処理量低下もあり、季節的に原油需給緩和感が市場で意識されやすいことから原油価格が下落しやすいが、2018年第一四半期に減産を継続することで需給緩和感の醸成に伴う原油価格下落を抑制する一助になることも期待できる。今回の決定には以上のような要因が影響しているものと考えられる。なお、石油需給引き締めのための減産幅の拡大といった選択肢については、各産油国にどの程度の追加減産を割り当てるかにつき、困難な作業が発生するものと予想されるため、今次総会においては議論されなかった既に5月15日にはサウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相とロシアのノバク エネルギー相が、2018年3月までの減産延長が必要であるとの認識で合意しており、また、5月22日にはファリGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 3) 原油価格の動き等 (ものと見受けられる。 n氏とイラクのルアイビ石油相の間でも同様な認識で合意したこともあり、市場では石油需給引き締まり期待(つまり、米国をはじめとする消費国における石油在庫の有意な減少への期待)が発生したことで、総会開催前の時点で原油価格はWTIで1バレル当たり50ドルを超過した。果たしてOPEC総会では、それまでの流れ(つまり市場での予想)通り、減産の9ヶ月間の延長が決定したが、それにより石油市場では利益確定が発生、この日の原油価格の終値はWTIで1バレル当たり48.90ドルと前日終値比で2.46ドルの下落となった他、以降も50ドルを回復できていない。 今後世界石油需給の引き締まり感を市場で強めるとともに原油価格に上方圧力が加わるといった展開となるには、少なくとも次の3点が重要になると考えられる。即ち、①減産延長に合意したOPEC及び一部非OPEC産油国の減産が遵守されること、②減産合意から除外されているリビア及びナイジェリアの原油生産量がこの先大幅に伸びないこと、そして③米国のシェールオイルを含めた原油生産量が現時点の見込みから大きく上振れしないこと、である。これらが満たされないようだと、石油需給の引き締まり感が市場で意識されない結果、原油価格に下方圧力が加わりやすくなるものと考えられる。既に②については、リビアやナイジェリアでの原油生産が増加する兆候が見られる(後述)こともあり、この先の市場の石油需給の引き締まり感の醸成に伴う原油相場への持続的な上方圧力の発生については、なお、リス. 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2クを内包していると言うことができよう。 2017年3月の米国ガソリン需要(確定値)は日量935万バレルと前年同月比で0.5%程度の減少となった(図2参照)が、速報値(前年同月比で1.0%程度減少の日量930万バレル)からは若干ながら上方修正されている。2017年3月の同国ガソリン小売価格が1ガロン当たり2.437ドルと前年同月比で0.366ドル(約18%)の上昇となっていることから、ガソリンの割高感が感じられたことに加え、3月は前年に比べ気温が低下しており、米国北東部では一時1日の平均気温が零下となる日もしばしば見られたことで、消費者の自動車による外出が手控えられたと見られることもあり、同月の自動車運転距離数が前年同月比で0.8%の増加と、1月の同2.2%、2月の同1.8%の増加に比べ低水準にとどまったことが、当該製品需要を抑制したものと考えられる。また、2017年5月の同国ガソリン需要(速報値)は日量956万バレル、前年同月比で1.3%程度の増加となっている。5月のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.503ドルとなっているが、前年同月比では0.132ドル(約6%)の上昇にとどまった他、4月(この時は同2.528ドル)からは下落するなど、比較的安定する状態となっていることが、ガソリン需要の伸びの背景にあるものと考えGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 轤黷驕B他方、米国では夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期到来を控え、製油所で稼働が上昇、原油精製処理量が増加する(図3参照)とともに、石油製品生産が活発に行われた。このため、製油所でのガソリンの生産も堅調であったと見られる(最終製品の生産については図4参照)が、一方で5月27~29日の戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)に伴う連休以降米国では夏場のドライブシーズンに突入するとともに、行楽向けガソリン需要が発生したと見られることから、ガソリン在庫は5月中旬から6月上旬にかけては、増減しながらも比較的限られた範囲で推移したが、在庫量は平年を上回る状態を維持している(図5参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2017年3月の同国留出油需要(確定値)は日量415万バレルと前年同月比で5.4%程度の増加となり、速報値である日量419万バレル(前年同月比6.4%程度の増加)から下方修正されている(図6参照)。3月の鉱工業生産が前年同月比で1.5%増加したこともあり、同国の3月の物流活動が前年同月比で2.7%伸びたうえ、この月は米国北東部でしばしば気温が平年を下回ったことから、暖房用の石油製品需要が堅調になったと見られることが、留出油需要増加の背景にあるものと考えられる。他方、2017年5月の留出油需要(速報値)は日量406万バレルと、前年同月比で8.3%程度の増加となっている。米国経済がそれなりに堅調であることが、当該製品需要増加の一因であるものと考えられる。ただ、4月の同国物流活動は前年同月比で0.8%の伸びにとどまっている一方で、速報値ではあるが、4月の留出油需要は前年同月比で8.9%の増加となっているところからすると、4月の当該需要が速報値から確定値に移行する際に下方修正が行われるか、もしくは5月の需要につき同様に下方修正が行われるといったような、数値の修正に関するリスクが存在する旨注意する必要があろう。