原油市場他:ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲等で攪乱される原油市場
| レポートID | 1004746 |
|---|---|
| 作成日 | 2017-10-16 01:00:00 +0900 |
| 更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
| 公開フラグ | 1 |
| 媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
| 分野 | 市場 |
| 著者 | 野神 隆之 |
| 著者直接入力 | |
| 年度 | 2017 |
| Vol | 0 |
| No | 0 |
| ページ数 | |
| 抽出データ | 更新日:2017/10/16 調査部:野神 隆之 原油市場他:ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲等で攪乱される原油市場 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では8月下旬のハリケーン「ハービー(Harvey)」のメキシコ湾岸地域来襲に伴う製油所の操業及び石油製品生産活動の停止もあり9月半ばにかけガソリン在庫は減少傾向となったが、その後は製油所の稼働が再開した一方で夏場の需要期が終了したことにより、在庫は増加に転じたうえ量としても平年幅を超過している。ただ、留出油については需要が堅調であったことから、在庫は減少し続けた結果平年並みの水準となっている。また、ハリケーンの来襲に伴う製油所及び港湾関連施設の操業停止により、原油の精製処理及び輸出が鈍化したことから、9月半ばにかけ米国の原油在庫は増加したものの、その後は製油所と港湾の操業再開で精製処理が進み始めたことに加え輸出が活発化したことから、原油在庫は減少傾向となったが、平年を超過する量は維持されている。 ② 2017年9月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国では減少となった一方で、欧州ではハリケーンの米国メキシコ湾岸地域来襲に伴う当該地域での製油所の稼働と石油製品生産活動の停止で精整利幅が拡大したこと等により製油所の稼働が上昇、原油精製処理が進んだ結果、原油在庫は減少となった他、日本でも当該在庫は減少している。従って、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している。製品在庫については、米国ではハリケーンの来襲による製油所の稼働停止の影響で減少となった他、欧州では、米国での石油製品生産低下に伴いガソリン等が米国や中南米方面に向け輸出されたと見られることから製品在庫が減少、日本でも当該在庫は減少している。この結果、OECD諸国全体でも石油製品在庫は減少となり、量としては平年並みとなっている。 ③ 2017年9月中旬から10月中旬にかけての原油市場は、米国の原油、ガソリン、及び留出油在庫水準の低下や石油坑井掘削装置稼働数の減少等が原油相場に上方圧力を加えた結果、原油価格は9月20日にはWTIの終値で1バレル当たり50ドルを突破、9月25日には52.22ドルと4月18日以来の高値に到達した。ただ、それ以降は9月のOPEC産油国原油生産量増加の報告等が原油相場に下方圧力を加えたことから、10月上旬には原油価格は40ドル台後半に下落した。それでも、OPEC産油国等による減産の再延長に対する市場の期待やイラク中央政府とクルド人自治区の対立激化の懸念、米国のトランプ大統領によるイラン核合意遵守の不認定等により、原油価格は10月中旬には50ドル超の水準に回復している。 ④ 今後は、冬場の暖房用石油製品需要期接近が市場関係者の視野に入ることが原油相場を下支えする反面、原油相場が上昇することに伴う米国のシェールオイル開発・生産活動の加速に対する市場の観測の発生が、原油相場の上昇を抑制する結果、原油価格は比較的限られた範囲で変動するといった展開が想定される。そのような中で、米ドルの変動等の要因が原油相場を攪乱させることが考えられる。ただ、イラクやイラン等中東情勢が緊迫化すれば、市場での石油供給途絶懸念の増大から、原油相場が上振れする可能性も否定できない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2017年7月の米国ガソリン需要(確定値)は日量957万バレルと前年同月比で0.6%程度の減少となり(図1参照)、速報値(前年同月比で1.9%程度増加の日量976万バレル)から下方修正されている。当月の同国からのガソリン輸出量が速報値段階では日量55万バレルと推定されるところ、確定値では同71万バレルと上方修正されたことで、この分が速報値から確定値に移行する段階で国内需要から輸出に繰り入れられたことが、当該需要の下方修正の一因になっているものと見られる。また、同月の米国のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.494ドルと前年同月(同2.284ドル)に比べ、0.21ドル(約9.2%)割高になっているうえ、前月の価格(2.414ドル)からも上昇したこともあり、6月の可処分所得が前年同月を2.6%程度上回ったものの、7月の米国自動車運転距離数が前年同月比で0.8%の増加にとどまった(因みに6月は同1.2%、5月は同2.2%の増加であった)ことが、ガソリン需要の減少に反映されたものと考えられる。また、2017年9月の同国ガソリン需要(速報値)は日量946万バレル、前年同月比で0.3%程度の減少となっている。9月のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.761ドルと、前年同月比では0.434ドル(約18.7%)上昇しているうえ、8月下旬に米国メキシコ湾岸地域にハリケーン「ハービー(Harvey)」が来襲し、一部地域が冠水するなどの被害が発生したことから、それよる道路インフラ機能の麻痺や消費者が家屋等の復旧作業に時間を割かなければならなくなったこと等により、自動車を運転する機会が減少したことが、当該需要の減少に影響している可能性がある。他方、前述の通り米国ではメキシコ湾岸地域にハリケーン「ハービー」が来襲したことにより、当該地域の製油所で操業を停止したところが見られた。このため、原油精製処理量も8月25日には日量1,773万バレルであったものが9月8日の週には同1,408万バレルと日量365万バレルの減少となった。そしてその後製油所の復旧とともに原油精製処理量は増加したものの、10月6日の週の製油所の原油精製処理量は日量1,626万バレルとハリケーン来襲前を下回る状態となっている(図2参照)。これは、9月に入り一部の製油所が秋場のメンテナンス作業を実施したことが影響していると見られる。このようなことから、ハリケーン来襲に伴う製油所の操業と石油製品生産活動の停止によりガソリンの生産量が減少したこと(最終製品の生産については図3参照)により同国の当該製品在庫水準は9月半ばにかけて低下したが、その後は製油所の稼働が上向いた一方で、夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期が終了したことに伴い当該製品需要が抑制されたことから、9月後半以降ガソリン在庫は増加傾向となり、在庫量としては平年を上回る状態を維持している(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 2017年7月の同国留出油需要(確定値)は日量371万バレルと前年同月比で3.1%程度の増加となったが、速報値である日量423万バレル(前年同月比17.6%程度の増加)からは相当程度下方修正されている(図5参照)。当月の同国からの留出油輸出量が速報値段階では日量114万バレルと推定されるところ、確定値では同170万バレルと大幅に上方修正されたことで、この分が速報値から確定値に移行する段階で国内需要から輸出に繰り入れられたことが、当該需要の下方修正の一因になっているものと見られる。他方、同国の鉱工業生産が2017年7月は前年同月比で2.4%程度伸びるとともに、同国の物流活動が同3.1%程度拡大したことから、留出油需要が増加したものと考えられる。また、2017年9月の留出油需要(速報値)は日量399万バレルと、前年同月比で2.1%程度の増加となっている。この増加は、米国経済が堅調であることに伴う活発な物流活動が一因であると見られる(また、ハリケーンの通過後の復旧活動の過程で、資機材の製造、輸送、据え付け等の各部門で一時的な軽油需要が発生している可能性も考えられる)ものの、速報値ベースでの留出油輸出数量が低く推定されたことにより、本来輸出量として計上される数量が国内需要に織り込まれた結果、需要が上振れしている可能性も考えられる(因みに2017年1~7月の米国留出油輸出量は速報値から確定値に移行する段階で上方修正されていた)。