ページ番号1004752 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:OPEC産油国等による減産延長に対する期待や地政学的リスク要因等で上昇する原油価格

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レポートID 1004752
作成日 2017-11-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2017
Vol 0
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抽出データ 更新日:2017/11/20 調査部:野神 隆之 原油市場他:OPEC産油国等による減産延長に対する期待や地政学的リスク要因等で上昇する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国ではハリケーン「ハービー(Harvey)」の来襲後、製油所での石油製品生産活動は再開したものの、他の地域や国の製油所が秋場のメンテナンス作業に突入したこともあり、米国でのガソリン生産はハリケーン来襲前の水準に戻らなかったと見られるうえ、同国へのガソリン輸入が低迷する一方、米国からのガソリン輸出が堅調に推移した結果、同国のガソリン在庫は減少傾向となり、平年幅上限付近に位置する量となっている。留出油も国内外市場への出荷が根強かったこともあり、当該在庫の減少が続き、量としては平年幅下方に位置する水準となっている。また、米国の原油生産はハリケーン通過後に回復したものの、WTI原油のブレント原油に対する割安感が拡大したことで輸出が増加したことから、同国の原油在庫は減少となったが、こちらは平年幅を超過する量は維持されている。 ② 2017年10月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州及び日本では製油所での秋場のメンテナンス作業時期突入により原油精製処理が進まなくなったこともあり、在庫は増加した。ただ、米国では輸出が拡大したことが影響し在庫が減少したことから、OECD諸国全体として原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している。製品在庫についても、米国では石油製品輸出が堅調に行われた結果、在庫は減少となった。他方、ハリケーン「ハービー」の米国ガソリン価格への影響が鎮静化してきていることが欧州からのガソリン流出を鈍化させたと見られることから、ガソリンを中心として欧州での石油製品在庫は増加となった。日本においても、暖房用石油製品の本格的な需要期にはまだ早かったこともあり灯油在庫が増加したことから、石油製品在庫は増加している。ただ、OECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となり、量としては平年並みとなっている。 ③ 2017年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場は、米国原油在庫等の減少、石油坑井掘削装置稼働数の伸び悩み、OPEC産油国等による減産延長に対する市場の期待感の増大、米国トランプ政権によるイランの核合意不遵守の認定等の地政学的リスク要因などにより、原油価格は上昇傾向となり、11月6日には原油価格(WTI)終値が2015年6月30日以来の高水準に到達する場面も見られた。 ④ 既に北半球では冬場の暖房シーズン突入に伴う暖房用石油製品需要期に突入している一方で、ハリケーン来襲の影響により米国で留出油在庫が豊富な水準とは言い切れない状況にあることから、需給の引き締まり感が市場で発生しやすいうえ、複数の地政学的リスク要因が顕在化している他、市場のリスク選好度が拡大していると見受けられることから、原油相場が下支えされやすい。このような中、OPEC総会に向け減産延長が決定することに対する市場の期待感も、原油価格を底堅く推移させる可能性がある。そして、OPEC総会で2018年末までの延長が決定した場合には利益確定により原油価格が下落する場面が見られようが、冬場の石油需要期、地政学的リスク要因、そしてリスク選好度の拡大により、原油価格下落が限定的となる可能性があることに注意する必要があろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 2017年8月の米国ガソリン需要(確定値)は日量977万バレルと前年同月比で0.9%程度の増加となり(図1参照)、速報値(前年同月比で1.3%程度減少の日量957万バレル)から上方修正されている。同月の米国のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.494ドルと前年同月(同2.284ドル)に比べ、0.21ドル(約9.2%)割高になっているうえ、前月の価格(2.414ドル)からも上昇していた。ただ、7月は米国の個人可処分所得が前年同月比で2.6%増加していたうえ同月のガソリン小売価格が1ガロン当たり2.414ドルと前年同月(同2.345ドル)に比べ0.069ドル(約2.9%)の割高にとどまっていた他、前月比でも0.046ドル下落したにもかかわらず、ガソリン需要が前年同月比で0.1%の減少を示すなどしていたことから、その反動で8月のガソリン需要(出荷)に影響が生じている可能性がある。また、8月は下旬後半にハリケーン「ハービー」が同国メキシコ湾岸地域に来襲したこともあり、来襲に対する準備のため来襲直前に自動車での往来が活発化した結果、ガソリン需要が盛り上がった可能性も考えられる。他方、2017年10月の同国ガソリン需要(速報値)は日量936万バレル、前年同月比で2.8%程度の増加となっている。10月のガソリン小売価格は1ガロン当たり2.621ドルと、前年同月比で0.262ドル(約11.1%)上昇していることから、この面ではガソリン需要を抑制する方向で作用していると見られるが、当該価格は前月比では0.140ドル(約5.1%)下落しているうえ、10月は雇用、消費者信頼感、景況感指数等が極度に悪化したわけではない他、鉱工業生産は前年同月比で2.9%増加するなど、米国経済が依然比較的堅調であることが、ガソリン需要増加の背景にあると見られる。ただ、ハリケーン「ハービー」の来襲に伴い米国メキシコ湾岸地域での製油所の操業が停止した他、ハリケーン通過後の操業再開後も、米国での製油所メンテナンスの実施等もあり、同国の原油精製処理量はハリケーン来襲前の水準に戻ったわけではなく、これにより、米国の石油生産活動も夏場のように旺盛であったわけはないうえ、欧米諸国等でも秋場の製油所メンテナンス作業に伴う石油製品生産活動の低下により、大西洋圏での石油製品需給が総じて引き締まり気味になったこともあり、米国から中南米諸国方面等にガソリンが輸出されていったと見られ、その輸出の一部が速報値段階で国内需要に盛り込まれている可能性がある。従って当該需要が速報値から確定値に移行する段階で国内需要から輸出へと振替が行われる結果、国内需要が下方修正するといった展開となる余地があろう。他方、米国メキシコ湾にハリケーン「ハービー」が通過した後、製油所が稼働を再開した結果、大きく落ち込んだ原油精製処理量は回復した(図2参照)ものの、直後に他の地域でメンテナンス作業が開始されたことから、米国の原油精製処理量はハリケーン通過前の水準には戻らなかったこともあり、ガソリン生産も旺盛にはなりきれなかったGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? ニ見られる(ガソリン最終製品の生産量は図3参照)うえ、欧州地域等でも製油所のメンテナンス作業シーズンに入ったことから製油所の稼働が低下するとともに石油製品の生産が不活発になったうえ、生産され輸出されたガソリンの相当程度が中南米やアフリカ諸国に向かったことから、米国のガソリン輸入が低下するなど、当該製品の供給が減少した一方で、米国の製油所で生産されたガソリンが国内外の市場に向かったと考えられることもあり、同国の当該製品在庫水準は10月中旬から11月上旬にかけ低下傾向となった結果、在庫量としては平年幅の上限付近に位置する量となっている(図4参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 2017年8月の同国留出油需要(確定値)は日量399万バレルと前年同月比で2.9%程度の増加となったが、速報値である日量411万バレル(前年同月比6.0%程度の増加)からは相当程度下方修正されている(図5参照)。同月の同国からの留出油輸出量が速報値段階では日量105万バレルと推定されるところ、確定値では同139万バレルへと上方修正されたことで、この分が速報値から確定値に移行する段階で国内需要から輸出に繰り入れられたことが、当該需要の下方修正の一因になっているものと見られる。他方、同月の米国の鉱工業生産は前年同月比で1.2%程度の伸びにとどまった(7月は同1.8%程度、6月は2.1%程度の、それぞれ増加であった)が、雇用、個人所得、住宅着工等が比較的堅調であったこともあり、同国の物流活動が陸上を中心として同5.4%程度拡大したことも、留出油需要増加に寄与しているものと考えられる。また、2017年10月の留出油需要(速報値)は日量382万バレルと、前年同月比で4.1%程度の減少となっている。前述の通り、10月は雇用、消費者信頼感、景況感指Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 箔凾ェ極端に悪化したわけではない他、鉱工業生産は前年同月比で2.9%増加している一方で、10月の同国からの輸出量が日量推定151万バレルと前月比で同47万バレル、前年同月比で同51万バレルの大幅増加を示していることから、10月については、この輸出量が確定値に移行する段階で下方修正されるとともに、輸出量の一部が国内需要に振り返られる結果、国内留出油需要が上方修正されるか、もしくはその前後の月(つまり、9月もしくは11月)にその反動で留出油需要(確定値)が伸びるといったことがありうる。