ページ番号1004761 更新日 平成30年3月5日

中国における深刻な天然ガス不足の発生とその影響

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レポートID 1004761
作成日 2017-12-28 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG基礎情報
著者 竹原 美佳
著者直接入力
年度 2017
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2017/12/28 (2018/1/26修正) 調査部:竹原 美佳 中国における深刻な天然ガス不足の発生とその影響 ? 中国政府は13次五か年計画等において石炭や石油から天然ガスへの転換を段階的に図っている。2017年は大気汚染対策行動期間の最終年を迎え、特に北部で急速な石炭から天然ガスへの転換を強行した結果、深刻な天然ガス不足と国内LNG価格の高騰が起きた。 ? 同国のLNG輸入は長期契約による供給増加に加え、需給ひっ迫への対応で前年比約1,200万トン増の3,800万トンに達し韓国を上回る世界2位のLNG輸入国となる見込みである。同国の需給ひっ迫により日本もLNGスポット価格が上昇するなど短期的な影響は小さくない。しかし中期的には世界のLNG供給は中国を含む需要増に対応可能。 ? 次の冬季は政策目標の最終年ではなく、夏場のスポットLNG調達や冬のピーク調整を早目に行うなどの対応を取ることで今回のようなパニックの様相を呈する可能性は低い。しかし冬季の北部を中心とした天然ガス不足の解消には時間を要する見込み。中国の天然ガス不足の問題は小手先の需給調整で解消できるものではなく、幹線パイプラインやLNG受入基地の新増設や南北地域間の連携に加え、地下貯蔵設備、都市ガス配管網整備などのインフラを整備していくことが必要である。 ? 中国では中長期的に天然ガスの需給ギャップが拡大し、現在の長期契約以上の追加調達が必要となる見通し。パイプラインは今般のガス不足を受けてロシア(西・極東ルート)との交渉が動く気配がある。LNG受入基地は計画・構想段階のものが多数あり、長期契約についても米国LNGを含む合意段階のものが多数ある。LNGとパイプラインのガス輸入インフラにおける将来の比率と実際の輸入には不確実性が残る。 ? 中長期的にはエネルギー消費量の増加、エネルギー消費におけるガスシフトに伴い、発電におけるガスシフトも進む。IEAによると2040年には発電におけるガス消費は日本の2~3倍に増加する見通し。ただし石炭から天然ガスへの転換は当面は家庭向け・産業用ボイラーが主体。発電について当面は政策的な後押しに加え、コスト優位性のある再生可能エネルギー(特に風力・太陽光)への投資、石炭からの転換が進む見通し。 ? 天然ガスの輸入・輸送・貯蔵インフラの整備が進み、ロシアからの天然ガスパイプライン(東ルート)が全線開通する2020年以降には世界のLNG市場に大きな影響を与えるような調達行動を取ることは季節要因を除き減少するはずだが、政策次第で需給が乱高下するエネルギー大消費国中国の行動は今後も注視する必要がある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? .中国北部における深刻な天然ガス不足の背景と影響 1-1.大気汚染対策最終年の急速な石炭から天然ガスへの転換により北部を中心に深刻な天然ガス不足発生 2017年末に中国の北部を中心に深刻な天然ガス不足が起きた。北京などの北部は11月から3月にかけて冬季集中暖房需要期であり、天然ガスの不足が起きることは珍しくはないが、2017年の冬は例年にもまして深刻な状況である。産業向けの卸価格(シティゲート価格)引き下げ(2017年9月)で軽油などの競合燃料に対し経済性が改善したことや季節要因(低気温)などの要因もあるが、問題が深刻化した最大の要因は環境(大気汚染)対策に伴う急速な石炭から天然ガスへの燃料転換を強行したことだ。 中国政府は石炭や石油から天然ガスへの転換は段階的に進めている。13次五か年計画において石炭ボイラーから天然ガスへの転換、交通輸送分野における石油から天然ガスの燃料転換を進め、2020年までに天然ガスの1次エネルギー消費に占める比率を現在の6%から8.3%~10%(2017年8月の「エネルギー生産・消費革命戦略」では2030年に15%程度)に高める目標が設定された。 