このため、当該輸出量が速報値から確定値に移行する段階で上方修正されることにより、速報値では国内需要に計上されていた量の一部が輸出に振り替えられる結果、速報値から確定値に移行される段階で国内需要が下方修正されるといった展開も想定される。他方、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲に伴う製油所の稼働とともに留出油の生産活動も停止した(図6参照)一方、ハリケーン通過後には製油所の稼働は回復したものの、その度合いが緩やかなものとなった。そのような中、需要(もしくは輸出)は堅調であったと見られることから、留出油在庫水準は9月中Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? {から10月上旬にかけては減少傾向となり、10月上旬時点では平年並みの量となっている(図7参照)。 2017年7月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で1.2%程度増加の日量2,020万バレルとなった(図8参照)。留出油やその他の石油製品(エタン等石油化学製品向け需要が堅調である)が伸び Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? スことが同国石油需要の増加をもたらした一因となっているものと考えられる。ただ、留出油の需要が速報値から確定値に移行する段階で下方修正されたことが影響し、石油製品全体の需要も速報値(日量2,093万バレル、前年同月比5.8%程度の増加)からは下方修正されている。他方、2017年9月の米国石油需要(速報値)は、日量2,021万バレルと前年同月比で2.3%程度の増加となった。留出油及びその他の石油製品需要が前年同月比で増加したことが石油需要の増加に寄与したものと考えられるが、9月のその他の石油製品の需要(速報値)は日量377万バレルと、2016年8月~2017年7月の1年間の当該需要(確定値)(同315~382万バレル)と比較しても高いほうの部類に入るため、速報値から確定値に移行する段階で下方修正される可能性があるので注意が必要であろう。また、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾来襲に伴う製油所及び港湾施設の操業停止に伴い、原油の精製処理や輸出が進まなくなったことから、9月半ばにかけ原油在庫は増加したものの、その後は、製油所の稼働が回復するとともに原油精製処理が進み始めたうえ、港湾での操業が再開するとともに原油輸出量が大幅に増加した(ハリケーン来襲に伴う米国メキシコ湾岸での原油精製処理活動鈍化による原油在庫増加懸念等から、WTIがブレントに比べ価格面で割安となったことが背景にある)ことから、原油在庫は減少傾向となった(図9参照)ものの平年幅は超過している。そして、原油、ガソリンの在庫量が平年幅を超過している他、留出油在庫が平年並みの量となっていることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図10及び11参照)。 ? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2017年9月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、米国ではハリケーン「ハービー」通過後の製油所での稼働上昇と原油精製処理活動の回復に加え、輸出が旺Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? キとなったこともあり、減少となった一方で、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲に伴う当該地域での製油所の稼働と石油製品生産活動の停止により、石油製品需給の引き締まり感が市場で醸成された結果、石油製品と原油との価格差(つまり精製利幅)が拡大したことや、オランダのPernis製油所(操業者:Shell、原油精製処理能力日量40.4万バレル、7月29日に火災発生後操業を停止)で大部分の施設が操業を再開した(8月24日同社発表)こともあり、欧州での製油所の稼働が上昇、原油精製処理が進んだ結果、原油在庫は減少となった。他方、日本においても9月末の原油在庫は前月末比で減少となっているが、当該在庫は10月に入り相当程度増加している(10月7日時点の原油在庫は8月末のそれを上回っていると推定される)ことから、この現象は一時的なものと思われる。ただ、いずれにしても、9月末時点では米国、欧州及び日本で原油在庫は前月比で減少したと見られることから、OECD諸国全体としても原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している(図12参照)。製品在庫については、米国ではハリケーン「ハービー」の来襲による製油所の稼働と石油製品生産活動停止の影響で減少となった他、欧州では、米国での石油製品生産低下に伴いガソリン等の米国や中南米方面向け輸出が活発化したと見られることから、製品在庫は減少した。また日本においても、製品在庫は減少しているが、9月30日の週の石油製品輸出がその前後の週に比べて突出していることが影響しており、これもハリケーン「ハービー」の来襲に伴うものである可能性がある。従って米国、欧州、日本のいずれの地域においても製品在庫が減少したことから、OECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となり、量としては平年並みとなっている(図13参照)。そして、原油在庫が平年幅を超過している一方で石油製品在庫が平年並みの量となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を上回る状態となっている(図14参照)。なお、2017年9月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は62.2日と8月末の推定在庫日数(63.7日)から減少している。 ? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 9月13日に1,100万バレル台前半の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、9月20日には1,100万バレル台半ばの量へと増加したものの、9月27日は1,100万バレル弱の量へと減少した。ただ、10月4日は1,200万バレル弱、10月11日には1,200万バレル強の水準へと回復している。夏場のドライブシーズンが終了するとともにガソリンは不需要期に突入しているが、メキシコの太平洋岸にあるSalina Cruz製油所停止(原油精製能力日量33万バレル、6月14日に発生した火災により操業を停止、10月半ばに操業を再開する予定であると伝えられる)に伴い、同国によるシンガポールを含むアジア市場からのガソリン調達が活発化しているうえ、中国の大連製油所(操業者:PetroChina、原油精製処理能力日量41万バレル)で8月18日に火災が発生した結果ガソリン製造関連装置が停止するなどガソリン供給に支障が生じたこと(操業再開は12月下旬となると見られている)に加え、アジア諸国等で秋場の製油所のメンテナンス作業実施による石油製品の生産低下に伴い、国外市場への石油製品輸出が鈍化するとともに、国外市場からの石油製品調達が実施されるなどし始めていること等が、軽質留分在庫の増加傾向を緩やかにさせる一因となっていると考えられる。ただ、米国メキシコ湾岸地域にハリケーン「ハービー」が来襲したことに伴い操業を停止した当該地域での製油所がハリケーン通過後操業を再開するとともに石油製品生産が回復し始めたことから、アジア諸国に対する石油製品需要が低下するとの観測が市場で広がったこともあり、ガソリンとドバイ原油の価格差(こGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? フ場合ガソリンの価格が原油のそれを上回っている)は縮小する傾向が見られる。 