ページ番号1004733 更新日 平成30年2月16日

天然ガスシフトで展開するメタン戦略を考える

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レポートID 1004733
作成日 2017-08-01 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2017
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2017/8/1 技術部: 伊原 賢 公開可 メタン資源を効率よく、かつ高度に利用できる技術ができれば、日本の偏重した炭素資源依存の状況から脱却することも可能になろう。メタン利用の現状から近い将来のあるべき姿を捉えながら、何をすべきか、どのように発展させるべきなのかというメタン戦略を考えたい。特にメタン化学へのア(日刊工業新聞社、石油学会ほか) 然ガスシフトで展開するメタン戦略を考える 天 プローチとして、革新的な触媒研究が求められよう。 . メタンの生産・供給事情がもたらした変化 121世紀に入って、脚光を浴びるようになったシェールガスによる天然ガスの大供給余力を背景に、天然ガスの利用技術の普及が望まれている。水平坑井(こうせい)や水圧破砕といった技術の進歩により、シェールガスに代表される膨大な量の非在来型の天然ガスを取り出せることが明らかとなり、世界の天然ガスの可採年数は60年から、少なくとも160年を超えるのは確実になった。天然ガスの供給余力が高まると、その利用も熱を帯びてくる。シェールガスの拡がりを契機に、天然ガスは化石資源の多様化と効率化を軸に「ブリッジ・エネルギー」としての存在感を増し、メタン安定供給の社会に入った感がある。 特に、米国では天然ガス・石油価格の下落が、電力燃料や化学産業原料のコスト削減、雇用創出、資源輸入の減少など革命的な影響をもたらしつつある。2017年1月には、米国産天然ガスの対日輸出が始まった。ガスの採掘者や液化天然ガス(LNG)基地の運営者は、輸出拡大による需要増で価格が上がれば潤う。州政府もガス輸出・生産拡大による税収増、雇用増への期待が大きいと言えよう。 日本の場合、天然ガスの調達という頭が痛い問題がある。天然ガス開発権益の確保、長期契約ではなく短期で調達できるようなスポット市場からの購入、石油価格準拠のガス購入の長期契約の見直しが大きな課題となる。バランスのよい長期安定供給を保障する天然ガス輸送システムをどのように構築すべきかは、いつも出てくる課題だ。 1/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 005年あたりからのシェール革命の始まる前、中東の産油国は原油生産に伴う天然ガス(随伴ガス)を用いて自国で大規模なエタンクラッカーとポリエチレンなどのエチレン誘導体の製造を開始した。中東で採掘される安価な随伴ガスから製造されるエチレン誘導体は、欧州やアジアへの輸出を目指した。一方、米国の石油化学産業はシェールガスに含まれるエタンやプロパンから、エチレン、プロピレン、BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)留分といった石油化学の基礎製品を製造している。米国におけるエチレンの製造コストは、エタンの原料コストが全体の5~6割を占める。 シェールガス増産による天然ガス由来のエタン価格は原油由来のナフサ価格よりも大幅に安いため、エチレン製造の大幅なコストダウン、ひいては米国の石油化学工業の国際競争力の向上につながろう。中東の石油化学製品輸出の日本への影響は、中国の需要がいまだ堅調なため、まだ大きくないが、日本の石油化学産業は、中東の動きに競合できず、すでにエチレンセンターを統合・縮小した(三菱化学、旭化成ほか)。シェール革命によってもたらされた米国の安価なエチレン誘導体の輸出は、それに追い討ちをかけた格好だ。 2. メタンのエネルギーとしての利用 メタンの利用法としては、電気と熱を同時に利用するコンバインドサイクルに代表される物理変化のエネルギーは大きな柱になるし、もう1つの化学変化では、ナフサを使わずにメタンから化学原料にしていろいろなものをつくる流れとなる(図1)。 2014年までは天然ガスは高いと言っていたのが、3年の間に半分の値段になってしまった。天然ガスは大半LNGという形で日本は輸入しているが、2020年までは、値段はあまり上がらないという見方が多い。その間に日本が持つ技術力で、メタンを中心に何か新しいことができるならば、期待したいところである。天然ガスをLNGで運ぶとエネルギーを大量に使ってしまい、メタンからの化学原料化にとってボトルネックになる。そこで、たとえば独BASFが出しているような金属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)を使ったメタンの吸蔵材料を使えば、天然ガスを液化せずにグラム当たりで0.4 gくらいのメタンが吸蔵できる。米国では実用化されている。また、メタンを燃料電池に使うのではなくて、直接、車に入れて燃料にしてしまう天然ガス自動車(Natural Gas Vehicle:NGV)が考えられる。メタン起源の高圧の水素を使って車を走らせるよりは、今のガソリンスタンドが使えるようなインフラの中で、天然ガスがガス状で使えるメタンのエネルギーとしての使い方だ。 