他方、製油所の稼働が上昇したことにより留出油生産も増加傾向となった(図7参照)ことが需要の伸びを相殺して余りある格好となったことから、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? ッ出油在庫は5月中旬から6月上旬にかけては増加傾向となっており、平年幅も超過したままとなっている(図8参照)。 2017年3月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で2.1%程度増加の日量2,003万バレルとなった(図9参照)。留出油需要に加え、ジェット燃料(米国経済が比較的好調で個人所得が伸びていることもGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ?り航空機による往来が活発化していることが貢献している可能性がある)やその他の石油製品(エタン等石油化学製品向け需要が堅調である)が伸びたことが同国石油需要の増加をもたらした一因となっていると考えられる。また、その他の石油製品の需要が速報値(日量299万バレル)から確定値(同335万バレル)に移行する段階で上方修正された他、前述の通りガソリン需要も速報値から確定値に移行する際に上方修正されたことから、石油製品全体の需要も速報値(日量1,961万バレル、前年同月比0.1%程度の減少)から上方修正されている。他方、2017年5月の米国石油需要(速報値)は、日量2,018万バレルと前年同月比で5.1%の増加となった。ガソリン、留出油、ジェット燃料、及びその他の石油製品需要が前年同月比で増加したことが、前年同月比での石油需要の増加に寄与したものと考えられるが、5月のその他の石油製品の需要(速報値)は日量372万バレルと、2016年4月~2017年3月の1年間の当該需要(確定値)(同318~367万バレル)と比較しても高水準であるため、速報値から確定値に移行する段階で下方修正される可能性があるので注意が必要であろう。また、米国では製油所の稼働が上昇するとともに原油精製処理量が増加傾向となった一方で、輸入は伸び悩み気味となった(OPEC産油国等による減産の影響が出始めた可能性があると見る向きもある)ことから、同国の原油在庫は減少傾向を示した(図10参照)ものの、平年幅を超過している。そして、原油、ガソリン及び留出油の在庫量が平年幅を超過していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図11及び12参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 2017年5月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では減少となった他、日本においても、製油所でのメンテナンス作業実施に伴い稼働が低下、原油精製処理量が減少するのに合わせ、在庫水準が低下した(但し6月に入り同国の原油在庫は増加する兆候が見らGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 黷驕j。他方、欧州においては、前月比でほぼ同水準となった。結果として、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している(図13参照)。製品在庫については、米国では製油所の稼働が上昇し石油製品の生産活動が活発化した一方で、冬場の暖房シーズンが終了したことにより、暖房用需要の低下とともにLPGの在庫が増加したことから、同国での石油製品在庫は増加した。また、日本においても、暖房シーズン終了に伴い、暖房用需要の低下とともに灯油在庫が増加したことが牽引し、石油製品全体の在庫も増加している。他方、欧州では石油製品在庫は前月比とほぼ変わらずとなった。結果として、OECD諸国全体としての石油製品在庫は増加となり、量としては平年幅上限を上回っている(図14参照)。そして、原油及び石油製品双方の在庫が平年幅を超過していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を上回る状態となっている(図15参照)。なお、2017年5月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は64.5日と4月末の推定在庫日数(65.3日)から減少している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 5月10日に1,200万バレル台前半の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、5月17日には1,300万バレル台前半の量へと増加したものの、5月24日以降1,100万バレル台後半~1,200万バレル台半ばの範囲で推移した後、6月14日には1,100万バレル台半ば程度へと減少している。この背景には、引き続き製油所がメンテナンス作業を実施したり、実施しようとしたりしていることもあり、海外市場からのガソリン調達を模索していることに加え、中国政府により石油会社に対し付与されていたガソリン輸出枠の残り数量が少なくなってきたこともあり、同国からの当該製品輸出が低下してきたことにより、シンガポールでのガソリン等の在庫が積み上がりにくく、引き出されやすいといった状況となっていることがあるものと考えられる。また、在庫の減少傾向に加え、アラブ首長国連邦(UAE)がガソリンの調達を試みている(UAEのアブダビでは1月11日に国営石油会社ADNOCの操業するRuwais製油所(原油精製処理能力日量84万バレル)のナフサ処理装置(処理能力日量3.4万バレル)で火災が発生、この影響で当該製油所のガソリン製造装置(RFCC:流動接触分解装置)が2018年第一四半期迄操業を停止する旨4月3日に関係筋が明らかにしている)などしていることから、夏場のアジア各国でのドライブシーズンに伴うガソリン需要期を控え、ガソリンと原油の価格差(この場合ガソリンの価格が原油のそれを上回っている)は拡大する傾向が見られる。 また、ナフサについては、冬場の暖房シーズンがほぼ終了したことで、LPGの暖房向け需要低下と価格下落に伴い、台湾や韓国の石油化学産業において、原料としてのLPGの需要が増加する反面競合するナフサの需要が弱まる可能性があるとの見方が市場で発生したことが、価格に下方圧力を加えた格好となり、5月中旬から下旬にかけナフサと原油価格差(この場合ナフサの価格が原油のそれを下回っている)が概して拡大する傾向が見られた。