中国:動き出す国有石油企業 ~対外投資トレンド2017~
| レポートID | 1004718 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-06-21 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 企業基礎情報 |
| 著者 | 竹原 美佳 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2017 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/6/21 調査部:竹原 美佳 中国:動き出す国有石油企業 ~対外投資トレンド2017~ ? 低油価のもと、欧米石油メジャーは人員削減や保有資産の整理売却を行いつつ、保有資産のコスト削減を含む収益性向上に注力し、投資には慎重な姿勢を保持しているが、中国国有企業3社(CNPC、CNOOC、SINOPEC)は3年振りに探鉱開発投資額を増額し、国外探鉱開発投資(M&A)にも動きだした。 ? ただし3社は2009~13年のような巨額のM&Aに向かう様子は見られない。 ? 中国政府の国有石油企業の収益性に対する要求は厳しくなっており、3社は政府系大手企業としての責務から人員削減はできないが、欧米メジャーズと同様に保有資産のコスト削減や収益性向上に注力し、さらに資産の整理売却を行おうとしている。 ? 政府ならびに企業から明確な見解は示されていないが、資産整理の方向性として、「一帯一路」等? の政策や国内減退等を踏まえた上で国・地域の偏重是正や権益持分低減を図る見込みである。 2005年頃から規模の拡大を重視し、企業・資産を買い進め、安定供給の観点から長期的視野に立ち資産を保持してきた中国国有石油企業が今後保有資産をどのように整理・売却し、新たなポートフォリオを組もうとしているのか注目されている。 .国有石油企業の2016年実績 1(1)利益 欧米石油メジャー5社(ExxonMobil、Chevron、Shell、BP、Total)は下流部門の利益に支えられ、Chevron(米国上流部門の赤字が響いた)を除き2016年は黒字決算であった1。中国国有石油企業3社は赤字こそ免れたものの厳しい状況であった。探鉱開発事業は3社ともに前年比減益であった。 表 1:中国国有石油企業3社の2016年業績 1 1 原油価格50ドル/bblで収支バランスを目指す米系石油会社 (石油・天然ガス資源情報2017年6月) 売上(百万ドル)純利益(百万ドル)石油・ガス生産量(千boed)石油(千b/d)ガス(MMcfd)PetroChina242,9644,414Sinopec Corp290,1497,013CNOOC Ltd22,012964,0182,5168,9471,1818302,0931,3031,0831,276 各社年報に基づき作成 etroChinaは探鉱開発事業(上流)の利益が前年比91%減の4.7億ドルであったが、精製・石化事業(下流)の利益により純利益は同34%減(23億ドル減)の44億ドルであった。下流の比率が高いSinopecは、上流事業は55億ドルの赤字であったが、高い精製マージンとハイオクガソリンの販売増加などにより、純利益は前年比1%減の70億ドルであった。探鉱開発専業のCNOOC Ltdの純利益は前年比97%減(31億ドル減)の9600万ドルと大幅な減益であった。 25,00020,00015,00010,0005,0000純利益推移(2014~2016年,百万ドル)-34%-0.9%-97%PetroChinaSinopecCorp.CNOOCLtd.2014年2015年2016年 図 1:中国国有石油企業3社の純利益推移(2014~2016年) 各社年報に基づき作成 2)生産、投資計画 (中国国有石油企業3社の2016年の原油・天然ガス生産量はいずれも前年比で減少した。中国政府は国有石油企業に対し、他の産業と同様に規模の拡大から質(効率性)の追求へと転換しており、収益性に対する要求は厳しさを増しているようだ。国有石油企業は政府系大手企業としての責務から人員削減を行うことはできないが、欧米メジャー企業と同様に保有資産のコスト削減や収益性向上に注力し、高コストの成熟油田の生産・投資を抑制している。ただし天然ガスについては環境政策の観点から政府が増産を求め、陸上の生産が主体のPetroChinaとSinopecの天然ガス生産量はいずれも増加している。 