原油市場他:ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾来襲で攪乱される原油価格
| レポートID | 1004740 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-09-19 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 市場 |
| 著者 | 野神 隆之 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2017 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/9/18 調査部:野神 隆之 原油市場他:ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾来襲で攪乱される原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では8月下旬前半頃迄は夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期に伴い製油所の稼働が高水準を維持するとともに、原油精製処理が進んだこともあり、原油在庫は減少傾向となったが、それ以降はハリケーン「ハービー(Harvey)」のメキシコ湾岸地域来襲に伴う製油所の稼働低下により増加に転じており、平年幅を超過する状態が続いている。他方、8月下旬前半頃迄は季節的にガソリン需要が盛り上がったものの前年程ではなかったことから、ガソリン在庫は比較的緩やかに減少していたが、それ以降はハリケーンの来襲に伴う製油所の稼働停止でガソリン生産に支障が発生したことから、当該在庫の減少は加速したものの平年幅は超過している。また米国の物流活動等が堅調であったものの、製油所の稼働が高水準であったこともあり、留出油在庫は8月下旬前半頃までは増加傾向を示したが、それ以降はハリケーンの来襲による製油所の活動停止で生産が低下したことから在庫が減少、平年幅上方付近に位置する量となっている。 ② 2017年8月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国で減少となった他、日本においても夏場のドライブシーズン到来等に伴う石油需要の盛り上がりで製油所での原油精製処理が進んだことから原油在庫は減少した。欧州では夏場の自動車用燃料需要期の中、域内の複数の製油所で不具合が発生し操業が停止したことから、原油精製処理が制限されたこともあり、原油在庫は減少したものの、その幅は限定的であった。このため、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している。製品在庫については、季節的な暖房用需要低下に伴いプロパン在庫が増加したことにより、米国では増加となった他、欧州でも、製油所の不具合が発生したものの、かえって他地域からの調達が進んだと見られることからガソリンや中間留分を中心として製品在庫は増加した。また、日本においても、暖房用石油製品の不需要期により灯油在庫が増加したことから、石油製品全体の在庫は増加した。結果として、OECD諸国全体としての石油製品在庫は増加となり、量としては平年幅上方付近の量となっている。 ③ 2017年8月中旬から9月中旬にかけての原油市場は、米国原油生産及びその見通し、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲に伴う製油所の操業停止と原油需給緩和懸念等が原油相場に下方圧力を加えた反面、原油在庫等の減少、米国石油坑井掘削装置稼働数の伸び悩み、ハリケーン通過後の製油所の操業再開と原油購入増加観測、OPEC事務局や国際エネルギー機関(IEA)による世界石油需要の上方修正等が原油相場に上方圧力を加えた結果、原油価格はWTIで1バレル当たり40ドル台後半の範囲を中心に推移しつつも全体としては上昇傾向となった。 ④ 今後は、秋場の石油不需要期到来に伴う製油所の稼働低下と原油購入不活発化等が原油相場の上昇を抑制する反面、米国石油坑井掘削装置稼働数等の伸び悩みの兆候が原油相場を下支えする結果、当面原油相場は比較的限られた領域にとどまる可能性がそれなりにあると見られる。そのような中で、OPEC産油国等による減産延長の協議、地政学的リスク要因、ハリケーン等暴風雨等が原油相場を変動させることが考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2017年6月の米国ガソリン需要(確定値)は日量977万バレルと前年同月比で1.6%程度の増加となり(図1参照)、速報値(前年同月比で0.3%程度減少の日量958万バレル)から上方修正されている。同月の米国のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.460ドルと前年同月(同2.467ドル)に比べ、0.007ドル(約0.3%)割安になっているうえ、2017年5月の価格(2.503ドル)から下落するなど、比較的安定していることに加え、6月の可処分所得が前年同月を2.7%程度上回っていることもあり、6月の米国自動車運転距離数が前年同月比で1.2%の増加となったことが、ガソリン需要の伸びに反映されているものと考えられる。また、2017年8月の同国ガソリン需要(速報値)は日量957万バレル、前年同月比で1.3%程度の減少となっている。8月25日の週には日量985万バレルと、1991年2月以降の週間統計史上最高水準に到達した(7月31日に到達した日量984万バレルの週間統計史上最高記録を更新)ものの、8月のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.494ドルと、前年同月比では0.210ドル(約9.1%)上昇していることが、ガソリン需要を抑制する格好となった可能性があるものと考えられる。他方、米国では夏場のドライブシーズンに突入していたこともあり、8月25日の週には製油所での原油精製処理量が日量1,773万バレルと1982年後半以降の週間統計史上最高記録に到達する(8月4日の週に到達した日量1,757万バレルの週間統計史上最高記録を更新)など高水準を保つ(図2参照)とともに、石油製品生産活動も活発に行われたと見られる(最終製品の生産については図3参照)一方、前述の通りガソリン需要も夏場の需要期で高水準ではあったものの前年程ではなかったことから、ガソリン在庫は8月中~下旬前半頃においては比較的緩やかな減少傾向を示した。しかしながら、8月下旬後半の時期を中心として、米国メキシコ湾岸地域にハリケーン「ハービー(Harvey)」が来襲したことにより、地域の製油所の操業が大幅に低下した。このため製油所でのガソリン生産活動に支障が発生した結果、ガソリン在庫の減少が加速することになった。ただ、それでも在庫量としては平年を上回る状態を維持している(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 2017年6月の同国留出油需要(確定値)は日量397万バレルと前年同月比で3.0%程度の増加となったが、速報値である日量411万バレル(前年同月比6.6%程度の増加)からは下方修正されている(図5参照)。当月の同国からの留出油輸出量が速報値段階では日量118万バレルと推定されるところ、確定値では同159万バレルと相当程度上方修正されたことで、この分が速報値から確定値に移行する段階で国内需要から輸出に繰り入れられたことが、当該需要の下方修正の一因になっているものと見られる。他方、同国の鉱工業生産が2017年6月は前年同月比で2.2%程度伸びるとともに、同国の物流活動は同2.8%程度増大したことから、留出油需要も増加したものと考えられる。また、2017年8月の留出油需要(速報値)は日量411万バレルと、前年同月比で6.0%程度の増加となっている。この増加は、米国経済が堅調であることに伴う活発な物流活動が一因であるとは見られるものの、速報値ベースでの留出油輸出数量が低く推定されたことにより、本来輸出量として計上される数量が国内需要で算定された結果、需要が上振れしている可能性も考えられる(因みに2017年1~6月の米国留出油輸出量は速報値から確定値に移行する段階で上方修正されていた)。このため、当該輸出量が速報値から確定値に移行する段階で上方修正されることにより、速報値では国内需要で計上されていた量の一部が輸出に振り替えられる結果、速報値から確定値に移行される段階で国内需要が下方修正されるといった展開も想定される。そして、留出油の国内向け、もしくは輸出向け需要は堅調であったと見られるものの、製油所の稼働も高水準であったことにより、留出油生産も活発に行われた(図6参照)ことから、留出油在庫水準は8月中旬から下旬前半頃にかけては若干ながらも増加傾向となった。それでも、8月下旬後半頃以降はハリケーンの米国メキシコ湾岸地域来襲に伴う製油所の稼働停止による石油製品生産活動低下で在庫は減少に転じており、9月上旬時点では平年幅の上方付近に位置する量となGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? チている(図7参照)。 