ナフサについても、欧州やアジアで製油所のメンテナンス作業時期に突入しつつあることから、当該製品の供給低下に関する懸念が市場で発生しているうえ、石油化学部門で競合するLPGの価格が、冬場の暖房需要期の接近が市場関係者の視野に入り始めたことに加え、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲がLPG分離装置や港湾等の出荷施設に影響を及ぼした結果、米国からアジア方面への供給に支障が発生したこともあり、高水準で推移した(また、インドでモディ首相が2016年5月1日より貧困層の家庭でのLPG導入普及活動を実施していることもあり、同国でLPG需要が堅調な反面、国内での生産が追い付かないことから、輸入を増加させる方向であることも影響している可能性もある)結果、LPGの代わりにナフサの調達が活発化したこと(またプラスチック需要が回復しているとも伝えられており、これは中国とはじめとするアジア諸国での経済が落ち着いていることを示唆している)から、ナフサ価格はドバイ原油のそれを上回りつつ、その度合いは拡大しつつある。 9月13日には1,200万バレル台後半の水準であったシンガポールの中間留分在庫は、9月20日には1,100万バレル台前半、9月23日には1,000万バレル台半ば程度へと減少傾向となった。また、10月4日には1,000万バレル台後半の量、そして、10月11日には1,000万バレル台半ば程度の量と、下げ止まる兆候も見られるものの、反転しつつあるようにも見受けられない。アジア諸国において製油所が秋場のメンテナンス作業を実施し始めることから、国外市場への製品の供給が低下しつつある反面国外市場からの製品の調達が活発化しつつあることや、米国でのハリケーン「ハービー」の来襲に伴う製油所の稼働及び石油製品生産の停止に伴い、南米諸国が米国の代わりにアジア市場から軽油を調達していることが、当該在庫を減少させる方向で作用していると見られるものの、インドでモンスーン(雨季)が終了に接近しつつあることから、灌漑用のポンプ稼働のため軽油を燃料として使用し始めるうえ、これまで雨天に伴い鈍化していた道路や建設工事が雨季終了とともに活発化することに伴い資機材の製造や輸送部門での軽油需要が回復すると予想されてはいるものの、現時点では当該需要が十分に顕在化しているようには見受けられないことが、アジア地域での中間留分在庫のさらなる減少を抑制している可能性がある。このようなことから、ドバイ原油価格の変動に中間留分価格が追い付かなかったことにより、例えば軽油と原油との価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は上下に振幅する場面も見られたものの、概して当該価格差は比較的限られた範囲で推移している。 9月13日には2,300万バレル台半ば程度の水準であったシンガポールの重油在庫は、9月20日には2,400万バレル台半ば程度にまで増加したものの、9月27日には、2,300万バレル台前半の量へとGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? ク少した。ただ、その後10月4日には2,200万バレル半ば程度、10月11日も2,300万バレル台後半程度の量となるなど、当該在庫は一貫した増加もしくは減少傾向を示すことなく推移した。5~6月にシンガポールの在庫水準が低下した(特に6月7日は1,700万バレル台半ば程度の量と2014年11月26日(この時は1,600万バレル台後半)以来の低水準の在庫量となった)こともあり、アジアと欧州間での重油価格差が拡大したことにより、欧州方面等から重油がアジア市場に流入したことが一因となり、9月6日には重油在庫が2,600万バレル台半ばの水準にまで上昇したが、そのようなアジアと欧州間での重油価格差はその後縮小したこともあり、欧州方面等からアジアへの重油の流れも一段落しているものと考えられる。他方、市場では、冬場の暖房シーズンに伴う空調のための発電向け重油需要がまだ発生していないことが当該製品価格を抑制する格好となっていることから、重油と原油の価格差(この場合重油の価格が原油のそれを下回っている)はどちらかというと拡大する傾向が見られる。 2017年9月中旬から10月中旬にかけての原油市場は、米国原油、ガソリン、及び留出油在庫の減少、イラクのクルド人自治区での住民投票実施に対するトルコの反発、そして石油坑井掘削装置稼働数の減少等が原油相場に上方圧力を加えた結果、原油価格は9月20日にはWTIの終値で1バレル当たり50ドルを突破、9月25日には52.22ドルと4月18日(この時は同52.41ドル)以来の高値に到達した。ただ、それ以降は利益確定の動きが市場で出てきたことに加え、米国での石油坑井掘削装置稼働数の増加、9月のOPEC産油国原油生産量増加の報告等が原油相場に下方圧力を加えた結果、10月上旬には40ドル台後半に下落した。それでも、OPEC産油国等による減産の再延長に対する期待やイラク中央政府とクルド人自治区の対立激化の懸念、米国のトランプ大統領によるイラン核合意遵守の不認定等により、原油価格は10月中旬には再び50ドルを超過している(図15参照)。 . 2017年9月中旬から10月中旬にかけての原油市場等の状況 2? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 月15日に米国石油サービス企業Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で749基と前週比で7基の減少(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で687基と前週比で変わらず)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が鈍化するのではないかとの観測が市場で増大した流れを9月18日も市場が引き継いだことが、同日(9月18日)の原油相場に上方圧力を加えた反面、9月18日に米国エネルギー省(EIA)から発表された「掘削生産性報告(DPR:Drilling Productivity Report)」で、10月の米国主要7シェール生産地域での原油生産量が前月比で日量7.9万バレル増加し日量608万バレルと統計史上最高水準を更新するとの見通しが明らかになったうえ、9月20日にEIAから発表される予定である同国石油統計(9月15日の週分)で原油在庫が増加している旨判明するとの観測が市場で発生したことが、原油相場に下方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.91ドルと前週末終値比で0.02ドルの上昇にとどまった。9月19日も、9月20日にEIAから発表される予定である同国石油統計で原油在庫が増加している旨判明するとの観測が市場で発生した流れを引き継いだことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.43ドル下落し、終値は49.48ドルとなった。ただ、9月20日には、この日EIAから発表された同国石油統計でガソリン在庫が前週比で213万バレルの減少と市場の事前予想(同80~313万バレル程度の減少)を一部上回って減少し2.16億バレルと2015年11月13日(この時は2.14億バレル)以来の低水準となったことに加え、留出油在庫が前週比で569万バレルの減少と2011年11月4日(この時は同602万バレル減少)以来の大幅な減少となった他市場の事前予想(同100~195万バレルの減少)を上回って減少している旨判明したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.41ドルと前日終値比で0.93ドル上昇した(なお、NYMEXの2017年10月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、11月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り50.69ドル(前日終値比0.79ドル上昇)であった)。9月21日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.14ドル上昇し、終値は50.55ドルとなったが、米国WTI原油先物11月渡し同士では0.14ドルの下落であった。これは、9月 22 日に開催される予定である OPEC-非 OPEC 共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint OPEC-Non-OPEC Ministerial Monitoring Committee)を控えた持ち高調整が市場で発生したことによる。