アルゼンチンにおけるシェール開発の現状
| レポートID | 1004719 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-06-23 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 企業探鉱開発 |
| 著者 | 舩木 弥和子 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2017 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | アルゼンチンにおけるシェール開発の現状 更新日:2017/6/20 調査部:舩木弥和子 . EIAの「世界のシェールガス資源量評価」によると、アルゼンチンのシェールガス、シェールオイルの技術的回収可能量は世界第2位、第4位を誇るが、Macri政権下でも2016年中にはシェール開発に関する政策に大きな進展はみられず、シェール生産量は67,725boe/dと少ない。一方、タイトガスは、生産効率が良く、低コストで生産が可能なため、生産量の増加幅が大きく、2016年後半にはNeuquen州で約20MMm3/dが生産された。 12. Vaca Muertaシェールへの投資を促進し、開発を進めようと、連邦政府、Neuquen州政府、石油会社、石油・ガス部門の労働組合が2017年初めに、ガス井戸元価格を高く設定、インフラを整備し、投資額を増やすことに合意した(Gas Plan)。2月以降、石油会社は相次いで投資増額を発表している。 3. Neuquen州は、Neuquen Basinの7鉱区を対象に2017年9月14日に入札を実施する。 4. アルゼンチンは、天然ガス生産減とそれに伴うガス輸入増を食い止めるため、非在来型ガスの生産増を図ろうとしている。政府は年に200億ドルの投資が行われれば、2025年には天然ガス生産量を185MMm3/dまで増加させることができるとし、2020年12月から2021年3月には再度ガス輸出が可能となるとしている。石油に関してもガス同様に価格優遇策がとられていたが、2016年以降、価格が次第に引き下げられ、2017年5月には、政府は石油増産のためにインセンティブを設ける計画はないとの報道がなされた。 5. Vaca Muertaシェールの開発コストを削減する努力が行われており、水平坑井の掘削、仕上げコストは当初の1,600万ドルから950万ドルまで引き下げられた。Neuquen州政府や企業は、これを米国並みの700~800万ドルまで引き下げたいとしている。また、YPF は掘削長が長く生産性の高い坑井を掘削することで、開発コストを引き下げようとしている。大量の水とプロパントを低価格で確保しようと、坑井付近に池を掘削したり、水のパイプを敷設したり、鉄道の改修も行われている。先住民が水圧破砕に反対を表明しており、今後、環境面でも課題が生じる可能性がある。 6. Gas Plan導入で、シェールガス、タイトガスの生産増が見込まれる状況となったが、Vaca Muertaのシェールガスは損益なしの状況、YPF/Chevronの Loma Campana 鉱区のシェールオイルのブレークイーブン価格は50ドル/bblとされており、今後の動向が注目される。 .アルゼンチンのシェール開発状況 12013年6月にEIAが発表した「世界のシェールガス資源量評価」によると、アルゼンチンのシェールガスの技術的回収可能量は802Tcfで世界第2位、シェールオイルの技術的回収可能量は265億bblで世界第4位にあたる。このアルゼンチンのシェール資源量の過半をNeuquen Basinが占めている。そして、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? euquen BasinのVaca Muertaシェールの地質状況は総有機炭素量(TOC)、層厚、地層圧力のいずれをとっても米国のシェール層と比較して遜色ないものとされている。 図1.堆積盆地別シェール技術的回収可能量 出所:EIA Technical Recoverable Shale Oil and Shale Gas Resourcesを基に作成 図2.Neuquen Basinのシェール層 出所:ICEP国際セミナー Neuquen Province ARGENTINA, Shale Development and Business Opportunities Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? \1.Vaca Muertaシェールと米国のシェール層の比較 出所:EIA、YPFを基に作成 米国のシェールは各カテゴリーで最も良好なシェール層を選択し、比較 2015年12月10日に就任したMacri大統領は、為替の自由化、ペソの切り下げ、輸入規制の廃止等の政策を次々と発表、Fernandez de Kirchner前政権とは異なり自由主義的な経済政策をとり、アルゼンチンを普通の国に戻すことに努めている。しかし、シェール開発に関する政策は、Macri政権下でも2016年中には大きな進展はみられなかった。