2017年6月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で3.3%程度増加の日量2,049万バレルとな Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? チた(図8参照)。ガソリン、留出油やその他の石油製品(エタン等石油化学製品向け需要が堅調である)が伸びたことが同国石油需要の増加をもたらした一因となっていると考えられる。ただ、留出油の需要が速報値から確定値に移行する段階で下方修正されたことが影響し、石油製品全体の需要も速報値(日量2,055万バレル、前年同月比3.5%程度の増加)からは下方修正されている。他方、2017年8月の米国石油需要(速報値)は、日量2,087万バレルと前年同月比で2.9%の増加となった。留出油及びその他の石油製品需要が前年同月比で増加したことが、石油需要の増加に寄与したものと考えられるが、8月のその他の石油製品の需要(速報値)は日量415万バレルと、2016年7月~2017年6月の1年間の当該需要(確定値)(同315~374万バレル)と比較しても高水準であるため、速報値から確定値に移行する段階で下方修正される可能性があるので注意が必要であろう。また、米国では製油所の稼働が高水準を保つとともに原油精製処理も旺盛に行われた一方、米国の原油輸入量が伸び悩み気味となっている(サウジアラビア等OPEC諸国からの減産措置が影響している可能性がある)ことから、同国の原油在庫は8月中旬から下旬前半頃にかけては減少傾向を示した(図9参照)ものの、8月下旬後半頃以降は、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸への来襲により当該地域の製油所の稼働に支障が発生したこともあり、原油精製処理が滞ったことを反映し、在庫が増加する場面も見られた。いずれにせよ、当該在庫は平年幅を超過する状態となっている。そして、原油、ガソリンの在庫量が平年幅を超過している他、留出油在庫が平年幅上方付近に位置する量となっていることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図10及び11参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 017年8月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国で減少となった他、日本においても、夏場のドライブシーズン到来等に伴う石油需要の盛り上がりから、 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? サ油所の稼働も上昇、原油精製処理が進んだことから、原油在庫は減少した。ただ、欧州では夏場の自動車用燃料需要期の中で、7月29日に発生した、オランダのShellのPernis製油所(原油精製処理能力日量40.4万バレル)の火災に伴う稼働停止に加え、域内の複数の製油所で不具合が発生し操業を停止したことに伴い、原油精製処理が制限されたこともあり、原油在庫は前月比で減少したものの、その規模は限定的なものとなった。そして、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している(図12参照)。製品在庫については、季節的に暖房用需要が低下することに伴いプロパン在庫が増加したことが牽引し、米国では増加となった他、欧州でも、製油所の不具合が発生したものの、かえって他地域からの製品調達が進んだと見られることからガソリンや中間留分を中心として製品在庫は増加した。また、日本においても、製油所の稼働上昇とともに石油製品の生産が活発化した反面、暖房用石油製品の不需要期により灯油在庫が増加したことから、石油製品全体の在庫は増加している。結果として、OECD諸国全体としての石油製品在庫は増加となり、量としては平年幅上方付近の量となっている(図13参照)。そして、原油在庫が平年幅を超過している一方で石油製品在庫が平年幅上方付近に位置する量となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を上回る状態となっている(図14参照)。なお、2017年8月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は63.0日と7月末の推定在庫日数(63.7日)から減少している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 8月9日に1,500万バレル台前半の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、8月16日には1,500万バレル強、8月23日は1,300万バレル台半ば程度、8月30日は1,200万バレル台前半、9月6日には1,100万バレル台後半、9月13日には1,100万バレル台前半の水準と、総じて減少傾向となっている。アジアや米国をはじめとする世界の主要市場では、夏場のドライブシーズンに突入したこともあり、ガソリン需要が盛り上がったことに加え、シンガポールからメキシコに向けガソリンが輸出されている(暴風雨「ハービー」が米国メキシコ湾岸に来襲し、当該地域の石油関連インフラが影響を受けたことにより、同国から中南米諸国方面へのガソリン等の輸出に支障が生じたことが背景にあると見られる)こと、アジア地域での製油所が稼働を上昇させ石油製品生産活動活発化していたものの、中国の大連製油所(操業者:PetroChina、原油精製処理能力日量41万バレル)で8月18日に火災が発生した結果ガソリン製造関連装置が停止するなど、ガソリン供給に支障が生じたことなどが、軽質留分在庫が減少傾向を示す一因となっていると考えられる。このように需給が相対的に引き締まる方向に向かっている中で、サウジアラビアやインドネシアの製油所で9~10月にメンテナンス作業を実施する予定である旨伝えられたことが、ガソリン価格に上方圧力を加えたことから、ガソリンとドバイ原油のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? ソ格差(この場合ガソリンの価格が原油のそれを上回っている)は拡大する傾向が見られた。さらに、8月下旬半ば頃から9月上旬半ば頃にかけては、ハリケーン「ハービー」が、米国メキシコ湾岸に来襲するとともに、地域の精製施設の操業に影響を与えたことで、米国からガソリンを輸入していた消費国による、代替としてのアジア諸国からのガソリン購入が活発化するのではないかとの懸念が市場で強まったことから、ガソリンと原油の価格差はさらに拡大した。しかしながら、それ以降は、米国でのハリケーン通過後製油所の稼働が再開されつつあることもあり、市場での懸念が弱まるとともに価格差は縮小してきている。 ナフサについては、米国での季節的なガソリン需要の盛り上がりや、比較的高水準のLPG価格(インドでモディ首相が2016年5月1日より貧困層の家庭でのLPG導入普及活動を実施していることもあり、同国でLPG需要が堅調な反面、国内での生産が追い付かないことから、輸入を増加させる方向性であることも影響している可能性もある)に伴う石油化学部門でのナフサ(同部門でLPGと競合している)需要の増加等がナフサ価格を下支えした結果、8月中旬~下旬中頃におけるナフサ価格とドバイ原油のそれとの差は、大半の期間ナフサ価格が原油のそれを若干程度上回っていたものの、原油価格の変動にナフサのそれが追い付かなかったことから、ナフサ価格が原油のそれを下回る場面も見られた。しかしながら、8月下旬後半頃から9月上旬頃にかけては、ハリケーン「ハービー」の米国来襲に伴う石油製品生産活動の一部停止により、欧州諸国が米国や中南米諸国にナフサの一部を振り向ける反面、従来の主なナフサ輸出先であったアジア諸国向けのナフサ供給を引き下げる可能性があることに対する市場の懸念が発生した他、ハリケーン「ハービー」来襲に伴うLPG分離施設や港湾施設等の操業上の障害により米国からのLPG出荷が停止したことから、米国からLPG供給を受けているアジア地域でのLPG価格が上昇したこともあり、ナフサ価格が原油のそれを上回る度合いが拡大する場面も見られた。しかし米国メキシコ湾岸での製油所等の操業再開に伴い、当該製品に対する市場の懸念が後退するとともに、ナフサ価格が原油のそれを上回る度合いは低下してきている。 8月9日には1,100万バレル台後半の水準であったシンガポールの中間留分在庫は、8月16日及び23日には1,300万バレル台後半へとなった。ただ、8月30日には1,200万バレル台後半の量へと減少している。そして、9月6日には1,300万バレル台半ば程度にまで回復したものの、9月13日には1,200万バレル台後半の量へと再び減少している。それでも9月13日の在庫量は8月9日のそれを上回っている。