表 1:天然ガス「13次五か年計画」における主要目標 累計確認埋蔵量*1天然ガス生産量*2 うち在来型 うちタイトサンドガス うちシェールガス うちCBM生産(利用量) うちCMM抽出(利用量)天然ガス見かけ消費量ガス利用人口都市人口天然ガス化率天然ガスの1次エネルギーに占める比率天然ガス輸入量天然ガスパイプライン距離天然ガスパイプライン1次輸送能力LNG受入能力地下貯蔵ワーキングガス量2010年(実績)2015年(実績)2020年(目標)兆m3億m3/年9.1952131,3504544(38)136(48)1,931343661462,8004,380551,075417049601,61018億m3/年億人%%億m3/年万km億m3万t/年億m316約2,0701,200370300100(90)140(70)4.7578.3~10104,000148 中国 天然ガス「13次五か年5計画」を基にJOGMEC作成 *1:2020年目標は在来型、*2:2020年生産量は計画で示されたまま(内訳の合計とは合わない)*1:2020年目標は在来型、*2:2020年生産量は計画で示されたまま(内訳の合計とは合わない) た、2017年は大気汚染改善目標期間の最終年にあたる。政府(国務院)は2013年9月に「大気汚染 まGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? h止行動計画」を発表し、2017年までに北京、上海、広州の三大都市圏の石炭消費の削減、石炭小型ボイラーの淘汰などを進め、産業用燃料の石炭から天然ガスへの転換を進める目標を設定した。また2013年7月に国務院は「大気汚染防止に関する10条の措置」を発表し、各地方の幹部に対する目標責任制度を導入した。政府は目標最終年である2017年かつ大気汚染が悪化する冬季を控え、大気汚染が深刻かつ人口の多い北部の主要都市への梃入れを行った。2017年8月28日、環境保護部は北京、天津および周辺26都市(通称“2+26都市”、表1参照)に対し、「2017年秋冬季(17年10月~2018年3月)の大気汚染改善行動計画」を公表し、対象地域におけるPM2.5濃度削減、石炭から天然ガスへの転換世帯数、石炭消費削減、石炭ボイラー淘汰数について設定し、各地方に遂行を求めた(表2、図1)。 環境保護部は併せて同計画実行に関する査察や問責規定を公表した。問責規定によると対象都市中ワースト3都市かつ目標未達都市の党・政府幹部は処罰される。人事異動後も責任を問われる厳しい内容だ。同部は定期的に対象地域の現状を公表している。2017年10-11月のPM2.5削減目標達成状況(表3)によると、対象28都市全体の2017年10-11月のPM2.5の平均濃度は前年同期比22.6%減の65?/m3となっておりかなり効果が表れている模様である。また北京市、天津市、河南省6、河北省9、山東省7、山西省4の計28都市中21都市が目標を超過達成している一方で、ワースト3の河北省邯鄲(Gandan)市、山西省晋城(Jincheng)市、山東省済寧(Jinin)市を含む7都市が目標を達成できておらず、環境保護部はさらなる努力を求めた。 表 2:北部各地方に対する石炭から天然ガスへの転換世帯数、石炭消費削減、石炭ボイラー淘汰数目標 北京市天津市河北省山西省山東省河南省29180393542石炭から天然ガスへの転換目標(万世帯)石炭消費削減目標(2017年、万t)淘汰対象の小型石炭ボイラー容量30260260600以上・北京市内6区・南部平原地区は全て淘汰・その他地区は10トン/時以下・市内中心部は全て淘汰・濱海新区・環城4区は35トン/時以下・その他地区は10トン/時以下・各市・直轄県:35トン/時以下・石家省、保定、廊坊行政区内は10トン/時以下前年比減 「大気汚染十条」に基づく削減・行政区域内は10トン/時以下・都市部は20トン/時以下・県部は10トン/時以下前年比減・行政区域内は10トン/時以下小型石炭ボイラーの淘汰対象(台)1,5005,64017,00096915,7002,914 「北京・天津・河北省および周辺の26都市2017年秋冬期(17年10月~2018年3月)の大気汚染改善Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? } 1:中国の地域別天然ガス消費、主な輸入・幹線パイプライン・LNG受入基地 各種情報を基にJOGMEC作成 (地域別天然ガス消費量<15年>は中国能源統計2016による、黒枠内は秋冬にかけて特に大気汚染対策強化を求められた2直轄市<北京、天津>、4省<河北、山西、山東、河南>) 018年1月8日付で環境保護部が公表した2017年10-12月のPM2.5削減目標達成状況(表4)に 2よると、対象28都市全体の2017年10-12月のPM2.5の平均濃度は前年同期比34.3%減の71?/m3となっている。前回調査では河北省邯鄲(Gandan)市、山西省晋城(Jincheng)市、山東省済寧(Jinin)市等7都市が目標を達成できていなかったが、今回は28都市全てが目標を超過達成している(表3)。2018年3月までこの状態を維持できれば地方政府幹部は処罰を免れる訳だが、11月から12月に急速な石炭から天然ガスへの転換が行われ、天然ガスの不足が深刻化したことが頷ける。 行動計画」(環境保護部2017年8月)に基づき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? 