しかしながら、5月下旬以降は原油価格が下落傾向となった一方でナフサの下落が原油価格のそれに追い付かなかったこともあり、ナフサと原油の価格差は縮小する場面も見られる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 月10日には1,100万バレル台半ば程度の量であったシンガポールの中間留分在庫は、5月17日には、1,300万バレル台前半、5月24日には1,400万バレル台前半の量へと増加した。ただ、その後は減少傾向となり、6月14日には1,200万バレル台前半程度の量となっている。引き続きインド等アジア地域での製油所のメンテナンス作業(インドでは4月1日に全国的に軽油の硫黄含有分を50ppmに引き下げた(それ以前は350ppm)ことに伴い、製油所の高度化を含めメンテナンス作業等が大規模に実施されている旨示唆する情報もある)に伴う稼働低下により、国外市場での軽油調達が活発化しつつあることに加え、5月22日朝に南アフリカのNatref製油所(操業者:Sasol、原油精製処理能力日量10.8万バレル)で爆発があったことからこの先同国の国外市場からの石油製品調達が増加するのではないかとの市場での観測が発生したりしたことから、例えば当該地域での軽油と原油との価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は概ね拡大する傾向が見られた。 5月10日には2,000万バレル弱程度の量であったシンガポールの重油在庫は、5月17日には2,100万バレル台半ば程度の水準へと増加したものの、5月24日及び5月31日には1,900万バレル強程度の量、6月7日は1,700万バレル台半ばの量へ減少した。しかしながら、6月14日には2,200万バレル台前半の量へと跳ね上がっている。重油在庫の減少については、重油が陸上のタンクではなく沖合の浮遊式貯蔵施設に貯蔵されたことによるものと見る向きがある。他方、特に5月25日に開催されたOPEC総会前後以降6月中旬にかけ原油価格が下落した一方で、夏場の中東地域での気温上昇に伴う空調向け電力供給のための発電用重油需要増加観測がアジア市場での重油価格を下支えした結果、重油と原油の価格差(この場合重油の価格が原油のそれを下回っている)は縮小する傾向が見られた。 2017年5月中旬から6月中旬にかけての原油市場は、5月中旬から下旬前半にかけては、5月25日に開催される予定であるOPEC総会、そしてOPEC及び一部非OPEC産油国による閣僚級会合を控え、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長決定への期待が市場で増大したことで、原油相場が反発する場面も見られ、WTIは1バレル当たり40ドル台後半から50ドル台前半へと上昇した。しかしながら、OPEC総会で当初予想通りに減産延長が決定されると、WTIは50ドルを割り込んだ。以降は、米国での石油坑井掘削装置の稼働数の増加に加え、同国での原油やガソリン在庫の増加、リビアやナイジェリアでの原油生産増加もしくは増加観測、2018年の非OPEC産油国の石油生産量の伸びが世界石油需要のそれを超過するとの見通しの発表、そして、中国経済減速の兆候を示す指標類等が原油相場に下. 2017年5月中旬から6月中旬にかけての原油市場等の状況 3Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 箞ウ力を加えた結果、原油価格は6月中旬に45ドルを割り込むなど、下落基調となった(図16参照)。 5月15日には、この日サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相とロシアのノバク エネルギー相が、北京での共同記者会見で、2017年1月1日から実施しているOPEC及び一部非OPEC産油国による減産は機能しているものの、世界石油在庫は望ましい水準である過去5年平均の量にまで低下していないとして、当該減産は2018年3月まで延長される必要がある旨表明したことで、5月25日に開催される予定であるOPEC総会において、当該延長が決定されるとともに、この先の世界石油需給が引き締まることに対する市場の期待が増大したことで、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.01ドル上昇し、終値は48.85ドルとなった。ただ、5月16日には、これまでの原油価格上昇に対して利益確定の動きが市場で発生したこともあり、この日の原油価格の終値は1バレル当たり48.66ドルとは前日終値比で0.19ドル下落した。しかしながら、5月17日には、この日米国エネルギー省(EIA)から発表された同国石油統計(5月12日の週分)で原油、ガソリン及び留出油在庫が前週比で減少していた他、同国原油生産量が前週比で日量9,000バレルの減少と2017年2月10日(この時は同1,000バレルの減少)以来13週ぶりの減少となっている旨判明したことに加え、米国のトランプ大統領が、同国連邦捜査局(FBI)のコミー前長官に、フリン前大統領補佐官のロシアに関する疑惑捜査を終了させるよう圧力を加えていた可能性がある旨5月16日夕方に報じられたことで、政治的な混乱からトランプ政権の政策実施が遅延するのではないか等の懸念が市場で増大したことから、米ドルが下落したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.41ドル上昇し、終値は49.07ドルとなった。また、5月18日には、大部分の減産参加産油国は、サウジアラビアとロシアが5月15日に表明した、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の2018年3月までの延長を支持している旨、アルジェリアのブーテルファ エGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? lルギー相が5月18日に発言したことで、当該延長に対する期待感が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.35ドルと前日終値比で0.28ドル上昇した。5月19日も、大部分の減産参加産油国は減産延長を支持している旨ブーテルファ エネルギー相が5月18日に発言したことで当該延長に対する期待感が市場で増大した流れを引き継いだうえ、2016年に実施された米国大統領選挙戦の際のトランプ陣営とロシアの関係を巡る疑惑により米国が政治的な混乱に直面するのではないかとの懸念を市場が引き継いだことで米ドルが下落したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.98ドル上昇し、終値は50.33ドルとなった。