アジア地域での製油所でのメンテナンス作業が終了しつつあるとともに、インドでモンスーン(雨季)に突入したことから、灌漑用のポンプ稼働のため、モンスーン到来前に燃料として使用されGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? トいた軽油から、水力発電由来の電力へとエネルギー源が切り替わることに加え、雨天に伴い道路や建設工事の進捗が鈍化することにより、物流や製造業での軽油の需要が減速したことが、中間留分の在庫に影響したものと考えられる。また、このように中間留分在庫が増加傾向となったことが、例えば当該地域での軽油価格に下方圧力を加えた結果、軽油と原油との価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は8月中旬から下旬前半頃までは概ね縮小する傾向が見られた。しかしながら、8月下旬後半頃以降は、米国メキシコ湾岸へハリケーン「ハービー」が来襲したことにより、当該地域の精製施設の操業が停止したことに伴い、アジア諸国に対する米国からの中間留分の需要が発生したり、米国から軽油等を輸入している欧州が、米国からの輸入が低減することに伴い、中東やアジア諸国等からの軽油の輸入を増加させたりする結果、アジア地域での当該製品の需給が引き締まる可能性があるとの観測が市場で発生したことが、当該製品価格に上方圧力を加えたことから、8月下旬後半頃以降9月上旬頃にかけては軽油と原油の価格差は拡大した。しかしながら、それ以降は米国メキシコ湾岸での製油所が稼働を再開し、米国から欧州方面等への軽油の輸出が回復するとともに、欧州諸国等の中東及びアジア諸国に対する軽油需要が低下するのではないかとの観測が市場で増大したこともあり、軽油と原油の価格差は縮小しつつある。 8月9日には2,300万バレル台半ばの水準であったシンガポールの重油在庫は、8月16日には2,400万バレル台前半、8月23日には、2,400万バレル台後半、そして、8月30日には2,600万バレル前半、9月6日も2,600万バレル台半ば程度の量へと増加傾向を示した。しかしながら、9月13日は2,300万バレル台半ば程度の量へと減少しており、8月9日と比べてそれほど変わらない状態となっている。5~6月にシンガポールの在庫水準が低下した(特に6月7日は1,700万バレル台半ば程度の量と2014年11月26日(この時は1,600万バレル台後半)以来の低水準であった)こともあり、アジアと欧州間での重油価格差が拡大したことにより、欧州方面等から重油がアジア市場に流入したことが、重油在庫増加の一因となっていると考えられる。このように、在庫が高水準であったことに加え、韓国ではHyundai Oilbankの大山(Daesan)製油所(原油精製処理能力日量39.5万バレル)において8月23日~9月22日の予定で残油流動接触分解装置(RFCC)(分解能力日量5.2万バレル)がメンテナンス作業実施により操業を停止したことから、当該製油所からの重油供給が増加するとの観測が市場で発生したことに加え、日本では、8月に入り相対的に冷涼な夏となったことから、空調用の発電部門向け重油需要が不振となった他、そもそも夏場の空調シーズンが終わりに接近しつつあったことが、重油価格に下方圧力を加えたことから、8月末頃までは重油と原油の価格差(この場合重油の価格が原油のそGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 黷コ回っている)は原油価格変動の影響を受けて振幅しつつも、総じて拡大する傾向を示した。しかしながら、ハリケーン「ハービー」が米国メキシコ湾岸地帯に来襲したことにより当該地域の製油所をはじめとする石油製品関連インフラの機能が一時麻痺したことにより、米国からアジア方面への重油輸出に支障が生じるのではないかとの観測が市場で発生したこともあり、8月末から9月初めにかけては一時重油と原油の価格差は縮小した。それでも、ハリケーンの通過に伴いメキシコ湾岸地域の製油所が稼働を再開しつつあることを含め、石油製品関連インフラの機能が復旧しつつあることから、再び重油2017年8月中旬から9月中旬にかけての原油市場は、米国原油生産及びその見通し、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲に伴う当該地域の製油所の操業停止と原油購入低下懸念等が原油相場に下方圧力を加えた反面、米国原油在庫等の減少、米国石油坑井掘削装置稼働数の伸び悩み、ハリケーン「ハービー」通過後の製油所の操業再開と原油購入増加観測、OPEC事務局や国際エネルギー機関(IEA)による2017~18年の世界石油需要の上方修正等が原油相場に上方圧力を加えた結果、原油価格はWTIで1バレル当たり40ドル台後半の範囲を中心としつつも全体としては上昇傾向となり、9月14日には一時1バレル当たり50ドルを超過する場面も見られた(図15参照)。 . 2017年8月中旬から9月中旬にかけての原油市場等の状況 2と原油の価格差は拡大してきている。 8月14日には、この日中国国家統計局から発表された7月の同国原油精製処理量が日量146.8万トン(同約1,075万バレル程度)と前月比で4.4%減少、2016年9月(この時は同146.0万トン、同約1,069万バレル程度)以来の低水準となったことで、同国石油需要鈍化に対する懸念が市場で発生したうえ、 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? ッ日米国エネルギー省(EIA)から発表された「掘削生産性報告(DPR:Drilling Productivity Report)」で、9月の米国主要7シェール生産地域での原油生産量が前月比で日量11.8万バレル増加するとの見通しを明らかにしたこと、8月13~14日にかけ米国政府の軍事・外交関係幹部が、北朝鮮に対し外交的・経済的圧力を加えることで緊張緩和を目指すとともに、北朝鮮に対する軍事的行動の可能性が極度に高まりつつあるわけではない旨示唆したことに加え、8月14日にニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁が、9月に米国政府保有資産の縮小を開始することは不合理なわけではなく、米国経済指標が今後予想通りに展開した場合には、2017年内にもう1回金利引き上げることに賛成する旨発言したことにより、米ドルが上昇したことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.23ドル下落し、終値は47.59ドルとなった。8月15日は、8月14日に中国国家統計局から発表された7月の同国原油精製処理量が前月比で減少したことで、同国石油需要鈍化に対する懸念が市場で発生した流れを引き継いだうえ、8月14日にEIAから発表されたDPRで、9月の米国主要7シェール生産地域での原油生産量が前月比で増加するとの見通しを明らかにした流れを引き継いだこと、8月15日に米国商務省から発表された7月の同国小売売上高が前月比で0.6%の増加と市場の事前予想(同0.3~0.4%程度の増加)を上回ったことに加え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、同国から米国グアムに向けたミサイル発射に関し、米国の行動をもう少し見守ると発言した旨8月15日に朝鮮中央通信が伝えたことで、米国と北朝鮮の対立の関する市場の懸念が後退したことから、米ドルが上昇したことが、原油相場に下方圧力を加えた反面、8月16日にEIAから発表される予定である同国石油統計(8月11日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことが、原油相場に上方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.55ドルと前日終値比で0.04ドルの下落にとどまった。8月16日には、この日EIAから発表された同国石油統計で同国ガソリン在庫が前週比で2万バレルの増加と市場の事前予想(同40~110万バレル程度の減少)に反し増加していたうえ、同じく当該統計で同国原油生産量が前週比で7.9万バレル増加し日量950万バレルと2015年7月17日(この時は同956万バレル)以来の高水準に到達している旨判明したため、米国原油供給の堅調さを市場が意識したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.77ドル下落し、終値は46.78ドルとなった。8月17日には、これまでの原油価格下落に対して値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したことに加え、8月15日までの1週間で米国オクラホマ州クッシングの原油在庫が100万バレル超減少した旨米国石油関連情報サービス会社Genscapeが報告したと8月17日に報じられたことで、NYMEXのWTI先物契約の受け渡し地点での石油需給の引き締まり感を市場が意識したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? スり47.09ドルと前日終値比で0.31ドル上昇した。