PetroChinaは前年比1.8%減の4,018千boed(原油が5.5%減の2,516千b/d、天然ガスは4.3%増の8,947MMcfd)であった。高コスト油田の生産抑制により、国内生産は前年比2.1%(約6万boed)減少している(表1)。Sinopecは前年比8.7%減の1,181千boed(原油が13.4%減の830千b/d、天然ガスの生産は6.6%増の2,093MMcfd)であった。高コスト油田の生産抑制により、国内生産は前年比10.1%(約10万boed)減少している。CNOOCは前年比4.1%減の1,303千boed(原油が3.6%減の1,083千b/d、天然ガ2 Xの生産は6.4%減の1,276MMcfd)であった。同社生産の65%を占める国内生産は主力の渤海油田の生産が減少した。国外生産は特に欧州(前年比19%減)と北米非在来(同12.6%減)の生産が減少した。 表 2:中国国有石油企業3社の原油・天然ガス生産推移(2013~2016年,千boed) PetroChinaSinopecCNOOC3社計 国内 国外計 国内 国外計 国内 国外計国内国外合計各社年報に基づき作成 20133,0883743,4621,084691,1533533657184,5248085,33220143,1714013,5721,0381391,1773344027364,5439425,48520152,9785583,5359981481,1464614238844,4371,1295,565201615/16増減15/16増減-632,915-6552-693,467-101897142-6-1071,039-18443-18405848-36-1824,255-301,099-211 5,354-2.1%-1.1%-1.9%-10.1%-3.9%-9.3%-3.9%-4.3%-4.1%-4.1%-2.6%-3.8%油価のもと、欧米石油メジャーは人員削減や保有資産の整理売却を行いつつ、保有資産のコスト削 低減を含む収益性向上に注力し、投資には慎重な姿勢を保持しているが、中国国有石油企業3社は油価の50ドル/bbl前後への回復と国内経済の復調を受け、2017年の探鉱開発投資予算を前年に比べ増加させた(PetroChinaは前年比10%増の216億ドル、Sinopecは同57%増の100億ドル、CNOOCは同37%増の76億ドル)。3社は過去3年で探鉱開発投資を3割削減しており、2017年の探鉱開発投資予算は油価下落後の2015年の水準には達していない。また過去3年の投資縮小の影響で3社の2017年の生産はさらに減少する見通しである。 探鉱開発投資額推移(2014~2017年予算,百万ドル)40,00035,00030,00025,00020,00015,00010,0005,000035,89617,03613,0152014年25,10310,4768,7022015年19,5727,3234,8372016年PetroChinaSinopecCNOOC Ltd21,57810,0177,5882017年(予算) 図 2:中国国有石油企業3社の探鉱開発投資額推移(2014~2017年予算) 3 ナ近、中国国有石油企業3社は数年の停滞を経て国外投資(M&A)に動き出した。ただし2009~13年のような巨額の資産・企業買収ラッシュではなく、また3社の動きは同一ではない。CNPCは中東大規模陸上油田の開発、SINOPECはアフリカ下流資産の買収、CNOOCは欧米石油メジャーも注目する南米・アフリカの有望な大水深への進出である。なお、国外投資についてPetroChinaとSinopecは非上場の親会社CNPC・SINOPECグループの傘下企業が別途行っており(参考:3社の2015年の国外原油・天然ガス生産体制参照)、CNPC・SINOPECの国外投資の収益を含む全貌を捕捉することは困難であ.動き出した国有石油企業の国外投資 2各社年報に基づき作成 る。 表 3:最近の国外探鉱開発投資 CNPC(PetroChina)・アブダビ陸上ADCO鉱区権益8%(2017年2月合意)SINOPEC・Chevron南アフリカ製油所等下流資産買収(2017年3月、交渉中)CNOOC・メキシコ深海Block1・4(2016年落札)・英Impact Oil & Gasからセネガル/ギニア・ビサウ深海鉱区(AGC ProfondBlock)権益65%を取得 JOGMEC作成 参考:3社の国外石油・天然ガス生産体制 国有石油企業3社の中核子会社(PetroChina、Sinopec、CNOOC Ltd)事業は中国国内の探鉱開発、精製事業である。