この結果原油価格は5月17日~19日の3日間で併せて1バレル当たり1.67ドル上昇した。 5月22日には、この日にサウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相がイラクのルアイビ石油相と会談し、会談後、OPEC産油国等の減産の9ヶ月間の延長の必要性につき合意した旨明らかにしたことで、5月25日に開催が予定されるOPEC総会において減産延長に関する決定がなされることに対する期待が市場でさらに増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.73ドルと前日終値比で0.40ドル上昇した(なお、NYMEXの2017年6月渡しWTI原油先物契約取引は本日を以て終了したが、7月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り51.13ドル(前日終値比0.46ドル上昇)であった)。5月23日も、5月22日にサウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相とイラクのルアイビ石油相が減産の9ヶ月間の延長の必要性につき合意したことに伴いOPEC総会において減産延長に関する決定がなされることに対する期待が市場で増大した流れを引き継いだことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.74ドル上昇し、終値は51.47ドルとなった。しかしながら、5月24日には、5月25日に開催される予定であるOPEC通常総会を前にして持ち高調整が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.36ドルと前日終値比で0.11ドル下落した。また、5月25日は、この日開催されたOPEC通常総会、及びその後開催されたOPECと一部非OPEC産油国による閣僚級会合で、2017年1月1日から6ヶ月間の予定で実施していた減産を9ヶ月間延長する旨決定したことが、市場の事前予想通りであったことから、利益確定が市場で発生したこともあり、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり2.46ドル下落し、終値は48.90ドルとなった。この結果原油価格は5月24日~25日の2日間で併せて1バレル当たり2.57ドル下落した。ただ、5月26日は、前日の原油価格下落に対し値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したこともあり、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.80ドルと前日終値比で0.90ドル上昇した。 5月29日は、米国戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)の休日に伴い、NYMEXでは原油先物契約Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? ノ関する通常取引は行われなかった。しかしながら、5月30日には、米国大手金融機関Goldman Sachsが、5月29日付報告書で、米国の原油生産が増加する可能性があることもあり、2017年の原油価格見通しを、WTIで1バレル当たり54.80ドルから52.92ドルへ、ブレントで56.76ドルから55.39ドルへと、それぞれ引き下げた旨5月30日に伝えられたことから、この日(5月30日)の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.14ドル下落し、終値は49.66ドルとなった。また、5月31日には、リビアとナイジェリアが増産した結果、5月のOPEC産油国原油生産量が全体で日量25万バレル増加している旨この日ロイター通信が報じたことで、世界石油需給の引き締まりに対する市場の期待が後退したことに加え、リビアのSharara油田の原油生産が増加したこともあり、同国の原油生産量が日量82.7万バレルに到達した(因みに同国の原油生産量は2016年7月は同28万バレルであった)旨同国国営石油会社NOCのサナラ会長が明らかにしたと5月31日に報じられたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり48.32ドルと前日終値比で1.34ドル下落した。この結果原油価格は5月30~31日の2日間で合計1バレル当たり1.48ドル下落した。6月1日には、この日EIAから発表された同国石油統計(5月26日の週分)で原油在庫が前週比で643万バレルの減少と市場の事前予想(同250~320万バレル程度の減少)を上回って減少している旨判明したことが原油相場に上方圧力を加えた一方で、同石油統計で原油生産量が前週比で増加している旨判明したことに加え、リビアの原油生産量が日量82.7万バレルに到達した旨5月31日に報じられた流れを引き継いだことが、原油相場に下方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり48.36ドルと前日終値比で0.04ドルの上昇にとどまった。6月2日には、この日ロシア大手石油会社ロスネフチのセーチンCEOが、2018年に日量150万バレル程度米国シェールオイル生産が増加すると予想しており、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産努力が大部分相殺されることから、石油市場は短期的には落ち着くものの長期的に安定するとは考えにくい旨示唆したことで、石油需給緩和感を市場が意識したことに加え、同じくこの日米国石油サービス企業Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で733基と前週比で11基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で669基と同10基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.70ドル下落し終値は47.66ドルとなった。 