8月18日には、この日米国石油サービス企業Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で763基と前週比で5基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で700基と同1基の増加)にとどまっていた旨判明したことで、この先米国での原油生産が鈍化するのではないかとの観測が市場で増大したことに加え、8月12日に米国バージニア州シャーロッツビルで発生した白人至上主義団体と反対派との間での衝突に関し、8月15日にトランプ大統領が双方に責任がある旨発言したことを巡る混乱で、トランプ政権の政策実施能力に対し疑問視する向きが市場で増大したことにより、米ドルが下落したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.42ドル上昇し、終値は48.51ドルとなった。この結果原油価格は8月17~18日の2日間で合計1バレル当たり1.73ドル上昇した。 8月21日には、これまでの原油価格上昇に対し利益確定の動きが市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.37ドルと前週末終値比で1.14ドル下落した。8月22日には、同日の米国原油先物市場でのWTIの9月渡し契約終了を前にした持ち高調整が市場で発生したことに加え、8月23日にEIAから発表される予定である同国石油統計(8月18日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したこと、メキシコ湾南部に存在する熱帯低気圧「ハービー」消滅後の低気圧が再び発達することにより、週末にかけ米国メキシコ湾岸に大雨がもたらされることで、洪水により当該地域の製油所の操業に支障が発生する恐れがあるとの懸念が市場で発生したことにより、米国ガソリン先物価格が上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.27ドル上昇し、終値は47.64ドルとなった(なお、NYMEXの2017年9月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、10月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り47.83ドル(前日終値比0.30ドル上昇)であった)。8月23日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油及びガソリン在庫が減少している旨判明したことに加え、メキシコ湾南部に存在する熱帯低気圧「ハービー」消滅後の低気圧が勢力を盛り返し、週末にかけ米国メキシコ湾岸地域に大雨及び強風がもたらされることで当該地域の油・ガス田及び製油所の操業に支障が発生する結果原油や石油製品の供給が脅かされる恐れがあるとの懸念が市場で増大した流れを引き継いだことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり48.41ドルと前日終値比で0.77ドル上昇した。8月24日には、ハリケーン「ハービー」がメキシコ湾を縦断し、8月25日夜もしくは8月26日の早い時間にテキサス州沿岸に上陸すると米国国立ハリケーンセンターが予想したことで、この先当該地域の製油所の稼働が低下するとともに製油所による原油の購入が不活発になるのではないかとの観測が市場で発生したことに加え、8月25日に米国ワイオミング州ジャクソンホールで開催Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? ウれる米国カンザスシティ連邦準備銀行主催の年次総会で、イエレン米国連邦準備制度理事会(FRB)議長及びドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が講演する予定であることから、それらを控えた持ち高調整が市場で発生したこともあり、米ドルが上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.98ドル下落し、終値は47.43ドルとなった。8月25日には、ハリケーン「ハービー」が米国メキシコ湾岸地域に接近しつつあることで、同国メキシコ湾沖合及び陸上イーグル・フォードの原油生産、そして同国原油輸入に影響が出るのではないかとの懸念が市場で増大したうえ、8月25日に実施された講演でドラギECB総裁がユーロ高に関して懸念を表明しなかったことから、ユーロが上昇したことに加え、同日行われたイエレンFRB議長の講演で、イエレン氏が同国の金融政策に言及しなかったことから、米国金融当局による金利引き上げに対する市場の期待が後退したことにより、米ドルが下落したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.87ドルと前日終値比で0.44ドル上昇した。 8月28日には、熱帯性低気圧「ハービー」が米国メキシコ湾岸に来襲したことで、同日朝の時点で日量217万バレルの原油精製能力相当分の製油所の操業が停止したことにより、製油所からの原油需要が落ち込むのではないかとの懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.30ドル下落し、終値は46.57ドルとなった。8月29日も、熱帯性低気圧「ハービー」が米国メキシコ湾岸に来襲したことで、同日朝時点で日量236万バレルの原油精製能力相当分の製油所の操業が停止したことにより、製油所からの原油需要が落ち込むのではないかとの懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり46.44ドルと前日終値比で0.13ドル下落した。また、8月30日も、熱帯性低気圧「ハービー」が米国メキシコ湾岸に来襲したことで、同日朝時点で日量387万バレルの原油精製能力相当分の製油所の操業が停止したことにより、製油所からの原油需要が落ち込むのではないかとの懸念が市場でさらに増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.48ドル下落し、終値は45.96ドルとなった。この結果原油価格は8月28~30日の2日間で合計1バレル当たり1.91ドル下落した。8月31日には、これまでの原油価格下落に対して値頃感から原油を買い戻す動きが市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり47.23ドルと前日終値比で1.27ドル上昇した。9月1日には、熱帯性低気圧「ハービー」が米国メキシコ湾岸に来襲したことで、9月1日朝時点で日量308万バレルの原油精製能力相当分の製油所の操業が停止したものの、8月30日朝時点での操業停止能力からは停止規模が縮小していることにより、製油所からの原油需要低迷継続への懸念と当該需要回復への期待が市場で交錯したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.06ドルの上昇にとどまり、終値は47.29ドルとなった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? 月4日は、米国レイバーデー(労働祭)の休日に伴い、NYMEXでの通常取引は実施されなかったが、9月5日には、暴風雨「ハービー」通過後、米国メキシコ湾岸地域の製油所等の復旧が進みつつあることから、製油所での原油需要が増加するとの観測が市場で発生したことに加え、サウジアラビアとロシアがOPEC及び一部非OPEC産油国による減産の延長につき協議した旨、ロシアのノバク エネルギー相が発言したと9月5日に報じられたことで、減産延長と石油需給引き締りに対する市場の期待が増大したこと、FRBのブレイナード(Brainard)理事が、同国の物価上昇率が目標を下回っているので、さらなる金融引き締めについては慎重に実施すべきである旨示唆したことで、金融当局による追加の金利引き上げ政策に対する期待が市場で後退したことにより、米ドルが下落したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり48.66ドルと前日終値比で1.37ドル上昇した。9月6日も、暴風雨「ハービー」通過後、米国メキシコ湾岸地域の製油所等の復旧が進みつつあることから、製油所の原油需要が増加するとの観測が市場で発生した流れを引き継いだことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.50ドル上昇し、終値は49.16ドルとなった。この結果原油価格は9月5~6日の2日間で合計1バレル当たり1.87ドル上昇した。ただ、9月7日には、暴風雨「ハービー」後も、複数の暴風雨が大西洋圏及びメキシコ湾内に存在することで、それらの暴風雨の米国の原油生産、精製、及び消費への影響に対する不透明感が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.09ドルと前日終値比で0.07ドルの下落にとどまった。9月8日には、ハリケーン「イルマ(Irma)」が米国フロリダ州マイアミに向かいつつあることで、当該地域でのガソリンを含む石油需要低下に関する懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.61ドル下落し、終値は47.48ドルとなった。 