そして、9月22日には、この日開催されたJMMCにおいて、8月のOPEC及び一部非OPEC産油国による減産遵守率が116%と7月の94%から上昇し減産実施中最高の遵守率に到達した他、8月のOECD諸国の石油在庫量の過去5年平均との差が1.68億バレル縮小した旨声明で明らかにされたこと(後述)で、世界石油需給の引き締まり感を市場が意識したことに加え、9月22日にBaker HughesかGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 逕ュ表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で744基と前週比で5基の減少(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で682基と前週比で5基の減少)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が鈍化するのではないかとの観測が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.11ドル上昇し、終値は50.66ドルとなった。 9月25日も、9月22日に開催されたJMMCでの声明で、世界石油需給の引き締まり感を市場が意識した流れを引き継いだうえ、9月25日に実施されたイラクのクルド人自治区での独立の是非を問う住民投票実施に際し、同日トルコのエルドアン大統領が、クルド人自治区を含むイラク北部からトルコへと原油を輸送するパイプラインを閉鎖する可能性がある旨警告したことで、同国からの原油供給の減少に対する懸念が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり52.22ドルと前週末終値比で1.56ドル上昇した(なお、この終値は4月18日(この時は同52.41ドル)以来の高値であった)。9月26日には、これまでの原油価格上昇に対し利益確定の動きが市場で発生したことに加え、9月27日にEIAから発表される予定である米国石油統計(9月22日の週分)で原油在庫が増加している旨判明するとの観測が市場で発生したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.34ドル下落し、終値は51.88ドルとなった。果たして、9月27日には、この日EIAから発表された同国石油統計で、原油在庫が市場の事前予想(前週比で130~310万バレル程度の増加)に反し同185万バレルの減少となっている旨判明したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり52.14ドルと前日終値比で0.26ドル上昇した。9月28日には、これまでの原油価格上昇に対して利益確定の動きが市場で発生したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.58ドル下落し、終値は51.56ドルとなった。また、9月29日には、週末、月末、そして四半期末を控えた持ち高調整が市場で発生したことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.67ドルと前日終値比で0.11ドル上昇した。 10月2日には、9月29日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で750基と前週比で6基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で692基と前週比で10基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が堅調に推移するのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き継いだうえ、9月のOPEC産油国の原油生産量が前月比で増加している旨9月29日~10月2日に複数の調査機関が報告したことで、世界石油需給引き締まり感が市場で後退したこと、10月2日に米国供給管理協会(ISM)から発表された9月の同国製造業景況感指数(50が当該部門拡大と縮小の分岐点)が60.8と8月の58.8から上昇したうえ、市場の事前予想Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? i58.0~58.1)を上回ったことにより、米ドルが上昇したことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.09ドル下落し、終値は50.58ドルとなった。また10月3日も、9月のOPEC産油国の原油生産量が前月比で増加している旨9月29日~10月2日に複数の調査機関が報告したことで、世界石油需給引き締まり感が市場で後退した流れを引き継いだことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.42ドルと前日終値比で0.16ドル下落した。10月4日には、この日EIAから発表された同国石油統計(9月29日の週分)で米国原油生産が増加している旨判明したことに加え、リビアのSharara油田(10月1日遅くに未払い給与支払いや拘束されている仲間の解放等を要求した武装勢力により操業が停止するとともに同日同油田からの原油出荷につき不可抗力条項の適用を宣言、停止前の生産量は日量23.4万バレル))で、生産が再開するとともに不可抗力条項の適用を解除した旨10月4日に同国国営石油会社NOCが明らかにしたことで、石油需給緩和感を市場が意識したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.44ドル下落し、終値は49.98ドルとなった。この結果原油価格は10月2~4日の3日間で合計1バレル当たり1.69ドル下落した。10月5日には、前日(10月4日)に、ロシアのプーチン大統領が、現在のところ2018年3月末まで実施される予定であるOPEC及び一部非OPEC産油国による減産措置につき、延長する可能性を排除するものではなく、また延長される場合には少なくとも2018年末までとなるであろう旨発言したことに対し、10月5日にサウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、プーチン大統領の発言を歓迎するとともに、サウジアラビア政府としても減産方針に対し柔軟に対応していく旨示唆したことで、当該減産措置の再延長に対する期待が市場で増大したことに加え、ニカラグア沖合で発生した熱帯性低気圧「ネイト(Nate)」が今後米国メキシコ湾沖合に向け北上すると予想されたことにより、当該地域での原油生産が影響を受けるのではないかとの懸念が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり50.79ドルと前日終値比で0.81ドル上昇した。ただ、10月5日に実施されたプーチン大統領とサウジアラビアのサルマン国等との会談では、プーチン大統領は減産延長の提案は行わなかった旨、10月6日にロシア政府が明らかにしたことで、当該減産措置の再延長に対する期待が市場で後退したことから、10月6日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.50ドル下落し、終値は49.29ドルとなった。 10月9日には、この日バルキンドOPEC事務局長が、2018年に向け石油需給のためにさらなる方策が実施されなければならないかもしれない旨発言したことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産方針に対する期待が市場で増大したことに加え、サウジアラビアが11月の原油供給を顧客の要望から日量56万バレル削減する旨10月9日に表明したと伝えられたことで、この先の石油需給の引きGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? ワり感を市場が意識したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり49.58ドルと前週末終値比で0.29ドル上昇した。10月10日も、サウジアラビアが11月の原油供給を削減する旨表明したと伝えられたことで、この先の石油需給の引き締まり感を市場が意識した流れを引き継いだうえ、10月10日にドイツ連邦統計庁から発表された8月の同国貿易統計で輸出が前月比で3.1%の増加と2016年8月(この時は同3.5%の増加)以来の高い伸びを示したうえ市場の事前予想(同1.0%の増加)を上回っていた旨判明したことで、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.34ドル上昇し、終値は50.92ドルとなった。また、10月11日も、この日OPEC事務局から発表された月刊オイル・マーケット・レポートでOPECが2017~18年の世界石油需要を上方修正した旨判明したことに加え、イラク政府軍部隊と民兵部隊が同国北部でクルド人自治区近隣のキルクーク及びモスル近辺に駐在するクルド人部隊に対し大規模攻撃を準備している旨クルド人自治政府が10月11日に発言したことにより、同国からの石油供給途絶懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.30ドルと前日終値比で0.38ドル上昇した。