6月5日も、6月2日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が前週比で増加となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が増加するのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き継いだうえ、6月5日にサウジアラビアを含む諸国が、テロリストを支援しているとしてカGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? ^ールに対して断交した(後述)ことで、OPEC産油国間での結束の乱れから減産政策実施に支障が発生する結果、この先世界石油需給が緩和するのではないかとの観測が市場で発生したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.40ドルと前週末終値比で0.26ドル下落した。ただ、6月6日には、これまでの原油価格下落に対し値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したことに加え、6月7日にEIAから発表される予定である同国石油統計(6月2日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.79ドル上昇し、終値は48.19ドルとなった。しかしながら、6月7日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油及びガソリン在庫が前週比でそれぞれ330万バレル、332万バレルの増加と、市場の事前予想(原油同325~350万バレル程度の減少、ガソリン同5万バレル程度の減少~58万バレル程度の増加)に反して、もしくは事前予想を上回って増加している旨判明したことに加え、6月6日の午後3時を以てナイジェリアからのForcados原油の出荷に関する不可抗力条項の適用(2016年2月21日に適用)を解除した旨6月7日に操業者であるShellが発表したことで、この先の同国からの原油生産及び出荷の増加に伴う石油需給緩和感を市場が意識したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり45.72ドルと前日終値比で2.47ドル下落した。6月8日には、6月7日にEIAから発表された同国石油統計で原油及びガソリン在庫が市場の事前予想に反して、もしくは事前予想を上回って増加している旨判明した流れを引き継いだうえ、ナイジェリアからのForcados原油の出荷に関する不可抗力条項適用解除に伴い市場が石油需給緩和感を意識した流れを引き継いだことが原油相場に下方圧力を加えた一方で、6月7日の原油価格下落に対し値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したことが原油相場に上方圧力を加えたことから、この日(6月8日)の原油価格の終値は1バレル当たり45.64ドルと前日終値比で0.08ドル下落にとどまった。ただ、6月9日には、ナイジェリアのTrans Nigerパイプライン(原油輸送能力日量18万バレル程度)で盗掘により原油が流出したことに伴い、6月8日午後3時にBonny Light原油の出荷につき不可抗力条項の適用を宣言した旨、操業者であるShellが6月9日に明らかにしたことで、同国からの原油供給の安定性に関する懸念が市場で発生したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.19ドル上昇し、終値は45.83ドルとなった。 また、6月11日に、サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、原油在庫の減少は今後3~4ヶ月間で加速する旨の見解を披露したことに加え、同日ロシアのノバク エネルギー相も、2018年第一四半期には市場での供給過剰の解消といった目標を達成であろう旨発言したことで、世界石油需給均衡に向けた期待が6月12日の市場で増大したことに加え、サウジアラビアが中国やインドといっGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? スアジアの一部の顧客に対し7月の原油供給を前月比で日量30万バレル程度削減する他、米国に対し7月の原油供給を前月比で35%程度削減する方針である旨6月12日に報じられたことで、石油需給の引き締まり感を市場が意識したこと、米国オクラホマ州クッシングの原油在庫が先週は前週比で180万バレル超減少した旨米国石油関連情報サービス会社Genscapeが報告したことでWTI先物契約受け渡し地点での石油需給引き締まり感を6月12日の市場が意識したことで、6月12日の原油価格の終値は1バレル当たり46.08ドルと前週末終値比で0.25ドル上昇した。6月13日には、翌14日にEIAから発表される予定である同国石油統計(6月9日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.38ドル上昇し、終値は46.46ドルとなった。この結果原油価格は6月12~13日の2日間で合計1バレル当たり0.63ドル上昇した。果たして6月14日に発表されたEIAによる同国石油統計では、原油在庫が前週比で166万バレルの減少と市場の事前予想(同200~270万バレル程度の減少)ほど減少していなかった他、ガソリン在庫が前週比で210万バレルの増加と市場の事前予想(同46~115万バレル程度の減少)に反し増加している旨判明したうえ、6月14日に国際エネルギー機関(IEA)から発表されたオイル・マーケット・レポートで、2018年の非OPEC産油国の石油生産の伸びが同年の世界石油需要の伸びを上回る旨IEAが予想したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり44.73ドルと前日終値比で1.73ドル下落した。