2/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 TW ガスの電力変換送電) 出所: 「天然ガスシフトの時代」 日刊工業新聞社 2012年12月 ((UCG 石炭地下ガス化) (CBM/CSG 炭層ガス) (NGH 天然ガスのハイドレート化) 図1 液体炭化水素の製造経路 本勢が海外へ出て戦う場合、圧縮天然ガス(CNG)のNGVがあろう。シボレー等を初め、GMは 日大規模にCNGの自動車をラインナップとして展開している。ガスのインフラがある国、かつガスが安いという状況下では、大きなツールとなろう。そこへ出ていって日本が車を売る産業はあってもいい。世界中で今、1800万台くらいのCNGの自動車があって、自家用車型でいうと1000万台くらいある。世界の自動車のうちの2 %くらいが、CNG車だ。 もう1つはミドレックスに代表される還元鉄の生産で、海外では年間に8000万トンくらい、還元鉄を天然ガスからつくっている。ガスが安い地域ではこういったプロセスが強力になると考えれば、ガスの安い地域に出ていって、鉄や自動車が頑張っていくというのが強力なツールになろう。日本は、23×1018 Jくらいエネルギーを使っているが、自動車が1×1018 J、鉄鋼が約1×1018 J、発電が8×1018 J強なので、鉄鋼も自動車も大きいマーケットと言えよう。 ただ、天然ガスが日本に入ってくる時点でLNGになっていることが前提になってしまうとつらい。日本基幹の縦断のパイプラインがない。仙台・長岡、日立・鹿島というレベルでしかつながっていない。まず東海道、山陽、北日本あたりで、国土の基幹パイプラインができて、かつ、そこにサハリンからのコ3/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 lクションのようなものが入ってきて、導管分離がうまくいったときには、産業としては大きく構造が変わる可能性がある。ヨーロッパは天然ガスの値段はバランスが取れている。ヨーロッパ域内で天然ガスがそれほど豊富に取れるわけではないが、天然ガスを運ぶ手段として、パイプラインとLNG両方持っている。日本はほとんどLNGで運んでこなければいけない。中東の天然ガスが、仮に非常に井戸元のコストが安いといっても、それをわざわざ日本のためだからといって、安く売ったりはしない。パイプラインを引けばいいじゃないかといった場合に、日本の電力供給源を、原子力発電を数%から30 %に上げようとしている時期(3.11前)には、なぜわざわざ引いて、そのコスト負担をどうするのかとか、もし井戸元で止められたらどうするという議論が出てきた。そもそも非常にコストがかかるパイプラインの部分を誰がやるのか、国が全部やってくれるのかという議論になるので、天然ガスを持ってきて、ここで産業をつくるというのは、日本の置かれているこの特殊事情では難しいと思われる。パイプラインとは違うフェーズで、それよりも勝るような新しい材料を利用した供給システムをつくり上げるという技術立国的な発想が必要だろう。 天然ガスが仮に潤沢に出てきて、地産地消で余ってくるようなところがあれば、それを付加価値の高いものに変える技術を日本が輸出して産業を起こすことが、外から褒めてもらえるということなのかなと思う。あなたの国に産業を起こしてあげる、技術を提供するから、安いエネルギー源を下さいと言えるようなやり方をつくるということだ。そこを上手にやる必要がある。天然ガスシフトの時代は何がしかのスパン続くと考えれば、それに必須の技術を日本がつくっていけば、恐らく国際的にも有利な立場になり、安く供給もしてもらえるであろうし、利用もできるであろう。そういう長期ビジョンが必要だろう。 3. メタンの原料としての利用 埋蔵量が豊富な天然ガス等に含まれるメタンをはじめとするアルカンガス資源を直接化成品などに変換するプロセスは、高圧下でのメタンと酸素の反応は爆発の危険がある、ナフサの熱分解よりもさらに多くのエネルギーを消費するなど難度が高く、メタンの改質によって生成する合成ガス(COとH2)を経由するなどの間接的なプロセスを利用しているのが現状である(図1)。この間接的なプロセスは反応温度が800~1000℃と高く、エネルギー変換効率から経済性に難がある。一方、メタンのC-H結合解離エネルギーは431kJ/molと高いため反応性に乏しい。 現代社会が直面する石油依存という問題からの脱却や二酸化炭素排出低減を可能にするには、メタンのC-H結合を容易に活性化させるという直接的な形で転換し、化学原料に変える触媒技術が必要になる時代が来ると考えている。 日本の化学産業の現状を見ると、バルクケミカル生産はほとんどなくなる方向に行くだろう。メタン4/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 フ技術が触媒として何か出たとしても、それは海外でやらざるを得ないと思う。ナフサクラッカーのかわりにメタンを持ってきて、合成ガス経由でメタノールのMTO(Methanol to Olefin)をやった場合にどうなのかというと、経済性に難があり、ほとんど償却が払えない。ナフサクラッカーの償却が済んだプラントに対して、そこを経由してしまうと、ほぼトントンか、あるいは償却費を乗せるとかえって高くなってしまう。