Vaca Muertaシェール開発のため2015年、2016年はそれぞれ40億ドル以上が投じられ1、Neuquen州鉱山炭化水素省によると、2017年1月のNeuquen州のシェールオイルの生産量は対前年同月比45%増の36,432b/d、シェールガスの生産量は同43.3%増の31,293boe/d (5.3MMm3/d)で、合計で同44.2%増の67,725boe/dとなった2が、生産量はまだ少ない。主な生産エリアはシェールオイルがYPFとChevronが開発を進めるLoma La Lata鉱区とLoma Campana鉱区、シェールガスがYPF、Dow Chemicalが開発を進めるEl Orejano鉱区となっている。 タイトガスについては、主にVacaMuertaシェールよりも深度が浅いフォーメーションから生産が行われている。また、層厚が厚いので垂直井で生産されており、生産効率が良く、生産コストはシェールガスのおよそ半分となっている。そのため、シェールガス以上に生産を伸ばしており、2016年後半にはNeuquen州でタイトガス約20MMm3/dを生産した。主要な鉱区は、YPFが生産中のRincon del Mangrullo、Loma la Lata等の鉱区、Totalが生産中のAguada Pichana鉱区、Pampa Energia/Petrobrasが生産中のRio Neuquen鉱区である。Pampa Energia/Petrobrasは2016年6月に、3.46億ドルを投じRio Neuquen鉱区でタイトガスのパイロットプロジェクトを行うと発表、24坑を掘削し、良好な結果が得られれば、35年間に22億ドルを投じる計画であるという。 1 PON, 2016/12/15 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 図3.Neuquen州主要鉱区図 出所:各種資料を基にJOGMEC作成 2.GasPlanによる投資増加 連邦政府はVaca Muertaシェールへの投資を促進し、開発を進めようと、YPF、Total、Pan American Energy、Chevron、Shell、Dow Chemicalを含む同シェール開発に携わる主要な企業、Neuquen州政府、石油・ガス部門の労働組合と協議し、2017年初めにガス価格や投資額等を定めたGas Planに合意した。3月6日には、エネルギー省がこれを官報に掲載した。 Gas Planの主な合意内容は次の通りである。 2 PON, 2017/3/9 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 連邦政府は、新規坑井から生産される非在来型ガスの井戸元価格を2018年末まで7.50ドル/MMBtuとし、それ以降は年に50セントずつ引き下げ、2021年に6ドル/MMBtu、2022年以降は市場価格とするよう補助金を出す。 ? 連邦政府は、道路や鉄道等インフラ整備のため投資を行う。 ? Neuquen州政府は非在来型資源の開発に携わる企業に対する税率を据え置き、道路整備への投資を行う。 ? 企業は、2017年に50億ドル、2018年以降年間100~150億ドルを非在来型資源の探鉱・開発に投じる。 ? 労働組合は、生産性を向上させる。 非在来型ガスの井戸元価格を引き上げる探鉱・開発促進策は、国内生産者、特にVaca Muertaシェール等非在来型ガスの生産者にインセンティブを与え、生産を増やすことで、自給を達成し、ガス輸入代金を減らすことを目指し、以前より導入されている。Macri政権下でも、2016年5月に、エネルギー鉱山省が官報にresolution 74/2016を掲載、非在来型ガス及び2013年1月以降に発見された在来型ガスの井戸元価格を2018年12月31日まで7.50ドル/MMBtuとするとした。Macri 政権とKirchner前政権の違いは、Kirchner前政権はガス生産者、消費者両方に補助金を出していたのに対し、Macri大統領は消費者向けの補助金を大幅に削減する一方で、非在来型ガスの井戸元価格を高く設定している点にある。今回のGas Planは、2021年末まで井戸元価格を高めに設定することで、企業に投資を求め、また、政府がインフラ整備を行うこと等で、早い時期に投資を促進し、非在来型ガスの開発を確実に推し進めようとするものである。 また、アルゼンチンのシェール開発は、同国の労働組合が強力であるため、労働条件が固定化し、労働力の柔軟な利用ができず、技術革新のペースが遅いという弱点があったが、今回のGas Planでは、労働組合と政府が生産性を向上させることで合意しており、この点についても解決が図られる。 これを受け、2月以降に発表された投資を表2に示した。 この他にも、YPFが2017年中にVaca Muerta シェールのガスに焦点をあてたパイロットプロジェクトを10件開始する計画3を発表したり、2020年まで年間40億ドルを投資する4としたり、ExxonMobil がLos Toldos 1 Sur blockの開発計画を見直し、投資を増やすとしたり5する等の動きが見られる。 