9月11日には、暴風雨「ハービー」通過後、米国メキシコ湾岸地域の製油所等の復旧が進みつつあることから、製油所での原油需要が増加するとの観測が市場で増大した流れを引き継いだことに加え、サウジアラビアとベネズエラ、カザフスタン、UAEの石油担当相がカザフスタンのアスタナで個別に協議した結果、必要であれば減産措置の2018年3月以降の延長につき検討する旨意見が一致したと、9月10~11日にサウジアラビア側が発表したことで、減産の延長と石油需給引き締まりに対する市場の期待が増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり48.07ドルと前日終値比で0.59ドル上昇した。また、9月12日も、暴風雨「ハービー」通過後、米国メキシコ湾岸地域の製油所等の復旧が進みつつあることから、製油所の原油需要が増加するとの観測が市場で増大した流れを引き継いだことに加え、OPECと一部非OPEC産油国が、現在2018年3月が期限となっている減産措置につき、3ヶ月を超過する規模で延長を検討している旨関係筋が明らかにしたと9月12日に報じられたことで、石油需給引きGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? ワり期待が市場で増大したこと、9月12日にOPEC事務局から発表された「月刊オイル・マーケット・レポート」でOPECが2017年及び2018年の世界石油需要をそれぞれ日量28万バレル、同35万バレル上方修正したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.16ドル上昇し、終値は48.23ドルとなった。9月13日には、この日IEAから発表された「オイル・マーケット・レポート」で、IEAが2017~18年の世界石油需要見通しを上方修正したことで、石油需給の引き締まり感を市場が意識したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.30ドルと前日終値比で1.07ドル上昇した。また9月14日も、前日(9月13日)にIEAから発表された「オイル・マーケット・レポート」で、IEAが2017~18年の世界石油需要見通しを上方修正したことで、石油需給の引き締まり感を市場が意識した流れを引き継いだうえ、9月14日にドイツ連邦銀行のバイトマン総裁(ECB理事会委員)が、ユーロ圏のデフレに対する不安感は大幅に低下していることから、ECBはこれ以上大規模に資産を購入する必要はなく、むしろ景気刺激策を縮小すべきである旨発言したことから、ユーロが上昇したうえ、同日開催された英国イングランド銀行による金融政策委員会で、同国経済情勢がさらに改善し続けインフレ圧力が増大するようであれば、今後数ヶ月以内に金融緩和措置の解除が必要となりうる旨委員の意見が概ね一致したと発表されたことで、英ポンドが上昇した反面、米ドルが下落したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.59ドル上昇し、終値は49.89ドルとなった他、一時は50.50ドルに到達するなど、8月1日未明から朝にかけての時間外取引時以来の50ドル超過となる場面も見られた。そして、原油価格は9月11日~14日の4日間で併せて1バレル当たり2.41ドル上昇した。9月15日には、これまでの原油価格上昇に対して利益確定の動きが市場で発生したことが、原油相場に下方圧力を加えた反面、7月28日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で749基と前週比で7基の減少(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で687基と前週比で変わらず)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が鈍化するのではないかとの観測が市場で増大したことが原油相場に上方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.89ドルと前日終値と同イラクでは、8月20日に、アバディ首相が、イスラム国(IS)が支配する同国北部のタルアファル(モスルの西方80km)の制圧に向けた作戦を開始した旨明らかにした。また、8月25日には、米国のマティス国防長官が、クルド自治区の首都アルビルで同自治区のバルザニ議長と会談している(9月25日に予定さGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? . 今後の見通し等 3水準であった。 黷驕A自治区のイラクからの独立の是非を問う住民投票が、イラクの対IS作戦での協力面で悪影響を及ぼす旨懸念を表明したと伝えられる)。そして、8月27日にはイラク軍は同国北部タルアファルのIS拠点をほぼ完全に奪還した旨発表した。ただ、8月28日には、バグダッドの北東にあるサドルシティで自動車爆弾テロが発生し、少なくとも12名が死亡したと伝えられるが、これについてISが犯行声明を発表している。また、中部のサマラでも、9月2日に武装集団が発電所を攻撃した結果、労働者7名が死亡した(3時間に治安当局が鎮圧した)が、これについてもISが犯行声明を発表したと9月2日に伝えられる。さらに同国南部地域では部族間対立が高まっているとされる他、当局者の腐敗が地域の行政に影響しつつあり、油田地帯での治安状況に関する懸念が高まる可能性があると指摘されるところである。このような中、イラク南部のナシリアでは、9月14日に相次いで自爆テロ攻撃が行われ、少なくとも84名が死亡したと伝えられるが、これについてもISが犯行声明を発表している。 8月14日には、米国のマティス国防長官が、ペルシャ湾上空の国際空域を飛行中の米軍機に対しイランの無人機が約300mの至近距離にまで異常に接近した旨明らかにした。また、8月15日には、イラン国会でロウハニ大統領が、米国がさらなる制裁を実施し続けるのであれば、イランは数時間で核合意を破棄する旨警告している。他方、8月31日に取りまとめられたIAEAの報告書で、イランの重水貯蔵量は8月上旬現在111トンと、イランと西側諸国等との間で合意した130トンの上限を下回っている他、低濃縮ウランも合意された制限量内となっており、合意を遵守している旨報告した。ただ、9月14日は、米国のトランプ大統領が、米国の金融機関に対するサイバー攻撃や弾道ミサイル開発に関係したと判断した11個人及び団体を制裁対象とする旨決定した。 リビアでは、Sharara油田の原油生産量(通常時日量約28万バレルであるが、後述の減産直前の生産量は日量23万バレル程度とされる)が治安悪化により日量13~15万バレルにまで減少したと8月15日に関係筋が明らかになったものの、同日には、当該油田での生産が回復しつつあるとの関係筋の情報もあった(8月16日には、Sharara油田は通常操業している、と同国国営石油会社NOCが声明を発表している)。また、8月15日にはZueitina石油ターミナルの操業が再開している(8月12日に従業員が労働条件の改善を求めてターミナルの操業を停止し、20ヶ月分の遅延給与の支払い、健康保険、年次休暇、残業代、さらなる港湾メンテナンスを要求したが、これらは満たされる見込みであると関係筋が明らかにしたと8月15日に報じられていた)。しかしながら、Sharara油田とZawiya石油ターミナルと繋ぐパイプラインが警備兵(Petroleum Facility Guard)により封鎖されたことから、8月19日には、同油田での原油生産が停止、NOCは8月20日に当該石油ターミナルからの原油出荷に関し不可抗力条項の適用を宣Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? セした。同油田は8月22日の早い時間には3日間に及んだパイプラインの封鎖が終了したことで、Zawiya石油ターミナルでの出荷に関する不可抗力条項の適用も解除されたとNOCは発表したが、その後当該解除は撤回された(さらなる生産妨害がSharara油田で発生した旨関係筋が明らかにしている)。それでもその後警備兵はパイプラインの封鎖を解除したことにより当該油田は徐々に操業を再開させつつあると伝えられる。また、8月23日にイギリスのジョンソン外相が同国を訪問し(2011年のカダフィ大佐追放運動激化以来初めてであった)、国連が支援する統合政府のシラージュ暫定首相と会談、また8月24日には、同国東部政権を支援するリビア国民軍の指導者であるハフタル将軍とも会談、この場でジョンソン氏はハフタル氏に対し国連と協力し停戦や選挙実施を推進するよう要請した。ただ、他方で、8月19日にはSharara油田とZawiyaの石油ターミナルとを繋ぐパイプラインが再び封鎖された(地域の武装勢力がトリポリ刑務所に拘留中の仲間の1名の解放を要求したことによる)ことで、同ターミナルからの原油出荷に関しNOCが再度不可抗力条項の適用を宣言した。