ガイアナ:深海Liza油田、発見から2年で最終投資決定(短報)
| レポートID | 1004724 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-07-06 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 企業探鉱開発 |
| 著者 | 舩木 弥和子 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2017 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/6/29 調査部:舩木弥和子 ガイアナ:深海Liza油田、発見から2年で最終投資決定(短報) (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas、Business Monitor International他) . ExxonMobilは、2017年6月、Stabroek鉱区Liza油田の開発第1フェーズの最終投資決定(FID)を下した。第1フェーズの投資額は44億ドルで、17坑を掘削、FPSO (生産能力12万b/d)を用い、2020年までに生産を開始する計画である。ExxonMobilは同鉱区の可採埋蔵量を石油換算で約20~25億bblと推定している。 12. Liza油田発見以前、ガイアナで油・ガス田の発見はなく、探鉱は低調に推移していたが、2012年以降ガイアナ沖合鉱区に参入する企業が増加し、探鉱が進められている。特にExxonMobilは、Stabroek鉱区に隣接するKaieteur鉱区、Canje鉱区の権益も取得、両鉱区で地震探鉱を実施している。 3. Liza油田は発見後2年でFIDがなされ、5年以内に生産が開始される計画となった。Liza油田が、油価低迷の状況下で数少ない新規の深海油田開発プロジェクトとなりえた背景には、同油田の規模の大きさとともに、ExxonMobilの優れた技術力や、プロジェクトを持ち続ける体力が影響を及ぼしていると考えられる。 .Liza油田開発へ 1ExxonMobilは、2017年6月16日、ガイアナ沖合Stabroek鉱区Liza油田の開発第1フェーズの最終投資決定(FID)を下したと発表した。 Liza油田は、ガイアナ沖合約 190km、Stabroek鉱区(総面積26,800km2)内の水深1,500~1,900 mの海域に位置する。2015年5月に、Liza-1号井で90mの砂岩の油層が確認され、その後、掘削、評価が続けられていた。 第1フェーズの投資額は44億ドルで、生産井8坑、水圧入井6坑、ガス圧入井3坑、合計17坑を掘削、FPSO (生産能力12万b/d、SBM Offshoreが建造)を用い、2020年までに生産を開始する計画である。ExxonMobilは、第1フェーズで原油4.5億bblを開発するとしている。 ExxonMobilはStabroek鉱区の可採埋蔵量はLiza、Payara、Snoekを含め石油換算で約20~25億bblと評価しており、今後の評価作業の結果次第で2基目のFPSO(生産能力15万b/d)を投入し、生産増を図るとしている。ExxonMobilは隣接するCanje、Kaieteur鉱区でも3D地震探鉱を実施、評価中で、2018年には掘 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? 墲タ施する計画である。WoodMackenzieは、Liza油田および周辺海域の開発により、2026年には33万b/dの石油生産が可能になるとみている1。 現在のStabroek鉱区の権益保有比率はExxonMobil45%、Hess Guyana Exploration30%、CNOOC Nexen Petroleum Guyana25%となっている。 なお、ExxonMobilは2016年中にガイアナ政府にLiza油田の開発計画を提出、技術、環境面の修正が終了し、FIDに先立って、政府は同油田の開発を承認している。 ガイアナ政府は、同油田からExxonMobilが得る収入は最大で年間50億ドルに上ると見ているという2。 図1.ガイアナ、スリナム主要鉱区図 (各種資料より作成) 1 WoodMackenzie, 2017/6/19 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? \1.Stabroek鉱区での掘削 坑井 Liza-1 Liza-2 時期 2015/5 2016/6 水深 1,700m 1,692m 掘削長 5,400m 5,475m Skipjack Liza-3 2016/9 2016/10 N.A. N.A. N.A. 5,700m Payara-1 Snoek-1 Liza-4 2017/1 2017/3 2017/6 2,030m 1,563m N.A. 5,512m 5,175m N.A. 結果等 90mの砂岩の油層を確認。油田は大規模と発表 58mの砂岩の油層を確認。Liza油田の可採埋蔵量を8~14億boeと推定 商業量の油・ガスの発見はなし Liza油田の可採埋蔵量は以前発表された8~14億bblの上限に近い数字であると推測 29m以上の油層を確認 25mの油層を確認 60m以上の砂岩の油層を確認 (各種資料を基に作成) 2000年にUSGSがGuyana Basinを最も有望な堆積盆地の一つとし、未発見資源量のポテンシャルは原油が150億bbl、ガスが40Tcfであるとした3ものの、Liza油田発見以前は、ガイアナで油・ガス田の発見はなく、原油、天然ガスの生産は行なわれていない。そのため、ガイアナは石油消費量1.1万b/dのうち、42%をトリニダード・トバゴから、37%をベネズエラから、19%をスリナムから輸入している4。 2007年にスリナムとの排他的経済水域(EEZ)をめぐる紛争が解決し、2011年にGuyana Basinの一部である仏領ギアナでZaedyus油田が発見されたことや、大西洋をはさんだ対岸のアフリカ西岸でも油田発見が続いたことから、2012年以降ガイアナ沖合鉱区に参入する企業が増加し、探鉱が進められている。