他方、ハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲後、製油所の稼働は再開したものの、秋場のメンテナンス作業の影響もあり来襲前の状況にまでは回復しなかったことから、この面で製油所での留出油生産が抑制された(図6参照)他、輸送部門に軽油を相対的に多く利用する欧州においても製油所のメンテナンス作業時期に突入したことから、稼働低下とともに留出油生産、そして欧州地域内外への供給が影響を受けた。一方で、米国の需要に輸出量を加えた、いわゆる国内外市場への出荷量は比較的維持されていたこともあり、留出油在庫水準は10月中旬から11月上旬にかけては減少傾向となり、11月上旬時点では平年幅下方に位置する量となっている(図7参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 2017年8月の米国石油需要(確定値)は、前年同月比で0.6%程度減少の日量2,016万バレルとなった(図8参照)。その他の石油製品需要が前年同月比で日量30万バレル(約8.0%程度)減少の日量344万バレル、プロパン及びプロピレンの需要が同7万バレル(約7.9%程度)減少の同85万バレルとなったことが影響している。8月は下旬後半にハリケーン「ハービー」が来襲した結果、天然ガスからLPGを分離する装置や出荷関連施設が停止したことにより出荷が減少したことが、需要の低下に反映されているものと考えられる。また、当該需要が速報値(その他石油製品日量415万バレル、プロパン及びプロピレン同96万バレル)から下方修正されたことにより、石油製品全体の需要も速報値(日量2,087万バレル、前年同月比2.9%程度の増加)から下方修正されている。他方、2017年10月の米国石油需要(速報値)は、日量1,979万バレルと前年同月比で0.7%程度の増加となった。米国経済が比較的堅調であることから、消費者による乗用車及び航空機の利用が活発化していることにより、ガソリン及びジェット燃料の需要が伸びていることが背景にあるものと考えられる。また、ハリケーン「ハービー」Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 竅Aその後のハリケーン「ネイト」(Nate)の米国メキシコ湾岸地域来襲後、停止していた陸上や沖合の油田は操業を再開したが、ハリケーン「ハービー」の来襲に伴う米国での製油所の原油精製処理量の低下による同国原油需給緩和観測から米国産原油価格が欧州産等他の原油価格を下回る度合いが拡大したことにより、ハリケーン通過後同国から国外に向けた原油輸出が活発化した反面、同国による原油輸入が伸び悩んだことから、10月中旬から11月上旬にかけ、米国の原油在庫が減少傾向となった(図9参照)ものの平年幅は超過している。そして、ガソリンの在庫量が平年幅上限付近に位置する水準、留出油在庫が平年幅の下方に位置する量となっている一方、原油在庫が平年幅を超過していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅を超過する状態となっている(図10及び11参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 2017年10月末のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油については、欧州においては製油所の秋場のメンテナンス作業時期突入等により原油精製処理が進まなくなったこともあり、当該地域での在庫は増加した。また、日本においても、秋場の製油所メンテナンス作業の活発化に伴い原油精製処理量が低下した影響で、在庫は増加した。しかしながら、米国ではハリケーン「ハービー」の同国メキシコ湾岸地域来襲の影響で当該地域の製油所の稼働が停止し原油精製処理が進まなくなったこともあり、WTIのブレントに対する割安感が増大したことから、米国からの原油輸出が拡大したことが影響し、在庫が減少したことが、欧州や日本での原油在庫増加を相殺する格好となったことから、OECD諸国全体としても原油在庫は減少となったが、平年幅上限を超過する状態は継続している(図12参照)。製品在庫についても、米国でのハリケーン「ハービー」の来襲による製油所の稼働と石油製品生産活動停止の影響で同国からの石油製品供給が低下したことにより、大西洋圏を中心として石Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? 罇サ品需給に引き締まり感が発生、製油所での操業が再開された後もガソリンや留出油等の石油製品輸出が堅調に行われた結果、米国での石油製品在庫は減少となった。ただ、米国でのハリケーン「ハービー」のガソリン価格への影響が鎮静化しつつあることが欧州から米国等への製品流出を相対的に鈍化させたと見られ、ガソリンを中心として欧州での石油製品在庫は増加となった。また、日本においても、製油所の稼働が低下したことにより石油製品の生産は不活発となったものの、本格的な冬場の暖房用石油製品需要期にはまだ早かったこともあり灯油在庫が増加したことから、石油製品全体の在庫は増加している。ただ、米国での石油製品在庫の減少が、欧州及び日本での当該在庫増加を相殺して余りある状態であったことから、OECD諸国全体としての石油製品在庫は減少となり、量としては平年並みとなっている(図13参照)。そして、原油在庫が平年幅を超過している一方で石油製品在庫が平年並みの量となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅上限を上回る状態となっている(図14参照)。なお、2017年10月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数は62.8日と9月末の推定在庫日数(62.4日)から増加している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? 10月11日に1,200万バレル強の水準であったシンガポールでのガソリン等の軽質留分在庫量は、10月18日には1,100万バレル台半ば程度、10月25日は1,000万バレル弱の量へと減少した。11月1日は1,100万バレル半ば程度の量へと回復したが、11月8日には1,000万バレル台後半へと再び減少、11月15日には1,100万バレル半ば程度へと増加したものの、10月11日の水準からはやはり減少となっている。アジア地域においても秋場の製油所メンテナンス作業シーズンに突入しつつあることから、製油所での稼働停止に伴う石油製品の生産減少により、国外市場への石油製品輸出が鈍化するとともに、国外市場からの石油製品調達が実施されるなどしていることが、軽質留分在庫を減少傾向にさせる一因となっていると考えられる。このように、アジア地域においてガソリン等軽質留分需給に引き締まり感が発生していることが当該市場のガソリン価格に上方圧力を加えたことから、全体として価格差は拡大する傾向が見られる。ただ、中国ではPetroChina及びSinopecが2017年第11~12月分のガソリン、軽油、及びジェット燃料に対する追加輸出枠を中国政府に対し申請したと10月12日に伝えられた他、CNOOC等も同様の申請を行った旨10月25日に報じられた。そしてこれらの申請は承認されたと11月1日に伝えられる(追加の輸出枠はCNPCが220万トン、Sinopecが130万トン、CNOOCが120万トン、Sinochemが30万トンとされる)。このようなことから、今後中国からのガソリン輸出が活発化するとの観測が市場で発生したことがガソリン価格に下方圧力を加えた結果、価格差は拡大後伸び悩む傾向が見られた。それでも11月中旬後半には原油価格が下落した一方ガソリン価格のそれが追い付かなかったことから、価格差が開く場面も見られている。 また、アジア地域のナフサ分解装置の稼働は堅調であると伝えられる(欧米やアジア諸国等の経済が落ち着きつつあることから、プラスチック等の需要が回復していると見られることが背景にあると考えられる)一方で、欧州やアジアで製油所のメンテナンス作業時期に突入しつつあることにより、当該製Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? iの需給引き締まり感が市場で発生していることに加え、操業中の製油所も冬場に備え灯油の生産を活発化させている結果ナフサの生産が影響を受けているといった側面があること、冬場の暖房需要期に入りつつあったことから石油化学部門でナフサと競合するLPGの価格が比較的高水準で推移した結果ナフサの調達が活発化していることから、ナフサ価格はドバイ原油のそれを上回る状態が続いており、また、その度合いは拡大しつつある。 11月8日には1,000万バレル台半ば程度の水準であったシンガポールの中間留分在庫は、10月18日には1,000万バレル弱にまで減少したものの、10月25日には1,100万バレル台半ば程度へと回復、そして、11月1日には1,200万バレル強の水準へと上昇した。11月8日には1,100万バレル台半ば程度の量へと減少したものの、11月15日には1,200万バレルの量へと再び増加している。アジア諸国において製油所が秋場のメンテナンス作業を実施し始めたことで、国外市場への製品の供給が低下しつつある反面国外市場からの製品の調達が活発化しつつあることが、地域の当該製品在庫の大幅な積み上がりを抑制する方向で作用している。しかしながら、インドでは7月1日に導入した物品・サービス税により物品等の価格が上昇した結果経済が減速した他、同国のBharat Petroleum(BPCL)のKochi製油所の精製能力拡張(それまでの日量19万バレル程度が日量26万バレル程度に増加)作業(8月1日から10月14日までとされる)が完了し、操業を再開したことに伴い軽油の販売が拡大したこともあり、同国から軽油が輸出されていることが、シンガポールの在庫増加に影響している可能性がある。加えて、中国で追加の輸出枠が承認されたことから、今後中国からの軽油輸出が行われるとの観測が市場で発生したことが、軽油価格に下方圧力を加えた結果、軽油とドバイ原油との価格差(この場合軽油価格が原油のそれを上回っている)は、概して縮小傾向を示している。それでも、11月中旬後半には原油価格が下落した一方で軽油価格のそれが追い付かなかったことから、価格差が拡大する場面も見られる。 