つまり、国内で新設すると利益がとれないという構造になってしまう。 天然ガスの液体燃料化(GTL)は基本的に燃料である。なるべく安く使いたいというのが燃料の仕組みである。一方、化学品は加工度を上げていけばだんだん値段が上がっていく、価値が上がっていくことがあるので、付加価値を与えて、その値差で、多少かかった投資をカバーするという考え方はできる。そういうところで、小規模でもいいから始めるというやり方はあるかもしれない。 2014年にBPが5000トン/日という巨大なメタノールプラントを北米の太平洋側につくる計画を発表した。これはシェールガス由来のメタンを改質して、合成ガスにして、メタノールをつくる。その巨大なメタノールを中国の大連に運んで、大連には100万トンクラスのエチレン、プロピレンをつくるという計画を具体的に打ち出した。現在のエチレン、プロピレンよりも、ひょっとすると安いくらいの価格にできると言っている。このように海外で安くメタノールをつくって、それを運んできて、日本のプロピレンの新しいコンビナートをつくるということもありうるのではないかと思われる。しかし、それだと、同じ工場で安くつくれる国はいくらでもある。オレフィンをつくる技術もデファクト化しているから、日本がそこで差異化することはできなくなっている。そういうことをやるのなら、もうひと工夫、新しい技術でやらないといけない。合成ガス経由で物をつくることに関しては、全部似たり寄ったりなので、日本がやっても、世界の中では太刀打ちできない時代になっている。 メタノールを原料としての化学品はありえる。中国では、メタノールを原料にしてパラキシレンをつくるプラントが動き始めた。メタノールなら海外でつくって日本に運ぶ。メタノールを持ってきて、日本でプロピレンからたとえばアクリル酸をつくるとか、そういう新しいコンビナートがあってもいいと思われるが、メタノールは日本にとっては黒船なのではないかと、少し危機感を持っている。今、世界中でメタノールの生産量は6000万トンくらいだ。それが多分、数百万トンという形でマーケットに流れ出てくることが想定される。メタノールタンカーが津軽海峡(中央部は公海)を通る可能性がある。数十万トン/年というメタノールが太平洋から津軽海峡を通って中国に抜けると考えると、目の前を大量のメタノールが通過する中で、日本は何もできずに指をくわえて見ているしかない状況が果たしてずっと続くのかどうか。それに対して、「このメタノール、うちにも分けてもらえませんか」となったときに、日本の化学産業がそれをどう使いこなしていけるのかという視点がどうなるのか。日本の化学産業は恐らく「それは今のところ考えてない」と言うかもしれないが。 5/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 サ学の世界では2018年問題ということを言い始めている。シェールの話と中国のCTO(Coal to Olefin)の話があって、実際、安いエチレンやプロピレンのマーケットへの流出は、工場の稼働が本格的に始まると、2018年くらいになってくる。そうすると、国内は大打撃を受けるに違いないと思っている人はやはり多い。その中で日本は、今、技術がないから、当面は急場しのぎとして機能化のほうにシフトしていく、誘導品のほうに力を入れていくということだが、それだとじり貧になる。多少でも5年、10年という尺度で見て、次の技術戦略を考える、それをビジネスに持っていくような戦略を考えることが間違いなく必要だ。 日本の化学産業のエネルギー効率(一定の金額を商品として売ったときのCO2排出量:CO2原単位)は、先進国の中で日本は圧倒的に少ない。エチレン換算で650万トンも生産しているのに、世界の中で圧倒的に低いエネルギー効率が出ているということは、機能化学化が進んでいる証だ。ポリエチレン、ポリプロピレンにしてみても、チーグラー・ナッタ触媒ではなく、メタロセン触媒で気のきいたものがつくれる。200円/kgではない、400円/kgのものを大量にさばけるのが日本の特徴で、技術力が高い。そのことは、これから化学産業を起こすところから見ると、かなり魅力がある。技術でもって、そんなに量をいっぱい使わなくても利益をもたらすことができる技術を提供する。その見返りとして安いメタノールを持ってくるという構造を考える。あくまで技術オリエンテッドで、それを糧にして変えていく仕組みを考えないと、多分動かないのではないかと思われる。 日本のパイロットプラントは小さい。こんなのを海外に持っていくと、ベンチプラントと一緒じゃないかと言われかねないくらいの規模なので、こういうのは国の事業として、国の戦略として革新技術をつくって、海外に日本が技術を売るための戦略をつくる。そこまでいかないと、話は進まない。化学会社は化学会社だけではだめで、商社が絡む、エンジニアリング会社が絡む。海外の企業とベンチャーを組み、現地で金を向こうから出してもらう。そういうことまで含めて考えなければいけない時代に来ている。エンジニアリング的な見方は必要である。昔のC1化学のときに、触媒学会では、メタンカップリングに取り組んだ。あのとき、触媒しか見なかった。プロセスという見方をしなかったから、これを発電と組み合わせたらどういうふうになるのだという視点は、当時ほとんどなかった。