CNPCは中核子会社PetroChinaとは別にグループ傘下の中国石油天然気勘探開発公司(CNODC)、CNPCスーダン、南米(ベネズエラ)、イラン、カザフスタン、イラクなどが国外で探鉱開発を行っている。CNPCグループの2016年の国外生産量は152万boedで、国外生産比率は29%である。PetroChinaの2016年の国外生産量は55万boedでグループの国外生産の36%を占める(表4参照)。 SINOPECもCNPCと同様に中核子会社Sinopecとは別に中国石化国際石油勘探開発有限公司(Sinopec International)などが国外で探鉱開発を行っている。SINOPECグループの2015年の国外生産量(2016年の国外生産量は2017年6月現在未公表)は89万boedで、国外生産比率は3社中もっとも4 b「43%である。Sinopecの2015年の国外生産量は15万boedでグループの国外生産の17%にすぎない。CNOOCは上場子会社CNOOC Ltdが国内外の探鉱開発事業を行っており、2016年の国外生産量は45万boedで、国外生産比率は35%である。 3社を合わせた国外生産量は2011年から2015年にかけて111万boed増加、2015年末現在276万boedである(CNPCが52%、SINOPECが32%、CNOOCが15%を占める、図3)。 表 4:国有石油企業3社の国外権益生産量と主な生産地域(2016年) 中国国外(権益生産量)Equity Method investees中国国外(権益生産量)親会社(略称)上場子会社(略称)上場子会社生産量千boed上場子会社の国外生産比率上場子会社の主な生産地域上段:国内下段:国外子会社の生産がグループ全体の生産に占める比率グループ生産量千boed親会社(グループ)の国外生産比率親会社の主な国外生産地域上場子会社の国外生産が親会社(グループ全体)の国外生産に占める比率備考:親会社の主な国外上流子会社中国石油天然気集団公司中国石油化工集団公司中国海洋石油総公司(CNPC)(SINOPEC)(CNOOC)中国石油天然気股?有限公司中国石油化工有限責任公司中国海洋石油有限責任公司(PetroChina)(Sinopec Corp)(CNOOC Ltd)4,0193,46755214%1,2931,14614811%1,3038484054935%中国国内:東北、西部陸上国外:アルジェリア、イラク、チャド、カザフスタン、ペルー中国国内:東部、西部陸上国外:アンゴラ、ロシア中国国内:海洋国外:イラク、インドネシア、英国(北海)、カナダ、豪州、ナイジェリア、米国77%5,2143,6901,52429%63%2,0561,16888743%イラク、エクアドル、オマーン、カザフスタン、シリア、トルクメニスタン、南スーダン、ベネズエラ、ペルーアンゴラ、イラン、カナダ、ガボン、コロンビア、ロシア-36%17%-中国石油天然気勘探開発公司(CNODC)CNPCスーダン、南米(ベネズエラ)、イラン、カザフスタン、イラク中国石化国際石油勘探開発有限公司(Sinopec International)-100%35% 各社年報にもとづき作成、2016年実績(SINOPECは2015年) 国有石油企業国外生産推移(2011~15年、万boed)2015年2014年2013年2012年2011年050100150200250300CNPCSinopecCNOOC 図 3:国有石油企業3社の国外権益生産推移(2005~2015年)各社年報にもとづき作成 5 i1)2009年~2013年の国外投資ラッシュとその後の停滞 3社は2005年頃から国外探鉱開発投資が活発化した。特に2009年から2013年にかけてCNPCのSINOPECのAddax買収(2009年合意、88億ドル)やCNOOCのNexen買収(2012年合意、179億ドル)など高額の国外資産・企業買収(M&A)が相次ぎ、3社合計のM&A投資額は年150~250億ドル(世界の上流M&A総額の10%前後)に達した。SINOPECの国内保有資産は東部の油田、CNOOCは海洋油田の成熟化が進んでおり、国外の開発・生産中資産や企業の買収による国内の減退を補い、規模拡大を図った側面があると思われる。しかし高額の国外上流M&Aは2014年以降急減速した。