この結果原油価格は10月9日~11日の3日間で併せて1バレル当たり1.72ドル上昇した。10月12日には、この日国際エネルギー機関(IEA)から発表されたオイル・マーケット・レポートで、2018年は世界石油需要の伸びと非OPEC産油国の石油供給の伸びが概ね同水準であると予想されることから、この面で原油相場の上昇が抑制されるかもしれない旨示唆したことで、世界石油需給の引き締まり期待が市場で後退したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.70ドル下落し、終値は50.60ドルとなった。ただ、10月13日には、この日中国税関総署から発表された9月の同国原油輸入量が3,701万トン(推定日量903万バレル)と2017年3月(この時は3,895万トン(同919万バレル))に次ぐ統計史上2番目の高水準となっている旨判明したうえ、10月13日に米国のトランプ大統領が、2015年7月14日に到達したウラン濃縮問題を巡るイランと西側諸国等の間での合意につき、イランが遵守していないことから、議会に制裁を復活させることの是非等につき検討するよう要請したことで、米国とイランとの対立が高まる結果中東地域からの石油供給が影響を受けるのではないかとの懸念が市場で増大したこと、さらに、イラクのクルド人自治政府が、イラク北部にあるキルクーク油田(イラク中央政府管理していたが2014年6月11日以降のイスラム国(IS)進撃に伴う混乱により6月12日にクルド人自治政府が支配権を獲得)における治安部隊の配置を増強した旨10月13日に明らかにしたことで、イラク中央政府とクルド人自治政府との間での対立の高まりを巡る懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.45ドルと前日終値比で0.85ドル上昇している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? . 今後の見通し等 イラクでは、9月14日に南部ナシリアでテロが発生(同日ISが犯行声明)し84名が死亡したと伝えられる。他方、9月16日にイラク軍はISが支配しているアンバル州(西部)の一部地域を制圧するための作戦を開始した他、9月21日には、同じくISが支配している同国北部キルクーク州のハウィジャを制圧する作戦を開始した旨アバディ首相が表明したが、10月5日にはハウィジャの支配権を奪還した旨同首相が明らかにしている。 他方、イラク北部のクルド人自治区では、イラク最高裁判所からの停止命令(9月18日)や、欧米諸国からの延期要請のもかかわらず、9月25日に独立の是非を問う住民投票が実施された(法律面では、住民投票の結果は拘束力があるものではないが、クルド人の総意ということで、政治的圧力の顕在化という意味合いを持っており、イラク中央政府と交渉の上遅くとも2年以内には独立する意向である旨バルザニ議長が9月20日に明らかにしている)。これに対し、アバディ政権は、外国諸国に対しクルド人自治区からの石油購入を手控えるよう要請する旨9月24日に表明したことに加え、同日イランがクルド人自治区との境界地域付近で軍事演習を実施している。また、9月25日には、トルコのエルドアン大統領が、クルド人自治区周辺からトルコのジェイハンに向け原油を輸送しているパイプラインの操業を停止する可能性がある旨表明した他、イラクとトルコ両国の軍隊が9月26日にクルド人自治区とトルコの境界地域で大規模合同軍事演習を実施する旨9月25日に明らかにしている。また、同日(9月25日)夜アバディ首相は、住民投票はイラク憲法に違反していることから、クルド人自治政府側と協議する意向はない旨明らかにしている(対話をするには、住民投票を無効にすることが条件である旨9月27日にイラク政府は要求したが、これはクルド人自治政府が拒否している)。さらに、9月26日には、イランが西部(クルド人自治区境界付近と見られる)の空域防衛のために追加でミサイルを配備したと伝えられる。そのような中、9月27日には、クルド人自治政府の選挙管理当局によって、住民投票の結果が独立賛成92.73%、反対が7.27%である旨発表された。これに対しイラク議会は同日、中央政府が部隊を出動させるとともにキルクーク油田の支配権をイラク政府側に戻すよう要請することを決定している。9月30日には、クルド人自治区で生産される原油収入はイラク中央政府が管理する旨アバディ首相が表明している。他方、10月7日にはクルド人自治区のバルザニ議長が、クルド人自治区の独立に関してイラク中央政府との間での対話を行うよう要請しているが、10月11日にはクルド人自治政府は、イラク政府軍部隊と民兵部隊が同国北部でクルド人自治区近隣のキルクーク及びモスル近辺に駐留するクルド人部隊に対し大規模攻撃を準備している旨明らかにしている(イラク政府側は同日否定している)。クルド人自治政府はイラク中央政府によるGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? コ威に対処すべくキルクーク油田における治安部隊の配置人員を10,000人から16,000人へと増強した旨10月13日に明らかにしている。一方で、イラク中央政府は、クルド人自治区に対し現在事実上支配するキルクーク州に存在する油田や軍事関連施設をイラク中央政府に明け渡すことを含めたアバディ首相の要求を伝えるため、マスーム大統領(クルド人自治区出身)がクルド人自治区の都市であるスレイマニヤを訪問した旨10月13日に報じられる。 イランについては、9月19日にティラーソン国務長官がイランとの核合意に関し同国の核開発制限に2025年の期限が設けられていることを見直す必要である旨明らかにしていたが、10月13日には、トランプ大統領は、ウラン濃縮問題を巡るイランと西側諸国等6ヶ国との間での合意に関し、イランは当該合意を遵守していない旨認識していると表明した。これにより議会は60日以内にイランに対する制裁の復活の是非につき決議することになる。これに先立つ10月12日にはティラーソン国務長官が、制裁復活を議会に求めない旨示唆しているが、イランが弾道ミサイルを発射しないことを制裁解除の条件に含めるような法整備を含め、より厳格な対応をイランに対し行うよう議会に要請することがトランプ大統領の意向であり、関係者や議会との調整が不調であれば、既存の合意を破棄する旨の姿勢を明らかにしている。他方、イランでは9月22日に軍事パレードが開催され、この場において多弾頭新型弾道ミサイル「ホラムシャハル」(航行距離2,000km程度、イスラエルを射程内に)が公衆に披露されるとともに、同日ロウハニ大統領は自国防衛のための弾道ミサイル開発を継続する旨表明した。9月23日には、当該弾道ミサイルの試験発射を成功させた旨イラン国営テレビが報じている。また10 月13日のトランプ大統領のイランに対する発言に対し、イランのロウハニ大統領は同日米国を非難した一方で、イランとしては当該合意を引き続き遵守していく旨表明した他、欧州諸国等もトランプ氏の対応を批判している。 リビアでは、中部にあるシルト近郊のISの拠点を米軍が空爆した結果、IS関係者17名が死亡したと9月24日に伝えられる。他方、同国のSharara油田において武装勢力「Brigade 30」(警備兵であることを明らかにしており、拘束されている仲間の解放や南部地域の経済開発、燃料及び調理用のガスの供給、警備兵の給与支払いと雇用の提供等を要求しているとされる)が10月1日遅くに従業員に対し操業の停止を強要した結果、生産が停止したと伝えられたが、10月4日には、同油田は生産は再開しつつあり、同日不可抗力条項は解除した旨NOCは明らかにしている。 地政学的リスク要因面では、当面イラクとイランの動向が市場の大きな注目を集めることになろう。イラク北部のクルド人自治区では9月25日に独立の是非を問う住民投票が実施され、約93%が独立に賛成という結果となった。これに対し、イラク中央政府は当該住民投票を無効としない限り自治政府との交渉Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? タ施しない旨9月27日に明らかにしている他、自国内にクルド勢力を抱え、イラクのクルド人自治区での動きに触発され、独立機運が盛り上がることを警戒するトルコやイランもイラク北部国境付近で軍事演習を実施するなど、イラクのクルド人自治区に対して圧力を加え始めている。また、クルド人自治区内の都市を発着する国際航空便は9月29日午後を以て運航中止とする旨イラク民間航空当局が9月27日に決定している。このように包囲網が形成されつつあるクルド人自治区であるが、今後イラク中央政府をはじめとして周辺諸国に対してどのような対応を行うかが重要になってこよう。