8月23日の早い時間には、NOCから、同油田が操業を再開し、Zawiyaターミナルでの不可抗力条項は解除されたと発表したが、別途、トリポリ南西部にある都市であるジンタンの武装勢力がジンタン地域への石油供給引き上げや地域経済改善を要求し、Sharara油田からのパイプラインの2ヶ所のバルブを閉鎖したことから、同油田の生産は停止したままとなった他、Zawiya石油ターミナルからの原油出荷についても不可抗力条項が適用されたままとなった。また、El Feel油田(原油生産量日量9万バレル)も武装勢力によるパイプライン封鎖により8月27日に生産が停止、同原油を出荷するMerita石油ターミナルからの原油出荷に関して不可抗力条項の適用が宣言された旨8月27日に伝えられる。さらに、Hamada油田(原油生産量日量1万バレル)についてもパイプラインが警備兵(いくつかの要求を出していると伝えられる)によりパイプラインが封鎖されたことから、不可抗力条項の適用を宣言した旨NOCが8月27日(8月28日という情報もある)に明らかにした(El Feel油田及びHamada油田に関してはその後操業を再開したと9月6日に伝えられる)。この結果、8月30日には、NOCが同国の原油生産が日量36万バレル減少しているとの声明を発表している。ただ、9月6日にはSharara油田とZawiya石油ターミナルとの間のパイプラインの封鎖が解除されたことに伴い、同油田は操業を再開したと伝えられる。 シリアでは、8月19日にレバノン軍がシリア国境周辺を支配するISから当該地域を奪還する作戦を開始した旨発表したが、その土地を支配していたISはシリア東部への撤退しつつある旨8月28日に伝えられる。また、9月1日には、ラッカの旧市街地域を完全に奪還した(ラッカの65%程度と推定される)旨クルド人が主導する民兵部隊である「シリア民主軍」(SDF)が発表した(6月6日から奪還作戦を展開していGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? ス)。9月5日には、アサド政権軍が東部のデリソールを包囲していたISと戦闘した結果、ISを駆逐するとともに包囲網を突破、ISが支配していたデリソール付近の油田を奪還した。他方、SDFは、デリソール県でのISの掃討を実施する旨9月9日に表明しており、アサド政権軍とSDFが油田支配等を巡り対立する可能性も指摘される。SDFは現時点ではデリソールには進出しない意向である旨9月14日に対IS戦略を進める米国等有志連合のディロン報道官が明らかにしているものの、9月16日には、SDFがアサド政権軍やロシア軍用機から攻撃を受けた旨発表しており、IS掃討は進んでいるものの、別の面で情勢複雑化の兆しが見られる。また、アサド政権の部隊はシリア全土の85%を制圧した旨ロシア国防省が9月12日に発表している。 ナイジェリアでは、8月11日にニジェール・デルタでShellの操業する原油輸送基地に数百名の抗議集団(雇用の拡大と環境汚染の抑制、インフラ整備等を要求しているとされる)が押し掛け占拠した(2週間の予定と伝えられる)。当該施設は抗議集団の動きを察知した8月10日夜に従業員を避難させ、操業を停止した(9月16日現在当該抗議が終了し操業が再開したとの情報は入っていない)。 カタールでは、5月24日にカタール国営通信のホームページが乗っ取り行為に遭いイランを擁護する旨の内容のタミム首長のコメントが掲載された事件(これによりサウジアラビア等はカタールと断交した)につき、容疑者5名(トルコに所在していたと見られる)をトルコ当局が拘束した旨8月25日にカタールの報道機関であるアルジャジーラが報じている。他方、8月30日には、米国のトランプ大統領が、サウジアラビアのサルマン国王と電話で会談し、カタール問題につき全当事者が外交努力により解決すべきである旨要請した。トランプ大統領はクウェートのサバハ首長とも9月7日に会談したが、その後トランプ氏はカタールとサウジアラビア等との間での仲介の役割を担う意向である旨表明した。また同日トランプ氏はカタールのタミム首長と電話会談を実施し、イスラム諸国が団結することの重要性につき説明した。9月8日には、トランプ氏はサウジアラビアのムハンマド皇太子とも電話会談を実施したとされる。また、その日(9月8日)には、サウジアラビアのムハンマド皇太子とカタールのタミム首長が断交後初めて電話会談を実施した。両者とも協議を通じた問題解決が必要である姿勢を示した。ただ、その後カタール通信が当該会談がトランプ氏により実現した旨報道したことから、これにつきサウジアラビアは事実を歪曲して伝えた(サウジアラビア側は当該協議がカタールの提案で実現と主張)として態度を硬化、同日カタールとの協議を中断する旨明らかにしている。 米国のトランプ大統領は、8月11日に、制憲議会選挙を強行したベネズエラに対し軍事介入も選択肢として否定しない旨発言した。また、ペルー政府も、ベネズエラに抗議し、駐ペルーベネズエラ大使(モGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? 激克=jを追放する旨8月11日に発表した。しかしながら、トランプ大統領の軍事介入の発言に対しては、ベネズエラのパドリノ国防相が非難する旨の発言を行っている他、南米各国(ペルー(8月12日)、コロンビア及びメキシコ(8月13日報道))も批判する旨の声明等を発表している。そのような中、8月13日から米国のペンス副大統領が南米諸国(コロンビア、アルゼンチン、チリ、パナマ)を訪問しており、8月13日にコロンビアのサントス大統領と会談後の共同記者会見で、ペンス副大統領はベネズエラ情勢に関し平和的に解決しうる旨表明した(8月15日のアルゼンチンのクリマ大統領との会談後も同様(外交と経済面で努力する旨)発言)。また、8月14日には米国国防省のマニング報道部長が、軍事的な方策を提示する旨の要請は政権側からは来ていない旨明らかにしている。8月18日には、ベネズエラの制憲議会(マドゥロ政権派が多数)が同国国会(野党が多数)の立法機能を停止し制憲議会が立法権を行使する旨決定した。これに対し国会議長であるボルヘス氏(野党)は当該決定を受け入れない旨の声明を発表、また、同日米国国務省のナウアート報道官が当該決定を強く非難する声明を発表した。そのような中、8月25日には、米国のトランプ大統領は新規発行のベネズエラ国債やPDVSA社債の取引を禁止する追加制裁を実施したが、これについては、同日ベネズエラのアレアサ外相が非難している。また、ベネズエラ政府要人への制裁(7月26日に米国財務省が実施したもの)により、PDVSAのセルパ財務担当副社長が制裁対象となったことから、金融機関がPDVSAからの原油購入者に対し信用状の発行を拒否したことから、一部のベネズエラ産原油の輸出に支障が発生していると8月30日に伝えられる。他方、ベネズエラのマドゥロ大統領は、9月13日にドミニカ共和国のメディナ大統領とスペインのサパテロ前首相の仲介により野党勢力との間で会談を実施する旨9月12日に報じられる。9月14日には、メディナ大統領は同国に加え、メキシコ、チリ、ボリビア、ニカラグアからなる国際監視委員会を設置することで、ベネズエラの両勢力が合意した旨発表、9月27日に再度協議を実施する予定であるとされる。 このように、地政学的リスク要因面では、それぞれにそれなりの動きはある。この中では、まず、油田地帯の中心地である南部での治安の悪化が懸念されるイラクが注目点として挙げられる。モスルをはじめとする北部及び中部地域ではISの掃討が進みつつあるが、治安部隊をこれらの地域に集中させた結果、南部の油田地帯の治安対策が相対的に手薄になっている他、地方当局関係者の不正行為疑惑もあることから、部族等が衝突する場面が見られるなどの報告がなされているなど、政治的な混乱が発生する兆候が見られる。現時点では油田の操業への影響は見られず、従って、原油相場への影響も感じられない。しかしながら、一部地域のISからの支配の奪還が進むにつれ、これまで団結してIS対策に当たってきた同国のシーア派(現政権の中心勢力)、スンニ派、そしてクルド人の足並みが乱れることもありうる(9Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? ?25日には、北部のクルド自治区で独立の是非を問う住民投票が実施される予定であるが、この結果違法暴力行為が発生する恐れがあれば軍事介入を実施する旨アバディ首相は9月16日に警告している他、9月18日にはイラク最高裁判所も当該投票を停止するよう命令している)。そしてこのような足並みの乱れが拡大するようだと、イラク南部を含め全土で治安が悪化、その隙を縫って前述の通りIS(もしくはその残党)をはじめとする集団によるテロ攻撃が発生する確率が上昇するとともに同国の原油生産の持続性に関する懸念が市場で発生、その結果原油相場に上方圧力を加えるといった展開となることも否定できない。 また、ベネズエラにおいても、マドゥロ大統領派が多数を握る制憲議会と、制憲議会に立法権を剥奪された、野党勢力が多数派となる議会との間での協議の場が設けられたものの、この協議で国内の混乱が収まらず、かえって同国の混乱がこの先さらに増大することにより、その影響が同国の石油産業に及ぶとともに原油供給等に支障が発生するようだと、原油相場に上方圧力を加える場面が見られうることが想定される。 さらに、9月3日に実施された北朝鮮による核実験に対し、9月11日には国連安全保障理事会において全会一致で同国への原油、石油製品等の供給制限を含めた制裁の実施が決議された。