投資減速の主な要因は低油価と2013年に始まった中国国内の汚職取り締まり(NOC経営幹部ならびに同対外事業部門幹部が多数更迭)にあると見られる。 表 5:国外資産・企業買収急拡大(2009~2013年) LNG20%14.8億ドルCNPC(PetroChina)・露Yamal(2013年)・Eni東アフリカ資産(Area4権益20%他)42.1億ドル(2013年)・カザフKazmunaigasカシャガン権益8.3% 50億ドル(2013年)・ブラジルLibra油田10%(2013年)・イラク西クルナ1権益25%(2013年)・Petrobrasペルー操業子会社26億ドル(2013年)SINOPEC・Addax買収 88.19億ドル(2009年)・Galpのブラジル子会社株式51.8億ドル(2011年)・ConocoPhillipsのオイルサンド資産 46.5億ドル(2010年)・Repsolブラジル資産40% 71億ドル(2010年)Apacheエジプト資産33% 31億ドル(2013年)CNOOC・加Nexen買収179億ドル(2012年)・ブラジルLibra油田落札10%(2013年)各種資料に基づき作成、買収金額(負債を含む場合もある)、時期は合意段階 図 4:中国国有石油企業国外投資のトレンド 各種資料に基づき作成 6 i2)各社の最近の国外探鉱開発の動き ①CNPC(PetroChina) CNPC(PetroChina)の2016年の国外生産量は152万boedで、国外生産比率は29%である。PetroChinaの2016年の国外生産量は55万boedでCNPC全体の国外生産の36%を占める。2011~2016年にかけてCNPCの原油・天然ガス生産量は81万boed増加した。増加の4割は国内(天然ガス)、6割は国外(原油4割、天然ガス2割)である(図5)。2005年のPetrokazakhstan買収などによるカザフスタンにおける生産が多く、今後はカシャガン油田の生産が加わる。主な生産地域・国はロシア・中央アジア(カザフスタン・トルクメニスタン)、南米(ベネズエラ・エクアドル・ペルー)、アフリカ(南スーダン)、中東(イラク・オマーン・シリア)である。また、イラクではルメイラ、西クルナ、ハルファヤ、アフダブ油田で開発契約を締結、生産中である。 CNPCの原油・天然ガス生産推移(2011~2016年、万boed) 2016年2015年2014年2013年2012年2011年0100200300400500600原油(国内)天然ガス(国内)原油(国外)天然ガス(国外) 図 5:CNPCの原油・天然ガス生産推移(2011~2016年) PetroChina(CNPC)の国外投資は3社の中でもっとも控えめである。長年参入を働きかけていたUAEのADCO権益取得が結実した他は基本的にはメジャーズ同様イラク、ペルーなどの保有資産の開発に注力している。資産の整理・売却も検討している。 2017年2月、アブダビ陸上ADCO鉱区権益8%を取得した。CNPCの国外探鉱開発事業子会社中国石油天然気勘探開発公司(CNODC)は長年UAEに参入を働きかけていた。また2009年9月にはCNPC傘下の宝鶏石油機械公司がADNOCの掘削子会社National Drilling Company(NDC)から石油掘削装置を受注、2015年5月に中国石油工程建設有限公司(CPECC)がADOCOからMender油田の集油設備およびパイプライン、送電網、浄水システムなどに関する3億3000万ドルの建設契約に調印するなどグ7 求[プ全体でUAEへの参入を行っている。関係者によると、それぞれが別々の経営判断で動いてはいるがUAEからはCNPCグループ全体が評価されたと認識しているとのことである。 4月にはイラクのハルファヤ油田について2018年に生産量を現在の20万から目標生産量(3期・最終拡張開発フェーズ)の40万b/dに増加させる計画が報じられた。同油田の出資者はCNPC45%、Total 22.5%、Petronas 22.5%、イラクSouth Oil Company10%で2010年1月にTSC契約を締結、2014年9月にCNPCは目標生産量を53.5万から40万b/dに下げ、契約期間を20から30年に延長することで合意した。5月には今後数年をかけてペルー南部のガス発見鉱区(Block58)に20億ドルを投じガスの開発を行う計画を表明している。同鉱区では3.9Tcfのガスが確認されているがこれはペルーの埋蔵量の27.7%に相当する。 