10月11日には2,300万バレル台後半の水準であったシンガポールの重油在庫は、10月18日には2,400万バレル台前半、10月25日には2,500万バレル台前半、11月1日には2,500万バレル台後半の量へと増加傾向となった。ただ、11月8日には2,300万バレル台後半程度、11月15日も2,300万バレル台半ば程度の量となるなど、当該在庫は一貫した増加もしくは減少傾向を示すことなく推移した。夏場の冷房シーズンに伴う空調稼働用の電力供給のための発電部門向け重油需要期が終了した一方で冬場の暖房シーズンに伴う重油需要期の本格的な到来にはまだ早いなど、当該製品は不需要期に入っているものの、アジア地域等の製油所メンテナンス作業実施に伴う石油製品生産活動が不活発化Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? ナあることが、シンガポールでの重油在庫が明確な増加もしくは減少の傾向を示さない一因であると考えられる。このように、在庫が明確な増減基調を示さないことから、重油と原油の価格差(この場合重油の価格が原油のそれを下回っている)も上下に変動しつつ、明確な拡大もしくは縮小傾向を示さない状態となっている。ただ、11月中旬後半には原油価格が下落した一方で重油価格のそれが追い付か2017年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場は、米国原油在庫等の減少、石油坑井掘削装置稼働数の伸び悩み、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の2018年末までの延長に対する市場の期待感の増大、米国トランプ政権によるイランの核合意不遵守の認定、ベネズエラによる債務再編の意向及びナイジェリアでの武装勢力の攻撃再開の示唆等の地政学的リスク要因などにより、原油価格は上昇傾向となり、11月6日には原油価格(WTI)終値が1バレル当たり57.35ドルと2015年6月30日(この時は同59.47ドル)以来の高水準に到達する場面も見られた(図15参照)。 . 2017年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場等の状況 2なかったことから、価格差が縮小する場面も見られる。 10月13日に中国税関総署から発表された9月の同国原油輸入量が3,701万トン(推定日量903万バレル)と2017年3月(この時は3,895万トン(同919万バレル))に次ぐ統計史上2番目の高水準となっている旨判明したが、この流れが10月16日の市場に引き継がれたうえ、10月13日に米国のトランプ大統領が、2015年7月14日に到達したウラン濃縮問題を巡るイランと西側諸国等の間での合意につき、イランが遵守していないことから、議会に制裁を復活させることの是非等につき検討するよう要請したことで、米国とイランとの対立が高まる結果、中東地域からの石油供給が影響を受けるのではないかとの懸念がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? s場で増大した流れを10月16日の市場が引き継いだこと、10月13日に米国石油サービス企業Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で743基と前週比で5基の減少(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で686基と前週比で2基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が伸び悩むのではないかとの観測が市場で増大した流れが10月16日の市場に引き継がれたこと、2014年6月11日のイスラム国(IS)のイラク北部モスル掌握とバグダッドへの進撃開始の混乱に乗じ同年6月12日にクルド人自治政府が支配権を獲得した同国北部キルクーク地域に対し、10月16日未明にイラク軍が進軍を開始したことで、当該地域にあるバイ・ハッサン(Bai Hassan)油田及びアバナ(Avana)油田の原油生産量(原油生産量は合計で日量35万バレル程度とされる)が停止した旨同日報じられたことで、同国からの原油供給途絶懸念が市場で増大したことにより、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.42ドル上昇し、終値は51.87ドルとなった。ただ、10月17日には、前日(10月16日)に米国エネルギー省(EIA)から発表された「掘削生産性報告(DPR:Drilling Productivity Report)」で、EIAが11月の同国主要7シェール地域の原油生産量が前月比で日量8.2万バレル増加するとの見通しを明らかにしたことで、同国の堅調な原油生産拡大を市場が意識した流れを10月17日の市場が引き継いだことに加え、10月16日未明に開始されたイラク軍によるキルクーク地域への進軍の結果、クルド人自治政府治安部隊(ペシュメルガ)が10月17日に全面的に撤退したことで、イラク軍とペシュメルガとの大規模な衝突が回避されたことにより、当該地域等からの原油供給途絶に対する市場の懸念が後退したことが原油価格に下方圧力を加えた反面、10月18日にEIAから発表される予定である同国石油統計(10月13日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことが原油価格に上方圧力を加えたことにより、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.88ドルと前日終値比で0.01ドルの上昇にとどまった。しかしながら、10月18日には、イラクのキルクーク地域のバイ・ハッサン油田及びアバナ油田の原油生産が停止している旨イラク国営North Oil Companyが10月18日に認めた他、トルコのジェイハン(Ceyhan)港で、イラクのクルド経由パイプラインの原油輸送量(通常日量60万バレル程度)が日量22.5~24.0万バレル程度にまで減少していると関係筋が10月18日に明らかにしたとの情報が流れたことで、イラクを巡る原油供給途絶懸念が市場で再燃したことに加え、10月18日にEIAから発表された同国石油統計で原油在庫が前週比で573万バレルの減少と市場の事前予想(同325~420万バレル程度の減少)を上回って減少している旨判明したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.16ドル上昇し、終値は52.04ドルとなった。ただ、10月19日には、10月18日にEIAから発表された同国石油統計でガソリン在庫が前週比で91万バレルのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? 揄チと市場の一部事前予想(同34万バレル程度の減少~105万バレル程度の増加)に反して、もしくは上回って増加していたことに加え、留出油在庫が同53万バレルの増加と市場の事前予想(同150~200万バレル程度の減少)に反し増加している旨判明した流れを引き継いだうえ、これまでの原油価格上昇に対し利益確定の動きが市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり51.29ドルと前日終値比で0.75ドル下落した。10月20日には、この日Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で736基と前週比で7基の減少(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で680基と前週比で6基の減少)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が伸び悩むのではないかとの観測が市場で増大したことに加え、トルコのジェイハン港におけるイラク北部からの原油の流入量が10月20日時点で日量21.6万バレルと、依然通常の流量から大幅に低下したままとなっている旨同日報じられたことで、イラクを巡る石油供給低減に対する懸念が市場で増大したこと、10月19日夜に2018会計年度の予算決議案が米国上院を通過し成立の目途が立ったことから、年末までに減税のための税制改革法案が可決することに対する期待感が市場で増大したこともあり、米国株式相場が上昇したことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.18ドル上昇し、終値は51.47ドルとなった(なお、NYMEXの2017年11月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、12月渡し契約のこの日の終値は1バレル当り51.84ドル(前日終値比0.33ドル上昇)であった)。 10月23日の原油価格の終値は1バレル当たり51.90ドルと、前週末終値比で0.43ドル上昇したが、WTI原油先物12月渡し同士では前週末終値比で0.06ドルの上昇にとどまった。これは、10月20日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で減少となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が伸び悩むのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き継いだうえ、10月21日にOPEC-非OPEC共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint OPEC-Non-OPEC Ministerial Monitoring Committee)が、9月のOPEC及び一部非OPEC産油国による減産遵守率が120%に到達した他、9月のOECD諸国の石油在庫量の過去5年平均値を上回る程度が2017年初から1.78億バレル縮小、残る部分が1.59億バレとなった旨明らかにしたことで、世界石油需給の引き締まり感を市場が意識したことが原油価格に上方圧力を加えた反面、イラク南部のKhor Al Amayaでの新規沖合出荷ターミナルが操業を開始したことで、南部からの原油輸出量が日量20万バレル増加し北部からの原油輸出量の減少を相殺する旨ルアイビ石油相が明らかにしたと10月21日に報じられたうえ、米国共和党による税制改革案が来週にも発表されると伝わったことから、当該法案成立に対する期待感が市場で増大したことにより、米ドルが上昇したことが、原油相場に下方圧力を加えたことによる。