3 BNA, 2017/3/13 4 LatAmOil, 2017/6/13 5 LatAmOil, 2017/4/25 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 表2.Gas Plan発表後の主なシェール開発投資 (投資額単位:億ドル) 各種資料より作成 3. Neuquen州、Vaca Muertaシェール入札を実施 Neuquen州立石油会社Gas y Petroleo del Neuquenは、Parva Negra Oeste、Cerro Arena Sur、Las Tacanas Norte、Bajo del Toro Este、Aguada de Castro Oeste I、II、La TropillaⅠ鉱区の7鉱区を対象に入札を実施する。入札日は2017年9月14日で、9月15~28日に落札者が選定され、10月4日に契約を締結する計画である。契約期間は35年で、各鉱区の権益の10%をGyP del Neuquenが保有することとなっている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 図3.Neuquen州鉱区入札 出所:Neuquen州 4.2020~21年にガス輸出再開を目指す アルゼンチンが非在来型ガスの生産増を図ろうとする背景には、同国の天然ガス生産量の減少とそれに伴うガス輸入量の増加があると考えられる。 アルゼンチンは1990年代後半には中南米でもっとも上流の活動が活発な国の一つであったが、経済危機の影響や、探鉱がすでに成熟化し有望地域が少ないとみられていたこと、探鉱・開発にインセンティブが設けられなかったこと等から、十分な投資が行われず、探鉱・開発が停滞、石油、天然ガスともに埋蔵量、生産量が減少、横ばいの状況にある。特に、天然ガスに関しては、確認埋蔵量が2000年の7,780億m3をピークに減少し、2013年以降は増加に転じたが、2016年末は3,504億m3、生産量が2006年Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? フ461億m3(126Mmm3/d)をピークに減少し、2014年を底に回復を見せているものの、2016年は383億m3(105MMm3/d)となっている。一方、天然ガス消費量は2016年には496億m3(136MMm3/d)であった6が、2016年のピーク時には185MMm3/dとなった7という。 アルゼンチンは2004年にパイプラインでのボリビアからの天然ガス輸入を再開、2008年5月にBahia Blancaに設置した浮体式LNG再ガス化ターミナルを稼働させ、2011年5月にはBuenos Aires近郊のEscobarに設置した浮体式LNG再ガス化ターミナルの試験操業を開始し、LNG輸入を行うようになった。2016年にはボリビアから供給されるガスが契約量19MMm3/dより少なかったため、かつてチリにガスを輸出していたパイプラインを逆送して、チリが輸入したLNGを再ガス化しアルゼンチンに供給することでチリ側と合意した。Enap、Endesa、Metrogas、EnarsaがチリのQuintero LNG ターミナルからガス3MMm3/dをGasAndesパイプライン経由で、Enap、Enarsa、EngieがチリのMejillones LNGターミナルからガス1.5MMm3/dをNorandinoパイプライン経由でアルゼンチンに供給する契約を締結し、5月よりチリからのガス輸入が開始された。チリからのガス輸入は、需要の増加する冬季のみ行われており、2017年も6月1日から8月31日までの間、チリからガスが供給される。 LNG輸入やチリからのガス輸入が高くつくことから、政府はVaca Muertaシェールやタイトガスといった非在来型ガス資源開発を促進し、ガス輸出国に返り咲くことを計画するようになった。政府は年に200億ドルの投資が行われれば、2025年には天然ガス生産量を185MMm3/dまで増加させることが可能としている。その結果、ガス輸入量を2016年の約30MMm3/dから次第に削減し、2020年12月から2021年3月には再度ガス輸出が可能となる8としている。2004年にはブラジル、チリ、ウルグアイに合計で20MMm3/dの天然ガスを輸出しており、これらの国に再び輸出を行いたいという。 政府は石油に関しても、生産量を増やすためガス同様に価格優遇策をとっていた。しかし、2016年初にJuan Jose Arangurenエネルギー大臣と石油会社の間で協議が行なわれ、Medanito原油の価格を75ドル/bblから67.50ドル/bblに、Escalante原油の価格を63ドル/bblから54.90ドル/bblに引き下げることになった。さらに、政府は8月に、YPF、Pan American Energy (PAE)、Shell等の石油会社と原油の井戸元価格を8月に2%、9月に4%、10月に6%引き下げることで合意した。11月には、連邦政府からの公式な発表はないものの、政府は国内原油価格をWTIと同水準に引き下げる計画であるとの情報が広まり、石油生産企業は精製業者から11月、12月の原油購入価格を30%引き下げると通告を受けた。そして、2017年5 6 BP Statistical Review of World Energy June 2017 7 PON, 2017/5/8 8 PON, 2017/5/19 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 獅ノは、政府は石油増産のためにインセンティブを設ける計画はないとの報道があった。