6月15日には、6月14日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想ほど減少してなかったうえ、ガソリン在庫が市場の事前予想に反し増加している旨判明した流れを引き継いだことに加え、6月15日にニューヨーク連邦準備銀行から発表された6月のニューヨーク地区製造業景況感指数(ゼロが当該部門拡大と縮小の分岐点)が19.8と市場の事前予想(4.0~5.0)を上回った他、同日フィラデルフィア連邦準備銀行から発表された6月のフィラデルフィア地区製造業景況感指数(ゼロが当該部門拡大と縮小の分岐点)が27.6と市場の事前予想(24.0~24.9)を上回ったことで、米ドルが上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.27ドル下落し、終値は44.46ドルとなった。この結果、原油価格は6月14~15日の2日間で併せて1バレル当たり2.00ドル下落した。ただ、6月16日には、これまでの価格下落に対し値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり44.74ドルと前日終値比で0.28ドル上昇している。 イラクでは、5月16日に同国軍関係者がイスラム国(IS)が支配しているモスル西部地区の9割程度のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? . 今後の見通し等 4x配権を回復した旨明らかにしている。このような中、同国のクルド自治区が当該地域の独立の是非を問う住民投票を実施する(9月25日に実施するとされる)旨、自治政府が6月7日に発表したが、これについて、トルコは、自国等に居住しているクルド民族の独立機運を高めることを懸念し、当該住民投票実施を反対する旨発表した。また、バグダッドを初めとしてISによる複数のテロ攻撃が発生している。 イランでは、5月19日に大統領選挙が実施され、ロウハニ現大統領が得票率約57%で再選された(有力対抗候補であったライシ前検事総長は約38%の得票率、なお投票率は約70%)。ただ、他方で、5月20日にトランプ米大統領がサウジアラビアを訪問しサルマン国王と会談、世界にとって脅威と両国が認識するイランに対抗すべく、サウジアラビアに対し米国が1,100億ドルの武器輸出で支援する旨両国が合意した。また5月20日には米国のティラーソン国務長官も、大統領に再選されたロウハニ師に対し、テロ活動への支援やミサイルの試験発射を停止するよう要求、サウジアラビアのジュベイル外相も同日テロ組織の支援を通じ中東地域を不安定化させているとしてイランを批判している。また、5月21日にはトランプ米大統領が、中東アラブ諸国を中心とする首脳級会合(「アラブ・イスラム・米国サミット」、於サウジアラビア・リヤド)での演説でイランの孤立化を目指すべく努力する旨示唆した。他方、ロウハニ大統領は、5月22日に、同国のミサイルの試験発射は防衛が目的であるとして実施を継続する旨反論している。そのような中、6月7日には、テヘランにある国会議事堂及びホメイニ師を祀る霊廟でテロ攻撃が発生し、13名が死亡、同日ISが犯行声明を発表した。これに対し、6月9日に革命防衛隊が、テロ攻撃の犠牲者を追悼する集会で、背後にサウジアラビアが関係している旨示唆、ハメネイ師も6月9日にテロ攻撃を巡り米国とサウジアラビアを非難する内容の声明を発表した。また、米国議会上院は6月15日の本会議で、イランの弾道ミサイル開発に関連する個人や団体を制裁対象とする法案を賛成多数で可決した。 リビアでは、6月7日に、NOCのサナラ会長は、同国の原油生産量を2017年末に日量125万バレルに到達させることを目標とする旨表明した(なお、サナラ会長は6月13日にも、現時点での日量83万バレルの原油生産量を7月末には日量100万バレルにしたい旨明らかにしている)。ただ、トリポリでは5月26日に東部のトブルクを拠点とする暫定議会派勢力と武装勢力との間で戦闘が発生し、暫定議会軍事関係者52名が死亡したと伝えられる。 シリアに関しては、国連が主導し、アサド政権と反体制派との間で5月16日より行われていた和平協議(於スイス・ジュネーブ)は5月19日に特段の成果がなく中断した。ただ、6月14日には国連のデミストゥラ特使が、同国のアサド政権と反体制派との和平協議を7月に再開することを希望している旨明らかにしている。他方、6月6日にはシリア民主軍(主にクルド人による民兵組織)が同国北部ラッカ(シリアでGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? フISの拠点)の解放に向けた作戦を開始、当該地域の一部を奪還した旨同日報じられる。 ナイジェリアでは、6月6日午後にForcados原油輸出に関し、不可抗力状況の適用を解除した結果、6月のForcados原油の出荷が日量25万バレルに到達すると伝えられる。 以上のように地政学的リスク要因面ではいくつか動きがあるが、現在注目すべき点としては、カタールを巡る情勢が挙げられる。6月5日にサウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトの4ヶ国が、テロ活動を支援しているとして、カタールと断交すると発表した。カタールはエジプトでムバラク大統領が追放された後に成立したムスリム同胞団によるモルシ政権を支援しており(その後クーデターによりシシ現政権が成立、従って現政権とムスリム同胞団は対立関係にある)、また、イランとは必ずしも深い対立関係にあるわけではない(カタール沖合にあるノースガス田は、そのガス田の一部がイラン側に跨っている(イラン側のガス田名はサウス・パース)ため、資源保有を巡り対立を深めることを回避したいとカタールが考えていることによるものと指摘する向きもある)。他方、従来からカタールはサウジアラビアとともに湾岸協力会議(GCC:Gulf Cooperation Council)に参加していたものの、カタールと他の参加国との関係は必ずしも極めて良好というわけではなかった。そして、5月21日に米国のトランプ大統領がイランの孤立化を目指す旨示唆する演説を行い、サウジアラビアもその方針への同調を示唆したが、5月24日にはカタール国営通信のホームページでタミム首長がトランプ大統領の対イラン政策を批判する旨の記事が掲載された(カタール側はハッカー攻撃による偽物記事と6月7日に断定している)ことで、サウジアラビア等の周辺諸国はカタールによるメディアへの国内でのアクセスを制限するなどの措置を実施した。そしてそのような混乱が発生してから2週間足らずでサウジアラビア等はカタールに対し断交を実施するに至った。その後、イエメン、モルジブ、リビア(東部トブルクを拠点とする暫定議会)、モーリシャス、モーリタニア、コモロが追随してカタールと断交、セネガルが大使を召還した他、ヨルダンがカタールとの外交関係を引き下げるなどしている。