SINOPEC ②SINOPECの2015年の国外生産量(2016年の生産量は2017年6月現在未公表)は206万boedで、国外生産比率は3社中もっとも高い43%である。2011~2016年にかけてSINOPECの原油・天然ガス生産量は11万boed増加した。増加の2割は国内(天然ガス)、8割は国外(主に原油)である。2005年に買収したアンゴラや2007年に契約したイランヤダバラン油田などの生産が多い。主な生産地域・国はアフリカ(アンゴラ・ガボン)、中東(イラン)、南米(コロンビア)、ロシア・中央アジア(ロシア)、北米(カナダ)SINOPECの原油・天然ガス生産推移(2011~2015年,万boed)である。 2015年2014年2013年2012年2011年050100150200250原油(国内)天然ガス(国内)原油(国外)天然ガス(国外) 図 6:SINOPECの原油・天然ガス生産推移(2011~2015年) SINOPEC年報にもとづき作成(2016年国外生産量未発表、情報不足のため国外生産は原油で計算) 8 inopecは2009~13年にかけて3社の中でもっとも積極的に国外探鉱開発資産・企業のM&Aを実施していた。しかし今では年内に資産整理・売却に転じると噂されている。当面は国内のシェールガス開発と中核事業である精製石化事業に注力すると思われる。 2017年3月にSinopecはChevronの南アフリカ下流資産買収に名乗りを上げた。下流ユニット株式75%、Cape Town製油所(精製処理能力11万b/d)、ダーバンの潤滑油プラントCaltex系列のガソリンスタンド845カ所などの資産が含まれる。Chevronは資産売却プログラム(2014~16年)の一環として2016年1月に同資産の売却の検討について公表し同年9月に2度入札が行われ、10月にTotalとGlencoreが応札したと報じられたがディールは成立せずSinopecが今般有力候補となった。実現するとSinopecによるアフリカで初めての大型製油所の買収になる。またアフリカ保有資産とのシナジーも期待できるのではないか。 CNOOC ③ CNOOCは上場子会社CNOOC Ltdが国内外の探鉱開発事業を行っており、2016年の国外生産量は344万boedで、国外生産比率は30%である。2011~2016年にかけてCNOOC Ltdの原油・天然ガス生産量は44万boed増加した。増加の3割は国内(原油)、7割は国外(原油5割、天然ガス2割)である。 2012年に買収合意したNexenの英国北海バザード油田の生産が多い。主な生産地域・国は欧州(英国)、アフリカ(ナイジェリア)、北米(カナダ・米国)である。 CNOOCLtdの原油・天然ガス生産推移(2010~2016年,万boed)2016年2015年2014年2013年2012年2011年020406080100120140原油(国内)天然ガス(国内)原油(国外)天然ガス(国外) 図 7:CNOOCの原油・天然ガス生産推移(2011~2016年) CNOOC Ltd年報にもとづき作成 9 CNOOCはメキシコ深海鉱区の落札、セネガル探鉱鉱区への参加など3社の中で国外探鉱開発投資にもっとも積極的である印象を受ける。国有石油企業3社の中で国内保有資産(海洋)が少なく、成熟化も進んでいることが同社を国外投資に向かわせる原動力と思われる。同社は保有資産の探鉱開発を進めつつ、収益性の高い国外事業を追及していくのではないか。資産整理・売却の動きはまだない。 CNOOCは2016年12月にメキシコが実施したラウンド1第4次入札(ラウンド1.4)において有望とされるメキシコ湾大水深Perdido褶曲帯の2鉱区(Block1・4)を落札した。メキシコ大水深は地質的に有望(生産中の米国側メキシコ湾と同じ地層)とされる、特にPerdido褶曲帯は米向けパイプラインが整備されており、発見した場合開発しやすい。 図 8:ラウンド 1.4 及び Pemex ファームアウト入札鉱区図 メキシコ:エネルギー改革の進展状況 ~大水深鉱区を対象とする入札を終えて~ (石油・天然ガス資源情報2016年12月) 017年3月にはセネガル英中小独立系Impact Oil & Gasからセネガル/ギニア・ビサウ深海鉱区 2(AGC Profond Block)の権益65%を取得した。同鉱区は深海(水深1400~3700m)で、CNOOCは権益10 5%ならびにオペレーターシップを取得しImpact Oil & Gasは引き続き20%を保有、残り15%は両国の共同運営委員会Agence de Gestion et de Cooperation (AGC)が保有する。