表 3:北京・天津・河北省および周辺の26都市のPM2.5平均濃度ランキング 都市名石家庄北京市保定天津市安陽徳州廊坊滄州唐山太原鶴壁新県濱州衡水?台焦作聊城陽泉鄭州済南?博長治濮陽開封荷澤済寧晋城邯鄲河北省Shijiazhuan河北省BeijingBaodingTianjin河北省Anyang山東省DezhouLangfang河北省Cangzhou 河北省Tangshan 河北省山西省Taiyuan河南省Hebi河南省XinxianBinzhou山東省Hengshui 河北省河北省XingtaiJiaozuo河南省Liaocheng山東省Yangquan 山西省Zhengshou河南省Jinan山東省Zibo山東省Changzhi 山西省河南省Puyang河南省KaifengHeze山東省Jining山東省Jincheng 山西省Gandan河北省前年同期比削減(%)秋冬期改善目標(%)PM平均濃度(17年10-11月)(?/m3)都市名目標達成順(17年10-12月)前年同期比削減(%)秋冬期改善目標(%)PM平均濃度(17年10-12月)(?/m3)79526958705952636674616458738067646162566462646768536187-44.8%-43.5%-42.0%-31.0%-29.3%-28.0%-27.8%-27.6%-26.7%-26.7%-26.5%-25.6%-25.6%-23.2%-22.3%-21.2%-21.0%-20.8%-19.5%-18.8%-17.9%-8.8%-7.2%-4.3%-4.2%-1.9%0.0%8.8%-25%-25%-22%-25%-20%-15%-18%-18%-22%-25%-18%-15%-18%-18%-20%-18%-15%-15%-20%-18%-15%-10%-15%-10%-15%-10%-10%-20%1石家庄2北京市3廊坊4保定5鶴壁6安陽7天津市8焦作9新県10唐山11?台12徳州13鄭州14太原15滄州16濱州17衡水18陽泉19邯鄲20長治21聊城22済南23開封24?博25濮陽26晋城27荷澤28済寧河北省河北省河南省河北省Shijiazhuan河北省BeijingLangfangBaodingHebiAnyangTianjin河南省JiaozuoXinxian河南省Tangshan 河北省河北省XingtaiDezhou山東省Zhengshou河南省Taiyuan山西省Cangzhou 河北省Binzhou山東省Hengshui 河北省Yangquan 山西省Gandan河北省Changzhi 山西省Liaocheng山東省山東省Jinan河南省Kaifeng山東省ZiboPuyang河南省Jincheng 山西省山東省HezeJining山東省85495479638061706769846769777264816297647566727275638268-54.8%-53.8%-45.5%-44.8%-43.2%-42.0%-39.6%-38.6%-38.5%-37.3%-36.4%-35.0%-34.9%-34.7%-32.1%-31.2%-30.8%-27.1%-26.5%-26.4%-25.7%-25.0%-23.4%-23.4%-22.7%-21.2%-16.3%-13.9%-25%-25%-18%-22%-18%-20%-25%-18%-15%-22%-20%-15%-20%-25%-18%-18%-18%-15%-20%-10%-15%-18%-10%-15%-15%-10%-15%-10% 環境保護部「北京・天津・河北省および周辺の26都市環境空気質量状況」に基づき作成 1-2. 国内LNG卸価格の高騰、天然ガス供給制限で経済活動に支障 「2017年秋冬季(17年10月~2018年3月)の大気汚染改善行動計画」と呼応するように中国国内のLNG卸価格は9月中旬から上昇を始めた。国家統計局によると、2017年9月11日~20日の国内LNG価格(全国の国産LNG液化プラントおよびLNG受入基地の卸価格平均)は前年同期比11%増(約1ドル/MMBtu増)の9.5ドル/MMBtu(3189元/トン)となり、その後11月中旬にかけて前年同期比40%以上(4ドル前後)増加した。12月はさらに前年の2倍のペースで上昇し、20ドル/MMBtuを超えた(図2)。同じ期間のLNG輸入価格は17年9月以降前年同月比11%~17%の上昇にとどまっている。価格吊上げや不当販売が横行していた模様である。なお、同時期の日本のLNGスポット価格(METI調査)は前年同月比28%増(前月比13%増)の10.2ドル/MMBtuである。 天然ガス不足に対し政府はピーク調整(産業向けの供給を制限し家庭向けの供給を優先)を行っているが、家庭向けと偽って天然ガスを調達し、事業者向けに高く売りつける事業者があったと報じられていGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? 