サウジアラビアやUAEは、カタールからの航空便の乗り入れ禁止に加え、カタール船籍やカタール人が船主となる船舶の入港禁止といった措置を含め、陸路、海路、及び空路の封鎖を実施した。 ただ、サウジアラビアとイランとの間も2016年1月3日以降断交状態になっているが、かといって両国間で即座に交戦状態に突入したというわけでもなく、また中東情勢が極度に不安定化した、というわけでもないことから、サウジアラビアとカタールとの関係も同様のものとなる可能性があること、断交したUAEはカタールからDolphinパイプライン(輸送能力日量約32億立方フィート)を通じ日量17億立方フィートの天然ガス供給を受けている他、日量1億立方フィート程度のLNG供給も受けている。これはUAEのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? V然ガス消費量の約4分の1を占めるなど、UAEは天然ガス供給でカタールに依存していることから、このような面でも、極端な方策をUAE、及びその同盟国であるサウジアラビアが講じる可能性もそれほど高くないこともあり、このような事象は実際現時点では原油価格の上昇要因として作用するには至っていない。 しかしながら、カタールでは原油生産量が限られる(2016年は日量65万バレル、この他天然ガス液(NGL)の生産が日量120万バレル程度ある)こともあり、需要家はタンカー運賃の低減を図るべく、大型タンカーにカタール産原油のみならずサウジアラビアやUAE産原油を積載して輸送することが多い。カタール産原油を積載するタンカーが全てカタール船籍やカタール保有のものではないものの、サウジアラビアやUAEでの入港禁止については運用面で曖昧なところもあるとされることから、中東湾岸地域を中心としてタンカーの動きに影響が生じている部分もあると伝えられる。そして、このような状態が長引いたり、もしくは入港禁止の規制が強化されるようであると、タンカー配船上の混乱やタンカー運賃等の上昇から、中東諸国からの原油もしくは石油製品の輸出が影響を受け、その結果それが原油もしくは石油製品相場に反映されることも否定できない。 また、外交問題は当事者国間でのやり取りの行き違いにより、当初想定していない方向に事態が向かうこともありうる。サウジアラビア等と断交した結果、陸路、空路、海路等が封鎖され食料等の輸入に支障が生ずる懸念が発生していたカタールには、イランから食料が空路で輸入され始めている旨6月10日に伝えられるなど、情勢は複雑化する兆候を見せている。さらにカタールがイランと接近するようだと、サウジアラビア等アラブ諸国とイラン・カタール連合との対立が激化する結果、中東地域情勢が不安定化する(特にサウジアラビア東部の油田地帯にはイランの主流派であるイスラム教シーア派系住民がそれなりの数居住しているとされており、それら住民がサウジアラビア政府への不満を高めると、当該地域での石油関連施設の操業が脅かされる可能性が高まることが予想される)とともに、原油供給上の支障発生の可能性が上昇する(絶対的な水準では依然低いとしても、以前と比べ相対的に可能性が上昇する)ことに対する市場の不安感が増大する結果、原油相場に上方圧力を加える可能性がある。さらに、リビアでは、東部にあるHariga石油ターミナルから原油を輸出する作業をしていたGlencore(カタールの投資会社Qatar Holdingsが同社の株式の8.49%を保有しているが、リビア東部の石油ターミナルからの輸出に関する独占契約をNOCと締結している)に対し、6月14日遅くに暫定議会が輸出禁止の指示を発令している(なお暫定議会と敵対する格好となっている同国西部トリポリを拠点とする制憲議会が管轄するNOCは暫定議会に対しカタール問題を理由にリビアでの原油輸出を制限することのないよう警告していGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? 驕j。このようなこともあり、今後のカタール、そしてサウジアラビアを中心とする諸国、さらには米国やロシアといった列強間での当該問題に関する今後の展開に対し注意を払う必要があろう(なお、両者間の和解を巡り、クウェートが仲介努力を重ねている他、グテレス国連事務総長が調停の要因がある旨明らかにしている他、ティラーソン米国務長官が、サウジアラビア側に姿勢を軟化させるよう進言している)。 他方、イランでは、ISによるテロ攻撃が発生している。ただ、現時点ではテヘランに限ったことであり、油田地帯でのテロ行為の発生頻度や可能性が高まっている、ということではないため、原油価格への影響は限定的なものとなった。今後もテロ行為がテヘランを含め非油田地帯にとどまる、といったことであれば、原油相場への影響は引き続き限定的なものになると考えられる。ただ、油田地帯周辺でのテロ攻撃が発生することになれば、同国の石油生産活動が脅かされる可能性があるとの懸念が市場で高まる結果、原油相場にその懸念が反映される、といった展開となることも否定できない(それでも、最近ではイラクのモスルの大半の地域でISは支配力を失っており、また、シリアのラッカではクルド人を主体とする部隊が奪還作戦を開始しているなど、ISの勢力はむしろ衰退する方向に向かいつつあると見られることから、ISによるテロ攻撃が大幅に拡大する可能性もまたそれほど高くないものと考えられる)。 米国では、6月13~14日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で金利引き上げが決定した。このため7月25~26日に開催される予定である次回FOMCで金利引き上げが決定される可能性は低いものと考えられる。このようなこともあり、米ドル上昇も一服する可能性はあるものの、引き続き年内もう1回の金利引き上げが予想されていることから、この面では米ドルは少なくとも下支えされやすいと考えられる。一方で、トランプ大統領が米ドルの上昇につき懸念を表明しているうえ、トランプ陣営とロシアとの関係に関する疑惑を巡る政治的な混乱から、トランプ大統領の経済政策等が遅延するのではないかとの市場の不安感が米ドルに下方圧力を加える可能性があるものと考えられる。このようなことから、米ドルが変動するとともに、その影響が原油相場に及ぶことも想定される。また、7月に入ると、主要米国企業による2017年4~6月期の業績発表シーズンに突入する、これらの企業による業績によっては、米国での株式相場が影響を受けるとともに原油相場にそれが反映される場面が見られることもありうる。