21世紀に入ると、エネルギーの需給問題がすごく大きくなってきているので、プロセス全体で見なければいけない。触媒をどのように上手に使いこなせばいいかというエンジニア的な思考をもう少し強く打ち出したほうがいいだろう。 4. メタン化学へのアプローチ メタンなどのアルカンガス資源を直接、化成品などに変換するプロセスは難度が高く、メタンの改質によって生成する合成ガスを経由するなどの間接的なプロセスを利用しているのが現状だ。 6/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 uメタンのC-H結合を容易に活性化させる」という高難度の課題を克服するには、高度な触媒技術を生み出す取り組みが必要となる。そのためには、近年進化しているデータ科学、計算化学、計測技術などと連携することによって、今まで蓄積された触媒に関する経験知を飛躍させることが重要となろう。高付加価値品(潤滑油やワックス、化学品など)の収率を大幅に上げ、従来の石油製品による高付加価値財の市場を置き換えることが目標となろう。 難度が高いメタンを反応基質とする研究が基軸に据えられ、エタンやプロパンなどの低級アルカンを反応基質とする反応については、既知の方法に比べ圧倒的に高活性・高選択性を目指す革新的な触媒研究が求められる。研究の姿勢としては、異分野との交流を図り、日本にとって、「エネルギーと原料問題は、克服できないハンディキャップ」といった通説を疑うことが大事になろう。 立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(Core Research for 国Evolutionary Science and Technology:CREST)では、以下のような具体的な研究対象が挙げられている。 雰囲気や温度の変化に応じて、合金相が自発的に形成するナノ細線状の相分離構造を触媒活性中心として利用することによって、高度な炭素被毒(コーキング)耐性と優れたメタン転換 ①触媒を実現する。 ② メタンの直接酸化反応を常温常圧で行う酵素反応の理論研究を基盤とし、これを均一系および不均一系触媒に展開して、革新的な人工触媒を実現する。 ③ 後周期遷移金属オキシラジカル種の酸化機能に注目し、低級アルカンの温和な条件下における水酸化反応を可能とする触媒技術を実現する。 ④ 地球上には年間10億トンのメタン酸化を実現する微生物が存在する。このメタン酸化反応の分子機構と原理を解明し、合成生物学により工業生産へ転換可能な触媒を実現する。 ⑤ ヘム鉄(鉄ポルフィリン錯体)を活性中心とする長鎖脂肪酸水酸化酵素のシトクロムP450BM3に、長鎖脂肪酸に似た構造を持つ疑似基質(デコイ分子)を取り込ませることにより、メタンが優先的に結合する反応空間を実現し、常温常圧でのメタン水酸化が可能なバイオ触媒系を創出する。 ⑥ メタンと酵素の反応サイトを分離した異核金属クラスターを階層構造に組み込み、生成物の再酸化を抑制した高効率な触媒を設計する。 ⑦ コンビナトリアル計算化学・ナノ構造解析に基づき、金属超微粒子と酸化物とを融合した触媒を調整し、エクセルギー解析によりプロセス全体を評価する。 7/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ネ上 ⑧ マテリアルズ・インフォマティクス(ビッグデータとシミュレーションを駆使した材料開発)を構築し、触媒物質候補を効率的に予測した上で、メタンの直接転換反応におけるC-H結合活性化と官能基化に対して、空間・時間的な反応場分離の概念を組み込んだ反応場分離型触媒を開拓し、エチレン・ベンゼン・メタノールほかの選択合成を実現する。 1世紀に入ってから実現した天然ガスの大供給余力を背景に、天然ガスサプライチェーンの充実、 2天然ガスの利用技術の普及が望まれるところだ。 <参考図書> ・ 日刊工業新聞社「天然ガスシフトの時代」、2012年12月25日発行、伊原賢 末廣能史 著 ・ 石油学会 月刊誌ペトロテック2016年10月号 座談会「メタン戦略を考える」、伊原賢 参加 8/8 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)技術部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 アジア
国1 日本
地域2
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地域3
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地域4
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地域5
国5
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国6
地域7
国7
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国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,日本
2017/08/01 伊原 賢
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