エネルギー省は、アルゼンチンの石油生産量は2016年の511,000b/d から、2025年には油価が現在の見通しよりも上昇すれば559,000 b/dに増加するが、期待されているほど投資が行われなければ452,000b/dに減少するとの見通しを明らかにした9。 図4.アルゼンチンの天然ガス生産量・消費量 図5. アルゼンチンの石油生産量・消費量 単位 ガス:10億m3、石油:千b/d 出所:BP Stastical Review of World Energy June 2017 5.アルゼンチンのシェール開発の課題 Vaca Muertaシェールを開発する上での大きな課題のひとつに、開発コストが挙げられる。 Vaca Muertaシェールでの掘削長1,500mの水平坑井(frack stage 20)の掘削、仕上げコストは2012年には1,600万ドルであったが、2016年第3四半期にYPF/ChevronがLoma Campana鉱区で掘削した水平坑井の掘削、仕上げコストは950万ドルと、1,000万ドルを下回った。1坑を掘削、仕上げるのに必要な期間も40日から15日に縮まったが、他の石油会社の水平坑井1坑あたりの掘削、仕上げコストはまだ1,000万ドル以上となっている。Neuquen州政府や企業は、水平坑井の掘削、仕上げコストを米国並みの700~800万ドルまで引き下げたいとしている。YPF は掘削長2,500mの水平坑井(frack stage 20以上)を掘削中、2017年下半期には掘削長3,200mの水平坑井(frack stage 40)を掘削予定で、掘削長が長く生産性の高い坑井を掘削することで、開発コストを今後18ヶ月で20%以上引き下げたいとしている。YPFは、掘削長3,200mの水平坑井掘削、仕上げには1,200~1,500万ドルかかると見込んでいる。 さらにVaca Muertaシェール開発コストを引き下げるためには、大量の水とプロパントが必要とみられて 9 PON, 2017/5/19 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 「る。 TotalとYPFが坑井付近に池を掘削、Chevron/YPF はLoma Campana鉱区に水のパイプを敷設する等水を確保するための措置をとっている。 政府は2016年11月に、プロパントやその他の資機材の輸送能力を高めるため、Bahia Blanca からRio Negroを経てAnelo及びRincon de los Sauces間の鉄道を改修することを計画していることを明らかにした。鉄道輸送能力を増強し、プロパント等を輸送する政府の計画を受けて、YPFは今後3年間でシェール開発のロジスティクスに関するコストを30%削減したいとしている。現在はトラックで資機材を輸送しており、鉄道輸送にすることで輸送コストを50%削減できるという。輸送コストは全体のコストの7~8%を占める10という。 環境に関しては、これまであまり問題とされてこなかったが、2016年9月に、先住民Mapuche族が水圧破砕は飲料水に影響を及ぼすとして反対を表明した。Mapuche族によると、水圧破砕の影響で奇形の動物が増加したという。また、自分たちの土地で水圧破砕を行うことについて許可を求められたことがないとしている。 わりに お政府が非在来型ガスの開発に重点を置く方針を示したことで、アルゼンチンでは今後、特に、シェールガス、タイトガスの生産増が見込まれる状況となった。Gas Planが策定される以前に、IHS Markitが、年間80億ドルの投資が行なわれ、政府が安定したビジネス環境を提供することで、Vaca Muertaシェールの生産量は2040年には液分56万b/d、ガス6Bcf/dに増加する可能性があり、アルゼンチンの在来型石油、ガスの生産減退を補い、国内のエネルギー需要増を満たすだけでなく、石油・ガス輸出を可能にすることができるとした11。また、米国EIAは、2015年に498万b/dであった「タイトオイル」12生産量は、2040年には1,036万b/dになると予想、このうち、アルゼンチンの生産量は69万b/dとしている。Vaca Muertaのシェールガスは損益なしの状況13、YPF/Chevronの Loma Campana 鉱区のシェールオイルのブレークイーブン価格は2016年末以降、50ドル/bblとされており、各機関の見通し通り生産が伸びていくのか注目される。 10 PON, 2017/6/2 11 LatAmOil, 2016/8/16 12 ここはEIAの記述方針に従い、「タイトオイル」と記す。 13 IOD, 2016/8/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 図6.世界の2015年から2040年にかけてのタイトオイル生産量の予測(EIA,2016) 以 上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? |
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