ただ、10月24日には、10Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? ?25日にEIAから発表される予定である同国石油統計(10月20日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことに加え、同日サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、再生可能エネルギー利用推進努力にもかかわらず、世界の石油需要は2050年までには45%増加すると予想する旨の見解を示した他、OECD諸国の石油在庫を過去5年平均値にまで引き下げるためには如何なることでも実行するとともに、減産を終了する際にも石油供給過剰が戻らないように供給を調整する意向である旨10月24日に同相が表明したことで、OPEC及び一部OPEC産油国による減産方針に対する期待感が市場で増大したこと、イラク北部からトルコのジェイハン港への原油輸出量が10月24日時点で日量30万バレルと、前日からは増加したものの、依然平常時の同60万バレルを相当程度下回っている旨判明したことにより、この日の原油価格前日終値比で1バレル当たり0.57ドル上昇し、終値は52.47ドルとなった。ただ、10月25日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油在庫が前週比で86万バレルの増加と市場の事前予想(同43~300万バレル程度の減少)に反し増加していた他、米国原油生産量が前週比で日量110万バレル増加していた旨判明したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり52.18ドルと前日終値比で0.29ドル下落した。しかしながら、10月26日には、この日サウジアラビアのサルマン皇太子が、2018年末までの減産合意延長に対し、石油需給を安定させる如何なる方策も支持する旨発言したと報じられたことで、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長に対する期待感が市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.46ドル上昇し、終値は52.64ドルとなった。また、10月27日には、サウジアラビア及びロシアが明確にOPEC及び一部非OPEC産油国による減産延長に対し支持を表明している旨バルキンドOPEC事務局長が10月27日に明らかにしたことで、11月30日に開催される予定であるOPEC総会で、当該延長が合意されるとの期待感が市場で高まったことに加え、10月27日に米国商務省から発表された2017年7~9月期の同国国内総生産(GDP)が前期比年率3.0%の増加を示し、市場の事前予想(同2.5~2.6%程度の増加)を上回ったことで、同国石油需要増加に対する期待感が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり53.90ドルと前日終値比で1.26ドル上昇した。この結果原油価格は10月26~27日の2日間で併せて1バレル当たり1.72ドル上昇した。 また、サウジアラビアはOPEC及び一部非OPEC産油国による減産を延長する用意があると断言する旨サウジアラビアのサルマン皇太子が10月28日に再度表明したことで、11月30日に開催される予定であるOPEC総会において減産の再延長が決定されることに対する期待が10月30日の市場で増大したことに加え、イラク北部からトルコのジェイハン港に原油を輸送するパイプライン(通常の原油輸送量はGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? 坥ハ60万バレルだが、10月16日以降のイラク中央政府軍のキルクーク州進軍と同地域の油田生産停止の影響で直近では日量26.4万バレルの輸送量と伝えられる)が10月30日未明に操業を停止、同日午後には操業を再開したものの、当該地域からの原油供給の不安定性を市場が意識したことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.25ドル上昇し、終値は54.15ドルとなった。10月31日も、11月1日にEIAから発表される予定である同国石油統計(10月27日の週分)で原油在庫が減少している旨判明するとの観測が市場で発生したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり54.38ドルと前日終値比で0.23ドル上昇した。この結果原油価格は10月30~31日の2日間で併せて1バレル当たり0.48ドル上昇した。11月1日は、これまでの原油価格の上昇に対し利益確定の動きが市場で発生したことが原油価格に下方圧力を加えた一方、11月1日にEIAから発表された同国石油統計で原油及びガソリン在庫が前週比でそれぞれ244万バレル、402万バレルの減少と市場の事前予想(原油130~180万バレル程度、ガソリン150~170万バレル程度の、それぞれ減少)を上回って減少している旨判明したことが原油価格に上方圧力を加えたことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり54.30ドルと前日終値比で0.08ドルの下落にとどまった。11月2日も、11月1日にEIAから発表された同国石油統計で原油及びガソリン在庫が市場の事前予想を上回って減少している旨判明した流れを引き継いだうえ、サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が、原油在庫の減少のための作業継続に注力していく旨11月2日に明らかにした他、イラクのルアイビ石油相が同日に石油供給削減の継続を支持する旨示唆したことにより、OPEC及び一部非OPEC産油国による減産の延長決定に対する市場の期待感が増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.24ドル上昇し、終値は54.54ドルとなった。また、11月2日夜にベネズエラのマドゥロ大統領が、11月3日以降同国向けの全ての債務に対して再編を希望している旨発表したことで、債務不履行と経済混乱が発生することにより同国の石油供給に影響が生ずるのではないかとの不安感が11月3日の市場で台頭したこと、ナイジェリアの武装集団であるNiger Delta Avengersが2016年8月29日に宣言した同国原油生産関連施設への敵対行為停止を終了する旨11月3日に発表したことで、今後の同国原油生産に対する懸念が市場で発生したこと、11月3日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で729基と前週比で8基の減少(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で673基と前週比で4基の減少)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が伸び悩むのではないかとの観測が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり55.64ドルと前日終値比で1.10ドル上昇した。この結果原油価格は11月2~3日の2日間で併せて1バレル当たり1.34ドル上昇した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? サして、11月6日も、11月3日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が減少となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産が伸び悩むのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き継いだことに加え、サウジアラビアの反汚職委員会(委員長:サルマン皇太子)が、王子、閣僚、元閣僚、富豪等数十人を逮捕したと11月5日に伝えられたことで、サルマン皇太子による権力が増強されることにより世界石油需給均衡化に向けた政策がより強力に推進されるのではないかとの観測が市場で発生したことから、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.71ドル上昇し、終値は57.35ドルとなった。ただ、11月7日には、これまでの原油価格の上昇に対する利益確定の動きが市場で発生したことに加え、11月7日にOPEC事務局から発表された「世界石油展望2017年版(WOO2017:World Oil Outlook 2017)」でOPEC事務局が米国の中期石油生産見通しを上方修正したこと、11月7日にEIAから発表された「短期エネルギー展望(STEO:Short-term Energy Outlook)」でEIAが2018年の米国原油生産量を日量995万バレルと10月のSTEO発表時の予測(同992万バレル)から上方修正している旨判明したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり57.20ドルと前日終値比で0.15ドル下落した。また、11月8日も、この日中国税関総署から発表された10月の同国原油輸入量が3,103万トン(推定日量757万バレル)と9月の3,701トン(同903万バレル)から減少、2016年10月(この時は2,879万トン(同680万バレル))以来の低水準となったことで、同国の石油需要に対する懸念が市場で発生したことに加え、同日EIAから発表された同国石油統計(11月3日の週分)で原油在庫が前週比で224万バレルの増加と市場の事前予想(同245~290万バレルの減少)に反して増加していた他、同国原油生産量が前週比で増加した結果、1983年以降の週間統計史上最高水準(日量962万バレル)に到達した旨判明したことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.39ドル下落し、終値は56.81ドルとなった。