驕B政府が価格吊上げや不当な販売を行った業者を取り締まったことが功を奏したのか国内LNG価格は2018年1月には21.6ドルから16.7ドル/MMBtuに下がった。しかし前年に比べなお1.8倍高い。 給制限や価格急騰を受けて、河北省石家庄のセラミック企業が多数操業停止に追い込まれるなど 供経済活動に影響が生じている。また北部の民生向けの天然ガス供給を重慶市、四川省など南部から行っているが、これにより天然ガスを原料に製品を生産する南部の企業にも影響があらわれている。例えば独BASFは12月12日に重慶市の40万トン/年の化学プラント(MDI:ポリウレタンの原料)で水素製造に必要な合成ガスの天然ガス供給不足によりフォースマジュール(不可抗力)を宣言した。中国に進出している日本企業も北部・南部に限らず供給の削減や、前年より消費が超過した分について割増請求をされるなどの影響が出ている模様だ。 図 2: 中国国内LNG卸価格推移および中国のLNG平均輸入価格 国家統計局「流通分野の重要な生産資料市場価格変動情況」に基づき作成(1ドル6.5元で計算) .中国の天然ガス需給 ~LNG輸入は前年比約1200万トン増加、韓国を上回り世界2位の輸入国に~ 22-1.2017年の天然ガス需給の状況 2017年1~10月の天然ガス消費は前年同期比15%増の193BCMである(2016年通年は207BCM)。生産は同10%増の122BCM、純輸入は同26%増の71BCMである。消費の63%を国産ガスが、残り37%が輸入である。輸入の内訳はパイプラインガスが同6%増の34BCM、LNG輸入が同48%増の40BCM(2920万トン)、香港向けの輸出が11%増の3BCMである(図2)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? ,4001,9001,4009004002006年(100)(億m3/年)2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年2017年1-10月国産ガスLNG輸入パイプラインガス輸出消費成長(%)図 3:中国の天然ガス需給推移(2006年~17年10月) 国家統計局、新華社China OGP等に基づきJOGMEC作成 30%25%20%15%10%5%0% 017年10月頃まで中国の天然ガス需要は大気汚染改善への対応で石炭から天然ガスへの転換政策 2が進められたことや5年に一度の共産党大会開催にあたりインフラ投資などの景気刺激策が奏功し、増加基調にあった(国家統計局は2017年の中国の実質経済成長率は6.9%と公表)。パイプラインガスの輸入がLNGに比べ伸びていないのは供給の不足(トルクメニスタンやカザフスタンからの供給減少、ミャンマー~中国天然ガスパイプラインの中国区間事故による供給障害他)があったためである。カザフスタンのKazTransGazとPetroChina Internationalは中央アジアパイプラインを通じた5BCM/yの輸出契約を締結し、10月から供給を開始している。カザフスタンは中央アジアパイプラインの開通と同時に5BCMの天然ガスを供給する予定であったが、カザフスタン領内の西部産ガス地域から東部向けの輸送インフラ未整備(Beineu-Bozoi-Shymkent)を理由にこれまで供給は行われてこなかった。一方LNGは豪州などからのLNG長期契約の供給増加もあり安定的に伸びていた。 中国のLNG輸入は2017年1月から10月にかけて前年同期比5割増加(約940万トン増加)の2920Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 怎gンであった。この増加量は驚きだが、海運データ(速報ベース)によると、その後の需給ひっ迫を受けて2か月で約900万トン輸入し、2017年通年では前年比48%増(1200万トン増加)の3,789万トンに達した模様である。日本が約8,161万トン、韓国が3,651万トンであり、中国は輸入開始から11年で韓国を上回り世界2位のLNG輸入国となる見通しである(図4)。また2018年以降も締結済みのLNG長期契約のボリュームから中国が韓国を上回ることはほぼ確実と思われる。 万トン日中韓LNG輸入(16年・17年)2017年10月以降の中国の天然ガス需給ひっ迫、LNGの追加調達は日本のLNGスポット価格にも影響を与えた。経済産業省によると日本のLNGスポット価格は2017年10~12月にかけて前年同月比で3割程度上昇した(図5)。中国の凄まじいLNG需要が世界のLNG需給に与える影響は決して小さくはないが、中期的な視点で見ると新規プロジェクトの投資決定(FID)が無くとも、現在建設段階にある米国・豪州のプロジェクトが順次生産を開始する予定であり、2023年頃までLNGは供給過多の状態が続くと見られている。また、カタール、米国等需要が見込まれれば数年以内に低コストで供給を大幅に増加できる供給国、計画段階のプロジェクトが多数存在する(図6)。中国や新興国の需要増に対し中期的に世界日本韓国中国2016年2017年(速報ベース) -2. 