北朝鮮はこの決議に反発するなど、北朝鮮と米国等他の諸国の間での対立もさらに高まりつつあるように見受けられる面があり、これがさらに深刻化するようだと、北朝鮮を巡る有事に伴い周辺海域におけるタンカーの航行に支障が発生するとの懸念が市場で増大することを通じ、そのような深刻な事態に陥る前に原油を調達しようとするとの心理が市場で働くことから、この面で原油相場に上方圧力を加える反面、当該米国経済等への悪影響による米ドル売却と有事の米ドル購入が入り混じることから、米ドルが乱高下することにより、それが原油相場に反映される可能性もある。 米国では、9月19~20日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される予定である。最近米国では物価上昇率が目標(前年比2%上昇)に到達していないことから、さらなる金利引き上げには慎重になる必要がある旨表明する金融当局者がいることもあり、金利は据え置きになるとの見方が市場で大勢である(9月16日時点では金利据え置きとなる確率は98.6%と見られている)。ただ、9月14日に発表された8月の米国消費者物価指数(CPI)が前年同月比で1.9%の上昇となっており、7月の1.7%からは加速しているところからすると、この先の金利引き上げにつき悲観論一色というわけでもなく、また次回FOMCではFRBが量的緩和の過程で購入した資産の縮小を開始する旨決定する可能性が高いとされる。従ってこれらの面では、米ドルは方向感が見出しにくい部分があるものと考えられる。ただ、トランプ政権の政Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? タ施能力に対する市場の懸念が根強いこともあり、2017年に入って米ドルの下落傾向が続いている。今後もトランプ政権の政策遂行上の混乱が継続したりするようだと、米ドルが下落するとともに原油相場に上方圧力を加える場面が見られる可能性がある。また、10月に入ると、主要米国企業による2017年7~9月期の業績発表シーズンに突入する。これら企業による業績によっては、米国での株式相場が影響を受けるとともに原油相場にそれが反映される場面が見られることもありうる。また、欧州の経済指標類や金融当局関係者による地域経済や金融政策に関する発言でも、それらに関する観測を市場で発生させるとともに、ユーロ、そして米ドルが上下することにより、原油相場が変動する可能性もある。さらに、中国での経済指標類の内容によっては、同国の石油需要に関する市場の観測を増減させることにより、原油相場にそれが反映されることもあろう。 米国では、夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期が終了した。ただ、冬場の暖房シーズン到来に伴う暖房用石油製品需要期が市場の視野に入り始めるのは10月半ば前後ということになる。このため、当面はガソリン需要が低下する反面、暖房用のLPGや留出油需要も盛り上がらないこともあり、製油所の秋場のメンテナンス作業が実施される結果、原油の購入が不活発になってくる。そして、このような季節的な需給の緩和感が市場で醸成されることにより、原油価格の上昇を抑制する可能性がある。ただ、2017年第二四半期以降を中心として米国原油価格水準が低下したこともあり、米国石油坑井掘削装置の稼働数が伸び悩む兆候を見せていることもあり、この先の米国での原油生産量の頭打ち傾向の出現に対する市場の観測から、この面で原油価格が下支えされる可能性がある。以上のような要因により、今後当面原油相場は比較的限られた範囲内で、上昇もしくは下落の明確な傾向を示すことなる推移するといった展開が考えられる。このような中、OPEC産油国や一部非OPEC産油国は2018年第一四半期が期限となっている減産の3ヶ月以上の延長につき協議している旨伝えられる。そしてこのような協議につき、9 月 22 日に開催が予定される OPEC-非 OPEC 共同閣僚監視委員会(JMMC: Joint OPEC-Non-OPEC Ministerial Monitoring Committee)等の機会の際に、さらに内容が具体化するようだと、石油需給引き締まりに対する期待から原油相場を押し上げる場面が見られることもありうる。ただ、それでもWTIで50ドルを超過すると米国でのシェールオイル等の開発・生産活動が活発化するとの観測が市場で増大することから、この水準が持続する可能性はそれ程高くないものと考えられる。 大西洋圏ではハリケーン等の暴風雨シーズンに突入しており(暴風雨シーズンは例年6月1日~11月30日である)、さらに8月後半以降10月前半迄は最もハリケーン等が発生しやすい時期となる。ハリケーン等の暴風雨は、進路やその勢力によっては、米国メキシコ湾沖合や陸上の油田関連施設に影響Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? ^えたり、また、湾岸地域の石油受入港湾施設や製油所等の活動に支障を与えたり(実際に製油所が冠水し操業が停止することもあるが、そうでなくても周辺の送電網を切断することにより、製油所が停電することを通じて操業が停止するといった事態が想定される)、さらには、メキシコの沖合油田操業や原油輸出港の操業等が停止することにより米国の原油輸入に影響を与えたりする(米国メキシコ湾岸地域はメキシコから日量57万バレル程度(2016年)の原油を輸入している)。2017年のハリケーン等暴風雨発生予想は徐々に上方修正されてきている(表1参照)。最近では米国の原油生産に占める陸上の割合が大きくなってきているものの、それでも米国メキシコ湾でもそれなりの量(2016年は日量161万バレル)生産されている他、暴風雨の来襲に伴い陸上の油田関連施設も冠水すること等により操業を停止する場合もあることから、今後もハリケーン等暴風雨の発生状況及び進路、そして勢力等により市場での石油供給懸念が増減する結果、原油相場に影響が及ぶといった展開も考えられる。 全体としては、秋場の石油不需要期到来伴う製油所の稼働低下と原油購入不活発化等が原油相場の上昇を抑制する反面、米国石油坑井掘削装置稼働数等の伸び悩みの兆候が原油相場を下支えする結果、今後当面原油相場は比較的限られた領域にとどまる可能性がそれなりにあると見られる。そのような中で、OPEC産油国等による減産延長の協議、地政学的リスク要因、ハリケーン等の暴風雨などが原油 8月下旬にハリケーン「ハービー」が米国メキシコ湾岸地域に来襲した(勿論暴風雨は勢力の強弱により呼称は変わるが、ここでは便宜上「ハリケーン」とする、以下同様)。今回の来襲に際し、米国では原油価格が下落する反面ガソリン価格が上昇した。また、米国では原油価格が下落したものの、欧州では原Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? . ハリケーン「ハービー」の石油市場への影響 4相場を変動させることが考えられる。 表1 2017年の大西洋圏でのハリケーン等発生個数予想発表日熱帯性低気圧(命名されるもの)うちハリケーンとなるものうち強い勢力*のハリケーンとなるものコロラド州立大学4月6日1142米国海洋大気庁5月25日11-175-92-4コロラド州立大学6月1日1462コロラド州立大学7月5日1583コロラド州立大学8月4日1683米国海洋大気庁8月9日14-195-92-5平年(1981~2010年平均)12.06.52.0*:カテゴリー3(風速時速111マイル(時速178km))以上のハリケーン出所:各機関予測をもとに作成精ソ格が上昇した結果、例えばWTIとブレントに対する割安感が増大している(図16参照)。2005年同時期に来襲したハリケーン「カトリーナ」の際には、米国及び欧州の原油価格が双方とも上昇したことから、例えばWTIとブレントの価格差はそれ程拡大しなかった(むしろ、WTIのブレントに対する割高感が増大した場面が見られたくらいである)(図17参照)。なぜ、2005年の時と今回で原油価格に対する市場の反応が異なるのか。ここでは、その背景と、ハリケーン「ハービー」の来襲に伴う米国等の石油市場への影響についても併せて説明することとしたい。 ハリケーン「ハービー」はメキシコ湾沖合南部を西進し、米国テキサス州南西部のコーパス・クリスティ付近に上陸、その後内陸部で折り返す格好となり、再びメキシコ湾沖合に戻った後再び北上、テキサス州とルイジアナ州の州境付近に再度上陸した(図18参照)。そして、この進路を見ると、米国メキシコ湾沖合の油・ガス田地帯が直撃を相当程度避けるような形でハリケーン「ハービー」は進んでいたことが判明する。この結果、米国メキシコ湾沖合の原油生産(日量170万バレル程度)のうち、ハリケーン来襲に伴い従業員を退避させたことにより、生産活動を停止した油田の生産量は、最も停止した時で、日量43万バレルと、全体の4分の1程度にとどまった他、ハリケーン通過後早期に当該地域の油田は生産活動を開始している(図19参照)。