この結果原油価格は11月7~8日の2日間で合計1バレル当たり0.54ドル下落した。ただ、11月9日には、レバノン情勢悪化により、同国に滞在するサウジアラビア人は即時退去するようにサウジアラビア外務省が同日呼び掛けたことで、レバノンとサウジアラビアとの間での緊張の高まりに対する懸念が市場で発生したことに加え、サウジアラビアが12月の原油輸出を前月比で日量12万バレル削減する旨同国のエネルギー産業鉱物資源省が明らかにしたと11月9日に報じられたことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり57.17ドルと前日終値比で0.36ドル上昇した。それでも、11月10日には、この日Baker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で738基と前週比で9基の増加(同国石油水平坑井掘削装置稼働数は同日時点で685基と前週比で12基の増加)となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産の増加が継続するのではないかとの観Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? ェが市場で増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.43ドル下落し、終値は56.74ドルとなった。 11月13日には、11月10日にBaker Hughesから発表された同国石油坑井掘削装置稼働数が同日時点で増加となっている旨判明したことで、この先米国での原油生産の増加が継続するのではないかとの観測が市場で増大した流れを引き継いだうえ、11月13日にEIAから発表されたDPRで、EIAが12月の同国主要7シェール地域の原油生産量が前月比で日量8.0万バレル増加するとの見通しを明らかにしたことで、この先の石油需給の緩和感を市場が意識したことが、原油相場に下方圧力を加えた反面、サウジアラビアからバーレーンへのA-Bパイプライン(原油輸送能力日量23万バレル)が11月10日にバーレーンの首都マナマの南方で火災が発生した件につき、イランが関与したテロ活動である旨バーレーン内務省が明らかにした他、サウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源省が国内の全ての石油関連施設につき警戒態勢を強化した旨11月11日に報じられたことで、サウジアラビアとイランとの対立の激化と中東地域からの石油供給への影響に対する懸念が市場で増大したこと、11月13日にOPEC事務局から発表された「月刊オイル・マーケット・レポート」でOPECが2017年及び2018年の世界石油需要を上方修正した旨判明したこと、NYMEXのWTI原油先物受け渡し地点である米国オクラホマ州クッシングの原油在庫が11月10日の週に190万バレル減少した旨米国石油関連情報サービス会社Genscapeが報告したと11月13日に報じられたことが、原油価格に上方圧力を加えたことから、この日(11月13日)の原油価格の終値は1バレル当たり56.76ドルと前週末終値比で0.02ドルの上昇にとどまった。11月14日も、前日(11月13日)にEIAから発表されたDPRで、EIAが12月の同国主要7シェール地域の原油生産量が増加するとの見通しを明らかにしたことにより、この先の石油需給の緩和感を市場が意識した流れを引き継いだことに加え、11月14日に国際エネルギー機関(IEA)から発表された「オイル・マーケット・レポート」で原油価格の上昇と比較的温暖な冬場初期の気候によりIEAが2017年及び2018年の世界石油需要を下方修正したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.06ドル下落し、終値は55.70ドルとなった。また、11月15日も、11月14日にIEAから発表された「オイル・マーケット・レポート」でIEAが世界石油需要を下方修正した流れを引き継いだことに加え、11月30日に開催が予定されるOPEC総会で減産延長を決定することに関し、ロシアが時期尚早であると考えている旨関係者が明らかにしたと11月14日夜に報じられたことで、当該減産延長と石油需給引き締まりへの期待が11月15日の市場で後退したこと、11月15日にEIAから発表された同国石油統計(11月10日の週分)で原油及びガソリン在庫が前週比でそれぞれ185万バレル、89万バレルの増加と市場の事前予想(原Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? 茁ッ100~240万バレル程度の減少、ガソリン同92~150万バレル程度の減少)に反し増加していた他、留出油在庫が前週比で80万バレルの減少と市場の事前予想(同130~200万バレル程度の減少)ほど減少していなかったことに加え、同国原油生産が増加した結果、1983年以降の週間統計史上の最高水準記録を更新した旨判明したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり55.33ドルと前日終値比で0.37ドル下落した。11月16日も、11月30日に開催が予定されるOPEC総会で減産延長を決定することに関し、ロシアが時期尚早であると考えている旨関係者が明らかにした報じられたことで、当該減産延長と石油需給引き締まりへの期待が市場で後退した流れを引き継いだことうえ、11月15日にEIAから発表された同国石油統計で原油及びガソリン在庫が市場の事前予想に反し増加していた他、留出油在庫が市場の事前予想ほど減少していなかったことに加え、同国の原油生産が増加した結果週間統計史上の最高水準記録を更新した旨判明した流れを引き継いだことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.19ドル下落し、終値は55.14ドルとなった。この結果原油価格は11月14~16日の3日間で合計1バレル当たり1.62ドル下落した。ただ、11月17日には、OPEC産油国は11月30日に開催が予定される総会時に減産延長を決定すべきである旨サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相が示唆したと11月16日遅くに報じられたことで、当該総会で減産延長が決定されることに対する期待感が市場で増大したことに加え、11月16日午前6時にKeystoneパイプライン(カナダ アルバータ州ハーディスティ~米国オクラホマ州クッシング、イリノイ州ウッドリバー及びパトカ、原油輸送能力日量59万バレル)が米国サウスダコタ北東部のマーシャル郡の農地で5,000バレルの原油流出が発見されたことにより操業を停止、操業者であるTransCanadaが操業再開時期は未定である旨明らかにしたと11月17日に報じられたことで、米国での石油需給引き締まり感が市場で発生したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり56.55ドルと前日終値比で1.41ドル上昇している。 イエメンでは、11月4日夜に、イランが支援しているとされるフーシ派勢力がサウジアラビアのリヤドにあるキング・ハリード国際空港を標的として弾道ミサイルを発射した旨同勢力が発表した。ミサイルはサウジアラビア軍によってリヤド北東部で迎撃された。報復措置として、サウジアラビアが主導する有志連合軍がフーシ派の拠点であるサヌアを空爆したと報じられる。11月6日にはサウジアラビアは当該行為に対して事実上イランによるサウジアラビアに対する軍事行動である旨非難する(11月7日にはサルマン皇太子も同趣の発言を行っている)とともに、イエメンの陸路、海路、空路を封鎖する旨発表している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? . 今後の見通し等 3Cラクでは、イランがクルド人自治区との境界施設を封鎖した旨10月15日に発表した。他方、10月16日未明には、イラク軍がキルクーク州の中心都市であるキルクークへの進攻を開始した。一部地域(キルクーク南部)ではクルド人自治政府側と衝突があったと伝えられるが、それまで事実上当該地域を支配していたクルド人自治政府から当該地域の支配権を奪還、ペシュメルガは全面的に当該地域から退却した旨報じられる。これにより当該地域で原油を生産しているバイ・ハッサン油田及びアバナ油田で生産が停止したと10月16日に伝えられる(停止は戦闘に伴う治安悪化によるものと見られる他、イラク中央政府側はペシュメルガが撤退する際に油田関連の機材を持ち去ったことで、操業が回復できない旨10月19日に報じられる)。これにより、イラク北部から原油輸送を受け入れ欧州方面に輸出しているトルコのジェイハン港では、10月18日には、輸出量が相当程度低下した旨報じられる。また、イラク中央政府軍は10月18日においても、キルクークに加え、クルド人自治政府が事実上支配する他の地域(クルド人自治区近隣のニナワ州及びディヤラ州)において支配権を回復すべく進攻を続けた旨伝えられる。イラク中央政府軍は10月20日にペシュメルガと戦闘した結果、3時間後には中央政府軍がキルクーク州全体を制圧した旨報じられる。このような中、10月21日には、ルアイビ石油相が同国南部Khor al Amayaの沖合に新設された石油ターミナルから新たに日量20万バレル分の原油を出荷させることを通じて原油輸出量を増加させることにより、北部からの原油生産量減少を埋め合わせる意向である旨表明した(北部の原油生産が正常値に戻るまで継続する予定)。これにより平常時の原油輸出量が日量320万バレルから同340万バレルへと増加することになる。他方、クルド人自治区では11月1日に予定されていた議長及び議会選挙を8ヶ月間延期する旨同自治区議会が10月25日に決定した。また、同日には、自治政府は、9月25日に実施した独立の是非を問う住民投票につき結果を凍結とするとともに、イラク中央政府に対して協議を通じ事態の打開を図る方針であることに加え、即時停戦とクルド人居住地域での軍事行動の停止についても提案する旨表明した。