中国のガス不足の短期的な影響は大きい 2図 4:日中韓LNG輸入 通関統計他各種情報に基づきJOGMEC作成 9,0008,0007,0006,0005,0004,0003,0002,0001,0000Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? LNGスポット価格推移(METI、2015~2017年、ドル/MMBtu)1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月 11月 12月121002468METIスポット・JLC価格推移(2014年4月~17年12月、ドル/MMBtu)12月10月8月6月4月2月12月10月8月6月4月2月12月10月8月6月4月2月12月10月8月6月4月 20151050のLNG供給は対応可能である。 METIスポット価格(ドル/MMbtu)JLC(Japan LNG Cocktail)2017年2016年2015年図 5:LNGスポット・JLC価格推移 METI、通関統計他に基づきJOGMEC作成 図 6:2017年以降生産開始のLNGプロジェクト 各種情報を基にJOGMEC作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? .政府の対応と今後のインフラ整備・輸入 3-1.天然ガスの不足に対する政府の対応 政府は短期的にはLNGの追加調達と発電・産業向けの供給削減を指示し、中期的にはインフラの整備(幹線パイプライン・LNG受入基地の新増設、南北地域間輸送網の連携、地下貯蔵設備、都市ガス配管網の整備など)を関連事業者に求めている。 国家発展改革委員会(NDRC)は北部の暖房シーズン(11月~3月)に備え夏から11月中旬までの5か月で輸入LNG248隻(24.5BCM、17.77百万トン)を調達し、162MMCM/日の供給を確保する計画であったが、さらに3.5BCM(約260万トン)のLNGを追加調達する計画と述べた。また天然ガス火力プラントや非民生(工業、自動車、化学)への供給を絞っている。今後は北部向けの供給を増加するため国有石油企業を中心にパイプライン、LNG受入基地、天然ガス地下貯蔵などの輸送・貯蔵インフラの整備を求めている。2017~21年の間に河北唐山(Tangshan)、黄?(Huanghua)、天津(Tianjin)、山東省青島(Qingdao)・日照(Rizhao)・龍口(Longkou)にLNG貯蔵タンクを建設し貯蔵能力を確保する計画である。また国有石油企業には地下貯蔵タンクを作り28都市向けの貯蔵能力を25Bcfに高めるよう求めた。 中国の天然ガス不足は北部の暖房期を過ぎると一旦落ち着くと思われる。2018年から19年の秋冬は政策目標の最終年ではなく、夏場のスポットLNG調達や冬のピーク調整を早目に行うなどの対応を取ることで今回のようなパニックの様相を呈することは少ないと思われる。しかし中国の天然ガス不足の問題は小手先の需給調整で解消できるものではなく、幹線パイプラインやLNG受入基地の新増設や南北地域間の連携に加え、地下貯蔵設備、都市ガス配管網整備などのインフラを整備していくことが必要であり、冬季の北部を中心とした天然ガス不足の解消には時間を要すると思われる。 2003年は米国のイラク攻撃による原油と石油製品の供給懸念による在庫積み増しや電力不足と石炭の安全検査強化による石油と石炭と電力のトリプルショック(中国では“三荒”と称された)が起きている。2010年末(11次五か年計画の最終年)にも今回と同様に処罰されることを恐れた一部の地方都市の幹部が排出抑制目標を達成するため病院などの例外無しに強制的な停電を行うなど極端な行動に走った。昨年2016年は石炭操業規制により石炭価格が急騰した。輸入・輸送・貯蔵インフラの整備が進み、ロシアや中央アジアから中国向けの天然ガスパイプラインが全線開通する2020年以降には需要期に世界のLNGや石炭市場に大幅な影響を与えるような調達行動を取ることは季節要因を除き減少するはずだが、中国で政策により需給が大きく変動し、世界のエネルギー価格に影響を与えたことはこれが初めてではない。政策次第で需給が乱高下するエネルギー大消費国中国の行動は今後も注視する必要がある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 天然ガス・LNGの輸入インフラについて、LNG受入基地は操業中基地の受入能力が約5,400万トン(73BCM)、建設中が少なくとも1,000万トン(13BCM)、計6,400万トン(86BCM)ある。輸入パイプラインの輸送能力は操業中(中央アジアA~C線およびミャンマー)が67BCM、建設・建設準備中(ロシア東ルート、中央アジアD線)が68BCM、計122BCMある。建設中のものが全て完成した場合、受入(輸入)能力は年210BCMで、輸入インフラにおけるLNGとパイプラインの比率は4対6となる(図7)。 -2.LNG・パイプラインの輸入インフラ 3 12月13日にCNPCは中露天然ガスパイプライン東ルートの黒河(Heihe)~長嶺(Changling)区間の建設が進展していることをアピールした。同パイプラインは2015年6月に建設を開始し、北部区間(黒河~長嶺)、中部区間(長嶺~永清)と南部区間(永清~上海)の三段階に分けて建設を行う。北部区間は2019年10月に操業を開始し、2020年末には全線が開通する見込みである。上海までの幹線パイプライン総延長は3,371kmで設計輸送能力は20BCM/年である。露Gazpromもロシア側のパイプラインや-2-1.ロシアから中国向けの天然ガスパイプライン(建設・交渉段階) 3CNOOC天津FSRU 、申能の上海五号溝などピーク調整主体の受入基地を除く 図 7:操業・建設(準備)中のLNG受入基地 各種情報を基にJOGMEC作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? murガス処理プラント(処理能力年42BCM)などの建設に着手している。 また、12月21日にCNPCは露Gazpromと極東からのパイプラインによる供給について基本合意(HoA)した。SKV(Sakhalin- Khabarovsk-Vladivostok)パイプライン経由で、サハリンのガスを沿海地方のDalnerechenskから中国へ供給するもので、供給量は年8BCMとされる。また交渉が滞っていた西シベリアの天然ガスを供給するアルタイ・ルート(西ルート、年38BCM)についても2018年に交渉を再開すると伝えられている。また、業界関係者によると、PetroChinaはロシアや中央アジアからのパイプラインによる輸入は一帯一路(Belt and Road)政策にも合致し、現状は(輸送費を含め)LNGより多少割高でもこれらの地域との連帯を望むと見ている。 ロシア→中国東ルート(建設中)ロシア→中国西ルート(交渉再開)ロシア→中国極東ルート(基本合意)パイプラインガス国別輸入・長期契約(2016年・2020年、BCM)1008060402002016年2020年トルクメニスタンウズベキスタンカザフスタンミャンマーロシア 中央アジア→中国(操業・建設準備中)ミャンマー→中国(操業中)図 8:中国輸入パイプライン(操業・建設・交渉中) 各種情報に基づきJOGMEC作成 -2-2.中央アジアパイプライン 3キルギスのUlanbek Ryskulov工業・エネルギー・鉱物資源相は中央アジアと中国を結ぶ中央アジアパイプラインD線の同国区間の建設を2019年末に開始すると発表した。キルギス区間はChon-AlaiからIrkeshtamに至る約215km、輸送能力は年30BCM、総工費は12億ドルと見積もられている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? 嚼ンはCNPC傘下の中油国際管道公司(SINO-Pipeline International Company Limited)が中国側の資金で行い2020年の完工を目指す。同パイプライン計画は13年9月に習近平国家主席がトルクメニスタンを訪問した際、Galkynyshガス田の開発および年間25BCMの中国向けパイプラインガス追加供給に関する契約に調印し、中国政府はウズベキスタン、タジキスタン、キルギスとそれぞれ同プロジェクトの合意文書に調印した。2016年末に完成予定であったが、タジキスタン区間でトンネル建設や河川横断が多数あり、さらにトルクメニスタンのガス開発計画がはっきりしていなかったことなどが原因で実行に移されていなかった。 3-3. 長期契約の現状と今後の輸入 現在締結済みの長期契約はLNGが約4,100万トン/年(約56BCM、図9)、パイプラインが90BCM、計146BCMある。しかしLNGは2017年11月のトランプ大統領訪中の際、米中企業は総額2500億ドル(28兆円)の契約(合意)をしたが、このうちエネルギー分野の合意・覚書は1,000億ドル、LNG関連ではアラスカLNGの共同開発を含む3件の合意があった(表4)。この他ガス・電力企業等が合意した契約(契約期間5年以上)が少なくとも700万トン/年(1BCM)ある(表5)。 LNG国別輸入・長期契約(2016・2020年、万トン)4,0003,0002,0001,0000豪州カタールロシア2016年2020年(契約ベース)インドネシアマレーシアパプアニューギニアカナダポートフォリオ・スポット 図 9:中国のLNG長期契約(2016年・2020年契約ベース) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? ナ大50SPA2016年7月(Key Terms Agreement)2014年2018年N.A.2016年5月契約開始年最大65(合意)2016年8月Binding HoA50282016年8月Binding