特にExxonMobilは、Stabroek鉱区に隣接するKaieteur鉱区の権益の50%、Canje鉱区の権益の30%も取得、両鉱区で地震探鉱を実施している。 .ガイアナ沖合での探鉱状況 2 2 Houston Chronicles, 2017/6/17 3 USGS World Petroleum Assessment 2000 4 LatAmOil, 2016/9/14 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? z区 権益保有状況 探鉱・開発状況 表2.ガイアナ沖合での探鉱・開発状況 Corentyne 1998年にCGX Energyが権益100%を取得 1999年にExxonMobiがl権益100%取得。2009年と2012年にShellが権益の25%ずつを取得したが、2014年に売却。現在の権益保有比率はExxonMobil 45%、Hess 30%、Nexen 25% 2001年にCGX Energyが権益100%を取得。2013年探鉱ライセンス更新 2012年、Anadarkoが権益100%を取得% 2012年、Nabi Oil & Gasが権益100%を取得 Repsolは2013年5月に同鉱区のライセンスを取得。同年7月にTullowが権益の30%を取得。12月にRWE Deaが権益の30%を取得 2014年、Ratio Oil Explorationが権益100%を取得。2016年、ExxonMobilが権益50%を取得し、ファームイン JHI、Mid-Atlantic Oil & Gasが2015年に権益取得。ExxonMobilがファームインし、オペレーターとなる 2016年1月にTullow (60%)、Eco Atlantic (40%) が同鉱区の権益を取得 Stabroek Demerara Roraima Mahaica Kanuku Kaieteur Canje Orinduik おわりに 2000年にHorseshoe West井、2012年にEagle井を掘削したが、出油・ガスはなし 2013年に3D地震探鉱を実施I。2015年3月よりLiza-1号井掘削。2017年6月、Liza油田開発第1フェーズのFID。2020年生産開始予定 3D地震探鉱と探鉱井掘削を実施予定 2013~14年に2D地震探鉱を計画したが、ベネズエラとの国境紛争のため延期 2014年に2D地震探鉱、3D地震探鉱実施。2017年に試掘を計画 ExxonMobil参入時にBlock Bより名称を変更 2D地震探鉱、3D地震探鉱を実施 2D地震探鉱、3D地震探鉱を実施。2018年に試掘を計画 (各種資料を基に作成) Liza油田は発見後2年でFIDがなされ、5年以内に生産が開始される計画となった。原油価格の下落、低迷により、世界全体としてみると、2014年から2016年にかけて探鉱・開発投資が4割以上減少、プロジェクトの投資決定も高油価時の4分の1に減少し、投資決定はタイバックや拡張などブラウンフィールドが中心となっている。このような状況下で、Liza油田開発は、数少ない新規の深海油田開発プロジェクトということができる。 Liza油田は規模が大きく、ブレント価格が40ドル/bbl5、あるいは、46ドル/bblでも採算が取れる6との見 5 Petroleum Intelligence Weekly, 2017/6/19 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 福ェなされている。しかし、このように開発が進展した背景には、Liza油田の規模の大きさだけではなく、ExxonMobilの優れた技術力、マネジメント力が影響を及ぼしていると考えられる。同社は、プロジェクトを仕立て上げる力に優れており、また、2014年半ばの油価下落、低迷後、沖合のコストを30%引き下げることにも成功したという。さらに、同社にはプロジェクトを粘り強く持ち続ける判断力、持久力もある。Stabroek鉱区に関しても、1999年に権益100%を取得したが、ベネズエラとの国境紛争もあり、探鉱を進められず、パートナーもなかなか見つけらなかったが、それでも、同社は同鉱区の権益を手放さなかった。Liza油田の規模の大きさに加え、ExxonMobilの技術力や体力が、同油田のFIDを可能にしたと考えられる。 なお、Liza油田の発見を受け、隣国スリナムでも、参入の動きが活発化、探鉱にも進展が見られる。2015年10月には、NobleがTullowよりBlock54の権益の20%を取得、2016年3月には、KosmosとChevronが権益を保有するBlock42にHessがファームイン、さらに、Liza油田開発第1フェーズのFID直後の2017年6月にはスリナムの国営石油会社Staatsolieより、ExxonMobil、Statoil、HessがBlock59のライセンスを取得、StatoilがBlock60のライセンスを取得した。探鉱に関しては、ApacheがBlock53でKoilbri-1号井を掘削、さらに、Block42でAurora井、Block45でAnapai井が掘削される予定となっており、スリナムの動向も注目される。 以 上 6 WoodMackenzie, 2017/6/19 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? |
| 地域1 | 中南米 |
| 国1 | ガイアナ |
| 地域2 | 中南米 |
| 国2 | スリナム |
| 地域3 | |
| 国3 | |
| 地域4 | |
| 国4 | |
| 地域5 | |
| 国5 | |
| 地域6 | |
| 国6 | |
| 地域7 | |
| 国7 | |
| 地域8 | |
| 国8 | |
| 地域9 | |
| 国9 | |
| 地域10 | |
| 国10 | 国・地域 | 中南米,ガイアナ中南米,スリナム |
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