ただ、従来から住民投票の「無効」を対話の条件としていたアバディ首相は、クルド自治政府の提案に関し10月26日に住民投票結果を無効しなければ応じないとして拒否している。また、10月26日にクルド人自治区とトルコとの境界付近(フィシュカブル等)で中央政府軍とペシュメルガとの間で衝突が発生したが、アバディ首相は、10月27日に、中央政府軍に対し軍事行動を24時間中断するよう指示した。そして今後はイラク中央政府とクルド人自治政府との間で、紛争地帯におけるイラク中央政府軍の展開につき共同で作業部会を設置し検討する予定であるとされる。また、10月29日にはイラクのルアイビ石油相が同国南部沖合での原油出荷基地を増設した結果原油輸出能力が日量90万バレル増加し同460万バレルとなった旨明らかにしている。そのような中、10月29日には、クGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? 泣h人自治政府のバルザニ議長が11月1日に辞任する意向を表明した。また、10月30日未明には、イラクのクルド地域からトルコのジェイハンに向けた原油パイプラインが操業を停止、同日13時半頃には操業を再開したが、通油量は不明とされるなど、同国北部での原油の供給に対する市場の不安感が払拭できない状態となっている。なお、11月6日にはイラクの最高裁判所はクルド人自治政府が実施した住民投票につき違憲との判断を下している。 米国のトランプ大統領は10月13日に、2015月7月14日に到達したイランのウラン濃縮問題を巡る西側諸国等6ヶ国との合意に関し、イランがそれを遵守していないと認定、イラン対策に関し議会に60日の猶予を与え対応策を検討させることにした。トランプ氏は、イランが核合意違反を行ったことに加え、弾道ミサイルを発射した場合には自動的に制裁を再開するように国内法を調整するように要請する方針であると10月13日に伝えられており、そのような調整が不調に終わった場合には、核合意を破棄する旨明らかにしている。これについては、同日に欧州連合(EU)(モゲリーニ外交安全保障上級代表)及び国際原子力機関(IAEA)(天野事務局長)が事実上トランプ氏を批判する声明を発表している。他方、10月13日にはイスラエル(ネタニヤフ首相)やサウジアラビア、UAEはトランプ氏の方針を歓迎する旨発表している(10月14日にはサウジアラビアのサルマン国王もトランプ大統領に対し歓迎の意を表明している)。イランでは、10月13日にロウハニ大統領がトランプ氏の方針を非難した他、10月18日には同国の最高指導者ハメネイ師が、米国が核合意を破棄するのであれば、イランも破棄する他、弾道ミサイルの開発は継続させる方針である旨表明している。ただ、10月19日に、ティラーソン米国務長官が米国はイランの核合意見直しに関し、これを以て欧州とイランとの商業的関係を阻害する意図はない旨表明している。他方、イランは10月23日までに米国が核合意を遵守していないとして、核合意遵守を監視する西側諸国等による委員会の事務局を担当するモゲリーニ外交安全上級代表に宛て、不服の意を示唆する書簡を送付し、受理されている。他方、サウジアラビアからバーレーンへのA-Bパイプラインが11月10日にバーレーンの首都マナマの南方で火災が発生した件につき、イランが関与したテロ活動である旨バーレーン内務省が明らかにした他、サウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源省が国内の全ての石油関連施設につき警戒態勢を強化する旨11月11日に報じられているが、イランはバーレーンの発表内容は虚偽であると明らかにした旨11月11日に伝えられる。なお、11月13日にはIAEAはイランが核合意を遵守している旨の報告書を取りまとめている。 ナイジェリアの武装勢力であるNDAは同国の産油地帯であるニジェール・デルタにおける攻撃停止を終結する旨11月3日に表明した。これに対し11月5日にニジェール・デルタ担当大統領特別顧問がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ? jジェール・デルタ指導者のもとを訪れた後、同指導者はNDAに攻撃を再開しないように要請した他、11月6日には、ナイジェリア政府は、武装勢力と協議する用意がある旨表明しており、11月12日にはオシンバジョ副大統領がニジェール・デルタ関連予算を増額するとともに海洋大学の設立、道路インフラの整備を含めた地域開発計画案を発表している。 ベネズエラでは、マドゥロ大統領が11月2日支払期限の債務の償還は実施する旨明言したものの、以降は債務を再編する旨方針である旨同日夜に明らかにした。ただ、同国国営石油会社PDVSAの11月2日支払期限の社債償還が行われなかったことにより、格付け機関のムーディーズが同社の格付けを引き下げる旨11月6日に発表するなど、情報は錯綜している(他方、11月2日の償還期限の社債についてPDVSAは大半を支払った旨11月8日に市場関係者が明らかにした旨報じられる)。また、同国国営電力会社が事実上債務不履行状態となっている旨11月10日に判明している。11月13日にはベネズエラ政府が債権者を集め債務再編に関する説明会を開催したが、ベネズエラ側からは具体的な説明はなく、説明会は30分程度で終了したと伝えられる。同国は11月13日に約600億ドル分の債務の繰り延べを開始した旨11月13日に明らかにし、11月14日には金利の支払いを開始した旨明らかにしたが、同日格付け機関のS&Pは2億ドルの金利支払いが期日である11月12日までに実施されなかったとしてベネズエラの格付けを「選択的債務不履行」へと引き下げる旨11月13日に発表した。また、同じく格付け機関のフィッチ・レーティングもベネズエラの格付けを債務不履行へと引き下げた旨11月14日に発表した。ただ、11月15日には、ロシアのベネズエラからの債務返済を今後6年間最小限にする旨同国とロシアが合意したとロシア財務相が発表した(PDVSA社債は含まれていないと伝えられる)。また、中国もベネズエラの債務再編につき対応していく方針であることを11月15日に中国外務省が示唆した。他方、11 月16 日には国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA: International Swap and Derivative Association)がベネズエラ政府とPDVSAにつき債務不履行の状態にあるものと認定している。 このように、地政学的リスク要因面では、ここ最近複数の国で様々な動きが見られるが、まず引き続きイラクが注目される要因になるものと考えられる。今後もイラク中央政府とクルド人自治政府との対立が継続する結果、イラク政府内での足並みが乱れるとともに政治的空白が発生、その結果南部地域の油田地帯の治安が悪化し、ISの残党等によるテロ行為が発生するようだと、同国からの石油供給途絶懸念が市場で増大することになる。このようなことから、同国を巡る情勢は今しばらく市場から注目されるとともに、先行きの不透明感が払拭できていないことから、当面はこの面で原油相場を下支えする方向で作用する可能性があるものと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 22 ? Cランについては、10月13日の米国のトランプ大統領によるイランの核合意遵守不認定に対し米国議会及びイランがどのような対応をするかが注視されるところであろう。特に議会の審議期限は60日となっており、また、上院では、共和党議員は52議席にとどまっているため、法律修正のために必要な60議席には届かず(オバマ政権下でイランの核合意がなされたため、修正において民主党議員の協力を得られる可能性は高くないものと見られている)、従って修正は議会を通過しない可能性がある。ただ、その場合には、トランプ大統領は核合意を破棄する意向を示していることから、イランと米国との対立が再び高まる結果、ホルムズ海峡等の封鎖を含め中東諸国からの石油供給途絶懸念が市場で高まるといった展開も否定できないことから、この面で原油価格に上方圧力を加えうる。 ナイジェリアでは、これまで停戦に合意したことにより、パイプライン等原油生産関連施設への攻撃を中断していたNDAが、地域の指導者に対する対応への不満から停戦を終結させ、攻撃を再開する旨表明している。また今回の表明の中には、これまでと違い、人命をも脅かす旨示唆している。現在ナイジェリア政府や地域の指導者はNDAに対し攻撃を再開しないよう要請したり、ナイジェリア政府もニジェール・デルタの新規の開発計画を発表したりしている。ただ、両者の協議が順調に進捗するかどうかについては不透明であり、協議が不調となった結果、今後石油生産関連施設が攻撃される結果、同国からの原油生産が減少、もしくはそのような同国からの石油供給途絶懸念が市場で増大することにより、原油相場が反応するといった展開が想定される。 また、ベネズエラの債務問題についても、債務再編が順調に進むかどうか予断を許さない面がある。ベネズエラは同国債務再編につきロシア及び中国の支援を取り付けつつあるが、ロシアのベネズエラ債務再編支援にはPDVSAは含まれていないことから、今後PDVSAにおいて債権者に対して金利等の支払いを実施できるかどうかにつき注目していく必要があろう。もしこれが滞る、つまり債務不履行(米国政府から同国国債や社債の新規購入を禁止するという制裁が科されていることからすると、その可能性も否定できない)という事態に陥るようだとPDVSAの信用が失墜することにより、同社の資金繰りに影響、その結果油田操業等に支障が生ずるとともに同国の原油生産量(既にPDVSAが中心となって生産を行っている同国の原油生産量は2017年10月は日量191万バレルと2009年5月の同298万バレル以降下落傾向が続いている)がさらに減少するとの懸念が市場で広がる結果、原油相場に上方圧力を加える可能性がある。 さらに、サウジアラビアにおいても、サルマン皇太子が王子及び閣僚等を逮捕した旨11月5日に明らかになったが、これによりサウジアラビアの現体制(サルマン国王-サルマン皇太子)の成り行きにこのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 23 ? 