ページ番号1007485 更新日 平成30年4月10日
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1.柏崎テストフィールドの多目的教育訓練システムについて
JOGMECの柏崎テストフィールドでは、これまで多目的教育訓練システムとして掘削リグと実験井1号井(TRC-RW1)を運用してきました。
TRC-RW1は各種掘削技術の実証試験を目的として、当時の石油公団により平成4年1月から3月にかけて深度1,025mまで掘削され、実証試験終了後は13-3/8"ケーシングを地表から深度1,016mまで設置した状態で休止井とされました。
その後、平成10年には同井を人材育成のための研修用設備として活用するため、9-5/8"ケーシングに3/4"コイルドチュービングを沿わせて坑内に設置する改造工事を実施し、また同時に坑内に機器を上げ下げするための掘削リグを同井上に設置しました。
以後、掘削リグとTRC-RW1は約20年にわたり国内外の技術者向け研修事業等に活用されてきました。
しかし、掘削リグは設置後に2度の大地震(中越地震(2004)、中越沖地震(2007))を経験したことや、老朽化により安全面における懸念があったことから平成28年8月に解体しました。TRC-RW1もその役目を終え、また老朽化が進んできたことから平成29年11月に廃坑工事を実施しました。
2.TRC-RW1の廃坑工事
TRC-RW1を安全かつ確実に廃坑するため、平成28年度にはエンジニアリングスタディおよび事前の坑内状況調査を実施しました。
エンジニアリングスタディにおいては海外の坑井エンジニアリング会社を委託先に選定し、最新の廃坑技術に関する情報収集、および最新の廃坑技術を使用する場合の作業計画の立案およびリスク分析を実施しました。
平成29年3月下旬から4月中旬にかけて実施した坑内状況調査では、トラック積載型の小型リグを使用して後の廃坑作業時に不要となる9-5/8"ケーシングと3/4"コイルドチュービングの抜揚、および13-3/8"ケーシング周囲のセメント膠着状況把握のためのセメントボンド検層を実施しました。
以上の結果を踏まえて廃坑作業計画を立案し、平成29年11月より坑内作業を開始しました。廃坑作業では、将来にわたり地下からの流体上昇の可能性を確実に排除するため、セクションミルと呼ばれる機器を用いて13-3/8"ケーシングおよび周囲のセメントを坑内から切削し、同区間に新たなセメントプラグを設置する作業を実施しました。
ケーシング切削作業中、2度の抑留が発生したものの、いずれも離脱に成功し、最終的には無事故・無災害で坑内作業を完了しました。その後、廃坑基準に則って坑口装置を撤去し、地表面下2mでケーシング切断面に鉄板蓋を溶接し、セラーを埋め立てて全作業を完了しております。
なお、セクションミルについては国内における実績が少なく、特に13-3/8"ケーシングのように比較的大口径なケーシングに対するミリング作業は稀有であることから業界関係者の見学を受入れ、今後の業務の参考として役立ったものと考えております。
3.まとめ
TRC-RW1の廃坑後、柏崎テストフィールドに存在する実験井は2坑となりましたが、これらの坑井について中長期的な健全性を担保するための方策を検討しております。引き続き、各種実験等でご利用いただければ幸いです。
以上
(この報告は2018年1月24日時点のものです)