また、今回のハリケーン「ハービー」来襲時に関しては、米国陸上のヒューGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? Xトン~サン・アントニオ周辺に位置する「イーグル・フォード」シェール鉱床での原油生産が8月26日時点で日量30~50万バレル程度停止したと伝えられるが、これもハリケーン通過後操業を再開しつつあると伝えられる。他方、2005年のハリケーン「カトリーナ」来襲時は、当該ハリケーンは米国メキシコ湾沖合を東方から直接北西に向かい、ルイジアナ州ニューオーリンズ付近に上陸した(図20参照)。このため、米国メキシコ湾沖合油・ガス田の多くがハリケーンの進路上に位置することなったことから、当該地域の原油生産量(当時日量150万バレル)の大半が生産活動を停止した(図21参照)他、実際に一部の生産施設に被害が発生したことで、米国メキシコ湾沖合での油田生産停止が長引くことにもなった。このように、今回のハリケーン「ハービー」来襲時は、その進路の関係もあり、米国原油生産への影響がハリケーン「カトリーナ」来襲時に比べると相対的に小規模であったことが判明する。 図18 ハリケーン「ハービー」の進路と米国メキシコ湾沖合油田地帯 ※進路及び油田地帯は必ずしも厳密に正確な位置関係を示しているわけではありません ? 26 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }20 ハリケーン「カトリーナ」の進路と米国メキシコ湾沖合油田地帯 ※進路及び油田地帯は必ずしも厳密に正確な位置関係を示しているわけではありません 他方、ハリケーン「ハービー」は、米国メキシコ湾岸地域を進んでいったことから、コーパス・クリスティ、ヒューストン、ガルベストン、ベイタウン、テキサス・シティ、ボーモント、ポート・アーサーといったテキサス州のメキシコ湾沿岸の製油所の集積地域の多くがハリケーンに伴う暴風雨の影響を受けた結果、当該製油所の操業が8月30日朝の時点で日量387万バレル(能力相当分)停止することになった(これに加え、全面的な操業停止には行かないまでも製油所が減産状態になった結果、石油製品生産活動が鈍化したところもある)。他方、ハリケーン「カトリーナ」来襲時は、その進路がどちらかというと東寄りであり、テキサス州のメキシコ湾岸を直撃したわけではなかったことから、製油所での操業停止規模は限界的であった。また、国外からの原油輸入については、2005年のハリケーン「カトリーナ」来襲の時には米国最大級の石油受入関連施設の一つであるLouisiana Offhore Oil Port(LOOP)(原油受入能力日量100万バレル程度とされる)の操業が影響を受けた(このようなこともあり、米国の原油輸入は当該ハリケーン来襲直前のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 27 ? 005年8月26日の週の日量1,046万バレルから、来襲後の9月9日は同913万バレルへと減少した)。他方、ハリケーン「ハービー」来襲の際には、テキサス州を中心として複数の港湾が操業停止に追い込まれたものの、進路が西に逸れていたこともあり、LOOPの操業は影響を受けなかったことから、米国の原油輸入にどれほど影響を与えるかどうか市場では測りかねる状況であったと考えられる。また、2017年は既に米国ではシェールオイル生産が活発化していたこともあり、国内の原油生産が2005年時に比べて大幅に増加していた(2005年の原油生産量は日量518万バレルであったが、2017年(1~8月推定)は同915万バレルとなっている)こともあり、米国の原油輸入量も大幅に減少していた(2005年は日量1,013万バレルであったが、2017年(1~8月推定)は同692万バレルとなっている)ことから(つまり、エネルギー安全保障の確保の度合いが相対的に高まっていたことから)、ハリケーン「ハービー」が原油輸入に対し与えうる影響に関する市場の懸念がハリケーン「カトリーナ」の時よりも相対的に低下していたとも考えられる。このため、ハリケーン「ハービー」の場合には、原油供給よりも精製部門に対する心理的影響の方が相対的に大きく、米国メキシコ湾沖合及び沿岸地域等で生産される原油が製油所で処理できなくなるとの認識が市場で広がった結果、当該地域での原油供給に対する過剰感が発生したことから、米国原油価格が下落したものと思われる。 他方米国メキシコ湾岸の製油所での操業が大幅に低下したことから、石油製品の生産に支障が発生するのではないかとの懸念が市場で発生した。実際当該地域での製油所の稼働停止に伴い、米国メキシコ湾岸から東部に石油製品を輸送するColonial Pipeline(日量300万バレル超の石油製品を輸送すると言われている)での製品供給が大幅に低下した結果、当該パイプラインが操業停止となる場面も見られた。この結果、9月2~4日の米国での労働祭(レイバーデー)の連休に伴う夏場のドライブシーズン最後の行楽時期のガソリン需要の盛り上がりを控え、同国北東部を含む東部海岸地域では、ガソリン需給逼迫感が市場で醸成された結果、ニューヨーク港(New York Harbor)で受け渡しされるガソリン先物価格は大幅に上昇した。ただ、メキシコ湾岸から東部海岸にかけては原油パイプラインが整備されていないうえ、内航船の運送コストが高水準となっていた(1920年6月5日発効のMerchant Marine Act of 1920(Joens法)で内航船舶を米国籍、米国建造船及び米国人所有、そして米国乗組員の乗船が規定されていることによる)ことから、海運によっても米国メキシコ湾から東部海岸への輸送は事実上困難であった。従ってハリケーン来襲直後は東部海岸地域はメキシコ湾岸からの石油製品を頼りにできなくなったことから、東部海岸地域に存在する製油所の稼働を引き上げて製品の生産を活発化させることになる。そして石油製品を製造するための原油の調達も増加させることになるが、その際の原油はメキシコ湾岸地域でGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 28 ? ヘなく、大半を国外から、ということになる(地域で処理される原油の約4分の3は国外からの輸入である)。そして、東部海岸地域の製油所はメキシコ湾岸地域の製油所ほど高度化が進んでいないため、相対的に西アフリカ等の地域から相対的に軽質で低硫黄の原油を輸入することになる(図22参照)。その結果、大西洋地域での軽質低硫黄原油を中心とした原油需給が引き締り、地域の代表的な原油指標であるブレント原油(そしてこれは軽質低硫黄である)に上方圧力を加えることになる。他方、米国東部海岸地域の製油所の稼働率は夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期であったということもあり、ハリケーン来襲直前の段階で既に相当程度高水準であった(8月25日の週の段階で稼働率95%)ため、原油精製処理をさらに進めて石油製品生産を増加させようとしても限界がある状態であった。このため、米国東部海岸はさらなる石油製品供給不足回避のために手段を模索しなければならなかった。それが、海外からの石油製品輸入の増加である(ガソリン需要期であったことから、この場合主流はガソリンである)。そしてそのガソリン(混合基材が大半である)は主に欧州から輸入されている(図23参照)。米国でのガソリン価格上昇で、欧州の製油所では米国向けガソリン精製利幅が増大したことにより、原油精製処理量を増加させガソリンの生産を活発化させることになる。このため原油の調達が旺盛となるが、欧州の製油所が確保する原油は欧州、旧ソ連、西アフリカ等を中心とする諸国で生産される原油が相当程度を占めることとなり(図24参照)、従ってそれらの原油に対する需要が増加すると欧州とその周辺の地域の指標原油であるブレント原油の価格が上昇しやすくなる。今回のハリケーン来襲時はWTI原油価格が下落、米国ガソリン価格及びブレント価格が上昇したが、その背景にはこのような事情があったと考えられる。ただ、米国メキシコ湾岸地域の港湾の復旧状況にもよる(大半は操業を再開しているが、現時点でも進入できる船舶の喫水に制限が付されている箇所が多いと伝えられる)が、今般米国と欧州での原油価格差が拡大したことに伴い、米国陸上産原油価格の割安感が増大したことから、今後米国からの原油輸出が増加することもありうる。他方、米国メキシコ湾岸地域等では今後ハリケーン通過後の建造物等の復旧に向け、資材の製造、運搬、据え付け等が実施されることになろうが、その際各部門(製造工場、運搬のための機器、建機類等)で軽油の需要が発生するため、この面で当該製品の価格に上方圧力を加える可能性が考えられる。ただ、ハリケーン「ハービー」及び「イルマ」が米国に来襲したことにより、道路網が寸断されたり、建造物等の復旧作業に集中したりしなければならないことから、消費者による乗用車の利用が控えられる結果、不需要期の中でさらにガソリン需要が抑制され、当該製品価格に下方圧力が加わる可能性もある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 29 ? ? 30 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 |
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