謇e響が出てくるかどうか、ということが焦点になろう。もしこれにより、今後サウジアラビアが主流側と反主流側に分裂し闘争状態となるようであれば、同国の政情が不安定なるとともに、政治面で空白状態が発生する結果、同国東部の油田地帯(そしてこの地域には宗教的にはイランと同じ流れをくむイスラム教シーア派住民が多く居住している)等での治安が脅かされ、同国の原油生産や出荷が影響を受けるのではないかとの懸念が市場で台頭するといった余地がある。この場合原油相場が上振れすることもありうる。他方、それほど政情不安が発生せず、現王政が盤石な体制を築きつつある旨の兆候が見えてくるようであれば、サルマン皇太子による、世界の石油需給均衡に向けた減産を含む政策の推進がより強力に実行されることに対する期待感が市場で高まることにより、原油相場を少なくとも下支えする(場合によっては上方圧力を加える)可能性がある。他方、11月4日夜には、イエメンでイランが支援しているといわれているフーシ派勢力がサウジアラビアに向け弾道ミサイルを発射している。7月27日夜にもイエメンから弾道ミサイルが発射されており、これまでのところ双方ともサウジアラビアによって迎撃されているが、さらにミサイル発射が継続するようだと、サウジアラビアとイランとの対立に対する懸念が市場で増大することにより、この面で原油相場が影響を受けるといった展開もありうる。また、11月4日には、レバノンのハリリ首相が滞在先のサウジアラビアのリヤドで辞任を表明(イランがレバノンで支援している武装勢力ヒズボラにより自身の命が危険に晒されていると発言したが、レバノン側はハリリ首相はサウジアラビアにより事実上拘束されている旨主張している)、11月9日には、レバノン情勢悪化により、同国に滞在するサウジアラビア人は即時出国するようにサウジアラビア外務省が呼び掛けた(バーレーンは11月5日に、またクウェート、UAEも11月9日に同様の措置をとっている)ことで、サウジアラビアとレバノン(そしてイラン)の間での緊張の高まりに対する懸念が市場で発生している。このようにイエメン、レバノン、そしてバーレーン(前述)を巡り、サウジアラビア等とイランとの対立が高まる兆候が見られる。今後引き続きサウジアラビア等の事実上の対イラン強硬姿勢が継続し、イランとの関係がこじれるようであると、サウジアラビア等の石油生産関連施設等が脅威に晒されるとの懸念が市場で発生したり、イランによるホルムズ海峡封鎖の可能性に対する不安感が市場で高まったりすることから、原油相場に上方圧力を加えやすくなると考えられる。 米国では株式価格が上昇しており、この影響で投資家によるリスク選好度が拡大、原油市場にも資金が流入する結果、原油相場を押し上げている側面があるように見受けられる。また、原油価格の上昇による収益改善期待から、エネルギー関連企業の株価が上昇し、それが株式相場を押し上げているといった側面もある。もっとも、12月12~13日に開催される予定である米国連邦公開市場委員会(FOMC)では、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 24 ? 燉?ォ上げの可能性が極めて高く(11月18日時点では、その確率は96.7%に達している)、この面では米ドルを上昇させる結果原油価格には下方圧力を加えそうであるが、株式市場でのリスク選好度が極度に高まれば、例えば米ドルを売って得た新興国通貨を利用して新興国市場株式等に投資するといった動きも発生することが想定されることから、逆に米ドルを押し下げる方向で作用することもあり、この場合原油価格を上昇させる方向で作用しがちになる。このように、今後当面は株式相場の動きが原油相場へ影響しやすくなるので、その動向を注視する必要があろう。また、欧州の経済指標類や金融当局関係者の発言、ECB理事会(12月14日開催予定)での議論の内容等によってはユーロが変動する結果米ドルを通じて原油相場に影響が及ぶことがありうる。また、中国の経済指標類(原油輸入量等を含む)も、同国の経済情勢、そして石油需要に関する観測を市場で発生させる結果、原油相場が変動する場面が見られうる。 北半球では11月1日を過ぎ、冬場の暖房シーズンに突入した。これに併せ、今後米国を中心として暖房用石油製品需要が増加、製油所も秋場のメンテナンス作業を終了し稼働を上昇、原油精製処理量を増加させるとともに、原油の購入を活発化させて来るとの観測が市場で増大すると見られる。このような季節的な需給の引き締まり感が市場で醸成されてくることが原油相場を支持するものと考えられる。また、これから冬場に接近するので、特に暖房油消費の中心地である米国北東部での気温や気温予報に関しても市場関係者はより敏感になるであろう。現在のところ今後2週間程度は北東部の気温は概ね平年並みから平年割れとなると予想されており、その意味では暖房用石油需要増加観測が市場で発生する可能性があり、原油相場には上方圧力を加えやすいものと考えられる。他方、米国ではハリケーン「ハービー」がメキシコ湾岸地域に来襲した際に地域の製油所の稼働が大きく影響を受けた。ハリケーン通過後は操業を停止した製油所は稼働を再開したものの、米国の他の地域等でのメンテナンス作業の実施もあり、ハリケーン来襲前の状態に製油所の稼働が戻っているわけではない他、米国のみならず、欧州、中東、そしてアジア地域で製油所が秋場のメンテナンス作業に入ったことで、石油製品の生産が全体的に低下したことにより、米国で一部石油製品が輸出に回っていると見られることもあり、ガソリンや留出油(軽油及び暖房油)在庫が減少傾向を示している。そして、特に留出油については需要期に入っていることもあり、米国北東部での足元の気温が低下したり、気温が低下するとの予報が発表されたりするようだと、需給の引き締まり感が市場で一層強まる結果、暖房油価格が上昇、それに引きずられて原油価格が上昇する可能性もある。他方、3ヶ月予報では米国北東部は平年を超過する気温になると予想されていているが、これが平年割れの気温予報に転換したりした場合でも、暖房油先物相場ととともに原油相場がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 25 ? 繽クする可能性があるので注意が必要であろう。加えて、米国での石油坑井掘削装置稼働数の動向によっても、将来の同国の原油生産量に関する観測を市場で発生させることを通じ原油相場が変動する可能性もある。 OPEC産油国は11月30日に通常総会を開催する予定である。現在2018年3月末までの実施予定となっている減産の2018年末までの延長については、既にロシア及びサウジアラビアが決意している旨バルキンドOPEC事務局長が10月27日に明らかにしているなど、2018年末までの延長が当該総会で決定される可能性が高まっている(但し前述の通りロシアは減産延長を決定するのは時期尚早であるとの考えであるとも伝えられるなど不透明な部分も残っている)。ただ、2018年末までの減産が決定しても、2018年第二~第四四半期は需給がほぼ均衡することにより在庫余剰がそれほど縮小しないことが予想されることから、かえってこの結果に市場が失望することにより、この面では原油相場に下方圧力が加わりやすくなると考えられる。このような事態を防止するために、減産のさらなる延長(例えば2019年第一四半期まで延長)が当該総会において検討され、決定される可能性も残っていると考えられる。そしてそのような決定が総会でなされるようであれば、需給の引き締まり期待が市場でさらに増大する結果、原油相場に上方圧力が加わるといった展開も想定される。なお、減産目標の拡大については、個別の加盟国等の利害の一致に時間と労力を要するため、次回総会でこれが決定される可能性はそう高くないと考えられる。 なお、12月末にかけ、米国メキシコ湾岸の主要製油所に通じるヒューストン運河(Houston Ship Channel)等において濃霧の影響で原油輸送タンカーの航行にしばしば支障が生じることにより当該製油所での原油在庫の積み上げに影響が及ぶことがありうる他、年末の課税対策から精製業者等が原油在庫等を相当程度減少させる可能性がある(米国のテキサス州やルイジアナ州では年末の石油在庫評価額に対して固定資産税等が課税されることから、課税額を低減させるために精製業者等は必要以上の在庫を保有することを敬遠することに伴い在庫が減少に向かいやすくなるとされる)。このようなことから、年末にかけて発表される米国石油統計でメキシコ湾岸地域での原油在庫等が相当程度の減少傾向を示す場面が発生することにより、これが市場で石油需給の引き締まりの兆候と受け取られ、原油価格に上方圧力が加えられる、といった展開も予想される。ただ、このような在庫減少が見られた場合、1月以降は製油所等での原油等の受入が再開されることから、反動で相当程度の在庫増加が見られる可能性もあり、これにより原油相場を押し下げる場面が見られることもありうる。 全体としては、冬場の暖房シーズン到来に伴う暖房用石油製品需要期に突入している一方で、ハリケGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 26 ? [ン来襲の影響により米国で留出油在庫が低下していることから、需給の引き締まり感が市場で強まりやすく、この面で原油相場が支持される可能性がある。また、従来のイラン、イラクに加え、ナイジェリア、ベネズエラ、サウジアラビア、レバノン、イエメン等の地政学的リスク要因が顕在化しており、この面でも原油相場を堅調なものにさせやすい。さらに、米国株式相場が今後も上昇を続けるようだと、投資家のリスク選好度の拡大から原油市場に資金が流入する結果、原油価格が上振れしやすくなる。そしてこの場合、米国の原油生産増加といった原油相場に下方圧力を加えるような要因を市場が軽視する傾向が強まる結果、そのような統計類が発表されても原油相場の下落が限定的なものにとどまるといった展開もありうる。このような中、OPEC総会に向け減産延長が決定することに対する期待感でも、原油価格が底堅く推移する可能性がある。そして、OPEC総会で2018年末までの延長が決定した場合には利益確定により原油価格が下落する場面が見られようが、冬場の石油需要期、地政学的リスク要因、そしてリスク選好度の拡大から、原油価格の下落が新たな原油購入の機会となると市場から認識されることにより、原油価格が余り下落しない可能性があることに注意する必要があろう。 