HoA2016年12月SPA2018年~2019年2018年2018~2019年1002015年10月non-bingding HoA契約開始年最大1002015年12月2020年HoA1002015年10月HoA2020年10年5年N.A.10年10年5年20年10年1002016年5月(HoA)N.A2015年8月HoA100N.A700万トン前後2020年~2045年25年N.AN.A 備考Joint development agreement 2000万t/年(計画中)液化プラント、パイプライン等付帯設備の建設覚書110億ドル相当のLNG購入合意計画中のFLNG(300~330万t/年4隻計1300万)について2021~22年以降期間300万トン、15年 合意額(億ドル)430 4:米中LNG関連合意(2017年11月首脳会談) 表プロジェクト中国企業米国政府・企業アラスカLNGの共同開発Sinopec、中国投資(CIC)、中国銀行(Bank of China)アラスカ州政府、Alaska GaslineDevelopment Corp(AGDC)LNG購入(長期契約)LNG購入PetroChinaCheniere Energy110中国燃気(ChinaGas)DelfinLNG-各種情報を基にJOGMEC作成 表 5:非国有石油企業による主なLNG調達(合意) 数量(万トン/年)Petronas302014年合意時期契約開始時期契約期間九豊(Jovo)九豊(Jovo)九豊(Jovo)新奥(ENN)新奥(ENN)新奥(ENN)華電(Huandian)華電(Huandian)華電(Huandian)広州燃気広匯能源(Guanghui)中天能源合計Chevron(ポートフォリオ)米SCT&E LNGChevron(豪Gorgon/Wheatstone)Total(ポートフォリオ)豪Origin Energy(GLNG他ポートフォリオ)BPChevron(豪Gorgon/Wheatstone)Pavilion Energy加Woodfibre LNGShell加Gascana ABEnergyGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? e種情報を基にJOGMEC作成 IEA世界エネルギー展望2017(WEO2017)の新政策シナリオによると需給ギャップは2016年の160BCMから40年に269BCM(LNG換算約2億トン、輸入比率44%)に拡大することが見込まれる(図9)。LNGとパイプラインのガス輸入インフラにおける将来の比率と実際の輸入には不確実性があるが、パイプラインとLNG計120BCM(LNG換算約8,800万t)超の新規契約が必要になるのではないか。 7006005004003002001000BCM/yIEAGas2017IEA WEO2017長期契約(パイプライン・LNG)1501005002016年2018年2020年2022年2025年2030年2035年2040年生産需要20162020BCMパイプラインLNG 図10:中国の天然ガス需給(IEA新政策シナリオ)および長期契約(パイプライン・LNG) IEAならびに各種情報を基にJOGMEC作成 4-1.発電における天然ガス火力転換の可能性 4-1.天然ガスの発電における位置づけ 日本では天然ガス消費の7割が電力向けだが、中国では天然ガス消費における電力・熱供給のシェア(2015年)は約2割(35BCM)である(図10)。天然ガスは現状ピーク調整にとどまっている。発電量や発電設備容量に占める割合(2016年)は発電量が前年比12.7%増の1,881億kWhで、発電量全体約6億kWhの3.1%、発電設備容量は前年比6.1%増の7,008万kWで設備容量全体約16.5億の4.3%)である。設備容量は日本(2015年度約7,311万kW、設備容量全体の28%)とほぼ同じだが、発電電力量は日本(2015年度3,892億kWh、発電量の44%)に比べ少ない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? 00%80%60%40%20%0%家庭用, 2010年, 21%その他, 2%流通・小売, 3%交通輸送, 10%電力・熱等, 18%製造業, 35%採掘業, 12%2010年家庭用, 2015年, 19%その他, 2%流通・小売, 3%交通輸送, 12%電力・熱等, 18%製造業, 37%採掘業, 8%2015年 図 11:中国の天然ガス分野別消費 中国能源統計2016年に基づき作成 燃料別発電量(2016年速報)燃料別発電設備容量(2016年速報)原子力4%石炭火力65%太陽光/熱5%原子力2%風力9%水力(揚水含む)20%石炭火力57%太陽光/熱1%風力4%水力(揚水含む)20%その他火力3%ガス火力3%その他火力3%ガス火力4% 図 12:中国の燃料別発電量・発電設備容量(2016年速報ベース) 中国電力企業連合会「16年全国電力工業統計速報一覧」に基づき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? 