クルド人地区がこのような周辺諸国の行動に反発、これら諸国との間で衝突が発生するようだと、クルド人自治区内、もしくは周辺の油田の生産(現時点ではキルクーク油田の日量15万バレルを含め日量65万バレル程度とされる)の生産が影響を受け、その結果当該地域からトルコのジェイハン(Ceyhan)港までのパイプラインを通じ欧州方面へと輸出されている原油の供給にも支障が生じるとの懸念が市場で増大する結果、この面で原油相場に上方圧力を加える可能性がある。また、当該パイプラインのトルコ領内においてもクルド民族が居住しており、トルコ政府とは対立する立場にあることから、このパイプラインが爆破される等操業が脅かされるといった不安感が市場で高まり、この面でも原油相場に影響が及ぶといった展開も考えられる。また、クルド人自治政府との対立が高まる結果、それまでは対ISでクルド人自治区と団結していたイラク中央政府は、今後はクルド人自治区対策として、ある程度の社会対策費や軍事費を投入しなければならなくなる。また、これまでアバディ首相が所属するイスラム教シーア派に加え、スンニ派やクルド人とともに連立する形で機能してきた政権内で足並みが乱れ、政治的空白が発生する。このようなことから、イラク政府の運営能力が低下するとともに、これまでは安定していた南部油田地帯での治安が不安定化、その隙を縫ってISの残党によるテロ攻撃が増加する可能性が高まる(前述の通り9月14日には南部の都市であるナシリアでISによるテロ攻撃が実施されている)ことにより、当該地域からの原油供給途絶や外国石油会社による投資の鈍化に対する懸念が市場で高まることを通じて、原油相場に上方圧力を加えてくるといった展開も否定できない。 イランについても、10月13日に米国のトランプ大統領が、同国がウラン濃縮問題を巡る西側諸国等との合意につき、イランが遵守していない旨宣言した。ただ、イランからの原油調達制限を巡る制裁の復活に関しては議会にそれを差し控えるよう要請する方向であるとされる。このため、直ちにイランからの原油供給が減少する可能性は低そうである。しかしながら、今回の米国の決定に対しイラン側が反発する結果、例えばペルシャ湾を航行する米国軍事関連船舶に対しイラン側が挑発行為を実施する頻度が高まることを含め、両国(及び米国と友好的で、今回のトランプ氏の対応につき同日歓迎の意を表明していGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? 驛Tウジアラビアを含むアラブ諸国)の対立が高まる方向に向かうことに伴い、再びホルムズ海峡封鎖と中東湾岸諸国等からの原油供給途絶の可能性等に対する市場の懸念が強まる結果、原油相場が上昇する場面が見られる、といったこともありうる。 米国では9月19~20日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)の保有する資産の縮小を決定した。また、10月31日~11月1日に開催される予定である次回FOMCでは金利の据え置きが予想されているものの、12月12~13日に開催される予定であるその次のFOMCでは金利が引き上げられると予想されている。他方、欧州では10月1日に実施されたスペインのカタルーニャ自治州の独立の是非を問う住民投票で賛成が90%に到達したことともあり、ユーロが下落している。このようなことから、米ドルは9月下旬以降上昇傾向を示すようになっている。しかしながら、北朝鮮情勢を巡る懸念及びトランプ政権の政策遂行能力に対する根強い不信感等が米ドルの上昇を抑制する可能性は依然残っている。このような状況の下、米ドルは米国経済指標類等により引き続き変動することになろうが、それが原油相場に反映される場面が見られる可能性もある。また、米国では2017年7~9月期を中心とする主要企業の業績発表時期に突入しているが、その内容により米国株式相場とともに原油相場に動きが見られるといった展開もありうる(但し、この場合株式相場上昇による米国石油需要増加期待で原油相場に上方圧力が加わる場合と、米ドルが上昇する結果原油相場に下方圧力が加わる場合との両面の展開が考えられる)。さらに、欧州での経済指標類もユーロに併せ米ドルが振幅する結果、原油相場にその影響が及ぶことも想定される。そして、中国の経済指標類の内容によっても同国の経済成長と石油需要に対する観測を市場で引き起こす結果、原油相場に変化が見られることも考えられる。 米国では、例年であれば今の時期は夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期が終了している一方で、暖房シーズンに伴う暖房用石油製品需要期にはまだ早いことから、不需要期として市場では認識され、製油所も秋場のメンテナンス作業を実施するとともに稼働を低下、その結果原油購入も不活発になる。しかしながら、2017年においては、8月下旬にハリケーン「ハービー」が米国メキシコ湾岸地域に来襲した結果、相当程度の製油所の操業が停止したことで、ガソリンや留出油の在庫が減少したことにより、それら石油製品価格が下支えされたことから、製油所での精製利幅が拡大、一部製油所は秋場のメンテナンスを延期して操業を続けている旨伝えられる。このようなこともあり、原油相場は不需要期にもかかわらずWTIで1バレル当たり50ドルを超過、堅調に推移する場面も見られた。そして今後は冬場の暖房シーズン(11月1日~翌年3月31日)の接近が市場関係者の視野に入ってくることから、この面で原油相場が引き続き下支えされる可能性がある。そして、ここで市場が注目するのは、足元の気温状況及び冬Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? 黷フ気温予報であろう。現在のところ、2017年末にかけては米国の大部分の地域では平年に比べ温暖になると見られているようであるが、今後そのような予報は変更される可能性もあり、また、秋場の後半及び冬場の前半での、厳冬予想や気温の実際の低下は、市場関係者間での暖房用石油製品需要増大観測と需給逼迫懸念を増大させ、それが原油相場に上方圧力を加えることに繋がりやすい。その意味では、米国(特に暖房用石油製品消費の中心地である北東部)での気温予報や実際の気温の状況には注意する必要があろう。ただ、原油価格がWTIで50ドルを超過して上昇するほど、米国でのシェールオイルの開発・生産活動が活発化するとの観測が市場で強まる結果、原油価格の上昇を抑制する方向で作用する力が強まることになろう。また、OPEC及び非OPEC産油国による減産措置の延長方策に関する、当事者(特にサウジアラビアやロシア等)の発言についても、当該措置実施とそれに伴う石油需給引き締まりに対する期待を市場で増減させることにより原油相場が変動するといったことになりうる。 他方、大西洋圏において1年間で最もハリケーン等の暴風雨が発生しやすい時期(8月後半~10月前半)は過ぎつつあることから、ハリケーン等が米国メキシコ湾沖合の石油生産関連施設や陸上の製油所等の施設に影響を及ぼすこと等に伴う石油供給途絶懸念は市場では低下していくと見られる。それでも11月末まで大西洋圏の暴風雨シーズンは続くことから、なおハリケーン等の暴風雨の発生状況、勢力、そして進路に関しては今暫く注意する必要があろう。 全体としては、冬場の暖房用石油製品需要期接近が市場関係者の視野に入ることが原油相場を下支えする反面、原油相場が上昇することに伴う米国のシェールオイル開発・生産活動の加速に対する市場の観測の発生が、原油相場の上昇を抑制する結果、原油価格は比較的限られた範囲で変動するといった展開が想定される。そのような中で、米ドルの変動等の要因が原油相場を攪乱させることが考えられる。ただ、イラクやイラン等中東情勢が緊迫化すれば、市場での石油供給途絶懸念の増大から、原油相場が上振れする可能性も否定できない。 2017年3月以降、米国の原油在庫は減少し始めた。またガソリンや留出油在庫も減少している(図16、17及び18参照)。このため、石油全体の在庫も減少傾向となった。他方、OECD諸国の石油在庫については、9月22日に開催されたJMMCでは、彼らが目標とする需給均衡に接近しつつある旨明らかにしている。では、本当に石油在庫は急速に減少しつつあるのだろうか。ここではこの点につき検証したい。 . OPEC産油国関係者等が主張するところの「石油需給は均衡に接近しつつある」の背景 4Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? まず、米国の原油在庫であるが、確かに2017年3月から8月にかけ減少しており、8月以降は平年幅上限付近の量となっている。他方、米国の原油輸入量は2017年2~3月は1月に比べれば減少しているが、それ以降は前月比で増減を繰り返しており(図19参照)、明確な減少は9月になるまで示されていない(9月の輸入量についてはメキシコ湾岸へのハリケーン来襲に伴う製油所や港湾等の停止の影響を考慮する必要があるだろう)。