また、欧州や中国等での経済指標類でも、ユーロと共に米ドルが変動したり、もしくは中国経済と石油需要見通しに関する市場の考え方が変化したりすることにより、原油相場に影響を及ぼし得る。 米国では、夏場のドライブシーズン到来に伴うガソリン需要期に突入しているが、製油所の稼働も高水準であり、その結果石油製品の生産が活発化した結果、6月2日及び9日には当該在庫が前週比で相当程度増加を示し、この時期としては1990年以降の同国ガソリン在庫統計史上最高水準に到達するなGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? ヌ、ガソリン需給の引き締まり感が今一つ感じられない状況となっている。米国では7月4日の独立記念日(インディペンデンス・デー)に向けガソリン需要は盛り上がる方向であるので、この面ではガソリン需給の引き締まり感から原油相場に上方圧力を加えるといった余地がないわけではない。しかしながら、7月4日までそれほど期間がない一方で、今暫くは製油所での稼働が大幅に低下するとは考えにくいこと、足元のガソリン在庫が現時点で過去5年平均水準を9%程度超過していることもあり、市場では引き締まり感は発生していない状況からすると、この先急激にガソリン在庫が減少し過去5年平均水準に接近する結果、ガソリン、そして原油価格に上方圧力が加わるといった展開となる可能性はそれ程高くないものと考えられる。このような中、米国での掘削装置の稼働数と同国での原油生産状況、もしくは原油生産見通し、そして原油在庫に関する情報が原油相場に影響を及ぼす可能性がある。ただ、足元では米国の石油坑井掘削装置稼働数は増加し続けているうえ、6月12日にEIAより発表されたDrilling Productivity Report(DPR)によれば、米国主要7シェール鉱床における7月の原油生産量は前月比で日量12.7万バレル増加すると予想されている他、2016年11月30日に開催されたOPEC通常総会以降の原油価格上昇時に、米国の一部石油企業が先物市場を用いて原油販売予約(いわゆる「ヘッジ」)を行った可能性もあり、従って足元の原油価格が下落しても掘削活動が継続、その結果シェールオイル等の原油生産活動が進んでしまうとった展開となることも予想される。このようなことから、この先の石油市場においては、7月前半頃までは原油価格に上方圧力が加わるといったことはありうるものの、需給の引き締まり感がそれほど強まらない結果、上方圧力が加わる程度が限られる一方で、在庫、米国をはじめとする産油国の原油生産状況、石油坑井掘削装置稼働数等の状況によっては、原油相場に下方圧力が加わる場面が見られることもありうる。 米国以外の産油国の原油生産状況で注目されるのは、リビア及びナイジェリアであろう。減産を実施しているOPEC11加盟国の減産遵守状況は全体として悪くはないものの、減産目標の設定を免れているナイジェリアやリビアが増産する兆しを見せている。前述の通りリビアでは、NOCのサナラ会長が2017年末には日量125万バレルの原油生産を目標とする旨明らかにしている。他方、ナイジェリアでは、地域住民による石油の盗掘が行われているとされており、武装勢力により活動が活発化する前の原油生産水準である日量200万バレルに短期的に到達するかどうかは不透明であるが、Trans Forcadosパイプラインの操業再開に伴い6月6日にはフォルカドス原油出荷に関しShellが不可抗力条項の適用を解除したこともあり、今後同国の原油生産が増加しやすくなることも予想される。そしてこれらの諸国での増産が継続するようだと、OPEC総会で決定した減産の効果が相殺されることになることから、この面で需給の引きGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? ワり期待の市場での後退と相俟って原油相場を押し下げる場面が見られる可能性もある。 大西洋圏ではハリケーン等の暴風雨シーズンに突入した(暴風雨シーズンは例年6月1日~11月30日である)。ハリケーン等の暴風雨は、進路やその勢力によっては、米国メキシコ湾沖合の油田関連施設に影響を与えたり、また、湾岸地域の石油受入港湾施設や製油所の活動に支障を与えたり(実際に製油所が冠水し操業が停止することもあるが、そうでなくても周辺の送電網を切断することにより、製油所への電力供給が停止することを通じて操業が停止するといった事態が想定される)、さらには、メキシコの沖合油田操業や原油輸出港の操業等が停止することにより米国での原油輸入に影響を与えたりする(米国メキシコ湾岸地域はメキシコから日量57万バレル程度(2016年)の原油を輸入している)。現在のところ2017年のハリケーン等暴風雨発生予測は、平年並み、平年よりも活発、平年よりも不活発、といった見通しが混在している状況にある。このため、ハリケーン等暴風雨の発生に関しては市場でも方向性のある心理が形成されにくいものと考えられるが、最近では米国の原油生産に占める陸上の割合が大きくなってきているものの、それでも米国メキシコ湾でもそれなりの量(2016年は日量161万バレル)生産されていることから、今後のハリケーン等暴風雨発生に関する見通しの更新、及び実際のハリケーン等暴風雨の発生状況及び進路、そして強さ等により市場での石油供給懸念が増減する結果、原油相場に影響が及ぶといった展開も考えられる。 全体としては、米国で夏場のガソリン需要期に入り、7月にかけ需要が盛り上がっていくとの観測が、当面原油相場を下支えするものの、米国での足元での高水準のガソリン在庫や石油坑井掘削装置の増加、そして原油生産増加見通し等により、原油価格が堅調に上昇を継続するには力不足となる可能性があると考えられる。従って、原油価格は上昇したとしても比較的限定された程度での上昇となりうる一方で、在庫、米国をはじめとする産油国の原油生産状況、石油坑井掘削装置稼働数等の状況によっては、原油相場に下方圧力が加わる場面が見られることもありうる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ?
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2017/06/19 野神 隆之
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