米国では、天然ガス価格が100万Btu当たり2ドル後半から3ドル前後へと回復したことに伴い、天然ガス坑井掘削装置稼働数も少し遅れて増加傾向を示したものの、7月下旬以降は再び伸び悩みの様相を呈している(図16参照)。これは原油価格が5月下旬以降WTIで1バレル当たり50ドルを割り込んで下落、6月21日には42.53ドルに到達したことで、原油やNGL(Natural Gas Liquids:天然ガス液)の販売に係る採算性が悪化したことにより、石油水平坑井掘削装置稼働数とともに、天然ガス、そしてシェールガス生産に随伴して生産されるNGLを開発するための天然ガス水平坑井掘削装置の稼働数が伸び悩むようになったものと考えられる。ただ、原油価格は6月下旬以降回復基調となり、9月以降は終値ベースで概ね50ドル前後かそれを超過する水準となっていることにより、原油とともにNGL生産に係る収益性も改善してきていると見られることから、今後時間差を以て天然ガス水平掘削装置稼働数も再び増加に向かうと見る向きもある。ただ、2016年8月にかけ減少傾向となっていた天然ガス水平坑井がそれ以降2017年7月下旬までは増加してきていたことに伴い、低下傾向となっていた同国シェールガス生産量は2016年10月を底として増加基調に転じており(図17参照)、これにより、同国の天然ガス生産量も2017年1月以降は増加を示すようになっている(図18参照)。 . 世界天然ガス市場動向 4Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 27 ? 他方、米国の2017年の夏は総じて前年よりも気温が低かったことから、空調稼働用電力のための発電部門向け天然ガス需要が前年割れしたこともあり、8~9月は同国の天然ガス需要全体としても前年同月比で減少となった(図19参照)。ただ、10月については、前年とほぼ同等の気温であったこともあGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 28 ? 閨A発電部門での天然ガス需要も前年比でほぼ同水準となった他、同国の天然ガス需要も前年同月比でほぼ変わらずとなった。他方、天然ガスパイプラインの整備により米国からのメキシコへの天然ガス輸出は日量40億立方フィートを超過した水準を維持している(図20参照)。また、8月下旬のハリケーン「ハービー」の米国メキシコ湾岸地域来襲により米国Sabine Pass液化天然ガス(LNG)出荷施設での操業が停止した時期もあったが、総じて米国からのLNG輸出量は維持されている(最近ではUAEへのLNG輸出が目立つようになってきているが、これは6月5日にサウジアラビアがカタールに対して断交したことに併せ、UAEもカタールと断交したものの、UAEは従来カタールからパイプライン(Dolphin Pipeline)経由のほかLNGで天然ガスを輸入していた(2016年はパイプラインでの天然ガス輸入が日量17億立方フィート、LNG輸入が同1億立方フィート)ため、自国のエネルギー安全保障上への懸念から米国からのLNG輸入を行うようになったものと見られる)(図21参照)。 ? 29 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 このように、米国では供給は回復しつつあった他国内需要が前年同月比で減少となっていたものの、メキシコへのパイプライン及びその他国外向けLNG輸出が概ね堅調であったことから、全体としては、米国の天然ガス貯蔵量は増加傾向とはなったものの、その増加ペースがしばしば平年値(この場合は過去5年平均値)を下回る状態が継続した結果、8月4日には平年値を1.7%上回っていた同国天然ガス貯蔵量は、その後平年を上回る率が縮小、9月29日には平年を割り込む量となり、さらに11月上旬後半頃以降は気温も軒並み平年を下回る程度にまで低下したこともあり、同国の天然ガス貯蔵量は11月10日の時点では平年を2.6%下回る状況となっている(図22参照)。そして冬場の暖房シーズン到来に伴う天然ガス需要期初頭に平年を割り込む天然ガス貯蔵量と気温の低下が発生したこともあり、同国の天然ガス価格は総じて下支えされ、上下に変動しながらも概して上昇傾向となり、8月中旬の100万Btu当たり2.9ドル台が11月中旬には同3.2ドル台に到達している(図23参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 30 ? 英国では8月16日より英領北海のGullfaksガス田(天然ガス生産量日量2.1億立方フィートとされる)が予期せぬ改修作業で生産を停止した(作業期間は5~6日程度と伝えられる)他、ノルウェーからの天然ガス流入量が減少(Trollガス田と見られるガス田の生産が停止したことによるものと推測されている)ことが8月中旬の同国天然ガス価格を100万Btu当たり5ドル台半ば程度(推定、以下同様)で下支えした。また、9月に入るとさらに英領やノルウェー領北海ガス田やガス処理施設でのメンテナンス作業に伴い天然ガス供給が相当程度停止するとの観測が市場で広がったうえ、8月末頃には気温が低下するとの予報が発表されたことで、天然ガス需給引き締まり感が市場で醸成されたこと等により、英国の天然ガス価格は8月下旬には100万Btu当たり5ドル台後半へと上昇した。9月に入っても、英領やノルウェー領北海での天然ガス生産関連施設でのメンテナンス作業による停止に対する需給引き締まり感が市場で根強かったうえ、気温も低下し始め、しばしば平年を割り込みようになったこと、また、9月に入り原油価格が上昇したことによる欧州大陸天然ガス価格への影響(当該地域の天然ガス価格は石油製品価格連動の要素が存在する)に対する市場の懸念が増大したこと(欧州大陸と英国とはパイプラインを通じ天然ガスが流通しているので、欧州大陸での天然ガス価格は英国のそれにも影響を及ぼす)等で、英国の天然ガス価格は9月初頭の100万Btu当たり5ドル台後半から9月末には6ドル台前半程度へと価格変動領域を切り上げた。さらに、9月28日には、フランスの電力会社Electricite de France(EDF)が、同国南東部ドローム県にあるトリカスタン(Tricastin)原子力発電所の原子炉(1基当たり発電能力は92万kW)4基全ての操業を停止する旨決定し(同発電所東側を流れるドンゼール-モンドラゴン運河の堤防が決壊した場合に同原子力発電所が冠水し原子炉の安全性に影響を及ぼす可能性があるとの指摘を同日同国原子力安全局から受けていた)、運河の堤防を改修する工事を実施するとともに同原子力発電所の操業を停止した(10月27日時点で、運河の改修工事は完了しておらず、同日当初予定よりも3週間延長し11月末まで操業を停止する旨明らかになっている)ことから、フランスの英国かGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 31 ? 轤フ電力輸入量が増加、その結果英国での発電部門向け天然ガス需要が増加するとの観測が市場で増大した。加えて、10月に入り気温が低下したことから暖房や発電向け天然ガス需要が増加するとの見方が市場で強まったうえ、アジア市場(特に中国)でのLNG需要の増加と当該地域でのLNG価格の上昇から、英国を含めた欧州諸国がLNGの調達に苦慮するのではないかとの不安感が市場で発生したこと等もあり、英国での天然ガス価格はさらに上昇、11月上旬には100Btu当たり7ドル前後に到達するようになっている。 北東アジア市場では、8月に入り、韓国、台湾、及び中国が冬場に向けた在庫充填、そして一部LNG供給者(欧州系大手国際石油会社等のように自社で生産するLNGのみならず、スポット市場等他社から供給されるLNGを含め、自社の収益上最適なLNG調達を行い、消費者に販売する供給者)による、長期LNG売買契約者向けのためのLNG調達がスポット市場で行われたことがLNGスポット価格に上方圧力を加えた一方で、8月後半には日本、韓国及び中国での気温が低下気味となったことで、空調のための発電向け天然ガス需要が低迷するとの観測が市場で発生したことがLNGスポット価格に下方圧力を加えた結果、8月は当該価格は100万Btu当たり6ドル台前半(推定)で上昇もしくは下落に関し明確な方向性を示すことなく推移した。ただ、9月に入り原油価格が上昇基調となったことから、原油価格に連動する長期契約LNG価格の上昇観測が市場で発生したこと、さらに、中国政府による大気汚染対策の一環として2014年5月16日に公示され、実施されている「エネルギー産業の大気汚染防止作業計画に関する通知」について、2017年末が期限となることから、2017年10月18日より開催された中国共産党大会を前にして同国の石炭火力発電所が閉鎖されるとともに、中国の江蘇省等一部地域の発電部門が石炭から天然ガスへの転換を急速に推進したうえ、石炭から天然ガスへの転換を促進すべく中国国家発展改革委員会が9月1日付で天然ガスを輸送するパイプライン会社から各地域及び都市ガス配給事業者等への卸売価格(家計向けを除く)や輸送料金を引き下げたことで同国の天然ガス需要が刺激された一方で、同国国内での天然ガス生産量がその伸びに追いつくほど生産が堅調であったわけではなかったことにより、同国のスポット市場からのLNG調達が活発化したこと、冬場の暖房向け天然ガス需要期が市場関係者の視野に入ってきたこと、豪州North West Shelf(NWS)LNG出荷施設が11月10日に予期せぬ操業停止となったこと(大部分は11月12日までに操業を再開したが完全復旧は11月20日前後と伝えられる)が、スポットLNG価格に上方圧力を加えたことから、当該価格は9月上旬の100万Btu当たり6ドル台前半程度が11月中旬には同9ドル台後半へと上昇している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 32 ?
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2017/11/20 野神 隆之
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