その中で、米国では2017年は3~6月はサウジアラビアから日量100~120万バレル輸入しており、この量は同年2月に比べれば減少しているものの、7月までは明確に減少傾向Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? ヲしているとは言い切れなかった(図20参照)。また、8~9月は減少傾向を示しているものの、当該数値は速報値ベースであることから今後修正される可能性がある。他方、米国のイラクからの輸入については、2017年2月及び9月に日量40万バレル程度にまで落ち込んだものの、4月には同80万バレルを超過した他、それ以外にも総じて同50~80万バレル程度の水準となっており、こちらの減少傾向が不明確である。このように、OPEC主要産油国からの原油輸入量が少なくとも最近になるまで明確な供給減少を示さなかったことが、同国の原油輸入の全体の傾向として現れていると考えられる。従って、米国の原油やガソリン在庫の減少は、OPEC産油国等による減産の影響が全くないとは言い切れないものの、むしろ主要因は別のところにあると考えられる。 米国の原油及びガソリン在庫の傾向を見ると、実は2017年は2016年と同様、春から夏にかけ減少傾向となっている。米国では、例年5月第四月曜日の戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)に伴う連休から9月の第一月曜日の労働祭(レイバー・デー)に伴う連休まで夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期である。このため、この時期に備え製油所では春場のメンテナンス作業を完了し、稼働を引き上げるとともに、原油精製処理量を増加させる(図21参照)。このため、原油が処理されていくとともに原油在庫も減少していくことになる。他方、夏場のドライブシーズンが接近するとともに、ガソリンは製油所からGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? 羡?梶Aそしてガソリンスタンド(もしくは消費者の自動車の燃料タンク)へと流通していく、このため製油所を中心とする一次在庫(そしてこれが米国で統計数値として捕捉されている在庫である)から二次もしくは三次在庫へとガソリンが移動していくとともに、一次在庫は減少していく。これが原油及びガソリン在庫減少の背景にある主要因であると考えられる。 また、留出油在庫については、例年冬場に在庫水準が増加する傾向があるが、これは、暖房シーズン(11月1日~翌年3月31日)に伴う需要期到来に備え在庫を積み増すことが影響していると考えられる。他方、春場は在庫が減少する傾向がある。これはメンテナンス作業実施により製油所の稼働が低下する結果、留出油生産が減少していることが影響していると見られる。また、夏場は製油所の稼働が上昇する結果、留出油生産も活発化するものの、欧州(ドライブシーズン突入に伴うディーゼル車向け軽油需要が発生)等への輸出が旺盛に行われることから、この面では在庫の増加を抑制する方向で作用している。 そして確かに、2017年の原油、ガソリン及び留出油在庫は減少するとともに平年幅の水準に突入してきている。ただ、実はグラフをよく見ると、2016年と2017年の在庫量の実績自体はそれほど乖離していない(それでも2017年は前年同期比では若干在庫水準は低いが)。ガソリンと留出油在庫については、2017年は9月に入り在庫が急減するとともに平年並みの水準となっているが、これは8月下旬にハリケーン「ハービー」が米国メキシコ湾岸地域に来襲した結果、当該地域の製油所が操業を停止したことに伴いガソリンや留出油等の石油製品の生産が低下したことが影響していると考えられる。その意味ではこの時期はある意味特殊要因により在庫変動がもたらされていると言うことができよう。 また、2016年は原油、ガソリン、及び留出油の足元の在庫水準が平年幅を超過する状態が多かった一方で、2017年のそれは早々に平年幅の範囲内に入っているのは、平年幅が「過去5年実績幅」であるからである。つまり在庫に関しては、2016年の「過去5年実績幅」は2011~2015年の在庫実績であるのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? ノ対し、2017年のそれは2012~2016年の実績となる。従って、2017年時点では平年幅は在庫が高水準であった2016年が「平年幅」に織り込まれており、その結果、平年幅の特に上限部分が上振れしている。その結果、量としては2017年の在庫量は2016年の高水準の時と比べてそう変化はないほど高水準であっても、平年幅の範囲内に収まってきているという意味では、「在庫は大幅に過剰であるとは言い切れなくなっている」と市場で解釈されることもありうるわけである。そして、市場では「過去5年実績幅」を用いて判断することが慣習となっている結果、市場関係者の心理が動いてしまうこともあり、その結果、原油相場(そしてガソリン相場等)が変動する、と言ったことも起こりうるわけである。 では、OECD諸国の石油在庫の場合はどうであろうか。実はOECD諸国の石油在庫(月間推計)を辿ってみると、2017年8月の在庫量自体は2016年12月に比べると若干減少しているに過ぎないことが判る(図22参照)。その背景としては、いくつかの要因が重なっていると考えられる。まず、米国では、年末の課税対策から精製業者等が原油在庫等を相当程度減少させることが多い(米国のテキサス州やルイジアナ州では年末の石油在庫評価額に対し固定資産税等が課税されることから、課税額を低減させるために精製業者等は必要以上の陸上在庫の保有を敬遠するとされる)ことから、12月末は他の月末に比べ在庫が低下しやすい(なお、実際には沖合のタンカーに石油を貯蔵していると言われている)。また、米国では2016年1月時点では、2017年にかけ米国の原油生産量は減少傾向となると見られていたが、実際には、2016年後半頃から原油生産は増加傾向となっている(図23参照)。このように当初見込みに反し同国の原油供給が増加したことから、同国では当初見込みよりも原油等の在庫減少度合いが緩やかになったものと考えることができる。さらに、米国で生産された原油や石油製品の輸出が活発化したことも、米国での石油在庫を減少させる方向で作用した一方で、輸出された原油や石油製品の一部が他のOECD諸国に流入した結果、それら地域での在庫水準を支持する格好で作用した可能性も考えられる。 ? 24 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 他方、OPEC産油国の中でも減産合意の枠外の加盟国が存在した。それがリビアでありナイジェリアである。リビアは2012年時点では日量150万バレル近くの原油生産があったが、2013年後半以降、石油ターミナルや油田、そして両者を繋ぐパイプラインにつき、しばしば警備隊や武装勢力が占拠することにより、操業が停止、その結果2016年半ば頃には原油生産量が日量30万バレルを割り込む場面も見られた。しかしながら、その後警備隊及び武装勢力と政府との間での交渉が進んだ結果、現在でもまだ完全とはいえないまでも、石油関連施設封鎖と原油生産停止の頻度が大幅に減少した。このため原油生産量も増加、2017年8月には日量100万バレル超と2013年半ば以来の水準に到達した(図24参照)。また、ナイジェリアに関しても、2016年まではNiger Delta Avengers(NDA)等の武装勢力が産油地域であるニジェール・デルタにおいてパイプライン等の石油関連インフラを破壊することにより、原油の生産が減少する場面も見られたが、2016年8月30日にNDAが暫定的な停戦に合意して以降、同国の原油生産に対する妨害が減少した結果、生産は回復傾向にある(図25参照)。このように、リビアやナイジェリア産の原油は主に欧州に向かっていると考えられるので、この分だけ、欧州を中心とする地域の原油在庫が上振れしやすくなっているものと考えられる。 ? 25 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 また、減産に合意したOPEC産油国の減産状況であるが、2017年3~5月は100%を超過する遵守率となっていた。しかしながら、6月になると遵守率が82%に急低下、7月も85%となった。8~9月は95~97%へと回復したが、それでも100%は割り込んでいる状態にある(表1参照)。個別に見ていくとイラク、エクアドル等での遵守率が低く、また、サウジアラビアやアンゴラは目標以上に遵守はしているものの、遵守率はどちらかというと低下傾向である。