モーリタニア、セネガル一帯ではガスが発見されており、BPやTotalなど欧米石油メジャーが参加しているホットエリアである。 3.国有石油企業の資産整理、今後のポートフォリオ構築の方向性 国外探鉱開発投資再開の一方で国有石油企業3社は資産の整理売却を検討している模様である。3社の資産整理と今後のポートフォリオ構築について政府ならびに企業から明確な見解は示されていない。上流M&A市場は北米で動きはあるものの全般的には低調で、売り時ではない(買い手がいない)という見方や安定供給の側面から長期的な視点で資産を保持するのではないかという見方がある。しかし冒頭で述べた通り3社は政府系大手企業としての責務から人員削減はできないが、政府の収益性に対する要求は厳しくなっている。関係者や大手コンサルタントは、資産組み換えによる収益性向上あるいは国内資産の供給減退を踏まえ中長期的な視点から資産整理の必要性を指摘している。資産整理はそれぞれの企業の戦略にもとづくもので部外者には計り知れないところがあるが本稿では政策と各社の動きから今後の方向性を検討した。 (1)資産整理の可能性 3社ともに「一帯一路」などの政策、国内資産供給減退等を踏まえた上で、国・地域の偏重是正やプロジェクト持ち分の低減(ファームアウト)を行う可能性がある。例えばCNPCはイラクの複数の油田で契約を締結しているが、その持ち分を低減、一部を売却するのではないかと見られている。イランについても部分売却を検討していると噂されている。また北米非在来資産について、欧米メジャー企業が相次いでカナダ地場企業にオイルサンド権益を売却したが、特にCNOOCはNexen買収時のカナダ側とのコミットもあり欧米石油メジャーのような全面的な撤退の可能性は低いものの、持ち分を減らそうとする可能性は考えられる。 今後も保有しそうな資産の筆頭は「一帯一路」沿線、なかでもパイプラインなど中国向けの陸路のインフラが整備されている沿線上の資産(ロシア・中央アジア)である。これらは政策的に、また企業に機会をもたらすという観点で整理・売却の対象にはなりにくいと考える。その他の保持しそうな資産としてブラジルとウガンダがあげられる。2013年にCNPCとCNOOCがブラジル深海プレソルトのLibra油田を取得したが、深海油田は中東陸上、米シェールについでコスト競争力があり、当面の有力供給源であることから手放す可能性は低いと思われる。またCNOOCは2017年3月にTullowのTotalへのウガンダ権益ファームアウトで先買い権行使を表明しており、当初想定より開発に時間がかかっているウガンダについ11 鴻Vア・カザフスタン、トルクメニスタンイラク、イランカナダ・米国非在来ブラジル、ペルー、メキシコウガンダ、モザンビーク整理の可能性保持の可能性今後のポートフォリオ構築の可能性について、最近欧米石油メジャーはショートサイクル(数年以内に投資回収が可能な)資産として米シェールオイルをポートフォリオに組み込んでいるが、国有石油企業は中国国内にショートサイクルの資産(陸海油ガス田)を保有しており、また知見や技術も不足していることから米シェールオイルをショートサイクル資産としてポートフォリオに追加する可能性は低いようだ。 国有石油企業関係者に共通した見解は特定の地域や油・ガスへのこだわりはなく、“自社の強みを生かす(陸のCNPCであれば陸上油ガス田、海洋のCNOOCであれば海洋油ガス田)”である。関係者は中国の国有石油企業の強みは傘下の油田サービス企業の施工の早さと安さ、市場を有していること。米国のシェールオイルなどは技術も知見もなく中国企業の強みが生かせないが、一帯一路沿線国などではインフラ需要もあり、強みが生かせる可能性があると指摘している。 2005年頃から規模の拡大を重視し、企業・資産を買い進め、安定供給の観点から長期的視野に立ち資産を保持してきた中国国有石油企業が今後どのように保有資産の整理・売却を行い、ポートフォリオを組もうとしているのか注視したい。 図 9:当面の資産整理の可能性 (JOGMEC作成) 2)今後のポートフォリオ構築の可能性 (て、投資を回収するまで売却する気はないようだ。 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| 地域1 | アジア |
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