中国政府は13次五か年計画において“消費総量の抑制”、“効率の向上” 、“低炭素化”(石炭消費を抑制し、原子力と再生可能エネルギーおよび天然ガスの消費拡大を目指している。また中国は2016年に提出したINDC(約束草案)において2030年前後に石炭消費をピークアウトさせ、2030年に非化石エネルギーの比率を20%程度とする目標を設定している。 低炭素化政策に関連し、13次五か年計画における発電設備構成の目標をみると、発電設備容量を2015年の15.3億kWから2020年までに4.7億kW増強し20億kWとする計画である。そのうち原子力と再生可能エネルギーの比率を15年の35%(5.3億kW)から2020年までに39%(8億kW)、天然ガス火力の比率を同5%(7000万kW)から6%(1.1億kW)に拡大する目標が設定されている(図12)。発電電力量は総量(2015年の5.7兆kWhから2020年に6.8~7.2兆kWh)のみで電源別の目標は設定されてい非化石39%うち水力19%原子力3%化石61%うち石炭55%ガス6%7.06.05.04.03.02.01.00.0年率5.5%6.8~7.2兆kWh電源別目標なし非化石26%うち水力19%火力74%うちガス2.9%発電電力量(15年実績)兆kWh発電電力量(20年目標)兆kWh火力非化石 発電設備容量(15年実績)億kW石炭火力その他火力太陽光/熱発電設備容量(20年目標)億kWガス火力石油火力水力(揚水含む)風力原子力その他非化石億kW+4.7億kW非化石35%うち水力21%原子力2%化石65%うち石炭59%ガス5%20181614121002468ない。 図 13:電力「13・5計画」における発電設備構成・電力量目標 4-2.発電における天然ガス火力転換の見通し IEAの新政策シナリオによると、中国はエネルギー消費量の増加と天然ガスシフトに伴い、発電におけるガス消費は2040年には現在の3倍程度に増加し、日本を上回る見通しである。天然ガス火力発電量に占めるガスの比率は現在の4%程度から40年には8%に伸びる(図13)。また発電におけるガス消費Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? ヘ現在の50BCMから2040年に171BCM(LNG換算1億2500万t)に増加する見通しである。IEAの新政策シナリオにおいて日本では発電におけるガス消費は現在の67BCM(LNG換算約4800万トン)から2040年に43BCM(同3,100万トン)となっており、同シナリオ上は中国の発電におけるガス消費は2040年には日本の3倍に増加する見通しである。 長期的に発電におけるガス消費の総量は増えるが、当面は石炭から再生可能エネルギーへの転換が大きく進む見通しである。IEAによると中国における天然ガス火力発電のコスト競争力は中長期的に低い模様である。現在新規のガス火力発電のコストは石炭の2倍である。石炭と天然ガス火力発電のコストの差は2040年には40%程度に縮小する見通しだが、再生可能エネルギーの風力と太陽光のコスト低減が著しく進み、石炭火力からそれらへの転換が進む見通しである。中国において陸上風力発電のコストはすでにガス火力より低いが、太陽光発電は2020年頃には既設・新設のガス火力のコストを下回り、2030年頃には既設の石炭火力と陸上風力発電のコストをも下回る見通しである(図14)。ロシアなどからの輸入の増加で天然ガスに供給余力が生まれ、炭素税他環境規制の強化で石炭火力に対しガス火力2016年e2025年2030年石炭水力石油バイオ太陽光(PV)CSPガス風力Marine2040年2035年原子力地熱 -3.当面の新規発電設備投資は再生可能エネルギーに向かう 4図 14:中国の発電量(IEA新政策シナリオ) 出所:IEA 中国発電量(IEA新政策シナリオ)(TWh)12,00010,0008,0006,0004,0002,0000Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? ノコスト競争力が生じれば長期的にはガス火力への転換がさらに進む可能性はあるが、当面新規発電設備投資は政策的な後押しに加え、コスト優位性のある再生可能エネルギー(特に風力・太陽光)に向かい、石炭から再生可能エネルギーへの転換が大きく進む見通しである(図15)。 図15:太陽光、陸上風力、ガス火力、石炭火力新規発電設備のコスト比較 出所:IEA 図16:中国における新規発電設備投資の推移 (出所:IEA) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ?
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2017/12/28 竹原 美佳
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