このようなことから、減産しているOPEC産油国を見ても、9月の原油生産量は1月からは日量16万バレル、直近の低水準であった5月からは同27万バレル程度増加している。このように減産を実施しているOPEC産油国の遵守が相対的に低下したことにより、原油供給が下げ止まっていることも、OECD諸国の石油在庫増加に寄与している部分があるものと考えられる。 さらに、8月になって、IEAは2017年の世界石油需要を通年で日量33万バレル程度下方修正した。これは、これまで「オイル・マーケット・レポート」で月間推定として算出していた需要と、特に非OECD諸国における年間統計の需要(例年8月頃に確定)とを比較した際に、アジア非OECD諸国を中心に年間Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ? 表1 OPEC産油国原油生産状況(単位:日量千バレル)2016年10月2016年11月2016年12月2017年1月2017年2月2017年3月2017年4月2017年5月2017年6月2017年7月2017年8月2017年9月アルジェリア1,0911,0891,0871,0531,0571,0511,0561,0611,0601,0541,0551,046アンゴラ1,4981,7011,6741,6581,6391,5991,6671,6091,6661,6411,6441,641エクアドル543544544530529525526529529537536536赤道ギニア--------140144133141ガボン203219209203198202205205198207186201イラン3,7093,7193,7253,7803,8193,7923,7923,7743,8173,8303,8263,827イラク4,5714,5904,6424,4754,4144,4254,3814,4464,4984,4714,4624,494クウェート2,8482,8682,8592,7222,7122,7022,7052,7092,7092,7022,7022,700カタール645651641620592612613610615614612616サウジアラビア10,56610,62510,4439,8099,9529,9059,9349,89810,03510,0259,9759,975UAE3,0683,0843,0902,9582,9332,9092,9062,9072,9172,9212,9132,905ベネズエラ2,0722,0632,0342,0071,9981,9821,9671,9511,9551,9491,9421,890小計30,81431,15330,94829,81529,84329,70429,75229,69930,13930,09529,98629,972リビア5285776106786816125527278481,003869923ナイジェリア1,6151,6451,4741,5331,5641,4561,4961,6421,7101,7111,8041,855合計32,95533,37433,02932,02632,08631,77031,80032,06832,69732,80832,65932,748遵守率(%)---999710910410982869597※赤道ギニアは2017年5月25日までは非OPEC産油国として減産に参加(出所:OPEC他より推定)搆v数値が月間数値による年間推計値を下回っていたことにより調整を施したことが一因である。この影響で2017年は第一~第三四半期は7月時点から日量10万バレル超下方修正されている。つまり、この分だけ当初見込み程世界の石油需要は存在しなかったことになり、実は世界石油需給は相対的に緩和状態であったと考えられる。 このようなこともあり、例えば2017年5月時点の2017年の世界石油需給展望では、第一四半期~第三四半期で需要が供給を日量73万バレル超過しており、9月末までに2.0億バレル程度(8月末までには1.58億バレル程度)世界の石油在庫が減少する他、このペースでいけば、前述の通り2017年は3.7億バレル強の在庫が取り崩される計算になっていた(表2参照)。しかし10月現在の展望では、2017年は第一~第三四半期で需要が供給を超過する度合いは日量32万バレル程度と5月時点の展望の2分の1程度になっていることから、この場合年間で1.2億バレル程度の在庫取り崩しとなる他、9月末までの在庫減少幅は9,000万バレル程度(8月末までは8,200万バレル程度)と推定されることになる(表3参照)。ところが、2017年9月22日開催されたOPEC及び非OPEC閣僚監視委員会(JMMC)では、「8月末時点でOECD諸国の在庫は年初から1.68億バレル縮小した」旨明らかにした。IEAの推定する需給データとOPECのそれとの間ではそれなりの差は発生するとはいえ、なぜこのような差が生じたのであろうか。 実は、OPECはより厳密には、「8月末時点でOECD諸国の在庫は過去5年平均比で年初から1.68億バレル縮小した」と発言していたのである。市場では前述の「過去5年幅」に加え「過去5年平均」がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 27 ? 表2 世界石油需給バランスシナリオ(2017年)(2017年5月時点シナリオ)(単位:日量百万バレル)20161Q172Q173Q174Q172017総需要①96.5896.5197.2998.5799.0697.86非OPEC生産57.6657.9657.8758.4958.7158.26OPEC原油生産32.6431.8931.7831.7831.7831.81OPEC NGL生産6.696.746.796.896.906.83総供給②96.9996.5996.4497.1697.3996.90在庫変動その他(②-①)0.410.08-0.85-1.41-1.66-0.97出所:IEAデータをもとに作成*: OPEC産油国については2017年4月の原油生産量がその後も維持されるものと仮定。表3 世界石油需給バランスシナリオ(2017年)(2017年10月時点シナリオ)(単位:日量百万バレル)20161Q172Q173Q174Q172017総需要①96.1396.6397.8197.8598.5197.71非OPEC生産57.3857.7457.7658.1058.6058.05OPEC原油生産32.8032.0732.3132.6532.6532.42OPEC NGL生産6.816.866.906.946.926.91総供給②96.9996.6796.9897.6998.1897.38在庫変動その他(②-①)0.860.04-0.83-0.17-0.33-0.32出所:IEAデータをもとに作成*: OPEC産油国については2017年9月の原油生産量がその後も維持されるものと仮定。u平年」の在庫水準として通常認識される。ただ、過去5年の実績によって、「過去5年平均値」が変動しうる。2017年に使用されている「過去5年平均」は2012~16年であるが、2016年は在庫量がそれまでの水準を大幅に超過してしまっていた。この結果、2016年に使用されていた過去5年平均(この場合2011~15年)に比べると2017年のそれは相当程度上振れしている。例えば2016年12月末時点でのOECD諸国の過去5年平均石油在庫は27.0億バレルであったのに対し同年8月及び9月末時点でのそれは28.3億バレルと1.3億バレル上昇している。このため、石油在庫の絶対的水準に変動がなくても過去5年平均比では1.3億バレル在庫余剰が縮小すると市場では解釈されることになる。実際には2016年12月末のOECD石油在庫は29.8億バレル、2017年8月は30.2億バレル、同年9月は29.7億バレルであるので、在庫量自体はそれほど減少しているようには見受けられない。ただ、5年平均との差は12月が2.8億バレルであるに対し8月は1.9億バレルと0.9億バレル縮小していることになる。市場では、在庫余剰(もしくは供給過剰)というのは、通常過去5年平均在庫量との差を指しているが、この差が縮小したからと言って、その分だけ在庫が実際に減少している(つまり実質的な需給引き締まりが発生している)わけではない。それでも市場ではこの差が縮小したことが需給の引き締まりを示していると解され、その結果原油相場が変動する場合がありうることに注意する必要がある(なお、拙稿前半部分にある米国及びOECD諸国の石油在庫については、状況を可能な限りありのままに御覧頂くため、敢えて過去5年幅等による分析手法は用いていない)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 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